JPH09277079A - レーザテキスチャ装置および磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

レーザテキスチャ装置および磁気記録媒体の製造方法

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JPH09277079A
JPH09277079A JP8115704A JP11570496A JPH09277079A JP H09277079 A JPH09277079 A JP H09277079A JP 8115704 A JP8115704 A JP 8115704A JP 11570496 A JP11570496 A JP 11570496A JP H09277079 A JPH09277079 A JP H09277079A
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laser
laser light
magnetic
laser beam
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Mitsunori Mochida
光範 持田
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】レーザ照射面への異物の付着を防止した工業的
有利なレーザテキスチャ装置を提供する。 【解決手段】基板回転機構(1)、レーザ光源(5)、
基板回転機構にて回転支持された基板(3)上の突起形
成面にレーザ光を照射する集光機構(22)が含まれた
レーザ光照射機構(2)、基板(3)上の突起形成面に
レーザ光を走査させるための、基板回転機構に回転支持
された基板(3)とレーザ光照射機構(2)との相対移
動機構(4)、少なくとも、基板回転機構に回転支持さ
れた基板(3)を収容するクリーンチャンバー(9)か
ら成る。

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザテキスチャ
装置および磁気記録媒体の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】通常、ハードディスクには、CSS(コ
ンタクトスタートストップ)時の摩擦係数の低減を目的
として、機械的テキスチャ加工が施される。ところで、
磁気記録密度向上のためにはヘッド浮上高さの低下が要
求され、ハードディスクの磁気記録領域においては平滑
性が求められている。この点を解決するためにCSS領
域のみにテキスチャを行うゾーンテキスチャ加工があ
り、高出力レーザの照射によって突起や窪みを形成する
方法(レーザテキスチャ)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、レーザ照射
面に異物が付着する環境下でレーザテキスチャを行った
場合は、その後の工程において、異物除去のための洗浄
工程が必要となり、工業的に極めて不利である。本発明
は、斯かる実情に鑑みなされたものであり、その目的
は、レーザ照射面への異物の付着を防止した工業的に有
利なレーザテキスチャ装置および磁気記録媒体の製造方
法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
の要旨は、基板回転機構、レーザ光源、基板回転機構に
て回転支持された基板上の突起形成面にレーザ光を照射
する集光機構が含まれたレーザ光照射機構、基板上の突
起形成面にレーザ光を走査させるための、基板回転機構
に回転支持された基板とレーザ光照射機構との相対移動
機構、少なくとも、基板回転機構に回転支持された基板
を収容するクリーンチャンバーから成ることを特徴とす
るレーザテキスチャ装置に存する。
【0005】そして、本発明の第2の要旨は、非磁性基
板上に、必要に応じて下地層を介し、少なくとも磁性層
を有し、場合により磁性層上に保護層および潤滑層を設
けた磁気記録媒体の製造方法において、非磁性基板、下
地層、磁性層、保護層または磁気記録媒体の表面に、非
磁性基板と相対的に移動するレーザ光照射機構からのレ
ーザ光を照射してテキスチャ加工を施すに際し、クリー
ン真空チャンバーに少なくとも非磁性基板を収容した状
態でレーザ光の照射を行うことを特徴とする磁気記録媒
体の製造方法に存する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づい
て詳細に説明する。図1は、レーザ光源として半導体レ
ーザ光源を使用した本発明のテキスチャ装置の一例の説
明図である。
【0007】本発明のレーザテキスチャ装置は、図1に
示す様に、基板回転機構(1)、半導体レーザ光源
(5)、基板回転機構にて回転支持された基板(3)上
の突起形成面にレーザ光を照射する集光機構(22)が
含まれたレーザ光照射機構(2)、基板(3)上の突起
形成面にレーザ光を走査させるための、基板回転機構に
回転支持された基板(3)とレーザ光照射機構(2)と
の相対移動機構(4)、少なくとも、基板回転機構に回
転支持された基板(3)を収容するクリーンチャンンバ
ー(9)から成る。
【0008】そして、図1に示すレーザテキスチャ装置
のレーザ光照射機構(2)は、コリメータレンズ(2
1)を含んでいる。コリメータレンズ(21)は、半導
体レーザ光源(5)から発光される球面波を平行光線束
に変換する機能を有し、また、後述の光ファイバーの出
射側端面から広がりを持って出射される光を平行光線束
に変換する機能を有する。なお、図中、符合(6)は半
導体レーザ光源(5)からのレーザ光を伝送する光ファ
イバー、(7)は半導体レーザ光源駆動用電気回路、
(8)は半導体レーザ光源と光ファイバーとの接続用光
学機構を表す。
【0009】図1に例示した装置において、基板回転機
構(1)は2基例示されているが、その数は任意であ
る。また、相対移動機構(4)は、レーザ光照射機構
(2)の水平移動機構によって構成されているが、基板
回転機構(1)の水平移動動機構(図示せず)によって
構成してもよい。また、レーザ光照射機構(2)又はそ
の中の集光機構(22)には垂直移動機構を付設してフ
ォーカスの調整を行うことも出来る。
【0010】基板回転機構(1)は、通常、スピンドル
モータにて構成され、基板(3)は、スピンドルモータ
の回転軸に支持され、一定の回転数または線速度で移動
させられる。移動機構(4)としては、例えば、リニア
スライダーが好適に使用される。レーザ光照射機構
(2)は、移動機構(4)に搭載され、複数の基板回転
機構(1)、(1)…に一定速度で水平方向に往復移動
させられる。
【0011】移動機構(4)は、通常、生産性を考慮
し、一つの基板(3)から他の基板(3)に移動させる
際には速められた速度で移動させられる。そして、斯か
る速度制御は、移動機構(4)に他の移動機構を搭載し
て、その一方によって基板の間の移動を行わせ、他の一
方によって突起形成のための移動を行うことも出来る。
【0012】上記の装置には、通常、同一又は異なった
間隔の一定パターンで突起を形成する手段として、レー
ザ光の変調タイミングを制御するタイミング制御部(図
示せず)が備えられる。すなわち、例えば、通常採用さ
れる同一間隔で突起を形成する際、基板回転機構(1)
及び移動機構(4)の定速運転により、一定回転数一定
速度で基板(3)を移動させた場合、基板表面に形成さ
れる1本のトラック内の突起の間隔は外周に向かうに従
って広くなる。そこで、タイミング制御部により、基板
の位置を確認し、その信号によってレーザ光の変調タイ
ミング(照射時間)を制御し、基板表面に形成される突
起の間隔を一定にする。
【0013】タイミング制御部は、コンピュータ、位置
検出機構、必要なインターフェイス等によって構成され
る。位置検出機構としては、例えば、レーザ変位計、エ
ンコーダ等を利用することが出来る。なお、レーザ光の
変調タイミングを制御せずに、基板回転機構(1)及び
移動機構(4)の速度制御を行ってもよい。
【0014】半導体レーザ光源(チップ又はCan)
(5)としては、AlGaAsレーザ、InGaAsレ
ーザ、InGaAsPレーザ、AlGaInPレーザ等
の半導体素子(レーザダイオード)が使用されるが、こ
れらの中では、AlGaAsレーザ又はInGaAsレ
ーザが高出力という点で好適である。半導体レーザ光源
(5)は、通常、その駆動用電気回路(7)をON/O
FF制御してパルス状レーザ光を発振する。そして、そ
の変調タイミング(照射時間)は、前述のタイミング制
御部によって適宜制御される。
【0015】光ファイバー(6)としては、カップリン
グが効果的に行える限りにおいて特に制限されないが、
シングルモード光ファイバーが好適である。接続用光学
機(8)は、レンズ等から構成され、半導体レーザ光源
(5)からのレーザ光を光ファイバー(6)に導く機能
を有する。光ファイバー(6)出射したレーザ光は、分
光機構を設けることにより、一つの光源から複数の光路
に導くことも可能であり、段階的に分光することも可能
である。レーザ光照射機構(2)は、光ファイバー
(6)からの半導体レーザ光(球面波)を平行光線束に
変換するコリメータレンズ(21)及び基板回転機構
(1)にて回転支持された基板(3)上の突起形成面に
平行光線束を照射する集光機構(22)を含んで構成さ
れる。
【0016】コリメータレンズ(21)は、0.1〜
0.5の範囲のN.A.を有するコリメータレンズにて
構成するのが好ましい。コリメータレンズ及びその他の
レンズには、レーザ光のパワーを有効に取り出すため、
使用するレーザ光の波長に合わせた反射防止膜(ARコ
ート)を施しておくのが好ましい。
【0017】集光機構(22)としては、0.5〜0.
8の範囲のN.A.を有する集光用対物レンズが好適で
ある。そして、例えば、図1に示した基板回転機構
(1)の上方以外の場所にびコリメータレンズ(21)
を設置する様な場合は、集光用対物レンズに全反射ミラ
ーを組み合わせて光路を変更させることも出来る。
【0018】集光機構(集光用対物レンズ)(22)
は、照射する際にレーザ光を絞って面積当たりの出力を
強める機能を有する。集光機構(22)は、通常、オー
トフォーカス(AF)システムを組み合わせて使用され
るが、AFシステムとしては、AFのためのレーザ光を
使用する補助ビーム法、光源の光を直接利用する非点集
差法による他、各種の方式を採用することが出来る。
【0019】本発明のレーザテキスチャ装置の最大の特
徴は、少なくとも、基板回転機構(1)に回転支持され
た基板(3)を収容するクリーンチャンバー(9)を備
えている点にある。すなわち、本発明によれば、クリー
ンチャンバー(9)により、レーザ照射面への異物の付
着を防止し、工業的に有利なレーザテキスチャを行うこ
とが出来る。
【0020】クリーンチャンバー(9)は、清浄空気に
よって密閉空間内を置換することによって容易に構成す
ることが出来るが、本発明において、クリーンチャンバ
ー(9)は、真空チャンバとして構成されているのが好
ましい。すなわち、本発明のレーザテキスチャ装置は磁
気記録媒体のテキスチャ加工に使用される。そして、磁
気記録媒体の磁性層などは、通常、クリーン真空チャン
バー内で行われるスパッタ法で形成するのが好ましいと
されているため、斯かる真空チャンバーをクリーンチャ
ンバー(9)として利用するのが簡便である。クリーン
チャンバー(9)を真空チャンバとして構成する場合
は、通常、その真空度を10-2〜10-8Torrにする
ことにより、十分なクリーン化度を達成することが出来
る。
【0021】本発明のレーザテキスチャ装置において
は、テキスチャ加工面からの戻り光の光源への影響を防
止する手段を付加するのが好ましい。斯かる手段は、公
知の方法に従い、例えば、図示を省略したが、コリメー
タレンズ(21)の前方に偏光光スプリッター(PB
S)と1/4波長板(QWP)とを順次に配置し、そし
て、AFのため、PBSにて取り出された戻り光は、シ
リンドリカルレンズ、対物レンズ及び4分割ホトダイオ
ードから成るフォーカスエラー検出器(FED)に導出
する構成によって達成することが出来る。
【0022】本発明のレーザテキスチャ装置において、
レーザ光源としては、図1に例示した半導体レーザ光源
(5)の他に、Arレーザに代表されるガスレーザ、Y
AGレーザに代表される固体レーザ等を使用することが
出来る。単一のレーザ光源およびレーザ照射機構を使用
する場合は、通常160mW以上、好ましくは500m
W以上の出力を有するレーザ光源を使用するのが好まし
い。何故ならば、レーザ光源と光ファイバーとの接続用
光学機構(8)における効率は通常50%程度であるこ
とを考慮する必要があり、この効率により、レーザ光源
における必要な出力は変動し得るからである。また、一
つの光源からのレーザ光を分光して複数個のレーザ照射
機構に導く場合、その個数に応じた出力が元の光源に要
求されることになるからである。
【0023】レーザ光源として、半導体レーザ光源以外
のガスレーザ光源や固体レーザ光源などを使用した場合
は、パルス状レーザ光への変換は、レーザ光源と集光機
構の間の光路上に配置されたAOMやEOMで代表され
る変調器または物理的なシャッターで行われる。
【0024】図1に例示した本発明のレーザテキスチャ
装置の場合、半導体レーザ光源(5)は、クリーンチャ
ンバー(9)の外側に配置されているが、必ずしもその
必要はなく、例えば、レーザ光照射機構(2)に付設し
てクリーンチャンバー(9)の内側に配置してもよい。
斯かる場合は、光ファイバー(6)を省略することも出
来る。
【0025】また、図1に例示した本発明のレーザテキ
スチャ装置の場合、半導体光源(5)及びコリメータレ
ンズ(21)は、クリーンチャンバー(9)の内側に配
置されているが、必ずしもその必要はなく、クリーンチ
ャンバー(9)の外側に配置してもよい。この場合、ク
リーンチャンバー(9)の例えば側壁面に適当な大きさ
のガラス窓を設置し、コリメータレンズ(21)からの
平行光線束は、ガラス窓を通してクリーンチャンバー
(9)内に導かれ、レーザ光照射機構(2)に含まれる
全反射ミラー(図示せず)によって光路変更されてから
集光機構(22)に導かれる。勿論、半導体光源(5)
に代えてガスレーザ光源や固体レーザ光源を使用する場
合は、コリメータレンズ(21)を省略することも出
来、光ファイバー(6)の使用も任意である。
【0026】次に、本発明のレーザテキスチャ装置を使
用した磁気記録媒体(ハードディスク)の製造方法につ
いて説明する。本発明においては、非磁性基板上に、必
要に応じて下地層を介し、少なくとも磁性層を有し、場
合により磁性層上に保護層および潤滑層を設けた磁気記
録媒体を製造する。なお、以下の説明において、非磁性
基板を単に基板と略記することがある。
【0027】基板としては、アルミニウム合金基板、ガ
ラス基板またはケイ素基板が好適に使用されるが、銅、
チタン等のその他の金属基板、カーボン基板、セラミッ
ク基板または樹脂基板を使用することも出来る。上記の
ケイ素基板は、純ケイ素基板の他、ケイ素に強度増加の
ための微量元素を添加したケイ素合金基板を使用するこ
とが出来る。基板は、通常、円盤状に形成されるが、そ
の他の形状、例えば、カード状であってもよい。
【0028】本発明の製造方法においては、基板の表面
に直接に磁性層を形成して磁気記録媒体を構成すること
も出来るが、通常、基板の表面に下地層を形成し、当該
下地層を介して磁性層を形成する。下地層としては、N
i−P合金から成る非磁性下地層が好適であり、斯かる
下地層は、通常、無電解メッキ法またはスパッタ法によ
り形成される。下地層の厚さは、通常50〜20,00
0nm、好ましくは100〜15,000nmである。
【0029】基板または下地層と磁性層との間には、C
r層、Cu層などの中間層を設けるのが好ましい。中間
層の厚さは、通常20〜200nm、好ましくは50〜
100nmである。磁性層(磁気記録層)は、Co−
P、Co−Ni−P、Co−Ni−Cr、Co−Ni−
Pt、Co−Cr−Ta、Co−Cr−Pt、Co−C
r−Ta−Pt系合金等の強磁性合金薄膜によって構成
され、無電解メッキ、電気メッキ、スパッタ、蒸着など
の方法によって形成される。磁気記録層の厚さは、通常
30〜70nm程度である。
【0030】通常、上記の磁気記録層の表面には保護層
が設けられる。保護層は、炭素膜、水素化カーボン膜、
TiC、SiC等の炭化物膜、SiN、TiN等の窒化
膜、SiO、Al2 3 、ZrO等の酸化物膜などで構
成され、蒸着、スパッタ、プラズマCVD、イオンプレ
ーティング、湿式法等の方法により形成される。保護層
としては、炭素膜または水素化カーボン膜が特に好まし
い。
【0031】また、通常、上記の保護層の表面には潤滑
剤層が設けられる。ただし、スライダー面にダイヤモン
ド状カーボンの層を有する磁気ヘッドを使用する場合
は、当該磁気ヘッドと磁気記録媒体とのトライボロジ的
な性質が改善されるため、必ずしも保護層を設ける必要
はない。潤滑剤としては、例えば、フッ素系液体潤滑剤
が好適に使用され、潤滑剤層は、通常、浸漬法などによ
り保護層の表面に形成される。
【0032】本発明においては、上記の様な磁気記録媒
体の製造法において、非磁性基板、下地層、磁性層、保
護層または潤滑層の表面にレーザ光を照射してテキスチ
ャ加工を施す。テキスチャ加工により突起が形成される
上記の表面とは、磁気ヘッドとの接触側を意味する。
【0033】レーザテキスチャ加工は、基板上の下地層
(Ni−P層)に施すのが好ましいが、略同一の条件で
保護層までの任意の各層の表面に施しても所望の突起を
形成することが出来る。勿論、最終段階の磁気記録媒体
の表面にテキスチャ加工を施すことも出来る。また、レ
ーザ光としては、連続レーザ光またはパルス状レーザ光
の何れでもよいが、通常は前述の通りパルス状レーザ光
が使用される。
【0034】基板は、通常、鏡面加工(ポリッシュ加
工)を施して使用される。そして、下地層(例えばNi
−P下地層)を施した基板を使用する場合は、下地層の
表面に鏡面加工が施される。また、これらの基板を使用
する場合、レーザ光の照射による突起の形成に先立ち、
予め、基板全面に軽度の機械的テキスチャを施して高さ
の低い突起を形成することも出来る。斯かる機械的テキ
スチャは、次の様な効果を発揮する。
【0035】すなわち、レーザ光の照射により形成する
突起の高さや密度が小さい場合、換言すれば、磁気記録
媒体と磁気ヘッドが部分的に接触するような状況におい
ても、単純に鏡面加工基板を使用する場合と比較して、
スティッキングが起こり難く、また、摩擦係数も小さく
なる。また、後述する突起形成条件も広範にすることが
出来るため、特に大量生産に好ましい。
【0036】本発明の製造方法の最大の特徴は、テキス
チャ加工を施すに際し、クリーン真空チャンバーに少な
くとも非磁性基板を収容した状態でレーザ光の照射を行
う点にある。斯かる特定態様のテキスチャ加工により、
異物付着の無いハードティスクを製造することが出来
る。
【0037】上記のテキスチャ加工においては、前述の
本発明のテキスチャ装置が好適に使用される。しかしな
がら、必ずしも、上記の装置の場合の様に、基板を回転
させる必要はなく、基板を固定し、レーザ光照射機構を
回転させる様な構造の他のテキスチャ装置を使用するこ
とも出来る。そして、ハードディスクを構成する下地層
から保護層までの任意の各層の形成にスパッタ法を採用
し、そのためのクリーン真空チャンバーがクリーン真空
チャンバーとして好適に使用される。斯かる態様によれ
ば、スパッタ法による膜形成と同一プロセス内でテキス
チャ加工を行うことが出来るため、テキスチャ加工のた
めの特別のクリーン真空チャンバーを必要とせず、工業
的に極めて有利である。
【0038】上記のレーザテキスチャにおいては、照射
面における出力が通常70mW以上、好ましくは100
〜500mW、集光スポット径が通常3μm以下、好ま
しくは0.05〜2μmとなる様に光学設計されたレー
ザ光照射機構からのレーザ光を突起形成面に照射するが
好ましい。上記の出力は、好ましくは200mW以上、
更に好ましくは250〜500mWである。スポット径
の大きさは、通常、使用するレンズのN.A.(開口
数)とカップリングされた光ファイバーからのレーザ光
のモードフィールド径の大きさから、以下の式で概算さ
れる。また、光ファイバーを使用しない場合は、通常、
使用するレンズのN.A.(開口数)と使用するレーザ
光の波長λから、以下の式で概算される。なお、本発明
におけるスポット径とは、光中央部の最高強度の「eの
2乗分の1」に強度が低下する円の直径を意味する。
【0039】(スポット径)=(モードフィールド径)
×(コリメータレンズのN.A.)/(対物レンズの
N.A.)
【0040】(スポット径)=K×λ/(対物レンズの
N.A.)(但し、光量分布がガウシアンのときK=
1.34)
【0041】また、上記のレーザテキスチャにおいて
は、集光機構から出射されるパルス状レーザ光を使用
し、繰り返し周波数10kHz〜4MHzで且つdut
y1〜50%の条件下に照射を行うのが好ましい。繰り
返し周波数の好ましい範囲は20kHz〜2MHz、d
utyの好ましい範囲は2〜30%である。特に、レー
ザ光源として、半導体レーザを使用する場合、繰り返し
周波数およびdutyを広範囲に制御出来ることからテ
キスチャ加工条件を精細に制御できる点で工業的に極め
て有利である。
【0042】基板の回転速度は、通常100〜1000
0rpm、好ましくは100〜7200rpm、更に好
ましくは120〜3600rpmとされる。また、突起
の形成パターンは、任意に選択することが出来るが、そ
の一例としては、トラック間隔:約5μm、突起のピッ
チ間隔:約10μmが挙げられる。
【0043】レーザテキスチャにおいて、レーザ光が照
射された部分およびその周辺は、物理的に変形して突起
(凹凸)を形成する。そして、磁気記録媒体のCSSゾ
ーンにレーザ光を照射してテキスチャ加工を施すことに
よりゾーンテキスチャが可能である。
【0044】テキスチャ加工して得られる突起の形状
は、3次元表面構造解析顕微鏡(装置名「ZYGO」)
によって観察される。通常、突起高さは5〜100nm
程度、突起幅は0.5〜5μm程度である。なお、上記
の突起の高さは、JIS表面粗さ(B0601−198
2)により規定される、粗さ曲線の中心線を基準とした
場合の突起の高さを表す。
【0045】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、レーザ照
射面への異物の付着を防止した工業的有利なレーザテキ
スチャ装置および磁気記録媒体の製造方法が提供され、
本発明の工業的価値は顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザ光源として半導体レーザ光源を使用した
本発明のテキスチャ装置の一例の説明図。
【符合の説明】
1:基板回転機構 2:レーザ光照射機構 21:コリメータ 22:集光機構 3:基板 4:基板とレーザ光照射機構との相対移動機構 5:半導体レーザ光源 6:光ファイバー 7:半導体レーザ光源駆動用電気回路 8:レーザ光源と光ファイバーとの接続用光学機構 9:クリーンチャンバー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板回転機構、レーザ光源、基板回転機
    構にて回転支持された基板上の突起形成面にレーザ光を
    照射する集光機構が含まれたレーザ光照射機構、基板上
    の突起形成面にレーザ光を走査させるための、基板回転
    機構に回転支持された基板とレーザ光照射機構との相対
    移動機構、少なくとも、基板回転機構に回転支持された
    基板を収容するクリーンチャンバーから成ることを特徴
    とするレーザテキスチャ装置。
  2. 【請求項2】 クリーンチャンバーが真空チャンバとし
    て構成されている請求項1に記載のレーザテキスチャ装
    置。
  3. 【請求項3】 非磁性基板上に、必要に応じて下地層を
    介し、少なくとも磁性層を有し、場合により磁性層上に
    保護層および潤滑層を設けた磁気記録媒体の製造方法に
    おいて、非磁性基板、下地層、磁性層、保護層または磁
    気記録媒体の表面に、非磁性基板と相対的に移動するレ
    ーザ光照射機構からのレーザ光を照射してテキスチャ加
    工を施すに際し、クリーン真空チャンバーに少なくとも
    非磁性基板を収容した状態でレーザ光の照射を行うこと
    を特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のレーザテキスチャ装置
    を使用する請求項3に記載の磁気記録媒体の製造方法。
JP8115704A 1996-04-12 1996-04-12 レーザテキスチャ装置および磁気記録媒体の製造方法 Pending JPH09277079A (ja)

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