JPH09271862A - 異種金属接合部材及びその製造方法 - Google Patents

異種金属接合部材及びその製造方法

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JPH09271862A
JPH09271862A JP8422096A JP8422096A JPH09271862A JP H09271862 A JPH09271862 A JP H09271862A JP 8422096 A JP8422096 A JP 8422096A JP 8422096 A JP8422096 A JP 8422096A JP H09271862 A JPH09271862 A JP H09271862A
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joined
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Masatoshi Enomoto
正敏 榎本
Naoki Nishikawa
直毅 西川
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Showa Aluminum Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異種金属が接合された部材であって、加熱冷
却を繰り返し受けても接合面端部が剥離することがな
く、接合面に水等が侵入しない異種金属接合部材、及び
該部材を容易かつ低コストで製造し得る製造方法を提供
する。 【解決手段】 硬度の異なる2つの金属材料を接合する
に際し、硬質側の金属材料1の接合面の少なくとも周縁
部に、開口部と平行な面で仮想的に切り出した時開口部
の面積よりも大きな断面積が少なくとも一つ存在する壺
状の食い込み穴3を形成し、両部材の接合面を重ね合わ
せた後、軟質側の金属材料2を接合方向に加圧し、軟質
側の金属材料2を変形せしめて前記食い込み穴3に充填
状態に食い込ませることによって両部材を接合する。そ
の後、接合面の周縁部を軟化せしめて、接合面周縁部に
存する食い込み穴3を軟質側の金属材料2によってほぼ
完全な充填状態とし、かつ接合面周縁部を封止状態とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば電磁誘導
により加熱される鍋、フライパン、炊飯釜等の電磁調理
用器物の材料として用いられる異種金属接合部材及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような電磁調理用器物は、誘導加
熱によって発熱する必要がある一方で、調理用器物とし
ての性質、例えば、取扱いを容易にするための軽量性、
効率良く調理するための熱伝導性、塩分等に長時間さら
されても発錆しない耐食性等を備えていることが望まれ
る。
【0003】かかる性質を1種類の金属で全て満たすこ
とは困難であることから、一般的に電磁調理用器物の材
料は、異なる性質を有する2枚の金属板が接合された接
合部材が用いられている。
【0004】例えば、安価で耐食性も高く軽量であるア
ルミニウム(その合金も含む、以下同じ)板を器物形状
に成形して器物本体とし、該器物本体の一部に誘導加熱
によって発熱する磁性材料であるSUS板が接合された
調理用器物が例示できる。
【0005】上述したように、異種の金属が接合された
部材を調理用器物として利用する場合、調理用器物の特
性上加熱冷却を繰り返し受けるので、熱膨張率の違いに
より各金属が異なる比率で伸縮を繰り返し、接合部材が
剥離または完全に分離するおそれがある。このため、従
来より、調理用器物に適用しても剥離等を生じない異種
金属接合部材や接合方法が種々提案されていた。
【0006】例えば、本出願人は、軟質側の金属材料で
形成された部材の必要な部分にのみ硬質側の金属材料よ
りなる部材を強固に接合する方法として、硬質側金属材
料の表面に開口部が内部よりも小さな壺状の食い込み穴
を多数設け、該食い込み穴を設けた面を軟質側金属材料
の必要な部分に当接させて、鍛造等によって軟質側金属
材料から接合面に向かって加圧することで、軟質側金属
材料の一部分に硬質側金属材料を強固に接合する方法を
先に提案している(特願平7−226834)。
【0007】上記方法により得られた接合部材は、硬質
側金属材料に設けられた壺状の食い込み穴に軟質側金属
材料が充填されるため、アンカー効果により硬質側金属
材料が軟質側金属材料の一部に強固に接合され、加熱冷
却を受けても硬質側の金属材料が剥離して脱落すること
はなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、本出願人が
前記方法により作成された接合部材に対し、更に耐久性
試験を行ったところ、加熱冷却のサイクルを繰り返し接
合部材に与えると、接合面全体の剥離や硬質側金属材料
の脱落はないものの、接合する際に付加するエネルギー
を低く抑えた場合、接合面の周縁部が剥離して隙間が発
生することを見出だした。
【0009】かかる隙間が僅かでも発生すると、隙間に
ごみ等が溜まって美観を損ねるばかりか、水等の侵入に
よってガルバニック腐食作用(いわゆる電食)が生じ、
更に隙間が広がる等の問題が発生していた。
【0010】この発明は上記技術的課題に鑑みてなされ
たものであり、加熱冷却を繰り返し受けても接合面周縁
部が剥離することのない異種金属接合部材を提供し、か
つ、エネルギーコストを抑えつつ該接合部材を製造する
ことのできる方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明者らは、鋭意実
験と研究の結果、軟質側金属材料の食い込み穴に対する
充填状態が不十分で食い込み穴に空隙が残存している
と、接合強度が低下することを見出だした。更に、接合
面周縁部に存在する食い込み穴の空隙を除去するだけ
で、加熱冷却による接合面周縁部の剥離を防止できるこ
とを見出だしこの発明を完成するに至った。
【0012】即ち、この発明にかかる異種金属接合部材
は、硬度の異なる2つの金属材料が接合された部材であ
って、硬質側の金属材料の接合面の少なくとも周縁部に
は壺状の食い込み穴が多数形成され、該食い込み穴の形
状は開口部と平行な面で仮想的に切り出した時、開口部
の面積よりも大きな断面積が少なくとも一つ存在するよ
うに設定され、接合面周縁部に存在する前記食い込み穴
が軟質側の金属材料によってほぼ完全に充填され、か
つ、接合面周縁部が接合面を封止する状態で接合されて
なることを要旨とするものである。
【0013】また、この発明にかかる異種金属接合部材
の製造方法は、硬度の異なる2つの金属材料を接合する
に際し、硬質側の金属材料の接合面の少なくとも周縁部
に、開口部と平行な面で仮想的に切り出した時開口部の
面積よりも大きな断面積が少なくとも一つ存在する壺状
の食い込み穴を形成し、両材料の接合面を重ね合わせた
後、両材料を接合方向に加圧し、軟質側の金属材料を変
形せしめて前記食い込み穴に充填状態に食い込ませるこ
とによって両材料を接合し、更に、少なくとも軟質側の
金属材料を接合面の周縁部において部分的に軟化させる
とともに、接合方向に向かって加圧することで、接合面
周縁部に存する食い込み穴を軟質側の金属材料によって
ほぼ完全に充填するとともに、接合面周縁部を封止する
ことを要旨とするものである。
【0014】更に、前記製造方法において接合面周縁部
の軟化及び加圧する方法として摩擦圧接法を採用するの
が好ましい。これは前記軟化と加圧を同時に行うことが
できるためである。
【0015】上記の構成の異種金属接合部材は、接合面
周縁部に存在する食い込み穴に軟質側の金属材料が空隙
なく充填されるため、空隙の残存しているときよりも接
合面周縁部の接合強度が向上し、加熱冷却を繰り返し受
けても接合面周縁部が剥離して隙間が発生することがな
い。
【0016】更に、接合面周縁部が封止状態となされて
いるため、接合面に水分等が侵入する恐れがなく、接合
面でのいわゆる電食や発錆による剥離を防止することが
できる。
【0017】また、前記異種金属接合部材を製造するに
際し、両材料を加圧により接合した後、少なくとも軟質
側の金属材料を接合面周縁部において軟化させ、接合方
向に向かって加圧すれば、軟化した材料が食い込み穴に
スムーズに充填されて、食い込み孔の空隙をほぼ完全に
除去することができる。更に、該軟化及び加圧によって
接合面周縁部を封止することが可能となる。
【0018】更に、接合面周縁部を軟化させると同時に
接合面周縁部を接合方向に加圧し得る摩擦圧接法を採用
すれば、容易かつ短時間に前記空隙を除去することがで
き、また、周縁部の封止をすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、この発明を、電磁調理用器
物に適用した実施形態について、図面を参照しつつ説明
する。
【0020】図3に示す電磁調理用器物は、軟質側金属
材料(2)を器物形状に成形して器物本体(12)と
し、その底部外面に硬質側金属材料(1)よりなる円板
を発熱体(11)として接合してなるものである。
【0021】前記器物本体(12)は、所定形状の軟質
側金属材料(2)、即ち、後述する発熱体(11)の材
料と比較して軟質の金属材料で構成された円板を深絞加
工等を行って器物形状とした部材である。この実施形態
では、器物本体(12)の材料として、熱伝導性や耐食
性及び軽量性を考慮してアルミニウム材を採用してい
る。特に、深絞等の加工によって器物形状とするため、
加工性の良い1000系、3000系のアルミニウム材
の適用が好ましい。
【0022】前記発熱体(11)は、硬質側金属材料
(1)、即ち器物本体(12)の材料と比較して硬質の
金属材料で構成された円板である。この実施形態では、
発熱体(11)は誘導加熱によって発熱する必要があ
り、また、調理用器物の一部となされるため、その材料
としては磁性材料であり、かつ、耐食性が良好な材料を
用いるのが良い。例えば、磁性SUS材料、具体的には
SUS430、SUS405などの材料が好適に採用さ
れ得る。
【0023】また、前記発熱体(11)の接合面には多
数の壺状の食い込み穴(3)が設けられている。該食い
込み穴(3)は、開口部と平行な断面で仮想的に切り出
した時、開口部の面積よりも大きい断面積が少なくとも
一つ存在する穴である。
【0024】前記器物本体(12)と発熱体(11)
は、それぞれの接合面を重ね合わせて接合されており、
前記発熱体(11)に設けられた食い込み穴(3)に器
物本体(12)を構成する材料が塑性変形によって抜け
止め状態に充填されている。
【0025】かかる構造により、食い込み穴(3)の部
分でアンカー効果が発揮され、器物本体(12)と発熱
体(11)が強固に接合されている。更に、接合面周縁
部に存在する食い込み穴(3)には、器物本体(12)
を構成する材料が空隙(4)なく充填されており、この
ため接合面周縁部において、器物本体(2)と発熱体
(11)とのより強固な接合状態が確保される。
【0026】また、器物本体(12)と発熱体(11)
の接合面周縁部は、接合面を封止する態様で接合されて
いる。したがって、接合面に水等が侵入する恐れがな
い。
【0027】次に、この発明にかかる異種金属接合部材
の製造方法を、図3に示すように電磁調理用器物に適用
した場合について説明する。
【0028】まず、器物本体(12)を構成する軟質側
金属材料(2)及び発熱体(11)を構成する硬質側金
属材料(1)を用意する。
【0029】前記軟質側金属材料(2)としては、アル
ミニウム材よりなる円板を用い、深絞加工によって所定
の器物形状に成形して器物本体(12)とする。
【0030】前記硬質側金属材料(1)としては、磁性
SUS材を円形の板状に成形したものを用い、接合面に
多数の壺状の食い込み穴(3)を設けて発熱体(11)
とする。前記食い込み穴(3)を硬質側金属材料(1)
の接合面に設ける手段は特に限定されるものではない
が、自然的に所期する壺形状となりかつ高速に処理がで
きるため電子ビームの照射による加工が好適である。
【0031】次に、軟質側金属材料(2)の一部を硬質
側金属材料(1)に設けた食い込み穴(3)に充填し、
両金属材料(1)(2)を接合する。
【0032】接合にあたっては、図1(イ)に示すよう
に、軟質側金属材料(2)と硬質側金属材料(1)の接
合面を重ね合わせ、図1(ロ)中の矢印に示すように、
軟質側金属材料(2)から硬質側金属材料(1)に向か
って加圧し、接合と同時に軟質側金属材料(2)の一部
を塑性変形せしめて硬質側金属材料(1)に設けた食い
込み穴(3)に充填する。
【0033】前記加圧の方法は特に限定されるものでは
ないが、この実施形態の場合、軟質側金属材料(2)を
器物形状に成形した後、硬質側金属材料(1)を接合す
るため、鍛造法による接合を採用する。該鍛造法による
接合は、軟質側金属材料(2)を器物形状に成形した状
態においても接合及び充填に必要な部分のみを加圧する
ことができるため好ましい。更に、該鍛造法による接合
は冷間で行っても熱間で行っても良い。
【0034】上記の工程によって、軟質側金属材料
(2)の一部が硬質側金属材料(1)に設けた食い込み
穴(3)に充填され、軟質側金属材料(2)に硬質側金
属材料(1)が接合される。但し、この段階では、高温
下の熱間鍛造法等による接合をしない限り、図1(ハ)
中に示すように、食い込み穴(3)には空隙(4)が存
在することとなる。
【0035】次に接合面周縁部において、軟質側金属材
料(2)の軟化及び加圧を行う。前記軟化及び加圧の方
法は特に限定されるものではないが、両者を同時に行い
得るものとして摩擦圧接法を採用するのが良い。具体的
には、図2に示すように高速で回転するシャフト(5)
の端部を軟質側金属材料(2)に当接させ、シャフト
(5)を軸方向に押圧することで、摩擦熱により接合面
周縁部を軟化させると同時に加圧しながらこれを矢印
(C)のように周縁に沿って連続的に移動させる。かか
る方法を採用すれば、1つの機器によって加熱と加圧が
同時に行えるため非常に有効である。
【0036】以上のように、軟質側金属材料(2)を軟
化させ、接合方向に向かって加圧することによって接合
面周縁部に存在する食い込み穴(3)は軟化した軟質側
金属材料(2)でほぼ完全に充填されるため、より強固
な接合状態となる。更に、接合面周縁部も封止状態とな
されるため、水分等の浸透を防ぎ接合面での腐食や発錆
等を防止することができる。
【0037】
【実施例】次に、この発明の実施例を説明する。
【0038】厚さ3mm、長さ150mm、幅25mm
のアルミニウム(A3004)板(22)とステンレス
(SUS430)板(21)とを用い、以下の手順で接
合し試料1〜4を製作した。
【0039】即ち、ステンレス板(21)の長さ方向の
端部から100mmの範囲の接合面に電子ビームの照射
によって均一に食い込み穴を形成した。食い込み穴はい
ずれの場合も球状ないしはほぼ球状に形成されており、
開口部の直径は0.3〜0.4mm、深さは0.3〜
0.4であった。尚、電子ビームの条件は、加速電圧1
00kv、フィラメント電流19〜29mA、送り速度
200mm/s、真空度1×10-4〜5×10-3mmb
arとした。
【0040】次に、アルミニウム板(22)とステンレ
ス板(21)とを接合面において重ね合わせ、鍛造機を
用いてアルミニウム板(22)の方向から圧力を加えて
冷間鍛造を施すことにより両部材を接合した。但し、食
い込み穴を設けていない部分は、剥離試験のつかみしろ
(23)とするため加圧は行わなかった。このときの両
部材の温度は20℃、接合エネルギは300Jであっ
た。
【0041】次に、上記の工程により接合した試料No
1、2の内、試料No1については、接合面のつかみし
ろ側の端部を摩擦圧接法で幅方向に軟化・加圧を行い、
食い込み穴に存在する空隙の除去と接合面端部の封止を
行った。
【0042】そしてJISK6854に準じてT形剥離
試験を行った(図4ロ参照)。その結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】上記表1から分かるように、この発明実施
品は接合面に800N以上の荷重をかけても剥離が観察
されなかった。
【0045】これに対し、軟化及び加圧処理を施してい
ない試料No2は350Nで剥離が観察された。
【0046】次に厚さ3mm、直径250mmのアルミ
ニウム(A3004)板とステンレス(SUS430)
板とを上記と同様の方法で接合し、試料No3について
は接合面周縁部を摩擦圧接法で軟化・加圧を行い接合面
全体を封止した。
【0047】そして5%食塩水に300時間浸漬後、外
面の錆びを取り除き接合面端部を観察した。その結果を
表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】上記表2からわかるように、本発明実施品
試料No3に関しては接合面に発錆はなかったものの、
比較例である試料No4に関しては接合面に発錆が観察
された。
【0050】
【発明の効果】この発明は、上述の次第で、接合面周縁
部に存在する食い込み穴に軟質側の金属材料が空隙なく
充填されているため、接合面周縁部の接合強度が高く、
加熱冷却を繰り返し受けても接合面周縁部が剥離するこ
とはない。更に、接合面周縁部が封止状態となされてい
るため、水等の接合面への侵入を防止でき、接合面での
腐食を防止することができる。
【0051】また、壺状の食い込み穴を有する硬質側金
属材料と軟質側金属材料を加圧により接合した後、少な
くとも軟質側の金属材料を接合面周縁部において軟化及
び加圧することにより、低エネルギ及び短時間で食い込
み穴への充填促進による空隙の除去ができ、同時に接合
面周縁部を封止することができる。このため、エネルギ
ーコストを低減しつつ、高い接合強度と耐食性を有する
異種金属接合部材を製造することができる。
【0052】また、上記軟化と加圧を摩擦圧接により行
うものとすれば、必然的に軟化と加圧が同時に行われる
こととなり、操作が極めて簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる接合方法を示す模式的な図
で、(イ)は接合前の、(ロ)は接合途中の、(ハ)は
接合後のそれぞれ断面図である。
【図2】接合面周縁部の空隙の除去と接合面周縁部を封
止する方法を説明するための模式的な図で、摩擦圧接法
の場合を示す断面斜視図である。
【図3】(イ)はこの発明の適用対象の一例としての電
磁調理用器物の模式的な断面図であり、(ロ)は底面
図、(ハ)は接合面周縁部を拡大した断面図である。
【図4】この発明の実施例における接合強度試験法を示
した図であり、(イ)は試験片を示す斜視図、(ロ)は
試験方法を示す側面図である。
【符号の説明】
1…硬質側金属材料 2…軟質側金属材料 3…食い込み穴 4…空隙 5…シャフト 11…発熱体 12…器物本体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬度の異なる2つの金属材料が接合され
    た部材であって、硬質側の金属材料(1)の接合面の少
    なくとも周縁部には壺状の食い込み穴(3)が多数形成
    され、該食い込み穴(3)の形状は開口部と平行な面で
    仮想的に切り出した時、開口部の面積よりも大きな断面
    積が少なくとも一つ存在するように設定され、 接合面周縁部に存在する前記食い込み穴(3)が軟質側
    の金属材料(2)によってほぼ完全に充填され、 かつ、接合面周縁部が接合面を封止する状態で接合され
    てなることを特徴とする異種金属接合部材。
  2. 【請求項2】 硬度の異なる2つの金属材料を接合する
    に際し、 硬質側の金属材料(1)の接合面の少なくとも周縁部
    に、開口部と平行な面で仮想的に切り出した時開口部の
    面積よりも大きな断面積が少なくとも一つ存在する壺状
    の食い込み穴(3)を形成し、 両材料の接合面を重ね合わせた後、 両材料(1)(2)を接合方向に加圧し、軟質側の金属
    材料(2)を変形せしめて前記食い込み穴(3)に充填
    状態に食い込ませることによって両材料を接合し、 更に、少なくとも軟質側の金属材料(1)を接合面の周
    縁部において部分的に軟化させるとともに、接合方向に
    向かって加圧することで、接合面周縁部に存する食い込
    み穴(3)を軟質側の金属材料(2)によってほぼ完全
    に充填するとともに、接合面周縁部を封止することを特
    徴とする異種金属接合部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記接合面周縁部の軟化及び加圧を摩擦
    圧接によって同時に行うことを特徴とする請求項3に記
    載の異種金属接合部材の製造方法。
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