JPH09268423A - 繊維用ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる繊維 - Google Patents

繊維用ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる繊維

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JPH09268423A
JPH09268423A JP7393996A JP7393996A JPH09268423A JP H09268423 A JPH09268423 A JP H09268423A JP 7393996 A JP7393996 A JP 7393996A JP 7393996 A JP7393996 A JP 7393996A JP H09268423 A JPH09268423 A JP H09268423A
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polyester
resin composition
silicone oil
fiber
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Minoru Tagaya
実 多賀谷
Yuhei Maeda
裕平 前田
Minoru Uchida
実 内田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエステルの力学的特性を低下させず、熱
セット性、耐熱性が良好であり、かつ燃焼時に有毒ガス
を発生させず溶融滴下しない優れた耐炎性を有するポリ
エステル樹脂組成物およびその樹脂組成物からなる繊維
を得る。 【解決手段】 官能基をポリエステル樹脂組成物中に
0.3モル%/t以上有するシリコーンオイルと下記一
般式で表される有機リン化合物をリン含量として0.1
〜3.0重量%含有し燃焼時に溶融滴下しない繊維用ポ
リエステル樹脂組成物。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼時に溶融滴下
しない耐炎性に優れたポリエステル樹脂組成物およびそ
れからなる繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維は、衣料やカーペッ
ト、カーテン、車両用座席シートなど広く使用されてい
る。近年ポリエステル繊維製品は火災予防の観点から耐
炎化への要望は強まっている。耐炎化についてはこれま
で種々提案されているが、無機系の難燃剤を添加したも
のは製糸性の低下、力学的特性の低下があり、ハロゲン
系の難燃剤を添加して製糸したものや、後加工で付与し
たものは燃焼時の有毒ガス発生、繊維製品の風合硬化お
よび耐炎効果の洗濯耐久性の不良等の欠点があった。ま
た、一般に、リン系の難然剤をポリエステルに共重合し
たものでは消火機構が燃焼時の溶融滴下によるものであ
るため、繊維の溶融によって火傷したり、着火部の火は
消えても滴下した溶融物で火傷をしたり、周辺に延焼し
たりする等の問題があった。さらに、燃焼時に溶融滴下
しない耐炎性のポリエステル繊維としては例えば特開平
5−9808号公報記載のようにリン系難燃剤と架橋助
剤を含有するポリエステル繊維に電子線を照射し耐炎性
を発現させる方法などがあるが、この方法では繊維の力
学的特性が低下する問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した従来技術の諸問題を解消し、ポリエステルの力学的
特性を低下させず、熱セット性、耐熱性が良好であり、
かつ燃焼時に有毒ガスを発生させず溶融滴下しない優れ
た耐炎性を有する繊維用ポリエステル樹脂組成物および
それからなる繊維を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記した本発明の目的
は、官能基をポリエステル樹脂組成物中に0.3〜50
モル/t以上有するシリコーンオイルと下記一般式
(I)で表される有機リン化合物をリン含量として0.
1〜3.0重量%含有することを特徴とする繊維用ポリ
エステル樹脂組成物により達成できる。
【0005】
【化2】
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステル組成物にお
けるポリエステル(以下、該ポリエステルという)は、
ジカルボン酸と、グリコールからなるポリエステルであ
る。ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。また、グ
リコール成分としては、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、テトラメチレングリコール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらのジ
カルボン酸成分とグリコール成分とを適宜組み合わせて
使用することができる。また、上記のジカルボン酸成分
の一部を、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、スル
ホン酸金属塩置換イソフタル酸などで置き換えてもよ
く、また、上記のグリコール成分の一部をジエチレング
リコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘ
キサンジオール、ポリアルキレングリコールなどで置き
換えてもよい。さらに、ペンタエリスリトール、トリメ
チロールプロパン、トリメリット酸、トリメシン酸、硼
酸などの鎖分岐剤を少量併用することもできる。
【0007】これらの内でも、ジカルボン酸成分の85
モル%以上がテレフタル酸からなり、グリコール成分の
85モル%以上がエチレングリコールからなるポリエチ
レンテレフタレート、およびジカルボン酸成分の85モ
ル%以上がテレフタル酸からなり、グリコール成分の8
5モル%以上がテトラメチレングリコールからなるポリ
ブチレンテレフタレートが好ましくポリエステルの熱セ
ット性、耐熱性を向上させるために上記のジカルボン酸
成分およびグリコール成分が95モル%以上がより好ま
しい。
【0008】なお、上記ポリエステルの極限粘度は0.
50dl/g以上が好ましく、さらに好ましくは0.5
5dl/g以上である。極限粘度が0.50dl/g以
上のポリエステルを用いることにより良好な繊維強度の
ものが得られる。
【0009】本発明における官能基を有するシリコーン
オイルは、実質的に直鎖状のジメチルポリシロキサン、
ジフェニルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキ
サンなどジ置換ポリシロキサンを基本とする構造で、そ
の側鎖、片末端あるいは両末端にポリエステルと反応性
のある官能基、例えば水酸基(ヒドロキシル基、フェノ
ール基)、カルボキシル基、チオール基、エポキシ基、
アミノ基、ビニル基、(メタ)アクリル基、アルコキシ
シリル基など、これらのいずれかまたは複数を有するも
のである。これらの官能基のうち、ポリエステルの溶融
粘度が大巾に低下しない好ましい官能基は、水酸基(ヒ
ドロキシル基、フェノール基)、カルボキシル基、エポ
キシ基、ビニル基、(メタ)アクリル基などであり、官
能基は炭化水素を介して前記ジ置換ポリシロキサン構造
と結合していることが好ましい。また、片末端や両末端
のみでなく側鎖に官能基を有する方が含有量が少なくて
燃焼時に溶融滴下しないので好ましい。また、上記官能
基と共に、必要に応じてポリエステルと非反応性の変性
有機官能基であるポリエーテル基、アルキル基、アリー
ル基、高級脂肪酸エステル基、弗素含有アルキル基など
を側鎖あるいは末端に含有させることもできる。
【0010】本発明における上記シリコーンオイルの官
能基の存在量はポリエステル樹脂組成物中に0.3モル
/t以上であり、好ましくは1.0モル/t以上であ
る。上限値は製糸可能な50モル/以下であり、20モ
ル/t以下が好ましい。0.3モル/t以下では燃焼時
の溶融滴下防止効果が得られない。また、シリコーンオ
イルの含有量は5重量%以下が好ましく、5重量%以下
とすることにより十分な繊維強度を得ることができる。
【0011】本発明における有機リン化合物(I)は下
記一般式で表される。
【0012】
【化3】 上記一般式(I)で表されるリン化合物の具体例として
は、R1 、R2 がフェニル基、トリル基、キシリル基ま
たはベンジル基のような1価の芳香族基で、R3 がフェ
ニレン基、ビフェニレン基、−C6 4 −C(CH3
2 −C6 4 −または−C6 4 −SO2 −C6 4
で表される基のような2価の芳香族基である化合物があ
げられ、2種以上併用してもよい。
【0013】前記リン化合物を用いることにより燃焼時
に有毒ガスが発生せずに耐炎性を有し、かつ共重合のリ
ン化合物と異なり収縮率を低下できる十分な熱セット性
と高融点化できることによる耐熱性、および高い繊維強
度を有するポリエステル樹脂組成物を得ることができ
る。この理由は明らかではないが、本リン化合物はハ
ロゲンを含有していない、共重合型ではなくブレンド
型であるのでポリエステルの分子構造を変えない、ポ
リエステルとの相溶性に優れているのでポリエステル中
に微分散の状態で存在することで効果が発現するものと
思われる。
【0014】本発明の有機リン化合物の配合量は、ポリ
エステル樹脂組成物中にリン含量として0.1〜3重量
%、好ましくは0.3〜2重量%である。0.1重量%
未満では十分な耐炎性が得られず、また、3重量%を越
えると耐炎性効果が飽和するだけでなくポリエステル繊
維の強度が低下する問題がある。
【0015】なお、本発明のポリエステル樹脂組成物に
は、さらに本発明の目的を逸脱しない範囲で、ヒンダー
トフェノール系、アミン系、ホスファイト系、チオエス
テル系、などの酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系、ベ
ンゾフェノン系、シアノアクリレート系などの紫外線吸
収剤、赤外線吸収剤などの安定剤、シアニン系、スチル
ベン系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリノ
ン系、キナクリドン系、イソインドリノン系、クノフタ
ロン系などの有機顔料、無機顔料、蛍光増白剤、制電剤
などの添加剤をポリエステルの重縮合反応時に添加す
る、重縮合反応後のポリエステルに混合する等して用い
ることができる。
【0016】本発明のポリエステル樹脂組成物の製造法
の一例を示す。シリコーンオイルはポリエステルの重合
終了段階以降で混合し、最終的なポリエステル中にシリ
コーンオイルを未反応のままの状態で存在させておくこ
とが好ましく、これにより燃焼時に溶融滴下を防止でき
る。その理由は明らかではないが、繊維製品が燃焼する
とき、本来シリコーンオイルがもつ自己消火性に加え
て、ポリエステルがシリコーンオイルと反応することで
溶融滴下を防止するものと推定される。
【0017】重合を終える前にポリエステルに混合する
こともできるが、この場合ポリエステルと反応してポリ
エステル組成物中で実質的に官能基がなくなってしまう
ため官能基のないシリコーンオイルと同様に特開昭61
−266614号公報のように逆に燃焼時に溶融滴下を
促進させたり、そればかりかポリエステルとシリコーン
オイルの架橋構造が生じて製糸性を著しく低下させる
等、新たな問題が生じるようになる。
【0018】シリコーンオイルを重合終了段階のポリエ
ステルに混合した場合でも、官能基の種類によっては、
シリコーンオイルの混合時あるいは製糸時などポリエス
テルの溶融段階でエステル交換反応が生起し、一部ポリ
マ鎖に取り込まれることがあるが、官能基をもつシリコ
ーンオイルの大半はポリエステル中に未反応のままの状
態で残るため、ポリエステル樹脂組成物の段階で官能基
が0.3モル/t以上となるようにすればよい。
【0019】本発明のリン化合物の添加混合は、一旦チ
ップ化した後再溶融したポリエステルに添加、混合させ
ることも、連続重合したポリエステルに直接定量的に供
給することも、また、ポリエステルと本リン化合物をド
ライブレンド後溶融混合することもできる。また、ベー
スポリエステルから枝分岐して本リン化合物を混合して
得たマスターのポリエステルを再度ベースポリエステル
と最適量混合して紡糸しても良く、マスターのポリエス
テルのままチップ状、または溶融計量後にベースポリエ
ステルと混合して紡糸する方法も採用することができ
る。このため少量多品種の耐炎化が可能となり生産効率
の向上、コストダウンが見込まれる。
【0020】また、本リン化合物をポリエステルの重縮
合反応開始前あるいは終了前に反応系へ添加することも
できるが、この場合、ポリエステルが着色したり反応系
よりリン化合物が飛散する等の問題がある。また、特開
昭59−193920公報記載のように本リン化合物を
ポリエステルの重縮合反応中に添加する方法では作業の
繁雑および重縮合反応が延長され生産性が低下する。
【0021】本発明のポリエステル樹脂組成物からなる
ポリエステル繊維を得るためには、各添加物を前述のよ
うに個別に添加することもできるが、以下のように一括
添加することが、作業の繁雑を回避するために好まし
い。 .ポリエステルにシリコーンオイルおよびリン化合物
の所定量を混合し、一旦チップ化した後、製糸する。 .ポリエステルにシリコーンオイルおよびリン化合物
の所定量を混合しながら直接製糸する。 .ポリエステルにシリコーンオイルおよびリン化合物
を高濃度で混合し、それをマスターポリマとしてチップ
化するか溶融状態のまま通常のポリエステルにブレンド
することにより希釈しながら製糸する。 .シリコーンオイルの所定量を混合したポリエステル
チップおよび有機リン化合物の所定量を混合したポリエ
ステルチップをブレンドし製糸する。 .〜で得た本発明のポリエステル樹脂組成物を一
成分とし、本発明のシリコーンオイルおよびリン化合物
を含有しないポリエステルを他成分として複合紡糸、混
繊、あるいはステープルとする場合は混合紡績などによ
り多成分繊維構造物とする。この多成分繊維構造物にお
いて、シリコーンオイルの官能基は構造物全体として官
能基が0.3モル/tとなるようにすればよく、また、
有機リン化合物のリン含量も上記範囲量とすればよい。
【0022】上記混合操作に際しては混合機にて実施す
ることが好ましい。混合機としては、単軸押出機、二軸
押出機、多段押出機などが好ましく使用でき、二軸以上
の押出機は同方向回転、異方向回転でも非かみ合い型、
かみ合い型いずれでも構わない。また、必要に応じて静
止混練機によりさらに均一混合することもできる。
【0023】なお、この際の繊維断面は通常の丸断面の
他に、三角、四角、多角、偏平、中空断面などの異形断
面とすることができる。
【0024】また、製糸においては、紡出糸条を一旦巻
き取った後延伸する、紡出糸条を巻き取ることなく延伸
する、あるいは高速紡出する等、いずれの方法でも採用
することができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例をより挙げて本発明を具体的に
説明する。なお、実施例中のポリエステル繊維の測定法
は次のとおりである。
【0026】(1)ポリエステルの極限粘度 o−クロロフェノールに溶解し、25℃で測定した。
【0027】(2)ポリエステルの融点 パーキンエルマ社製示差走査型熱量計DSC−2型を用
い昇温速度20℃/分で測定した融解吸熱曲線の極値を
与える温度を融点とした。
【0028】(3)リン含量、シリコーン含量 蛍光X線法により求めた。
【0029】(4)シリコーンオイルの官能基の存在量 ポリエステル樹脂組成物または繊維を溶解、あるいはポ
リエステル樹脂組成物または繊維を溶解しシリコーンオ
イルを抽出してから、それぞれ公知の官能基滴量法によ
り求めた。
【0030】(5)延伸糸の強度および伸度 東洋ボールドウイン社製テンシロンUTM−4型で測定
した。
【0031】(6)延伸糸の沸水収縮率 98℃沸騰水中で15分間処理し、処理前の長さに対す
る処理前後の長さの差の割合より求めた。
【0032】(7)耐炎性 JIS L−1091 D法(45度コイル法)により
筒編地試料を接炎回数(試料5個の平均点火回数)とそ
の消火時の溶融滴下防止性で評価した。 なお、後
者は下記の4段階で示した。 ◎:溶融滴下せず筒編地の原形を止めて炭化した。 ○:溶融滴下はしなかったが、筒編地の原形を止めなか
った。 △:5試料のうち1個だけ溶融滴下した。 ×:5試料のうち2個以上溶融滴下した。
【0033】実施例1 260℃に設定した東芝機械社製一軸押出機において、
常法の重縮合反応により得られたポリエチレンテレフタ
レート(極限粘度0.68dl/g)チップ88.8重
量部に側鎖にカルボキシル基を8.0モル/t有するシ
リコーンオイル3.2重量部と前記一般式のリン化合物
でR1 、R2 がメタキシリル基、R3 がメタフェニレン
基のリン化合物(A)8.0重量部を添加して混合し
た。
【0034】これを、孔径0.17mmの18ホール口
金、100メッシュサンドおよび絶対ろ過径が10μm
のステンレス製不織布フィルターを用い、紡糸温度30
0℃、35cmの保温ゾーン、50cmの冷却ゾーンを通過
させ、冷却ゾーン直後に油剤を付与して、紡糸速度15
00m/分で引き取った。続いて延伸糸の残留伸度が3
5%程度となる延伸倍率、85℃ホットロール、150
℃熱板を用いることにより50デニール18フィラメン
トの延伸糸を得た。この延伸糸の極限粘度は0.66d
l/gであり、延伸糸中のシリコーンオイル含有量、官
能基の存在量、強度、伸度、収縮率、および耐炎性を表
1に示すが、良好な延伸糸物性であり、燃焼時の溶融滴
下は全く生じなかった。
【0035】比較例1 比較例1では下記の共重合型リン化合物(F)を重縮合
反応時に添加した以外は、実施例1と同様にして延伸糸
を得た。延伸糸は低融点、高収縮率であって耐熱性、熱
セット性に劣るものであった。
【0036】
【表1】 実施例2〜5、比較例2 実施例2〜5、比較例2、ではシリコーンオイルの含有
量を変更した以外は実施例1と同様にして延伸糸を得
た。シリコーンオイルの官能基存在量が0.3モル/t
以下では溶融滴下が激しかった。また、含有量が増加す
るにともない強度は低下する傾向にあった。
【0037】実施例6〜9 実施例6、7では、シリコーンオイルの官能基をそれぞ
れエポキシ基、ヒドロキシル基に変更、また実施例8、
9では、ヒドロキシル基の置換位置を両末端、片末端に
変更以外は実施例1と同様にして延伸糸を得た。官能基
を変更しても燃焼時の溶融滴下がなく、良好な力学特性
であった。また、官能基の置換位置は側鎖にあるほうが
溶融滴下防止効果はより良好であった。
【0038】実施例10〜13、比較例4、5 リン化合物(A)の添加量を変更した以外は実施例1と
同様にして延伸糸を得た。リン含有量が0.1重量%未
満では接炎回数が3.0回に未達となり、また、3.0
重量%を越えると強度の低下が大きかった。
【0039】実施例14〜17 リン化合物を変更した以外は実施例1と同様にして延伸
糸を得た。いずれも燃焼時の溶融滴下がなく、良好な力
学特性であった。
【0040】表1における有機リン化合物の化学構造は
次のとおりである。
【0041】
【化4】 実施例18 官能基がエポキシ基であるシリコーンオイル5.0重量
部とリン化合物(A)35重量部をポリエステルに添加
して、得られた高濃度マスターポリマをチップ化し通常
のポリエステルとそれぞれ1:9の重量比でブレンドし
て製糸した以外は実施例1と同様にして延伸糸を得た。
良好な力学特性であり燃焼時の溶融滴下がなかった。
【0042】実施例19 実施例18で得られた高濃度マスターポリマと通常のポ
リエステルをそれぞれ鞘、芯成分として1:1の重量比
で複合紡糸した以外は実施例1と同様にして延伸糸を得
た。燃焼時の溶融滴下がなく、良好な力学特性であっ
た。
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明のポリエステル樹脂組成物および
それからなる繊維は、燃焼時に有毒ガスを発生せず溶融
滴下が生じない耐炎性を有している。このため実際に例
えば衣料として着用した場合、衣料の着火燃焼およびこ
れに伴う身体の火傷およびが周辺への延焼等も防止でき
る。さらに、強度、熱セット性、耐熱性が良好であり、
また、繊維製品の風合い共に良好である。
【0045】本発明のポリエステル繊維は、マルチフィ
ラメント、モノフィラメント、ステープルファイバーと
して好適であり、種々形態で他のポリエステル繊維や他
の天然繊維などと混用することができる。また、本発明
のポリエステル繊維は、耐熱性が良好であり仮撚加工や
撚糸加工にも好適である。
【0046】本発明のポリエステル繊維は、織物、編
物、不織布の一部や、植毛用繊維に用いることができ、
また、幼児、老人などの上着、下着、寝間着、ユニホー
ム、作業服、をはじめとした衣料ばかりでなく、カーペ
ット、カーテン、壁張地、車両用座席シートなどのイン
テリア製品や、フトン綿、テントなどの寝装用品、人工
毛髪などにも適用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/92 309 D01F 6/92 309

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 官能基をポリエステル樹脂組成物中に
    0.3〜50モル/t有するシリコーンオイルと下記一
    般式(I)で表される有機リン化合物をリン含量として
    0.1〜3.0重量%含有することを特徴とする繊維用
    ポリエステル樹脂組成物。 【化1】
  2. 【請求項2】 シリコーンオイルの含有量を5.0重量
    %以下とすることを特徴とする請求項1に記載の繊維用
    ポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 シリコーンオイルが官能基を側鎖に有す
    ることを特徴とする請求項1または2記載の繊維用ポリ
    エステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポ
    リエステル樹脂組成物からなる繊維。
JP7393996A 1996-03-28 1996-03-28 繊維用ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる繊維 Pending JPH09268423A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1327635A1 (en) * 2002-01-06 2003-07-16 Bromine Compounds Ltd. Preparation of phenylphosphate esters of 4,4'-biphenol
WO2003089442A1 (en) * 2002-04-22 2003-10-30 Songwon Industrial Co., Ltd. A method of preparing phosphoric ester

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EP1327635A1 (en) * 2002-01-06 2003-07-16 Bromine Compounds Ltd. Preparation of phenylphosphate esters of 4,4'-biphenol
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