JPH09273956A - インク残量検知装置およびインクジェットプリンタ - Google Patents

インク残量検知装置およびインクジェットプリンタ

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JPH09273956A
JPH09273956A JP10620996A JP10620996A JPH09273956A JP H09273956 A JPH09273956 A JP H09273956A JP 10620996 A JP10620996 A JP 10620996A JP 10620996 A JP10620996 A JP 10620996A JP H09273956 A JPH09273956 A JP H09273956A
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ink
electrodes
pulse signal
voltage
remaining amount
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JP10620996A
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English (en)
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周平 ▲ひわ▼田
Shiyuuhei Hiwada
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Brother Industries Ltd
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクの残量を簡易な構成により精度良く検
出する。 【解決手段】 インクカートリッジ内に設けられた電極
X、Yに第1の電圧パルスを印加し、続いて位相の遅れ
た第2の電圧パルスを印加し、そのときの電極X、Y間
の電圧値の差を差動増幅器Dで求め、その差と基準電圧
Eとを比較器Cによって比較する。そして、その比較器
CのOUT端子から出力される信号電圧に基づいてCP
Uがインク残量を判定する。第2の電圧パルスにより、
インクの電気分解で電極に付着した物質を離脱させた後
に電圧値を比較するため、電極間の抵抗値の変動を防止
してインク残量を精度良く検知することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクの残量を検
知する装置であって、ノズルからインク液滴を吐出して
被印刷媒体に印刷を行うインクジェットプリンタのイン
クの残量を検知する装置として好適なものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクの残量は、インク内に設け
られた一対の電極間に直流電流を流し、そのときの電極
間の抵抗値に基づいて検出していた。しかし、直流電流
を流すとインクが電気分解され、その電気分解された物
質が電極に付着して抵抗値が変化してしまい、正確なイ
ンクの残量を検出できないという問題が生じた。そこ
で、検出する毎にパルス信号の極性を反転させることに
より、インクの電気分解を防止するもの(特開昭63−
132057号公報)、検出毎に電極間に流す電流の向
きを変えるもの(特開平3−136860号公報)が考
えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特開昭6
3−132057号公報に記載のものは、電極と比較器
との間に接続されたアナログスイッチや、比較器の出力
値を補正するEXOR回路などを必要とする。また、特
開平3−136860号公報に記載のものは、電極に電
流を流すための4個のトランジスタなどを必要とする。
つまり、いずれのものも回路構成が複雑になるという問
題がある。
【0004】また、いずれもインクの残量を検出する時
期的間隔が長いため、前回の検出時に電気分解された物
質が電極表面に固まってしまい、次回の検出時に電極に
流す電流の向きを変えたり、パルスの極性を反転させて
も、上記物質を電極表面から離脱させるのが困難となる
という問題もある。つまり、電極に付着した物質の蓄積
が進行するにつれて、電極間の抵抗値が変化するため、
インクの残量の検出精度が低くなるという問題もある。
【0005】そこで、本発明は、インク残量を検出する
回路構成が簡易でありながら、かつインク残量の検出精
度を高めることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、請求項1に記載の発明では、インク流路中
に配設した一対の電極間に電圧をかけ、その電極間に存
在するインクの影響を受けて変化する電気抵抗を検知す
ることにより流路内のインクの残量を検出するインク残
量検知装置であって、残量検知時において、前記一対の
電極の一方には第1のパルス信号を、他方の電極には第
1のパルス信号と同極性で且つ第1のパルス信号より位
相の遅れた第2のパルス信号を出力するパルス信号出力
手段と、前記第1および第2のパルス信号により前記一
対の電極間に発生する電圧に基づき、前記電極間の電気
抵抗を検知する検知手段と、が備えられたという技術的
手段を採用する。
【0007】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載のインク残量検知装置において、前記第2のパルス信
号は、前記第1のパルス信号と同一の波形であり、位相
のみ異なるという技術的手段を採用する。
【0008】請求項3に記載の発明では、請求項1また
は2に記載のインク残量検知装置において、前記パルス
信号出力手段は、残量検知時には、方形波、正弦波また
は三角波である直流信号からなる第1および第2のパル
ス信号を前記一対の電極それぞれに出力するという技術
的手段を採用する。
【0009】請求項4に記載の発明では、請求項1ない
し3のいずれか1つに記載のインク残量検知装置におい
て、前記検知手段は、第2のパルス信号により前記一対
の電極間に発生する電圧と基準電圧とを比較する比較器
を有するという技術的手段を採用する。
【0010】請求項5に記載の発明では、インク液滴を
吐出することにより印字記録を行う印字ヘッドと、イン
ク流路中に配設した一対の電極間に電圧をかけ、その電
極間に存在するインクの影響を受けて変化する電気抵抗
を検知することにより流路内のインクの残量を検知する
インク残量検知装置とを備えるインクジェットプリンタ
であって、前記インク残量検知装置は、残量検知時にお
いて、前記一対の電極の一方には第1のパルス信号を、
他方の電極には第1のパルス信号と同極性で位相の異な
る第2のパルス信号を出力するパルス信号出力手段と、
前記第1および第2のパルス信号により前記一対の電極
間に発生する電圧に基づき、前記電極間の電気抵抗を検
知する検知手段と、を有するという技術的手段を採用す
る。
【0011】請求項6に記載の発明では、請求項5に記
載のインクジェットプリンタにおいて、前記一対の電極
は、前記印字ヘッドに供給されるインクが収容されたイ
ンクタンク内に設けられているという技術的手段を採用
する。
【0012】請求項7に記載の発明では、請求項5に記
載のインクジェットプリンタにおいて、前記印字ヘッド
は、被記録媒体上を走査しながらインク液滴を前記被記
録媒体に吐出して印字記録を行うものであり、前記イン
ク残量検知装置は、前記印刷ヘッドの所定回数の走査毎
に、前記パルス信号出力手段により、前記一対の電極に
位相の異なるパルス信号をそれぞれ出力し、そのときの
前記一対の電極間の電圧を前記検知手段により基準電圧
と比較するものであるという技術的手段を採用する。
【0013】
【作用】請求項1ないし7に記載の発明では、インク残
量検知時において、インク流路中に配設した一対の電極
の一方には第1のパルス信号を、他方の電極には第1の
パルス信号と同極性で且つ第1のパルス信号より位相の
遅れた第2のパルス信号を出力するパルス信号出力手段
が備えられている。つまり、上記第1および第2のパル
ス信号は、インク側から見ると、電極間に交流が印加さ
れたものとなるため、第1のパルス信号を一対の電極の
一方に出力したときにインクの電気分解によって生成さ
れた物質が電極表面に付着している場合であっても、第
1のパルス信号と同極性で且つ位相の遅れた第2のパル
ス信号を他方の電極に出力することにより、電極表面に
付着している物質を電極表面から離脱させることができ
る。
【0014】したがって、その離脱によって一対の電極
間の電気抵抗の変化を防止することができるため、上記
検知手段により、精度の高いインク残量の検知を行うこ
とができる。しかも、同極性で且つ位相の異なる2つの
パルス信号を電極に出力するという簡易な回路構成で精
度の高いインク残量の検知を実現することができる。
【0015】特に、請求項2に記載の発明では、上記第
2のパルス信号は、上記第1のパルス信号と同一の波形
であり、位相のみ異なるという技術的手段を採用する。
したがって、第1および第2のパルス信号を生成する回
路構成を共通のものとすることができるため、異なる波
形の第1および第2のパルス信号を出力するものより
も、回路構成を簡素化することができる。
【0016】また、請求項3に記載の発明では、上記パ
ルス信号出力手段は、残量検知時には、方形波、正弦波
または三角波である直流信号からなる第1および第2の
パルス信号を上記一対の電極それぞれに出力するという
技術的手段を採用する。つまり、直流信号を用いるた
め、交流信号を用いるもののように、インクの電気分解
が少なく、電極に付着する物質を減少することができ
る。
【0017】さらに、請求項4に記載の発明では、上記
検知手段は、第2のパルス信号により上記一対の電極間
に発生する電圧と基準電圧とを比較する比較器を有す
る。つまり、上記第2のパルス信号の出力により、電極
に付着していた物質を離脱させたときに一対の電極間に
発生する電圧と基準電圧とを比較するため、上記第1の
パルス信号の出力時に比較する場合よりも、より一層精
度の高いインク残量の検知を行うことができる。
【0018】またさらに、請求項5に記載の発明では、
インク残量検知時において、インク流路中に配設した一
対の電極の一方には第1のパルス信号を、他方の電極に
は第1のパルス信号と同極性で位相の異なる第2のパル
ス信号を出力するパルス信号出力手段と、上記第1およ
び第2のパルス信号により上記一対の電極間に発生する
電圧に基づき、上記電極間の電気抵抗を検知する検知手
段とを有するインク残量検知装置を備えているため、簡
易な回路構成でありながら精度の高いインク残量検知を
行うことができるインクジェットプリンタを実現するこ
とができる。
【0019】そしてさらに、請求項6に記載の発明で
は、上記一対の電極は、上記印字ヘッドに供給されるイ
ンクが収容されたインクタンク内に設けられている。つ
まり、インクタンク内のインク残量を精度良く検出でき
るため、発明の実施の形態で述べるように、インクタン
ク内のインク残量の表示を正確に行うことが可能であ
る。
【0020】またさらに、請求項7に記載の発明では、
上記印字ヘッドは、被記録媒体上を走査しながらインク
液滴を上記被記録媒体に吐出して印字記録を行うもので
あり、上記インク残量検知装置は、上記印刷ヘッドの所
定回数の走査毎に、上記パルス信号出力手段により、上
記一対の電極に位相の異なるパルス信号をそれぞれ出力
し、そのときの上記一対の電極間の電圧を前記検知手段
により基準電圧と比較するものであるという技術的手段
を採用する。つまり、上記所定回数の走査毎に電極に付
着した物質を離脱させて精度良くインク残量を検出する
ことができる。したがって、たとえば、頁単位の印刷毎
にインク残量を検出するものよりも、インク残量を精度
良く、且つ、早期に検知することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施形態のプ
リンタについて図を参照して説明する。図1は、本第1
実施形態のプリンタの主要構造を示す説明図であり、図
2は、その制御系を示すブロック図である。なお、以下
に述べる各実施形態ではプリンタの代表としてカラー印
刷を行うカラープリンタであって、圧電素子の圧電効果
によりインク室を加圧して、そのインク室内のインクを
ノズルから吐出させて印刷を行うものを代表に説明す
る。
【0022】図1に示すように、プリンタ10には、被
記録媒体である記録用紙11が装填されるプラテン12
が備えられており、このプラテン12は、LFモータ
(紙送りモータ)58に接続された紙送り機構62より
回転される(図2参照)。プラテン12に対向する位置
には、印刷ヘッド(以下、ヘッドと略称する)20が設
けられており、このヘッド20は、キャリッジ21に搭
載されている。このキャリッジ21の前方下部には、プ
リンタ10の幅方向に取付けられたガイド軸14が摺動
可能に挿通されている。
【0023】さらに、キャリッジ21は、CRモータ
(キャリッジ移動用モータ)18のプーリに掛けられた
無端ベルト30が連結されている。つまり、ヘッド20
は、CRモータ18の回転により、ガイド軸14上をプ
ラテン12に対向して往復動する。なお、LFモータ5
8にはステップモータが、CRモータ18にはPWM制
御により回転速度が制御されるDCモータが用いられ
る。また、上記ヘッド20、LFモータ58およびCR
モータ18は、電源40(図2参照)から供給される電
源により駆動される。
【0024】ヘッド20には、図示しないが、ブラック
のインクを吐出するブラック用ヘッドと、イエローのイ
ンクを吐出するイエロー用ヘッドと、シアンのインクを
吐出するシアン用ヘッドと、マゼンタのインクを吐出す
るマゼンタ用ヘッドとが備えられている。また、ヘッド
20には、インク収容手段としてのインクカートリッジ
22がキャリッジ21上に着脱可能に備えられている。
このインクカートリッジ22は、図示しないが、上記各
色のヘッド専用のインクカートリッジに分かれて構成さ
れている。これらインクカートリッジの内部には、イン
クの残量を検出するための1対の電極X、Y(図3参
照)がそれぞれ設けられており、各電極X、Yは、後述
するインク残量検出用の検出回路70(図2参照)に接
続されている。
【0025】また、ヘッド20の内部には、インクカー
トリッジから供給されるインクが収容されるインク室
(図示省略)が複数形成されており、それら各インク室
のプラテン12に対向する面(ノズル形成面)には、イ
ンク室内のインクを吐出するノズルがそれぞれ形成され
ている。各インク室には、圧電素子がそれぞれ設けられ
ており、その圧電素子に駆動電圧を印加することによ
り、インク室の容積が変化してインク室内のインクが加
圧され、そのインクがノズルから記録用紙11に向けて
吐出されて印刷が行われる。
【0026】ガイド軸14に沿ったその下方には、リニ
ア型のタイミングスリット16が設けられており、キャ
リッジ21の前面下部には、上記タイミングスリット1
6に印されたスリットの間隔を読み取ってキャリッジ2
1の位置に対応したパルス信号を出力するセンサ素子
(図示省略)が設けられている。これら、タイミングス
リット16およびセンサ素子により、エンコーダ55が
構成される(図2参照)。
【0027】また、本プリンタ10には、気泡を含んだ
不良インクをインク吸収体(図示省略)に定期的に吐出
して良好な印刷状態を保つフラッシング機能が備えられ
ている。さらに、本プリンタ10には、ノズルに詰まっ
た乾燥インクや異物などを定期的に吸引してインクの吐
出状態を良好に保つパージング機構34が備えられてお
り、ヘッド20の移動方向左側には、パージングを行う
ヘッドに蓋をする吸引キャップ34aが設けられてい
る。
【0028】また、本プリンタ10には、ヘッド20が
一定時間以上使用されない場合にヘッド20のノズル形
成面に吸引キャップ34aによって蓋をするキャッピン
グ機構35(図2参照)が備えられている。さらに、本
プリンタ10には、ヘッド20のノズル形成面に付着し
たインクを払拭して清掃するワイピング機構33(図2
参照)が備えられており、ワイパ部材33aが吸引キャ
ップ34aの右側に設けられている(図1参照)。
【0029】次に、上記プリンタの制御系の主要構成に
ついて図2を参照して説明する。プリンタ10には、後
述する各種演算処理を行うCPU50が備えられてい
る。このCPU50には、ホストコンピュータ51から
出力される印刷データなどの信号を受信するためのイン
ターフェース52、インクカートリッジ内のインクの有
無を検出する検出回路70が接続されている。また、検
出回路70を作動させてインクの残量を検出する検出プ
ログラムやヘッド20を駆動させて印刷を行う印刷プロ
グラムなどの記憶されたROM53およびRAM54、
エンコーダ55から出力されるエンコーダ信号を入力し
てキャリッジ21の位置の演算などを行うゲートアレイ
56が接続されている。
【0030】CPU50は、ホストコンピュータ51か
らインターフェース52を介して受信された印刷データ
をRAM54の所定の領域に格納するとともに、予め上
記ROM53に記憶している印刷プログラムにしたがっ
て、LFモータ58、CRモータ18およびヘッド20
を駆動するための各種制御信号を出力する。そして、上
記制御信号のうち、LFモータ58を駆動するためのL
Fモータ駆動制御信号は、LF駆動回路57に入力さ
れ、このLF駆動回路57から出力されるLFモータ駆
動信号に従ってLFモータ58が駆動される。つまり、
このLFモータ58の駆動により、印刷用紙の縦方向へ
の紙送りが行われる。
【0031】また、上記ワイピング機構33、パージン
グ機構34およびキャッピング機構35は、それぞれ切
替え機構61を介してLFモータ58によって駆動され
る。さらに、上記制御信号のうち、CRモータ18を駆
動するためのCRモータ駆動制御信号は、CR駆動回路
59に入力され、このCR駆動回路59から出力される
CRモータ駆動信号に従ってCRモータ18が駆動され
る。このCRモータ18の駆動により、キャリッジ21
が往復動され、このキャリッジ21の位置は、エンコー
ダ55によって検出される。
【0032】そして、そのエンコーダ55から出力され
たエンコーダ信号は、ゲートアレイ56に入力され、ゲ
ートアレイ56は、入力されたエンコーダ信号に基づい
て、キャリッジ21の速度データ信号、キャリッジ21
の位置制御用パルス(基準パルス)、ヘッド20を駆動
するための印刷タイミングパルスなどを発生する。
【0033】また、CPU50は、ゲートアレイ56か
ら出力された速度データ(エンコーダ信号の各エッジ間
の時間間隔値)を入力してキャリッジ21の速度制御に
必要なPWM信号(CRモータ18の駆動信号のパルス
幅)の演算を行う。また、位置制御用パルス(基準パル
ス)を入力してキャリッジの現在位置の演算を行う。さ
らに、CPU50は、印字方向が逆転した場合に印字位
置を一致させるためのディレイカウント値や印字スター
ト信号の許可などを行うデータをゲートアレイ56内の
レジスタに書き込むなどの制御動作を行う。
【0034】さらに、CPU50から出力される制御信
号のうち、印刷データを基に作成されたヘッド20を駆
動するためのヘッド駆動制御信号は、ヘッド駆動回路6
0に入力され、このヘッド駆動回路60から出力される
ヘッド駆動信号に従ってヘッド20が駆動される。つま
り、ヘッド20に上記ヘッド駆動信号が入力されると各
ヘッドの各エレメントを構成する圧電素子に電圧が印加
され、その圧電素子が設けられたインク室の振動板が変
位し、インク室内のインクが加圧されてノズルから吐出
される。
【0035】またさらに、CPU50は、LFモータ5
8の駆動信号たるパルス信号をカウントして、LFモー
タ58および紙送り機構62により実行される、印刷用
紙の送り量のカウント、パージング機構34またはキャ
ッピング機構35を駆動するカムの回転量のカウントな
どを行う。また、キャッピング機構35には、キャリッ
ジ21がキャッピングポジション(ホームポジション)
に復帰していることを検出するHP(ホームポジショ
ン)センサ63が、紙送り機構62には、印刷用紙の挿
入、または、排出を検出するPE(ペーパーエンプテ
ィ)センサ64がそれぞれ設けられている。
【0036】次に、上記検出回路70の構成および動作
について図3および図4を参照して説明する。図3は、
検出回路70の主要構成を示す回路図である。図4
(a)、(b)は、それぞれインクが空の時とインクが
充分残存している時の検出回路70に入力される信号の
電圧波形および電極に発生する電圧波形を示す。図3に
示す入力端子a、bは、CPU50の出力ポート(図示
省略)に接続されており、入力端子aにはロジックバッ
ファB1が、入力端子bにはロジックバッファB2がそ
れぞれ接続されている。ロジックバッファB1の出力側
には抵抗R1が、ロジックバッファB2の出力側には抵
抗R2がそれぞれ接続されている。抵抗R1の出力側
は、インクカートリッジ内に設けられた電極Xおよび差
動増幅器(引き算器)Dの一方の入力に接続されてお
り、抵抗R2の出力側は、インクカートリッジ内に設け
られた電極Yおよび差動増幅器(引き算器)Dの他方の
入力に接続されている。さらに、差動増幅器Dの出力側
は、比較器Cの一方の入力に接続されている。
【0037】また、比較器Cの他方の入力には、基準電
圧Eが接続されており、比較器CのOUT端子は、CP
U50の入力ポート(図示省略)に接続されている。な
お、電極X、Yは、インクカートリッジ内の底面近くの
側壁に設けられており、インクの液面が電極Xの下端よ
り下がった状態をインクが空になったものとする。ま
た、CPU50は、インクカートリッジ内のインクの有
無を検出するためのプログラムにしたがって、ヘッド2
0が1回走査する毎に入力端子a、bへ位相の異なる電
圧パルス信号を出力してインクの有無を検知するものと
する。
【0038】インクの有無の検知タイミングになると、
CPU50の出力ポートから、入力端子bに図4に示す
正の電圧パルスVb1が印加され(時間t1)、続いて
その電圧パルスVb1から位相の遅れた正の電圧パルス
Va1が入力端子aに印加される(t2)。なお、上記
電圧パルスVa1およびVb1の電圧値と、電圧パルス
Va1のパルス幅taおよび電圧パルスVb1のパルス
幅tbは、それぞれ同一である。また、電圧パルスVa
1が、本発明に係る第1のパルス信号に、電圧パルスV
b1が、第2のパルス信号に相当する。
【0039】入力端子bに電圧パルスVb1が印加され
ると、ロジックバッファB2の出力側は、抵抗R2を介
して電極Yに接続される。このとき電極Yに現れる電圧
波形を図4中にVYEおよびVYFで示す。なお、VY
Eがインクが空の時に現れる電圧であり、VYFがイン
クが充分残存している時に現れる電圧である。一方、入
力端子aに電圧パルスVa1が印加されると、ロジック
バッファB1の出力側は、抵抗R1を介して電極Xに接
続されるとともに、差動増幅器Dの一方の入力端子に接
続される。このとき電極Xに現れる電圧波形を図4中に
VXEおよびVXFで示す。なお、VXEがインクが空
の時に現れる電圧であり、VXFがインクが充分残存し
ている時に現れる電圧である。差動増幅器Dでは、入力
される電圧波形の差を取り、それを出力する。すなわ
ち、(電極Xに現れる電圧)−(電極Yに現れる電圧)
の演算を行う。なお、差動増幅器Dの出力側は、比較器
Cの一方の入力端子に接続される。この差動増幅器Dの
出力に現れる電圧波形を図4のVXYEおよびVXYF
に示す。なお、VXYEがインクが空の時に現れる電圧
であり、VXYFがインクが充分残存している時に現れ
る電圧である。このとき、上記電圧パルスVb1および
電圧パルスVa1は直流であるが、位相が異なるため、
インクから見ると交流電流が印加されたものと見ること
ができる。したがって、上記電圧パルスVa1を印加す
ることにより、インクの電気分解により生成され電極
X、Yの表面に付着していた物質を電極表面から離脱さ
せることができるため、電極X、Y間の電気抵抗の変化
を防止することができる。
【0040】ところで、電極X、Y間のインピーダンス
は、電極表面のインクに接触する面積により変化し、ロ
ジックバッファB1の出力信号の電圧は、抵抗R1と電
極X、Y間のインピーダンスにより分圧される。よっ
て、インクが充分残存している時の電極X、Y間のイン
ピーダンスをrf、インクが空時の電極X、Y間のイン
ピーダンスをre、電圧パルスVa1の電圧および電圧
パルスVb1の電圧を共にV0とし、インクが充分残存
している時に上記一対の電極X、Y間に発生する電圧を
VF、インクが空時の電圧をVEとすると、VF=V0
×rf/(R1+R2+rf)、VE=V0×re/
(R1+R2+re)となる。
【0041】したがって、上記電圧VFまたはVEと基
準電圧Eとを比較器Cによって比較し、比較器CのOU
T端子から出力される信号がハイレベルかローレベルか
をCPU50の入力ポートでウォッチングすることによ
り、インクの有無を検出できる。そこで、本実施形態で
は、基準電圧を3Vであるとし、VF=2.5V、VE
=5Vになるように抵抗R1およびR2が設定されてい
るとする。
【0042】そして、電極X、Y間の電圧が2.5Vで
ある場合には、基準電圧Eの3Vよりも小さいため、比
較器CのOUT端子にはローレベルの信号が出力され、
この信号を入力ポートでウォッチングしているCPU5
0は、インクカートリッジ内のインクが充分残存してい
るという判定を行う。また、電極X、Y間の電圧が5V
になった場合には、基準電圧Eの3Vよりも大きいた
め、比較器CのOUT端子にはハイレベルの信号が出力
され、この信号を入力ポートでウォッチングしているC
PU50は、インクカートリッジ内のインクが空である
判定を行う。
【0043】このように、入力端子aに電圧パルスVa
1が印加されたときの比較器CのOUT端子から出力さ
れる検出信号の変化をCPU50によって検出するとい
う簡素な構成により、インクカートリッジ内のインクの
有無を検知することができる。しかも、ヘッド20の走
査毎に上記両電圧パルスを印加して電極表面の物質を除
去しながらインク残量の検知を行うため、たとえば、頁
単位の印刷毎に検知を行うものよりも、電極表面に堆積
する物質量の増加が少なく状態で検知を行うことができ
る。したがって、精度の高いインク残量検知を行うこと
ができる。また、ヘッド20の走査毎に検知することが
できるため、インク残量を早期に報知することができ
る。
【0044】なお、上記実施形態のように、ヘッド20
が1回走査する毎にインクの有無を検知する場合は、前
回に印加された第2の電圧パルスによって電極に付着し
ている物質は少なく、電極間の抵抗値の変化も小さいと
推定されるため、上記第1の電圧パルスを印加したタイ
ミング(t2)で、電極間の電圧値と基準電圧Eとを比
較器Cによって比較するようにしてもよい。また、イン
クの有無の検知は、ヘッド20が複数回走査する毎に行
うようにすることもできる。
【0045】さらに、比較器の基準電圧Eを複数に設定
し、インク残量を複数段階に検知できるように構成する
こともできる。また、上記電圧パルスの波形として、正
弦波または三角波を用いることができる。なお、上記C
PU50、ロジックバッファB1およびB2が、本発明
に係るパルス信号出力手段として機能し、比較器Cおよ
びCPU50が、電圧比較手段として機能する。
【0046】
【発明の効果】以上記述したように、請求項1ないし7
に記載の発明では、上記第1および第2のパルス信号
は、インク側から見ると、電極間に交流が印加されたも
のとなるため、第1のパルス信号を一対の電極の一方に
出力したときにインクの電気分解によって生成された物
質が電極表面に付着している場合であっても、第1のパ
ルス信号と同極性で且つ位相の遅れた第2のパルス信号
を他方の電極に出力することにより、電極表面に付着し
ている物質を電極表面から離脱させることができる。し
たがって、その離脱によって一対の電極間の電気抵抗の
変化を防止することができるため、上記検知手段によ
り、精度の高いインク残量の検知を行うことができる。
しかも、同極性で且つ位相の異なる2つのパルス信号を
電極に出力するという簡易な回路構成で精度の高いイン
ク残量の検知を実現することができる。
【0047】特に、請求項2に記載の発明では、上記第
1および第2のパルス信号を生成する回路構成を共通の
ものとすることができるため、異なる波形の第1および
第2のパルス信号を出力するものよりも、回路構成を簡
素化することができる。
【0048】また、請求項3に記載の発明では、上記パ
ルス信号として直流信号を用いるため、交流信号を用い
るもののように、インクの電気分解が少なく、電極に付
着する物質を減少することができる。
【0049】さらに、請求項4に記載の発明では、上記
第2のパルス信号の出力により、電極に付着していた物
質を離脱させたときに一対の電極間に発生する電圧と基
準電圧とを比較するため、上記第1のパルス信号の出力
時に比較する場合よりも、より一層精度の高いインク残
量の検知を行うことができる。
【0050】またさらに、請求項5に記載の発明では、
回路構成が簡易でありながら精度の高いインク残量検知
を行うことができるインクジェットプリンタを実現する
ことができる。
【0051】そしてさらに、請求項6に記載の発明で
は、インクタンク内のインク残量の表示を正確に行うこ
とが可能である。
【0052】またさらに、請求項7に記載の発明では、
上記所定回数の走査毎に電極に付着した物質を離脱させ
て精度良くインク残量を検出することができる。したが
って、たとえば、頁単位の印刷毎にインク残量を検出す
るものよりも、インク残量を精度良く、且つ、早期に検
知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施形態のプリンタの主要構造を示す説
明図である。
【図2】図1に示すプリンタの制御系を示すブロック図
である。
【図3】図2に示す検出回路70の回路図である。
【図4】(a)は、インクが空の時の図3に示す検出回
路70の入出力波形の説明図であり、(b)は、インク
が充分残存している時の図3に示す検出回路70の入出
力波形の説明図である。
【符号の説明】
10 プリンタ 20 ヘッド 22 インクカートリッジ 50 CPU 70 検出回路 X、Y 電極

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク流路中に配設した一対の電極間に
    電圧をかけ、その電極間に存在するインクの影響を受け
    て変化する電気抵抗を検知することにより流路内のイン
    クの残量を検出するインク残量検知装置であって、 残量検知時において、前記一対の電極の一方には第1の
    パルス信号を、他方の電極には第1のパルス信号と同極
    性で且つ第1のパルス信号より位相の遅れた第2のパル
    ス信号を出力するパルス信号出力手段と、 前記第1および第2のパルス信号により前記一対の電極
    間に発生する電圧に基づき、前記電極間の電気抵抗を検
    知する検知手段と、 が備えられたことを特徴とするインク残量検知装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインク残量検知装置に
    おいて、 前記第2のパルス信号は、前記第1のパルス信号と同一
    の波形であり、位相のみ異なることを特徴とするインク
    残量検知装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のインク残量検
    知装置において、 前記パルス信号出力手段は、残量検知時には、方形波、
    正弦波または三角波である直流信号からなる第1および
    第2のパルス信号を前記一対の電極それぞれに出力する
    ことを特徴とするインク残量検知装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1つに記載
    のインク残量検知装置において、 前記検知手段は、第2のパルス信号により前記一対の電
    極間に発生する電圧と基準電圧とを比較する比較器を有
    することを特徴とするインク残量検知装置。
  5. 【請求項5】 インク液滴を吐出することにより印字記
    録を行う印字ヘッドと、インク流路中に配設した一対の
    電極間に電圧をかけ、その電極間に存在するインクの影
    響を受けて変化する電気抵抗を検知することにより流路
    内のインクの残量を検知するインク残量検知装置とを備
    えるインクジェットプリンタであって、 前記インク残量検知装置は、 残量検知時において、前記一対の電極の一方には第1の
    パルス信号を、他方の電極には第1のパルス信号と同極
    性で位相の異なる第2のパルス信号を出力するパルス信
    号出力手段と、 前記第1および第2のパルス信号により前記一対の電極
    間に発生する電圧に基づき、前記電極間の電気抵抗を検
    知する検知手段と、 を有することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のインクジェットプリン
    タにおいて、 前記一対の電極は、前記印字ヘッドに供給されるインク
    が収容されたインクタンク内に設けられていることを特
    徴とするインクジェットプリンタ。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載のインクジェットプリン
    タにおいて、 前記印字ヘッドは、被記録媒体上を走査しながらインク
    液滴を前記被記録媒体に吐出して印字記録を行うもので
    あり、 前記インク残量検知装置は、前記印刷ヘッドの所定回数
    の走査毎に、前記パルス信号出力手段により、前記一対
    の電極に位相の異なるパルス信号をそれぞれ出力し、そ
    のときの前記一対の電極間の電圧を前記検知手段により
    基準電圧と比較するものであることを特徴とするインク
    ジェットプリンタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016043624A (ja) * 2014-08-25 2016-04-04 キヤノン株式会社 記録装置、インク残量検出方法、プログラム及び記憶媒体

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