JPH09278704A - モノクロロピナコロンの製造方法 - Google Patents

モノクロロピナコロンの製造方法

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JPH09278704A
JPH09278704A JP8815396A JP8815396A JPH09278704A JP H09278704 A JPH09278704 A JP H09278704A JP 8815396 A JP8815396 A JP 8815396A JP 8815396 A JP8815396 A JP 8815396A JP H09278704 A JPH09278704 A JP H09278704A
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pinacolone
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chlorine
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JP8815396A
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Shinichi Fujita
信一 藤田
Kazumasa Ihi
万将 衣斐
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DIC Corp
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/61Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reactions not involving the formation of >C = O groups
    • C07C45/63Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reactions not involving the formation of >C = O groups by introduction of halogen; by substitution of halogen atoms by other halogen atoms

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 副生成物であるジクロロピナコロンの含有率
が1重量%以下のモノクロロピナコロンの安価な製造方
法を提供すること。 【解決手段】 炭素原子数1〜5の脂肪族アルコール溶
媒中で、ピナコロン1モルに対し0.2〜0.8モルの
塩素を用いて塩素化するモノクロロピナコロンの製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真薬中間体、農
薬中間体等として有用なモノクロロピナコロンを製造す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】モノクロロピナコロンの製造法として
は、例えば、(1)特開昭53−137908号公報に
は、メタノール中でピナコロンに塩素1.0〜1.2モ
ル当量を反応させる方法、(2)ジャーナル・オブ・オ
ーガニック・ケミストリー(Jornal of Organic Chemis
try)第28巻第1128頁には、 オキシジクロロセレンを用
いてピナコロンに塩素を反応させる方法、(3)ジャー
ナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー
(Jornal of The American Chemical Society )第55巻
第2509〜2512頁には、四塩化炭素、クロロホルム又は二
硫化炭素の存在下に、室温で紫外線を照射してピナコロ
ンを塩素化する方法、(4)日本化学雑誌第78巻第1号
第48〜49頁には、温度0℃で塩素1モルに対し1モルの
ピナコロンを反応させる方法、(5)特開昭53−13
0615号公報には、溶媒を使用せず、温度−20〜70℃
で1〜50モルのピナコロンに対し、塩素1モルを反応さ
せる方法、などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】写真薬の場合、モノク
ロロピナコロン中のジクロロピナコロン含有量が1%を
超えると、カプラーの収率と純度が著しく低下し、写真
特性が低下する傾向にあるため、写真薬中間体は高純度
が要求される。
【0004】また、農薬の場合には、副生成物が1重量
%以上あると当該化合物の催奇性試験、毒性試験等が要
求されることから、農薬中間体においても高純度のモノ
クロロピナコロンを要求される傾向にある。
【0005】しかしながら、従来の技術の欄に記載した
方法、例えば、特開昭53−130615号公報に記載
の方法では、ジクロロピナコロンが5%以上も副生す
る、特開昭53−137908号公報に記載の方法で
は、ジクロロピナコロンが3%以上副生するなど、いず
れもモノクロロピナコロンの純度が97重量%以下であ
り、モノクロロピナコロンとの沸点差が極めて小さいジ
クロロピナコロンを分離除去するためには、経済的に不
利な高理論段数の精密蒸留操作を必要とするために、副
生成物であるジクロロピナコロンの含有率が1重量%以
下のモノクロロピナコロンを提供するには、製造コスト
が高い、という問題点があった。
【0006】本発明が解決しようとする課題は、副生成
物であるジクロロピナコロンの含有率が1重量%以下の
モノクロロピナコロンの安価な製造方法を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、モノクロ
ロピナコロンの製造方法について鋭意研究を重ねた結
果、炭素原子数1〜5の脂肪族アルコール溶媒中、ピナ
コロン1モルに対し0.2〜0.8モルの塩素を用いて
製造した場合に、好ましくないジクロロピナコロンの含
有量を0.40重量%未満と従来技術の方法に比べて1
/8以下に減少させることができ、モノクロロピナコロ
ンを高純度、高収率で、しかも簡単な単蒸留操作で安全
に生産しうることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、炭素原子数1〜5の脂肪族アルコール溶媒中で、ピ
ナコロン1モルに対し0.2〜0.8モルの塩素を用い
て塩素化することを特徴とするモノクロロピナコロンの
製造方法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で用いる脂肪族アルコール
としては、例えば、メタノール、エタノール、nープロ
ピルアルコール、nーブチルアルコール、nーペンチル
アルコールが挙げられ、これらの中でも、メタノール、
エタノールが特に好ましい。
【0010】本発明で用いる脂肪族アルコールの使用量
は、ピナコロン100重量部に対して、100〜500
重量部の範囲が好ましい。
【0011】本発明で用いる塩素は、ガス状であり、減
圧、常圧又は加圧下に仕込まれ、好ましくは常圧下に仕
込まれる。また、塩素を仕込む時の温度は、−50〜2
5℃の範囲が好ましく、−20℃〜15℃の範囲が特に
好ましい。塩素を仕込む時の温度が−50℃より低い場
合には、冷却の設備コストが高いことから経済的に好ま
しくない。また、25℃を超えた場合、ジクロロピナコ
ロンが多量に生成する傾向にあるので好ましくない。
【0012】請求項3に記載のように、本発明の製造方
法において、塩素化反応の際にトリアリールホスフィン
を触媒として用いることが好ましい。
【0013】触媒として用いるトリアリールホスフィン
としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリス
(Pートリル)ホスフィン、トリス(ジメチルフェニ
ル)ホスフィンが挙げられ、これらの中でもトリフェニ
ルホスフィンが特に好ましい。
【0014】トリアリールホスフィンを触媒として使用
する場合の使用量は、ピナコロン100重量部に対し
て、0.05〜10重量部の範囲が好ましい。
【0015】請求項2に記載のように、ピナコロンを塩
素化して得られる反応生成物に、アルカリ金属水酸化
物、アルカリ土類金属水酸化物、アンモニア水及び/又
はその塩を加えて精製することが好ましい。
【0016】アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属
水酸化物及びアンモニア水の塩は、炭酸塩、炭酸水素
塩、リン酸塩、リン酸水素塩、ギ酸塩、酢酸塩が挙げら
れ、なかでも炭酸塩、炭酸水素塩が特に好ましい。
【0017】ピナコロンの塩素化反応生成物に、アルカ
リ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アンモニ
ア水及び/又はその塩を添加する時の温度は、−50℃
〜25℃の範囲が好ましく、−20℃〜15℃の範囲が
特に好ましい。
【0018】アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属
水酸化物、アンモニア水及び/又はその塩は、予め塩素
化反応生成物に窒素及び/又は空気を吹き込んで塩化水
素を一部取り除いた後のモノクロロピナコロン溶液に添
加してもよい。
【0019】ピナコロンを塩素化して得られる反応生成
物に、必要に応じて、アルカリ金属水酸化物、アルカリ
土類金属水酸化物、アンモニア水及び/又はその塩を添
加した後、反応溶媒として用いた脂肪族アルコールを常
圧下に留去し、得られた反応生成物の濃縮液に、ジクロ
ロメタン等の有機溶剤を加え、分液して水層を取り除
き、水で十分洗浄した後、有機層を単蒸留する。このよ
うにして、ジクロロピナコロンの副生が少なく、高純度
のモノクロロピナコロンが得られる。
【0020】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明する。なお、以下の実施例及び比較例におい
て、「%」は『重量%』を表わす。
【0021】(実施例1)撹拌機、温度計、窒素供給導
管及び塩素供給導管を備えた容量1000mlの反応フラ
スコに、メタノール475.0g、ピナコロン200.
0g(2.0モル)及びトリフェニルホスフィン1.0
gを秤取した。撹拌しながら、常圧下に、−20℃で塩
素ガス85.1g(1.2モル)を8時間かけて供給し
た。この間、発熱が著しいので、冷却を行いながら反応
温度が−15℃を超えないようにした。塩素ガスの仕込
量が1.2モルに達した段階で、塩素ガスの仕込を終了
し、−20℃で2時間熟成を行った。
【0022】熟成終了後、予め10%水酸化ナトリウム
水480.0g(1.2モル)を−5℃に冷却させた2
000mlの反応フラスコに、上記塩素化反応生成物のメ
タノール溶液を仕込んだ。この間、発熱が著しいので、
冷却を行いながら反応温度が−0℃を超えないようにし
た。
【0023】この中和反応溶液を蒸留フラスコに仕込
み、常圧下に蒸留を行ってメタノールを回収した。
【0024】濃縮液にジクロロメタン200gを加え、
撹拌後に静置して分液し有機層をイオン交換水で洗浄し
た後、蒸留フラスコに仕込んだ。
【0025】上記有機層を70℃に加熱して先ずジクロ
ロメタンを、次いで120℃にまで加熱して未反応のピ
ナコロンを除去した後、67hPa(ヘプトパスカル)
の真空でモノクロロピナコロン150.0gを留出させ
た。
【0026】収率は転化したピナコロンを基準にして9
3%であった。
【0027】このようにして得たモノクロロピナコロン
をガスクロマトグラフで分析した結果、純度は99.7
%であった。
【0028】(実施例2)撹拌機、温度計、窒素供給導
管及び塩素供給導管を備えた容量1000mlの反応フラ
スコに、メタノール475.0gとピナコロン200.
0g(2.0モル)を秤取した。撹拌しながら、常圧下
に、−30℃で塩素ガス70.9g(1.0モル)を8
時間かけて供給した。この間、発熱が著しいので、冷却
を行いながら反応温度が−25℃を超えないようにし
た。塩素ガスの仕込量が1.0モルに達した段階で、塩
素ガスの仕込を終了し、−30℃で2時間熟成を行っ
た。
【0029】次に窒素ガスを常圧下に供給し、塩素化反
応で副生した塩化水素の一部を除いた。
【0030】上記脱ガス終了後、予め10%炭酸ナトリ
ウム水424.0g(0.4モル)を−5℃に冷却させ
た2000mlの反応フラスコに、上記塩素化反応生成物
のメタノール溶液を仕込んだ。この間、発熱が著しいの
で、冷却を行いながら反応温度が−0℃を超えないよう
にした。
【0031】この中和反応溶液を蒸留フラスコに仕込
み、常圧下に蒸留を行ってメタノールを回収した。
【0032】濃縮液にジクロロメタン200gを加え、
撹拌後に静置して分液し有機層をイオン交換水で洗浄し
た後、蒸留フラスコに仕込んだ。
【0033】上記有機層を70℃に加熱して先ずジクロ
ロメタンを、次いで100℃にまで加熱して未反応のピ
ナコロンを除去した後、67hPa(ヘプトパスカル)
の真空でモノクロロピナコロン124.1gを留出させ
た。
【0034】収率は転化したピナコロンを基準にして9
2%であった。このようにして得たモノクロロオピナコ
リンをガスクロマトグラフで分析した結果、純度は9
9.1%であった。
【0035】(実施例3)撹拌機、温度計、窒素供給導
管及び塩素供給導管を備えた容量1000mlの反応フラ
スコに、エタノール475g、ピナコロン200.0g
(2.0モル)とトリフェニルホスフィン1.0gを秤
取した。撹拌しながら、常圧下に、−10℃で塩素ガス
99.3g(1.4モル)を8時間かけて供給した。こ
の間、発熱が著しいので、冷却を行いながら反応温度が
−5℃を超えないようにした。塩素ガスの仕込量が1.
4モルに達した段階で、塩素ガスの仕込を終了し、−1
0℃で2時間熟成を行った。
【0036】熟成終了後、予め10%水酸化カリウム水
785.4g(1.4モル)を−5℃に冷却させた20
00mlの反応フラスコに、上記塩素化反応生成物のエタ
ノール溶液を仕込んだ。この間、発熱が著しいので、冷
却を行いながら反応温度が−0℃を超えないようにし
た。
【0037】この中和反応溶液を蒸留フラスコに仕込
み、常圧下に蒸留を行ってエタノールを回収した。
【0038】濃縮液にジクロロメタン200gを加え、
撹拌後に静置して分液し有機層をイオン交換水で洗浄し
た後、蒸留フラスコに仕込んだ。
【0039】上記有機層を70℃に加熱して先ずジクロ
ロメタンを、次いで100℃にまで加熱して未反応のピ
ナコロンを除去した後、67hPa(ヘプトパスカル)
の真空でモノクロロピナコロン171.5gを留出させ
た。
【0040】収率は転化したピナコロンを基準にして9
1%であった。
【0041】このようにして得たモノクロロオピナコリ
ンをガスクロマトグラフで分析した結果、純度は99.
6%であった。
【0042】(実施例4)撹拌機、温度計、窒素供給導
管及び塩素供給導管を備えた容量1000mlの反応フラ
スコに、n−プロピルアルコール475.0g、ピナコ
ロン200.0g(2.0モル)及びトリフェニルホス
フィン1.0gを秤取した。撹拌しながら、常圧下に、
−20℃で塩素ガス56.7g(0.8モル)を8時間
かけて供給した。この間、発熱が著しいので、冷却を行
いながら反応温度が−15℃を超えないようにした。塩
素ガスの仕込量が0.8モルに達した段階で、塩素ガス
の仕込を終了し、−20℃で2時間熟成を行った。
【0043】熟成終了後、−20℃で塩素化反応生成物
のnープロピルアルコール溶液に10%アンモニア水1
36.0g(0.8モル)を仕込んだ。この間、発熱が
著しいので、冷却を行いながら反応温度が−5℃を超え
ないようにした。
【0044】この中和反応溶液を蒸留フラスコに仕込
み、常圧下に蒸留を行ってnープロピルアルコールを回
収した。
【0045】濃縮液にジクロロメタン200gを加え、
撹拌後に静置して分液し有機層をイオン交換水で洗浄し
た後、蒸留フラスコに仕込んだ。
【0046】上記有機層を70℃に加熱して先ずジクロ
ロメタンを、次いで120℃にまで加熱して未反応のピ
ナコロンを除去した後、67hPa(ヘプトパスカル)
の真空でクロロピナコロン97.2gを留出させた。
【0047】収率は転化したピナコロンを基準にして9
0%であった。
【0048】このようにして得たモノクロロオピナコリ
ンをガスクロマトグラフで分析した結果、純度は99.
7%であった。
【0049】(実施例5)撹拌機、温度計、窒素供給導
管及び塩素供給導管を備えた容量1000mlの反応フラ
スコに、メタノール475g、ピナコロン200.0g
(2.0モル)とトリフェニルホスフィン1.0gを秤
取した。撹拌しながら、常圧下に、−20℃で塩素ガス
42.5g(0.6モル)を8時間かけて供給した。こ
の間、発熱が著しいので、冷却を行いながら反応温度が
−15℃を超えないようにした。塩素ガスの仕込量が
0.6モルに達した段階で、塩素ガスの仕込を終了し、
−20℃で2時間熟成を行った。
【0050】熟成終了後、この反応生成液を蒸留フラス
コに仕込み、常圧下に蒸留を行ってメタノールを回収し
た。
【0051】引き続き、120℃にまで加熱して未反応
のピナコロンを除去した後、67hPaの真空でモノク
ロロピナコロン74.3gを留出させた。
【0052】収率は転化したピナコロンを基準にして9
2%であった。
【0053】このようにして得たモノクロロオピナコリ
ンをガスクロマトグラフで分析した結果、純度は98.
7%であった。
【0054】(実施例6)撹拌機、温度計、窒素供給導
管及び塩素供給導管を備えた容量1000mlの反応フラ
スコに、nーブタノール475g、ピナコロン200.
0g(2.0モル)を秤取した。撹拌しながら、常圧下
に、−20℃で塩素ガス56.7g(0.8モル)を8
時間かけて供給した。この間、発熱が著しいので、冷却
を行いながら反応温度が−15℃を超えないようにし
た。塩素ガスの仕込量が0.8モルに達した段階で、塩
素ガスの仕込を終了し、−20℃で2時間熟成を行っ
た。
【0055】熟成終了後、予め10%水酸化ナトリウム
水320.0g(0.8モル)を−5℃に冷却させた2
000mlの反応フラスコに、上記塩素化反応生成物のn
ーブチルアルコール溶液を仕込んだ。この間、発熱が著
しいので、冷却を行いながら反応温度が−0℃を超えな
いようにした。
【0056】この中和反応溶液を蒸留フラスコに仕込
み、常圧下120℃にまで加熱して未反応のピナコロン
を回収し、nーブチルアルコール溶液を得た。
【0057】上記nーブチルアルコール溶液にイオン交
換水300.0gを加え、撹拌後に静置分離した有機層
を蒸留フラスコに仕込んだ。
【0058】上記有機層を67hPa(ヘプトパスカ
ル)の真空下に加熱してモノクロロピナコロン94.7
gを留出させた。
【0059】収率は転化したピナコロンを基準にして8
8%であった。
【0060】このようにして得たモノクロロオピナコリ
ンをガスクロマトグラフで分析した結果、純度は99.
0%であった。
【0061】(実施例7)撹拌機、温度計、窒素供給導
管及び塩素供給導管を備えた容量1000mlの反応フラ
スコに、メタノール475.0g、ピナコロン200.
0g(2.0モル)及びトリフェニルホスフィン1.0
gを秤取した。撹拌しながら、常圧下に、−20℃で塩
素ガス42.5g(0.6モル)を8時間かけて供給し
た。この間、発熱が著しいので、冷却を行いながら反応
温度が−15℃を超えないようにした。塩素ガスの仕込
量が0.6モルに達した段階で、塩素ガスの仕込を終了
し、−20℃で2時間熟成を行った。
【0062】この熟成溶液を蒸留フラスコに仕込み、−
10℃、67hPa(ヘプトパスカル)の真空下に蒸留
を行ってメタノールを回収した。
【0063】メタノール回収後、−10℃で上記濃縮液
に10%水酸化ナトリウム水80g(0.2モル)を仕
込んだ。この間、冷却を行いながら中和温度が−5℃を
超えないようにした。
【0064】濃縮液にジクロロメタン200gを加え、
撹拌後に静置して分液し有機層をイオン交換水で洗浄し
た後、蒸留フラスコに仕込んだ。
【0065】上記有機層を70℃に加熱して先ずジクロ
ロメタンを、次いで120℃にまで加熱して未反応のピ
ナコロンを除去した後、67hPa(ヘプトパスカル)
の真空でモノクロロピナコロン72.5gを留出させ
た。
【0066】収率は転化したピナコロンを基準にして9
0%であった。
【0067】このようにして得たモノクロロオピナコリ
ンをガスクロマトグラフで分析した結果、純度は99.
5%であった。
【0068】(実施例8)撹拌機、温度計、窒素供給導
管及び塩素供給導管を備えた容量1000mlの反応フラ
スコに、メタノール475g、ピナコロン200.0g
(2.0モル)とトリフェニルホスフィン1.0gを秤
取した。撹拌しながら、常圧下に、0℃で塩素ガス8
5.1g(1.2モル)を8時間かけて供給した。この
間、発熱が著しいので、冷却を行いながら反応温度が5
℃を超えないようにした。塩素ガスの仕込量が1.2モ
ルに達した段階で、塩素ガスの仕込を終了し、0℃で2
時間熟成を行った。
【0069】熟成終了後、予め10%炭酸水素ナトリウ
ム1008.0g(1.2モル)を0℃に冷却させた2
000mlの反応フラスコに、上記塩素化反応生成物のメ
タノール溶液を仕込んだ。この間、発熱が著しいので、
冷却を行いながら反応温度が0℃を超えないようにし
た。
【0070】この中和反応溶液を蒸留フラスコに仕込
み、常圧下に蒸留を行ってメタノールを回収した。
【0071】濃縮液にジクロロメタン200gを加え、
撹拌後に静置して分液し有機層をイオン交換水で洗浄し
た後、蒸留フラスコに仕込んだ。
【0072】上記有機層を70℃に加熱して先ずジクロ
ロメタンを、次いで120℃にまで加熱して未反応のピ
ナコロンを除去した後、67hPa(ヘプトパスカル)
の真空でモノクロロピナコロン146.9gを留出させ
た。
【0073】収率は転化したピナコロンを基準にして9
1%であった。
【0074】このようにして得たモノクロロオピナコリ
ンをガスクロマトグラフで分析した結果、純度は99.
7%であった。
【0075】(実施例9)撹拌機、温度計、窒素供給導
管及び塩素供給導管を備えた容量1000mlの反応フラ
スコに、メタノール475g、ピナコロン200.0g
(2.0モル)とトリフェニルホスフィン1.0gを秤
取した。撹拌しながら、常圧下に、−30℃で塩素ガス
113.4g(1.6モル)を8時間かけて供給した。
この間、発熱が著しいので、冷却を行いながら反応温度
が−15℃を超えないようにした。塩素ガスの仕込量が
1.6モルに達した段階で、塩素ガスの仕込を終了し、
−30℃で2時間熟成を行った。
【0076】熟成終了後、予め10%水酸化ナトリウム
640.0g(1.6モル)を−5℃に冷却させた20
00mlの反応フラスコに、上記塩素化反応生成物のメタ
ノール溶液を仕込んだ。この間、発熱が著しいので、冷
却を行いながら反応温度が0℃を超えないようにした。
【0077】この中和反応溶液を蒸留フラスコに仕込
み、常圧下に蒸留を行ってメタノールを回収した。
【0078】濃縮液にジクロロメタン200gを加え、
撹拌後に静置して分液し有機層をイオン交換水で洗浄し
た後、蒸留フラスコに仕込んだ。
【0079】上記有機層を70℃に加熱して先ずジクロ
ロメタンを、次いで120℃にまで加熱して未反応のピ
ナコロンを除去した後、67hPa(ヘプトパスカル)
の真空でモノクロロピナコロン199.7gを留出させ
た。
【0080】収率は転化したピナコロンを基準にして9
3%であった。
【0081】このようにして得たモノクロロオピナコリ
ンをガスクロマトグラフで分析した結果、純度は99.
1%であった。
【0082】(実施例10)撹拌機、温度計、窒素供給
導管及び塩素供給導管を備えた容量1000mlの反応フ
ラスコに、メタノール475gとピナコロン200.0
g(2.0モル)を秤取した。撹拌しながら、常圧下
に、−20℃で塩素ガス28.4g(0.4モル)を8
時間かけて供給した。この間、発熱が著しいので、冷却
を行いながら反応温度が−15℃を超えないようにし
た。塩素ガスの仕込量が0.4モルに達した段階で、塩
素ガスの仕込を終了し、−20℃で2時間熟成を行っ
た。
【0083】この熟成溶液を蒸留フラスコに仕込み、−
10℃、67hPa(ヘプトパスカル)の真空下に蒸留
を行ってメタノールを回収した。
【0084】メタノール回収後、−20℃で上記濃縮液
に10%水酸化マグネシウム水58g(0.1モル)を
仕込んだ。この間、冷却を行いながら中和温度が−5℃
を超えないようにした。
【0085】濃縮液にジクロロメタン200gを加え、
撹拌後に静置して分液し有機層をイオン交換水で洗浄し
た後、蒸留フラスコに仕込んだ。
【0086】上記有機層を70℃に加熱して先ずジクロ
ロメタンを、次いで120℃にまで加熱して未反応のピ
ナコロンを除去した後、67hPa(ヘプトパスカル)
の真空でモノクロロピナコロン48.6gを留出させ
た。
【0087】収率は転化したピナコロンを基準にして9
0%であった。
【0088】このようにして得たモノクロロオピナコリ
ンをガスクロマトグラフで分析した結果、純度は99.
2%であった。
【0089】(実施例11)撹拌機、温度計、窒素供給
導管及び塩素供給導管を備えた容量1000mlの反応フ
ラスコに、メタノール475g、ピナコロン200.0
g(2.0モル)とトリフェニルホスフィン1.0gを
秤取した。撹拌しながら、常圧下に、−20℃で塩素ガ
ス56.7g(0.8モル)を8時間かけて供給した。
この間、発熱が著しいので、冷却を行いながら反応温度
が−15℃を超えないようにした。塩素ガスの仕込量が
0.8モルに達した段階で、塩素ガスの仕込を終了し、
−20℃で2時間熟成を行った。
【0090】熟成終了後、この反応生成液を蒸留フラス
コに仕込み、常圧下に蒸留を行ってメタノールを回収し
た。
【0091】引き続き、120℃にまで加熱して未反応
のピナコロンを除去した後、67hPaの真空でモノク
ロロピナコロン96.5gを留出させた。
【0092】収率は転化したピナコロンを基準にして9
0%であった。
【0093】このようにして得たモノクロロオピナコリ
ンをガスクロマトグラフで分析した結果、純度は99.
1%であった。
【0094】(実施例12)撹拌機、温度計、窒素供給
導管及び塩素供給導管を備えた容量1000mlの反応フ
ラスコに、メタノール475g、ピナコロン200.0
g(2.0モル)とトリーpートリルホスフィン2.0
gを秤取した。撹拌しながら、常圧下に、−20℃で塩
素ガス70.9g(1.0モル)を8時間かけて供給し
た。この間、発熱が著しいので、冷却を行いながら反応
温度が−15℃を超えないようにした。塩素ガスの仕込
量が1.0モルに達した段階で、塩素ガスの仕込を終了
し、−20℃で2時間熟成を行った。
【0095】熟成終了後、予め10%リン酸カリウム7
07.0g(0.3モル)を−5℃に冷却させた200
0mlの反応フラスコに、上記塩素化反応生成物のメタノ
ール溶液を仕込んだ。この間、発熱が著しいので、冷却
を行いながら反応温度が0℃を超えないようにした。
【0096】この中和反応溶液を蒸留フラスコに仕込
み、常圧下に蒸留を行ってメタノールを回収した。
【0097】濃縮液にジクロロメタン200gを加え、
撹拌後に静置して分液し有機層をイオン交換水で洗浄し
た後、蒸留フラスコに仕込んだ。
【0098】上記有機層を70℃に加熱して先ずジクロ
ロメタンを、次いで120℃にまで加熱して未反応のピ
ナコロンを除去した後、67hPa(ヘプトパスカル)
の真空でモノクロロピナコロン124.7gを留出させ
た。
【0099】収率は転化したピナコロンを基準にして9
3%であった。
【0100】このようにして得たモノクロロオピナコリ
ンをガスクロマトグラフで分析した結果、純度は99.
6%であった。
【0101】(実施例13)撹拌機、温度計、窒素供給
導管及び塩素供給導管を備えた容量1000mlの反応フ
ラスコに、メタノール475g、ピナコロン200.0
g(2.0モル)とトリス(ジメチルフェニル)ホスフ
ィン3.0gを秤取した。撹拌しながら、常圧下に、−
20℃で塩素ガス56.7g(0.8モル)を8時間か
けて供給した。この間、発熱が著しいので、冷却を行い
ながら反応温度が−15℃を超えないようにした。塩素
ガスの仕込量が0.8モルに達した段階で、塩素ガスの
仕込を終了し、−20℃で2時間熟成を行った。
【0102】熟成終了後、予め10%水酸化ナトリウム
320.0g(0.8モル)を−5℃に冷却させた20
00mlの反応フラスコに、上記塩素化反応生成物のメタ
ノール溶液を仕込んだ。この間、発熱が著しいので、冷
却を行いながら反応温度が0℃を超えないようにした。
【0103】この中和反応溶液を蒸留フラスコに仕込
み、常圧下に蒸留を行ってメタノールを回収した。
【0104】濃縮液にジクロロメタン200gを加え、
撹拌後に静置して分液し有機層をイオン交換水で洗浄し
た後、蒸留フラスコに仕込んだ。
【0105】上記有機層を70℃に加熱して先ずジクロ
ロメタンを、次いで100℃にまで加熱して未反応のピ
ナコロンを除去した後、67hPa(ヘプトパスカル)
の真空でモノクロロピナコロン96.7gを留出させ
た。
【0106】収率は転化したピナコロンを基準にして9
0%であった。
【0107】このようにして得たモノクロロオピナコリ
ンをガスクロマトグラフで分析した結果、純度は99.
6%であった。
【0108】(実施例14)撹拌機、温度計、窒素供給
導管及び塩素供給導管を備えた容量1000mlの反応フ
ラスコに、メタノール475g、ピナコロン200.0
g(2.0モル)とトリフェニルホスフィン2.0gを
秤取した。撹拌しながら、常圧下に、−5℃で塩素ガス
28.4g(0.4モル)を8時間かけて供給した。こ
の間、発熱が著しいので、冷却を行いながら反応温度が
0℃を超えないようにした。塩素ガスの仕込量が0.4
モルに達した段階で、塩素ガスの仕込を終了し、−5℃
で2時間熟成を行った。
【0109】熟成終了後、予め10%水酸化ナトリウム
160.0g(0.4モル)を−5℃に冷却させた20
00mlの反応フラスコに、上記塩素化反応生成物のメタ
ノール溶液を仕込んだ。この間、発熱が著しいので、冷
却を行いながら反応温度が0℃を超えないようにした。
【0110】この中和反応溶液を蒸留フラスコに仕込
み、常圧下に蒸留を行ってメタノールを回収した。
【0111】濃縮液にジクロロメタン200gを加え、
撹拌後に静置して分液し有機層をイオン交換水で洗浄し
た後、蒸留フラスコに仕込んだ。
【0112】上記有機層を70℃に加熱して先ずジクロ
ロメタンを、次いで100℃にまで加熱して未反応のピ
ナコロンを除去した後、67hPa(ヘプトパスカル)
の真空でモノクロロピナコロン49.1gを留出させ
た。
【0113】収率は転化したピナコロンを基準にして9
1%であった。
【0114】このようにして得たモノクロロオピナコリ
ンをガスクロマトグラフで分析した結果、純度は99.
6%であった。
【0115】(比較例1)撹拌機、温度計、窒素供給導
管及び塩素供給導管を備えた容量1000mlの反応フラ
スコに、メタノール475g及びピナコロン200.0
g(2.0モル)を秤取した。撹拌しながら、常圧下
に、−20℃で塩素ガス141.8g(2.0モル)を
8時間かけて供給した。この間、発熱が著しいので、冷
却を行いながら反応温度が−15℃を超えないようにし
た。塩素ガスの仕込量が2.0モルに達した段階で、塩
素ガスの仕込を終了し、−20℃で2時間熟成を行っ
た。
【0116】熟成終了後、この熟成終了液を蒸留フラス
コに仕込み、常圧下に蒸留を行ってメタノールを回収し
た。
【0117】引き続き、120℃にまで加熱して未反応
のピナコロンを除去した後、67hPa(ヘプトパスカ
ル)の真空でモノクロロピナコロン244.2gを留出
させた。
【0118】収率は転化したピナコロンを基準にして9
1%であった。
【0119】このようにして得たモノクロロオピナコリ
ンをガスクロマトグラフで分析した結果、純度は94.
8%であった。
【0120】
【発明の効果】本発明のモノクロロピナコロンの製造方
法によれば、ジクロロピナコロン等の副生成物が少な
く、モノクロロピナコロン中に含まれ不純物の量は0.
40重量%未満と従来技術の方法に比べて1/8以下に
減少するので、本発明の製造方法は、写真薬又は農薬等
の中間体としてのモノクロロピナコリンの製造方法とし
て有用である。。
【0121】また、本発明の製造方法によれば、塩素化
反応生成物を単蒸留するのみで、高純度のモノクロロピ
ナコロンが高収率で得られるので、本発明の製造方法
は、特に、写真薬又は農薬等の中間体としてのモノクロ
ロピナコリンの安価な製造方法として有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素原子数1〜5の脂肪族アルコール溶
    媒中で、ピナコロン1モルに対し0.2〜0.8モルの
    塩素を用いて塩素化することを特徴とするモノクロロピ
    ナコロンの製造方法。
  2. 【請求項2】 炭素原子数1〜5の脂肪族アルコール溶
    媒中で、ピナコロン1モルに対し0.2〜0.8モルの
    塩素を用いて塩素化して得られる反応生成物に、アルカ
    リ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アンモニ
    ア水及び/又はその塩を加えて精製することを特徴とす
    るモノクロロピナコロンの製造方法。
  3. 【請求項3】 触媒としてトリアリールホスフィンを用
    いることを特徴とする請求項1又は2記載のモノクロロ
    ピナコロンの製造方法。
JP8815396A 1996-04-10 1996-04-10 モノクロロピナコロンの製造方法 Pending JPH09278704A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107686443A (zh) * 2017-09-27 2018-02-13 南通利奥化工科技有限公司 一种一氯频哪酮的生产方法
CN112430180A (zh) * 2020-10-24 2021-03-02 湖北山水化工有限公司 制备一氯频呐酮的工艺系统及工艺
CN113087604A (zh) * 2021-04-19 2021-07-09 鹤壁全丰生物科技有限公司 一氯频呐酮生产工艺

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