JPH09276947A - プレコート鋼板の樹脂フィルム付加工成形方法 - Google Patents

プレコート鋼板の樹脂フィルム付加工成形方法

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JPH09276947A
JPH09276947A JP8114318A JP11431896A JPH09276947A JP H09276947 A JPH09276947 A JP H09276947A JP 8114318 A JP8114318 A JP 8114318A JP 11431896 A JP11431896 A JP 11431896A JP H09276947 A JPH09276947 A JP H09276947A
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JP
Japan
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resin film
steel sheet
steel plate
resin films
forming
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JP8114318A
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Seiichi Marumoto
清一 丸元
Yukihisa Kuriyama
幸久 栗山
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プレコート面塗料に加工疵の生じない、低コ
スト、高能率、高加工成形を可能にする、プレコート鋼
板の樹脂フィルム付加工成形方法を提供する。 【解決手段】 プレコートの終わった素材板状態の時に
プレコート面に樹脂フィルム2を貼付し、樹脂フィルム
2を貼付のままで、該樹脂フィルム2の軟化温度以上で
温間加工成形することで、樹脂フィルム2の加工性(延
伸性)を向上させ、加工度の大きい成形でのプレコート
面の塗膜疵つきを防止することを特徴とするプレコート
鋼板の樹脂フィルム付加工成形方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレコート鋼板の
樹脂フィルム付加工成形方法に関し、詳しくは、電気製
品、家具、建材および自動車部品などで、外板にプレコ
ート鋼板を用いる構造のものにおいて、製品形状・寸法
に加工成形する際の塗装面の疵つきを防止できるプレコ
ート鋼板の樹脂フィルム付加工成形方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】電気製品、家具、建材および自動車部品
などの耐久消費材に対して、リサイクル性や廃棄物処理
の有害物質の排除、エコロジーの観点などから、鋼板を
用いた外殻構造が見直されている。さらに、用いられる
鋼板の中でも、鉄鋼メーカが鋼板の外板面に最終製品と
しての塗装を行い、これを素材として用いることで、最
終製品メーカでの塗装が省略でき、生産ラインが簡略化
できるプレコート鋼板が重宝されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プレコ
ート鋼板を外板として使用する欠点は、大きな変形を与
える加工では、素材プレコート鋼板を加工成形する際
に、加工成形の金型と接触している部分のプレコート鋼
板塗膜に損傷が生じることである。このため、加工度の
大きい製品加工では、金型成形時における潤滑膜と保護
膜を兼ねて、樹脂フィルムを素材プレコート鋼板の片面
または両面に貼付してこれに対処している。しかし、貼
付した樹脂フィルムは、成形後、あるいは、製品に組立
後に取り除く(殆どは人手で剥ぎ取る)必要があり、こ
の時の作業性を考慮すると、樹脂フィルムをあまり強く
プレコート鋼板に接着することができない。
【0004】近年、鋼板や塗膜の品質が向上し、プレコ
ート鋼板で大きな変形を伴う加工成形が可能となってき
ているが、この特質を活かし、特に、多段成形で高加工
成形を行う製品では、1段目の加工後に、部分的に図3
に示すように貼付した樹脂フィルムが剥離し、このまま
次の成形を行うと、樹脂フィルム部が皺になって製品に
プリントされ、製品外観を損なう原因となったり、高価
な金型に疵を生じる原因となっている。そこで、本発明
は、かかる課題を有利に解決するためになされたもの
で、その目的とするところは、プレコート鋼板の高い加
工率成形に対し、加工時の塗装保護を確実にし、プレコ
ート面塗料に加工疵の生じない、低コスト・高能率・高
加工成形を可能にするプレコート鋼板の樹脂フィルム付
加工成形方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために種々検討した結果、プレコート鋼板の
塗装面保護のために貼付される樹脂フィルム特有の、温
度による延びの変化特性を活用することを着想し、本発
明を成したものである。すなわち、本発明の要旨は、鋼
板表面への塗装を実施後で、かつ、該鋼板の製品状態へ
の加工成形前に、前記鋼板が製品状態で外側面に、また
は、外板面と前記鋼板が製品状態で内側になる面の両面
に樹脂フィルムを貼付し、この樹脂フィルムの貼付状態
のままで、該樹脂フィルムの軟化温度以上で温間加工成
形し、プレコート鋼板の塗膜疵つきを防止することを特
徴とするプレコート鋼板の樹脂フィルム付加工成形方法
である。
【0006】また、最終製品形状に関わる鋼板素材部分
にのみ、前記鋼板表面への樹脂フィルム貼付を行うこと
を特徴とするプレコート鋼板の樹脂フィルム付加工成形
方法である。
【0007】以下、本発明の構成について詳細に説明す
る。貼付した樹脂フィルムの剥離は、絞り加工時に、凹
形状部分の樹脂フィルムに生じた引張り分力が、樹脂フ
ィルムの接着力を越えるために生じるものであり、剥離
を防ぐには、接着力を強くするか、樹脂フィルムの加工
により生じる引張り応力を低減させるしかない。接着力
を強くすると後工程で樹脂フィルムを剥離除去する手間
が大変になるので、加工により生じる引張り応力を低減
させることが最も望ましい。
【0008】本発明で使用する樹脂フィルムは、必要機
能(強度や伸び、製造工程において使用する耐薬品性な
ど)が成形加工する製品により異なるので、必要機能に
応じた樹脂材質を適宜選定するが、代表的なものとして
塩化ビニール樹脂や、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレ
ン樹脂が多く用いられる。これらの樹脂の温度による引
張り特性の変化を調査した結果を、図5に塩化ビニール
樹脂、図6にポリプロピレン樹脂、図7にポリエチレン
樹脂の特性として示し、引張応力に着目したこれらの材
質の温度効果を、図8にまとめて示す。これらの図から
分かるように、樹脂は、ある温度(溶融点以下で高々数
十℃程度の温度)で伸びが急激に増す特性を持ってい
る。すなわち、図5の塩化ビニール樹脂では、55℃を
越えると、最大引張り抵抗が半減し、伸び率が急増する
特性を持っている。図6に示すポリプロピレン樹脂、図
7にポリエチレン樹脂も、これらの特性を示し始める温
度が若干異なるものの、同様の特性を持っている。 本
発明ではこの特性に着目し、樹脂フィルムの引張り応力
が、常温(20℃)の1/2以下となり、かつ、破断ま
での延びが100%以上の軟化性質を示す温度を、この
樹脂フィルムの軟化温度と定義する。つまり、図5〜図
8より、塩化ビニールと、ポリエチレン樹脂では55
℃,ポリプロピレン樹脂では70℃が本発明でいう軟化
温度である。
【0009】この特性を利用すると、プレコート鋼板の
塗装にダメージを生じたり、金型に有害な熱変形を生じ
させることなく、貼付樹脂フィルムを容易に変形させる
ことが、該樹脂フィルムの軟化温度近傍で加工成形すれ
ば可能である。このようにして、人手で剥ぐことができ
る程度の、低い接着力で貼付した樹脂フィルムを、加工
時に剥離させることなく、高い加工度の加工ができるの
で、貼付樹脂フィルムの剥離浮き上がりによる後段加工
での疵発生を回避できる。特に、成形加工歪みが大きい
場合には、成形加工を多段に分けて行うが、前段加工
で、樹脂フィルムの一部に皺や剥離が生じ易い形状の製
品に対し、大きな効果を生じる。通常、樹脂フィルム貼
付は、表面側片面とする。これは、製品対応の塗装面は
製品の表(おもて)面となる片面だけであることによる
(裏面はデザイン、色調を問わない単なる防錆処理が多
い)。なお、両面塗装や加工成形での疵防止のため、必
要であればプレコート鋼板の両面に樹脂フィルムを貼付
することができる。また、素材としてのプレコート鋼板
面積に比べ、塗装面の疵を防止したい部分が小さい場
合、必要最小限の樹脂フィルムの使用を目的として、素
材全面に樹脂フィルムを貼らず、加工疵発生に対し、必
要になる部分にのみ樹脂フィルムを局所貼付することも
有効である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1は、本発明の素材塗装から
後塗装までの基本的な手順を示すフロー図である。コイ
ルまたは切り板(防錆効果を上げるためにメッキしてい
る鋼板もある)状態で塗装された鋼板に、製品として加
工される伸び率や、使用する加工油との反応性などの条
件に見合った、適正な樹脂フィルムを選定貼付する。加
工成形歪みが多い場合には、加工成形を多段に分けて行
うが、前段加工により、樹脂フィルムの一部に皺や剥離
が生じ易い形状の製品もある。この場合の詳細を図2に
示す角筒形状を有する容器状の製品例で説明する。
【0011】図2の製品は、図3に示すようにプレスに
よる絞り加工で角筒形状に成形し、フランジ部11を切
り落として製作される。この際(成形加工時)、ダイス
肩R部では、樹脂フィルムを含むプレコート鋼板が複雑
な加工歪みを受けるため、この部分に対応する成型品の
コーナ部12では、樹脂フィルムが図4の点線に示すよ
うに浮き勝手になり易い。そのため、絞り比が大きく、
2段成形を行う必要がある場合に、1段絞り加工時の樹
脂フィルムの浮き上がりが、2段目の絞り加工時に製品
に皺模様となってプリントされることがあり、この部分
の浮き上がりを防止して2段目の加工を行う必要があ
る。
【0012】本製品の加工には、樹脂フィルムとして塩
化ビニールを用いたが、この素材の引張り伸び特性の温
度による変化を図5に示す。このように、塩化ビニール
樹脂フィルムの温度を55℃以上にすると、引張り応力
は半減し、伸びも100%以上に急激にのびて、超塑性
に近い性質を示す。このため、この温度以上で加工する
と、塩化ビニール樹脂フィルムを貼付したプレコート鋼
板に大きな加工歪みを行っても、塩化ビニール樹脂フィ
ルムの剥離は生じなくなる。加工時にプレコート鋼板の
塗装面に、疵が生じる部位は予め経験や実験から予測可
能なので、大きい面積の加工品で、加工時に保護したい
塗装面部分と、そうでない部分とで、前者にのみ樹脂フ
ィルムを貼付し、樹脂フィルムの使用量を節約すること
も可能である。
【0013】成形加工後、フランジ部を切り落として外
板部品としては完成なので、製品の他の構成部品と組み
立てて、製品が完成する。なお、樹脂フィルムは成形加
工が終了した時点で、プレコート鋼板外板面から剥ぎ取
ってもよいし、組み立て時の疵防止を図って製品組み立
て後に剥ぎ取ってもよい。また、温間成形のための加熱
法としては、高い温度ではないので、金型を蒸気や温
水、温油、電磁気などにより加熱してもよいし、プレコ
ート鋼板を成形機に入れる前に加熱して、供給すること
も可能である。以上のようにして、2段目加工時に樹脂
フィルム2による疵の発生がない加工が行え、高い加工
度の製品においても、プレコート鋼板を素材として、疵
の無い製品を金型による加工で、多量、安価に製作する
ことができる。
【0014】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明は、プレコー
トの終わった素材板状態の時に樹脂フィルムを貼付し、
樹脂フィルム貼付のままで温間成形することで、塗装面
の疵発生のない多段の高加工成形を可能にしている。こ
れにより、大きな変形加工を必要とする加工製品にも、
プレコート鋼板を活用することができ、美麗でリサイク
ル性に優れたプレコート鋼板製品の用途を大きく拡大
し、製品加工における塗装工程を不要とし、高能率で低
コストな家電製品や家具などの外殻を、多量、安価に製
作可能にするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の基本工程を示す図である。
【図2】本発明の、製品(部品)例を示す図である。
【図3】図2の製品の加工成形手順を示す図である。
【図4】本発明の、加工成形での樹脂フィルムの皺発生
を説明する図である。
【図5】本発明で用いる樹脂フィルム(塩化ビニール)
の引張−伸び−温度特性の例を示す図である。
【図6】本発明で用いる他の樹脂フィルム(ポリプロピ
レン)の引張−伸び−温度特性例を示す図である。
【図7】本発明で用いる他の樹脂フィルム(ポリエチレ
ン)の引張−伸び−温度特性例を示す図である。
【図8】本発明で用いる樹脂フィルム例の引張−温度特
性を整理して示す図である。
【符号の説明】
1 プレコート鋼板 2 樹脂フィルム 11 押さえフランジ部(加工時) 12 コーナ部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板表面への塗装を実施後で、かつ、該
    鋼板の製品状態への加工成形前に、前記鋼板が製品状態
    で外側になる面(以下外板面)に、または、外板面と前
    記鋼板が製品状態で内側になる面の両面に樹脂フィルム
    を貼付し、この樹脂フィルムの貼付状態のままで、該樹
    脂フィルムの軟化温度以上で温間加工成形し、プレコー
    ト鋼板の塗膜疵つきを防止することを特徴とするプレコ
    ート鋼板の樹脂フィルム付加工成形方法。
  2. 【請求項2】 最終製品形状に関わる鋼板素材部分にの
    み、前記鋼板表面への樹脂フィルム貼付を行うことを特
    徴とする請求項1記載のプレコート鋼板の樹脂フィルム
    付加工成形方法。
JP8114318A 1995-09-07 1996-04-12 プレコート鋼板の樹脂フィルム付加工成形方法 Withdrawn JPH09276947A (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8114318A JPH09276947A (ja) 1996-04-12 1996-04-12 プレコート鋼板の樹脂フィルム付加工成形方法
US09/011,582 US5891521A (en) 1995-09-07 1996-09-06 Method of painting cut edge of precoated steel sheet and painting apparatus for same
KR1019980701699A KR19990044451A (ko) 1995-09-07 1996-09-06 프리코트 강판의 절단면 도장방법 및 도장장치
TW085110937A TW340070B (en) 1996-04-12 1996-09-06 Method andpainting apparatus for painting cut edge of precoated steel sheet of processed article thereof
PCT/JP1996/002550 WO1997009128A1 (fr) 1995-09-07 1996-09-06 Procede de peinture du flanc de decoupe d'une tole d'acier pre-enduite
CN96197527A CN1199354A (zh) 1995-09-07 1996-09-06 预涂钢板断面的涂覆方法和涂覆装置
EP96929554A EP0855231A1 (en) 1995-09-07 1996-09-06 Device for painting a cut surface of a pre-coated steel plate

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JP (1) JPH09276947A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006093112A1 (ja) * 2005-03-01 2006-09-08 Dai-Ichi Electric Co., Ltd. 加熱成形方法及びシステム
JP2008111189A (ja) * 2006-10-03 2008-05-15 Nisshin Steel Co Ltd 溶融めっき鋼板の温間加工方法及び温間加工成形品
JP2018043585A (ja) * 2016-09-13 2018-03-22 Rexard Japan株式会社 自転車用マッドガードの表面における再帰反射装飾フィルムの貼付加工方法及び自転車用マッドガード

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