JPH09271772A - 膜装置による塩素系殺菌剤含有液の不純物の除去方法 - Google Patents

膜装置による塩素系殺菌剤含有液の不純物の除去方法

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JPH09271772A
JPH09271772A JP10201796A JP10201796A JPH09271772A JP H09271772 A JPH09271772 A JP H09271772A JP 10201796 A JP10201796 A JP 10201796A JP 10201796 A JP10201796 A JP 10201796A JP H09271772 A JPH09271772 A JP H09271772A
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chlorine
membrane
concentration
ultraviolet irradiation
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Hirokimi Sumiya
祐公 角谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩素殺菌処理液中の不純物を除去する際に、
UFやRO等の膜の塩素による劣化、能力低下を防止す
るとともに、膜装置に供給する液体に適度の殺菌性を保
持してUFやRO等の膜、膜装置等の雑菌の発生、繁殖
を防止し、膜装置の不純物除去能力を最大限に発揮させ
て高純度の処理液を安価に得る。 【手段】 塩素を添加して細菌等を殺菌した液体に紫外
線を照射して塩素を分解除去するについて、液体中の塩
素の濃度に応じて、紫外線照射の中断または紫外線照射
量を低減することによって、液体中の塩素の濃度をUF
やRO等の膜に支障をきたさない範囲に調整し、この塩
素濃度を調整した液体をUFやRO等の膜装置で処理し
て不純物を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば、次亞塩
素酸ナトリウム、クロラミン等の塩素系殺菌剤(以下塩
素という)を添加して液体中の細菌等を殺菌を行い、こ
の塩素を含む液体をUFやRO等の膜装置で処理して不
純物を除去する方法に関するものであり、特に、塩素を
添加して細菌等を殺菌した液体中の塩素の濃度に応じ
て、紫外線照射を中断または紫外線照射量を低減するこ
とによって、液体中の塩素を完全に除去せずに残留させ
て、塩素濃度をUFやRO等の膜に支障をきたさない範
囲に調整し、このように液体中の塩素濃度を調整した液
体を、UFやRO等の膜装置で処理して液体中の不純物
を除去することに特徴がある。
【0002】
【従来の技術】細菌等を含む液体に塩素を添加して細菌
等を殺菌することが行われているが、細菌等の殺菌を行
った高濃度の塩素を含む液体を、そのまま、UFやRO
等の膜で処理すると、膜が高濃度の塩素によって劣化し
たり、能力が低下する等の問題があるため、従来は、高
濃度の塩素を含む液体に亜硫酸水素ナトリウムや亜硫酸
ナトリウム等の還元剤を添加して塩素を分解除去する方
法が行われている。しかし、液体に亜硫酸水素ナトリウ
ムや亜硫酸ナトリウム等の還元剤を添加することは、U
FやRO等の膜装置はむろん、後段のイオン交換装置等
の液体処理系のイオン負荷を増大する問題が指摘されて
いる。
【0003】前述した問題の対策としては、UFやRO
等の膜を頻繁に洗浄したり、交換しているが、膜の頻繁
な洗浄、交換は処理コストの増加を招き、また、亜硫酸
水素ナトリウムや亜硫酸ナトリウム等の還元剤を添加す
る代わりに、液体を活性炭を充填した濾過装置で処理
し、これらの塩素を除去することも行われているが、濾
過装置の活性炭の充填層内に雑菌等が繁殖して、処理液
中に雑菌が流出したり、活性炭の再生設備を付設する必
要がある等の不都合があった。
【0004】また、UFやRO等の膜装置で処理する液
体中の塩素を完全に除去すると、液体中に殺菌成分がな
くなるために、膜装置を始めとして、後段の濾過装置や
イオン交換装置等で雑菌が繁殖して、雑菌の汚染によっ
て、処理液の純度が低下する問題もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、塩素
を添加して液体中の細菌等を殺菌を行い、この殺菌処理
をした液体中の塩素を完全に除去せずに残留させて、塩
素濃度をUFやRO膜に支障をきたさない範囲に調整
し、この液体をUFやRO等の膜装置で処理して不純物
を除去することによって、UFやRO等の膜の塩素によ
る劣化、能力低下を防止することにあり、また、UFや
RO等の膜装置に供給する液体に適度の殺菌性を保持す
ることによって、UFやRO等の膜を始め、UFやRO
等の膜装置内、付属配管、機器内における雑菌の発生、
繁殖を防止することにあり、ひいては、UFやRO等の
膜装置の不純物除去能力を最大限に発揮させて高純度の
処理液を得ることにある。
【0006】また、本発明の目的は、塩素を含む液体に
亜硫酸水素ナトリウムや亜硫酸ナトリウム等の還元剤を
添加せずに、UFやRO等の膜装置を始め、後段のイオ
ン交換装置等の不純物を除去する液体処理系におけるイ
オン負荷を増大することなく、かつ、活性炭を充填した
濾過装置やその再生設備を付設することなく、塩素含有
液を効率的に、コストを安価に処理することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、塩素を添加し
て液体中の細菌等を殺菌を行い、この殺菌処理をした塩
素を含む液体をUFやRO等の膜装置で処理して不純物
を除去する方法に関するものであり、細菌等を殺菌した
塩素を含む液体に対して紫外線照射し、塩素を分解除去
するについて、液体中の塩素の濃度に応じて、紫外線照
射の中断または紫外線照射量を低減することによって、
液体中の塩素の濃度をUFやRO等の膜に支障をきたさ
ない範囲に調整し、この塩素濃度を調整した液体をUF
やRO等の膜装置で処理して不純物を除去することに特
徴がある。
【0008】また、本発明は、前述した膜装置による塩
素系殺菌剤含有液の不純物の除去方法において、紫外線
照射の中断または紫外線照射量を低減することによっ
て、液体中の塩素系殺菌剤の濃度を、塩素系殺菌剤の濃
度をUFやRO等の膜に支障をきたさない範囲である
0.1〜0.3ppmに調整する処理(通常処理)を行
っている間に、紫外線照射の中断または紫外線照射量を
低減することによって、液体中の塩素系殺菌剤の濃度
を、0.5〜10分の短時間であれば、UFやRO等の
膜に支障をきたさない範囲である0.3〜1ppmに調
整する処理する処理(付加処理)を間欠的に行うことに
特徴がある。
【0009】また、本発明は、前述した塩素を含む液体
のUFやRO等の膜装置による処理を行うについて、塩
素を添加して液体中の細菌等を殺菌した後、塩素を含有
する液体を、光触媒の存在下において、紫外線照射して
塩素系殺菌剤を効率的に分解除去することに特徴があ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施態様の一例を説明す
ると、細菌等を含む液体を殺菌槽に流入させ、殺菌槽に
設けた薬品貯槽より塩素として、たとえば、次亞塩素酸
ナトリウムまたはクロラミンを1〜5ppm添加して液
体中の細菌等の殺菌処理を行う。
【0011】前述した細菌等の殺菌を行った処理液には
塩素が0.5〜2ppmと多量に残留するので、この殺
菌処理液を紫外線ランプを内蔵した透過管を複数本配設
した紫外線照射装置内に流入させて、紫外線照射を数秒
〜1分間程度行い、塩素を分解除去することによって、
殺菌処理液の残留塩素濃度を、RO膜に支障をきたさな
い範囲である、0.1〜0.3ppmに調整させた時点
で紫外線照射を中断する。
【0012】なお、紫外線照射を行って殺菌処理液の残
留塩素濃度をRO膜に支障をきたさない範囲である0.
1〜0.3ppmに調整させるには、たとえば、残留塩
素濃度2ppmの殺菌処理液に対して紫外線照射処理を
行う場合においては、一定時間は紫外線照射を行わず
に、残留塩素濃度2ppmの殺菌処理液として貯留して
置き、次に、一定時間は紫外線照射を行って、たとえば
残留塩素濃度0.3ppmに調整し、これを貯留してい
た残留塩素濃度2ppmの殺菌処理液と混合させて、殺
菌処理液全体のの残留塩素濃度を0.1〜0.3ppm
に調整させてもかまわない。
【0013】また、殺菌処理液の残留塩素濃度をRO等
の膜に支障をきたさない範囲である0.1〜0.3pp
mの範囲に調整させる他の方法としては、たとえば、残
留塩素濃度2ppmの殺菌処理液に対して、一定時間は
紫外線ランプの一部を消灯して、紫外線照射量を低下さ
せた状態で紫外線照射処理を行って、残留塩素濃度1p
pmの殺菌処理液として貯留して置き、次に、一定時間
は紫外線ランプの全部を点灯して紫外線照射を行って、
たとえば残留塩素濃度0.2ppmに調整し、これを貯
留していた残留塩素濃度1ppmの殺菌処理液と混合さ
せて、殺菌処理液全体のの残留塩素濃度を0.1〜0.
3ppmに調整させてもよい。
【0014】殺菌処理液の残留塩素濃度を調整させるた
めに行う紫外線照射機構としては、前述したように、紫
外線照射装置内に配設した複数本の紫外線ランプを一挙
に消灯するやり方でもよいし、また、複数本の紫外線ラ
ンプの一部分を消灯して紫外線照射量を低減するやり方
でもよいし、あるいは、複数本の紫外線ランプの紫外線
照射量を調光して紫外線照射量を低減するやり方でもか
まわない。
【0015】殺菌処理液の残留塩素濃度を0.1〜0.
3ppmに調整するのは、この殺菌処理液をRO膜を設
けたRO膜装置によつて処理して不純物を除去する際
に、殺菌処理液中の塩素をRO膜に支障をきたさない範
囲にすることによって、RO膜が塩素で劣化または能力
低下することを防ぎ、RO膜の不純物除去能力を十分に
発揮させるためであり、さらに、殺菌処理液の塩素を完
全に除去せずに、適度の殺菌性を保持することによっ
て、RO膜、RO膜装置の内部、RO膜装置の付属配管
内部、機器内部における雑菌の発生、繁殖を防止するた
めである。
【0016】なお、殺菌処理液の残留塩素濃度が0.1
ppm未満であると、塩素濃度が低くなり過ぎて、殺菌
性が弱くなり、細菌が発生する可能性があり、RO膜、
RO膜装置の内部等の細菌汚染の恐れがあるので不適当
であり、また、殺菌処理液の残留塩素濃度が0.3pp
m以上であると、塩素濃度が高過ぎて、RO膜が塩素に
よって劣化または能力低下が起きて、RO膜の不純物除
去能力に支障がでるので不適当である。
【0017】前述したように、通常の場合、殺菌処理液
の残留塩素濃度を0.1〜0.3ppmに調整すれば、
殺菌処理液中の塩素をUFやRO膜に支障を起こさず、
RO膜装置のRO膜が塩素で劣化または能力低下を起こ
さない。しかし、紫外線照射の中断または紫外線照射量
を低減した場合、殺菌処理液の流速が遅く、温度が高い
ときには、UFやRO膜による処理前の殺菌処理液中の
細菌が急激に、異常に繁殖することもある。
【0018】そこで、このような状態が予想される場合
には、前述した殺菌処理液中の塩素系殺菌剤の濃度をR
O膜に支障をきたさない範囲である0.1〜0.3pp
mに調整する通常処理を行っている間に、通常処理と同
様に、紫外線照射の中断または紫外線照射量を低減する
ことによって、殺菌処理液中の塩素系殺菌剤の濃度を、
0.3〜1ppmという高濃度に調整する付加処理を
0.5〜10分という短時間であって、1日1回 〜1
ケ月1回程度間欠的に行うことによって、RO膜の細菌
の繁殖を効果的に防止するとともに、RO膜に支障をき
たさないことを知見した(UF膜についても同様)。
【0019】前述した付加処理において、殺菌処理液の
残留塩素濃度を0.3〜1ppmという高濃度に調整す
るのは、殺菌処理液の残留塩素濃度が0.3ppm未満
であると、RO膜の処理前に殺菌処理液中に急激、異常
に繁殖した細菌を効果的に殺菌できないためであり、ま
た、殺菌処理液の残留塩素濃度が1ppmを超えると、
RO膜が塩素によって劣化または能力低下するおそれが
あるためであり、また、付加処理時間を0.5〜10分
にするのは、0.5分未満であると、効果的な殺菌が出
来ず、また、10分を超えるとと、RO膜が塩素によっ
て劣化または能力低下するおそれがあるためである。
【0020】前述した紫外線照射による殺菌処理液の残
留塩素濃度の調整を行う際に、紫外線照射を光触媒の存
在下で行うと、殺菌処理液の残留塩素濃度の調整を、こ
れを用いない場合に比較して、短時間で効果的に行うこ
とができる。光触媒として使用できるものとしては、た
とえば、酸化チタン(TiO2 )、チタン酸ストロンチ
ウム(SrTiO2 )、硫化カドミウム(CdS)、硫
化モリブデン(MoS2 )、酸化亜鉛(Zno)、酸化
タングステン(WO3 )、酸化銅(CuO2 )、酸化鉄
(Fe23 )、シリコン(Si)等の半導体単体、ま
たはこれらの半導体単体に金(Au)、白金(Pt)、
銅(Cu)、錫(Sn)、パラジウム(Pd)、ロジウ
ム(Rh)、酸化ニッケル(NiO)、酸化ロジウム
(RhO2 )等の金属もしくは金属酸化物に担持したも
のがある。
【0021】なお、前述した光触媒をネット状やラシリ
ング状等の形状にしたり、また光触媒をガラス等の粒子
状の担体あるいは石英ガラスや硬質ガラス等を被覆した
ネット状やラシリング状等の形状の担体にコーティング
したり、さらには、光触媒を膜状、薄板状にして殺菌槽
の内面や構成部品の側面等の流体の接触個所に貼り付け
たり、コーティングしてもよい。
【0022】紫外線照射手段として使用する紫外線ラン
プとしては、低圧または高圧水銀灯以外に、ブラックラ
イト、キセノンランプを使用でき、場合によっては太陽
光を使用してもよく、これら以外にも、可視または紫外
線領域の光線を照射できるものであればどのようなもの
でも使用できる。
【0023】
【実施例1】水道水を活性炭を充填した濾過装置で処理
をした濾過液の水質検査をしたところ、TOC0.8p
pm、大腸菌103 個/mlが含まれていたので、この
濾過液に次亞塩素酸ナトリウム2ppm添加して殺菌処
理を行い、大腸菌をほとんど含まない殺菌処理液を得
た。
【0024】この殺菌処理液には塩素が1.3ppm残
留していたので、これを254nm付近の紫外線を照射
する62wの紫外線ランプ(日本フォトサイエンス製A
Z−5)を内蔵した石英ガラス製の透過管を6本配設し
た紫外線照射装置内に4m3/hrの流速で流入させ
て、紫外線照射を25秒間行い、TOCを0.6ppm
とするとともに、塩素が0.1ppmとなった時点で、
前述した紫外線ランプの内4本を消灯して紫外線照射量
を1/3に低減した状態にした。
【0025】そして、この残留塩素を0.1ppm含む
紫外線照射処理液を(株)クラレ製の合成高分子UFを
挿填した精密濾過装置内に0.6m3 /hrの流速で流
入させて、精密濾過処理を行い、TOC、その他の不純
物をほとんど含まない精密濾過液を採水したが、精密濾
過装置内や配管内の液体中には残留塩素が存在するため
に、雑菌が発生せず、精密濾過液に雑菌が漏出すること
はなく、また、紫外線ランプは一部点灯のために、消費
電力は0.7円/m3 と安価であり、さらに、UFは菌
汚染がないため、ライフは6ケ月と長くなった。
【0026】
【比較例1】前述した残留塩素1.3ppm含む殺菌処
理液を、別系列の実施例1と同一の紫外線照射装置内に
同様の流速で流入させて、紫外線ランプ6本を全部点灯
したままで紫外線照射を25秒分間行い、TOCを0.
3ppmにするとともに、残留塩素がほとんどなくなっ
た時点で紫外線照射を中断した。
【0027】そして、この残留塩素を含まない紫外線照
射処理液を、前述した精密濾過装置内に同様の流速で流
入させて、精密濾過処理を行い、TOC、その他の不純
物をほとんど含まない精密濾過液を採水したが、この精
密濾過液中には残留塩素が存在しないために、精密濾過
装置内や配管内には雑菌が発生、繁殖して、精密濾過液
への雑菌の漏出が認められ、また、消費電力は紫外線ラ
ンプ全灯点灯のため、2.4円/m3 と高価であり、さ
らに、UFは菌汚染のため、1週間に1回の洗浄を必要
とした。
【0028】
【実施例2】実施例1で用いた殺菌処理液を同じ紫外線
照射装置内に4m3 /hrの流速で流入させて、紫外線
照射を25秒間行い、TOCを0.6ppmとするとと
もに、塩素が0.1ppmとなった時点で、前述した紫
外線ランプの内4本を消灯して紫外線照射量を1/3に
低減した状態で通常処理をし、この残留塩素を0.2p
pm含む紫外線照射処理液を同じUFを挿填した精密濾
過装置内に0.1m3/hrの流速で流入させて、精密
濾過処理を行い、TOC、その他の不純物をほとんど含
まない精密濾過液を採水した。
【0029】しかし、殺菌処理液の流速が0.1m3
hrと遅く、液温が29度と高かったため、UFの直前
において細菌が急激に繁殖し、120時間後にUFより
細菌の漏洩が見られたので、紫外線ランプの内1本を消
灯して紫外線照射量を1/6に低減して、殺菌処理液中
の塩素系殺菌剤の濃度を、0.7ppmという高濃度に
調整した付加処理を5分、1日に1回間欠的に行い、U
Fの細菌の繁殖を効果的に殺菌した結果、UFよりより
細菌の漏洩は見られず、また、精密濾過装置内や配管内
の液体中には残留塩素が存在するために、細菌が発生せ
ず、精密濾過液に雑菌が漏出することはなく、TOC、
その他の不純物をほとんど含まない精密濾過液を採水で
き、紫外線ランプは一部点灯のために、消費電力は0.
8円/m3 と安価であり、さらに、UFは菌汚染がない
ため、ライフは5ケ月と長くなった。
【0030】
【実施例3】前述した紫外線ランプを内蔵した石英ガラ
ス製の透過管を6本配設するとともに、光触媒として二
酸化チタン(TiO2 、アナターゼ型)をコーティング
した直径5mmのガラスビーズを15リットル充填した
紫外線照射装置内に、実施例1で述べた残留塩素1.3
ppm含む殺菌処理液を、20m3 /hrの流速で流入
させて、紫外線照射を4秒間行い、TOCを0.3pp
mとするとともに、塩素が0.1ppmとなった時点
で、前述した紫外線ランプの内4本を消灯して紫外線照
射量を1/3に低減した状態にした。
【0031】そして、この残留塩素を含む紫外線照射処
理液を、実施例1で述べた精密濾過装置内に0.6m3
/hrの流速で流入させて、精密濾過処理を行い、TO
C、その他の不純物をほとんど含まない精密濾過液を採
水したが、精密濾過装置内や配管内の液体中には残留塩
素が存在するために雑菌が発生せず、精密濾過液に雑菌
が漏出することはなく、また、紫外線ランプは一部点灯
のために消費電力は0.1円/m3 と安価であり、さら
に、UFは菌汚染がないため、ライフは5ケ月と長くな
った。
【0032】
【比較例2】前述した残留塩素1.3ppm含む殺菌処
理液を、別系列の実施例1と同一の紫外線照射装置内に
同様の流速で流入させて、紫外線ランプ6本を全部点灯
したままで紫外線照射を15秒間行い、TOCを0.2
ppmにするとともに、残留塩素がほとんどなくなった
時点で紫外線照射を中断した。
【0033】そして、この残留塩素を含まない紫外線照
射処理液を、前述した精密濾過装置内に同様の流速で流
入させて、精密濾過処理を−い、TOC、その他の不純
物をほとんど含まない精密濾過液を採水したが、この精
密濾過液には残留塩素が存在しないために、精密濾過装
置内や配管内には雑菌が発生、繁殖して、精密濾過液へ
の雑菌の漏出が認められ、また、消費電力は紫外線ラン
プ全灯点灯のため、0.5円/リットルと高価であり、
さらに、UFは菌汚染のため1ケ月に1回の洗浄を必要
とした。
【0034】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によると、塩
素を添加して細菌等を殺菌した液体中の塩素の濃度に応
じて、紫外線照射を中断または紫外線照射量を低減し
て、液体中の塩素を完全に除去せずにUFやRO等の膜
に支障をきたさない範囲で残留させるので、この液体を
引き続いてUFやRO等の膜装置で処理して不純物を除
去する際に、UFやRO等の膜、膜装置内、付属配管
内、機器内の雑菌の発生、繁殖を防止でき、高品質の処
理液を安価なコストでえることができ、また、従来装置
に比較して、紫外線ランプの消費電力を大幅に削減で
き、さらに、またUFやRO等の膜は菌汚染がないた
め、洗浄間隔を2〜50倍に延長することができる利点
がある。
【0034】また、本発明によると、UFやRO等の膜
に支障をきたさない範囲に調整した通常処理を行ってい
る間に、殺菌処理液中の塩素系殺菌剤の濃度を所定の高
濃度に調整する付加処理を短時間、間欠的に行うことに
よって、紫外線照射の中断時、紫外線照射量の低下時、
殺菌処理液の低流速時、高温度時等に起こる、UFやR
O等の膜装置の殺菌処理液中の細菌の急激、異常な繁殖
を的確に阻止することが可能である。
【0035】細菌等の殺菌をした高濃度の塩素を含む液
体を、UFやRO等の膜装置で処理しないので、UFや
RO等の膜が塩素によって劣化したり、能力が低下する
ことはなく、UFやRO等の膜の不純物除去能力を最大
限に発揮させることが可能であり、高品質の処理液を安
価なコストで得ることができるとともに、UFやRO等
の膜の交換回数を2〜3分の1に低減でき、また、塩素
を分解除去するために液体に重亜硫酸ナトリウムや亜硫
酸ナトリウム等の還元剤を添加することもないので、U
FやRO等の膜装置はむろん、後段のイオン交換装置等
の液体処理系のイオン負荷を5〜20%低減でき、か
つ、活性炭濾過装置やその再生機構等の付帯設備を設置
することもなく、不純物を含まない処理液を従来より安
価なコストで採液できるメリットもある。
【0036】さらに、本発明によると、塩素系殺菌剤を
含有する液体を、光触媒の存在下において、紫外線照射
して塩素系殺菌剤を効率的に分解除去することによっ
て、UFやRO等の膜、膜装置内、付属配管内、機器内
の雑菌が発生、繁殖を能率的に防止でき、高品質の処理
液をより安価なコストで得ることができ、また、従来装
置に比較して、紫外線ランプの消費電力を大幅に削減で
き、さらに、またUFやRO等の膜は菌汚染がないた
め、洗浄間隔を10〜50倍に延長することができる利
点がある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 1/50 520 C02F 1/50 520A 531 531P 550 550H 560 560C 560E 1/76 ZAB 1/76 ZABA

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素系殺菌剤を添加して液体中の細菌等
    を殺菌した後、液体中の塩素系殺菌剤を紫外線照射して
    分解除去するについて、液体中の塩素系殺菌剤の濃度に
    応じて、紫外線照射の中断または紫外線照射量を低減す
    ることによって、液体中の塩素系殺菌剤の濃度を、UF
    やRO等の膜に支障をきたさない範囲である0.1〜
    0.3ppmに調整し、この濃度を調整した液体をUF
    やRO等の膜で処理して不純物を除去する膜装置による
    塩素系殺菌剤含有液の不純物の除去方法。
  2. 【請求項2】 紫外線照射の中断または紫外線照射量を
    低減することによって、液体中の塩素系殺菌剤の濃度を
    UFやRO等の膜に支障をきたさない範囲である0.1
    〜0.3ppmに調整する通常処理を行い、この通常処
    理の間に、紫外線照射の中断または紫外線照射量を低減
    することによって、液体中の塩素系殺菌剤の濃度を、
    0.5〜10分の短時間であればUFやRO等の膜に支
    障をきたさない範囲である、0.3〜1ppmに調整す
    る付加処理を間欠的に行う請求項1記載の膜装置による
    塩素系殺菌剤含有液の不純物の除去方法。
  3. 【請求項3】 塩素系殺菌剤を添加して液体中の細菌等
    を殺菌した後、塩素系殺菌剤を含有する液体を、光触媒
    の存在下において、紫外線照射して塩素系殺菌剤を分解
    除去する請求項1または請求項2記載の膜装置による塩
    素系殺菌剤含有液の不純物の除去方法。
JP10201796A 1996-04-02 1996-04-02 膜装置による塩素系殺菌剤含有液の不純物の除去方法 Pending JPH09271772A (ja)

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