JPH09264161A - 燃料噴射ポンプの噴射時期制御装置および該装置の始動時における制御方法 - Google Patents

燃料噴射ポンプの噴射時期制御装置および該装置の始動時における制御方法

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JPH09264161A
JPH09264161A JP7223896A JP7223896A JPH09264161A JP H09264161 A JPH09264161 A JP H09264161A JP 7223896 A JP7223896 A JP 7223896A JP 7223896 A JP7223896 A JP 7223896A JP H09264161 A JPH09264161 A JP H09264161A
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JP
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fuel
fuel injection
timer
spool
injection timing
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JP7223896A
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Moriyasu Goto
守康 後藤
Shigeiku Enomoto
榎本  滋郁
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Soken Inc
Original Assignee
Nippon Soken Inc
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  • High-Pressure Fuel Injection Pump Control (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン始動時の噴射時期制御を可能にした
燃料噴射ポンプの噴射時期制御装置及び該装置の始動時
における制御方法を提供すること。 【解決手段】 エンジン停止時には、タイマピストン2
はタイマスプリング25によって右方に押し付けられて
いる。その際、プッシュロッド49が左方に位置してい
ても、スプール32はストッパ55により位置を規制さ
れ、環状溝31bはスプール32によって閉鎖されてい
るので、次回のエンジン始動時に圧力室11bから圧力
が抜けることはなく、噴射時期の制御が可能な正常な作
動に復帰することができる。そして、エンジン始動時、
エンジン回転数が所定数になってから、まずオープンル
ープ制御によりプッシュロッド49を動かし、その後フ
ィードバック制御を行なうようにしたので、始動時にお
ける適正な噴射時期制御を行なうことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃料噴射ポンプの噴
射時期制御装置及び制御方法に係り、特に、燃料噴射時
期が可変の燃料噴射ポンプの噴射時期制御装置及び始動
時における制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】デイーゼルエンジン等で使用される燃料
噴射ポンプのうち、分配型のものでは、エンジンと同期
して回転するドライブシャフトによりプランジャを回転
させて燃料噴射気筒を切り換えるとともに、ドライブシ
ャフトの回転に伴ってプランジャ基端のフェイスカムが
ローラリングのローラに乗り上げてプランジャが前進作
動し、燃料圧力室から燃料噴射弁に燃料が圧送されて気
筒内への燃料噴射が開始される。燃料噴射時期の変更
は、噴射時期制御装置がローラリングと連結したタイマ
ピストンを移動せしめることにより、ローラリングを回
動させてローラ位置を変更することにより行っている。
かかる装置として実開昭63−110640号公報記載
の装置のように燃料ポンプの油圧に応じて噴射時期を変
更するようにしたものや、特開平5−332170号公
報記載の装置のように上記タイマピストンの位置制御用
のサーボ弁の偏摩耗を防止したものがある。
【0003】ところで近年、エンジン制御の高度化を背
景として燃料の噴射時期を任意に変更できるようにした
ものが使われている。図5に示す装置はかかる噴射時期
制御装置の一例を示すもので、ローラリング91の下部
に位置するハウジング92下壁に、燃料室に通じる接続
口93と連通して、左右が閉鎖したタイマシリンダ94
が設けられ、その中にタイマピストン95が摺動自在に
収納されている。ローラリング91は、これから延びる
スライドピン991がタイマピストン95と自転自在の
球状軸受け992で連結され、タイマピストン95が左
右方向に移動すると正逆回動するようになっている。タ
イマピストン95の右端面に面した空間はタイマピスト
ン95に形成した絞り952付きの流路951を介して
接続口93と連通し、燃料室に貯溜する5気圧程度の燃
料を絞り952を介して受け入れるタイマ高圧室94b
となっている。またタイマピストン95の左端面に面し
た空間は、流路98を介して図略のフィードポンプの吸
入ポートと連通し、常時、大気圧のタイマ低圧室94a
となっている。タイマ低圧室94aにはタイマピストン
95に右方向の付勢力を加えるスプリング953が設け
られ、タイマピストン95を挟んでタイマ高圧室94b
の燃料圧と対抗している。
【0004】また、タイマシリンダ94の下方にタイマ
高圧室94bとタイマ低圧室94aとを接続する流路9
6が通っており、その途中に設けられた油圧制御弁97
が燃料流路96を流れる燃料の流量を制御してタイマ高
圧室94b側の燃料圧を調整するようになっている。タ
イマピストン95は、タイマ高圧室94b側の燃料圧に
応じてタイマ高圧室94bの燃料圧とタイマ低圧室94
aの燃料圧およびスプリング953の付勢力が釣り合う
位置に位置決めされる。油圧制御弁97の制御は油圧制
御弁97への通電時間の割合を変化させる、例えば40
Hzのデューティ比制御で行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで排気ガス規制
強化に伴い、変更する燃料噴射時期の広範囲化、燃料噴
射時期の安定化、燃料噴射時期の変更の即応性の向上が
益々、望まれている。
【0006】そこで、燃料噴射時期を広い範囲で任意に
変更できるとともに燃料噴射時期の変更の即応性および
燃料噴射時期の安定性にも優れた燃料噴射ポンプの噴射
時期制御装置を提供することを目的として図6に示すよ
うにシリンダ11内に摺動可能に設けられたピストン2
と連結部材211,212で連結されて連動し、ピスト
ン2の移動量に応じて燃料噴射時期を変える燃料噴射手
段5と、フィードポンプの吐出側と連通してピストン2
を移動させるための燃料圧を発生させる圧力室11a,
11bと、圧力室11a,11bの燃料圧を変更するス
プール32を有するサーボ弁3を備え、スプール32を
スプール操作手段4で操作するようにした燃料噴射ポン
プの噴射時期制御装置が提案されている。
【0007】該噴射時期制御装置は、スプール操作手段
4の僅かな操作で圧力室11bの燃料圧が広い範囲で任
意に変更され、ピストン2がスプール32の移動に追従
して広い範囲で速やかに移動し、位置決めされる。しか
して燃料噴射時期が即応性よく広い範囲で変更される。
しかもサーボ弁3には燃料噴射手段5からの荷重が作用
せずスプール32の位置が安定するから、ピストン2の
移動位置の変動が小さく抑えられ燃料噴射時期が安定す
る。
【0008】また、上記燃料噴射手段5は、ドライブシ
ャフトにより回転駆動されるとともに基端フェイスカム
がローラリング54のローラに乗り上げる毎に前進作動
して、燃料噴射弁に燃料を圧送するプランジャを備え、
ローラリング54がピストン2の移動量に応じて回動す
るようにしている。
【0009】そして、上記ピストン2の移動によりロー
ラリング54のローラが変位してプランジャが前進移動
する時期が速やかに変化し、燃料噴射時期の変更が確実
に行われる。
【0010】更に、圧力室11a,11bは上記ピスト
ン2の両側にそれぞれ形成され、ピストン2は圧燃料で
その両側から付勢されるとともに、圧力室11aに内設
したスプリング25のバネ力で付勢されるように構成
し、圧力室11bの燃料圧を上記サーボ弁3により変更
するようにしている。
【0011】そして、上記圧力室11bの燃料圧がサー
ボ弁3により変更されてピストン2が移動し、スプリン
グ25が伸縮するため、ピストン2はこれに付勢される
力が再びバランスする位置に位置決めされる。
【0012】上記サーボ弁3は、スプール32が、ピス
トン2に形成した摺動孔31を摺動して圧力室11aへ
至る流路24を開閉する構造とすることで、ピストン2
内にコンパクトに収納されるようになっている。
【0013】また、上記ピストン2の、圧力室11bに
至る流路22に逆止弁23を設けることで、圧力室11
bからの燃料流出を阻止してピストン2に燃料噴射手段
5から連結部材211,212を介して圧力室11bの
容積を縮小する方向へ作用する荷重が作用してもピスト
ン2が移動しないようにし、燃料噴射時期の安定性を向
上させている。燃料の噴射圧力の高圧化で上記荷重が増
大しても充分な安定性が得られるので、排気ガス規制が
強化されても対応ができる。
【0014】次に、図6に示すように、スプール操作手
段4は、プッシュロッド49がモータ駆動で一軸方向に
移動して、その先端が上記スプール32を押圧操作する
構造とすることで、ピストン2を位置決めできるように
し、燃料噴射時期の安定性および燃料噴射時期の変更の
即応性を向上させている。
【0015】しかし、上述した機構では、エンジン停止
時のプッシュロッド49の位置によっては、図7に示す
ように、環状溝31bが圧力室11aに接続されるた
め、次回のエンジン始動時に、圧力室11bが大気圧に
開放されて圧力が低下してしまい、噴射時期が最遅角位
置で固定され、噴射時期の制御ができない状態となるた
め、復帰できないという問題があった。また、エンジン
停止時に、プッシュロッド49により噴射時期が制御で
きる状態であっても、エンジン始動時のスタータON直
後の極く低回転域においては、ポンプ側の回転角センサ
83の出力が小さいため、フィードバック制御ができな
いこと、また、噴射時期を制御するためには、スプール
32とピストン2の相対的な位置に制限があること、更
に、エンジン始動直後はフィード圧が充分上昇しないた
め、タイマの制御範囲が確保できないことから、始動時
は噴射時期の制御が極めて困難であるという問題があっ
た。
【0016】本発明は、叙上の問題点に鑑みて創出され
たものであり、その目的とするところは、スプールの抜
けを防止するストッパをピストンとタイマスプリングの
間に設置することにより、次回のエンジン始動時に高圧
側圧力室の圧力が低下しないようにしてエンジン始動時
の噴射時期制御を可能にした燃料噴射ポンプの噴射時期
制御装置及び該装置の始動時における制御方法を提供す
ることである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1記載の手段を採用することができる。この手
段によると、次回のエンジン始動時に燃料圧が上昇した
際に圧力室を素通りして燃料が抜けないようにして、プ
ッシュロッドの位置にかかわらずスプール操作手段で噴
射時期の制御が可能な正常な状態に復帰できるようにし
たので、始動時における適正な噴射時期制御を行うこと
ができる。また、上記課題を解決するために請求項2記
載の手段を採用することができる。この手段によると、
エンジン回転数が所定数になってから、まずオープンル
ープ制御によりプッシュロッドを動かし、その後フィー
ドバック制御を行なうようにしたので、始動時における
適正な噴射時期制御を行なうことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図1から図3
に基づいて説明する。本発明は、図6から図7に説明さ
れた噴射時期制御装置を改良したものであり、該噴射時
期制御装置と共通する構造部分については同じ参照符号
を付すことによって、重複する説明を省略する。
【0019】図1において、ドライブシャフト7は図示
しないエンジンに連結され、エンジン回転の1/2に同
期して回転駆動される。ドライブシャフト7にはシグナ
ルロータ82が同軸的に取り付けられており、その外周
には凸状歯が複数個形成されている。回転角センサ83
がシグナルロータ82の外周に対向して設けられ、凸状
歯の電磁誘導によってエンジン回転数に応じたパルス信
号を発生して、電子式制御装置86へ出力する。ドライ
ブシャフト7には、燃料圧送用のプランジャ52を駆動
するフェイスカム53と、燃料フィード用のベーン式の
フィードポンプ6が連結されている。フェイスカム53
はプランジャ52と一体に、スプリング56によってロ
ーラリング54のローラ55に押しつけられている。
【0020】フェイスカム53がドライブシャフト7に
よって回転駆動されると、その凸部がローラ54に乗り
上げて、フェイスカム53自体とこれに一体化されたプ
ランジャ52が、回転運動を伴いつつ軸線方向へ往復運
動をする。プランジャ52はポンプシリンダ51のシリ
ンダボア内に挿入されて、その先端には高圧室51aが
形成され、プランジャ52の往復運動によって高圧室5
1aの容積が拡縮するとともに、プランジャ52の回転
運動によって高圧室51aに開口する吸入側と吐出側の
ポートが切り換えられる。フィードポンプ6の吐出ポー
ト61から吐出される約5気圧の燃料が燃料室81に貯
溜されており、これはプランジャ52の後退時に高圧室
51aに吸入され、前進時に高圧に加圧されて燃料噴射
弁57へ圧送され、図示しないエンジンの燃焼室内へ噴
射される。
【0021】燃料噴射ポンプのディスヘッド84には、
高圧室51aの圧力を開放する電磁スピル弁85が設け
られ、電磁スピル弁85を電子式制御装置86によって
開閉することにより、燃料噴射量や噴射率が制御され
る。
【0022】ローラリング54の円筒状の外周面は、ド
ライブシャフト7の軸線を中心として所定の角度範囲内
で回動することができ、その回動によってローラ55の
位置が周方向へ移動する。これにより、フェイスカム5
3の凸部がローラ55に乗り上げるタイミングが変化
し、燃料噴射時期が変更される。前述の回転角センサ8
3は、このローラリング54の周壁に担持されている。
電子式制御装置86には上記回転角センサ83の出力信
号以外に、エンジンからの上死点(TDC)信号や、エ
ンジン負荷の大きさを示すアクセル開度信号、冷却水温
信号等が入力されている。噴射時期のフィードバック制
御は上記回転角センサ83の出力信号とTDC信号から
ポンプとエンジンの位相差を検出し、その値がエンジン
回転と噴射量のマップから求められる所定の指令値に一
致するように行われる。
【0023】ローラリング54を回動する駆動部の詳細
を図2に示す。図において、ハウジング1内にはドライ
ブシャフト7(図1)と直交する方向へタイマシリンダ
11が形成され、タイマシリンダ11内に左右動自在に
タイマピストン2が収納されている。そしてタイマシリ
ンダ11のタイマピストン2の左端面側はタイマカバー
16で閉鎖してある。タイマピストン2の中央には連結
部材たる球状軸受212が自転自在に収納され、ローラ
リング54から接続口12を経て延びる連結部材たるス
ライドピン211の一端が上記軸受212に嵌着固定さ
れている。これにより、タイマピストン2の左右動に応
じて、スライドピン211、球状軸受212を介してロ
ーラリング54が正逆回動せしめられる。
【0024】タイマピストン2の左右端に面してそれぞ
れ一方の圧力室たるタイマ低圧室11aと他方の圧力室
たるタイマ高圧室11bが形成され、タイマ低圧室11
aにはタイマスプリング25が配設されて、タイマピス
トン2を図の右方へ付勢している。タイマピストン2に
は一体にサーボ弁3が設けてあり、タイマピストン2の
左端部内に形成されその左端面に開放する摺動孔31内
をスプール32が左右動するようになっている。スプー
ル32はスプリング室31a内に設けたスプリング33
により図の左方へ付勢されるとともに、その内部にスプ
リング室31aとタイマ低圧室11aを連通する通路3
4が形成されている。スプール32はその段付きの大径
部外周が摺動孔31の内周面に接し、これに形成された
環状溝31bを開閉する。環状溝31bは流路24を介
してタイマ高圧室11bへ通じており、かかる環状溝3
1bとスプール32により形成されるポートの開口面積
は比較的大きい。
【0025】また、タイマピストン2の右端部内には接
続口12とタイマ高圧室11bとを結ぶ絞り221付き
の流路22が形成されるとともに、流路22の途中に
は、燃料室81からタイマ高圧室11bへの流れのみを
許す逆止弁23が設けてある。タイマシリンダ11のタ
イマピストン2の左端側のタイマカバー16には、開口
部16aがタイマピストン2の左端面に対向して形成し
てあり、開口部16aの周囲に密着してステッピングモ
ータ48が接続されて低圧室11aの気密を保ってい
る。ステッピングモータ48から延びるプッシュロッド
49が開口部16aを挿通してその先端でスプール32
の左端面に当接している。
【0026】ステッピングモータ48のロータ481
は、略円筒形で、同軸に内周面がネジ様のスクリュ48
2が嵌合している。プッシュロッド49は基部側がスク
リュ482に貫通してこれと噛合するとともに、回転が
規制されており、ロータ481の正逆回転により左右動
してサーボ弁3のスプール32を押圧するようになって
いる。しかしてスプール32はプッシュロッド49とス
プリング33とにより位置決めされ、その位置が保持さ
れる。
【0027】ステッピングモータ48のロータ481の
回転は図略の電子式制御装置によりパルス制御で行わ
れ、パルスに応じた角度に正確に回転するから、プッシ
ュロッド49がロータ481の回転数および回転角度に
応じて正確に位置決めされる。しかして燃料の温度によ
らず正確に燃料噴射時期を制御することができ、燃料噴
射時期の制御は簡単にオープンループでもよい。タイマ
ピストン2の左端には、タイマスプリング11aによっ
てタイマピストン2に押し付けられる様にリング状のス
トッパ55が配置される。ストッパ55の内径はスプー
ル32の外径よりも小さくなっており、プッシュロッド
49とスプール32が離れた場合にもスプール32はス
トッパ55の右端面に接触する位置までしか動かない様
になっている。なお、その際、環状溝31bはスプール
32によって閉鎖される様な寸法関係となっている。
【0028】次に、本実施形態の上記燃料噴射ポンプの
作動とともに噴射時期制御装置の作動を図1から図3に
基づいて説明する。まず、燃料の噴射は、プランジャ5
2後退時に燃料が高圧室51aに注入される。そして所
定のタイミングで電磁スピル弁85に通電し、ドライブ
シャフト7の回転に伴ってプランジャ52基端のフェイ
スカム53がローラリング54のローラ55に乗り上げ
てプランジャ52が前進作動して燃料を圧縮し、高圧室
51aから燃料噴射弁57に燃料が圧送されて図略の気
筒内への燃料噴射が開始される。燃料の圧送中は注入さ
れた燃料のため高圧室51aの圧力は高く、その間、プ
ランジャ52からローラ55へトルク反力が動く。サー
ボ弁3のスプール32にはトルク反力が働かないからス
プール32の位置は上記トルク反力によらず一定で、ス
プール32で位置決めされるタイマピストン2の位置の
変動が小さく抑えられる。しかして燃料の噴射時期が安
定する。
【0029】排気ガス規制強化に対応すべく噴射圧力を
高くする場合には、高圧室51aの圧力を高めることに
なるから上記トルク反力も相当大きくなり、上記トルク
反力がローラリング54からスライドピン211、球状
軸受け212を介してタイマピストン2に右方向の付勢
力として作用する。したがってタイマ高圧室11b内の
圧力がタイマピストン2からの付勢力で高くなって、タ
イマ高圧室11b内の燃料がタイマピストン2に形成さ
れた流路22から逆流しようとする。しかしタイマ高圧
室11bからの燃料流出は逆止弁23によって阻止され
るから、タイマピストン2の位置は変動せず、噴射時期
が安定する。しかして排気ガス規制強化に応じた燃料の
噴射圧力の高圧化にも充分対応できる。また、厳密には
高圧室51aが高圧のとき、タイマピストン2は右方向
に付勢力を受けて、タイマ高圧室11b内の燃料が圧縮
された僅かな分だけ右方向に動く場合もあり得るが、環
状溝31bが閉じる方向に作動するように構成されてい
るため、環状溝31bからの燃料流出が防げ、噴射時期
が安定する。
【0030】また、燃料噴射時期を進角させる場合に
は、プッシュロッド49を左方に動かす。その結果スプ
リング33のバネ力によりスプール32およびプッシュ
ロッド49が左方へ移動して環状溝31bが完全に閉じ
られる。この結果、タイマ高圧室11bの圧力は接続口
12の圧力すなわち燃料室81内の圧力に向けて上昇
し、タイマピストン2がタイマスプリング25のバネ力
に抗して左方へ移動する。これに伴い、ローラリング5
4が時計方向へ回動して燃料噴射時期が進角する。タイ
マピストン2は、スプール32の移動量とほぼ等しい量
だけ移動して環状溝31bが再び開放されると、左右の
端面に受ける圧力が平衡して停止する。
【0031】逆に、燃料噴射時期を遅角させる場合に
は、プッシュロッド49を右方に動かす。その結果プッ
シュロッド49がスプリング33のバネ力に抗してスプ
ール32を図の右方へ押圧移動させる。これにより、環
状溝31bが大きく開放され、タイマ高圧室11bから
燃料がタイマ低圧室11aへ向けて流出して、タイマ高
圧室11bの圧力が低下する。この結果、タイマピスト
ン2はタイマスプリング25に押されて図の右方へ移動
し、図示矢印の如くローラリング54が反時計方向へ回
動して燃料噴射時期が遅角する。タイマピストン2は、
スプール32の移動量とほぼ等しい量だけ移動して環状
溝31bが再び適度な開放状態になると、左右の端面に
受ける圧力が平衡して停止する。
【0032】また、エンジン停止時には、タイマピスト
ン2はタイマスプリング25によって右方に押し付けら
れている。その際、図3に示すように、プッシュロッド
49の位置が左方に位置していても、スプール32はス
トッパ55により位置を規制され、環状溝31bはスプ
ール32によって閉鎖されている。そのため、次回のエ
ンジン始動時に圧力室11bから圧力が抜けることはな
く、噴射時期の制御が可能な正常な作動に復帰すること
ができる。この様に、本実施形態の燃料噴射ポンプによ
れば、エンジン停止時のプッシュロッド49の位置にか
かわらず、スプール32を制御することにより噴射時期
を制御できる状態に復帰することができる。
【0033】次に、噴射時期の制御方法であるが、ここ
でエンジン始動時の噴射時期制御の要求について簡単に
触れておく。まずスタータON直後のごく低回転ではフ
ィードポンプ6の供給する圧力は非常に小さいためタイ
マの制御範囲が確保できない。またこの回転域では回転
角センサ83の出力不足で噴射時期のフィードバックが
できない。しかし、スタータON直後には失火防止のた
め大量の燃料が噴射されるため噴射時期はできるかぎり
進角したい。その後、エンジン回転数が上昇すると黒煙
排出防止のため噴射量は所定の量まで減らされる。この
頃にはフィードポンプ6の供給する圧力は充分に上昇
し、タイマの制御範囲が確保される。また回転角センサ
83の出力も充分大きくなる。
【0034】そこで、図4に示すフローチャートに従っ
てプッシュロッド49を制御するステッピングモータ4
8の制御を中心に説明する。このフローチャートではN
e=300rpm を回転角センサ83の出力が得られるか
否かの境界値としている。まず、ステップ100におい
てエンジンを始動させる。そして、エンジン始動からN
e=300rpm まではプッシュロッドをオープンループ
制御で作動させる。具体的にはステップ101において
始動直後の失火防止のための燃料の大量噴射時はプッシ
ュロッド49を図中最も左側位置、即ち、プッシュロッ
ド突出量を最小位置(PST)へ移動させ、噴射時期を
可能な限り進角させる。その後、ステップ102におい
て、噴射量が減らされる回転域ではプッシュロッド49
を最も左側に引っこんだ位置(PST)を初期位置とし
て所定の噴射時期になるように、プッシュロッド49を
オープンループで制御すべく所定数の駆動パルスをステ
ッピングモータに出力する。次に、ステップ103にお
いて回転数Neが300rpm に到達したか否かを判定す
る。そして回転数Neが300rpm に到達した後はステ
ップ104に進み、回転角センサ83の信号とエンジン
からの上死点(TDC)信号から、エンジンとポンプの
位相差である実クランク角時期(AACT)を算出し、
ステップ105において、その値を回転数Neと噴射量
Qからマップによって決定される目標クランク角時期
(ATRG)を算出する。次に、ステップ106におい
て、目標クランク角時期(ATRG)と実クランク角時
期(AACT)との差を比較し、両者に差があると判定
されると、ステップ107に進む。ここで、ATRG−
AACTの差の値からプッシュロッドの移動量を算出
し、ステップ108においてプッシュロッドの移動量分
だけステッピングモータを駆動させる。つまり、プッシ
ュロッド位置とAACTは1対1で対応するのでATR
G−AACTの差の値の分だけプッシュロッドを動かせ
ばよい。そして、ステップ109においてATRG−A
ACTの差の値がゼロか否か判定する。もし、差がゼロ
でないと判定された場合ステップ107に戻り、ATR
G−AACT=0になるまでAACTを用いてフィード
バック制御する。そして、両者の差の値がゼロになった
場合、ステップ110において終了する。
【0035】以上のように本発明は、プッシュロッド制
御することにより始動直後のごく低回転から噴射時期を
制御することができる。
【0036】なお上記各実施形態の燃料噴射ポンプはフ
ェイスカム圧送式の燃料噴射ポンプとしたがインナーカ
ム圧送式の燃料噴射ポンプとしてもよい。また、本実施
形態ではスプール操作手段としてステッピングモータを
用いたが、リニアモータ等でもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様である燃料噴射ポンプの噴射
時期制御装置の全体的システム構成図である。
【図2】本発明の実施態様である燃料噴射ポンプの噴射
時期制御装置の要部を拡大した一部欠截拡大断面図であ
る。
【図3】本発明の実施態様である燃料噴射ポンプの噴射
時期制御装置の要部を拡大した図2とは異なった位置で
の一部欠截要部拡大断面図である。
【図4】本発明の実施態様である燃料噴射ポンプの噴射
時期制御装置の処理を行うフローチャートである。
【図5】従来の燃料噴射ポンプの噴射時期制御装置の一
例を示す一部欠截要部拡大断面図である。
【図6】従来の燃料噴射ポンプの噴射時期制御装置の他
例を示す一部欠截要部拡大断面図である。
【図7】従来の燃料噴射ポンプの噴射時期制御装置の他
例の図6とは異なった位置での一部欠截要部拡大断面図
である。
【符号の説明】
2…タイマピストン 3…サーボ弁 4…スプール操作手段 5…燃料噴射手段 11…タイマシリンダ 11b…圧力室(タイマ高圧室) 32…スプール 49…プッシュロッド 54…ローラリング 55…ストッパ 211…連結部材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タイマシリンダ内に摺動可能に設けら
    れ、少なくとも一方の端面が、燃料フィード用のフィー
    ドポンプの吐出側と連通する圧力室の圧燃料と接触する
    タイマピストンと、上記圧力室に連通して設けられ、上
    記圧力室の燃料圧を制御して上記タイマピストンを移動
    せしめるスプールを有するスプール式のサーボ弁と、ス
    プール操作手段としてモータ駆動で一軸方向に移動する
    プッシュロッドを備え、該プッシュロッドの先端により
    上記スプールを押圧操作し、ローラリングの連結部材と
    上記ピストンとで連動し、上記ピストンの移動量に応じ
    て燃料噴射時期を変える燃料噴射手段を備えた燃料噴射
    ポンプの噴射時期制御装置において上記スプールの作動
    範囲を規制するストッパをタイマピストンに設け、該ス
    トッパは上記プッシュロッドと上記スプールが離れた場
    合にも上記サーボ弁を閉弁し、上記圧力室が大気圧に開
    放されないことを特徴とする燃料噴射ポンプの噴射時期
    制御装置。
  2. 【請求項2】 燃料噴射ポンプの噴射時期制御装置の始
    動時における制御方法において、 エンジン始動時のエンジン回転数が小さい回転域でプッ
    シュロッドを突出量最少の位置まで突出作動させ、その
    後、エンジン回転数が所定数となった後、まずプッシュ
    ロッド突出量最少位置を初期位置としてオープンループ
    制御により上記プッシュロッドを動かし、その後、エン
    ジン回転数信号とエンジン上死点信号を用いてフィード
    バック制御により噴射時期を制御することを特徴とする
    燃料噴射ポンプの噴射時期制御装置の始動時における制
    御方法。
JP7223896A 1996-03-27 1996-03-27 燃料噴射ポンプの噴射時期制御装置および該装置の始動時における制御方法 Withdrawn JPH09264161A (ja)

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