JPH09272888A - カーボン摺動材 - Google Patents

カーボン摺動材

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JPH09272888A
JPH09272888A JP8388096A JP8388096A JPH09272888A JP H09272888 A JPH09272888 A JP H09272888A JP 8388096 A JP8388096 A JP 8388096A JP 8388096 A JP8388096 A JP 8388096A JP H09272888 A JPH09272888 A JP H09272888A
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JP
Japan
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carbon
sliding
fluorinated oil
impregnation
lubrication
Prior art date
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Pending
Application number
JP8388096A
Other languages
English (en)
Inventor
Masami Miyazawa
宮沢正巳
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Eagle Industry Co Ltd
Original Assignee
Eagle Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Eagle Industry Co Ltd filed Critical Eagle Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速、高面圧等の過酷な条件下や真空中、低
露点のドライ雰囲気等においても良好な潤滑性が得られ
るカーボン摺動材を提供する。 【解決手段】 メソフェース成型体を所定の温度で黒鉛
化して所定の気孔率のカーボン材を作り、このカーボン
材を含浸装置の容器内に入れ、真空引きした後、所定の
温度に加熱したフッ素化油を容器内に流し込み、所定の
時間保持した後N2 ガスを用いて加圧含浸を行う。終了
後、大気圧に戻して容器からカーボン材を取り出し、こ
のカーボン材に機械加工によって摺動面を形成し、カー
ボン摺動材とする。カーボン材にフッ素化油を含浸する
ことによって、カーボン材の自己潤滑性の特性にフッ素
化油の特性を加えることができ、それらの協働によって
種々の環境変化に対応できるカーボン摺動材が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は摺動材に関し、特
に、高速、高面圧等の過酷な条件下や、真空中、低露点
のドライ雰囲気等において使用されるカーボン摺動材に
関するものである。
【0002】
【従来技術およびその問題点】一般に、カーボン材は、
黒鉛化質成分を含むために自己潤滑性が有り、耐摩耗性
にも優れるため、潤滑液が使用できない条件下における
摺動材として広く使用されている。
【0003】しかし、カーボン材は、高速、高面圧等の
過酷な条件下においては、摩耗や摺動部の面荒れを起こ
す危険性がある。特に、真空中、低露点のドライ雰囲気
等においては、自己潤滑性が失われるために著しい摩耗
が生じることがある。このような場合に、カーボン材の
摺動部にワックス等の潤滑成分を含浸する方法が採られ
るが、摺動部の発熱等によって潤滑成分が過剰に流出し
たり、摺動面上の潤滑成分によってカーボンブリスター
が発生したり、潤滑成分が気化することによって雰囲気
が汚染されたりする問題が生じ、また、潤滑成分の耐熱
的限界によって使用できる範囲が狭い範囲に制限される
問題もある。
【0004】この発明は前記のような従来のもののもつ
問題点を解決したものであって、高速、高面圧等の過酷
な条件下であっても、真空中、低露点のドライ雰囲気等
であっても、摺動部を良好に潤滑することができるとと
もに、そのような良好な潤滑状態を長期的に維持するこ
とができるカーボン摺動材を提供することを目的とする
ものである。
【0005】
【問題点を解決するための手段】上記の問題点を解決す
るためにこの発明は、少なくとも摺動部に潤滑材を含浸
した手段を採用したものである。また、前記潤滑材の含
浸率は0.3〜20wt%である手段を採用したもので
あり、前記潤滑材は炭素、フッ素、酸素原子からなるフ
ッ素化油である手段を採用したものである。
【0006】
【作用】この発明は前記のような手段を採用したことに
より、カーボン材の自己潤滑性の特性に潤滑材の特性を
加えることができ、それらの協働によって摺動部を効果
的に潤滑することができることになる。そして、潤滑材
にフッ素化油を用いた場合には、フッ素化油の耐熱性、
耐溶媒性、耐薬品性、低蒸気圧、高潤滑性の特性を利用
することができるので、使用条件に影響されることなく
良好な潤滑性が得られることになる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、この発明によるカーボン摺
動材の実施の形態について説明する。この実施の形態に
よるカーボン摺動材は、無給油の条件下において使用さ
れるものであって、高速、高面圧等の過酷な条件下や、
真空中、低露点のドライ雰囲気等においても使用できる
ようにカーボン材に潤滑材を含浸したものである。
【0008】前記カーボン材は、炭素質、黒鉛質の総称
であって、特にその組成を問うものでなく、目的に応じ
て炭素質、黒鉛質を使い分けることができるものであ
る。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、メソフェーズ、カー
ボンブラック等の骨材とコールタールピッチ、合成樹脂
等の結合材を主成分とし、混合、混練り、成型工程を経
て1000〜3000℃で焼成することによって形成さ
れるものである。
【0009】そして、焼成したカーボン材は、黒鉛化質
成分を含むために自己潤滑性を有し、耐摩耗性に優れる
特性を有するものであるが、それらの中から特に自己潤
滑性に富み、強度が高いものを選択して使用する。ま
た、焼成したカーボン材は、焼成工程で発生した多くの
気孔を有するものであるが、気孔の径や量は特性に特に
影響を及ぼすものではない。ただし、小さい気孔が連続
的に形成されているものの方が含浸の効率が良いので、
そのようなものを選択して使用する。
【0010】前記潤滑材は、炭素、フッ素、酸素原子か
らなるフッ素系合成油(以下、フッ素化油という)であ
って、例えば、PFPE(perfluoropoly
ether)油等が有効である。
【0011】フッ素化油は、耐熱性、耐溶媒性、耐薬品
性に優れ、低蒸気圧であり、潤滑性にも優れる特徴を有
するものである。したがって、高温−低温雰囲気、真空
中−腐食性等の特殊雰囲気等の環境の変化に対して特性
の変化が少なく、それらの雰囲気においても潤滑性が失
われることなく長期的に安定した特性が得られるもので
ある。
【0012】このようなフッ素化油は、分子量の大きさ
によって粘度に違いが生じる。したがって、カーボン材
の気孔の大きさ、使用条件等に応じて所望の粘度のもの
を選択して使用すれば、種々の雰囲気において安定した
特性が得られることになる。
【0013】フッ素化油をカーボン材に含浸するには、
気孔の大きさ等によって真空・加圧含浸法又は浸漬含浸
法等の含浸方法の中から適宜なものを選択して使用すれ
ば良い。また、必要に応じてカーボン材の摺動面以外の
表面を合成樹脂等で被覆すれば、含浸したフッ素化油が
摺動面以外の表面に流出するのを防ぐことができるもの
である。
【0014】フッ素化油のカーボン材に対する含浸率
は、厳しくその範囲を問うものではない。含浸の深さに
よっても含浸率が微妙に変化するため、含浸率を厳密に
規定することは困難であるが、カーボン材の表面近傍に
おいて0.3wt%が顕著な効果が期待でき、10wt
%程度が理想的である。含浸率がこれらの範囲よりも低
すぎると潤滑不足の問題が生じ、逆に高すぎると使用時
に摺動面にフッ素化油が過剰に流出し、摺動面に塵芥等
が付着し易くなるといった問題が生じるからである。
【0015】上記のような過程を経て作られたこの実施
の形態によるカーボン摺動材は、カーボン材の自己潤滑
性とカーボン材に含浸した潤滑材との協働により、長期
の乾燥潤滑条件での使用によっても低摩擦、低摩擦係数
を示し、高速、高面圧等の過酷な条件下においても、真
空中、低露点のドライ雰囲気等においても、著しい摩耗
や摺動部の面荒れを起こしたり、潤滑性が失われて著し
い摩耗が発生したりすることはなく、摺動部を良好に潤
滑することができることになる。しかも、そのような良
好な潤滑状態を長期的に維持することができることにな
る。したがって、使用できる範囲を大幅に広げることが
できるとともに、そのような広い範囲において長期的に
安定して使用することができることになる。
【0016】以下、この発明の実施の形態によるカーボ
ン摺動材を実施例に基づいて具体的に説明する。
【0017】(実施例1)メソフェース成形体を280
0℃で黒鉛化して気孔率8%のカーボン材を形成し、こ
れを素材として摺動面がφ23×φ29mm(大きさ2
3×35×10mm)の試験片を作り、これを評価用の
試験片とした。そして、この試験片を真空・加圧状態に
絶えられる容器を備えた含浸装置の容器中に入れ、0.
1mmHgまで真空引きし、この後、粘度を下げるため
70℃に加熱したフッ素化油(バリエルタJ100平均
分子量3500(NOK株式会社製))を流し込み、約
20分間保持した後、N2 ガスを用いて9Kg/cm2
ー120分間の加圧含浸を行った。終了後、大気圧に戻
し、試験片を取り出した。含浸率は3wt%であった。
また、加熱したフッ素化油での浸漬含浸によって含浸率
0.5wt%の試験片を作成した。その後、ring−
on−ring式の摩擦摩耗試験機を用いて大気中、高
温中、アルゴン雰囲気中及び真空中での摺動試験を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0018】(比較例1)実施例1で使用したカーボン
材について無含浸のものを用い、実施例1と同様な試験
を行った。その結果を表1に示す。
【0019】(実施例2)人造黒鉛(平均粒度10μ
m)50wt%とコールタールピッチ45wt%及びフ
ェノール樹脂5wt%を均一に混合した後、加圧ニーダ
ーを用いて160℃ー60分間の混練りを行った。冷却
後、自由ミルを用いて100メッシュ以下に微粉砕を行
い成形粉を得た。成型圧力1.3ton/cm2 ー5分
の条件で金型プレス成形を行い、φ15×φ50×30
mmの成型体を得た。このカーボンを2500℃まで熱
処理して硬度70、比重1.80、気孔率17%の黒鉛
化カーボン材を得た。このカーボン材を素材として摺動
面がφ23×φ29mm(大きさ23×35×10m
m)の試験片を作り、評価用の試験片とした。この試験
片を真空・加圧状態に耐えられる容器を備えた含浸装置
の容器中に入れ0.1mmHgまで真空引きし、この
後、70℃に加熱したフッ素化油(バリエルタJ40
0、平均分子量7500(NOK株式会社製))を流し
込み、約20分間保持した後、N2 ガスを用いて9Kg
/cm2 −120分間の加圧含浸を行った。含浸率は7
wt%であった。終了後、大気圧に戻して試験片を取り
出し、実施例1と同様な試験を行った。その結果を表1
に示す。
【0020】(比較例2)実施例2で使用したカーボン
材について無含浸のものを用い、実施例1と同様な試験
を行った。その結果を表1に示す。
【0021】(試験結果の要約)フッ素化油を含浸した
カーボン材(実施例1および2)は、大気雰囲気25℃
において、無含浸のカーボン材(比較例1および2)に
対して摺動面の温度が高いものの摩耗はなく、耐摩耗性
に優れていることが分かる。これは、摺動面上に形成さ
れたフッ素化油膜の粘性抵抗によるものと考えられる。
大気雰囲気200℃の高温条件では、摩擦係数、摩耗及
び摺動面温度など全ての点でフッ素化油を含浸したもの
の方が含浸していないものよりも優れている。アルゴ
ン、真空雰囲気においても、フッ素化油を含浸したもの
の方が含浸していないものよりも、摩擦係数、摩耗及び
摺動面温度で優れている。したがって、フッ素化油を含
浸したものは、雰囲気の影響を受けず、環境が変化して
も安定した潤滑状態にあることが分かる。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】この発明は前記のように構成したことに
より、以下のような効果を奏することになる。すなわ
ち、カーボン摺動材の少なくとも摺動部に潤滑材を含浸
するようにしたので、無給油の条件下であっても、カー
ボン材の自己潤滑性にカーボン材に含浸した潤滑材の特
性を加えることができ、それらの協働によって摺動部を
良好に潤滑することができることになる。したがって、
カーボン材の自己潤滑性だけに頼る場合に比べて潤滑性
を著しく向上させることができることになる。また、潤
滑材にフッ素化油を用いた場合には、フッ素化油の耐熱
性、耐溶媒性、耐薬品性、低蒸気圧、高潤滑等の特性を
利用することができるので、無給油の条件下であって、
高速、高面圧等の過酷な条件下であっても、真空中、低
露点のドライ雰囲気であっても、良好な潤滑性が得られ
ることになる。したがって、そのような条件下、雰囲気
であっても、摺動面のフッ素化油によってカーボンブリ
スターが発生したり、摺動面のフッ素化油が気化して雰
囲気を汚染したり、摺動面にフッ素化油が過剰に流出し
たりするようなことはなく、摺動部を長期的に良好に潤
滑することができることになり、広い範囲において良好
な潤滑状態を長期的に維持することができることにな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 30:06 30:08 40:02 50:08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも摺動部に潤滑材を含浸したこ
    とを特徴とするカーボン摺動材。
  2. 【請求項2】 前記潤滑材の含浸率は0.3〜20wt
    %である請求項1記載のカーボン摺動材。
  3. 【請求項3】 前記潤滑材は炭素、フッ素、酸素原子か
    らなるフッ素化油である請求項1および2記載のカーボ
    ン摺動材。
JP8388096A 1996-04-05 1996-04-05 カーボン摺動材 Pending JPH09272888A (ja)

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JP8388096A JPH09272888A (ja) 1996-04-05 1996-04-05 カーボン摺動材

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JP (1) JPH09272888A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CH704581A1 (de) * 2011-03-01 2012-09-14 Rieter Ag Maschf Schmiervorrichtung für Wanderdeckel.
JP2015063573A (ja) * 2013-09-24 2015-04-09 Ntn株式会社 固体潤滑剤

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CH704581A1 (de) * 2011-03-01 2012-09-14 Rieter Ag Maschf Schmiervorrichtung für Wanderdeckel.
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