JPH09268797A - 構造物の免震構造 - Google Patents

構造物の免震構造

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JPH09268797A
JPH09268797A JP24965596A JP24965596A JPH09268797A JP H09268797 A JPH09268797 A JP H09268797A JP 24965596 A JP24965596 A JP 24965596A JP 24965596 A JP24965596 A JP 24965596A JP H09268797 A JPH09268797 A JP H09268797A
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seismic isolation
cover
transparent cover
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support plate
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JP24965596A
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Motoharu Yatsuhashi
元治 八橋
Shuji Yamamoto
修治 山本
Masahiro Kawano
昌洋 川野
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造物の免震構造において、免震支持体の転
動面や摺動面等における異物の付着、雨水等の侵入、錆
の発生などを防止する。 【解決手段】 基礎2と建築物4との間に介在し、か
つ、ボールベアリング6により建築物4を水平方向に移
動自在に支持する免震支持体8を備えた建築物の免震構
造において、基礎2と建築物4との相対変位に合わせて
変形可能な透明カバー10で免震支持体8を密閉する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造物の免震構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】建築物等の構造物の免震構造として、基
礎と構造物との間に転がり支承または滑り支承による免
震支持体を介在させ、この免震支持体によって構造物を
水平方向に移動自在に支持するようにしたものが従来か
ら知られている。この種の免震支持体としては、転がり
支承ではボールベアリングやフリーベアリング等による
もの、直交ローラとレールとを組み合わせたものが知ら
れており、一方、滑り支承では摩擦係数の小さい材料か
らなる滑り体等を用いたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の免震構造に
おいては、ボールベアリングや滑り体等が外部に露出し
ているため、転動面や摺動面などへ雨水等が侵入した
り、埃等の異物が転動面や摺動面等に付着したりするな
どの恐れがある。また、温度変化による結露により転動
面や摺動面等に錆が発生する等の恐れもある。
【0004】本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであって、優れた防塵性、防水性および防湿性
を有し、免震支持体の転動面や摺動面等における異物の
付着や雨水等の侵入、錆の発生などを防止できる構造物
の免震構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するため、次のような構成を有する。請求項1の発明
は、基礎と構造物との間に介在し、かつ、転がり支承ま
たは滑り支承により前記構造物を水平方向に移動自在に
支持する免震支持体を備えた構造物の免震構造におい
て、前記免震支持体における転動面あるいは摺動面を覆
うカバー体を備えたことを特徴とする構造物の免震構造
である。
【0006】請求項2の発明は、前記カバー体が、前記
基礎と前記構造物との相対変位に合わせて変形可能であ
って前記免震支持体を密閉するものであることを特徴と
する請求項1記載の構造物の免震構造である。
【0007】この請求項2の発明において、前記カバー
体を伸縮可能な蛇腹状のものとしてもよい。
【0008】また、請求項2の発明において、前記カバ
ー体を減衰性を有する弾性体としてもよい。
【0009】また、請求項2の発明において、前記カバ
ー体によって密閉される空間に不活性ガスを充填または
吸湿剤を配設することができる。
【0010】また、請求項2の発明において、前記カバ
ー体の外側に、前記基礎と前記構造物との相対変位に合
わせて変形可能な保護カバーを着脱自在に被覆すること
もできる。
【0011】請求項3の発明は、前記カバー体を剛性体
で構成し、該カバー体の上下両端部のうち一方のみを基
礎側または構造物側に固定し、かつ、通常時に他方の端
部の周縁を他方側の転動面あるいは摺動面の周縁に摺動
可能に載せたことを特徴とする請求項1記載の構造物の
免震構造である。
【0012】この請求項3の発明において、前記カバー
体の他方の端部を水平方向に沿って鍔状に形成すること
が望ましい。
【0013】また、請求項3の発明においても、前記カ
バー体の外側に保護カバーを着脱自在に被覆することが
できる。
【0014】また、請求項1〜3の発明において、前記
カバー体を、前記免震支持体の状態を外部から目視可能
な程度の透明度を有する材料で構成してもよい。
【0015】また、前記保護カバーを、耐候性、難燃
性、耐火性、防蟻性、防鼠性または耐薬品性の材料もし
くはこれらを複合した材料で構成することができる。
【0016】本発明によれば、転がり支承または滑り支
承による免震支持体が前記カバー体で密閉されるため、
免震支持体における埃等の異物の付着や雨水等の侵入、
結露による錆の発生などを防止することができる。ま
た、カバー体が基礎と構造物との相対変位に合わせて変
形可能であるため、地震時に基礎と構造物とが水平方向
において相対的に運動しても、カバー体がその運動に適
宜追従し、カバー体に無理な力が加わることもない。
【0017】また、カバー体を前記透明度を有する材料
から構成すれば、容易に免震支持体の状態(免震機能に
影響する転動面・摺動面等の状態)を観察することがで
きる。また、カバー体を伸縮可能な蛇腹状に形成すれ
ば、蛇腹の伸縮作用によって地震時などに良好にカバー
体を変形・復元させることができる。また、カバー体を
減衰性を有する弾性体で構成すれば、免震支持体におけ
る異物の付着などを防止するだけでなく、地震時等にお
けるカバー体の変形・復元により地震エネルギーを吸収
することもできる。また、カバー体によって密閉される
空間に不活性ガスを充填または吸湿剤を配設して、免震
支持体の酸化防止および防湿性の向上を図ることもでき
る。
【0018】また、本発明において、カバー体を例えば
比較的変形しにくく(剛性を高く)構成した場合、カバ
ー体の上下両端部のうち一方のみを基礎側または構造物
側に固定し、かつ、他方の端部の周縁を通常時(地震の
起きていない時)に他方側の転動面・摺動面の周縁に摺
動可能に載せれば、少なくとも通常時には確実にカバー
体によって転動面・摺動面を覆うことができる。したが
って、カバー体の変形を考慮する必要がなくなり、簡単
かつ安価な構成で埃等の異物や雨水等の侵入を防止する
ことができる。この場合、前記カバー体の他方の端部を
鍔状に形成すれば、埃等の異物や雨水等をより一層侵入
しにくくすることができる。それと同時に、他方の端部
を水平方向に沿って鍔状に形成すれば、固定されない該
他方の端部が地震時に他方側の転動面・摺動面の周縁に
対して水平方向に移動しても、これらの転動面等とカバ
ー体とが干渉することを防止できる。
【0019】また、耐候性、難燃性、耐火性、防蟻性、
防鼠性または耐薬品性の材料もしくはこれらを複合した
材料などからなる保護カバーで前記カバー体を被覆する
ことにより、前記カバー体自体を外部から保護すること
ができる。カバー体が前記透明度を有する材料からなる
ものである場合は、保護カバーを適宜外したり捲り上げ
たりすることで免震支持体の状態を容易に確認すること
ができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。まず、図1を用いて第1実施形態を
説明する。第1実施形態は、図1に示すように、基礎2
と建築物(構造物の一例)4との間に介在し、かつ、鋼
球等のボールベアリング6による転がり支承により建築
物4を水平方向に移動自在に支持する免震支持体8を備
えたものであり、基礎2と建築物4との相対変位に合わ
せて変形可能な透明カバー(カバー体の一例)10で免
震支持体8を密閉したものである。
【0021】免震支持体8は、前記ボールベアリング6
と、このボールベアリング6に建築物4側で下面12a
(転動面に相当)が接触する円盤状の上側支持板12
と、上側支持板12と対向しかつ基礎2側でボールベア
リング6と上面14a(転動面に相当)が接触する、上
側支持板12と略同形の下側支持板14とを備える。上
側支持板12および下側支持板14それぞれは、建築物
4の底面4aおよび基礎2にアンカボルト等(図示略)
で固定される。
【0022】透明カバー10は、その内部の状態つまり
免震支持体8の状態を外部から目視可能な程度の透明度
を有する柔軟性に富んだ材料からなり、略円筒形状を呈
する。透明カバー10の上端縁および下端縁それぞれ
は、上側支持板12および下側支持板14の外周部に高
いシール性を持つ固定手段で固着されており、これによ
ってボールベアリング6の周囲の空間は密閉された状態
となっている。なお、この透明カバー10の材質として
は、例えばEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)等の
ポリオレフィン系の透明な合成樹脂やEP(エチレンプ
ロピレン)ゴム等の透明な弾性体が望ましい。
【0023】また、透明カバー10はさらに遮光用保護
カバー16によって覆われており、この遮光用保護カバ
ー16は、透明カバー10に対して着脱自在となってお
り、ボールベアリング6の状況を点検する時に容易に剥
離できるように固定される。例えば、遮光用保護カバー
16を容易に取り外し可能な固定手段(例えば剥離可能
な糊付けや面ファスナ等)を用いて全体的あるいは部分
的に着脱自在とし、これにより、必要に応じて遮光用保
護カバー16の下端縁のみを外して上方に捲れるように
したり、遮光用保護カバー16を全体的あるいは部分的
に外したりすることができる。
【0024】このように構成された第1実施形態によれ
ば、上側支持板12の下面12a、下側支持板14の上
面14aおよびボールベアリング6が透明カバー10で
密閉されるため、免震支持体8における埃等の異物の付
着や雨水等の侵入、錆の発生などを防止することができ
る。また、透明カバー10が基礎2と建築物4との相対
変位に合わせて変形可能であるため、地震時に上側支持
板12と下側支持板14とが水平方向に相対的に運動し
ても、透明カバー10がその運動に追従し、透明カバー
10に無理な力が加わることもない。
【0025】また、透明カバー10が前記透明度を有す
る材料からなるため、遮光用保護カバー16を下から捲
り上げるなどすれば、容易に免震支持体8の状態(免震
機能に影響するボールベアリング6の転動面等の状態)
を観察することができる。
【0026】また、免震支持体8の状態を観察する以外
の通常時には、遮光用保護カバー16を透明カバー10
の外側に被せておくことにより、免震支持体8および透
明カバー10の耐侯性を確保することができる。なお、
この遮光用保護カバー16は、難燃性、耐火性、防蟻
性、防鼠性または耐薬品性の処理等を必要に応じて施し
た保護カバーにより構成することもでき、免震支持体8
を設置する環境に応じて透明カバー10を保護すること
ができる。
【0027】次に、第2〜第4実施形態を図2〜図4を
参照して説明する。なお、これら第2〜第4実施形態
は、第1実施形態の免震支持体8を他の転がり支承ある
いは滑り支承に置換したものであり、上側支持板12、
下側支持板14、透明カバー10および遮光用保護カバ
ー16の構成は第1実施形態と同様である。
【0028】第2実施形態に係る免震支持体18は、図
2に示すように、フリーベアリング20を用いた転がり
支承によるものであって、上側支持板12には、フリー
ベアリング20がアンカボルト等で固着される。フリー
ベアリング20は、上側支持板12に固定されると共に
内部に複数の小径のボール(図示略)が配設されたホル
ダ20aと、前記複数の小径のボールに接触した状態で
回転自在にホルダー20aに保持された大径のボール2
0bとを備えたものである。大径のボール20bは、下
側支持板14の上面14a上を転動できるようになって
いる。なお、この第2実施形態においては、上側支持板
12の外周部と下側支持板14の外周部とに透明カバー
10の上下両端を固着するようにしているが、ホルダ2
0a上部の外径および下側支持板14の外径に合わせて
略円錐台形状の透明カバーを用意し、この略円錐台形状
の透明カバーの小径の上端縁をホルダ20aの外周部に
固着し、大径の下端縁を下側支持板14の外周部に固着
してもよい。また、このフリーベアリング20は、必ず
しも上側支持板12に設ける必要はなく、下側支持板1
4にホルダ20aを固定し、大径のボール20bを上側
支持板12の下面12aで転動させるようにしてもよ
い。
【0029】第3実施形態に係る免震支持体22は、図
3に示すように、キャスタ24を備えた転がり支承によ
るものであって、上側支持板12には、キャスタ24を
支持した支軸26が固定され、このキャスタ24は、下
側支持板14の上面14aを転動可能となっている。な
お、この第3実施形態においても、略円錐台形状の透明
カバーを使用して、支軸26の周辺から下側支持板14
の外周部に至る空間を密閉するようにしてもよい。
【0030】第4実施形態に係る免震支持体28は、図
4に示すように、滑り体30を用いた滑り支承によるも
のであって、上側支持板12には、下側支持板14の上
面14a(摺動面に相当)に摺動自在に接触した球面状
の下端部を有する滑り体30が固着されている。
【0031】なお、本発明の免震構造は、第1実施形態
〜第4実施形態以外の支承手段、例えば直交ローラとレ
ールとを組み合わせた転がり支承等にも同様に適用可能
である。
【0032】以上の第2〜第4実施形態によっても、前
記第1実施形態と同様に免震支持体18,22,28の
防塵性、防水性、耐侯性、その他保護カバーによる必要
性能を確保することができる。
【0033】次に、第5〜第7実施形態を図5〜図7を
参照して説明する。第5〜第7実施形態は、前記略円筒
形状の透明カバー10に代えて、伸縮可能な蛇腹状の透
明カバーを使用した場合の一例である。なお、第5〜第
7実施形態は、ボールベアリング6による転がり支承あ
るいは滑り体30による滑り支承に、蛇腹状の透明カバ
ーを適用したものであるが、蛇腹状の透明カバーは、他
の転がり支承あるいは他の滑り支承にも適用できること
はいうまでもない。
【0034】第5実施形態は、図5に示すように、上側
支持板12および下側支持板14それぞれに蛇腹状の透
明カバー32の上端縁および下端縁を高いシール性を持
つ固定手段で固着し、これにより免震支持体8周りの空
間を密閉したものである。透明カバー32は、基礎2と
建築物4との相対変位に応じて伸縮できるように形成さ
れている。また、この蛇腹状の透明カバー32の外側に
は、前記第1実施形態と略同様の遮光用保護カバー16
が設けられている。なお、この蛇腹状の透明カバー32
の材質としては、EVA、塩化ビニル、ポリエチレン、
架橋ポリエチレン等の透明な合成樹脂や、EPゴム等の
透明な弾性体などが好ましい。
【0035】この第5実施形態によれば、前記第1実施
形態と同様に免震支持体8の防塵性、防湿性、耐侯性を
確保することができると共に、蛇腹の伸縮作用によって
地震時などに透明カバー32を良好に変形・復元させる
ことができる。
【0036】第6実施形態は、図6に示すように、蛇腹
状の透明カバーの他の例を示すものであって、滑り体3
0を取り巻くように圧縮コイルスプリング34を配設す
ると同時に、この圧縮コイルスプリング34の内径部に
透明カバー36を保持させるようにしたものである。透
明カバー36は、通常は蛇腹状に弛んでおり、基礎2と
建築物4との相対変位に応じて変形可能であると共に、
復元時には圧縮コイルスプリング34の復元力が作用し
て容易に元の形態に戻るようになっている。なお、この
透明カバー36の材質としては、EVA、塩化ビニル、
ポリエチレン、架橋ポリエチレン等の透明な合成樹脂
や、EPゴム等の透明な弾性体などが好ましい。
【0037】第7実施形態は、図7に示すごとく、第6
実施形態の透明カバー36の内側にさらに別の圧縮コイ
ルスプリング38を配設し、この内側の圧縮コイルスプ
リング38の外径部にも透明カバー36を保持させるよ
うにしたものである。この第7実施形態によれば、圧縮
コイルスプリング38の付加によってさらに透明カバー
36が良好に復元するという極めて有利な効果が得られ
る。なお、第6実施形態および第7実施形態において遮
光用保護カバー16は、蛇腹状のものあるいは柔軟な円
筒状のものいずれでもよい。
【0038】続いて、本発明に係るカバー体に免震機能
をも具備させた第8実施形態について説明する。この第
8実施形態は、図8に示すように、前記第1実施形態の
基本構成において、透明カバー10の代わりに、減衰性
を有する弾性体からなる弾性カバー40を用いたもので
ある。この弾性カバー40は、略円筒形状を呈してお
り、その上端縁および下端縁それぞれは、上側支持板1
2および下側支持板14に固着される。なお、弾性カバ
ー40の材質としては、高減衰ゴム等のゴム材が望まし
い。
【0039】この第8実施形態によれば、前記第1実施
形態と同様に高い防塵性、防水性が得られると同時に、
免震機能をカバー体自体に具備させることができる。す
なわち、この弾性カバー40は、減衰性を有する弾性体
からなるため、免震支持体6における埃等の付着を防止
するだけでなく、地震時等に変形・復元することで地震
エネルギーを吸収することができる。
【0040】さらに、図9および図10を参照して、本
発明に係るカバー体を剛性体で構成した第9実施形態お
よび第10実施形態を説明する。第9実施形態の免震支
持体42は、図9に示すように、建築物4の底面4aに
設けたボール保持体44にボールベアリング6を回転自
在に保持させ、基礎2に固定した下側支持板14の上面
14aでボールベアリング6を転動させるものであっ
て、比較的剛性の高い剛性カバー46を備える。ボール
保持体44は、建築物4の底面4aに締着されるフラン
ジ部44aと、このフランジ部44aから下方に突出し
て形成された保持部44bとからなり、この保持部44
bには、ボールベアリング6を回転自在に保持する下方
に開放した略半球面状の凹部44b1(摺動面に相当)
が形成される。下側支持板14は、前記保持部44bよ
りも大径に形成されており、その上面14aは、中心か
ら外方に行くに従って建築物4の底面4aに近づく略摺
鉢状の斜面で形成される。この上面14aにより、通常
時には下側支持板14の中央部にボールベアリング6が
位置決めされると共に、地震時には中央部にボールベア
リング6を戻す復元力(バネ効果)が得られる。
【0041】剛性カバー46は、前記保持部44b下端
の周縁から下側支持板14の周縁に向けて開くスカート
状に形成される。この剛性カバー46の上端部46a
は、保持部44bの下端周縁に固定される一方、剛性カ
バー46の下端部46bの周縁は、通常時において前記
上面14aの周縁に固定せずに摺動可能に載置される。
また、この剛性カバー46の下端部46bは、上面14
aの周縁から外側方かつ水平方向に沿って鍔状に形成さ
れて突出している。さらに、剛性カバー46の外側に
は、前記遮光用保護カバー16を被覆してもよい。
【0042】この第9実施形態によれば、剛性カバー4
6の上端部46aのみを建築物4側に固定し、かつ、下
端部46bの周縁を通常時に上面14aの周縁に位置さ
せたので、少なくとも通常時には剛性カバー46によっ
て上面14aおよび凹部44b1を確実に覆うことがで
き、変形を考慮することなく簡単かつ安価な構成で埃等
の異物や雨水等の侵入を防止することができる。また、
剛性カバー46の下端部46bを外側方に向けて鍔状に
形成したので、埃等の異物や雨水等をより一層侵入しに
くくすることができる。また、地震時に基礎2と建築物
4とが水平方向に相対的に変位し剛性カバー46が建築
物4と一緒に移動しても、剛性カバー46の下端部46
bが水平に沿って鍔状であるので、該下端部46bは、
上面14aの周縁上を摺動して下側支持板14と干渉す
ることもない。
【0043】なお、地震時に剛性カバー46の下端部4
6bが上面14aの周縁上を摺動すると、下端部46b
の周縁と上面14aの周縁との間に隙間が生ずるが、地
震が起きている時間は短時間(1分程度)であり、しか
も地震がおさまったときには確実にボール6が上面14
aの中央部に戻って剛性カバー46の下端部46bは上
面14aの周縁位置に復帰するため、地震時において埃
等の異物が上面14aや凹部44b1に侵入する可能性
は低い。
【0044】第10実施形態は、第1実施形態の免震構
造と同様に、基礎2側および建築物4側それぞれにおい
てボールベアリング6を転動させるものであり、上側支
持板12および下側支持板14は同じ外径寸法で形成さ
れている。この第10実施形態における剛性カバー48
は円筒状を呈しており、その上端部48aは、上側支持
板12の周縁に固定される一方、下端部48bの周縁
は、通常時において下側支持板14の上面14aの周縁
に摺動可能に載置される。そして、この剛性カバー48
の下端部48bは、上面14aの周縁から外側方かつ水
平方向に沿って鍔状に形成されて突出している。この第
10実施形態に係る剛性カバー48に対しても、前記第
9実施形態と同様に遮光用保護カバー16を被覆するこ
とができる。
【0045】この第10実施形態によっても、前記第9
実施形態と同様に、少なくとも通常時には、転動面であ
る上面14aおよび下面12aを剛性カバー48によっ
て確実に覆うことができると共に、地震時に基礎2と建
築物4とが水平方向に相対的に変位しても下側支持板1
4と剛性カバー48との干渉を防止することができる。
【0046】なお、以上の第1〜第10実施形態は、本
発明の好適な実施の態様であり、本発明の技術的範囲
は、これらの実施形態に何ら限定されるものではい。例
えば、前記第1〜第8実施形態において、透明カバー1
0,32,36あるいは弾性カバー40によって密閉さ
れる空間Aに窒素ガス等の不活性ガスを充填または吸湿
剤を配設し、免震支持体8,18,22,28の酸化防
止および防湿性の向上を図ることもできる。また、本発
明に係るカバー体の材料は、上記材質以外のものでもよ
く、また遮光性、難燃性、耐火性、防蟻性、防鼠性、耐
薬品性等の材料またはこれらを組み合わせた材料の中か
ら、建築物(構造物)の設置条件等に応じて適宜に選択
することも可能である。また、第1〜第10実施形態以
外の構成であっても、請求項1〜請求項3の発明のいず
れかに属するもの、または、これらを適宜組み合わせた
ものであれば、本発明の技術的思想の範囲内である。
【0047】
【発明の効果】以上の説明の通り、本発明によれば、優
れた防塵性、防水性および防湿性を免震支持体に具備さ
せて、転動面や摺動面における埃等の異物の付着や雨水
等の侵入、錆の発生などを確実に防止することができ
る。また、カバー体自体に免震機能を具備させることも
できる。また、保護カバーでカバー体を被覆することに
より、免震支持体の周囲の環境に応じてカバー体自体を
外部から保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の免震構造の側面図である。
【図2】第2実施形態の免震構造の側面図である。
【図3】第3実施形態の免震構造の側面図である。
【図4】第4実施形態の免震構造の側面図である。
【図5】第5実施形態の免震構造の側面図である。
【図6】第6実施形態の免震構造の側面図である。
【図7】第7実施形態の免震構造の側面図である。
【図8】第8実施形態の免震構造の側面図である。
【図9】第9実施形態の免震構造を側方から見た断面図
である。
【図10】第10実施形態の免震構造を側方から見た断
面図である。
【符号の説明】
2 基礎 4 建築物(構造物の一例) 6 ボールベアリング 8 免震支持体 10 透明カバー(カバー体の一例) 12 上側支持板 12a 下面(転動面に相当) 14 下側支持板 14a 上面(転動面・摺動面に相当) 16 遮光用保護カバー(保護カバーの一例) 18 免震支持体 20 フリーベアリング 22 免震支持体 24 キャスタ 28 免震支持体 30 滑り体 32 蛇腹状の透明カバー 34 圧縮コイルスプリング 36 蛇腹状の透明カバー 38 圧縮コイルスプリング 40 弾性カバー 42 免震支持体 44 ボール保持体 44b1 凹部(摺動面に相当) 46 剛性カバー 46a 上端部(一方の端部に相当) 46b 下端部(他方の端部に相当) 48 剛性カバー 48a 上端部(一方の端部に相当) 48b 下端部(他方の端部に相当) A 密閉される空間

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基礎と構造物との間に介在し、かつ、転
    がり支承または滑り支承により前記構造物を水平方向に
    移動自在に支持する免震支持体を備えた構造物の免震構
    造において、 前記免震支持体における転動面または摺動面を覆うカバ
    ー体を備えたことを特徴とする構造物の免震構造。
  2. 【請求項2】 前記カバー体は、前記基礎と前記構造物
    との相対変位に合わせて変形可能であって前記免震支持
    体を密閉するものであることを特徴とする請求項1記載
    の構造物の免震構造。
  3. 【請求項3】 前記カバー体を剛性体で構成し、該カバ
    ー体の上下両端部のうち一方のみを基礎側または構造物
    側に固定し、かつ、通常時に他方の端部の周縁を他方側
    の転動面または摺動面の周縁に摺動可能に載せたことを
    特徴とする請求項1記載の構造物の免震構造。
JP24965596A 1996-01-31 1996-09-20 構造物の免震構造 Pending JPH09268797A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007162751A (ja) * 2005-12-09 2007-06-28 Univ Nihon 免震装置、及び免震構造物、並びに免震工法
JP2007270438A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Kumagai Gumi Co Ltd クリーンルームを備えた建物の構造
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