JPH09264745A - 弾性表面波ジャイロスコープ - Google Patents

弾性表面波ジャイロスコープ

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JPH09264745A
JPH09264745A JP8077330A JP7733096A JPH09264745A JP H09264745 A JPH09264745 A JP H09264745A JP 8077330 A JP8077330 A JP 8077330A JP 7733096 A JP7733096 A JP 7733096A JP H09264745 A JPH09264745 A JP H09264745A
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JP
Japan
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surface acoustic
acoustic wave
electrode
piezoelectric substrate
detection electrode
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JP8077330A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Yugawa
和彦 湯川
Toshiro Higuchi
俊郎 樋口
Minoru Kurosawa
実 黒澤
Yoshichika Fukuda
祥愼 福田
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弾性表面波の影響を受けることなく正確なコ
リオリ力に対応する信号を検出する。 【解決手段】 圧電基板21の表面に駆動電極22と検
出電極23とを対向配置し、高周波電源3から駆動電極
22に高周波を印加して発生させた弾性表面波を検出電
極23に伝播する。圧電基板21がZ軸回りの回転運動
を行なうと、弾性表面波Wとの相互作用により90°位
相のずれたy軸方向のコリオリ力が発生し、この力は圧
電効果により電圧に変換されて検出電極23に表れる。
スイッチ回路5はディレイ回路4で生成された検出電極
23における弾性表面波Wと同相の高周波に基づき弾性
表面波Wの振幅が0となるタイミングで検出電極23の
電圧をサンプリングして積分器6に出力する。弾性表面
波Wの振幅が0となるタイミングで検出電極23の発生
電圧を抽出することにより弾性表面波Wの影響のない正
確なコリオリ力を検出できるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電基板の弾性表
面波による表面振動と圧電基板の回転運動との相互作用
により基板表面に発生するコリオリ力を検出する弾性表
面波ジャイロスコープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開平6−281465号
公報に示されるように、弾性表面波を用いたジャイロス
コープが提案されている。
【0003】上記公報には、圧電基板の一方表面に、コ
リオリ力を検出する1個の検出用電極を挟んで弾性表面
波を生成する一対の駆動用電極とこの駆動用電極の外側
に弾性表面波を検出用電極側に反射する一対の反射器用
電極とを相互に所定の位置関係で形成した弾性表面波ジ
ャイロスコープが示されている。
【0004】駆動用電極及び検出用電極は、同一ピッチ
(弾性表面波の波長の1/2)のすだれ状電極で構成さ
れている。各駆動用電極により発生された弾性表面波は
駆動用電極の両側から外方向きに進行するが、反射器用
電極により検出用電極側に反射されるため、反射器用電
極間に弾性表面波の定在波が生じるようになっている。
そして、検出用電極は、この弾性表面波の定在波に対し
て90°だけ空間的な位置がずれた位置に形成されてい
る。
【0005】上記弾性表面波ジャイロスコープは、圧電
基板の表面に弾性表面波の定在波を発生させた状態で、
この圧電基板が回転運動をすると、弾性表面波による振
動方向に対して垂直方向にこの弾性表面波と90°位相
のずれたコリオリ力による弾性波(定在波)が発生する
ので、検出用電極からこの弾性波により発生した電圧が
検出されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の弾性表面波
ジャイロスコープは、弾性表面波の定在波を発生させ、
この定在波の発生区間内で弾性表面波の駆動源である駆
動用電極とコリオリ力により発生する表面弾性波を検出
する検出用電極とを空間的に互いに90°位相をずらせ
て配置することにより弾性表面波と分離してコリオリ力
により発生する表面弾性波のみを検出するようにしてい
るので、検出精度が駆動用電極、検出用電極及び放射器
用電極の相互の位置関係の精度に依存し、弾性表面波ジ
ャイロスコープの製作が困難である。
【0007】すなわち、駆動用電極と検出用電極との空
間的な位相差が正確に90°になっていなければ、検出
用電極で検出される電圧に駆動電極により駆動された弾
性表面波に起因する電圧が含まれ、検出誤差の要因とな
る。また、反射器用電極の形成位置により反射特性が不
十分であると、励振モードが変化し、安定した定在波は
得られない。
【0008】また、弾性表面波の定在波を利用している
ので、駆動用電極の外側に多数のすだれ状電極からなる
大型の反射器用電極を設ける必要があり、圧電基板が大
型化する。
【0009】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、検出精度が高く、圧電基板の小型化が可能な弾
性表面波ジャイロスコープを提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、圧電基板の表
面を弾性表面波により所定周期で振動させ、この振動と
圧電基板の回転運動との相互作用により基板表面に発生
したコリオリ力を検出する弾性表面波ジャイロスコープ
において、上記圧電基板の表面に形成された第1の電極
部材と、上記弾性表面波を発生させるべく上記第1の電
極部材に印加される高周波を生成する高周波生成手段
と、上記圧電基板の表面の上記弾性表面波の伝播路上に
形成された第2の電極部材と、上記第2の電極部材の位
置において弾性表面波が零となるタイミングで上記第2
の電極部材に発生している電気信号をサンプリングし、
コリオリ力の検出信号として出力する信号出力手段とを
備えたものである(請求項1)。
【0011】上記構成によれば、第1の電極部材に高周
波を印加すると、圧電効果により基板表面に高周波と同
一周波数で振動する弾性表面波(駆動波)が発生し、第
2の電極部材側に伝播する。惰性表面波により基板表面
を振動させた状態で、圧電基板が回転運動を行なうと、
弾性表面波の波面と直交する面内にこの弾性表面波と9
0°位相のずれたコリオリ力に基づく弾性表面波(検出
波)が発生する。
【0012】圧電基板の第2の電極部材には圧電効果に
より弾性表面波とコリオリ力による弾性波とに起因して
電圧が発生する。第2の電極部材に発生した電圧は、弾
性表面波が0となるタイミング、すなわち、弾性表面波
により発生する電圧が最小となり、コリオリ力により発
生する電圧が最大となるタイミングでサンプリングさ
れ、このサンプリング信号が出力される。すなわち、弾
性表面波の影響を受けないタイミングでコリオリ力に起
因する電圧のみが抽出される。
【0013】また、本発明は、上記弾性表面波ジャイロ
スコープにおいて、上記信号出力手段から出力されるサ
ンプリング信号を予め設定された所定回数だけ積分する
積分手段を備えたものである(請求項2)。
【0014】上記構成によれば、各タイミングで抽出さ
れたサンプリング信号は所定回数だけ積分され、この積
分結果が積分毎に外部回路に出力される。すなわち、サ
ンプリング信号を積分することによりコリオリ力の検出
信号のレベルを大きくできる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る弾性表面波
ジャイロスコープの構成図である。ジャイロスコープ1
は、検出素子2、高周波電源3、ディレイ回路4、スイ
ッチ回路5、積分器6及びA/D変換器7から構成され
ている。
【0016】検出素子2は、コリオリ力を検出するもの
である。検出素子2は、横長長方形の圧電基板21の表
面の一方端部(図1では左端部)に弾性表面波を発生さ
せるための電極22(以下、駆動電極という。)が形成
され、他方端部にコリオリ力を検出するための電極23
(以下、検出電極という。)が形成されている。
【0017】圧電基板21は、例えばチタン酸ジルコン
酸鉛(PbTiO3,PbZrO3)、LiNbO3、L
iTaO3等の圧電効果を有する部材からなる。駆動電
極22及び検出電極23は、一対の指形の電極を互いに
交叉してなるすだれ状電極で構成され、駆動電極22の
両櫛形電極22A,22Bには上記高周波電源3が接続
されている。また、検出電極23は、一方の櫛形電極2
3Aがスイッチ回路5に接続され、他方の櫛形電極23
がGNDに接続されている。
【0018】高周波電源3は、駆動電極22の電極ピッ
チλ(図2参照)の波長を有する高周波を発生するもの
である。駆動電極22の櫛形電極22A,22B間に高
周波が印加されると、図2に示すように、圧電効果によ
り圧電基板21の表面に波長λの弾性表面波Wが発生
し、この弾性表面波Wは駆動電極22の両側から基板の
横方向に進行する。
【0019】なお、弾性表面波Wの周波数は、駆動電極
22の電極ピッチλで決定され、適宜の周波数を選定す
ることができる。すだれ状電極の加工技術や製造コスト
等により高周波化には一定の制約があり、通常、10〜
100MHzの周波数が利用されるが、技術的には1〜
数GHzの高周波を利用することも可能である。
【0020】例えばレイリー波の場合、基板表面に垂直
な方向と進行方向とに変位成分を有し、圧電基板21の
表面における各粒子は、図3に示すように、進行方向に
対した逆回転する楕円軌道を描いて変位している。この
楕円軌道の大きさは、圧電基板21の深さ方向に小さく
なっており、レイリー波のエネルギーの大部分は、深さ
方向1波長以内に集中しているので、表面波となって進
行方向に伝播される。
【0021】検出電極23は、駆動電極22と同一の電
極ピッチλを有し、本実施の形態では駆動電極22に対
して空間的に90°位相がずれた位置に形成されてい
る。空間的に90°位相がずれた位置とは、駆動電極2
2に入力される高周波の位相と検出電極23から検出さ
れる交流信号の位相との位相差が90°となるような関
係の位置で、具体的には、駆動電極22の櫛形電極22
Bの右端と検出電極23の櫛形電極23Aの左端との距
離Lが弾性表面波の波長λの整数倍となっている。
【0022】このような位置関係では、駆動電極22に
印加された高周波の極性が、例えば櫛形電極22Aが+
極、櫛形電極22Bが−極となる瞬間では櫛形電極22
Aと櫛形電極22B間に生じる電界Eの極性及びこの電
界Eに基づく弾性表面波Wの位相は、図2にようにな
り、検出電極23では櫛形電極23Aが−極、櫛形電極
23Bが+極となるので、駆動電極22に入力される高
周波の位相に対して検出電極23から検出される交流信
号の位相は90°ずれるようなっている。
【0023】なお、本発明は、後述するように弾性表面
波の定在波を利用するものではないので、駆動電極22
と検出電極23との空間的な位相差は任意に設定し得る
ものであるが、本実施の形態では、説明の容易性を考慮
して位相差を90°としている。
【0024】ディレイ回路4は、高周波電源3から出力
される高周波を遅延させるものである。駆動電極22と
検出電極23との距離L及び弾性表面波Wの波長λが既
知であるので、ディレイ回路4は、この距離Lと弾性表
面波Wの波長λとに基づき予め設定された所定の遅延時
間だけ入力された高周波を遅延させ、検出電極23にお
ける弾性表面波Wと同相の位相を有する高周波に変成し
てスイッチ回路5に入力する。
【0025】スイッチ回路5は、ディレイ回路4から入
力された高周波の振幅が0となるタイミングを検出し、
このタイミングで予め設定された所定の微小時間だけ検
出電極23と積分器6とを接続するものである。すなわ
ち、スイッチ回路5は、検出電極23における弾性表面
波Wの振幅が0となるときに検出電極23に生じた電圧
をサンプリングするものである。
【0026】この検出信号のサンプリングは、コリオリ
力に起因する弾性波が弾性表面波Wに対して位相が90
°ずれて発生し、弾性表面波Wの振幅が0となるタイミ
ングではコリオリ力に起因する弾性波の振幅が最大とな
るから、このタイミングで検出電極23から出力される
電圧を抽出することにより、コリオリ力に対応する電圧
のみを検出するものである。なお、コリオリ力の検出の
詳細については後述する。
【0027】積分器6は、スイッチ回路5でサンプリン
グされた検出電極23の検出電圧を所定時間(すなわ
ち、所定のサンプリング数)だけ整流積分するものであ
る。このジャイロスコープ1は、弾性表面波W及びコリ
オリ力に起因する弾性波が検出電極23上を進行し、圧
電効果によりこの検出電極23に発生する電圧を瞬間的
にサンプリングして検出するもので、1回のサンプリン
グでは検出レベルが非常に小さくなるので、サンプリン
グされた検出信号を整流積分することにより検出信号の
レベルを高くするものである。
【0028】A/D変換器7は、積分器6から出力され
る検出信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する
ものである。A/D変換された検出信号は図略のマイク
ロコンピュータからなる演算回路に入力され、この演算
回路で検出信号に基づき圧電素子2に加えられた回転方
向の速度(回転角速度)が演算される。
【0029】上記構成において、高周波電源3から駆動
電極22に所定周波数の高周波が印加されると、図2に
示すように、逆圧電効果により圧電基板21の表面に弾
性表面波Wが発生し、この弾性表面波Wは、検出電極2
3側に進行する。検出電極23上を弾性表面波Wが進行
すると、圧電効果により検出電極23に電圧が誘起され
る。この電圧波形は、弾性表面波Wに基づくものである
から、弾性表面波Wの進行に応じて変化する交流波形と
なっている。
【0030】弾性表面波Wにより圧電基板21を振動さ
せた状態で、この圧電基板21が回転運動を行なうと、
コリオリ力が作用する。このコリオリ力fCは、圧電基
板21の粒子密度ρ、楕円運動をしている粒子の振動速
度V及び圧電基板21の回転角速度Ωに関係し、下記
のベクトル式で表される。なお、式において、ゴシッ
ク体の記号はベクトルであることを示す。
【0031】
【数1】
【0032】今、図1に示すように、xy平面が圧電基
板21の表面にあり、z軸を圧電基板21の表面の法線
方向、x軸を弾性表面波Wの進行方向とするxyzの直
交座標系を設定すると、xz面内で楕円運動をしている
粒子の振動速度Vは、x軸方向の成分Vxとz軸方向の
成分Vzとに分離することができる。
【0033】圧電基板21がz軸の回りに回転角速度Ω
zで回転運動を行なった場合、振動速度成分Vzの方向と
回転軸(z軸)方向とが平行であるから、粒子の振動速
度成分Vxに対してのみ、図4に示すように、x軸と直
交するxy平面に平行なコリオリ力fCy(=−2ρ・V
x・Ωz)が作用する。このコリオリ力fCyは、弾性表面
波Wに基づく粒子の楕円運動との相互作用により発生す
るから、図5に示すように、弾性表面波Wの伝播に伴い
この弾性表面波Wに同期して伝播する弾性波となってい
る。
【0034】なお、圧電基板21がy軸の回りに回転角
速度Ωyで回転運動を行なった場合とx軸の回りに回転
角速度Ωxで回転運動を行なった場合のコリオリ力f
Cは、以下のようになる。
【0035】すなわち、圧電基板21がy軸の回りに回
転角速度Ωyで回転運動を行なった場合は、回転軸(y
軸)方向が両振動速度成分Vx,Vzと直交しているの
で、両振動速度成分Vx,Vzに対してそれぞれコリオリ
力fCz(=2ρ・Vx・Ωy)とfCx(=−2ρ・Vz
Ωy)とが作用し、圧電基板21がx軸の回りに回転角
速度Ωxで回転運動を行なった場合は、回転軸(x軸)
方向が振動速度成分Vxの方向と平行であるから、粒子
の振動速度成分Vzに対してのみコリオリ力fCy(=2
ρ・Vx・Ωz)が作用する。
【0036】従って、x軸、y軸及びz軸の各軸方向の
単位ベクトルをix,iy,izで表記し、上記式で示
すベクトル式を各方向の成分で表すと、下記式のよう
になる。なお、式において、ゴシック体の記号はベク
トルであることを示す。
【0037】
【数2】
【0038】上記式より、コリオリ力fcは、x軸、
y軸及びz軸の各軸方向の成分の合成力となるが、コリ
オリ力fcの各成分は、圧電基板21の分極方向、検出
電極23及び弾性表面波Wの相互の関係を所定の関係に
設定することで分離、検出することができる。
【0039】従って、本実施の形態では、説明の便宜
上、圧電基板21がz軸の回りに回転角速度Ωzで回転
運動を行なった場合を例に以下の説明を行なう。
【0040】図6は、弾性表面波とコリオリ力fCyによ
り生じたy軸方向に変位する弾性波と関係を示す図であ
る。
【0041】z軸方向に変位する弾性表面波Wに対して
コリオリ力fCyにより生じたy軸方向に変位する弾性波
Cは位相が90°ずれており、弾性表面波W及び弾性波
Cは、図6に示すように、x軸方向に進行する。基板表
面の任意の位置で変位が0となるとき、コリオリ力fCy
によるy軸方向の変位は最大となるが、弾性表面波Wに
より基板表面が収縮状態から伸縮している期間では、そ
の変位方向は+y方向(紙面手前から紙面後方に向かう
方向。図では、丸付きの「×」印で示す。)となり、伸
長状態から収縮している期間では、その変位方向は−y
方向(紙面後方から紙面手前に向かう方向。図では、丸
付きの「・」印で示す。)となっている。
【0042】図7は、駆動電極22から検出電極23に
伝播される弾性表面波Wの様子を示す図である。同図
(a),(b),(c)は、弾性表面波Wが進行するこ
とによって検出電極23に生じる変位状態を示すもの
で、(a)は、検出電極23の櫛形電極23Aの位置が
深さ方向に収縮した状態、(b)は、同櫛形電極23A
の位置が静止した状態、(c)は、同櫛形電極23Aの
位置が深さ方向に伸長した状態を示している。
【0043】検出電極23上を弾性表面波W及びコリオ
リ力fCyによる弾性波Cが進行すると、これらの応力に
より櫛形電極23Aと櫛形電極23Bとが互いに逆方向
に変位し、櫛形電極23Aと櫛形電極23B間にその変
位量に応じた電圧が発生する。
【0044】同図(a),(c)の状態では、検出電極
23の位置は弾性表面波Wにより深さ方向にも変位して
いるので、櫛形電極23Aと櫛形電極23B間に発生す
る電圧には弾性表面波Wによる電圧成分が含まれるが、
同図(b)の状態では、検出電極23の位置は深さ方向
の変位が0であるから、櫛形電極23Aと櫛形電極23
B間にはコリオリ力fCyによる電圧のみが発生する。す
なわち、櫛形電極23Aの位置は基板表面と平行に紙面
後方側に変位し、櫛形電極23Bの位置は基板表面と平
行には面手前側に変位し、この変位に起因する圧電基板
21の分極により図に示す方向の電界Eが発生し、この
電界Eに対応する電圧Vが櫛形電極23Aと櫛形電極2
3B間に発生する。
【0045】検出電極23で検出される電圧Vはスイッ
チ回路5に出力されるが、スイッチ回路5は、ディレイ
回路4から入力された高周波の振幅が0となるタイミン
グ(検出電極23の位置の深さ方向の変位が0となるタ
イミング)で微小時間だけ検出電極23と積分器6とを
接続するので、積分器6にはコリオリ力fCyによる電圧
Vのみがサンプリングされる。サンプリングされた検出
電圧Vは、積分器6で所定のサンプリング数だけ整流積
分される。
【0046】図8は、積分器6における積分波形を示す
図である。同図において、スイッチ制御信号は検出電極
23の検出信号のサンプリングを制御する信号であり、
リセット信号は、積分器6の各積分期間を制御する信号
である。また、τは弾性表面波Wがλ/2進行する時間
である。τ,3τ,…(2n+1)τのタイミングで
は、検出電極23の検出電圧の極性が反転するので、積
分器6では整流して積分されている。この例では、積分
期間を3τ(サンプリング数を「3」)にしているの
で、積分器6からは1回の検出電圧Vの3倍のレベルを
有する検出電圧が3mτ(m=1,2,…)の周期でA
/D変換器7に出力される。なお、積分時間は任意に設
定することができ、3τに限定されるものではない。
【0047】なお、前述のように、本実施の形態では説
明を容易にするために駆動電極22と検出電極23との
空間的な位相差を90°としているが、前記位相差は前
述のように任意に設定可能である。その場合、90°か
らの位相のずれに応じて前記サンプリングのタイミング
を遅延あるいは早めてやればよい。
【0048】また、本発明は、弾性表面波Wの定在波を
利用するものではなく、駆動電極22と検出電極23と
の間の位相差に応じて検出信号のサンプリングのタイミ
ングを変更することによって正確なコリオリ力の検出が
可能となるので、圧電基板の製作に必要な製作精度を下
げることが可能となる。
【0049】なお、本実施の形態では、定在波を発生さ
せないので、反射器用電極を設けてないが、弾性表面波
Wの発生効率を高めるため、駆動電極22より基板エッ
ジ側に駆動用の反射器用電極を設けるようにしてもよ
い。また、コリオリ力の検出効率を高めるため、検出電
極23より基板エッジ側に検出用の反射器用電極を設け
るようにしてもよい。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明よれば、圧
電基板の表面を弾性表面波により所定周期で振動させ、
この振動と圧電基板の回転運動との相互作用により基板
表面に発生したコリオリ力を検出する弾性表面波ジャイ
ロスコープにおいて、圧電基板の弾性表面波の伝播路上
に第2の電極部材を形成し、この第2の電極部材の位置
における弾性表面波が零となるタイミングで、圧電効果
により第2の電極部材に発生する電圧を検出し、外部回
路に出力するようにしたので、弾性表面波の影響をうけ
ることなくコリオリ力に対応する電気信号のみを正確に
検出することができる。
【0051】また、圧電基板の振動源として定在波を用
いていないので、従来のように定在波を生成するための
弾性表面波反射用の電極を設ける必要がなく、この分、
圧電基板の小型化が可能になる。
【0052】また、本発明によれば、各タイミングで検
出されたコリオリ力に対応する電気信号を積分するよう
にしたので、微小信号を確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る弾性表面波ジャイロスコープの構
成図である。
【図2】駆動電極と検出電極間に生じる弾性表面波の様
子を示す図である。
【図3】レイリー波における基板表面の粒子の変位を示
す図である。
【図4】弾性表面波による粒子の楕円運動に対するコリ
オリ力の発生方向を示す図である。
【図5】弾性表面波とコリオリ力に基づく弾性波の伝播
を示す図である。
【図6】弾性表面波とコリオリ力fCyにより生じたy軸
方向に変位する弾性波との関係を示す図である。
【図7】駆動電極から検出電極に伝播される弾性表面波
の様子を示す図である。
【図8】積分器の積分波形を示す図である。
【符号の説明】
1 ジャイロスコープ 2 検出素子 21 圧電基板 22 駆動電極(第1の電極部材) 23 検出電極(第2の電極部材) 3 高周波電源(高周波生成手段) 4 ディレイ回路 5 スイッチ回路(信号出力手段) 6 積分器(積分手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樋口 俊郎 神奈川県横浜市港北区茅ヶ崎南4−14−1 −1 (72)発明者 黒澤 実 神奈川県横浜市緑区すすき野1−6−11 (72)発明者 福田 祥愼 神奈川県川崎市高津区新作3−8−3

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電基板の表面を弾性表面波により所定
    周期で振動させ、この振動と圧電基板の回転運動との相
    互作用により基板表面に発生したコリオリ力を検出する
    弾性表面波ジャイロスコープにおいて、上記圧電基板の
    表面に形成された第1の電極部材と、上記弾性表面波を
    発生させるべく上記第1の電極部材に印加される高周波
    を生成する高周波生成手段と、上記圧電基板の表面の上
    記弾性表面波の伝播路上に形成された第2の電極部材
    と、上記第2の電極部材の位置において弾性表面波が零
    となるタイミングで上記第2の電極部材に発生している
    電気信号をサンプリングし、コリオリ力の検出信号とし
    て出力する信号出力手段とを備えたことを特徴とする弾
    性表面波ジャイロスコープ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の弾性表面波ジャイロスコ
    ープにおいて、上記信号出力手段から出力されるサンプ
    リング信号を予め設定された所定回数だけ積分する積分
    手段を備えたことを特徴とする弾性表面波ジャイロスコ
    ープ。
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