JPH09270370A - 電気二重層コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents
電気二重層コンデンサ及びその製造方法Info
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Abstract
の作動信頼性に優れた電気二重層コンデンサを提供す
る。 【解決手段】有機電解液の電気二重層コンデンサにおい
て、シート状に成形された活性炭を主体とする分極性電
極を、ポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂をバイ
ンダ成分として含む炭素系導電性接着層を介して集電体
表面に接合する。
Description
サ(以下、EDLCという)、特に作動信頼性に優れた
EDLCに関する。
中に形成される電気二重層に電荷を蓄積することを原理
としており、EDLCの容量密度を向上させるため、分
極性電極には高比表面積の活性炭、カーボンブラックな
どの炭素材料、金属又は導電性金属酸化物の微粒子など
が用いられる。これらの高比表面積の分極性電極に効率
良く充電及び放電するため、これらの分極性電極は集電
体と呼ばれる金属や黒鉛などの電子伝導性の抵抗の小さ
い層や箔と接合されている。これらの集電体には通常電
気化学的に耐食性の高いアルミウムなどのバルブ金属、
SUS304、SUS316Lなどのステンレス鋼など
が使用される。
解液を用いたものと水系電解液を用いたものがあり、作
動電圧が高く、充電状態のエネルギ密度を大きくできる
ことから、有機電解液を用いたEDLCが注目されてい
る。有機電解液を用いる場合、EDLCの内部に水分が
存在するとこの水分が電気分解して性能の劣化を招くた
め、上記分極性電極は高度に脱水する必要があり、通
常、減圧下で加熱する乾燥処理が施される。
性炭は通常粉末状であるため、例えばポリテトラフルオ
ロエチレン(PTFE)などの含フッ素樹脂を含むバイ
ンダを用いてあらかじめシート状に成形したものを集電
体と電気的に接続させた電極として用いる。この際、両
者を密着させ、かつ電気的な接触抵抗が小さくなるよう
に、導電性接着層を介して接合したものも多くある。し
かし、含フッ素樹脂には接着が難しいという性質があ
り、大きな接合強度を得ることが難しい。
要とするので、これらの導電性接着層に電子伝導性を与
えるフィラーには、カーボンブラックや黒鉛などの炭素
材料が好んで使用される。さらに接合強度を確保するた
め、導電性接着層には種々のバインダ成分が使用され
る。この目的に使用されるバインダ成分としては、セル
ロース、ポリビニルアルコールなどの樹脂(特開昭59
−3915、特開昭62−200715)や、水ガラス
等の無機系バインダ成分(特開平2−82608)が知
られている。
導電性接着剤を用いた場合、有機電解液に対する耐性が
不充分なことによって分極性電極と集電体が剥離を起こ
したりする。また、耐熱性の良いバインダであっても耐
熱性が150℃前後であるため高温での乾燥処理ができ
ず、活性炭に吸着している残存水分が電気分解すること
によるEDLCの性能劣化が見られるなどの問題があっ
た。また、水ガラス等の無機系バインダでは、耐熱性は
高いが金属集電体との接着強度が不充分であり、アルカ
リ成分の溶出や残留水分によってEDLCの性能劣化が
起きる問題があった。
における問題、すなわちEDLC中、特に分極性電極中
の水分を極力少なくでき、電極と集電体との電気的接続
が強く、性能劣化の起きないEDLCを提供することを
目的とする。
極性電極と該分極性電極の表面に電気二重層を形成する
有機電解液とを有する電気二重層コンデンサにおいて、
シート状に成形された活性炭を主体とする分極性電極が
ポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂をバインダ成
分として含む炭素系導電性接着層を介して集電体に接合
されていることを特徴とする。
接着層に含まれるバインダ成分は、ポリイミド樹脂又は
ポリアミドイミド樹脂であり、これら樹脂の耐熱温度は
通常200〜400℃の範囲にあって耐熱性が高い。ポ
リイミド樹脂はその主鎖にイミド構造(−CO−NR−
CO−)の骨格を持つものの総称であって、耐薬品性、
機械的性質、寸法安定性、電気的特性において優れてい
る。ポリイミド樹脂は、線状ポリイミド樹脂と硬化型ポ
リイミド樹脂に大別できる。線状ポリイミド樹脂には熱
可塑性樹脂と非熱可塑性樹脂があり、硬化型樹脂には熱
硬化性樹脂と光硬化性樹脂が含まれるが、いずれのタイ
プのポリイミド樹脂を選ぶとしても、樹脂を溶剤に溶か
したワニスを接着剤に使用するのが好ましい。
なポリイミド樹脂を溶剤に溶かしたものと、ポリアミッ
ク酸等のポリイミド樹脂の前駆体を溶剤に溶かしたもの
で、高温の熱処理でイミド樹脂になるものがあり、いず
れも同様に使用できる。ポリイミド樹脂のワニスには、
宇部興産社の「U−ワニス」(ポリアミック酸を溶剤に
溶かしたもの)、新日本理化社の「リカコート」(溶剤
に可溶なポリイミド樹脂を溶剤にとかしたもの)、デュ
ポン社の「パイヤーML」、日立化成社の「PIQ」、
東レ社の「トレニース」、旭化成工業社の「パイメル」
がある。また、溶剤に可溶なポリアミドイミド樹脂を溶
剤に溶かしたワニスには、東洋紡社の「N7525」や
「NA−11」がある。
系導電性接着層のバインダ成分であるポリイミド樹脂又
はポリアミドイミド樹脂の耐熱性が高いため、高温下で
の加熱又は減圧下の加熱処理によって活性炭中にある水
分を高度に乾燥除去できる。また、このバインダ成分は
有機電解液に対する耐性があり、含フッ素樹脂をバイン
ダとする分極性電極シートの金属等の集電体への接着強
度もきわめて優れる。このため、大電流密度で充放電サ
イクルを繰り返しても、長期間にわたって電圧を印加し
ても、作動性能が安定しており、同時に電極の内部抵抗
の増加を小さくできる。
ワニスとして入手できるので、これらの樹脂をN−メチ
ル−2−ピロリドン(NMP)等の溶剤に溶かしたもの
に、導電性フィラーとしてカーボンブラックや黒鉛微粒
子を高度に分散させて懸濁液の接着剤とし、この接着剤
を集電体の表面に滴下、刷毛塗り、スプレー等によって
塗工し、次いでこの表面に別途作製した分極性電極のシ
ートを圧着し、好ましくは250℃以上の高温下、さら
には減圧下で加熱乾燥することにより強固に接合する。
分が、溶剤に可溶なポリイミド樹脂、ポリアミドイミド
樹脂及びこれら樹脂の前駆体のいずれかを有機溶媒に溶
かしたワニスを加熱硬化させたものであり、炭素系導電
性接着層中にポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂
をポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂と導電性炭
素材料との合量中10〜70重量%含むものである。バ
インダ成分は炭素系導電性接着層中に10重量%以上含
むことによって実用性のある接合強度が得られ、あまり
多く含まれると接着層の電気抵抗が大きくなるので70
重量%以下とするのが好ましい。
は特に限定されず、公知の有機溶媒にイオン解離性の塩
類を含む有機電解液を使用できる。なかでもR4 N+ 、
R4P+ (Rはアルキル基)などの第4級オニウムカチ
オンと、BF4 -、PF6 -、ClO4 -、CF3 SO3 -等の
アニオンとからなる塩を有機溶媒に溶解させた有機電解
液を使用するのが好ましい。
ネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート
等のカーボネート類、γ−ブチルラクトン等のラクトン
類、スルホラン又はこれらの混合溶媒が好ましく使用で
きる。
気化学的に不活性な高比表面積の材料であれば使用でき
るが、大きい比表面積を有する活性炭粉末を主とする分
極性電極材料とするのが好ましい。活性炭粉末の他、カ
ーボンブラック、金属微粒子、導電性金属酸化物微粒子
などの大比表面積の材料を好ましく使用できる。また、
これらの分極性電極材料を主とする分極性電極を、正極
と負極の両方に用いてEDLCとすることが多いが、正
極又は負極の一方のみを上記分極性電極とし、残りの一
方を充放電可能な非分極性電極材料、すなわち二次電池
用活物質材料を主とする非分極性電極としてもよい。
の集電体は、導電性に優れ、かつ電気化学的に耐久性の
ある材料であればよく、アルミニウム、チタン、タンタ
ルなどのバルブ金属、ステンレス鋼、金、白金などの貴
金属、黒鉛、グラッシーカーボン、カーボンブラックを
含む導電性ゴムなどの炭素系材料が好ましく使用でき
る。
極と該分極性電極の表面に電気二重層を形成する有機電
解液とを有する電気二重層コンデンサの製造方法であっ
て、活性炭粉末とカーボンブラックに含フッ素樹脂を混
合したものをシート状に成形して分極性電極とし、この
分極性電極をポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂又
はこれら樹脂の前駆体のいずれかをバインダ成分として
含む懸濁液の炭素系導電性接着剤を使用して集電体に接
合し、200℃以上の温度で加熱乾燥することを特徴と
する。乾燥を高度に、かつ速やかに行うには、加熱乾燥
を250℃以上で行うのが好ましい。
例(例4、5)によってさらに説明するが、本発明はこ
れらに限定されない。
末(平均粒径10μm、比表面積1800m2 /g)8
0重量%、PTFE10重量%及びカーボンブラック1
0重量%にエタノールを加えて混練し、混練物をシート
状に成形し、さらに厚さ0.3mmにロール圧延後、4
0mm角のシートを切り取り、これをエッチング処理を
施したアルミニウム箔(厚さ0.1mm)の集電体の表
面に、それぞれ表1に示す種類のバインダ成分20重量
%と黒鉛微粒子80重量%からなる導電性接着層を介し
て接着固定した。
微粒子80重量%にNMPを混合した懸濁液である炭素
系導電性接着剤を得た。この炭素系導電性接着剤を集電
体のアルミニウム箔の表面に塗工し、シート状の分極性
電極をこの表面に圧着し、次に表1に示した各懸濁液中
に含まれるバインダ成分の耐熱許容温度において減圧下
で3時間加熱して乾燥処理し、各電極中の水分を除去し
た。
を、低湿度のアルゴンガスを充たしたグローブボックス
に移し、有機電解液として1モル/リットルのテトラエ
チルアンモニウムテトラフルオロボレートを含むプロピ
レンカーボネート溶液を分極性電極中に充分含浸させ、
ポリプロピレン繊維の不織布からなるセパレータ紙を両
分極性電極間に挟んで対向させ、EDLCを組み立て
た。
部抵抗を測定した後、40℃の恒温槽中で0〜2.8V
の間で1Aの定電流による充放電を3000サイクル繰
り返し、3000サイクル後の放電容量及び内部抵抗を
測定し、前後の性能変化を観察することにより、EDL
Cの長期的な作動信頼性を加速的に評価した。
は、高温の加速的劣化を起こす試験条件下において30
00サイクルの充放電サイクルを繰り返した時の容量劣
化と内部抵抗の上昇が顕著に小さく、長期間使用時の作
動信頼性に優れたEDLCであることがわかる。
Claims (4)
- 【請求項1】分極性電極と該分極性電極の表面に電気二
重層を形成する有機電解液とを有する電気二重層コンデ
ンサにおいて、シート状に成形された活性炭を主とする
分極性電極がポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂
をバインダ成分として含む炭素系導電性接着層を介して
集電体に接合されていることを特徴とする電気二重層コ
ンデンサ。 - 【請求項2】バインダ成分が、溶剤に可溶なポリイミド
樹脂、ポリアミドイミド樹脂、又はこれら樹脂の前駆体
を有機溶媒に溶かしたワニスを加熱硬化させたものであ
り、炭素系導電性接着層中にポリイミド樹脂又はポリア
ミドイミド樹脂をポリイミド樹脂又はポリアミドイミド
樹脂と導電性炭素材料との合量中10〜70重量%含む
請求項1記載の電気二重層コンデンサ。 - 【請求項3】有機電解液が第4級アンモニウム塩又は第
4級ホスホニウム塩を電解質として含む有機電解液であ
る請求項1又は2記載の電気二重層コンデンサ。 - 【請求項4】分極性電極と該分極性電極の表面に電気二
重層を形成する有機電解液とを有する電気二重層コンデ
ンサの製造方法であって、活性炭粉末とカーボンブラッ
クと含フッ素樹脂との混合物をシート状に成形して分極
性電極とし、この分極性電極をポリイミド樹脂、ポリア
ミドイミド樹脂、又はこれら樹脂の前駆体をバインダ成
分として含む懸濁液の炭素系導電性接着剤を使用して集
電体に接合し、200℃以上で加熱乾燥することを特徴
とする電気二重層コンデンサの製造方法。
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