JPH09267464A - レーザーダイレクト製版用平版刷版材およびそれを用いる印刷方法 - Google Patents

レーザーダイレクト製版用平版刷版材およびそれを用いる印刷方法

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JPH09267464A
JPH09267464A JP7887696A JP7887696A JPH09267464A JP H09267464 A JPH09267464 A JP H09267464A JP 7887696 A JP7887696 A JP 7887696A JP 7887696 A JP7887696 A JP 7887696A JP H09267464 A JPH09267464 A JP H09267464A
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JP
Japan
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laser
ink
plate material
treatment
plate
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Application number
JP7887696A
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English (en)
Inventor
Katsuji Konishi
克次 古西
Hiroyuki Hiraoka
弘之 平岡
Yasuyuki Takimoto
靖之 滝本
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現像処理工程の不要なレーザーダイレクト製
版用平版刷版材の提供。 【解決手段】 親水化処理または撥インキ化処理を施し
た金属表面を有する支持体の処理表面にパルス発振レー
ザーを照射することにより、照射された表面がインキ付
着性となることを特徴とするレーザーダイレクト製版用
平版刷版材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、親水化処理または撥イ
ンキ化処理を施した金属表面を有する支持体の処理表面
にパルス発振レーザーを照射することにより、照射され
た表面がインキ付着性となることを特徴とするレーザー
ダイレクト製版用平版刷版材およびそれを用いた印刷方
法に関する。本発明の製版方法はオフセット印刷版を製
版するときに使用されるものであって、一般商業印刷、
新聞印刷、包装材印刷など従来のオフセット印刷市場で
利用できる。
【0002】
【従来の技術】印刷方式には、凸版印刷、オフセット印
刷が主体である平版印刷、グラビア印刷に代表される凹
版印刷、およびスクリーン印刷に大別される。このうち
オフセット印刷は全印刷産業中で80%をシェアーを占
めており、今後も需要の増加が期待されている。
【0003】オフセット印刷は、大部数の印刷が可能で
あり、有用である。ところが、オフセット印刷の領域で
は、技術革新は必ずしも速くない。オフセット印刷では
アルミ板上に感光乳剤を塗工した刷版(PS版と称する)
を使用する従来の製版方法が主流である。この製版方法
は水銀灯から発生する活性光線を製版用写真ネガチブを
通してPS版面へ露光した後、現像液で非露光部あるい
は露光部の感光乳剤を除去、即ち現像し、印刷用画線を
形成させ、印刷物生産に供するための刷版を製作する。
数年来、製版コストの低減化、製版時間の短縮、現像廃
液の処理負担の軽減化など印刷業界の抱えている問題点
に対処することを目的に、コンピューターからの画像情
報を直接版材へ書き込むコンピュータ・トウ・プレート
システムが提案されている。ところが、上述の現行製版
方法からコンピュータ・トウ・プレートシステムへの変
換は遅れている。
【0004】コンピュータ・トウ・プレートシステムへ
の変換を加速するための要件としては、(1)コンピュー
タ内に記録された印刷画像情報が刷版上に直接再現でき
ること、(2)得られた刷版はPS版と同等もしくはそれ
を上回る印刷適性、耐刷性をもつこと、(3)現像工程で
廃液が発生しないこと、(4)労働衛生、自然環境保全が
確保できるものであること、(5)従来の生産工程の大幅
な変更が必要でないこと、(6)既存の印刷機械、付属設
備が使用でき、新規設備投資が少額であること、などで
ある。現在このような要件を満足させるコンピュータ・
トウ・プレートシステムは発表されていない。
【0005】上述の要件を満足し、しかも現像処理工程
が不要な平版印刷板がいくつか提案されている。
【0006】例えば、親油性又は親水性に処理されたプ
レート上にインクジェット方式により熱可塑性樹脂を付
着させたものが提案されている。しかしこのものは印刷
物に連続諧調を形成するだけ十分小さなインキ小滴を形
成する事が出来ない。すなわちインクジェット方式にお
ける機械上の改良では、解像度の十分なものが得られて
いないのが現状である。
【0007】また、火花放電技術を用いて湿式、又は乾
式のオフセット印刷版を製版するものがある(特開平4
−312890号)。このものは電極と導電性をもつ板
上との間を一定間隔にたもって火花放電をおこさせる必
要があり、一定間隔を保つ制御技術が必要である。ま
た、放電される一つ一つの円形の点には広がりがあり、
点が重なることがある。この挙動は焼け過ぎ(オーバー
ラン)とよばれており、材料面での工夫が必要になって
くる。その例として特表平4−501833号がある。
また、放電される版表面が導電性でない場合、版表面も
破壊する必要があり、また電界は版表面または媒質中に
よって起こる変化のためにゆがめられて、不規則な火花
放電経路をたどる。したがって、火花放電技術では所望
の点を得る事がむずかしい。
【0008】更に、赤外線レーザーを用いて湿式、又は
乾式のオフセット印刷版を製版するものがある。比較的
安価なレーザー設備で効果的なイメージングを付与する
事が出来る(特開平6−186750号及び特開平6−
199064号)。しかし、赤外線吸収層が熱により溶
融除去された後、版表面上にある他の層を溶剤などのし
かるべき方法で除去する必要がある。溶剤を使用する
為、湿式現像になり、かつ取り除くための時間がかか
る。これを防ぐために熱により分解し揮発するものをも
ちいることが考えられるが、分解物が多く、環境上の心
配や、十分に取り除くために非常に強い出力を有する高
出力のレーザーが必要になってくる。また取扱いを考え
ると赤外線レーザー光は無色で目に見えないために安全
を考慮する必要がある。また、最上部に撥インキ化層を
有し、その下にチタン金属層を有する支持体に近赤外領
域(700〜1500nm)の赤外線レーザーを照射する湿
式、又は乾式のオフセット印刷版を提供するものがある
(特開平7−314934号)。これは赤外線レーザー照
射によりチタン金属層に赤外線を吸収させチタンをアブ
レーションさせ、さらに最上部の撥インキ化層を弱体化
させ、容易に除去される状態になった後、最上部を洗浄
工程で除去する必要があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低い電力レ
ベルから中位の電力レベルで動作する、小型で、比較的
安価なパルスレーザー設備を用いて、迅速で効果的に作
成できる現像処理工程不要の平版刷版材を提供する。こ
の平版刷版材は、コンピュータ・トウ・プレートにおい
て、印刷産業界の技術革新に貢献できるものと考える。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、親水化処理ま
たは撥インキ化処理を施した金属表面を有する支持体の
処理表面にパルス発振レーザーを照射することにより、
照射された表面がインキ付着性となることを特徴とする
レーザーダイレクト製版用平版刷版材を提供する。
【0011】また本発明は、上述する版材にパルスレー
ザー光を画像に応じて照射し、次いで平版印刷インキを
版材の照射部位上に付着させ、印刷を行うオフセット印
刷方法を提供する。
【0012】本発明は、印刷コストの低減、製版時間の
短縮、製版環境の汚染の防止などの効果をもたらすもの
である。
【0013】本発明の平版印刷方法では、親水化処理の
場合と撥インキ化処理の場合とでは、その原理が異な
る。親水化処理を施した場合には、パルス発振レーザー
を照射した部分は親水性が失われると共にインキ付着性
になり、レーザーが照射されない部分は親水性が保持さ
れる。印刷時には、まず水を印刷材に供給して、親水性
部分に水が保持されるが、インキ付着性部分には水がほ
とんど保持されない。そこに油性インキを供給すると、
インキ付着性部分にのみインキが存在して、印刷が可能
となる。この方法を一般的に湿式印刷方法といい、使用
する版材をコンベンショナル平版という。予め水を供給
するのは、水が無い場合、親水性部分にもインキが残る
からである。撥インキ化処理の場合、パルス発振レーザ
ーを照射した部分は撥インキ性がなくなると共にインキ
付着性になり、印刷が可能となる。この場合は撥インキ
化処理層は高い撥インキ性を有しているので、水などの
供給は不要である。この方式は乾式印刷方式で、使用す
る版材は水なし平版という。
【0014】親水化処理は親水性物質を塗布することに
より行われ、親水性物質としては無機系のものおよび有
機のもののいずれであってもよく、例えば、ポリビニル
ホスホン酸、ポリビニルスルホン酸、アルカリ金属シリ
ケート、有機ポリ酸(例えば、ポリアクリル酸、ポリメ
タクリル酸、ポリマレイン酸など)、水溶性金属塩(例え
ば、酢酸亜鉛など)を含む親水性セルロース(例えば、カ
ルボキシメチルセルロースなど)、ポリアクリルアミ
ド、トリヒドロキシベンザルカルボン酸、リンタングス
テン酸、ポリビニルアルコールと水溶性コロイド(例え
ば、アラビア・ゴム、カルボキシメチルセルロース、デ
キストリンなど)の混合物、リン酸エステルポリマー、
フッ化ジルコン酸塩等が挙げられる。特に、ポリビニル
ホスホン酸、ポリビニルスルホン酸およびアルカリ金属
シリケートが好ましい。上記親水性物質の溶液(例え
ば、水溶液)を通常の方法で塗布することにより行われ
る。親水性物質が金属表面に化学的に付着する場合は塗
布後水洗してもかまわない。親水化処理により水との接
触角が20度、好ましくは10度以下になるようにする
のが好適である。水との接触角が20度を越えると、オ
フセット印刷が難しくなる傾向がある。
【0015】撥インキ化処理はフッ素樹脂やシリコーン
等の撥水撥油物質の塗布により行われる。撥インキ化処
理は撥水撥油化処理とも考えられる。フッ素樹脂として
は、ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエ
チレン、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロ
ピレンを共重合させた物、パーフルオロアルキル基(Cn
2n+1-)を有する不飽和化合物の単独重合体及び他の重
合可能な不飽和化物との共重合体などが挙げられる。シ
リコーンとしては、シリコーンゴムが好ましく、ベース
ポリマーの線状ジオルガノポリシロキサンを部分的に架
橋させることによって得られる。例えば、シラノール基
末端ポリジメチルシロキサンと多官能シランとの縮合型
シリコーンゴム、シラノール基末端ポリジメチルシロキ
サンおよびポリメチルヒドロシロキサンと多官能シラン
との縮合型シリコーンゴム、ビニルジメチル末端ポリジ
メチルシロキサンとポリメチルヒドロシロキサンとの付
加型シリコーンゴムなどが挙げられる。これらの樹脂は
通常適当な溶剤に溶解した後、塗布される。好適なコー
ティング材料の一つとしては商品名SRX−290(東
レ・ダウコーニング・シリコーン社製)と商品名SRX
−242AC(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)
からなるシリコーン硬化剥離材がある。
【0016】上記親水化処理または撥インキ化処理は金
属表面を有する支持体の金属表面に行われる。「金属表
面を有する支持体」とは非金属の支持体上に金属を蒸着
またはその他の方法で被着したもののみならず、支持体
全体が金属である金属プレート等も含む概念である。金
属表面は酸化された金属であってもよい。金属としては
アルミニウム、亜鉛、クロム、ステンレス、銅、スズ、
ニッケル等が挙げられる。金属表面は親水化処理層や撥
インキ化処理層との定着性を高めるために、粗面化処
理、陽極酸化またはプラズマ処理を行ってもよい。非金
属支持体の例としては、プラスチック(例えば、ポリエ
チレンテレフタレートやポリプロピレン)や紙が挙げら
れる。
【0017】上記のような親水化処理または撥インキ化
処理表面を有する金属表面を有する支持体の処理表面に
パルスレーザーを照射すると、照射された表面はインキ
付着性に変化する。照射された表面の変化がどのように
なってインキ付着性になるかその理由は明かではない
が、パルス発振レーザーにより高エネルギーが瞬時に与
えられたとき、支持体表面に急速に高熱が発生し表面の
親水性物質あるいは撥インキ性物質を化学的に変化させ
たり、アブレーションにより除去されたり、アブレーシ
ョンにより露出した金属面が酸化されることなどが考え
られる。レーザーの照射エネルギー密度を低くするため
には親水化処理層または撥インキ化処理層はその性能を
有する薄い層であればよい。
【0018】従来技術における近赤外レーザー光を照射
する方法では、近赤外領域の(700〜1500nm)レー
ザー光を照射することにより赤外吸収層をアブレーショ
ンし、撥インキ化層を後工程の洗浄により取り除く必要
がある。本発明は、パルス発振レーザー光を照射するだ
けで、後工程を必要とせず、インキ付着性を付与するこ
とが可能となる利点がある。従来技術には、赤外線吸収
層としてチタン金属層を有するものがあるが、本発明は
金属を特に限定しない。しかし、本発明の親水化処理層
または撥インキ化処理層に接する好ましい金属としては
アルミニウム、亜鉛、クロム、ステンレス、銅、スズ、
ニッケルがあげられる。
【0019】本発明では、現像工程不要の刷版材を形成
するために、パルス発振レーザーをもちいる。パルス発
振レーザーは、波長193〜1500nmの範囲内で使用
可能で、波長選択性がない。すなわち、処理された金属
面がパルス発振レーザーにより高エネルギーが与えら
れ、発生する熱によって照射前の性質とは異なる表面が
得られるとも考えられる。特に好ましいパルス発振レー
ザーの条件は、波長193〜700nm、発振時間が5〜
50ナノ秒で、パルス周波数10Hzでは266nmの出
力が10〜50mW、パルス周波数50Hzでは266nm
の出力が50〜100mW、パルス周波数100Hzでは
266nmの出力が0.1〜1Wおよび1KHzでは266
nmの出力が1〜10Wである。発振時間が上記の範囲で
あれば1パルスのピークエネルギーは大きく、表面を変
化させるのに十分なエネルギーがえられる。レーザー波
長の増大と共に、必要とする出力も増加する。例えば、
パルス周波数10Hzでは355nmの出力が20〜50m
W、553nmの出力が50〜100mW、1065nmの
出力が75〜150mWであることが好ましい。
【0020】またパルスであるために出力としては上記
の範囲のレベルでよく、この範囲であればレーザー光源
も小さく、かつ安価である。波長として700〜150
0nmの赤外レーザーを使用することも可能であるが、1
93〜700nmに比べると、レーザー光が目視できない
ため取扱い上あるいは安全性の面での問題がある。ま
た、赤外レーザーの場合、使用する量も大きく、かつエ
ネルギーの損失も大きくなる。
【0021】使用可能なパルス発振レーザーとしては、
Nd:YAGレーザー、エキシマレーザー、チタン−サフ
ァイアーレーザー、窒素ガスレーザー、銅ガスレーザ
ー、ガリウム−砒素半導体レーザーがある。メインテナ
ンスの容易さ、汎用性、運転コストからみてガスレーザ
ーよりも、固体レーザーの方が好ましい。
【0022】親水化処理または撥インキ化処理によって
できる層は薄い程良い。なぜならば、パルス発振レーザ
ーで照射されるエネルギーは少なくてすむ。
【0023】版材表面への画像形成は具体的には、レー
ザー光を印刷画像情報に応答させて版材表面に走査露光
することによって行うのが好ましい。この場合、画像情
報がコンピューターに入力されており、その情報に基づ
いて、走査露光する。
【0024】版材表面に画像を形成する他の方法とし
て、画像に応じて加工したマスクを版材に重ねて、その
上からレーザー光を照射する方法がある。マスクとして
は、印刷用写真ネガチブ及び金属マスクなどが用いられ
る。
【0025】
【実施例】以下の実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されない。尚、特に断
らない限り、「部」は重量基準である。また、版材の走査
露光方法は版材を移動テーブルにて、1cm/secの速度で
動かして行い、実施例に示した実験では、パルスレーザ
ーのパルス周波数は10Hzとした。
【0026】実施例1 表面を粗面化し、陽極酸化されたアルミ支持体にポリビ
ニルホスホン酸の2%水−メタノール混合溶液(水/メ
タノール=1/3)をバーコーター#10で塗布し、8
0℃で4分乾燥した。その板を1分間水洗して余分のポ
リビニルホスホン酸を除去し、80℃で5分乾燥した。
Nd:YAGレーザー(第4同期モード 266nm、スペ
クトラ・フィジックス(Spectra Physics)社製、クワン
タ・レイ(Quanta-Ray)GCR−4)を用いて光源強度1
5mW、エネルギー密度150mJ/cm2、パルス幅15nse
cでこの板を走査露光した。湿し水として水道水/酸性
エッチ液(商品名:EUー3、富士写真フィルム社製)/
IPA(イソプロパノール)=1650/16.7/18
5.3を使用し、インキとして藍インキ(商品名:New C
hampion F Gloss 59藍、大日本インキ社製)を使用し、
オフセット印刷機(商品名:ハマダスター700CDX、ハマ
ダ印刷機社製)で印刷を行った。印刷品質及び評価は表
1に示した。
【0027】実施例2 表面を粗面化し、陽極酸化されたアルミ支持体にポリビ
ニルホスホン酸の2%水−メタノール混合溶液(水/メ
タノール=1/3)をバーコーター#10で塗布し、8
0℃で4分乾燥した。その板を1分間水洗して余分のポ
リビニルホスホン酸を除去し80℃で5分乾燥した。N
d:YAGレーザー(第3同期モード 355nm、スペク
トラ・フィジックス(Spectra Physics)社製、クワンタ
・レイ(Quanta-Ray)GCR−4)を用いて光源強度17m
W、エネルギー密度170mJ/cm2、パルス幅15nsecで
この板を走査露光した。この版を実施例1と同様にして
印刷を行った。印刷品質及び評価は表1に示した。
【0028】実施例3 表面を粗面化し、陽極酸化されたアルミ支持体にポリビ
ニルホスホン酸の2%水−メタノール混合溶液(水/メ
タノール=1/3)をバーコーター#10で塗布し、8
0℃で4分乾燥した。その板を1分間水洗して余分のポ
リビニルホスホン酸を除去し、80℃で5分乾燥した。
Nd:YAGレーザー(第2同期モード 533nm、スペ
クトラ・フィジックス(Spectra Physics)社製、クワン
タ・レイ(Quanta-Ray)GCR−4)を用いて光源強度3
5mW、エネルギー密度350mJ/cm2、パルス幅15nse
cでこの板を走査露光した。この版を実施例1と同様に
して印刷を行った。印刷品質及び評価は表1に示した。
【0029】実施例4 表面を粗面化し、陽極酸化されたアルミ支持体にポリビ
ニルホスホン酸の2%水−メタノール混合溶液(水/メ
タノール=1/3)をバーコーター#10で塗布し、8
0℃で4分乾燥した。その板を1分間水洗して余分のポ
リビニルホスホン酸を除去し80℃で5分乾燥した。N
d:YAGレーザー(発振波長 1065nm、スペクトラ・
フィジックス(Spectra Physics)社製、クワンタ・レイ
(Quanta-Ray)GCR−4)を用いて光源強度75mW、エ
ネルギー密度750mJ/cm2、パルス幅15nsecでこの板
を走査露光した。レーザー光が照射された部分はインキ
付着性が悪かった。また照射部と非照射部の境目がシャ
ープでなかった。この版を実施例1と同様にして印刷を
行った。印刷品質及び評価は表1に示した。
【0030】実施例5 表面を粗面化し、陽極酸化されたアルミ支持体にポリビ
ニルホスホン酸の2%水−メタノール混合溶液(水/メ
タノール=1/3)をバーコーター#10で塗布し、8
0℃で4分乾燥した。その板を1分間水洗して余分のポ
リビニルホスホン酸を除去し80℃で5分乾燥した。A
rFレーザー(発振波長 193nm、ラムダ・フィジッ
ク(Lambda Physik)社製)を用いて光源強度15mW、エ
ネルギー密度150mJ/cm2、パルス幅15nsecでこの板
を走査露光した。この版を実施例1と同様にして印刷を
行った。印刷品質及び評価は表1に示した。
【0031】実施例6 表面を粗面化し、陽極酸化されたアルミ支持体を2号珪
酸ソーダの3%水溶液に80℃で1分間浸積し、水洗し
て余分の珪酸ソーダをおとした後、80℃で5分乾燥し
た。Nd:YAGレーザー(第4同期モード 266nm、
スペクトラ・フィジックス(Spectra Physics)社製、ク
ワンタ・レイ(Quanta-Ray)GCR−4)を用いて光源強
度15mW、エネルギー密度150mJ/cm2、パルス幅1
5nsecでこの板を走査露光した。この版を実施例1と同
様にして印刷を行った。印刷品質及び評価は表1に示し
た。
【0032】実施例7 表面を粗面化し、陽極酸化されたアルミ支持体にポリビ
ニルスルホン酸の2%水−メタノール混合溶液(水/メ
タノール=1/3)をバーコーター#10で塗布し、8
0℃で4分乾燥した。その板を1分間水洗して余分のポ
リビニルスルホン酸を除去し80℃で5分乾燥した。N
d:YAGレーザー(第4同期モード 266nm、スペク
トラ・フィジックス(Spectra Physics)社製、クワンタ
・レイ(Quanta-Ray)GCR−4)を用いて光源強度15m
W、エネルギー密度150mJ/cm2、パルス幅15nsecで
この板を走査露光した。この版を実施例1と同様にして
印刷を行った。印刷品質及び評価は表1に示した。
【0033】実施例8 亜鉛メッキ表面をもつ鉄支持体にポリビニルホスホン酸
の2%水−メタノール混合溶液(水/メタノール=1/
3)をバーコーター#10で塗布し、80℃で4分乾燥
した。その板を1分間水洗して余分のポリビニルホスホ
ン酸を除去し80℃で5分乾燥した。Nd:YAGレーザ
ー(第4同期モード 266nm、スペクトラ・フィジック
ス(Spectra Physics)社製、クワンタ・レイ(Quanta-Ra
y)GCR−4)を用いて光源強度15mW、エネルギー密
度150mJ/cm2、パルス幅15nsecでこの板を走査露光
した。この版を実施例1と同様にして印刷を行った。印
刷品質及び評価は表1に示した。
【0034】実施例9 ステンレス支持体にポリビニルホスホン酸の2%水−メ
タノール混合溶液(水/メタノール=1/3)をバーコー
ター#10で塗布し、80℃で4分乾燥した。その板を
1分間水洗して余分のポリビニルホスホン酸を除去し8
0℃で5分乾燥した。Nd:YAGレーザー(第4同期モ
ード 266nm、スペクトラ・フィジックス(Spectra Ph
ysics)社製、クワンタ・レイ(Quanta-Ray)GCR−4)
を用いて光源強度15mW、エネルギー密度150mJ/cm
2、パルス幅15nsecでこの板を走査露光した。この版
を実施例1と同様にして印刷を行った。印刷品質及び評
価は表1に示した。
【0035】実施例10 クロムメッキ表面をもつ鉄支持体にポリビニルホスホン
酸の2%水−メタノール混合溶液(水/メタノール=1
/3)をバーコーター#10で塗布し、80℃で4分乾
燥した。その板を1分間水洗して余分のポリビニルホス
ホン酸を除去し80℃で5分乾燥した。Nd:YAGレー
ザー(第4同期モード 266nm、スペクトラ・フィジッ
クス(Spectra Physics)社製、クワンタ・レイ(Quanta-R
ay)GCR−4)を用いて光源強度15mW、エネルギー
密度150mJ/cm2、パルス幅15nsecでこの板を走査露
光した。この版を実施例1と同様にして印刷を行った。
印刷品質及び評価は表1に示した。
【0036】実施例11 表面が平坦なアルミ支持体に次の配合を シリコーン SRX-290 (東レ・タ゛ウコーニンク゛・シリコーン社製) :100 触媒 SRX-242AC(東レ・タ゛ウコーニンク゛・シリコーン社製) : 5 シランカッフ゜リンク゛剤 SZ6020(東レ・タ゛ウコーニンク゛・シリコーン社製): 0.09 トルエン :494.91 バーコーター#7で塗布し、130℃で20秒間乾燥し
た。Nd:YAGレーザー(第4同期モード 266nm、
スペクトラ・フィジックス(Spectra Physics)社製、ク
ワンタ・レイ(Quanta-Ray)GCR−4)を用いて光源強
度20mW、エネルギー密度200mJ/cm2、パルス幅1
5nsecでこの板を走査露光した。インキとして水無し平
版用黒インキ(商品名:ドライ オ カラー アーティス
墨、大日本インキ社製)を使用し、オフセット印刷機(商
品名:ハマダスター700CDX、ハマダ印刷機社製)で湿し
水を用いずに印刷を行った。印刷品質及び評価は表1に
示した。
【0037】実施例12 表面が平坦なポリエステルフィルムに次の配合を ホ゜リエステル接着剤 ハイホ゛ン7031L(日立化成ホ゜リマー社製) :40 硬化剤 タケネートD-101(武田薬品工業社製) : 2 シ゛フ゛チル錫シ゛ラウレート : 0.4 酢酸エチル :57.6 バーコーター#7で塗布し、90℃で5分乾燥した。そ
の上にアルミを300オンク゛ストローム蒸着した後、つぎの配合を シリコーン SRX-290 (東レ・タ゛ウコーニンク゛・シリコーン社製) :100 触媒 SRX-242AC(東レ・タ゛ウコーニンク゛・シリコーン社製) : 5 シランカッフ゜リンク゛剤 SZ6020(東レ・タ゛ウコーニンク゛・シリコーン社製): 0.09 トルエン :494.91 バーコーター#7で塗布し、130℃で20秒間乾燥し
た。Nd:YAGレーザー(第4同期モード 266nm、
スペクトラ・フィジックス(Spectra Physics)社製、ク
ワンタ・レイ(Quanta-Ray)GCR−4)を用いて光源強
度30mW、エネルギー密度300mJ/cm2、パルス幅1
5nsecでこの板を走査露光した。この版を実施例11と
同様にして印刷を行った。印刷品質及び評価は表1に示
した。
【0038】
【表1】 実施例No. インキ付着性1) 地汚れ2) 耐刷性3) 1 ○ ○ 8 2 ○ ○ 8 3 ○ ○ 5 4 △ ○ 2 5 ○ ○ 8 6 ○ ○ 7 7 ○ ○ 2 8 ○ ○ 1 9 ○ ○ 1 10 ○ ○ 3 11 △〜○ ○ 0.5 12 △〜○ ○ 0.5 1)レーザー光で照射された部分がインキで付着されたの度合いを目視で調べ た。 ○・・・全面付着 △・・・一部付着 ×・・・付着せず 2)印刷時の地汚れの有無を目視評価した。 ○・・・地汚れなし ×・・・地汚れあり 3)印刷可能部数を表し、数字単位は「万枚」である。 また、実施例1と4に示されているように、ポリビニル
ホスホン酸処理をしたアルミ板にパルスレーザーを照射
した場合、エネルギー密度の高い赤外レーザー光(10
65nm)を照射する実施例4よりもエネルギー密度の低
い紫外レーザー光(266nm)を照射した実施例1の方が
照射部位のインキ付着性が高いことがうらずけられた。
また、インキのついたあとを観察すると紫外レーザー光
を照射した方が照射部位と非照射部位との境目のシャー
プ差がはっきりしていた。すなわち画像の解像度が高い
ことが言える。
【0039】また、アルミ板表面の照射前後のESCA
測定を行ったところ、紫外レーザー光(266nm)照射で
は照射前後でPのピーク強度は減少し、PおよびA1の
2p電子ピーク値は共に酸化により高い値にシフトする
が、赤外レーザー光(1065nm)照射ではこれらの電子
結合エネルギーの値にあまり大きな変化はなかった。な
お、ESCAの測定はX線源としてAI Kα線を照射し
てPの2p軌道のピーク値、およびAlの2p軌道のピ
ーク値を調べた。
【0040】
【発明の効果】印刷業界では印刷産業の近代化の一環と
して、製版工程の合理化、コスト低減、写真ネガフイル
ム保管量の低減などが望まれている。本発明は、この要
求を満足させるために工夫されたものであって、親水化
処理または撥インキ化処理を施した金属表面を有する支
持体表面にパルス発振レーザーを照射することにより、
照射された表面がインキ付着性となることを特徴とする
レーザーダイレクト製版用平版刷版材を提供することで
ある。すなわち、現像処理工程を必要としない刷版を提
供できることであって、印刷産業の発展に大いに役立つ
ものである。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水化処理または撥インキ化処理を施し
    た金属表面を有する支持体の処理表面にパルス発振レー
    ザーを照射することにより、照射された表面がインキ付
    着性となることを特徴とするレーザーダイレクト製版用
    平版刷版材。
  2. 【請求項2】 パルス発振レーザーが、Nd:YAGレー
    ザー、エキシマレーザー、チタン−サファイアーレーザ
    ー、窒素ガスレーザー、銅ガスレーザー、ガリウム−砒
    素半導体レーザーである請求項1記載の平版刷版材。
  3. 【請求項3】 パルス発振レーザーが波長193〜70
    0nmの範囲を有する請求項1記載の平版刷版材。
  4. 【請求項4】 親水化処理を施した前記支持体表面と水
    との接触角が10度以下であることを特徴とする請求項
    1記載の平版刷版材。
  5. 【請求項5】 親水化処理がポリビニルホスホン酸処
    理、ポリビニルスルホン酸処理またはシリケート処理で
    ある請求項1記載の平版刷版材。
  6. 【請求項6】 撥インキ化処理がシリコーンまたはフル
    オロポリマーを塗布することにより行われる請求項1記
    載の平版刷版材。
  7. 【請求項7】 金属表面がアルミニウム、亜鉛、クロ
    ム、ステンレス、銅、スズまたはニッケルである請求項
    1記載の平版刷版材。
  8. 【請求項8】 金属表面を有する支持体がアルミニウム
    板またはアルミニウム合金板である請求項1記載の平版
    刷版材。
  9. 【請求項9】 金属表面を有する支持体がアルミニウム
    金属表面をもつプラスチックフィルムあるいは紙である
    請求項1記載の平版刷版材。
  10. 【請求項10】 a)親水化処理または撥インキ化処理を
    施した金属表面を有する支持体を提供する工程; b)該支持体の処理表面を、パルス発振レーザー光で画像
    に応じて照射することにより、照射部分をインキ付着性
    にする工程;及び c)平版印刷用インキを支持体の処理表面に付与して印刷
    する工程;を含有するオフセット印刷方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005324338A (ja) * 2004-05-12 2005-11-24 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 感光性平版印刷版材料および画像形成方法
WO2019203263A1 (ja) 2018-04-19 2019-10-24 東レ株式会社 印刷版、印刷版の製造方法、およびそれを用いた印刷物の製造方法

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