JPH09276860A - 水位変動用スカム除去装置 - Google Patents
水位変動用スカム除去装置Info
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Abstract
変動がある場合でも、その水位変動を利用し、効果的に
スカムを収集、除去できる水位変動用スカム除去装置を
提供する。 【解決手段】汚水面の上方位置に、移送用スプレーノズ
ル2a〜2cをスカムの移送方向に所定の間隔で複数列
配設し、圧力流体のスプレーをスカムの移送方向と平行
に、かつ、水平方向に噴出させ、発生した気流により水
面上のスカムを移送し、汚水の水位が低下したときに、
移送されてきたスカムをスカム収集ボックス3により捕
捉するようにした。また、スカム収集ボックス3内の水
位を低下させてスカムを確実に捕捉するため、スカム収
集ボックス3内の汚水を汚水槽内へ還流させる汚水還流
管3cを設けた。
Description
処理槽等の水面に発生するスカムを除去する装置に係
り、特に槽内の汚水水位が変動する場合においても効果
的にスカムを除去できる水位変動用スカム除去装置に関
するものである。
スカム除去のため多く採用され、実績のあるものとし
て、パイプスキマー方式を挙げることができる。このパ
イプスキマーによるスカム除去原理は、フライト式汚泥
掻寄機の水面上のリターンフライトを利用してスカムを
パイプスキマーまで掻き寄せ、切欠きのあるパイプを定
期的に回転させ、その切り欠いた呑み口より越流させ、
その越流水と共に水面上のスカムをパイプ内にのみ込
み、スカム貯留槽まで排出するものである。
法で近年実用化されるようになったものの一つに回分式
活性汚泥法がある。通常の活性汚泥法が、エアレーショ
ン、沈澱、排水といった単一操作を空間的に連続して行
うのに対して、この回分式活性汚泥法は、一つの槽に反
応タンクと最終沈澱池の機能を持たせ、活性汚泥による
反応と混合液の沈澱、上澄水の排水、沈澱汚泥の排泥の
工程を回分的に処理する方式である。この方式では、一
般に流入汚水量のピーク水量に対する容量を見込んで回
分槽を設けているため、汚水調整池は設置しないのが普
通である。そのため、流入汚水量の時間変動分は回分槽
で吸収しなければならない。つまり、その時々により流
入汚水量は違うために(一般に流入汚水量が多いのは
朝、夕方等の各家庭が台所を使用する時刻である)、回
分槽内の汚水流入直後の水位は処理サイクル毎に違って
くることになる。
スカムを除去する場合、従来の一般的な固定式パイプス
キマーでは対応できないことになる。また、水位に追従
するフロートタイプ式のものでも、水位変動ストローク
が大きいために、呑み口の越流水深を一定に保つことは
難しく、効率的なスカムの回収は難しいものとなってい
る。このように、回分式活性汚泥法においては、有効な
スカムの除去方式が無く、維持管理面で大きな障害とな
っているのが実情である。
所である、いわゆるポンプ場のポンプ井水面には、スク
リーンを通過した細かいし渣や、油脂類が浮遊し次第に
蓄積し、悪臭の発生や、水質の悪化の原因となってい
る。このポンプ井もまた、水位の変動が激しく、スカム
スキマー等の有効なスカム除去装置の設置が難しく、現
在の対策としては、スプレー水や機械式(プロペラ式)
による攪拌で、スカムを懸濁させ汚水と共にポンプで排
出する方式が行われている。しかしながらこの方式は、
十分な攪拌力が得られなかったり、排出しても水処理設
備側で大量のスカムが発生するなどの問題を含んでい
る。
に創作されたものであり、汚水処理槽等の汚水水位に変
動がある場合でも、その水位の変動を利用し効果的にス
カムを収集、除去できるスカム除去装置を提供すること
を目的とする。
成するために以下の手段を用いた。汚水面の上方位置
に、スカムの移送方向に所定の間隔で複数列配設され、
圧力流体のスプレーをスカムの移送方向と平行に、か
つ、水平方向に噴出する移送用スプレーノズルからなる
スカム移送装置と、汚水の水位が低下したときに、前記
スカム移送装置により移送されてきたスカムを捕捉する
スカム収集ボックスと、前記スカム収集ボックス内に捕
捉されたスカムを排出するスカム排出装置と、からなる
水位変動用スカム除去装置を構成した。また、前記スカ
ム収集ボックスに、スカム収集ボックス内の汚水を汚水
槽内に還流する汚水還流手段を設けた。そして、前記ス
カム収集ボックスを、上部が開口した、略直方体形状と
し、前記汚水還流手段として、前記スカム収集ボックス
底部に汚水を還流させるための略U字状の汚水還流管を
取付け、該汚水還流管の開口部をスカム収集ボックスの
上端部よりも下方に位置させた。
いて説明する。図1および図2は本発明に係るスカム除
去装置を回分式活性汚泥法に使用した形態に関する説明
図であり、図1(a)はフロー説明図、(b)は(a)
におけるA−A断面図、図2(a),(b),(c)は
それぞれスカム除去装置の作用説明図である。スカム除
去装置1は、図に示すようにスカム移送装置2、スカム
収集ボックス3およびスカム排水装置4からなるもので
あり、以下その各々の構成について説明する。
方において、スカムの移送方向に所定の間隔で複数列、
本形態では3列に配設された移送用スプレーノズル2
a、2b、2cにより構成される。この移送用スプレー
ノズル2a〜2cは、それぞれ送水管7a,7b,7c
に取り付けられており、スカムの移送方向と直交する方
向に並列状態に複数個ずつ、本形態では5個ずつ配設さ
れている。この送水管7a〜7cは回分槽5内で平面視
逆コの字状になっており、その両辺部は回分槽5の壁面
に沿い、壁面清浄用スプレーノズル6a、6b、6cが
取り付けられている。この壁面清浄用スプレーノズル6
a〜6cは、壁面に付着したスカムを除去するためのも
ので、そのノズルは壁面の斜め下方に向いている。送水
管7a〜7cはそれぞれ圧力水供給弁8a、8b、8c
を有し、回分槽5外で一系統にまとめられ、圧力水ポン
プ10を介して圧力水槽11に接続されている。
水位は、その時々の処理サイクル毎によって違うことは
既に述べた通りである。ここで、流入汚水の最大となる
水位を流入汚水最大水位(Max.W.L)、最小とな
る水位を流入汚水最小水位(Min.W.L)とする
と、移送用スプレーノズル2a〜2cはこれらの水位変
動分にすべて対応するように位置されていることが必要
となる。移送用スプレーノズル2a〜2cは、スプレー
形状のフラットなものを採用しており、図3に示すよう
にスカムは、ノズルの先端から噴出する圧力水スプレー
により気流Cが発生し、この気流Cによりまたは気流C
が発生させる表層流により、移送方向へ移送されるもの
である。具体的には水面上方数百mm以内程度の位置
で、圧力水のスプレーがスカムの移送方向と平行に、か
つ、実質的に水平方向に噴出するようにやや上向き角度
で取り付けると好結果が得られる。これは、ノズルを下
方(水面側)に向けると、噴出水がスカムをたたくた
め、スカムの破壊あるいは一時的な沈降を起こし、効率
的なスカム除去を行えないおそれがあるためである。し
たがって、移送用スプレーノズル2a〜2cは流入汚水
最小水位(Min.W.L)からおよそ数百mm上方に
位置させる。これにより水位変動分をカバーでき、所定
のスカム移送機能を発揮できることになる。
(Max.W.L)がかなり大きい場合には、上澄水の
排出時に、水位が移送用スプレーノズル2a〜2cの下
方数百mm以内に位置したところで一端排出を止めて圧
力水スプレーを噴出させたり、または水位が低下する間
にスカムをすべて寄せられるように上澄水の排出量を調
節しておくことにより、目的は達せられるものである。
よび壁面清浄用スプレーノズル6a〜6cは、圧力水供
給弁8a〜8cの各開閉により、まずスカム収集ボック
ス3から遠い側の移送用スプレーノズル2a、壁面清浄
用スプレーノズル6aから圧力水スプレーの噴出を開始
し、移送用スプレーノズル2cに向かって順次噴出する
仕様となっている。これにより、効率の良いスカム移送
が可能になるとともに、スプレー水量を最小限に抑える
ことができる。
端部(図1の右端側)にはスカム収集ボックス3を配設
してあり、上述のスカム移送装置2により移送され、後
に説明するように、回分槽5の一側に寄せられたスカム
を水位が低下したときに捕捉する。このスカム収集ボッ
クス3は、上部が開口し、下部両側端部に傾斜面が形成
された筐体部材であり、図1(a)に示すように回分槽
5の内幅にわたる長さ寸法を有している。
3内に捕捉するためには、スカム収集ボックス3内での
汚水水位をある程度まで低下させる必要がある。本実施
形態ではこの水位を低下させるためにスカム収集ボック
ス3内の汚水を汚水槽内へ還流する方式を採っている。
この汚水還流手段としては、スカム収集ボックス3の底
面中央に汚水排出口3aが穿設され、略U字状の管であ
る汚水還流管3cの一開口部が汚水排出口3aに接続さ
れ、またもう一方の開口部3dがスカム収集ボックス3
の上端部3bよりも低い位置となるように構成したもの
である。また、スカム収集ボックス3全体の高さ方向位
置は、スカム収集ボックス3の上端部3bが流入汚水最
小水位(Min.W.L)よりも下方となる位置である
ことはもちろんである。
クス3で捕捉したスカムを排出するためのものであり、
図1(b)に示すように、汚水還流管3cに直結した排
水管4aとし、スカム排出弁9が取り付けられているも
のである。
1の作用について説明する。まず、回分槽5に処理する
汚水が流入される。そして、エアレーションや静置沈澱
などの所定の汚泥活性反応時間が経過した後、水面に浮
上したスカムを除去すべく、スカム除去装置1を作動さ
せる。
用スプレーノズル2aおよび壁面清浄用スプレーノズル
6aから圧力水スプレーが噴出し、それにより発生する
気流Cによって、スカムは水面上を移送される。所定時
間後、今度は圧力水供給弁8bが開き、移送用スプレー
ノズル2bおよび壁面清浄用スプレーノズル6bから圧
力水スプレーが噴出するというように、スカムの移送方
向に向かって順次ノズルから圧力水スプレーが噴出す
る。このとき、次のノズルから圧力水スプレーが噴出す
ると同時もしくはその前後に、前のノズルからの噴出を
止めれば、圧力水の節約となる。
スカムは、最終のノズルである移送用スプレーノズル2
cおよび壁面清浄用スプレーノズル6cからの圧力水ス
プレーにより回分槽5の一側に寄せられる(図2
(a))。そして、寄せられたスカムが再び拡散しない
ように移送用スプレーノズル2cおよび壁面清浄用スプ
レーノズル6cから圧力水スプレーを噴出させたまま
で、汚水排出水位(L.W.L)位置に設けた上澄水排
出弁(図示せず)を開いて回分槽5内の上澄水を排出さ
せる。スカムはスカム収集ボックス3の上部に寄せられ
たまま、水位が低下していくため、スカム収集ボックス
3の上端部3bより水位が低下することによりスカムは
捕捉される(図2(b))。回分槽5の水位がこのスカ
ム収集ボックス3の上端部3bより低下し、スカムが捕
捉されたとき、圧力水供給弁8cを閉じて圧力水スプレ
ーの噴出を止める。
より低下していくとき、スカム収集ボックス3内の汚水
は汚水還流管3cの開口部3dより流れ出し、スカム収
集ボックス3内の水位と回分槽5の水位は同位のまま低
下していく。これにより、スカムはスカム収集ボックス
3内に確実に捕捉されることになる。さて、回分槽5の
水位はさらに低下し、上澄水の排出を完了して汚水排出
水位(L.W.L)となるが、スカム収集ボックス3の
水位はスカム排出弁9が閉じているので、汚水還流管3
cの開口部3dの位置のままとなる(図2(c))。こ
の段階で、スカム排出弁9を開いて、スカム収集ボック
ス3内のスカムおよび汚水を排出させる。スカムは汚水
とともに排出されるため、途中で詰まることなく、スム
ースな排出が可能となる。
場のポンプ井に実施した形態についての作用説明を図4
を参照して行う。なお、本実施形態において使用するス
カム除去装置12の構成部材のうち、前記形態と同一部
分であるものについては同一符号を付して、その説明を
省略する。前記形態と構成部材が異なる箇所はスカム排
出装置4′であり、スカム収集ボックス3内にスカム排
出用ポンプ4bのポンプ口4cを配設したものである。
水位(H.W.L)まで上昇したら、移送用スプレーノ
ズル2a、2b、2cの順序で圧力水スプレーを噴出さ
せ、スカムをポンプ井13におけるスカム移送方向終端
部(スカム収集ボックス3の上部)に寄せる。そして、
ポンプ14により汚水を排出させるが、この場合、ポン
プ14による汚水の排水量は、水位がスカム収集ボック
ス3の上端部3bまで低下する前に、スカムが全て寄せ
られるようにタイマー等により調整されている。移送用
スプレーノズル2cは、寄せられたスカムが再び拡散し
ないように、スカムがスカム収集ボックス3内に確実に
捕捉されるまで、圧力水スプレーを噴出している。
部3bからさらに低下していくが、スカム収集ボックス
3内の汚水は汚水還流管3cの開口部3dより流れ出
し、スカム収集ボックス3内の水位とポンプ井13の水
位は同位のまま低下していく。これにより、スカムはス
カム収集ボックス3内に確実に捕捉されることになる。
ポンプ井13の水位はさらに低下していくが、スカム収
集ボックス3の水位は汚水還流管3cの開口部3dの位
置である。この段階で、スカム排出用ポンプ4bを起動
させ、スカムをポンプ口4cから取り込む。スカム排出
用ポンプ4bは同時に圧力水を供給するようになってお
り、取り込まれたスカムはこの圧力水とともにスカム分
離機へと移送される。
め、スカムの排除には、夾雑物やヒモ状のものが混入し
ていても対応できる形式のポンプを採用する。また、ス
プレー水等の駆動用水は、下水処理水、井水、上水など
の他に、ポンプ井内の汚水を揚水し、ストレーナー等で
濾過して使用することも可能である。
用スカム除去装置は、自動運転が可能であり、また維持
管理が極めて容易である。
のような効果を奏する。 (1)ノズルから噴出するスプレー水により発生した気
流によって、水面上のスカムを移送させる構成とし、ま
た上澄水の排出工程等の水位低下を利用してスカム収集
ボックス内にスカムを捕捉する構成としたため、回分式
活性汚泥法等、汚水の水位に変動がある汚水槽でもスカ
ムを確実に排出、除去できる。また、ポンプ場のポンプ
井等においても、ポンプ起動の水位等を設定することに
より、本スカム除去装置を実施できるものである。 (2)また、スカム収集ボックスに、スカム収集ボック
ス内の水位を低下させる汚水還流手段を設けることによ
り、スカムをより確実に捕捉できる。 (3)スプレー水は、下水処理水、井水、上水などを利
用できるので、経済的であり、また、本スカム除去装置
は自動運転が可能であり、維持管理が極めて容易であ
る。
態を示すフロー説明図であり、(b)は(a)における
A−A断面図である。
装置の作用説明図である。
示すフロー説明図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 汚水面の上方位置に、スカムの移送方向
に所定の間隔で複数列配設され、圧力流体のスプレーを
スカムの移送方向と平行に、かつ、水平方向に噴出する
移送用スプレーノズルからなるスカム移送装置と、 汚水の水位が低下したときに、前記スカム移送装置によ
り移送されてきたスカムを捕捉するスカム収集ボックス
と、 前記スカム収集ボックス内に捕捉されたスカムを排出す
るスカム排出装置と、からなることを特徴とする水位変
動用スカム除去装置。 - 【請求項2】 前記スカム収集ボックスは、スカム収集
ボックス内の汚水を汚水槽内に還流する汚水還流手段を
有していることを特徴とする請求項1に記載の水位変動
用スカム除去装置。 - 【請求項3】 前記スカム収集ボックスは、上部が開口
した、略直方体形状をなし、前記汚水還流手段は、前記
スカム収集ボックス底部に汚水を還流させるための略U
字状の汚水還流管を取付け、該汚水還流管の開口部をス
カム収集ボックスの上端部よりも下方に位置させたこと
を特徴とする請求項2に記載の水位変動用スカム除去装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP08941996A JP3786376B2 (ja) | 1996-04-11 | 1996-04-11 | 水位変動用スカム除去装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09276860A true JPH09276860A (ja) | 1997-10-28 |
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JP08941996A Expired - Fee Related JP3786376B2 (ja) | 1996-04-11 | 1996-04-11 | 水位変動用スカム除去装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3786376B2 (ja) |
Cited By (6)
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-
1996
- 1996-04-11 JP JP08941996A patent/JP3786376B2/ja not_active Expired - Fee Related
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