JPH084559A - 燃料噴射ポンプの電子制御タイマ - Google Patents
燃料噴射ポンプの電子制御タイマInfo
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- JPH084559A JPH084559A JP13867894A JP13867894A JPH084559A JP H084559 A JPH084559 A JP H084559A JP 13867894 A JP13867894 A JP 13867894A JP 13867894 A JP13867894 A JP 13867894A JP H084559 A JPH084559 A JP H084559A
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- high pressure
- valve
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 燃料噴射ポンプの燃料噴射時期を正確に制御
する。 【構成】 コントロールスプリング63がタイマピスト
ン21と油圧制御弁43の弁体45との間に挿入されて
おり、弁体45がソレノイドコイル42によって駆動さ
れ、弁体の位置によりタイマ高圧室22を高圧ポート6
0又は低圧ポート59に選択的に連通させるか、それら
の双方との連通を遮断することができる。例えば、高圧
室22の圧力を高めて、ピストン21がタイマスプリン
グ25を圧縮し、スライドピン19を介して燃料噴射時
期を進角させる方向に移動すると、同時にスプリング6
3も圧縮されて弁体45をピストン21から遠ざけよう
とする。それに対抗して制御装置によってコイル42に
供給する電流値を制御し、弁体45に対する吸引力と、
スプリング63の付勢力とが釣り合う位置に弁体45を
停止させ、その状態で弁体45が前記連通の遮断を行う
ように設定する。
する。 【構成】 コントロールスプリング63がタイマピスト
ン21と油圧制御弁43の弁体45との間に挿入されて
おり、弁体45がソレノイドコイル42によって駆動さ
れ、弁体の位置によりタイマ高圧室22を高圧ポート6
0又は低圧ポート59に選択的に連通させるか、それら
の双方との連通を遮断することができる。例えば、高圧
室22の圧力を高めて、ピストン21がタイマスプリン
グ25を圧縮し、スライドピン19を介して燃料噴射時
期を進角させる方向に移動すると、同時にスプリング6
3も圧縮されて弁体45をピストン21から遠ざけよう
とする。それに対抗して制御装置によってコイル42に
供給する電流値を制御し、弁体45に対する吸引力と、
スプリング63の付勢力とが釣り合う位置に弁体45を
停止させ、その状態で弁体45が前記連通の遮断を行う
ように設定する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主としてディーゼルエ
ンジンに使用される燃料噴射ポンプに係り、特に、分配
型の燃料噴射ポンプに付設され、電子式制御装置の指令
を受けて燃料の噴射時期を自由に調整するところの噴射
時期制御装置、即ち電子制御タイマに関するものであ
る。
ンジンに使用される燃料噴射ポンプに係り、特に、分配
型の燃料噴射ポンプに付設され、電子式制御装置の指令
を受けて燃料の噴射時期を自由に調整するところの噴射
時期制御装置、即ち電子制御タイマに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、実開昭63−110640号公
報に記載されているように、ディーゼルエンジン用の分
配型燃料噴射ポンプにおいては、燃料噴射時期を制御す
るために、燃料を圧送するプランジャを駆動するカムの
タイミングを変化させるタイマピストンを設けている。
そしてタイマピストンの両側の室の間に設けられた油圧
制御弁のような手段によって、それらの室に作用する油
圧を調整することによってタイマピストンを移動させて
燃料の噴射時期を調整することができるようになってい
る。
報に記載されているように、ディーゼルエンジン用の分
配型燃料噴射ポンプにおいては、燃料噴射時期を制御す
るために、燃料を圧送するプランジャを駆動するカムの
タイミングを変化させるタイマピストンを設けている。
そしてタイマピストンの両側の室の間に設けられた油圧
制御弁のような手段によって、それらの室に作用する油
圧を調整することによってタイマピストンを移動させて
燃料の噴射時期を調整することができるようになってい
る。
【0003】油圧制御弁をソレノイドコイルによって電
磁的に開閉作動させるようにしたものが、例えば実開昭
56−173736号公報に記載されている。このよう
な燃料油圧制御弁としての電磁弁におけるソレノイドコ
イルへの通電量を、電子式制御装置を用いて変化させる
ことによって弁開度を調整し、タイマピストンの両側の
室の間に作用する油圧を変化させてタイマピストンの位
置を調整するようにすれば、燃料噴射ポンプを電子的に
制御することが可能になる。
磁的に開閉作動させるようにしたものが、例えば実開昭
56−173736号公報に記載されている。このよう
な燃料油圧制御弁としての電磁弁におけるソレノイドコ
イルへの通電量を、電子式制御装置を用いて変化させる
ことによって弁開度を調整し、タイマピストンの両側の
室の間に作用する油圧を変化させてタイマピストンの位
置を調整するようにすれば、燃料噴射ポンプを電子的に
制御することが可能になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】タイマピストンを備え
ている燃料噴射ポンプにおいて、タイマピストンの位置
を前述のような油圧制御弁によって調整する場合に、ピ
ストン位置センサを設けてタイマピストンの位置を検出
するようにした特殊なものを除いて、通常は燃料噴射時
期の目標値に対する現実の燃料噴射時期の偏差、即ち、
タイマピストンの位置の目標値に対するタイマピストン
の実際の位置の偏差を検出して、その偏差を小さくする
ような精緻なフィードバック制御等は行われていないの
で、一般的に燃料噴射時期の制御の応答性や精度に対す
る不満が大きい。しかしながら、前述のようにピストン
位置センサを設けるようなことは、制御のための複雑な
機構や高度のソフトウエア(プログラム)を必要とする
ことからコスト上昇を招くという問題があり、一般的に
は採用することができないのが実情である。
ている燃料噴射ポンプにおいて、タイマピストンの位置
を前述のような油圧制御弁によって調整する場合に、ピ
ストン位置センサを設けてタイマピストンの位置を検出
するようにした特殊なものを除いて、通常は燃料噴射時
期の目標値に対する現実の燃料噴射時期の偏差、即ち、
タイマピストンの位置の目標値に対するタイマピストン
の実際の位置の偏差を検出して、その偏差を小さくする
ような精緻なフィードバック制御等は行われていないの
で、一般的に燃料噴射時期の制御の応答性や精度に対す
る不満が大きい。しかしながら、前述のようにピストン
位置センサを設けるようなことは、制御のための複雑な
機構や高度のソフトウエア(プログラム)を必要とする
ことからコスト上昇を招くという問題があり、一般的に
は採用することができないのが実情である。
【0005】本発明は、従来技術における前述のような
問題に対処して、きわめて簡単に分配型の燃料噴射ポン
プにおける電子制御タイマの精度と応答性を向上させる
ことができるような、改良された手段を提供することを
発明の目的としている。
問題に対処して、きわめて簡単に分配型の燃料噴射ポン
プにおける電子制御タイマの精度と応答性を向上させる
ことができるような、改良された手段を提供することを
発明の目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するための手段として、プランジャの往復運動によ
って燃料を燃料噴射弁へ圧送して噴射させる内燃機関用
の燃料噴射ポンプにおいて、両端にタイマ高圧室とタイ
マ低圧室を形成するタイマピストンを、前記タイマ高圧
室を縮小する方向に付勢するタイマスプリングの他に、
同じ方向に前記タイマピストンを付勢するように、前記
タイマピストンと油圧制御弁の弁体との間にコントロー
ルスプリングを挿入すると共に、前記油圧制御弁の弁体
を制御装置の指令によって電気的に付勢されるソレノイ
ドコイルによって駆動し、前記弁体の位置によって前記
タイマ高圧室を高圧ポート又は低圧ポートに選択的に連
通させ、或いはそれらの双方との連通を遮断することが
できるようにしたことを特徴とする電子制御タイマを提
供する。
解決するための手段として、プランジャの往復運動によ
って燃料を燃料噴射弁へ圧送して噴射させる内燃機関用
の燃料噴射ポンプにおいて、両端にタイマ高圧室とタイ
マ低圧室を形成するタイマピストンを、前記タイマ高圧
室を縮小する方向に付勢するタイマスプリングの他に、
同じ方向に前記タイマピストンを付勢するように、前記
タイマピストンと油圧制御弁の弁体との間にコントロー
ルスプリングを挿入すると共に、前記油圧制御弁の弁体
を制御装置の指令によって電気的に付勢されるソレノイ
ドコイルによって駆動し、前記弁体の位置によって前記
タイマ高圧室を高圧ポート又は低圧ポートに選択的に連
通させ、或いはそれらの双方との連通を遮断することが
できるようにしたことを特徴とする電子制御タイマを提
供する。
【0007】
【作用】本発明の電子制御タイマにおいては、コントロ
ールスプリングがタイマピストンと油圧制御弁の弁体と
の間に挿入されており、その弁体が制御装置の指令によ
って電気的に付勢されるソレノイドコイルによって駆動
され、弁体の位置によってタイマピストンの一端のタイ
マ高圧室を高圧ポート又は低圧ポートに選択的に連通さ
せ、或いはそれらの双方との連通を遮断することができ
るように構成されているので、タイマ高圧室の圧力が大
きくなってタイマピストンがタイマスプリングを圧縮し
て燃料噴射ポンプの燃料噴射時期を進角させる方向に移
動すると、同時にコントロールスプリングも圧縮されて
弁体をタイマピストンから遠ざける方向に作用する。
ールスプリングがタイマピストンと油圧制御弁の弁体と
の間に挿入されており、その弁体が制御装置の指令によ
って電気的に付勢されるソレノイドコイルによって駆動
され、弁体の位置によってタイマピストンの一端のタイ
マ高圧室を高圧ポート又は低圧ポートに選択的に連通さ
せ、或いはそれらの双方との連通を遮断することができ
るように構成されているので、タイマ高圧室の圧力が大
きくなってタイマピストンがタイマスプリングを圧縮し
て燃料噴射ポンプの燃料噴射時期を進角させる方向に移
動すると、同時にコントロールスプリングも圧縮されて
弁体をタイマピストンから遠ざける方向に作用する。
【0008】従って、それに対抗して制御装置によって
ソレノイドコイルに供給する電流値を制御して、ソレノ
イドコイルの吸引力とコントロールスプリングの付勢力
が釣り合う位置に弁体を停止させ、その状態で弁体がタ
イマ高圧室の高圧ポート及び低圧ポートの双方に対する
連通を遮断するように設定することにより、ソレノイド
コイルに供給する電流値を制御することによって任意の
燃料噴射時期に対応する位置へ正確にタイマピストンを
移動させて停止させ、その状態でコントロールスプリン
グの付勢力とソレノイドコイルの吸引力とを釣り合わせ
て弁体をも停止させ、それによってタイマ高圧室への高
圧ポート及び低圧ポートの連通を遮断して、正確な燃料
噴射時期を安定に維持することを可能にする。
ソレノイドコイルに供給する電流値を制御して、ソレノ
イドコイルの吸引力とコントロールスプリングの付勢力
が釣り合う位置に弁体を停止させ、その状態で弁体がタ
イマ高圧室の高圧ポート及び低圧ポートの双方に対する
連通を遮断するように設定することにより、ソレノイド
コイルに供給する電流値を制御することによって任意の
燃料噴射時期に対応する位置へ正確にタイマピストンを
移動させて停止させ、その状態でコントロールスプリン
グの付勢力とソレノイドコイルの吸引力とを釣り合わせ
て弁体をも停止させ、それによってタイマ高圧室への高
圧ポート及び低圧ポートの連通を遮断して、正確な燃料
噴射時期を安定に維持することを可能にする。
【0009】
【実施例】本発明の電子制御タイマの実施例を説明する
前提として、それが適用される対象である燃料噴射ポン
プとして、二つの形式の分配型燃料噴射ポンプと、従来
からそれらの燃料噴射ポンプに適用されて来た油圧制御
弁を用いる電子制御タイマの構成を、図1及び図2を用
いて詳細に説明することにする。図1にはフェイスカム
圧送式の分配型燃料噴射ポンプが例示されており、図2
にはインナーカム圧送式の分配型燃料噴射ポンプが例示
されている。後に詳細に説明する本発明の実施例として
の電子制御タイマは、少なくともこれら形式の異なる二
種類の分配型燃料噴射ポンプのいずれに対しても好適に
使用することができる。
前提として、それが適用される対象である燃料噴射ポン
プとして、二つの形式の分配型燃料噴射ポンプと、従来
からそれらの燃料噴射ポンプに適用されて来た油圧制御
弁を用いる電子制御タイマの構成を、図1及び図2を用
いて詳細に説明することにする。図1にはフェイスカム
圧送式の分配型燃料噴射ポンプが例示されており、図2
にはインナーカム圧送式の分配型燃料噴射ポンプが例示
されている。後に詳細に説明する本発明の実施例として
の電子制御タイマは、少なくともこれら形式の異なる二
種類の分配型燃料噴射ポンプのいずれに対しても好適に
使用することができる。
【0010】まず、図1に示されたフェイスカム圧送式
の分配型燃料噴射ポンプ1の構造を説明する。ドライブ
シャフト2は図示しないエンジンによって、エンジンの
回転と同期して回転駆動される。ドライブシャフト2に
はシグナルロータ3が同軸的に取り付けられており、そ
の外周には凸状の歯が複数個形成されている。4は回転
数センサであってシグナルロータ3の外周に対向してお
り、シグナルロータ3の凸状歯の電磁誘導によって機関
回転数に応じたパルス信号を発生して、電子式制御装置
5へ出力する。ドライブシャフト2には燃料を圧送する
プランジャ6を駆動するフェイスカム7と、燃料のフィ
ードポンプであるベーン式のポンプ8が連結されてい
る。フェイスカム7はプランジャ6と一体となってスプ
リング9によってローラリング10に設けられたローラ
11に押しつけられる。
の分配型燃料噴射ポンプ1の構造を説明する。ドライブ
シャフト2は図示しないエンジンによって、エンジンの
回転と同期して回転駆動される。ドライブシャフト2に
はシグナルロータ3が同軸的に取り付けられており、そ
の外周には凸状の歯が複数個形成されている。4は回転
数センサであってシグナルロータ3の外周に対向してお
り、シグナルロータ3の凸状歯の電磁誘導によって機関
回転数に応じたパルス信号を発生して、電子式制御装置
5へ出力する。ドライブシャフト2には燃料を圧送する
プランジャ6を駆動するフェイスカム7と、燃料のフィ
ードポンプであるベーン式のポンプ8が連結されてい
る。フェイスカム7はプランジャ6と一体となってスプ
リング9によってローラリング10に設けられたローラ
11に押しつけられる。
【0011】従って、フェイスカム7がドライブシャフ
ト2によって回転駆動されることにより、フェイスカム
7の凸部がローラ11に乗り上げて、フェイスカム7自
体とそれに一体化されたプランジャ6が、回転運動を伴
うプランジャ6の軸線方向の往復運動をすることにな
る。プランジャ6はポンプシリンダ12のシリンダボア
12a内に挿入されて、その先端に圧力室13を形成し
ているので、プランジャ6の往復運動の成分によって圧
力室13の容積が拡縮し、それと同時に回転運動の成分
によって圧力室13にはそれに開口する吸入側と吐出側
のポートが切り換えられて連通する。フィードポンプ8
の吐出ポート14から吐出される加圧された燃料は燃料
室15に貯溜されているが、その燃料が圧力室13に吸
入され、高圧に加圧されて所定のタイミングに燃料噴射
弁16へ圧送され、図示しない機関の燃焼室内へ噴射さ
れることになる。
ト2によって回転駆動されることにより、フェイスカム
7の凸部がローラ11に乗り上げて、フェイスカム7自
体とそれに一体化されたプランジャ6が、回転運動を伴
うプランジャ6の軸線方向の往復運動をすることにな
る。プランジャ6はポンプシリンダ12のシリンダボア
12a内に挿入されて、その先端に圧力室13を形成し
ているので、プランジャ6の往復運動の成分によって圧
力室13の容積が拡縮し、それと同時に回転運動の成分
によって圧力室13にはそれに開口する吸入側と吐出側
のポートが切り換えられて連通する。フィードポンプ8
の吐出ポート14から吐出される加圧された燃料は燃料
室15に貯溜されているが、その燃料が圧力室13に吸
入され、高圧に加圧されて所定のタイミングに燃料噴射
弁16へ圧送され、図示しない機関の燃焼室内へ噴射さ
れることになる。
【0012】燃料噴射ポンプ1のハウジング17には圧
力室13の圧力を解放するスピル弁18が設けられてお
り、スピル弁18を電子式制御装置5によって開閉する
ことによって、燃料の噴射開始時期や噴射量、噴射率を
制御することができる。
力室13の圧力を解放するスピル弁18が設けられてお
り、スピル弁18を電子式制御装置5によって開閉する
ことによって、燃料の噴射開始時期や噴射量、噴射率を
制御することができる。
【0013】ローラリング10の円筒状の外周面10a
はドライブシャフト2の軸線を中心として所定の角度範
囲内で回動することが出来る。その回動によってローラ
11の位置が回転方向に移動するので、フェイスカム7
の凸部がローラ11に乗り上げる時期が変化し、それに
よって燃料噴射時期を変化させることができる。ローラ
リング10を回動させるために、スライドピン19がロ
ーラリング10から図1の下方へ伸びており、その下端
が、ハウジング17内に形成されたタイマシリンダ20
内で左右の方向に往復摺動することができるように嵌合
しているタイマピストン21に係合している。
はドライブシャフト2の軸線を中心として所定の角度範
囲内で回動することが出来る。その回動によってローラ
11の位置が回転方向に移動するので、フェイスカム7
の凸部がローラ11に乗り上げる時期が変化し、それに
よって燃料噴射時期を変化させることができる。ローラ
リング10を回動させるために、スライドピン19がロ
ーラリング10から図1の下方へ伸びており、その下端
が、ハウジング17内に形成されたタイマシリンダ20
内で左右の方向に往復摺動することができるように嵌合
しているタイマピストン21に係合している。
【0014】図1においてタイマピストン21の右側の
タイマ高圧室22は絞り23を介して燃料室15に連通
していて、フィードポンプ8によって加圧された燃料を
受け入れている。その油圧がタイマピストン21を左方
へ押すことになるが、それに対抗してタイマピストン2
1の左側のタイマ低圧室24内にはタイマスプリング2
5が装着されている。タイマ低圧室24はフィードポン
プ8の吸入ポート26に連通していて、作動中は常に低
圧になっている。タイマ高圧室22に作用している燃料
の油圧即ち供給圧は、機関回転数、従ってドライブシャ
フト2の回転数に関連して大小に変化するので、その油
圧による付勢力とタイマスプリング25の付勢力とが釣
り合う位置へタイマピストン21が移動し、スライドピ
ン19を介してローラリング10が回動調節されること
によって、燃料の噴射時期が機関回転数に応じて変化す
ることになる。
タイマ高圧室22は絞り23を介して燃料室15に連通
していて、フィードポンプ8によって加圧された燃料を
受け入れている。その油圧がタイマピストン21を左方
へ押すことになるが、それに対抗してタイマピストン2
1の左側のタイマ低圧室24内にはタイマスプリング2
5が装着されている。タイマ低圧室24はフィードポン
プ8の吸入ポート26に連通していて、作動中は常に低
圧になっている。タイマ高圧室22に作用している燃料
の油圧即ち供給圧は、機関回転数、従ってドライブシャ
フト2の回転数に関連して大小に変化するので、その油
圧による付勢力とタイマスプリング25の付勢力とが釣
り合う位置へタイマピストン21が移動し、スライドピ
ン19を介してローラリング10が回動調節されること
によって、燃料の噴射時期が機関回転数に応じて変化す
ることになる。
【0015】従来の電子制御タイマにおいては、タイマ
高圧室22とタイマ低圧室24との間に電磁弁からなる
油圧制御弁27が挿入されており、油圧制御弁27を電
子式制御装置5に電気的に連結して開閉制御することに
よって、タイマ高圧室22内の油圧を部分的にタイマ低
圧室24側へ逃がして調整し、タイマピストン21の位
置とローラリング10の回転方向の位置を変化させ、そ
れによって燃料の噴射時期を制御している。
高圧室22とタイマ低圧室24との間に電磁弁からなる
油圧制御弁27が挿入されており、油圧制御弁27を電
子式制御装置5に電気的に連結して開閉制御することに
よって、タイマ高圧室22内の油圧を部分的にタイマ低
圧室24側へ逃がして調整し、タイマピストン21の位
置とローラリング10の回転方向の位置を変化させ、そ
れによって燃料の噴射時期を制御している。
【0016】このように、図1に示されたフェイスカム
圧送式の分配型燃料噴射ポンプ1のための従来のタイマ
装置28は、タイマシリンダ20とタイマピストン2
1、及びタイマピストン21に連動するローラリング1
0、タイマピストン21の位置を制御する油圧制御弁2
7等からなっている。なお、理解を容易にするために、
図1においてはドライブシャフト2とタイマピストン2
1が平行に描かれているが、前述のような作動をさせる
ために、後者は前者に対して直角の方向に交差してい
る。同様に、フィードポンプ8の軸もドライブシャフト
2に対して90°回転させて描かれている。。
圧送式の分配型燃料噴射ポンプ1のための従来のタイマ
装置28は、タイマシリンダ20とタイマピストン2
1、及びタイマピストン21に連動するローラリング1
0、タイマピストン21の位置を制御する油圧制御弁2
7等からなっている。なお、理解を容易にするために、
図1においてはドライブシャフト2とタイマピストン2
1が平行に描かれているが、前述のような作動をさせる
ために、後者は前者に対して直角の方向に交差してい
る。同様に、フィードポンプ8の軸もドライブシャフト
2に対して90°回転させて描かれている。。
【0017】前述の回転数センサ4は、ローラリング1
0の外周面10a上に担持されており、その出力信号が
電子式制御装置5に入力されているが、制御装置5には
その他にも図1に示すように機関からTDC信号として
示す上死点信号や、機関の負荷の大きさを示すアクセル
開度信号、冷却水温等を検出する水温センサからの出力
信号等が入力される。
0の外周面10a上に担持されており、その出力信号が
電子式制御装置5に入力されているが、制御装置5には
その他にも図1に示すように機関からTDC信号として
示す上死点信号や、機関の負荷の大きさを示すアクセル
開度信号、冷却水温等を検出する水温センサからの出力
信号等が入力される。
【0018】次に、他の形式の燃料噴射ポンプとして、
図2に示されたインナーカム圧送式の分配型燃料噴射ポ
ンプ31と、それに付設された従来の電子制御タイマの
構造について説明する。図2に示す構造のうち、相当の
部分が、図1に示したフェイスカム圧送式の分配型燃料
噴射ポンプ1のそれと実質的に同じものであるから、そ
れらについては同じ参照符号を付すことによって重複す
る説明を省略する。
図2に示されたインナーカム圧送式の分配型燃料噴射ポ
ンプ31と、それに付設された従来の電子制御タイマの
構造について説明する。図2に示す構造のうち、相当の
部分が、図1に示したフェイスカム圧送式の分配型燃料
噴射ポンプ1のそれと実質的に同じものであるから、そ
れらについては同じ参照符号を付すことによって重複す
る説明を省略する。
【0019】インナーカム圧送式の分配型燃料噴射ポン
プ31においては、ポンプハウジング32に取り付けら
れたロータ用のシリンダ33内で、回転のみをして弁作
用をするように分配ロータ34が支持されており、分配
ロータ34の図2における左端の基部には、図3にも示
すように、中心に圧力室35となる空間が形成され、圧
力室35から放射状に形成された複数個(この例では4
個)のシリンダボア36には、それぞれプランジャ37
が挿入されている。各プランジャ37の外端にはローラ
38が取り付けられており、ローラ38は環状のカムリ
ング39の内周のカム面39aに係合している。
プ31においては、ポンプハウジング32に取り付けら
れたロータ用のシリンダ33内で、回転のみをして弁作
用をするように分配ロータ34が支持されており、分配
ロータ34の図2における左端の基部には、図3にも示
すように、中心に圧力室35となる空間が形成され、圧
力室35から放射状に形成された複数個(この例では4
個)のシリンダボア36には、それぞれプランジャ37
が挿入されている。各プランジャ37の外端にはローラ
38が取り付けられており、ローラ38は環状のカムリ
ング39の内周のカム面39aに係合している。
【0020】ドライブシャフト2が回転することによっ
て分配ロータ34も回転するので、プランジャ37の外
端に取り付けられたローラ38がカムリング39の内周
のカム面39aに沿って移動することによって、プラン
ジャ37は分配ロータ34の基部に形成されたシリンダ
ボア36の中で半径方向に往復運動をする。その際に拡
縮する圧力室35は、分配ロータ34内に形成された吸
入ポート34aによって燃料室15に連通して燃料を吸
入したり、吐出ポート34bによって機関の各気筒の燃
料噴射弁16に順次連通して、プランジャ37によって
高圧に加圧された燃料を噴射させることができる。
て分配ロータ34も回転するので、プランジャ37の外
端に取り付けられたローラ38がカムリング39の内周
のカム面39aに沿って移動することによって、プラン
ジャ37は分配ロータ34の基部に形成されたシリンダ
ボア36の中で半径方向に往復運動をする。その際に拡
縮する圧力室35は、分配ロータ34内に形成された吸
入ポート34aによって燃料室15に連通して燃料を吸
入したり、吐出ポート34bによって機関の各気筒の燃
料噴射弁16に順次連通して、プランジャ37によって
高圧に加圧された燃料を噴射させることができる。
【0021】図2に示すインナーカム圧送式の分配型燃
料噴射ポンプ31においても、それに付設される従来の
タイマ装置40は、図1に示されたフェイスカム圧送式
の分配型燃料噴射ポンプ1に付設される従来のタイマ装
置28と同様なもので、実質的に同じ構造のタイマピス
トン21や油圧制御弁27等も備えており、図1におけ
るローラリング10が図2においてはカムリング39に
変わっている程度の相違があるだけであり、作用、効果
も概ね同様であるから、図1のタイマ装置28と図2の
タイマ装置40は従来のタイマ装置として均等視するこ
とができる。
料噴射ポンプ31においても、それに付設される従来の
タイマ装置40は、図1に示されたフェイスカム圧送式
の分配型燃料噴射ポンプ1に付設される従来のタイマ装
置28と同様なもので、実質的に同じ構造のタイマピス
トン21や油圧制御弁27等も備えており、図1におけ
るローラリング10が図2においてはカムリング39に
変わっている程度の相違があるだけであり、作用、効果
も概ね同様であるから、図1のタイマ装置28と図2の
タイマ装置40は従来のタイマ装置として均等視するこ
とができる。
【0022】前述のように、従来のタイマ装置28又は
40においては、燃料噴射時期の制御の応答性や精度に
問題があったので、本発明の図示実施例においては、従
来技術の問題点を改善するために、タイマ装置41とし
て図3に示すような構成を採用している。実施例のタイ
マ装置41は、図2によって先に説明したようなインナ
ーカム圧送式の分配型燃料噴射ポンプ31に対して適用
した例であって、図2における従来のタイマ装置40に
置き代わり得るものである。また、実施例のタイマ装置
41は、殆どそのままの形で図1に示したフェイスカム
圧送式の分配型燃料噴射ポンプ1における従来のタイマ
装置28にも置き代わり得る。
40においては、燃料噴射時期の制御の応答性や精度に
問題があったので、本発明の図示実施例においては、従
来技術の問題点を改善するために、タイマ装置41とし
て図3に示すような構成を採用している。実施例のタイ
マ装置41は、図2によって先に説明したようなインナ
ーカム圧送式の分配型燃料噴射ポンプ31に対して適用
した例であって、図2における従来のタイマ装置40に
置き代わり得るものである。また、実施例のタイマ装置
41は、殆どそのままの形で図1に示したフェイスカム
圧送式の分配型燃料噴射ポンプ1における従来のタイマ
装置28にも置き代わり得る。
【0023】後に詳しく説明するが、ソレノイドコイル
42に通電されていない初期状態を示す図3において、
実施例の油圧制御弁43は、図2に示したものと同様な
タイマシリンダ20に挿入されているタイマピストン2
1と同軸線上において、ポンプハウジング32の一部に
固定される。油圧制御弁43は弁ハウジング44と、ス
プール状の弁体45と、ソレノイドコイル42等から構
成されている。ソレノイドコイル42は電子式制御装置
5によって通電制御される。
42に通電されていない初期状態を示す図3において、
実施例の油圧制御弁43は、図2に示したものと同様な
タイマシリンダ20に挿入されているタイマピストン2
1と同軸線上において、ポンプハウジング32の一部に
固定される。油圧制御弁43は弁ハウジング44と、ス
プール状の弁体45と、ソレノイドコイル42等から構
成されている。ソレノイドコイル42は電子式制御装置
5によって通電制御される。
【0024】弁ハウジング44の外周面には、ポンプハ
ウジング32に形成された同形の穴に挿入される部分に
おいて3個の環状溝46,47,48が形成されてい
る。弁ハウジング44の図における左端部は螺子部49
となっていて、ポンプハウジング32の螺子部に螺着さ
れる。弁体45は弁ハウジング44の中央部に開口して
いる弁のシリンダボア50に挿入され、右端部に略平板
状の可動鉄片51を備えていると共に、左端部に段部4
5aを備えている。弁体45の外周面には2個の環状溝
52,53が形成されており、環状溝52は弁体45を
軸方向に貫通するポート54と連通している。
ウジング32に形成された同形の穴に挿入される部分に
おいて3個の環状溝46,47,48が形成されてい
る。弁ハウジング44の図における左端部は螺子部49
となっていて、ポンプハウジング32の螺子部に螺着さ
れる。弁体45は弁ハウジング44の中央部に開口して
いる弁のシリンダボア50に挿入され、右端部に略平板
状の可動鉄片51を備えていると共に、左端部に段部4
5aを備えている。弁体45の外周面には2個の環状溝
52,53が形成されており、環状溝52は弁体45を
軸方向に貫通するポート54と連通している。
【0025】弁体45の左端の段部45aが弁のシリン
ダボア50の左端部に形成された段部であるストッパ部
50aに抵触すると、弁体45はそれ以上左方へ移動す
ることができなくなる。また、弁体45の右方への可動
範囲は、弁ハウジング44に取り付けられた調整螺子5
5によって規制される。弁のシリンダボア50の内面に
は環状溝56,57,58が形成されており、弁体45
の位置によって弁体45の外周面の環状溝52又は53
と連通することができる。環状溝46と56,環状溝4
7と57,及び環状溝48と58は、図示のように、そ
れぞれ半径方向の通路によって常時連通している。
ダボア50の左端部に形成された段部であるストッパ部
50aに抵触すると、弁体45はそれ以上左方へ移動す
ることができなくなる。また、弁体45の右方への可動
範囲は、弁ハウジング44に取り付けられた調整螺子5
5によって規制される。弁のシリンダボア50の内面に
は環状溝56,57,58が形成されており、弁体45
の位置によって弁体45の外周面の環状溝52又は53
と連通することができる。環状溝46と56,環状溝4
7と57,及び環状溝48と58は、図示のように、そ
れぞれ半径方向の通路によって常時連通している。
【0026】弁ハウジング44の外周面の環状溝46
は、低圧ポート59を介してフィードポンプ8(図2参
照)の低圧側、即ち吸入ポート26に接続されると共
に、環状溝48は、高圧ポート60を介してフィードポ
ンプ8の高圧側、即ち吐出ポート14又はそれと連通し
ている燃料室15に接続される。この場合、高圧ポート
60には逆止弁61を設けて、油圧制御弁43側からフ
ィードポンプ8の吐出ポート14側への燃料の逆流を防
止する。環状溝47は通路62によってタイマ高圧室2
2と常時連通している。
は、低圧ポート59を介してフィードポンプ8(図2参
照)の低圧側、即ち吸入ポート26に接続されると共
に、環状溝48は、高圧ポート60を介してフィードポ
ンプ8の高圧側、即ち吐出ポート14又はそれと連通し
ている燃料室15に接続される。この場合、高圧ポート
60には逆止弁61を設けて、油圧制御弁43側からフ
ィードポンプ8の吐出ポート14側への燃料の逆流を防
止する。環状溝47は通路62によってタイマ高圧室2
2と常時連通している。
【0027】実施例のタイマ装置41におけるタイマピ
ストン21は、従来のタイマ装置40におけるそれと同
様に、タイマスプリング25によって常にタイマ高圧室
22を縮小する方向、即ち図3において左方向へ付勢さ
れているが、実施例の最大の特徴として、油圧制御弁4
3の弁体45の左端部とタイマピストン21との間に比
較的弱いコイル状の圧縮ばねであるコントロールスプリ
ング63が、所定のセット荷重を与えられて装填されて
いる。従って、タイマピストン21がタイマシリンダ2
0内で左右に移動すると、弁体45への付勢力が変化す
る。
ストン21は、従来のタイマ装置40におけるそれと同
様に、タイマスプリング25によって常にタイマ高圧室
22を縮小する方向、即ち図3において左方向へ付勢さ
れているが、実施例の最大の特徴として、油圧制御弁4
3の弁体45の左端部とタイマピストン21との間に比
較的弱いコイル状の圧縮ばねであるコントロールスプリ
ング63が、所定のセット荷重を与えられて装填されて
いる。従って、タイマピストン21がタイマシリンダ2
0内で左右に移動すると、弁体45への付勢力が変化す
る。
【0028】タイマピストン21は、タイマ高圧室22
に導入される高圧(フィードポンプ8の吐出圧、即ち燃
料室15の燃料圧)を受けて図3において右方へ移動す
ることにより、スライドピン19を介して図2に示すよ
うなカムリング39を分配ロータ34の回転方向とは反
対の方向へ回動させる。それによって、プランジャ37
が圧縮行程にあるときに燃料の圧送開始の時期が早くな
り、燃料噴射弁16における燃料の噴射開始の時期を早
めることができる。即ち、燃料の噴射時期は、タイマピ
ストン21が図3において可動範囲の左端に来たときに
最も遅くなると共に、可動範囲の右端に来たときに最も
早くなる。従って、タイマピストン21を可動範囲の途
中の任意の位置で安定に停止させることができれば、燃
料の噴射時期を任意に制御することが可能になるが、こ
の実施例では、コントロールスプリング63によって付
勢される油圧制御弁43によってそれを実現している。
に導入される高圧(フィードポンプ8の吐出圧、即ち燃
料室15の燃料圧)を受けて図3において右方へ移動す
ることにより、スライドピン19を介して図2に示すよ
うなカムリング39を分配ロータ34の回転方向とは反
対の方向へ回動させる。それによって、プランジャ37
が圧縮行程にあるときに燃料の圧送開始の時期が早くな
り、燃料噴射弁16における燃料の噴射開始の時期を早
めることができる。即ち、燃料の噴射時期は、タイマピ
ストン21が図3において可動範囲の左端に来たときに
最も遅くなると共に、可動範囲の右端に来たときに最も
早くなる。従って、タイマピストン21を可動範囲の途
中の任意の位置で安定に停止させることができれば、燃
料の噴射時期を任意に制御することが可能になるが、こ
の実施例では、コントロールスプリング63によって付
勢される油圧制御弁43によってそれを実現している。
【0029】次に、実施例の作動を詳細に説明する。前
述のように、図3は電子式制御装置5によるソレノイド
コイル42への通電が未だなされていない初期状態を示
している。この状態では弁体45がコントロールスプリ
ング63の付勢力によって右方向に押されて可動範囲の
右端位置にある。従って、タイマ高圧室22は環状溝4
7,57,53,56,46を介して低圧ポート59に
連通し、更にフィードポンプ8の吸入ポート26に連通
している。その結果、タイマ高圧室22は低圧になって
いる。また、タイマ低圧室24も貫通ポート54と環状
溝52,56を介して低圧ポート59に連通して低圧に
なっている。このように、タイマピストン21が可動範
囲の左端、即ち燃料噴射時期の最遅角位置にあるとき
は、コントロールスプリング63は最も付勢力の弱い状
態で、図3において弁体45を右方へ押圧している。
述のように、図3は電子式制御装置5によるソレノイド
コイル42への通電が未だなされていない初期状態を示
している。この状態では弁体45がコントロールスプリ
ング63の付勢力によって右方向に押されて可動範囲の
右端位置にある。従って、タイマ高圧室22は環状溝4
7,57,53,56,46を介して低圧ポート59に
連通し、更にフィードポンプ8の吸入ポート26に連通
している。その結果、タイマ高圧室22は低圧になって
いる。また、タイマ低圧室24も貫通ポート54と環状
溝52,56を介して低圧ポート59に連通して低圧に
なっている。このように、タイマピストン21が可動範
囲の左端、即ち燃料噴射時期の最遅角位置にあるとき
は、コントロールスプリング63は最も付勢力の弱い状
態で、図3において弁体45を右方へ押圧している。
【0030】図3のような初期状態から電子式制御装置
5による油圧制御弁43の制御が開始される。まず、ソ
レノイドコイル42に通電されることによって可動鉄片
51を吸引する際に発生する吸引力とコントロールスプ
リング63の付勢力との力関係、及び、弁体45の環状
溝52,53と弁ハウジング44に形成された弁のシリ
ンダボア50の環状溝56,57,58との位置関係に
ついて述べる。
5による油圧制御弁43の制御が開始される。まず、ソ
レノイドコイル42に通電されることによって可動鉄片
51を吸引する際に発生する吸引力とコントロールスプ
リング63の付勢力との力関係、及び、弁体45の環状
溝52,53と弁ハウジング44に形成された弁のシリ
ンダボア50の環状溝56,57,58との位置関係に
ついて述べる。
【0031】図4は、電子式制御装置5の指令によって
ソレノイドコイル42に電流が供給されている油圧制御
弁43の実質的な作動状態における、最遅角の安定状態
を示しているが、このような位置関係が得られるよう
に、ソレノイドコイル42への通電量とコントロールス
プリング63のセット荷重を設定し、ソレノイドコイル
42による可動鉄片51の吸引力とコントロールスプリ
ング63の付勢力との力関係をバランスさせる。即ち、
弁体45とタイマピストン21の位置、従って燃料噴射
時期の安定状態は、タイマ高圧室22が弁体45の環状
溝53に連通していても、低圧ポート59及び高圧ポー
ト60のいずれからも遮断されている状態を、コントロ
ールスプリング63の存在のもとに維持することができ
るような大きさの電流をソレノイドコイル42に供給
し、ソレノイドコイル42の吸引力とコントロールスプ
リング63の付勢力とをバランスさせる。
ソレノイドコイル42に電流が供給されている油圧制御
弁43の実質的な作動状態における、最遅角の安定状態
を示しているが、このような位置関係が得られるよう
に、ソレノイドコイル42への通電量とコントロールス
プリング63のセット荷重を設定し、ソレノイドコイル
42による可動鉄片51の吸引力とコントロールスプリ
ング63の付勢力との力関係をバランスさせる。即ち、
弁体45とタイマピストン21の位置、従って燃料噴射
時期の安定状態は、タイマ高圧室22が弁体45の環状
溝53に連通していても、低圧ポート59及び高圧ポー
ト60のいずれからも遮断されている状態を、コントロ
ールスプリング63の存在のもとに維持することができ
るような大きさの電流をソレノイドコイル42に供給
し、ソレノイドコイル42の吸引力とコントロールスプ
リング63の付勢力とをバランスさせる。
【0032】最遅角の安定状態を示す図4の状態ではコ
ントロールスプリング63の付勢力は弱いので、安定状
態を維持するのに必要なソレノイドコイル42への通電
量は小さいが、タイマピストン21が右端に向かって移
動して、燃料噴射時期が進角するほどコントロールスプ
リング63の付勢力が大きくなるので、弁体45を任意
の位置に安定状態で維持するために必要なソレノイドコ
イル42への通電量は大きくなる。この関係を具体的な
例である図7〜図9を用いて説明する。
ントロールスプリング63の付勢力は弱いので、安定状
態を維持するのに必要なソレノイドコイル42への通電
量は小さいが、タイマピストン21が右端に向かって移
動して、燃料噴射時期が進角するほどコントロールスプ
リング63の付勢力が大きくなるので、弁体45を任意
の位置に安定状態で維持するために必要なソレノイドコ
イル42への通電量は大きくなる。この関係を具体的な
例である図7〜図9を用いて説明する。
【0033】図7はソレノイドコイル42への通電量
(電流値)とコントロールスプリング63の付勢力との
関係を示しており、燃料噴射時期が進角するに従ってタ
イマピストン21が右方へ移動し、コントロールスプリ
ング63の付勢力が増加するほど、その状態でバランス
させて安定させるための電流値も比例的に増加する。こ
の例では、図3に示すような初期の非通電状態における
コントロールスプリング63のセット荷重は0.5kg
fとしている。この場合、制御による最遅角の安定状態
ではコントロールスプリング63の付勢力は1kgfで
あり、ソレノイドコイル42に流す必要がある電流値は
1Aである。
(電流値)とコントロールスプリング63の付勢力との
関係を示しており、燃料噴射時期が進角するに従ってタ
イマピストン21が右方へ移動し、コントロールスプリ
ング63の付勢力が増加するほど、その状態でバランス
させて安定させるための電流値も比例的に増加する。こ
の例では、図3に示すような初期の非通電状態における
コントロールスプリング63のセット荷重は0.5kg
fとしている。この場合、制御による最遅角の安定状態
ではコントロールスプリング63の付勢力は1kgfで
あり、ソレノイドコイル42に流す必要がある電流値は
1Aである。
【0034】図8はコントロールスプリング63の付勢
力とタイマピストン21の位置との関係を示したもので
あるが、これらの間の関係も直線的になっている。従っ
て、ソレノイドコイル42の電流値とタイマピストン2
1の位置との関係も、図9に示すような直線的な関係に
なる。なお、図7〜図9は任意の位置においてコントロ
ールスプリング63の付勢力とソレノイドコイル42の
吸引力がバランスする安定状態を示しているが、バラン
スが崩れた場合には弁体45が左右いずれかの方向に移
動し、それによって弁体45上の中央の環状溝53が低
圧ポート59又は高圧ポート60と連通し、タイマピス
トン21を左右いずれかの方向に移動させる。それに伴
ってコントロールスプリング63の付勢力も変化し、タ
イマピストン21は次にバランスする点まで移動して停
止することになる。具体的に、最遅角位置から最進角位
置への変化を図4〜6及び図10を用いて説明する。
力とタイマピストン21の位置との関係を示したもので
あるが、これらの間の関係も直線的になっている。従っ
て、ソレノイドコイル42の電流値とタイマピストン2
1の位置との関係も、図9に示すような直線的な関係に
なる。なお、図7〜図9は任意の位置においてコントロ
ールスプリング63の付勢力とソレノイドコイル42の
吸引力がバランスする安定状態を示しているが、バラン
スが崩れた場合には弁体45が左右いずれかの方向に移
動し、それによって弁体45上の中央の環状溝53が低
圧ポート59又は高圧ポート60と連通し、タイマピス
トン21を左右いずれかの方向に移動させる。それに伴
ってコントロールスプリング63の付勢力も変化し、タ
イマピストン21は次にバランスする点まで移動して停
止することになる。具体的に、最遅角位置から最進角位
置への変化を図4〜6及び図10を用いて説明する。
【0035】図4に示す最遅角安定状態から燃料噴射時
期を進角させるためには、タイマ高圧室22の油圧を増
加させて、タイマスプリング25の付勢力に抗してタイ
マピストン21を右方へ移動させる。図5は電子式制御
装置5が最進角指令を出した直後の、未だ安定していな
い状態におけるタイマ装置41の状態を示している。こ
の例において、燃料噴射時期を最も大きく進角させる場
合には、図9に示したように、ソレノイドコイル42の
電流値を5Aまで増加させる。それによって、弁体45
はコントロールスプリング63の付勢力に抗して一気に
図5における可動範囲の左端まで移動する。これは、タ
イマピストン21の動きが弁体45の動きに比べて若干
遅れるためである。
期を進角させるためには、タイマ高圧室22の油圧を増
加させて、タイマスプリング25の付勢力に抗してタイ
マピストン21を右方へ移動させる。図5は電子式制御
装置5が最進角指令を出した直後の、未だ安定していな
い状態におけるタイマ装置41の状態を示している。こ
の例において、燃料噴射時期を最も大きく進角させる場
合には、図9に示したように、ソレノイドコイル42の
電流値を5Aまで増加させる。それによって、弁体45
はコントロールスプリング63の付勢力に抗して一気に
図5における可動範囲の左端まで移動する。これは、タ
イマピストン21の動きが弁体45の動きに比べて若干
遅れるためである。
【0036】弁体45が図5に示すように可動範囲の左
端まで移動し、段部45aがシリンダボア50のストッ
パ部50aに接触して停止すると、弁体45の環状溝5
3がシリンダボア50の内面の環状溝57及び58を連
通させる結果、高圧ポート60から通路62を介してタ
イマ高圧室22へ高圧(燃料室15の燃料油圧)が導入
される。それによってタイマピストン21が右方へ移動
し始めるが、それと同時にコントロールスプリング63
がより強く圧縮されるため、弁体45を右方に向かって
押し戻そうとする力が増加し、それによって弁体45が
右方へ移動し始める。
端まで移動し、段部45aがシリンダボア50のストッ
パ部50aに接触して停止すると、弁体45の環状溝5
3がシリンダボア50の内面の環状溝57及び58を連
通させる結果、高圧ポート60から通路62を介してタ
イマ高圧室22へ高圧(燃料室15の燃料油圧)が導入
される。それによってタイマピストン21が右方へ移動
し始めるが、それと同時にコントロールスプリング63
がより強く圧縮されるため、弁体45を右方に向かって
押し戻そうとする力が増加し、それによって弁体45が
右方へ移動し始める。
【0037】その後、燃料噴射時期の最進角状態になる
と、図6に示すように、タイマピストン21は可動範囲
の右端位置へ、また弁体45は、この例の場合はソレノ
イドコイル42に流れる5Aの電流によって可動鉄片5
1に作用する吸引力と、圧縮されて大きくなったコント
ロールスプリング63の付勢力とがバランスする位置へ
移動し、タイマ高圧室22が低圧ポート59及び高圧ポ
ート60のいずれにも連通しない連通の遮断状態を形成
するので、タイマ高圧室22は閉じられた密室を形成す
る状態となる。
と、図6に示すように、タイマピストン21は可動範囲
の右端位置へ、また弁体45は、この例の場合はソレノ
イドコイル42に流れる5Aの電流によって可動鉄片5
1に作用する吸引力と、圧縮されて大きくなったコント
ロールスプリング63の付勢力とがバランスする位置へ
移動し、タイマ高圧室22が低圧ポート59及び高圧ポ
ート60のいずれにも連通しない連通の遮断状態を形成
するので、タイマ高圧室22は閉じられた密室を形成す
る状態となる。
【0038】また、燃料噴射時期を遅角させる場合に
は、前述の進角の場合と反対の操作を行うことになる。
即ち、電子式制御装置5がソレノイドコイル42の電流
値を減少させると、ソレノイドコイル42の吸引力とコ
ントロールスプリング63の付勢力とのバランスが崩れ
て、圧縮されたコントロールスプリング63の付勢力が
優勢になるために、弁体45は図6において右方へ移動
する。それによって、弁体45の環状溝53はシリンダ
ボア50内面の環状溝56と57とを連通させるので、
タイマ高圧室22の油圧が低下する。その結果、タイマ
ピストン21は左方へ移動し、コントロールスプリング
63の付勢力は低下する。従って、弁体45は左方へ移
動し、弁体45の環状溝53が低圧ポート59及び高圧
ポート60のいずれにも連通しない状態となったところ
で停止する。
は、前述の進角の場合と反対の操作を行うことになる。
即ち、電子式制御装置5がソレノイドコイル42の電流
値を減少させると、ソレノイドコイル42の吸引力とコ
ントロールスプリング63の付勢力とのバランスが崩れ
て、圧縮されたコントロールスプリング63の付勢力が
優勢になるために、弁体45は図6において右方へ移動
する。それによって、弁体45の環状溝53はシリンダ
ボア50内面の環状溝56と57とを連通させるので、
タイマ高圧室22の油圧が低下する。その結果、タイマ
ピストン21は左方へ移動し、コントロールスプリング
63の付勢力は低下する。従って、弁体45は左方へ移
動し、弁体45の環状溝53が低圧ポート59及び高圧
ポート60のいずれにも連通しない状態となったところ
で停止する。
【0039】タイマピストン21が可動範囲における任
意の中間位置にあり、燃料噴射時期が最進角と最遅角の
間の任意の大きさの進角量をとっている状態であって
も、コントロールスプリング63の付勢力とソレノイド
コイル42の吸引力がバランスした場合には、油圧制御
弁43の弁体45はタイマ高圧室22に対する連通を遮
断する位置にあり、タイマ高圧室22には高圧と低圧の
中間の油圧の燃料が閉じ込められている。なお、タイマ
低圧室24には弁体45の環状溝52と貫通ポート54
を通じて低圧ポート59からの低圧の燃料油圧が常時作
用している。
意の中間位置にあり、燃料噴射時期が最進角と最遅角の
間の任意の大きさの進角量をとっている状態であって
も、コントロールスプリング63の付勢力とソレノイド
コイル42の吸引力がバランスした場合には、油圧制御
弁43の弁体45はタイマ高圧室22に対する連通を遮
断する位置にあり、タイマ高圧室22には高圧と低圧の
中間の油圧の燃料が閉じ込められている。なお、タイマ
低圧室24には弁体45の環状溝52と貫通ポート54
を通じて低圧ポート59からの低圧の燃料油圧が常時作
用している。
【0040】以下、タイムチャートである図10によっ
て、電子式制御装置5の進角指令に対する実施例のタイ
マ装置41の各部分の動きを例示する。なお、以下の説
明におけるタイマピストン21や弁体45の移動方向
は、図3〜図6における左右方向を基準としている。
て、電子式制御装置5の進角指令に対する実施例のタイ
マ装置41の各部分の動きを例示する。なお、以下の説
明におけるタイマピストン21や弁体45の移動方向
は、図3〜図6における左右方向を基準としている。
【0041】最遅角から最進角、そして中間程度という
ように燃料噴射時期の進角量を変化(増加)させるとき
は、まずソレノイドコイル42の電流値を1Aから5A
に増加させる。それによって弁体45と一体の可動鉄片
51はソレノイドコイル42に吸引され、最大変位位置
まで左方へ移動する。同時にタイマ高圧室22の油圧が
上昇し、タイマピストン21は進角側(右方)へ移動す
る。タイマピストン21の移動終了と略同時に、弁体4
5がコントロールスプリング63によって右方へ若干押
し戻されて、タイマ高圧室22への高圧供給が遮断され
るので、弁体45はその位置を維持する。
ように燃料噴射時期の進角量を変化(増加)させるとき
は、まずソレノイドコイル42の電流値を1Aから5A
に増加させる。それによって弁体45と一体の可動鉄片
51はソレノイドコイル42に吸引され、最大変位位置
まで左方へ移動する。同時にタイマ高圧室22の油圧が
上昇し、タイマピストン21は進角側(右方)へ移動す
る。タイマピストン21の移動終了と略同時に、弁体4
5がコントロールスプリング63によって右方へ若干押
し戻されて、タイマ高圧室22への高圧供給が遮断され
るので、弁体45はその位置を維持する。
【0042】次に、電子式制御装置5から遅角側の指令
が出ると、ソレノイドコイル42への電流値は3Aに低
下する。弁体45はコントロールスプリング63に押さ
れて右方へ移動し、タイマ高圧室22が低圧ポート59
に通じてその油圧が低下するので、タイマピストン21
は左方へ移動する。タイマピストン21の移動終了と略
同時に、弁体45が左方へ若干戻ってタイマ高圧室22
への低圧ポート59及び高圧ポート60の連通を遮断状
態とし、その位置を維持する。
が出ると、ソレノイドコイル42への電流値は3Aに低
下する。弁体45はコントロールスプリング63に押さ
れて右方へ移動し、タイマ高圧室22が低圧ポート59
に通じてその油圧が低下するので、タイマピストン21
は左方へ移動する。タイマピストン21の移動終了と略
同時に、弁体45が左方へ若干戻ってタイマ高圧室22
への低圧ポート59及び高圧ポート60の連通を遮断状
態とし、その位置を維持する。
【0043】なお、例えば図2に示すインナーカム圧送
式の分配型燃料噴射ポンプ31に実施例のタイマ装置4
1が適用された場合において、燃料が燃料噴射弁16か
ら噴射される際には、カムリング39を介してタイマピ
ストン21には噴射反力が作用する。例えば図6におい
て、ローラ38がカムリング39の内周のカム面39a
における凸部に乗り上げて燃料を圧送するとき、時計回
り方向の力の成分によって、タイマピストン21は遅角
側(左方向)へ移動しようとするが、安定状態ではタイ
マ高圧室22は密閉状態になっているので、タイマ高圧
室22の圧縮は液体を圧縮することになって実質的に圧
縮不可能であるから、噴射反力による進角量の変化が防
止されるという利点がある。
式の分配型燃料噴射ポンプ31に実施例のタイマ装置4
1が適用された場合において、燃料が燃料噴射弁16か
ら噴射される際には、カムリング39を介してタイマピ
ストン21には噴射反力が作用する。例えば図6におい
て、ローラ38がカムリング39の内周のカム面39a
における凸部に乗り上げて燃料を圧送するとき、時計回
り方向の力の成分によって、タイマピストン21は遅角
側(左方向)へ移動しようとするが、安定状態ではタイ
マ高圧室22は密閉状態になっているので、タイマ高圧
室22の圧縮は液体を圧縮することになって実質的に圧
縮不可能であるから、噴射反力による進角量の変化が防
止されるという利点がある。
【0044】また、それとは反対に、図3において、ロ
ーラ38がカムリング39のカム面39aを下る状態に
あるときには、反時計回り方向の力の成分によってタイ
マピストン21は進角側(右方向)へ移動しようとする
が、この移動は比較的強いタイマスプリング25によっ
て抑制されるため、この場合にもタイマピストン21の
位置に及ぼす影響は少なくなるという利点がある。
ーラ38がカムリング39のカム面39aを下る状態に
あるときには、反時計回り方向の力の成分によってタイ
マピストン21は進角側(右方向)へ移動しようとする
が、この移動は比較的強いタイマスプリング25によっ
て抑制されるため、この場合にもタイマピストン21の
位置に及ぼす影響は少なくなるという利点がある。
【0045】以上の実施例の説明では、タイマ装置41
を図2に示すインナーカム圧送式の分配型燃料噴射ポン
プ31に適用した場合について説明したが、実施例のタ
イマ装置41は図1に示すフェイスカム圧送式の分配型
燃料噴射ポンプ1にも、殆どそのままで適用することが
できることは明らかである。その場合に、インナーカム
圧送式の分配型燃料噴射ポンプ31と略同様な作用効果
が得られることもまた明らかであるから、フェイスカム
圧送式の分配型燃料噴射ポンプに適用した場合について
の重複する説明は省略する。
を図2に示すインナーカム圧送式の分配型燃料噴射ポン
プ31に適用した場合について説明したが、実施例のタ
イマ装置41は図1に示すフェイスカム圧送式の分配型
燃料噴射ポンプ1にも、殆どそのままで適用することが
できることは明らかである。その場合に、インナーカム
圧送式の分配型燃料噴射ポンプ31と略同様な作用効果
が得られることもまた明らかであるから、フェイスカム
圧送式の分配型燃料噴射ポンプに適用した場合について
の重複する説明は省略する。
【0046】実施例のタイマ装置41によれば、タイマ
ピストン21の位置に応じてコントロールスプリング6
3の付勢力が変化し、それが弁体45に伝達されるた
め、その付勢力にバランスするようにソレノイドコイル
42に供給する電流値を設定することにより、タイマ装
置41の特性を任意に設定することができる。従って、
燃料噴射時期を直接に、且つ正確に制御することが可能
になる。
ピストン21の位置に応じてコントロールスプリング6
3の付勢力が変化し、それが弁体45に伝達されるた
め、その付勢力にバランスするようにソレノイドコイル
42に供給する電流値を設定することにより、タイマ装
置41の特性を任意に設定することができる。従って、
燃料噴射時期を直接に、且つ正確に制御することが可能
になる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、従来のタイマ装置にお
いてコントロールスプリングを付加すると共に、油圧制
御弁の弁体の構造を多少変更するというような、きわめ
て簡単な手段によって、分配型の燃料噴射ポンプにおけ
る電子制御タイマの精度と応答性を大幅に向上させるこ
とができる
いてコントロールスプリングを付加すると共に、油圧制
御弁の弁体の構造を多少変更するというような、きわめ
て簡単な手段によって、分配型の燃料噴射ポンプにおけ
る電子制御タイマの精度と応答性を大幅に向上させるこ
とができる
【図1】一般的なフェイスカム圧送式の分配型燃料噴射
ポンプと、それに付設された従来のタイマ装置のシステ
ム構成を示す断面図である。
ポンプと、それに付設された従来のタイマ装置のシステ
ム構成を示す断面図である。
【図2】一般的なインナーカム圧送式の分配型燃料噴射
ポンプと、それに付設された従来のタイマ装置のシステ
ム構成を示す断面図である。
ポンプと、それに付設された従来のタイマ装置のシステ
ム構成を示す断面図である。
【図3】実施例のタイマ装置における初期状態を示す断
面図である。
面図である。
【図4】図3のタイマ装置における最遅角安定状態を示
す断面図である。
す断面図である。
【図5】図3のタイマ装置における最進角指令直後の状
態を示す断面図である。
態を示す断面図である。
【図6】図3のタイマ装置における最進角安定状態を示
す断面図である。
す断面図である。
【図7】実施例のタイマ装置におけるソレノイドコイル
に供給される電流値とコントロールスプリングの付勢力
との関係を示す線図である。
に供給される電流値とコントロールスプリングの付勢力
との関係を示す線図である。
【図8】実施例のタイマ装置におけるコントロールスプ
リングの付勢力とタイマピストンの位置との関係を示す
線図である。
リングの付勢力とタイマピストンの位置との関係を示す
線図である。
【図9】実施例のタイマ装置におけるソレノイドコイル
に供給される電流値とタイマピストンの位置との関係を
示す線図である。
に供給される電流値とタイマピストンの位置との関係を
示す線図である。
【図10】電子式制御装置の進角指令に対する実施例の
タイマ装置の各部分の動きを例示するタイムチャートで
ある。
タイマ装置の各部分の動きを例示するタイムチャートで
ある。
1…フェイスカム圧送式の分配型燃料噴射ポンプ 2…ドライブシャフト 5…電子式制御装置 6…プランジャ 7…フェイスカム 8…フィードポンプ 10…ローラリング 12…ポンプシリンダ 13…圧力室 14…フィードポンプの吐出ポート 15…燃料室 16…燃料噴射弁 17…ポンプハウジング 18…スピル弁 19…スライドピン 20…タイマシリンダ 21…タイマピストン 22…タイマ高圧室 24…タイマ低圧室 25…タイマスプリング 26…フィードポンプの吸入ポート 27…従来の油圧制御弁 28…従来のタイマ装置 31…インナーカム圧送式の分配型燃料噴射ポンプ 34…分配ロータ 35…圧力室 37…プランジャ 38…ローラ 39…カムリング 40…従来のタイマ装置 41…実施例のタイマ装置 42…ソレノイドコイル 43…実施例の油圧制御弁 44…弁ハウジング 45…弁体 46,47,48…環状溝 50…弁のシリンダボア 51…可動鉄片 52,53,56,57,58…環状溝 59…低圧ポート 60…高圧ポート 63…コントロールスプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関口 清則 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 柴田 仁 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内
Claims (2)
- 【請求項1】 プランジャの往復運動によって燃料を燃
料噴射弁へ圧送して噴射させる内燃機関用の燃料噴射ポ
ンプにおいて、両端にタイマ高圧室とタイマ低圧室を形
成するタイマピストンを、前記タイマ高圧室を縮小する
方向に付勢するタイマスプリングの他に、同じ方向に前
記タイマピストンを付勢するように、前記タイマピスト
ンと油圧制御弁の弁体との間にコントロールスプリング
を挿入すると共に、前記油圧制御弁の弁体を制御装置の
指令によって電気的に付勢されるソレノイドコイルによ
って駆動し、前記弁体の位置によって前記タイマ高圧室
を高圧ポート又は低圧ポートに選択的に連通させ、或い
はそれらの双方との連通を遮断することができるように
したことを特徴とする電子制御タイマ。 - 【請求項2】 前記ソレノイドコイルの吸引力と、前記
コントロールスプリングの付勢力とが釣り合う位置へ移
動することによって、前記弁体が前記タイマ高圧室と前
記高圧ポート及び前記低圧ポートの双方との連通を遮断
するようにしたことを特徴とする請求項1記載の電子制
御タイマ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13867894A JPH084559A (ja) | 1994-06-21 | 1994-06-21 | 燃料噴射ポンプの電子制御タイマ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13867894A JPH084559A (ja) | 1994-06-21 | 1994-06-21 | 燃料噴射ポンプの電子制御タイマ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH084559A true JPH084559A (ja) | 1996-01-09 |
Family
ID=15227552
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13867894A Pending JPH084559A (ja) | 1994-06-21 | 1994-06-21 | 燃料噴射ポンプの電子制御タイマ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH084559A (ja) |
-
1994
- 1994-06-21 JP JP13867894A patent/JPH084559A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020402 |