JPH09264142A - 多気筒エンジンの吸気装置 - Google Patents

多気筒エンジンの吸気装置

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Publication number
JPH09264142A
JPH09264142A JP8072324A JP7232496A JPH09264142A JP H09264142 A JPH09264142 A JP H09264142A JP 8072324 A JP8072324 A JP 8072324A JP 7232496 A JP7232496 A JP 7232496A JP H09264142 A JPH09264142 A JP H09264142A
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JP
Japan
Prior art keywords
intake
passage
common
cylinder engine
natural frequency
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Application number
JP8072324A
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English (en)
Inventor
Mutsumi Kishida
睦 岸田
Yasuhiro Okasako
靖弘 岡迫
Keiji Araki
啓二 荒木
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Characterised By The Charging Evacuation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ISC(アイドルスピードコントロール)用通
路10において吸気脈動による異音の発生を抑制する。 【解決手段】多気筒エンジンに、エアクリーナ5、共通
吸気通路3、スロットルボディ4及び吸気マニホールド
2という一連の吸気系を設ける。吸気マニホールド2の
集合部にレゾナンスチャンバー8を接続し、共通吸気通
路3からスロットルボディ4をバイパスして延設したI
SC用通路10の下流端を上記レゾナンスチャンバー8
に接続し、該レゾナンスチャンバー8によって吸気脈動
を減衰させることによって上記異音の発生を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多気筒エンジンの吸
気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】多気筒エンジンにおいて、その吸気マニ
ホールドの集合部にレゾナンスチャンバーを接続し、共
鳴効果を利用して吸気の動的過給を行なうことは一般に
行なわれている特(開平3−260367号公報参
照)。この場合の共鳴効果は、吸気行程で吸気管内に生
じた圧力振動(吸気脈動)に、レゾナンスチャンバーの
気柱固有振動数を同調させることによって所定のエンジ
ン回転域において過給効果を得るものであり、同調点で
脈動が減衰する一方、その両側のエンジン回転域におい
ては過給効果が得られてエンジンの出力トルクが上昇す
ることになる。
【0003】また、アイドルスピードコントロール(以
下、ISCという。)用通路に専用のレゾネータ(共鳴
型消音器)を取り付けたものも知られている(特開平4
−12161号公報参照)。このものでは、ISC用通
路はスロットル弁上流の吸気通路から延設されスロット
ル弁をバイパスして吸気マニホールドの集合部(この例
ではサージタンク)にISCバルブを介して接続されて
いる。また、レゾネータは細長い1本のパイプによって
形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記ISC用通路の上
記ISCバルブを配設した部分(バルブシート部分)
は、該バルブによって通路が絞られた状態になっている
ため、上記吸気脈動によってそこから笛を吹いているよ
うな音が発生することがある。特に吸気マニホールドの
集合部の容積が小さいときに、上記ISC用通路のバル
ブ部位に吸気脈動が伝わり易く、笛吹き音が大きくな
る。
【0005】また、上述の吸気マニホールドの集合部に
接続したレゾナンスチャンバーは共鳴過給効果によって
エンジンの出力を特定のエンジン回転域で高めるもの
の、該回転域の高低両側の回転域ではその反動で出力低
下を招く。この場合、特に出力の向上が難しい低回転側
での出力低下が問題になる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、このような
課題に対し、上記ISC用通路を吸気マニホールドの集
合部ではなくレゾナンスチャンバーに接続すれば笛吹き
音が小さくなること、また、レゾナンスチャンバーだけ
でなく上記集合部の上流側の共通吸気通路を共鳴過給に
利用すればエンジンの出力を高めることができること、
但し、その場合にアイドル時の笛吹き音の増大の問題が
あるが、これは専用のレゾネータを設けることで解決で
きること等を見出だし、本発明を完成するに至ったもの
である。以下、具体的に説明する。
【0007】すなわち、この出願の発明では、多気筒エ
ンジンの各気筒に吸気を供給する分岐した吸気通路の集
合部に、気柱固有振動数が所定のエンジン回転数で吸気
脈動に同調するレゾナンスチャンバーを接続し、該エン
ジン回転数よりも高回転域において共鳴過給効果が現れ
るようにしている。そして、このような多気筒エンジン
の吸気装置において、上記レゾナンスチャンバーにアイ
ドル用通路、すなわちISC用通路を接続し、上記笛吹
き音を低減させている。つまり、この笛吹き音は上記分
岐吸気通路から吸気脈動がISCバルブ部分に伝播する
ことによって生ずるが、その途中にレゾナンスチャンバ
ーがあるため、これによって吸気脈動が減衰されること
になり、そのために、笛吹き音が低減するものである。
【0008】この出願の他の発明は、上記ISC用通路
の上流端を集合部上流の共通吸気通路に接続し、上記レ
ゾナンスチャンバーの気柱固有振動数を、上記共通吸気
通路の気柱固有振動数から、該共通吸気通路の気柱固有
振動数の15〜30%の範囲で離れた振動数となるよう
に設定し、エンジン出力を比較的広いエンジン回転域に
わたって高めている。すなわち、一般にチャンバー等の
共鳴効果が現れる振動数域はその気柱固有振動数の±1
5%程度の範囲であり、レゾナンスチャンバーの気柱固
有振動数が共通吸気通路の気柱固有振動数の前後15%
の範囲内にあれば共鳴の相殺を生ずる。そこで、当該発
明では、共通吸気通路による共鳴過給効果とレゾナンス
チャンバーによる共鳴過給効果とが相殺されないように
して、エンジンの出力向上を図っているものである。
【0009】この出願のさらに他の発明では、レゾナン
スチャンバーの気柱固有振動数と共通吸気通路の気柱固
有振動数とを上述の如く設定したものにおいて、上記I
SC用通路に専用のレゾネータを連通させることによっ
て、笛吹き音を低減させるようにしている。
【0010】すなわち、レゾナンスチャンバーの気柱固
有振動数と共通吸気通路の気柱固有振動数との差を該共
通吸気通路の気柱固有振動数の15〜30%の範囲にし
たのは、この両者の共鳴過給効果によってスロットル弁
が開いているときのエンジン出力を高めるためである。
しかし、共鳴過給効果が共通吸気通路によっても得られ
るということは、スロットル弁が閉じているアイドル時
においても、該共通吸気通路がISC用通路を介して共
振し上述の笛吹き音が大きくなり易いということであ
る。そこで、当該発明ではその消音のために上記専用の
レゾネータを設けているものである。また、上記笛吹き
音の低減のためには専用レゾネータを共通吸気通路に設
けることも考えられるが、そうではなくISC用通路に
専用レゾネータを接続したのは、ISC用通路は共通吸
気通路よりも通路径が小さいため、接続用通路の径も小
さくすることができ、従って、専用レゾネータ自体も大
容積にする必要がなくなってスペース的に有利になるか
らである。
【0011】この出願のさらに他の発明は、上記ISC
用通路の上流端を上記共通吸気通路に接続するものにお
いて、該共通吸気通路の気柱固有振動数と上記レゾナン
スチャンバーの気柱固有振動数との差が、該共通吸気通
路の気柱固有振動数の15%未満の範囲になるようにす
ることによって、この両者の共鳴効果を相殺し、上述の
専用レゾネータを設けずとも上記ISC用通路の笛吹き
音を低減させることができるようにしている。
【0012】この出願のさらに他の発明は、上述の専用
レゾネータを設けて笛吹き音を低減させる場合や、共通
吸気通路とレゾナンスチャンバーの気柱固有振動数差を
15%未満として笛吹き音を低減させる場合において、
アイドル時のエンジン回転数が目標回転数になるように
エンジンの冷却水温に応じて補正すべき量の吸気とエン
ジンに対する負荷の変動に応じて補正すべき量の吸気の
双方を1本のISC用通路によって供給する1系統IS
Cシステムを採用したものである。このような1系統I
SCでは比較的多量の補正用吸気を供給する必要から、
ISCバルブのリフト量が大きくなり、当該ISC用通
路径が実質的に大きくなって共通吸気通路が吸気脈動に
よって振動し易くなるから、上記の発明が特に有効にな
るものである。
【0013】この出願のさらに他の発明は、上述の共通
吸気通路とレゾナンスチャンバーの共鳴効果を利用して
エンジンの出力を高めるものにおいて、該共通吸気通路
の気柱固有振動数をレゾナンスチャンバーの気柱固有振
動数よりも低く設定し、レゾナンスチャンバーの共鳴過
給効果によってエンジン高回転側の出力を高める一方、
エンジン出力を高めることが難しい低回転側の出力を共
通吸気通路の共鳴過給効果によって高めるようにしてい
る。すなわち、共通吸気通路は、通路径が大きいため、
また、エアクリーナからスロットル弁に至る長さを長く
することができるため、その容積を大きくすることが容
易であり、そのことが低回転側で共鳴過給効果を得るに
有利に働いて、期待する効果を得ることができるもので
ある。
【0014】この出願のさらに他の発明は、ISC用通
路をレゾナンスチャンバーに接続する場合において、上
記集合部の容積が該レゾナンスチャンバーの容積よりも
小さくなっているものであり、このように集合部の容積
が小さい場合には、該集合部による吸気脈動の大きな減
衰を期待することができず、笛吹き音が大きくなる傾向
にあるから、ISC用通路を容積の大きなレゾナンスチ
ャンバーに接続することに特に意義があるものである。
【0015】上記集合部は、一般には、吸気行程で吸気
管内に生じた負圧波を正圧波に反転させて吸気弁の閉弁
直前の吸気口に作用するようにして過給する慣性効果に
利用され、従って、以上に説明した各発明においても、
このような慣性効果を利用することができるが、もちろ
ん、このような慣性効果が実質的に得られない程度の小
容積の集合部であっても、以上の各発明は成立する。
【0016】
【発明の効果】従って、この出願の発明によれば、IS
C用通路を、各気筒に接続する吸気通路の集合部ではな
くレゾナンスチャンバーに接続したから、仮に該集合部
の容積が小さく吸気脈動の減衰に不利であっても、上記
ISC用通路のバルブ部位において発生する笛吹き音を
低減することができる。
【0017】また、上記レゾナンスチャンバーだけでな
く上記集合部上流の共通吸気通路を共鳴過給に利用した
発明によれば、エンジンの出力を比較的広いエンジン回
転域にわたって高めることができ、その場合に上記IS
C用通路に専用のレゾネータを接続した発明によれば、
該レゾネータの容積を大きくしなくても上記笛吹き音が
大きくなることを避けることができる。さらに、上記共
通吸気通路の気柱固有振動数とレゾナンスチャンバーの
気柱固有振動数とを接近させて共鳴効果を相殺させるよ
うにした発明によれば、上記専用のレゾネータを設けず
とも上記笛吹き音を効果的に低減することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
<吸気装置の構造>図1には自動車の多気筒(4気筒)
エンジンの吸気装置の全体構成が示されている。同図に
おいて、1はエンジン本体、2は該エンジン本体1の吸
気マニホールド、3は該吸気マニホールド2にスロット
ル弁を有するスロットルボディ4を介して接続された各
気筒に共通の吸気通路、5は該共通吸気通路3の上流端
に設けられたエアクリーナである。吸気マニホールド2
は、共通吸気通路3が接続された各気筒共通のサージタ
ンク6と、該サージタンク6から分岐して各気筒に延び
る互いに独立した独立吸気通路7a〜7dと、該サージ
タンク5に連通路を介して接続された各気筒共通のレゾ
ナンスチャンバー8とを備えてなる。
【0019】また、共通吸気通路3から延設されたIS
C(アイドルスピードコントロール)用通路10がスロ
ットルボディ4をバイパスしてレゾナンスチャンバー8
にISCバルブ11を介して接続され、さらに、該IS
C用通路10には専用のレゾネータ12が連通路13を
介して接続されている。
【0020】図2及び図3に示すように、レゾナンスチ
ャンバー8は、サージタンク6の下に配置されていて、
該サージタンク6及びレゾナンスチャンバー8の側面同
士が連通路15によって接続されている。そして、レゾ
ナンスチャンバー8の容積はサージタンク6の容積の
1.5〜3倍になっている。換言すれば、サージタンク
6はかなり小さいものに形成されている。
【0021】そうして、上記容積が小さいサージタンク
6は、平面視においてスロットルボディ4に対する接続
部を中心として独立吸気通路7a〜7dが接続された部
分に向かって末広になった扇形に形成されている。そし
て、独立吸気通路7a〜7dは、その上流側部分がサー
ジタンク6から該サージタンク6を中心として同様の扇
形に広がって延びていくように配置されている。すなわ
ち、サージタンク6は独立吸気通路7a〜7dの扇形配
置の中心にあって、この配置形状とサージタンク6の扇
形とは略相似になっている。また、これらの扇形の広が
りは90度以下(図面に示す実施例は約80度)に設定
されている。
【0022】共通吸気通路3、サージタンク6及び独立
吸気通路7a〜7dの三者をみると、共通吸気通路3か
らサージタンク6に流入する吸気の流入方向が、該サー
ジタンク6から独立吸気通路7a〜7dのうちの中央の
2つの独立吸気通路7b,7cに流出する吸気の流出方
向と同方向となるように、当該共通吸気通路3、サージ
タンク6及び独立吸気通路7a〜7dが配置されてい
る。
【0023】各独立吸気通路7a〜7dは、上記上流側
の扇形配置部分から互いに平行になって湾曲しながら図
4及び図5に示すようにレゾナンスチャンバー8の下方
へ回り込み、エンジン本体1の各気筒に接続されてい
る。また、各独立吸気通路7a〜7dは、図3に示すよ
うに、サージタンク6との接続口9a〜9dが、上記扇
形の広がりに直交する方向の縦長に形成され且つ該扇形
の広がり方向に並設されており、各々の通路断面形状は
上記縦長から、漸次真円形になるように変化しさらに横
長の楕円形になるように漸次変化してエンジン本体1の
各気筒に接続されている。
【0024】図4に示すように、レゾナンスチャンバー
8の上記連通路15とは反対側の側面には、ISCバル
ブ11を接続するための接続口16が開口している。そ
して、この接続口16の脇にISC通路専用のレゾネー
タ12が配置されている。図1から明らかなように、共
通吸気通路3は各気筒に対する吸気を賄うため大径に形
成され、ISC用通路10は小径に形成されている。
【0025】但し、この実施例では、エンジン回転数が
目標回転数になるようにエンジンの冷却水温に応じて補
正すべき量の吸気とエンジンに対する負荷の変動に応じ
て補正すべき量の吸気の双方を1本のISC用通路10
によって供給する1系統ISCシステムが採用されてい
る。従って、ISC用通路10は小径ではあっても補正
に必要な吸気を供給できるように、その通路径が2系統
ISCシステムの場合よりも大径に形成され、また、I
SCバルブ11は、エンジン水温の高低によってバルブ
開度が変化するとともに、このエンジン水温によって決
まるバルブ開度を基準としてさらにエアコンの状態や自
動変速機のシフトレバーの位置等によってバルブ開度が
変化するものであって、その最大バルブリフト量は大き
くなっている。
【0026】<吸気装置の特性> −笛吹き音の低減について− エンジンのアイドル運転時にはISCバルブ11が該エ
ンジンの運転状態に応じた開度になるようにリフトさ
れ、従って、吸気脈動によってISC用通路10のバル
ブシート部分で発生する笛吹き音が問題になる。これに
対して、上記吸気装置においては、吸気脈動は、各独立
吸気通路7a〜7dからサージタンク6に伝播するとき
に該サージタンク6による伝播径路の拡張によって減衰
され、さらに、該サージタンク6から連通路15を介し
てレゾナンスチャンバー8に伝播するときに、該レゾナ
ンスチャンバー8による伝播径路の拡張によって減衰さ
れるため、上記笛吹き音の発生が抑えられる。この場
合、サージタンク6はその容積が小さいから上記吸気脈
動の減衰効果は低いが、レゾナンスチャンバー8は大容
積であって、当該吸気脈動を効果的に減衰させる。
【0027】また、上記吸気装置においては、ISC用
通路10に接続したレゾネータ12が当該吸気脈動と共
鳴することによってこれを減衰させ、上記笛吹き音の発
生を防止する。また、後述するように共通吸気通路3に
よる共鳴過給をエンジン低回転域での出力トルク上昇に
利用している関係で、アイドル運転時においてもISC
用通路10を介して共通吸気通路3が振動しやすく、特
に1系統ISCシステムの採用によってその傾向が強く
なっていて、上記笛吹き音を助長する結果となり易い
が、その場合に上記レゾネータ12が笛吹き音が大きく
なることを効果的に防止する。
【0028】−動的効果について− 各独立吸気通路7a〜7dは、図6に示すように、エン
ジンの高回転域において慣性過給効果が現れるように、
その気柱固有振動数が設定されている。しかし、上述の
如くサージタンク6の容積が小さい。このため、同図に
1点鎖線で示すように該高回転域に当該慣性過給によっ
て得られるエンジンの出力トルクの山はそれほど大きく
なく、従って、その両側の回転域でのトルクの落ち込み
も小さい。同図に破線で示す特性は参考のためにサージ
タンク容積を大きくした場合の慣性過給効果を示すもの
である。
【0029】レゾナンスチャンバー8は、その気柱固有
振動数が上記慣性過給効果によって低回転域に生じたト
ルクの谷よりもさらに低回転側で吸気脈動に同調するよ
うにその容積が設定されている。従って、該同調点より
も高回転側で共鳴過給効果が得られ、上記慣性過給効果
によるトルクのピーク点よりも低回転側に生じているト
ルクの谷が当該共鳴過給効果によって埋められる。よっ
て、上記慣性過給効果と共鳴過給効果との合成によっ
て、全体としては図6に細い実線で示すようにエンジン
の略全回転域においてエンジン出力が高まったトルク特
性が得られる。
【0030】ここに、上記レゾナンスチャンバー8の上
記同調点では理論的には減衰によってトルクの低下を来
すことになるが、実際には同調点がエンジン低回転域で
あるためには該減衰によるトルク低下がほとんどみられ
ない。
【0031】また、上記レゾナンスチャンバー8の気柱
固有振動数は、共通吸気通路3の気柱固有振動数との関
係でみると、該共通吸気通路3の気柱固有振動数よりも
該振動数の15%強ほど高い方に離れた振動数に設定さ
れている。
【0032】すなわち、上記共通吸気通路3の気柱固有
振動数(共鳴によるピーク振動数)Fが75Hz(エン
ジン回転数(2次)では2250rpmに相当)である
とき、レゾナンスチャンバー8の気柱固有振動数fをこ
のFより15〜30%離した高い振動数、86.3<f
<97.5(Hz)にすれば、この共通吸気通路3とレ
ゾナンスチャンバー8とは互いに共鳴を打ち消し合うこ
となく共鳴過給効果を奏する。
【0033】ここに、レゾナンスチャンバー8を模型的
に描くと図7に示すようになり、その容積をV(リット
ル)、連通路15の通路断面積をS(mm2 )、通路直径
をd(mm)、通路長さをL(mm)、音速をc(m/s )と
すると、その気柱固有振動数fは次のようになる。
【0034】
【数1】 但し、音速c=331.5+0.6×tであり、tは吸
気の温度である。
【0035】従って、例えば、d=24mm、L=153
mm、V=1リットル、t=45℃とすれば、f=92.
2Hzとなる。
【0036】つまり、共通吸気通路3の固有振動数は、
レゾナンスチャンバー8の同調点よりも低回転側におい
て吸気脈動に同調するようになっている。従って、当該
共通吸気通路3による共鳴過給効果が、レゾナンスチャ
ンバー8による共鳴過給効果が現れるエンジン回転域よ
りも低回転側に現れ、図6に2点鎖線で示すようにエン
ジン低回転側でのトルクが上昇する。
【0037】−吸気抵抗低減・吸気分配性向上について
− 上記吸気装置においては、サージタンク6の容積が小さ
く、しかも共通吸気通路3の接続部を中心に扇形に広が
ってその前方に4つの独立吸気通路7a〜7dの縦長の
接続口9a〜9dが横に並んでいるから、吸気が共通吸
気通路3からサージタンク6を通って各独立吸気通路7
a〜7dに流れるときのサージタンク6によって受ける
吸気抵抗が小さく、また、各独立吸気通路7a〜7dに
対する吸気の分配にも偏りが少なくなる。
【0038】そして、上記独立吸気通路7a〜7dのう
ちの中央の2つの吸気通路7b,7cに関しては、共通
吸気通路3からサージタンク6を介して吸気が直線的に
流入してくることになるから、吸気の流れが円滑なもの
になる。一方、両側の吸気通路7a,7dに関しては、
扇形になったサージタンク6の側壁の延長方向に延びて
いるから、吸気の流れに抵抗が少ない。しかも、上記扇
形の広がり角度が鈍角になっているから、中央の吸気通
路7b,7cとその両側吸気通路7a,7dとの吸気抵
抗の差も小さい。
【0039】以上の理由から、各気筒の吸入効率が高く
なり、そのため、エンジンの出力トルクが図6に太い実
線で示すようにエンジンの全回転域においてさらに上昇
するという効果が得られる。
【0040】<別の実施形態>先の実施形態では、共通
吸気通路3の気柱固有振動数Fとレゾナンスチャンバー
8の気柱固有振動数fとを15%強ほど離してエンジン
の出力向上を図っているが、本形態では、この両気柱固
有振動数f,Fを該Fの15%未満の範囲に接近させる
ことによって、図8に示すようにISC用通路10には
レゾネータを不要にしている。
【0041】ここで、上記F=75Hzとすると、6
3.8<f<86.3(Hz)になり、先の数式より、
d=20mm、L=153mm、V=1リットル、t=45
℃とすれば、f=77.6Hzとなる。
【0042】すなわち、本形態の場合は、共通吸気通路
3の気柱固有振動数Fとレゾナンスチャンバー8の気柱
固有振動数fとが接近しているため、両者の共鳴が相殺
されることになり、エンジンのアイドル運転時に、共通
吸気通路3が共振することが防止されてISC用通路1
0で笛吹き音が発生することが抑制される。このため、
レゾネータ12を別途設けることが必要でなくなるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】多気筒エンジンの吸気装置の全体構成を示す平
面図。
【図2】同吸気装置の吸気マニホールド部分の平面図。
【図3】同吸気マニホールド部分の正面図。
【図4】同吸気マニホールド部分の左側面図。
【図5】同吸気マニホールド部分の右側面図。
【図6】エンジン回転数とその出力トルクとの関係を示
す特性図。
【図7】レゾナンスチャンバーを模型的に描いた図。
【図8】他の実施形態の図1と同様の図。
【符号の説明】
1 エンジン本体 2 吸気マニホールド 3 共通吸気通路 4 スロットルボディ 5 エアクリーナ 6 サージタンク 7a〜7d 独立吸気通路 8 レゾナンスチャンバー 9a〜9d 接続口 10 ISC(アイドルスピードコントロール)用通路 11 ISCバルブ 12 専用レゾネータ 13 連通路 15 連通路 16 接続口

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多気筒エンジンの各気筒に吸気を供給す
    る分岐した吸気通路の集合部と、該集合部に吸気を供給
    する各気筒共通の吸気通路とを備え、該集合部に気柱固
    有振動数が所定のエンジン回転数で吸気脈動に同調し共
    鳴過給効果が現れるように形成されたレゾナンスチャン
    バーが連通している多気筒エンジンの吸気装置におい
    て、 上記レゾナンスチャンバーに、アイドル時にスロットル
    弁の上流側から該スロットル弁をバイパスして吸気を供
    給するアイドル用通路が接続されていることを特徴とす
    る多気筒エンジンの吸気装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されている多気筒エンジ
    ンの吸気装置において、 上記アイドル用通路の上流端が上記共通吸気通路に接続
    されていて、 上記レゾナンスチャンバーは、その気柱固有振動数が、
    上記共通吸気通路の気柱固有振動数から、該共通吸気通
    路の気柱固有振動数の15〜30%の範囲で離れた振動
    数となるように形成されていることを特徴とする多気筒
    エンジンの吸気装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載されている多気筒エンジ
    ンの吸気装置において、 上記アイドル用通路にレゾネータが連通していることを
    特徴とする多気筒エンジンの吸気装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載されている多気筒エンジ
    ンの吸気装置において、 上記アイドル用通路の上流端が上記共通吸気通路に接続
    されていて、 上記レゾナンスチャンバーは、その気柱固有振動数が、
    上記共通吸気通路の気柱固有振動数から、該共通吸気通
    路の気柱固有振動数の15%未満の範囲で離れた振動数
    となるように形成されていることを特徴とする多気筒エ
    ンジンの吸気装置。
  5. 【請求項5】 請求項3又は請求項4に記載されている
    多気筒エンジンの吸気装置において、 上記アイドル用通路が、エンジン回転数が目標回転数に
    なるようにエンジンの冷却水温に応じて補正すべき量の
    吸気とエンジンに対する負荷の変動に応じて補正すべき
    量の吸気の双方を供給する1本の通路によって形成され
    ていることを特徴とする多気筒エンジンの吸気装置。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載されている多気筒エンジ
    ンの吸気装置において、 上記共通吸気通路の気柱固有振動数が上記レゾナンスチ
    ャンバーの気柱固有振動数よりも低いことを特徴とする
    多気筒エンジンの吸気装置。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載されている多気筒エンジ
    ンの吸気装置において、 上記集合部の容積が上記レゾナンスチャンバーの容積よ
    りも小さいことを特徴とする多気筒エンジンの吸気装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011094497A (ja) * 2009-10-27 2011-05-12 Suzuki Motor Corp エンジン吸気系のisc装置
JP2011094498A (ja) * 2009-10-27 2011-05-12 Suzuki Motor Corp スクータ型自動二輪車

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