JPH09272754A - 低燃焼性軟質ポリウレタンフォーム並びにその製造方法 - Google Patents

低燃焼性軟質ポリウレタンフォーム並びにその製造方法

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JPH09272754A
JPH09272754A JP32496696A JP32496696A JPH09272754A JP H09272754 A JPH09272754 A JP H09272754A JP 32496696 A JP32496696 A JP 32496696A JP 32496696 A JP32496696 A JP 32496696A JP H09272754 A JPH09272754 A JP H09272754A
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polyurethane foam
flame retardant
foam
flexible polyurethane
ceramic
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Shigetoshi Mimura
成利 三村
Masahiro Kamata
昌宏 鎌田
Masahito Watabe
雅人 渡部
Shigeyoshi Fukushima
繁義 福島
Hiromu Nishiyama
博務 西山
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NISHIYAMA KK
Nishiyama Corp
Toyo Tire Corp
Original Assignee
NISHIYAMA KK
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Nishiyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境汚染や金属の腐食、或いは車両窓ガラス
のかすみの問題など、従来型の難燃剤に基因する品質上
の問題や製造上の諸問題を一挙に解決することが可能で
あり、しかもクッション材として好適な物性を保持し、
高度な低燃焼性を備えた軟質ポリウレタンフォームを提
供する。 【解決方法】 水に混合・溶解させたとき、主成分とし
てのホウ酸化合物を少なくとも20%以上の高濃度で溶
解・含有するごとく調製されたセラミック系難燃剤の水
溶液を用いて軟質ポリウレタンフォームを後処理し、該
軟質ポリウレタンフォームに上記セラミック系難燃剤を
含浸・付着させたことを特徴とする低燃焼性軟質ポリウ
レタンフォーム並びにその製造方法に関し、また、上記
難燃剤として株式会社コーミックス製のセラミック難燃
剤、商品名:セラネンPHN−130ないしセラネンP
HN−140を使用すると好適な結果が得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、低燃焼性軟質ポ
リウレタンフォームに関し、特にマットレス、クッショ
ンをはじめとして広範な用途を有する軟質ポリウレタン
フォームの難燃化技術の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、軟質ポリウレタンフォームを低燃
焼化させる場合、ポリ塩化ビニル、クロロプレンゴム、
塩素化ポリエチレンなどのハロゲン化ポリマー、リン酸
エステルやハロゲン化リン酸エステル化合物、或いは、
メラミン、メラミン樹脂やウレア樹脂などの有機系難燃
剤を原料中に配合して発泡させたり、酸化アンチモンや
水酸化アルミニウムなどの無機系難燃剤を原料中に混合
して発泡するか、または、後処理で軟質ポリウレタンフ
ォームに、上記の難燃剤(特に無機系難燃剤)およびこ
れらの難燃剤をフォーム表面に固着させるバインダー、
例えばラテックス樹脂やアクリル樹脂、を含む薬液で含
浸・乾燥処理させるという方法が用いられてきた。
【0003】このようにして難燃化されたポリウレタン
フォームに関する燃焼性試験は、用途に応じたいくつか
の方法があり、燃焼性評価の度合いも適用される方法に
応じて異なっており、難燃剤の使用方法もそれに応じて
使い分けられている。米国電気用材料燃焼試験(UL9
4)や鉄道車両用材料燃焼試験(運輸省規格A−A基
準)やマットレスの防炎基準などの比較的厳しい燃焼試
験に合格するためには、上記の難燃剤の量を増やした
り、組み合わせたり、或いは後処理によって難燃効果を
上げる方法が用いられてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】分子中にハロゲンおよ
び/またはリンを含有する上記のごとき化合物を軟質ポ
リウレタンフォーム用難燃剤として使用すると、燃焼時
に人体に有害な刺激性ガスを排出し、大気汚染の原因と
なるので好ましくない。
【0005】また,この種の難燃剤の中には、接触する
金属を腐食させたり、車両用シートクッションに使用さ
れた場合、窓ガラスにかすみを生じさせて室内の外観や
居住性を損なうものがあり、このような現象に対する有
効な解決策が強く求められている。
【0006】特に、難燃剤を原料中に配合して発泡させ
る場合、難燃剤の添加量が多いと、発泡成形時にフォー
ム内部にスコーチ(変色)が生じ易くなったり、独立気
泡化による収縮やフォームの割れなどの製造時に発生す
る不具合をコントロールすることが困難である。その
上、従来の難燃剤は有機系、無機系を問わずいずれも、
それを原料中に配合し発泡させて得られる軟質ポリウレ
タンフォームの硬さ、機械的強度、圧縮残留歪み、反発
弾性などの物性を低下させるという問題点があった。
【0007】一方、後処理で軟質ポリウレタンフォーム
に難燃剤(特に無機系難燃剤)とバインダー樹脂の混合
物を含浸させ乾燥処理する方法では、バインダー樹脂の
影響でフォームの感触が硬くなると同時に反発弾性、圧
縮残留歪、繰返し圧縮残留歪などが低下するという欠点
がある。したがって、この方法で難燃化されたフォーム
は断熱材、吸音材などの用途には使用できても、クッシ
ョン材として使用するには不適当なものであった。
【0008】そこでこの発明の目的は、従来型の難燃剤
に基因する前記のごとき品質上並びに製造上の諸問題が
ことごとく解消され、クッション材として好適な物性を
保持し、しかも用途別燃焼試験の基準値をそれぞれクリ
ヤーできる高度な低燃焼性を備えた軟質ポリウレタンフ
ォームを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明のうち請求項1記載の発明は、水に混合
・溶解させたとき、主成分としてのホウ酸化合物を少な
くとも20%以上の高濃度で溶解・含有するごとく調製
されたセラミック系難燃剤の水溶液を用いて軟質ポリウ
レタンフォームを後処理し、該軟質ポリウレタンフォー
ムに上記セラミック系難燃剤を含浸・付着させたことを
特徴とする低燃焼性軟質ポリウレタンフォームをその要
旨とするものである。
【0010】請求項2記載の発明は、前記のセラミック
系難燃剤の水溶液が、株式会社コーミックス製のセラミ
ック難燃剤、商品名:セラネンPHN−130ないしセ
ラネンPHN−140である請求項1記載の低燃焼性軟
質ポリウレタンフォームに関し、この発明を実施するに
当たり特に好ましい実施態様を示したものである。
【0011】また、請求項3ないし4に記載の発明は、
かかる低燃焼性軟質ポリウレタンフォームの製造方法に
関し、前者は、後処理法により軟質ポリウレタンフォー
ムを低燃焼化するに当り、後処理剤として水に混合・溶
解させたとき、主成分としてのホウ酸化合物を少なくと
も20%以上の高濃度で溶解・含有するごとく調製され
たセラミック系難燃剤の水溶液を用い、上記軟質ポリウ
レタンフォームに該セラミック系難燃剤を含浸・付着さ
せることを特徴とする低燃焼性軟質ポリウレタンフォー
ムの製造方法を要旨とする。
【0012】後者、すなわち、請求項4記載の発明は、
請求項3記載の低燃焼性軟質ポリウレタンフォームの製
造方法において、後処理剤としてのセラミック系難燃剤
の水溶液が、株式会社コーミックス製のセラミック難燃
剤、商品名:セラネンPHN−130ないしセラネンP
HN−140であることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】この発明に係るセラミック系難燃
剤の主成分として使用するホウ酸化合物は分子中にB−
0結合を含有する無機化合物を総称するものであるが、
汎用的なものとしてはホウ酸およびホウ酸塩(錯化合物
を含む)がある。
【0014】ところで、ホウ酸には比較的水に難溶のオ
ルトホウ酸と水に可溶のメタホウ酸があり、水溶液は弱
酸性を示す。また、ホウ酸塩にも金属の種類によって水
に可溶なものと難溶なものがあり、通常ナトリウム塩の
ようなアルカリ金属の塩は水に可溶で、水溶液は加水分
解のためアルカリ性を呈する。但し、天然産の四ホウ酸
ナトリウムである硼砂は比較的水に難溶であり、また、
カルシウム、マグネシウム、アルミニウムなどアルカリ
金属以外の塩は一般に難溶である。
【0015】この発明を実施するにおいては、主剤とし
てのホウ酸化合物が効率よくポリウレタンフォームに付
着することが要請される。換言すれば、一回の浸漬・乾
燥処理工程により、所望の目付けが短時間に行えるよう
にするには、当該ホウ酸化合物を少なくとも20%以上
の高濃度で溶解・含有するごとく調製されたセラミック
系難燃剤の水溶液を用いることである。
【0016】これには、上記のホウ酸化合物のうち、例
えばメタホウ酸、ホウ酸ナトリウムなど水に可溶性のも
のを選択し、単独または2種以上からなる混合物を使用
する方法がある。この場合、該ホウ酸化合物をフォーム
に強固に付着させるため、ニカワ、カゼインなどの水溶
性糊剤を予め難燃剤水溶液中に適宜添加し、溶解・混合
しておくことが好ましい。
【0017】一方、水に難溶なホウ素化合物については
濃厚な水溶液はえられない。このような場合は、例えば
特公昭56−9588号公報に開示されている処方に従
い、オルトホウ酸、硼砂の混合物にリン酸アンモニウム
を少量添加することで、ホウ酸化合物濃度が〜55%に
達する難燃剤溶液とすることができる。
【0018】水に難溶なホウ酸や硼砂を可溶化する他の
方法としては、特公平7−14801号公報に開示され
ている方法がある。この方法は、例えばホウ酸や硼砂を
苛性ソーダの存在下で金属シリコンと濃厚溶液反応させ
て可溶化するものであり、得られる溶液は生成物として
の錯化合物を20%以上の濃度で含有している。
【0019】これらの溶液は、直接この発明に係る含浸
液(セラミック系難燃剤の水溶液)として使用すること
もできるが、さらにはメラミン、ウレア、シリカ粉末な
どを補強剤兼低燃焼化助剤として、また、各種の界面活
性剤を貯蔵安定剤、フォームへの浸透・付着促進剤とし
て添加・併用することも可能である。
【0020】以上の例に限らず、ホウ酸化合物を主成分
とし、かつ、これを少なくとも20%以上の高濃度で溶
解・含有するごとく調製されたセラミック系難燃剤の水
溶液であれば、特に制限はなく、いずれも使用可能であ
るが、市販品として入手しうるものとしては、(株)コ
ーミックス社のセラミック難燃剤、商品名:セラネンP
HN−130(固形分20〜22%)ないしセラネンP
HN−140(固形分27〜30%)を好適な例として
挙げることができる。これらの難燃剤は分子中にB−O
結合を有する無機高分子であり、加熱に当り当該B−O
基が脱酸素源として作用し、耐火被膜を形成するものと
考えられる。
【0021】この発明において使用される軟質ポリウレ
タンフォームは、スラブストックフォームやモールドフ
ォーム用として通常使用されているものと同様の原料、
処方により製造されたものであればよい。すなわち、ポ
リオール成分としては、この分野で公知の各種ポリエー
テルポリオール、ポリマーポリオールやポリエステルポ
リオールが使用される。
【0022】ポリイソシアネートは、トルエンジイソシ
アネート(TDI−80およびTDI−65),粗−ジ
フェニルメタンジイソシアネート(Crude-MDI)など
が一般的であるが、これに限らず他の特殊なポリイソシ
アネートも使用できる。
【0023】発泡剤は水であるが、メチレンクロライド
のような低沸点有機化合物を併用することもできる。
【0024】触媒は、スタナスオクトエートなど錫系化
合物やトリエチレンジアミンなどの3級アミン化合物か
らなり、ポリウレタンフォームの製造に際し一般に用い
られているこれらの化合物を単独でまたは併用して使用
する。
【0025】整泡剤には、汎用タイプおよび難燃用タイ
プのシリコン整泡剤が好ましく使用できる。
【0026】その他,必要に応じて着色剤、酸化防止剤
なども添加・配合する。また、用途によっては有機系な
いし無機系難燃剤、好ましくは無公害性の難燃剤を選択
し、配合することも可能である。但し、これらの添加剤
は、含浸・乾燥からなる後工程に対し少しでも支障をき
たすものであってはならない。
【0027】以上の通り、この発明に使用する軟質ポリ
ウレタンフォームは、通常の原材料を用いてなるものな
ので、従来の設備、工程をそのまま使用して製造するこ
とができる。かくして製造された軟質ポリウレタンフォ
ームの見掛け密度は、通常、10〜100kg/m 3 の範
囲である。
【0028】前記のごとく調製されたセラミック系難燃
剤の水溶液を用いて軟質ポリウレタンフォームを後処理
する方法としては、図1に示す含浸設備を使用して、軟
質ポリウレタンフォームにセラミック系難燃剤の水溶液
を含浸、乾燥する工法をとくに好ましい例として挙げる
ことができる。使用するフォームがはっ水性を示し濡れ
にくい場合には、適当な界面活性剤を含有する洗浄槽を
含浸槽の前に設置してフォーム表面の油類を取り除く工
程を付加するとよい。また、含浸法に代わる他の方法と
してスプレー法や刷毛塗り法を適宜使用するすることも
可能である。
【0029】このような後処理工程を通して軟質ポリウ
レタンフォームのセル骨格表面にセラミック層が形成さ
れる。このセラミック自体に耐火性があり、吸熱作用、
脱酸素作用および有機物の分解を遅延させる反応基(B
−O基など)の存在により、軟質ポリウレタンフォーム
の低燃焼化を可能にする。この発明を実施するにおいて
フォームに含浸・付着されるセラミック系難燃剤の目付
け量は、乾燥重量で1〜50kg/m3 、好ましくは2〜3
0kg/m3 の範囲である。1kg/m3 未満では低燃焼性に劣
り、50kg/m3 を越えるとセラミック層が厚くなりフォ
ームの物性を阻害するので好ましくない。
【0030】以上の通りこの発明に係る低燃焼性ポリウ
レタンフォームは、ハロゲンおよび/またはリン系難燃
剤を難燃主剤とするものではないので、環境面の問題や
金属腐食の問題、或いは車両での窓ガラスのかすみの問
題などが生起する怖れがないばかりでなく、比較的高濃
度に調整されたセラミック系難燃剤の水溶液を後処理法
で含浸させるため、原液への添加による低燃焼性軟質ポ
リウレタンフォーム製造時にみられた成形性の不具合が
なく、所定の目付け量を有するセラミック層が効率よく
形成され、生産性の向上が達成される。
【0031】ここで使用されるセラミック系難燃剤は、
ラテックス樹脂、アクリル樹脂など従来型のバインダー
樹脂を特に含有していないため、バインダー樹脂の影響
でフォームの感触や物性が含浸前のポリウレタンフォー
ムと殆ど変化せず、クッション材として好適に使用する
ことができる。また、ホウ酸化合物を主成分とするセラ
ミック系難燃剤を使用しているので、高度な難燃効果が
得られ、用途別に規定された厳しい燃焼性基準にも容易
に対応することができる。
【0032】
【実施例】つぎに、実施例および比較例を挙げてこの発
明の特徴をより詳細に説明する。表1は、ベースとなる
3種類の軟質ポリウレタンフォームの配合処方とフォー
ム物性を示したものである。表より明らかなように、実
施例1、2と比較例2の配合は共通であり、いずれも非
難燃処方の軟質ポリウレタンフォームである。また、実
施例3は、発泡用原液中にPVC・三酸化アンチモン・
亜鉛華からなる粉末状難燃剤を添加し発泡してなる難燃
処方の軟質ポリウレタンフォームであり、比較例1は、
同じく原液中にトリスジクロロプロピルホスフェートを
添加して発泡した難燃処方の軟質ポリウレタンフォーム
である。
【0033】これらベースとなる3種類の軟質ポリウレ
タンフォームは、ポリオール(ボラノール 3022
J)1トンに対し各配合剤を表1の割合で配合し、通常
の軟質ポリウレタンフォームのスラブ製造設備にて製造
された。
【0034】
【表1】 ボラノール 3022J…三菱化学ダウ(株)製、ポリプロピレングリコール 平均分子量3000、官能基数3 SH190 …東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、シリ コーン整泡剤(汎用タイプ) SF2904 …東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、シリ コーン整泡剤(難燃用タイプ) DABCO 33−LV…三共エアプロダクト(株)製、第三級アミン触媒 (トリエチレンジアミン+ジプロピレングリコール) 無機系難燃剤+PVC …ポリビニルクロライド(70%)、三酸化アンチモン (20%)、亜鉛華(10%)の粉体混合物からなる難燃剤
【0035】フォームの物性は下記の試験方法に準じて
測定したものである。見掛け密度、25%硬さ、反発弾
性、圧縮残留歪み、繰返圧縮残留歪みはJISK640
1、引張強度、伸び率、引裂強度はJIS K630
1、燃焼性1はFMVSS302、燃焼性2はUL9
4、燃焼性3はA−A基準、燃焼性4は45°メセナミ
ン法(防炎製品の性能試験基準)による。
【0036】ついで、上記のごとくして製造した非難燃
性軟質ポリウレタンフォーム(実施例1、2および比較
例2)と難燃性軟質ポリウレタンフォーム(実施例3)
の長尺品2(厚さ13mm)を、含浸槽3、ニップロール
4および乾燥炉5を備える含浸装置1(図1)を用いて
連続的に後処理した。この際使用した含浸用難燃剤の種
類とその目付け量は表2に記載の通りである。すなわ
ち、実施例1〜3では(株)コーミックス社のセラミッ
ク難燃剤、商品名:セラネンPHN−140(固形分2
7〜30%)を使用し、比較例2では水酸化アルミニウ
ム(50%) 、三酸化アンチモン(2%)、ラテックス樹脂(8
%)、水(40%) からなる含浸用水溶液エマルジョンを使用
した。目付け量の調整は、含浸槽を通過したフォームを
ニップロールで所定の重量に調整し、しかる後乾燥する
ことにより行った。なお、比較例1では後処理は行って
いない。
【0037】この後処理で得られた低燃焼性軟質ポリウ
レタンフォームの物性を表2に纏めて示す。測定法は前
記ベースフォームの場合と同様である。
【表2】
【0038】表2から明らかなように、この発明に係る
低燃焼性軟質ポリウレタンフォーム(実施例1〜3)
は、従来型の後処理法により得られた難燃フォーム(比
較例2)に比べて、後処理前後におけるフォーム物性の
変化が極めて少なく、しかも、用途別燃焼試験の基準値
をそれぞれクリヤーできる高度な低燃焼性を発揮する。
また、比較例2に比べて後処理後もフォームの反発弾性
が高く、かつ、圧縮残留歪み、繰返圧縮残留歪みや表面
硬度が低く押さえられており、クッション材としてより
好適なフォームであるといえる。
【0039】
【発明の効果】以上説明した通り、この発明は、基本的
にハロゲン系やリン系の難燃剤を使用するものではない
ので、環境汚染や接触する金属の腐食、或いは車両窓ガ
ラスのかすみの問題など、従来型の難燃剤に基因する諸
問題を一挙に解決することが可能な低燃焼性軟質ポリウ
レタンフォームを提供し得る。
【0040】かかる特性を有するセラミック系難燃剤を
軟質ポリウレタンフォームに適用するに当たり、含浸・
乾燥工程よりなる後処理法を採用しているため、難燃剤
の原液添加法におけるスコーチや亀裂発生のようなフォ
ーム製造上の不具合がなくなり、同時に物性の低下を回
避することができる。また、比較的高濃度に調整された
含浸液を使用しうるので、所望の厚みを有するセラミッ
ク難燃剤層を効率よく形成することが可能である。
【0041】この発明に係るセラミック系難燃剤の水溶
液は、従来型の樹脂バインダーを含有していないので、
後処理したフォームの感触や物性が処理前の軟質ポリウ
レタンフォーム自体と殆ど変化せず、したがってクッシ
ョン材として好適な材料が得られる。また、耐火・耐炎
性の高いセラミック系難燃剤を使用するので、用途別に
規定された各種の難燃性基準のそれぞれに対応し得る低
燃焼性軟質ポリウレタンフォームが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施するに際し好適に使用される含
浸設備の一例である。
【符号の説明】
1: 含浸装置 2: 軟質ポリウレタンフォームの長尺品 3: 含浸層 4: ニップロール 5: 乾燥炉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡部 雅人 大阪市西区江戸堀1丁目17番18号 東洋ゴ ム工業株式会社内 (72)発明者 福島 繁義 大阪市西区江戸堀1丁目17番18号 東洋ゴ ム工業株式会社内 (72)発明者 西山 博務 東京都世田谷区成城5丁目10番5号

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水に混合・溶解させたとき、主成分とし
    てのホウ酸化合物を少なくとも20%以上の高濃度で溶
    解・含有するごとく調製されたセラミック系難燃剤の水
    溶液を用い、軟質ポリウレタンフォームに該セラミック
    系難燃剤を含浸・付着させたことを特徴とする低燃焼性
    軟質ポリウレタンフォーム。
  2. 【請求項2】 前記のセラミック系難燃剤の水溶液が、
    株式会社コーミックス製のセラミック難燃剤、商品名:
    セラネンPHN−130ないしセラネンPHN−140
    である請求項1記載の低燃焼性軟質ポリウレタンフォー
    ム。
  3. 【請求項3】 後処理法により軟質ポリウレタンフォー
    ムを低燃焼化するに当り、後処理剤として水に混合・溶
    解させたとき、主成分としてのホウ酸化合物を少なくと
    も20%以上の高濃度で溶解・含有するごとく調製され
    たセラミック系難燃剤の水溶液を用い、上記軟質ポリウ
    レタンフォームに該セラミック系難燃剤を含浸・付着さ
    せることを特徴とする低燃焼性軟質ポリウレタンフォー
    ムの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の低燃焼性軟質ポリウレ
    タンフォームの製造方法において、後処理剤としてのセ
    ラミック系難燃剤の水溶液が、株式会社コーミックス製
    のセラミック難燃剤、商品名:セラネンPHN−130
    ないしセラネンPHN−140であることを特徴とする
    低燃焼性軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
JP32496696A 1996-02-09 1996-12-05 低燃焼性軟質ポリウレタンフォーム並びにその製造方法 Withdrawn JPH09272754A (ja)

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