JP3705651B2 - 植生基盤造成法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は安定で且つ環境に優しい植生基盤の造成方法に関する。本発明は、より詳細には、特定の分子量の接着性ヒドロキシカルボン酸系脂肪族ポリエステル連続繊維を用いて植生基盤材と連続繊維、および、連続繊維同士を接着させる、安定で且つ環境に優しい植生基盤の造成方法に関する。本発明は、また、このような脂肪族ポリエステル繊維のための分解促進剤を混入させることによって起こる繊維表面での分解作用により接着性を上げることにより、更に安定で且つ環境に優しい植生基盤を造成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
山岳地帯や丘陵地域での道路工事、リゾート開発、ゴルフ場建設および丘陵地域での宅地造成並びにその他の土木工事等によって発生した法面に対して、その崩壊、崩落を防止するためのコンクリート吹き付け工法を初めとする種々の安定化工法がとられてきたが、環境意識の高まりによって、単に法面の安定化だけでなく、環境保全、景観保全の観点からコンクリート吹き付け工法に替わる緑化工法が開発されてきた。更に、近年、従来の通常の緑化工法で困難とされてきた硬質岩盤、無土壌岩石地等の緑化の要望も高まっている。また、緑の質も単なる草本類から多様化した木本類の樹木化による自然復元、早期の生態系回復が求められてきた。
【0003】
従来の植生基盤の造成工法としては、粘性の植壌土および有機堆肥を水と混合して得られた泥状の植生基盤材と凝集剤を施工時に各々別個のポンプで圧送し、ノズルまたはノズル付近で混合し、団粒反応させながら吹付けることによって、団粒構造を有する植生基盤を造成する方法が特公昭64−2734号公報、特公平2−26932号公報、特公平4−33327号公報、特開平4−120315号公報等に記載されている。更に、特開平1−310019号公報によると、上記混合時に、連続繊維を混入させ、植生基材に三次元的に交絡させることにより団粒性を向上させる方法(以下において、このような植生基盤造成法のうちで代表的なものを連続繊維高次団粒工法を呼ぶ。)が開発されている。この植生基盤造成法は、森林土壌に近い植物の生育に適した植生基盤を法面に造成できることから、樹木類を計画的に導入できる。これにより、より確実に施工法面周囲の植生に遷移させ、自然復元が可能な工法として注目されている。
【0004】
連続繊維高次団粒工法において、通常、連続繊維として芳香族ポリエステル繊維が、その物性、即ち、強度、加工性および連続繊維高次団粒工法への適用性等の観点から用いられている。芳香族ポリエステル繊維を用いた連続繊維高次団粒工法は、従来困難とされていた厚層吹き付け、急斜面に対する施工が可能となり、更に、降雨等に対する耐侵食性に優れ、且つ、植物の生育に適した基盤層の形成ができるため、法面緑化工法として広く採用され、環境保全、景観保全に寄与している。しかし、連続繊維高次団粒工法にあっても施工直後の凝集(団粒化)反応時に植生基盤層から遊離水を分離する過程において、厚さ3cm以上の厚層の基盤層を造成する場合には、遊離水の流下に伴い、植生基盤層基材のダレ落ちの懸念がある。この現象は本工法に限らず、泥状の植生基盤材に団粒剤を混合しながら吹き付ける工法全般に言える。この為、一度に多量の分離水が生じないように、2〜3回に分けて重ね吹きする必要があり、長い施工時間を要した。この為、高次団粒化した基盤成分と連続繊維成分との間、および、連続繊維同士を接着させ、遊離水による植生基盤層のダレ落ちを防止することが望まれる。
【0005】
また、連続繊維として、接着性を有しない従来の芳香族ポリエステル連続繊維等を用いると、強風または強雨等の風化作用によって、土壌のみが飛散し、基盤上で繊維が露出して毛羽立ちを起こす傾向がある。この繊維の露出は景観を害するだけでなく、鳥類、獣類等が繊維に足を絡ませて死亡するといった生態系への悪影響の問題もある。この為、基盤成分と連続繊維成分との間、および、連続繊維同士を接着させ、繊維の露出による毛羽立ちを防ぐことが望ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、連続繊維高次団粒工法等の植生基盤造成法の凝集過程において、遊離水による植生基盤層のダレ落ちを防止し、そして植生基盤表面への毛羽立ちを防止する、安定で且つ環境に優しい植生基盤を造成する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、植生基盤材と水とを混合してなるスラリーである泥状基材に、高分子凝集剤である団粒剤および接着性連続繊維を吹き付けノズルまたは吹き付けノズル付近において混合し、凝集反応させながら、法面に吹付けることにより前記連続繊維を三次元的に泥状基材中に混入させ、前記基盤材と前記連続繊維、および、前記連続繊維同士を接着させる植生基盤造成法であって、前記連続繊維が5x103 〜5x105 の粘度平均分子量のヒドロキシカルボン酸系脂肪族ポリエステル連続繊維であることを特徴とする方法が提供される。この方法は泥状基材に対するヒドロキシカルボン酸系脂肪族ポリエステル連続繊維の接着、および前記連続繊維同士の接着によって安定で且つ環境に優しい植生基盤を造成することができる。更に、この脂肪族ポリエステル繊維の分解を促進するための分解促進剤として、酸、塩基、酵素および微生物資材を泥状基材に混入させることにより、更に安定な基盤を造成することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の方法で用いる植生基盤材は、客土材、無機質土壌改良材、有機質土壌改良材、肥料・養生材、安定剤および種子等を含む。客土材としては、黒ボク土、赤土等の天然土壌、有機質土壌改良材としてはバーク堆肥、ピートモス等、また、無機質土壌改良材としては、ゼオライト、パームキュライト、パーライト等が挙げられる。これらの無機質土壌改良材および/または有機質土壌改良材は客土材と適宜組み合わされて用いられる。肥料・養生材としては、通常の化成肥料等が、また、安定剤としては酢酸ビニル系エマルジョン、アクリル酸系エマルジョン、塩化ビニル系エマルジョン、界面活性剤、吸水性高分子剤等が用いられる。この植生基盤材と水を混合することにより泥状基材が形成される。本発明において用いることができる市販の客土材は、例えば、ジェットソイルであり、肥料・養生材はジェットシードDであり、そして安定剤はマグゾールDであって、これらは全て株式会社彩光製である。種子は所望により、草本類、低木類および高木類等から選ばれることができる。
【0009】
本発明において、ヒドロキシカルボン酸系脂肪族ポリエステル繊維は、グリコール酸、乳酸等のヒドロキシカルボン酸をモノマーとして得られるホモポリマー、コポリマーまたはそれらの混合物から製造される繊維が挙げられるが、特にこれらに限定されるものでない。また、従来から通常に用いられてきた芳香族ポリエステル繊維との混合物として用いられてよく、更に、他の連続繊維、例えば、ポリプロピレン、絹、レーヨンの連続繊維との混合物としても用いられてよい。
【0010】
本発明のヒドロキシカルボン酸系脂肪族ポリエステル繊維は、公知の方法で重合され、そして紡糸されることができる。例えば、ポリ乳酸は下記のように製造することができる。先ず、200〜240℃の温度および5〜20mmHgの圧力下で、乳酸モノマーを脱水重縮合することにより低分子量ポリ乳酸を得る。次いで、得られた低分子量ポリ乳酸を酸化アンチモン触媒の存在下において、250℃〜270℃、1〜5mmHgで反応させてラクチドを得る。このラクチドをオクチル酸スズの存在下で、120℃〜220℃で、減圧下で開環重合させることにより高分子量ポリ乳酸を得ることができる。このように得たポリ乳酸を約180℃で溶融紡糸し、延伸処理を行うことにより繊維を得ることができる。
【0011】
脂肪族ポリエステル繊維の分子量は、好ましくは5x103 〜5x105 の粘度平均分子量である。この連続繊維の粘度平均分子量が5x103 未満であると、この連続繊維と基盤材成分との接着性は高いが、繊維の強度が低いために、脂肪族ポリエステル繊維単独では連続高次団粒工法等の連続繊維として適さない場合がある。このような場合には、より高い分子量の脂肪族ポリエステル繊維または芳香族ポリエステル繊維との混合物で用いることができる。脂肪族ポリエステル繊維の粘度平均分子量が5x105 を越えると、十分な強度、施工性等の特性を有するが、基盤への接着が不十分となり、好ましくない。
【0012】
上記のように、脂肪族ポリエステル繊維の基盤材成分に対する接着性、および前記繊維同士の接着性は、低分子量の脂肪族ポリエステル繊維ほど大きいが、特定の強度を有する連続繊維とするためには、ある程度の分子量が必要である。特に、高い接着性が必要な土質の法面または急勾配の法面では、接着性および強度の両方が要求される。このような過酷な条件では、強度を維持するために十分に高い分子量のポリエステル繊維とともに、前記繊維のための分解促進剤を用いることが好ましい。また、分解促進剤を用いると、ポリエステル繊維の表面のみが分解され、または改質されることにより、繊維強度を維持しながら表面の接着性が改善される。この為、過酷な条件でも、ダレ落ちすることなく、厚層吹付けが可能になる。
【0013】
本発明の脂肪族ポリエステル繊維のための分解促進剤の例としては、炭酸カルシウム、消石灰、苦土炭酸カルシウム等のような塩基性分解促進剤、硫酸、塩酸、燐酸等の鉱酸およびコハク酸、クエン酸、フマル酸の有機酸等のような酸性分解促進剤、または、リパーゼ、エステラーゼ等の加水分酵素のような酵素、および、通常の生分解性試験に汎用される活性汚泥等の微生物資材が挙げられる。これらの分解促進剤は脂肪族ポリエステルを加水分解または生分解するものである。分解促進剤は、吹き付け前に泥状基材中に含まれ、そして吹付時に脂肪族ポリエステル繊維と混合されることができる。また、分解促進剤は泥状基材と別個に導入されることもできる。即ち、泥状基材、ポリエステル繊維および分解促進剤は別個に導入されて混合されることもできる。使用する分解促進剤の量は、分解促進剤の種類、土質または傾斜等の条件、または、ポリエステル繊維の分子量等により変わりうるが、通常、泥状基材中に0.1〜1重量%の量で用いられる。
【0014】
次に、本発明の実施例を例示するが、本発明を限定するものでない。
実施例1
ヒドロキシカルボン酸系脂肪族ポリエステル繊維の植生基盤に対する接着粘着性本実施例で用いた乳酸は下記のように得られた。まず、乳酸を220℃および10mmHgで脱水重縮合して低分子量ポリ乳酸を得た。次に、この低分子量ポリ乳酸を酸化アンチモン触媒の存在下で、260℃、3mmHgで反応させ、ラクチドを製造し、これをオクチル酸スズの存在下で、170℃で、0.5mmHgで開環重合させることにより、粘度平均分子量5x104 のポリ乳酸を得た。これを180℃で溶融紡糸し、延伸して150デニール30フィラメントのポリ乳酸連続繊維を得た。この繊維は京都工芸繊維大学繊維学部の山根講師により製造されたものである。
ヒドロキシカルボン酸系脂肪族ポリエステル繊維の植生基盤に対する接着粘着性を確認するために、2Lビーカー中に、下記の基盤材を作製し、基盤材中の繊維を棒で攪拌した後に引き上げたときに、付着してきた植生基盤材の重量を測定した。但し、連続繊維は15cmに切断されたものである。比較として同一重量の従来技術の芳香族ポリエステル繊維を用いて同一条件で実験を行った。同一の試験を5回を行った。
実験条件
−基盤材
イ.泥状基材
客土 0.45L 清水 0.36L
肥料・養生材 0.17L 種子 草本木本混合種子
安定剤 0.02L
ロ.凝集剤(団粒剤)
ソイルフロック 0.11g 清水 0.54L
ハ.連続繊維
ポリ乳酸連続繊維 0.32g
(芳香族ポリエステル繊維 0.32g:対照)
ここで、上記の客土材はジェットソイル(商品名)、肥料・養生材はジェットシードD(商品名)、安定剤はマグゾールD(商品名)であり、団粒剤はソイルフロック(商品名)であり、これらは全て株式会社彩光から市販されている。
Figure 0003705651
対照の芳香族ポリエステル繊維と比較して、本発明の脂肪族ポリエステル繊維は、略2倍の量の基盤材が付着しており、基盤材との親和力が強いことを示している。
【0015】
実施例2
上記のポリ乳酸連続繊維を用いて連続繊維高次団粒工法によって施工試験を行った。基盤材の各材料は実施例1に記載された材料と同一である。
施工条件
(1)基盤材
イ.泥状基材
客土 2500L 清水 2000L
肥料・養生材 960L 種子 草本木本混合種子
安定剤 90L
ロ.凝集剤(団粒剤)
ソイルフロック 600g 清水 300L
ハ.連続繊維
ポリ乳酸連続繊維 1760g
(2)施工法面
イ.法面状況 :軟岩
ロ.法面勾配 :1:0.5
ハ.土壌硬度 :25mm(山中式土壌硬度計)
ニ.土壌pH :6.3
【0016】
本施工条件で吹付け厚さおよび吹付け面積をそれぞれ3cmおよび110m2 、5cmおよび67m2 、並びに、7cmおよび48m2 として、一回吹き付けで連続繊維高次団粒工法を施工した。施工直後から遊離水の分離は順調であり、いずれの基盤層も剥離流れまたはダレ落ちを生じず、安定した基盤層であった。尚、施工後に経時的に植生を観察した結果、播種植物の発芽および生育は順調であった。
【0017】
実施例3
実施例2と同一のポリ乳酸繊維を用いて、実施例2よりも急勾配の法面において施工試験を行った。この試験において、基盤材の各材料は実施例2と同一であり、炭酸カルシウム分解促進剤を含む泥状基材、およびそれを含まない泥状基材を用いて行った。
施工条件
(1)基盤材
イ.泥状基材
客土 2500L 清水 2000L
肥料・養生材 960L 種子 草本木本混合種子
安定剤 90L 炭酸カルシウム 3.5kg
ロ.凝集剤(団粒剤)
ソイルフロック 600g 清水 300L
ハ.連続繊維
ポリ乳酸連続繊維 1760g
(2)施工法面
イ.法面状況 :軟岩
ロ.法面勾配 :1:1
ハ.土壌硬度 :23mm
ニ.土壌pH :6.7
【0018】
実施例2と同一の厚さおよび面積で一回吹き付けで施工した。炭酸カルシウム分解促進剤を含む泥状基材を用いた場合には、いずれの基盤層も剥離流れまたはダレ落ちを生じず、安定した基盤層であった。一方、分解促進剤を含まない泥状基材を用いた場合には、吹付け厚さ3cmおよび5cm厚さで造成された基盤層は、剥離流れ、ダレ落ち等を生じず、安定な基盤層であったが、7cm吹付け厚さでは、一部にダレ落ちを観測した。尚、施工後に経時的に植生を観察した結果、播種植物の発芽および生育はいずれの場合にも順調であった。
【0019】
比較例A
実施例2と同条件で連続繊維を芳香族ポリエステル繊維に替えて施工した。このポリエステル繊維は、150デニール、30フィラメントのポリエチレンテレフタレート100%無撚糸であった。3cm吹付け厚さでは吹付け後の遊離水の分離は順調であり、剥離流れまたはダレ落ちは生じず、安定な基盤層であった。5cm吹付け厚さでは、遊離水とともに基盤層が一部剥離して流れ、または分離水の流れ方向に一部ダレ落ちが発生した。吹付け厚さ7cmでは、遊離水とともに半分以上の基盤層がずり落ちた。
【0020】
【作用】
ヒドロキシカルボン酸系脂肪族ポリエステル繊維は、連続繊維高次団粒工法等で従来から用いられている繊維と比べて、水を介して繊維相互間の接着作用があり、そして土壌基盤に対して親和性がある。その機構は明確ではないが、例えば、連続繊維高次団粒工法において用いられている芳香族ポリエステル繊維は、構造上、大きな分子で且つ疎水性のベンゼン環を有するのに対して、ヒドロキシカルボン酸系脂肪族ポリエステル繊維はこのような部分を有せず、エステル結合中のカルボニル基の極性が接着に寄与しているものと考えられる。
【0021】
【発明の効果】
本発明の方法は、客土吹付工、厚層基材吹付工に用いられている連続繊維の替わりに、特定の接着性の脂肪族ポリエステル繊維の連続繊維を用いる。例えば、連続繊維高次団粒法において、従来の芳香族ポリエステル連続繊維の替わりに、脂肪族ポリエステルの連続繊維を用いる。または、本発明の脂肪族ポリエステル繊維に加えて、従来の繊維、例えば、芳香族ポリエステル繊維を用いることもできる。従来の芳香族ポリエステル繊維等を単独で用いると、植生基盤形成の初期の凝集(団粒化)反応において生じる遊離水により、植生基盤は不安定化し、前記基盤のダレ落ち等を生じた。この欠点は特定の分子量の接着性ヒドロキシカルボン酸系脂肪族ポリエステル繊維を用いる本発明の方法により解消される。更に、従来の芳香族ポリエステル繊維等では、強風または強雨等の風化作用を受けることにより、土壌のみが飛散し、基盤上での繊維の露出による毛羽立ちを起こす問題もあった。本発明で用いる繊維は、繊維間の網目状の接合および繊維と土壌基盤との間の親和力( 接着力) が大きいため、上記のような問題を起こさない。また、ヒドロキシカルボン酸系脂肪族ポリエステル繊維は生分解性であるから、植生の根張りによって基盤が十分に保持されうる強度になる時期には、次第に分解し、消滅する。この為、繊維の露出によって景観を害することがなく、更に、鳥類、獣類等が繊維に足を絡ませて死亡するといったような生態系に対する悪影響も及ぼさず、従って、環境保全の観点からも望ましい効果を有する。

Claims (2)

  1. 植生基盤材と水とを混合してなるスラリーである泥状基材に、高分子凝集剤である団粒剤および接着性連続繊維を吹き付けノズルまたは吹き付けノズル付近において混合し、凝集反応させながら、法面に吹付けることにより前記連続繊維を三次元的に泥状基材中に混入させ、前記植生基盤材と前記連続繊維、および、前記連続繊維同士を接着させる植生基盤造成法であって、前記連続繊維が5x103 〜5x105 の粘度平均分子量のヒドロキシカルボン酸系脂肪族ポリエステル繊維を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記泥状基材中に、酸、塩基、酵素および微生物資材からなる群より選ばれた、前記脂肪族ポリエステル繊維のための分解促進剤を混入させる請求項1記載の方法。
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