JPH09263760A - 植生基盤補強用土壌分解性マルチフィラメント連続繊維の分解速度低下法 - Google Patents

植生基盤補強用土壌分解性マルチフィラメント連続繊維の分解速度低下法

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JPH09263760A
JPH09263760A JP7672996A JP7672996A JPH09263760A JP H09263760 A JPH09263760 A JP H09263760A JP 7672996 A JP7672996 A JP 7672996A JP 7672996 A JP7672996 A JP 7672996A JP H09263760 A JPH09263760 A JP H09263760A
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JP
Japan
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fibers
soil
resin
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continuous
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JP7672996A
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Akira Umahara
章 馬原
Noriyuki Sasahara
則之 笹原
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SAIKO KK
SAIKOU KK
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SAIKO KK
SAIKOU KK
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  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 造成された植生基盤中において、植生の発達
が進み、植生基盤の物理的強度の維持が根系により可能
になるまで土壌中で前記繊維が分解しないように前記繊
維の分解速度を低下させる方法を提供する。 【解決手段】 植生基盤補強用の土壌分解性マルチフィ
ラメント連続繊維のマルチフィラメント性を維持しなが
ら、その分解速度を低下させる方法であって、 a)前記連続繊維の各フィラメントをアルキレンオキシド
系樹脂で被覆することにより分解性を低下させるため
に、前記連続繊維を前記樹脂溶液で処理する工程、およ
び、b)前記被覆された各フィラメントが互いに結合して
モノフィラメント化することを防ぐために乾燥する工程
を含むことを特徴とする方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植生基盤補強用連
続繊維の分解速度を低下させる方法に関する。本発明
は、より詳細には、連続繊維をアルキレンオキシド系樹
脂で処理し、次いで、乾燥することを特徴とする、植生
基盤補強用連続繊維の分解速度を低下させる方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自然環境を維持するために、土木工事で
建設された道路、ダム等の法面を、その自然環境に適合
した植生に戻すことができる緑化工法が提案され、そし
て実施されている。特開平1−310019号による
と、自然な植物の育成基盤に近い基盤を法面上に造る工
法として、ポリエステル連続繊維および種子を植壌土に
混入した泥状基材をポンプにより吹きつける際に、ノズ
ル内で前記基材を団粒剤および空気と混合させることに
より、団粒反応させながら吹き付けることからなる、連
続繊維高次団粒工法が開発されている。
【0003】植生基盤、例えば、連続繊維高次団粒工法
により造成された基盤内に三次元的に存在する連続繊維
は、その中に生育した植物の根系が充分に土壌を維持で
きるまで発育した後に、分解し、消失することが望まし
い。この先行技術で用いられるポリエステル連続繊維
は、施工時の高次団粒構造の形成および法面上での基盤
層の造成、並びに、施工後の播種植物の生育および基盤
層の法面への物理的保持に関しては問題がないが、導入
植物の根系が充分に発達した後に、根系が基盤の侵食、
崩壊等の作用を受けても維持できる状態になった後に
も、連続繊維は分解を受けずに残り、昆虫や鳥類の生活
に悪影響を及ぼすという問題がある。従って、先行技術
に基づく緑化工法で使用される連続繊維は、施工後の一
定期間は基盤層を物理的に維持するが、根系の発達とと
もに、次第に分解する機能を有することが望まれる。
【0004】土壌中で経時的に分解可能な材料として
は、羊毛、綿、絹、レーヨン、スフ等の繊維が考えら
れ、その中でも特に、絹、スフ、レーヨン繊維は連続高
次団粒工法への適用性に優れているが、これらの繊維は
土壌中での分解が早いという欠点を有する。土壌中で分
解性である天然繊維、例えば、絹の施工後の分解速度は
土壌中の水分および温度等に依存するが、一般に1〜2
ヵ月で分解が進み、強度が低下し、土壌基盤の物理的強
度維持に問題がある。
【0005】植生基盤造成法、例えば、連続繊維高次団
粒工法で用いられる標準的な植物種は、高木型の木本類
の群落を植生目標とする種子配合であり、その例は、下
記の通り、成長が早い草本類、低木類および成長の遅い
目標高木類の組み合わせからなる。 草本類 :オーチャードグラス、ウィーピングラブグ
ラス、ススキ、 低木類 :ヤマハギ、コマツナギ、メドハギ、 目標高木類:ヤマハンノキ、ヤシャブシ、
【0006】従って、高木類の群落が完成するまでの1
〜3年間、連続繊維が残存することが望ましいが、連続
繊維が基盤層の物理的保持のために残存する必要最低期
間は草木類が繁茂し、その根系が発達する6ヵ月〜1年
間である。
【0007】また、連続繊維高次団粒工法で用いられる
繊維はマルチフィラメントである。これは、マルチフィ
ラメント繊維は、モノフィラメント繊維と比べて、吹き
付け時の他の吹き付け材料との絡み合いが高く、この
為、吹き付けノズルから飛散する他の材料への追従性が
よいために、造成する育成基盤内への連続繊維の均質な
混入が可能であるからである。更に、マルチフィラメン
ト繊維は、団粒化された植壌土との絡み合いがよいため
に、生育基盤の造成後に高い耐雨水侵食性が維持され
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、植生
基盤補強用の土壌分解性マルチフィラメント連続繊維
は、造成された植生基盤中において、植生の発達が進
み、植生基盤の物理的強度の維持が根系により可能にな
るまで土壌中で前記繊維が分解しないように前記繊維の
分解速度を低下させる方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、植生基盤
補強用の土壌分解性マルチフィラメント連続繊維分解速
度を低下させる方法であって、 a)前記連続繊維の各フィラメントをアルキレンオキシド
系樹脂で被覆することにより分解性を低下させるため
に、前記連続繊維を前記樹脂溶液で処理する工程、およ
び、b)前記被覆された各フィラメントが互いに結合して
モノフィラメント化することを防ぐために乾燥する工程
を含むことを特徴とする方法により達成される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において用いる分解性連続
繊維は、他の吹き付け材料との絡み合いを大きくし、そ
れにより、繊維が吹き付け材中で均質に分布し、且つ、
耐雨水侵食性に優れた生育基盤が形成されるように、マ
ルチフィラメントである。好ましくは、分解性連続繊維
は、羊毛、綿、絹、レーヨン、スフであり、より好まし
くは絹、スフ、レーヨン繊維であり、最も好ましくは絹
である。
【0011】本発明において用いられるアルキレンオキ
シド系樹脂は、好ましくは1.0x105 以上の重量平
均分子量Mw、より好ましくは1.0x105 〜1.5
x105 の重量平均分子量Mwである高分子量ポリマー
である。分子量が1.0x105 未満の場合、本発明の
処理条件では、各フィラメント間がモノフィラメント化
し、且つ、分解速度低下効果が低くなるために望ましく
ない。このモノフィラメント化は橋掛け結合により生じ
るものと考えられる。本発明で用いるアルキレンオキシ
ド系樹脂は、例えば、特公平6−41511号に記載さ
れているような公知の方法による重合から得ることがで
きる。例えば、活性水素を2個有するエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジエチレングリコールまた
はブチレングリコールのようなジオールに、エチレンオ
キシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドのよう
なアルキレンオキシドを付加重合させ、次に、得られた
ジヒドロキシポリアルキレンオキシドとエステル化反応
若しくはエステル交換反応により縮合することができる
ジカルボン酸、その無水物またはその低級アルキルエス
テル等との脱水または脱アルコール反応によって、上記
のような高分子量ポリマーを得ることができる。アルキ
レンオキシド系樹脂の重合において、第一段階の付加重
合では、アルキレンオキシド100重量部に対して0.
1〜20部のジオールを用いることが望ましく、次の第
二段階のエステル化では、第一段階で得られたジヒドロ
キシ化合物1モルに対して0.5〜2モルの多価カルボ
ン酸、その無水物またはその低級エステルを用いること
が好ましい。本発明で用いられることができる市販のア
ルキレンオキシド系樹脂の例としては第一工業製薬製の
パオゲン(商品名)(Mw=1.2x105 )が挙げら
れる。
【0012】アルキレンオキシド系樹脂溶液を製造する
ための溶剤としては、この樹脂が可溶性である溶剤が考
えられるが、種子を含む植生基盤に与える影響を考慮し
て、水が最も好ましい。
【0013】本発明の方法では、他の吹き付け材料との
絡み合い能力を維持するために、マルチフィラメントを
構成しているフィラメント同士が樹脂により互いに結合
することを防ぎ、各々独立のフィラメントからなるマル
チフィラメントを維持する必要がある。
【0014】アルキレンオキシド系樹脂水溶液の濃度が
高すぎると、連続繊維を構成している繊維間が結合され
て好ましくない。濃度が低すぎると連続繊維の樹脂加工
が充分でなく、強度の低い連続繊維しか得られない。ア
ルキレンオキシド系樹脂水溶液の濃度は望ましくは4〜
6重量%である。
【0015】アルキレンオキシド系樹脂水溶液で処理す
る連続繊維の量は、樹脂溶液の濃度によるが、上記の濃
度範囲では、一般に、アルキレンオキシド系樹脂固形分
100重量部に対して150〜350部が望ましい。ア
ルキレンオキシド系樹脂固形分100重量部に対して3
50部以上であると樹脂が不足して充分な樹脂被覆がで
きず、そして150部以下であると、連続繊維のフィラ
メント間の結合が生じる。
【0016】上記のアルキレンオキシド系樹脂水溶液の
濃度範囲および連続繊維の量では、浸漬温度は50℃〜
80℃である。浸漬時間は上記温度範囲において1時間
〜2時間である。これより高い温度または長い浸漬時間
では、フィラメントの結合が進み、それより低い温度ま
たは短い浸漬時間では、充分な強度が得られない。
【0017】樹脂の処理は、公知の連続浸漬法、バッチ
浸漬法等で行われることができる。
【0018】乾燥工程は、マルチフィラメント間の結合
を防止するために行われる。乾燥工程はコストおよび乾
燥速度の観点から熱風を用いることが望ましい。熱風乾
燥工程において、100℃より高いと、連続繊維の変性
を起こす危険があり、また、アルキレンオキシドと繊維
フィラメントの間で、所望しない反応を起こす可能性が
あるために好ましくない。また、60℃より低いと、充
分な樹脂による変性が困難であり、また、乾燥時間が長
くなるから望ましくない。この為、60℃〜100℃の
乾燥温度が望ましい。尚、本乾燥工程は、フィラメント
間の結合防止のためには2m/秒以上の線速度で行われ
る。
【0019】分解性繊維の分解速度は、樹脂水溶液中の
樹脂量に対する繊維の量を変えることにより調節でき
る。即ち、樹脂量に対する繊維の量が小さいほど、土壌
中での分解速度は低下する。
【0020】
【作用】本発明に係るマルチフィラメント連続繊維は、
各フィラメントがアルキレンオキシド系樹脂により処理
された連続繊維からなる。連続繊維とアルキレンオキシ
ド樹脂間には水素結合による架橋が生じ、その為、繊維
/樹脂間の結合力を保っていると考えられる。これによ
り、繊維強度は増大するとともに、微生物、紫外線等の
反応点および加水分解反応点がマスクされているため
に、分解速度が遅くなると考えられる。
【0021】
【実施例】本実施例では、連続繊維として、土壌中で比
較的に早く分解する絹糸を用い、アルキレンオキシド系
樹脂によるその分解性の調節効果および連続繊維と粘度
粒子との絡み合いを確認するために、連続繊維の土壌中
での分解速度試験を行った。更に、この連続繊維を用い
て、連続繊維高次団粒工法により生育基盤を造成し、そ
の耐侵食性試験および生育試験を行った。 実施例1:連続繊維の分解速度の調節 アルキレンオキシド系樹脂として、エチレングリコール
を基礎とする第一工業製薬製のパオゲン(商品名)(M
w=1.2x105 )を用い、分解性繊維としてセリシ
ンを除去したマルチフィラメントの絹糸を用いた。この
エチレングリコール系樹脂の5重量%水溶液中、樹脂固
形分100重量部当たりにA:200部、B:300部
およびC:160部の絹糸をそれぞれ浸漬し、1時間3
0分、70℃で静置した。その後、溶液から取り出し、
巻き取り工程において、繊維に対して線速度4m/秒で
85℃の熱風で乾燥した。このように得られた樹脂加工
された3種の絹糸は、マルチフィラメントを構成してい
る各フィラメントが結合されることなく1本毎に樹脂被
覆されており、且つ、以下の物性を有していた。 土壌中での分解速度試験:連続繊維を除いた連続繊維高
次団粒工法に使用される材料を混合したものを試験土壌
とする。その組成は下記の通りである。 客土材 50L 安定剤 1.8L 混合種子 高木標準処方 肥料、養生材 19.2L 団粒材 12g 水 46L 上記で調製された3種の試料をそれぞれ40cmに切断
し、各20gをこの試験土壌に混合した。この試験土壌
を、排水装置を具備した幅50cm/長さ100cm/
深さ7cmのバットに入れ、時々散水し、経時的にサン
プリングして試験した。 「引張強度試験法」JIS L−1095 定速伸長型引張試験機 引張速度 200mm/分 つかみ間隔 200mm 繰り返し数 6
【0022】 表1:引張強度絹連続繊維 A B C 未処理 0 602 811 563 417 2ヵ月 572 801 533 127 4 557 788 487 48 6 511 745 412 65 8 465 738 345 12 423 695 312 単位:g/本
【0023】実施例2:耐侵食性試験 実施例1で調製された絹連続繊維(A)を用いて、以下
の条件下で連続繊維高次団粒工法での施工試験を行っ
た。 客土材 50L 安定剤 1.8L 混合種子 高木標準処方 肥料、養生材 19.2L 水 40L からなる混合物を、吹き付けノズル口で、別に調製され
た12gの団粒剤を6Lの水に溶解した団粒剤溶液と混
合するとともに、絹連続繊維36gを吹き付けノズル口
手前の連続繊維供給装置の供給口に供給してできた土壌
を1.3m2 (1.5mx0.9mx0.1m)の木箱
に5cm厚さで吹き付けた。 施工1994年3月
【0024】結果 6カ月経過後、生育基盤層は高次に団粒し、基盤層の物
理的安定性も充分であった。尚、本連続繊維がノズルか
ら吐出するときの他の泥状基材に対する追従性は先行技
術で使用するポリエステル連続繊維のそれと同等であっ
た。
【0025】耐雨水侵食性試験 試験方法:上記の耐侵食性試験と同一条件で吹き付けた
生育基盤を7日間放置した後、降雨試験を行った。降雨
量 100mm/hr、降雨高さ5mの条件で行い、流
出水中の固形分含有量を測定した。
【0026】 表2: 流出水中の固形分含有量(g/m3 経過時間 本発明の連続繊維 従来技術のポリエステル繊維 10分間 3.8 3.9 20 5.7 6.5 30 8.0 10.8 40 9.1 12.7 50 10.3 14.0 60 10.9 16.3 本発明の連続繊維は従来のポリエステル繊維よりも優れ
た耐侵食性を示した。
【0027】実施例3:連続繊維引張強度および生育状
況 上記実施例2と同一の条件で、施工法面上に造成した生
育基盤を用いて、施工後の一定期間毎に試料を採取し
て、連続繊維の引張強度、植生根系の発達状況および植
生の生育状況を観察した。
【0028】 表3 植生生育状況 根系状況 引張強度 施工前 602 2ヵ月後 草本類と低木類の発芽 表層一部に分布 580 4 高木類の発芽 表層全域に分布 559 6 草本類30cm低木類10cm 低木類下層に到達 521 8 低木類30cm高木類10cm 高木類下層に到達 455 12 低木類60cm高木類20cm 略全体に浸入 415 単位:g/ 本

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植生基盤補強用の土壌分解性マルチフィ
    ラメント連続繊維の分解速度を低下させる方法であっ
    て、 a)前記連続繊維の各フィラメントをアルキレンオキシド
    系樹脂で被覆することにより分解性を低下させるため
    に、前記連続繊維を前記樹脂溶液で処理する工程、およ
    び、b)前記被覆された各フィラメントが互いに結合して
    モノフィラメント化することを防ぐために乾燥する工程
    を含むことを特徴とする方法。
JP7672996A 1996-03-29 1996-03-29 植生基盤補強用土壌分解性マルチフィラメント連続繊維の分解速度低下法 Ceased JPH09263760A (ja)

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