JPH09271928A - 離型剤の塗布方法 - Google Patents

離型剤の塗布方法

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JPH09271928A
JPH09271928A JP8671896A JP8671896A JPH09271928A JP H09271928 A JPH09271928 A JP H09271928A JP 8671896 A JP8671896 A JP 8671896A JP 8671896 A JP8671896 A JP 8671896A JP H09271928 A JPH09271928 A JP H09271928A
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mold
release agent
cavity
suction
switching valve
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JP8671896A
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Mikinari Nozaki
美紀也 野崎
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シリンダライナ等の被鋳包剤における離型剤の
液成分の残留を抑え、成形不良を低減するのに有利な離
型剤の塗布方法を提供する。 【解決手段】シリンダライナ等の被鋳包部材8を保持部
19に配置した成形型1のキャビティ型面10aに、液
成分を含む離型剤を塗布する塗布操作と、塗布した余剰
の離型剤を除去する除去操作とを実施する。除去操作と
しては、エアブローと吸引を採用できる。成形型1及び
被鋳包部材8の少なくとも一方が低いときには、除去操
作による除去度合を高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は離型剤の塗布方法に
関する。本発明方法は、被鋳包部材を鋳包んだ成形品を
成形する際に適用できる。
【0002】
【従来の技術】従来技術について、シリンダライナが鋳
包まれたシリンダブロックを例にとって説明する。産業
界では、シリンダライナが鋳包まれた構造のシリンダブ
ロックが提供されている。この場合には、金型のキャビ
ティに形成された保持部にシリンダライナが保持された
状態で、金型のキャビティに高温の溶湯が注入される。
溶湯が凝固すれば、シリンダライナが一体的に鋳包まれ
た構造のシリンダブロックが得られる。
【0003】金型からのシリンダブロックの離型性を確
保すべく、溶湯が注入される前に離型剤が金型のキャビ
ティ型面に塗布される。キャビティ型面に塗布された離
型剤のうちの液成分は、金型の熱で速やかに乾燥する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、金型の保持
部に配置したシリンダライナに離型剤の液成分が残留す
ることがある。この場合には、液成分が溶湯の熱でガス
化し、欠陥が生じたり、シリンダライナの密着性が低下
したりし、成形不良の要因となるので好ましくない。
【0005】また泡を含有する離型剤を型締め状態の金
型のキャビティに供給して、キャビティ型面に型締め状
態のまま離型剤を塗布する技術が、本出願人により近年
開発されている(本出願時に未公知)。この技術によれ
ば、型締め状態のまま離型剤を塗布するので、離型剤の
周囲への飛散が抑えられ、環境保護の面で有利である。
しかし金型が型締め状態のままで離型剤がキャビティ型
面に塗布されるため、離型剤の液成分の乾燥状態を把握
するのは、必ずしも容易ではない。
【0006】本発明は上記した実情に鑑みなされたもの
であり、シリンダライナ等の被鋳包剤における離型剤の
液成分の残留を抑え、成形不良を低減するのに有利な離
型剤の塗布方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る離型剤の塗
布方法は、成形品に鋳包み可能な被鋳包部材と、成形品
を成形するキャビティ型面及び被鋳包部材が配置される
保持部をもつ成形型とを用い、被鋳包部材を保持部に配
置した成形型のキャビティ型面に、液成分を含む離型剤
を塗布する塗布操作と、塗布した余剰の離型剤を除去す
る除去操作とを実施する方法であって、成形型及び被鋳
包部材の少なくとも一方が所定の温度よりも低いときに
は、除去操作による液成分の除去度合を高めるようにし
たことを特徴とするものである。
【0008】請求項2に係る離型剤の塗布方法によれ
ば、請求項1において、離型剤は泡を含有することを特
徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明方法で用いる成形型として
は鋳造型を採用できる。鋳造型はダイカスト型、重力鋳
造型、低圧鋳造型、高圧鋳造型等の公知のものを採用で
きる。本発明方法で用いる被鋳包部材は成形品に鋳包ま
れるものであり、形状は特に問わず、スリーブ状、リン
グ状、プレート状、塊状等を採用できる。被鋳包部材の
材質は、鋼系やアルミ系等の金属系、セラミックス系を
採用できる。本発明方法で用いる離型剤は成形品の離型
性を高めるためにキャビティ型面に塗布されるものであ
り、離型剤成分と、水分等の液成分とを含む。
【0010】成形型及び被鋳包部材の少なくとも一方が
所定の温度よりも低いときには、離型剤に含まれる液成
分が乾燥せずに、液状のまま残留し易く、よって成形不
良の要因となり易い。そこで本発明方法によれば、成形
型及び被鋳包部材の少なくとも一方が所定の温度よりも
低いときには、除去操作による液成分の除去度合が高め
られる。そのため、液成分による悪影響が低減または回
避される。
【0011】本発明方法に係る除去操作は、余剰の離型
剤を除去する操作である。除去操作としては、成形型の
キャビティ内に圧縮空気つまりエアブローを供給するエ
アブロー操作、成形型のキャビティ内を吸引する吸引操
作のうちの少なくとも一方を採用できる。この場合、双
方の操作を時間的に同時に、或いは、時間的にずらせて
行うことができる。
【0012】エアブロー操作だけでは、余剰の離型剤を
除去するのは必ずしも充分ではないためである。例え
ば、エアブローから離れた部位の離型剤は、除去しにく
いからである。本発明方法では、後述する実施例で例示
するように、エアブロー操作の後で吸引操作を実施する
方式を採用できる。吸引操作を行う吸引手段としては吸
引ポンプ等を採用できる。
【0013】
【実施例】 (実施例1)以下、本発明の実施例を図面を参照して説
明する。 (構成)図1及び図2に示すように、成形型としての金
型1は、成形品としての鋳造品を形成するキャビティ1
0を備えている。キャビティ10はシリンダブロックを
成形するものであり、キャビティ型面10aで区画され
ている。金型1は、保持部としてのボア入子19を備え
ている。ボア入子19は、シリンダボアを形成するため
に略円柱状をなす。
【0014】金型1の下部には、離型剤を注入するため
の注入口13が形成され、金型1の上部には開放口14
が形成されている。注入口13は後述するように離型剤
を排出除去するための排出口としても機能する。金型1
の挿通孔には、注入口13を開閉する第1シャットピン
16が嵌合され、油圧シリンダまたは空圧シリンダ等の
第1駆動源16kにより前進後退可能とされている。金
型1の別の挿通孔には、開放口14を開閉する第2シャ
ットピン17が嵌合され、油圧シリンダまたは空圧シリ
ンダ等の第2駆動源17kにより前進後退可能とされて
いる。
【0015】従って第1シャットピン16は、注入口1
3を開閉する注入口開閉手段として機能する。第2シャ
ットピン17は、開放口14を開閉する開放口開閉手段
として機能する。離型剤供給系2は、金型1のキャビテ
ィ10に底部からつまり下注入方式で離型剤を供給する
系である。離型剤供給系2は、起泡能力を備えたポンプ
等を含む離型剤注入装置20と、離型剤注入装置20と
注入口13とをつなぐ注入通路21と、注入通路21に
介在する三方向弁である第1切替弁41及び三方向弁で
ある第2切替弁42と、第1切替弁41のポート41b
に通路23fを介してつながり且つ離型剤を回収する収
容タンク等をもつ離型剤回収装置23と、金型1の開放
口14と離型剤回収装置23とをつなぐ回収通路24
と、開放口14につながる二方向弁である第3切替弁4
3と、回収通路24に介在する三方向弁である第4切替
弁44とを備えている。
【0016】なお第1切替弁41はポート41a〜41
cをもつ。第2切替弁42はポート42a〜42cをも
つ。第3切替弁43はポート43a及び43bをもつ。
第4切替弁44はポート44a〜44cをもつ。エアブ
ロー供給系5は、金型1のキャビティ10内の余剰の離
型剤を除去するために、金型1の開放口14からキャビ
ティ10にエアブローを供給する系である。エアブロー
供給系5は、第4切替弁44のポート44cにつながる
エアブロー通路50と、エアブロー通路50につながる
エア供給源51とを備えている。エア供給源51はコン
プレッサや工場エア源等で形成できる。エアブロー供給
系5は、金型1の上部からエアブローをキャビティ10
内に供給するので、余剰の離型剤の排出除去に際して重
力を利用するのに有利である。
【0017】吸引系6は、金型1のキャビティ10内を
吸引して減圧するものである。吸引系6は、第2切替弁
42のポート42bにつながる吸引通路61と、吸引通
路61につながる吸引手段としての真空ポンプ等の吸引
装置62とを備えている。吸引系6は金型1の底部から
吸引するので、余剰の離型剤の排出除去に際して重力を
利用するのに有利である。
【0018】制御装置7は、A/D変換器を含む入力処
理回路と、CPUを含む制御回路と、D/A変換器を含
む出力処理回路とを備えている。本実施例によれば、金
型1のボア入子19には、ボア入子19の温度を検出す
る温度検出手段としての温度センサ19fが装備されて
いる。温度センサ19fが検知したボア入子19の温度
信号は、信号線19kを介して制御装置7に入力され
る。
【0019】第1切替弁41の電磁ソレノイド部41h
は信号線41iを経て制御装置7により制御される。第
2切替弁42の電磁ソレノイド部42hは信号線42i
を経て制御装置7により制御される。第3切替弁43の
電磁ソレノイド部43hは信号線43iを経て制御装置
7により制御される。第4切替弁44の電磁ソレノイド
部44hは信号線44iを経て制御装置7により制御さ
れる。吸引装置62は信号線62iを経て制御装置7に
より制御される。離型剤注入装置20は信号線20iを
経て制御装置7により制御される。
【0020】(使用形態)本実施例の使用形態について
各操作に分けて説明する。 シリンダライナ8の配置 本実施例によれば、鉄系等の金属製の円筒形状をなすシ
リンダライナ8が被鋳包部材として用いられる。シリン
ダライナ8は、シリンダブロックのシリンダボアの摺動
面を区画するものである。
【0021】金型1が型開きされた状態で、シリンダラ
イナ8が金型1のボア入子19にロボットまたは手作業
等により嵌められる。これによりシリンダライナ8がキ
ャビティ10内に配置される。その後、金型1が型締め
される。 塗布操作 次に、離型剤を金型1のキャビティ10に塗布する塗布
操作が行なわれる。離型剤としては、水等の液に離型剤
成分を分散または溶解させた泡含有離型剤を採用でき
る。塗布操作は金型1を閉じた状態で行なわれる。塗布
操作では、第1シャットピン16が矢印X2方向に後退
して注入口13が開放される。同様に第2シャットピン
17が矢印X2方向に後退して開放口14が開放され
る。これによりキャビティ10内の空気の排出除去性が
確保される。
【0022】この状態で、第1切替弁41のポート41
a、41cが連通するように制御装置7により制御さ
れ、また第2切替弁42のポート42a、42cが連通
するように制御装置7により制御される。第1切替弁4
1のポート41b、第2切替弁42のポート42bは閉
じている。そして、制御装置7によりオン作動された離
型剤注入装置20によって、離型剤注入装置20の離型
剤は、第1切替弁41、第2切替弁42、注入通路2
1、注入口13を経て金型1のキャビティ10に注入さ
れる。つまり下注ぎされる。下注ぎ方式は、離型剤をキ
ャビティ型面10aにむらなく塗布するのに有利であ
る。ボア入子19に配置されたシリンダライナ8の外周
面にも、離型剤は塗布される。
【0023】本実施例によれば、離型剤注入装置20の
オン作動を制御装置7は所定時間継続するため、金型1
のキャビティ10内の離型剤は、開放口14からオーバ
フローして吐出される。このように吐出された離型剤
は、第3切替弁43、第4切替弁44、回収通路24を
経て離型剤回収装置23に戻る。
【0024】上記の様な塗布操作が終了したら、第1切
替弁41が作動してポート41c、41bが連通する。
よってキャビティ10内の離型剤は、通路23fを経て
離型剤回収装置23に回収される。 除去操作 キャビティ10内の余剰の離型剤を除去する除去操作が
行われる。除去操作は、エアブロー操作と吸引操作とか
らなる。エアブロー操作によれば、金型1が型締めされ
た状態で、高圧の圧縮空気つまりエアブローがキャビテ
ィ10内に供給される。エアブロー操作は、第1シャッ
トピン16、第2シャットピン17が矢印X2方向に後
退したまま、つまり注入口13、開放口14が開放した
まま行なわれる。
【0025】更にエアブロー操作では、第4切替弁44
が切り替られ第4切替弁44のポート44a、44cは
連通し、開放口14とエアブロー通路50とが連通す
る。第4切替弁44のポート44bは閉じる。第3切替
弁43のポート43a、43bは連通しておく。この状
態でエア供給源51の作動により、エアブローがエアブ
ロー通路50、第4切替弁44、第3切替弁43を経て
金型1の開放口14に供給される。
【0026】従ってエアブローが金型1の上部から下部
に向けてキャビティ10に吹き込まれる。よって余剰の
離型剤は、エアブローまたは重力により注入口13から
注入通路21に吐出される。エアブロー操作が行われる
エアブロー時間ta は、鋳造品の種類に応じて選択され
ている。上記したエアブロー操作では、第2切替弁42
のポート42c、42aが連通していると共に、第1切
替弁41のポート41c、41bが連通しているので、
キャビティ10から除去された離型剤は、通路23fを
経て離型剤回収装置23に回収される。
【0027】離型剤回収装置23に回収された離型剤
は、離型剤回収装置23で消泡される。そして消泡後
に、通路23mを経て離型剤注入装置20に送給され、
離型剤注入装置20で再び起泡されて、気泡を含む泡含
有離型剤となる。なおエアブロー操作では、キャビティ
型面10aに塗布されている離型剤の液成分の乾燥を、
エアブローにより促進する効果も期待できる。
【0028】上記したエアブロー操作が終了したら、次
に吸引操作が行なわれる。この場合には第2切替弁42
のポート42b、42cが連通し、ポート42aが閉じ
る。更に第3切替弁43のポート43aも閉じる。吸引
操作は、注入口13及び開放口14が開放されたまま行
なわれる。この状態で制御装置7により吸引装置62が
作動し、金型1のキャビティ10内が減圧される。従っ
て、キャビティ10内にまだ残留していた余剰の離型剤
は、吸引除去される。金型1は閉じているため、吸引は
良好に行われる。開放口14、注入口13等に残留して
いたエアブロー操作では除去できなかった離型剤も、吸
引除去される。吸引操作が行われる吸引時間tb は、鋳
造品の種類に応じて適宜選択されている。
【0029】吸引操作が終了すると、第1シャットピン
16及び第2シャットピン17が矢印X1方向に前進
し、注入口13及び開放口14が閉じ、溶湯の注入に備
える。ところで、金型1のボア入子19の温度と、離型
剤の液成分の乾燥に要する乾燥時間との関係は、図3の
特性線Wに模式的に示されている。図3の特性線Wから
理解できるように金型1のボア入子19が高温のときに
は、離型剤の乾燥時間は短くて済み、金型1のボア入子
19が低温のときには、離型剤の乾燥時間は長く必要と
される。
【0030】故に金型1のボア入子19が低温のときに
は、シリンダライナ8の外周面に付着した離型剤の液成
分の乾燥が不充分となり、シリンダライナ8の外周面に
液成分が残留し易い。この場合には鋳造欠陥の発生、ま
たは、シリンダライナ8とシリンダブロックとの密着性
の低下が誘発されるおそれがある。そこで本実施例によ
れば、温度センサ19fで測温された金型1のボア入子
19の温度Tに応じて、エアブロー時間ta 及び吸引時
間tb が決定される。具体的には金型1のボア入子19
の温度Tが低いときには、離型剤に含まれる液成分の乾
燥が不充分となりがちのため、エアブロー時間ta 及び
吸引時間tb の双方が相対的に長くなる。
【0031】これにより金型1のボア入子19の温度T
が低いため、ボア入子19の熱による離型剤の液成分の
充分な乾燥が期待できない場合であっても、離型剤に含
まれる液成分の乾燥度合つまり除去度合が高められる。
そのため、シリンダライナ8に残留した液成分による悪
影響が低減または回避される。また本実施例によれば、
金型1のボア入子19の温度Tが、しきい値温度Tx
りも低いときには、シリンダライナ8に付着している離
型剤の液成分の乾燥を期待できないので、『捨て打ち』
すべく、警報を表示手段72(警報ランプ、警報ブザ
ー)に発する。これにより不具合、つまり鋳造品の欠陥
が事前に予測される。 鋳造 上記したように金型1のキャビティ型面10aに離型剤
が塗布されたら、キャビティ10内に溶湯が注入され
る。キャビティ10内に注入された溶湯が固化すると、
鋳造品が得られる。その後、金型1が型開きし、図略の
押出ピンの作動により鋳造品が金型1から取り出され
る。
【0032】この様な鋳造の際には前述のように第1シ
ャットピン16により注入口13が閉じられている。切
替弁41、42に高温の溶湯が侵入しないようにするた
めである。同様に、第2シャットピン17により開放口
14も閉じている。切替弁43、44に高温の溶湯が侵
入しないようにするためである。 (制御)図4は制御装置7が実行する塗布操作のサブル
ーチンのフローチャートを示す。ステップS402で金
型1の型開閉信号を入力する。ステップS404で金型
1が閉じているか否か判定する。金型1が開いておれ
ば、離型剤を注入しても離型剤は漏れてしまうので、離
型剤を注入せず、型締めまで待機する。金型1が型締め
されていれば、ステップS406に進み第1シャットピ
ン16、第2シャットピン17を矢印X2方向に移動さ
せて開放させる。ステップS408でこれを検知するま
で待機する。
【0033】検知すれば、ステップS410でシャット
ピン作動完了信号を出力すると共に、第1切替弁41、
第2切替弁42を切り替え、第1切替弁41のポート4
1a、41c、第2切替弁42のポート42a、42c
を開く。また第3切替弁43、第4切替弁44を切り替
えて、第3切替弁43のポート43a、43b、第4切
替弁44のポート44a、44bを開く。
【0034】ステップS412で離型剤注入装置20を
オンする。ステップS412で注入時間が終了するま
で、離型剤をキャビティ10に注入し続ける。注入時間
が終了すれば、既にキャビティ10内は離型剤で満たさ
れている。その後、ステップS416に進み離型剤注入
装置20をオフとし、ステップS418で第1切替弁4
1を切り替え、ポート41c、41bを開き、キャビテ
ィ10内に充填されていた離型剤を、重力を利用して離
型剤回収装置23に戻す。その後メインルーチンにリタ
ーンする。
【0035】図5は制御装置7が実行する除去操作のサ
ブルーチンのフローチャートを示す。ステップS502
で金型1のボア入子19の温度Tを測定する。ステップ
S504でボア入子19の温度Tと、しきい値温度TX
とを比較する。T≧TX であれば、ステップS506に
進み、ボア入子19の温度Tに応じてエアブロー時間t
a 及び吸引時間tb を求める。この場合には、一次関数
または複次関数を利用した関数方式で、エアブロー時間
a 及び吸引時間tb を求めても良い。
【0036】あるいは、ボア入子19の温度Tとエアブ
ロー時間ta 、吸引時間tb との適切な関係を予めマッ
プ化し、これをROMやRAM等の記憶媒体に格納して
おいても良い。関数方式のときには、例えば次の(1)
(2)式のようにできる。 (1)エアブロー時間ta =初期値α1 +(係数β1 ×
ボア入子19の温度T)+補正値Δγ1 (2)吸引時間tb =初期値α2 +(係数β2 ×ボア入
子19の温度T)+補正値Δγ2 ステップS504での判定の結果、T<TX であれば、
ボア入子19の温度Tが低すぎ、成形不良のおそれがあ
るため、シリンダライナ8に付着した離型剤の液成分の
充分な乾燥を期待できない。そこでステップS508に
進み、次の鋳造品は『捨て打ち』である旨の捨て打ち信
号を表示手段72に出力し、警報を発する。
【0037】ステップS510では、第1シャットピン
16、第2シャットピン17が開いているか判定する。
開いていれば、ステップS512でエアブロー開始信号
を出力し、第4切替弁44のポート44a、44cを開
く。第1シャットピン16、第2シャットピン17が開
いていなければ、ステップS510からステップS52
0に進み、第1シャットピン16及び第2シャットピン
17を開放させる。
【0038】ピン16、17の開放により、エア供給源
51のエアブローが金型1のキャビティ10に供給さ
れ、キャビティ10内の余剰の離型剤が注入口13から
排出除去される。ステップS514でエアブロー時間t
a が終了しているか判定し、終了していなければ、エア
ブロー時間ta が終了するまでエアブロー操作を続け
る。エアブロー時間ta が終了すれば、ステップS51
6でエアブロー終了信号を出力し、エアブロー操作を終
了する。
【0039】更にステップS530に進み、第3切替弁
43を切替操作し、これのポート43aを閉じると共
に、第2切替弁42を切替操作して第2切替弁42のポ
ート42c、42bを連通させる。ステップS532で
吸引開始信号を出力して吸引装置62をオンし、キャビ
ティ10内を吸引する。ステップS534で吸引時間t
b が終了したか否か判定し、終了するまで吸引する。吸
引時間tb が終了すれば、ステップS536に進み吸引
終了信号を出力して、吸引操作を停止する。更にステッ
プS538で第1シャットピン16、第2シャットピン
17を閉じて、注入口13、開放口14を閉じ、メイン
ルーチンにリターンする。上記操作により離型剤の塗布
が終了したので、溶湯をキャビティ10に注入すること
ができる。
【0040】(実施例の効果)以上説明したように本実
施例によれば金型1の温度が低いために、シリンダライ
ナ8、特にシリンダライナ8の外周面に、離型剤の液成
分が残留していたとしても、ボア入子19の温度に応じ
てエアブロー時間ta 及び吸引時間tb が調整される。
即ち、金型1のボア入子19の温度が低いときには、そ
の温度に応じてエアブロー時間ta 及び吸引時間tb
延長される。そのため、シリンダライナ8に残留してい
た離型剤の液成分がエアブロー操作や吸引操作において
除去され易くなる。
【0041】従ってシリンダライナ8の外周面に液成分
が残留することを抑えるのに有利である。故に残留した
液成分に起因する鋳造欠陥を抑制できる。また本実施例
によれば、シリンダライナ8に付着した離型剤の液成分
の乾燥が期待できないほど、ボア入子19が低温である
ときには、『捨て打ち信号』により、鋳造品が『捨て打
ち』であることを表示手段72に明示するため、対策を
予め講じ得る。対策としては、捨て打ちの鋳造品を良品
と区別する形態を採用できる。
【0042】加えて本実施例によれば、金型1のキャビ
ティ10内に残留している余剰の離型剤を除去するエア
ブロー操作をした後に、キャビティ10内を吸引操作す
る。そのため、エアブロー操作では充分除去できなかっ
た離型剤、例えば、キャビティ10の隅部や凹部に残留
していた余剰の離型剤等を吸引除去でき、離型剤の除去
性が高まる。更にエアブロー操作で大半の離型剤を除去
した後に吸引操作するので、吸引操作に用いる吸引装置
62の吸引能力の小型化にも有利である。
【0043】更に本実施例によれば、空気断熱層として
機能できる気孔である泡を含有する離型剤を採用してい
るので、泡を含まない液状の離型剤を採用した場合に比
較して、金型1の急冷を抑えるのに有利であり、金型1
のクラック抑制、金型1の長寿命化に有利である。また
ミスト状の離型剤を採用する場合に比較して、周囲への
飛散も抑制でき、環境保護の面でも有利である。
【0044】更に本実施例によれば、金型1を閉じた状
態でキャビティ型面10aに離型剤を塗布するので、金
型1が型開きした状態で離型剤を塗布する方式に比較し
て、金型1の割り面に離型剤が過剰に塗布されることを
抑えることができる。更に離型剤の周囲への飛散を抑制
できるので、環境保護の面でも有利である。ところで鋳
造に際して、シリンダライナ8が配置されていない型開
き状態の金型1を型締めし、その後、型締め状態の金型
1のキャビティ10に離型剤を注入してキャビティ型面
10aに離型剤を塗布し、その後に、金型1を再び型開
きして金型1のボア入子19にシリンダライナ8を配置
し、その後に金型1を再び型締めして溶湯の注入に備え
る方式も考えられる。
【0045】しかしこの場合には金型1の型開閉回数が
増え、サイクルタイムの短縮化に不利である。この点本
実施例によれば、型開き状態の金型1にシリンダライナ
8を配置した後に、金型1を型締めし、その金型1のキ
ャビティ10内に離型剤を注入して塗布するので、上記
方式に比較して型開閉回数の低減に有利であり、サイク
ルタイムの短縮化に有利である。
【0046】(他の例)上記した例では金型1のボア入
子19の温度Tに応じて、エアブロー時間ta及び吸引
時間tb の双方が調整されるが、これに限らずエアブロ
ー時間ta 及び吸引時間tb のいずれか一方が固定値で
あり、他方のみを調整する形態でも良い。
【0047】上記した例では余剰の離型剤を除去するの
に、エアブロー操作と吸引操作との双方を行うことにし
ているが、これに限らず、いずれか一方のみでも良い。
上記した例ではシリンダライナ8を鋳包むシリンダブロ
ックに適用しているが、これに限られるものではなく、
他の成形品にも適用できることは勿論である。更に図7
に示すようにしても良い。この場合には温風を生成し得
る温風装置57がエアブロー供給系5に装備されてい
る。温風装置57としては、ヒータ方式でも良いし、或
いは、溶湯が収容されている炉につながり炉熱を利用す
る方式でも良い。温風装置57は、キャビティ10に供
給するエアブローの温度を昇温させる昇温手段として機
能できる。
【0048】そして金型1のボア入子19及びシリンダ
ライナ8の少なくとも一方が所定の温度よりも低いとき
には、温風装置57を利用して生成された温風からなる
エアブロー、または、温風を含むエアブローを金型1の
キャビティ10内に供給する。よって金型1の温度が低
い場合であっても、キャビティ10内の離型剤に含まれ
ている液成分の乾燥が促進される。即ち、除去操作によ
る液成分の除去度合が高められる。これによれば、離型
剤の液成分の残留に起因する不具合を防止するのに一層
有利である。
【0049】(付記)上記した実施例から次の技術的思
想も把握できる。 ○請求項1において、成形型及び被鋳包部材の少なくと
も一方が過剰に低温のときには、制御装置は、捨て打ち
信号を出力することを特徴とする離型剤の塗布方法。こ
れによれば、捨て打ち品(一般的には不良品)に対応す
るのに有利である。 ○請求項1において、成形型及び被鋳包部材の少なくと
も一方が所定の温度よりも低いときには、エアブロー時
間及び吸引時間の少なくとも一方を延長する延長手段を
備えていることを特徴とする離型剤の塗布方法及び塗布
装置。
【0050】
【発明の効果】本発明方法によれば、成形型や被鋳包部
材の温度が低い場合であっても、シリンダライナ等の被
鋳包部材における離型剤の液成分の残留を抑え得る。そ
のため、離型剤の液成分の残留に起因する成形不良の軽
減、回避に有利である。また除去操作としてエアブロー
操作及び吸引操作の双方を行えば、離型剤の除去性を高
めるのに有利であり、成形不良の低減、回避に一層有利
である。
【0051】請求項2の方法によれば、泡を含有する離
型剤を用いるため、成形型の急冷を抑えるのに有利であ
る。そのため成形型の温度低下に起因する離型剤の残留
を抑えるのに有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】装置の構成図である。
【図2】金型の要部の構成図である。
【図3】ボア入子の温度と乾燥時間との関係を示すグラ
フである。
【図4】制御装置が実行する塗布操作のフローチャート
である。
【図5】制御装置が実行する除去操作のフローチャート
である。
【図6】制御装置が実行する除去操作のサブルーチンの
フローチャートである。
【図7】他の実施例に係る構成図である。
【符号の説明】
図中、1は金型(成形型)、10はキャビティ、10a
はキャビティ型面、13は注入口、14は開放口、19
はボア入子(保持部)、2は離型剤供給系、20は離型
剤注入装置、21は注入通路、23は離型剤回収装置、
5はエアブロー供給系、50はエアブロー通路、6は吸
引系、7は制御装置、8はシリンダライナ(被鋳包部
材)を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】成形品に鋳包み可能な被鋳包部材と、該成
    形品を成形するキャビティ型面及び該被鋳包部材が配置
    される保持部をもつ成形型とを用い、 該被鋳包部材を該保持部に配置した該成形型のキャビテ
    ィ型面に、液成分を含む離型剤を塗布する塗布操作と、
    塗布した余剰の該離型剤を除去する除去操作とを実施す
    る方法であって、 該成形型及び該被鋳包部材の少なくとも一方が所定の温
    度よりも低いときには、該除去操作による液成分の除去
    度合を高めるようにしたことを特徴とする離型剤の塗布
    方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、離型剤は泡を含有する
    ことを特徴とする離型剤の塗布方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016083589A (ja) * 2014-10-23 2016-05-19 本田技研工業株式会社 コーティング剤の塗布装置、および塗布方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016083589A (ja) * 2014-10-23 2016-05-19 本田技研工業株式会社 コーティング剤の塗布装置、および塗布方法

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