JPH09262882A - 射出成形方法およびそれに用いる金型装置 - Google Patents

射出成形方法およびそれに用いる金型装置

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JPH09262882A
JPH09262882A JP7677896A JP7677896A JPH09262882A JP H09262882 A JPH09262882 A JP H09262882A JP 7677896 A JP7677896 A JP 7677896A JP 7677896 A JP7677896 A JP 7677896A JP H09262882 A JPH09262882 A JP H09262882A
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勝利 神田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 いわゆる高圧射出成形において、正確な計量
や圧縮ができるようにする。ゲートを開閉するための機
構を簡単でかつ信頼性の高いものとする。 【解決手段】 高圧射出成形では、金型内への樹脂の充
填に際して樹脂圧により可動型2を開き、その後型締力
を強めて可動型2を閉じていく間にゲート17を閉じる。
これにより、調圧および計量がなされ、キャビティ3内
の樹脂の圧力および量が一定になる。ゲート17までの材
料通路11内の樹脂を加熱して常時溶融状態に保つ。ゲー
ト開閉ピン21は、材料通路11内の樹脂圧により開き、最
終的な型閉時に可動型2が押すことにより閉じるように
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高圧射出成形(型
内計量圧縮成形)と呼ばれる射出成形方法およびそれに
用いる金型装置に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂などの射出成形において
は、型閉した固定型と可動型との間に形成された製品形
状のキャビティに金型装置外の加熱シリンダー装置など
から樹脂を充填しなければならないため、キャビティか
ら金型装置外へ通じる材料通路が必要である。この材料
通路内の樹脂を型開前に固化させる方法があるが、この
方法では、樹脂の無駄が生じ、また、材料通路内の樹脂
の冷却のための時間を確保するために、成形サイクルが
制約を受けることがある。
【0003】これに対して、ホットランナー式金型装置
のように、材料通路内の樹脂を加熱して常時溶融状態に
保つ方法も採られている。この場合、型開時に樹脂が漏
れたりしないよう、材料通路からキャビティへのゲート
を開閉する機構が必要である。このゲート開閉機構とし
てはバルブゲートなどがある。バルブゲートでは、例え
ば、油圧駆動装置により駆動されるバルブピンによりゲ
ートを機械的に開閉する構成が採られている。しかし、
金型装置に油圧駆動装置を組み込むのでは、金型装置が
大型になり、油漏れなどの問題も生じる。これに対し
て、例えばスプリング式バルブゲートのように、ばねに
より閉じる方向へ付勢したバルブピンを充填時に樹脂圧
により開くようにした構成も採られている。しかし、こ
の構成では、バルブの動作が不安定になりやすく、バル
ブピンが早く閉じ過ぎて充填不足を招いたりするおそれ
がある。
【0004】ところで、目的は異なるが、例えば特開平
6-71698 号公報に記載されているように、射出圧縮成形
においてもゲートの開閉が行われる。特に最近採用され
るようになってきたいわゆる高圧射出成形では、キャビ
ティ内に樹脂を充填するのに伴い、樹脂圧により可動型
を開き方向に後退させ、その後に型締力を強めて最終的
な型閉を行うが、その途中でゲートが閉じる金型構造を
採っている。そして、ゲートが閉じるまでは、キャビテ
ィ内の余分な樹脂を加熱シリンダー装置などの成形材料
供給装置側へ戻し、ゲートが閉じた後にキャビティ内の
樹脂が圧縮されるようにしている。こうして、樹脂圧に
より可動型を開く工程と、キャビティ内の樹脂を成形材
料供給装置側へ戻す工程とにより、ゲートが閉じた時点
でのキャビティ内の樹脂の量および圧力を一定にする
(計量および調圧する)。
【0005】したがって、正確な計量のためには、キャ
ビティ内の樹脂が加熱シリンダー装置側へ円滑に戻れな
ければならない。ところが、従来の高圧射出成形では、
型開までに材料通路内の樹脂を固化させる構成を採って
いたため、計量や圧縮の段階でゲートや材料通路内の樹
脂の固化がある程度進んでしまい、キャビティ内の樹脂
が加熱シリンダー装置側へ円滑に戻れず、正確な計量が
できなくなるとともに、型締力が足りず、製品を所定寸
法まで圧縮できないおそれがあった。これを防止するに
は、材料通路を太くする手段もあるが、それでは、材料
通路内の樹脂が冷却するのに時間がかかり、成形サイク
ルの増大を招く。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来の
バルブゲート式の金型装置では、ゲートを開閉するバル
ブピンを油圧駆動装置により駆動するようにしていたた
め、金型装置が大型化するなどの問題があった。また、
バルブピンを樹脂圧により開くようにしたスプリング式
バルブゲートもあったが、これは、バルブの動作が不安
定である問題があった。さらに、従来の高圧射出成形で
は、型開までに材料通路内の樹脂を固化させる構成を採
っていたため、正確な計量や圧縮ができないおそれがあ
った。
【0007】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、高圧射出成形において、正確な計量や圧
縮ができるようにし、かつ、ゲートを開閉するための機
構を簡単でかつ信頼性の高いものとすることを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、前記
目的を達成するために、成形材料供給装置が型閉された
型体間に形成されたキャビティに熱可塑性の成形材料を
充填するのに伴って前記型体が互いに開く方向へ移動
し、充填完了後型締力を強めて最終的に前記型体を互い
に閉じ、その間に前記成形材料供給装置からキャビティ
へのゲートが閉じる高圧射出成形方法において、1つの
型体の内部に形成され前記成形材料供給装置からゲート
に通じる材料通路内の成形材料を加熱により常時溶融状
態に保ち、前記キャビティへの成形材料の充填時、前記
材料通路のある型体に設けられ前記ゲートを開閉するゲ
ート開閉部材を前記材料通路内の成形材料の圧力により
開き、充填完了後型締力を強めたとき、他の型体により
前記ゲート開閉部材を押して前記材料通路のある型体に
嵌合させることにより前記ゲートを閉じるものである。
【0009】高圧射出成形では、成形材料の充填時、そ
の圧力に応じて型体が開くことにより、キャビティ内の
成形材料の圧力が一定になる(調圧工程)。ついで、最
終的に型体を閉じるとき、キャビティ内の成形材料が成
形材料供給装置側へ戻り、ゲートが閉じた時点で、一定
量の成形材料がキャビティ内に残る(計量工程)。その
後、キャビティ内の成形材料は圧縮される(圧縮工
程)。材料通路内の成形材料は常時溶融状態に保たれる
から、計量工程に際し、成形材料は、キャビティ内から
成形材料供給装置側へ円滑に戻る。また、ゲート開閉部
材は、1つの型体の内部に設けられた前記材料通路内の
圧力により開くが、最終的な型閉に際し、他の型体によ
り押されて閉じるから、この他の型体と確実に連動して
閉じることになる。
【0010】請求項2の発明は、請求項1に記載の射出
成形方法に用いる金型装置であって、互いに開閉して型
閉時に相互間にキャビティを形成する第1の型体および
第2の型体を備え、前記第1の型体に、この第1の型体
の内部に位置する材料通路と、この材料通路を前記キャ
ビティに開口させるゲートと、前記材料通路内の熱可塑
性の成形材料を常時溶融状態に保つ加熱手段と、前記ゲ
ートを開閉する可動なゲート開閉部材とを設け、このゲ
ート開閉部材に、前記ゲートに摺動自在に嵌合するゲー
ト嵌合部と、前記材料通路内の成形材料から前記ゲート
を開く方向の力を受ける受圧部と、前記第2の型体に突
き当たる突き当て部とを設けたものである。
【0011】成形に際しては、型閉して、成形材料供給
装置から第1の型体の材料通路に成形材料を供給する
と、ゲート開閉部材の受圧部に成形材料の圧力が加わる
ことにより、ゲート開閉部材が移動してゲートが開き、
材料通路からゲートを通ってキャビティ内に成形材料が
充填される。その際、成形材料の圧力により、第1の型
体と第2の型体とが互いに開く(調圧工程)。ついで、
型締力を強めて第1の型体と第2の型体とを最終的に閉
じるが、その際、第2の型体がゲート開閉部材の突き当
て部に突き当たってこのゲート開閉部材を押すことによ
り、このゲート開閉部材が第1の型体において移動し、
このゲート開閉部材のゲート嵌合部がゲートに嵌合し
て、このゲートを閉じる。そして、ゲートが閉じるまで
は、キャビティ内の成形材料が成形材料供給装置側へ戻
り(計量工程)、その後、キャビティ内の成形材料は圧
縮される(圧縮工程)。型開を含めた全工程を通じて、
材料通路内の成形材料は、加熱手段により常時溶融状態
に保たれる。
【0012】
【発明の実施形態】以下、本発明の一実施例について、
図面を参照しながら説明する。まず、高圧射出成形用金
型装置の構成を説明する。なお、本実施例の金型装置
は、DVD(デジタルビデオディスク)用のSDやCD
などの中央部に開口孔を有する薄い円盤状の製品を成形
するものである。しかし、成形される製品は、記録ディ
スクに限るものではない。1は第1の型体である固定
型、2は第2の型体である可動型で、これら固定型1お
よび可動型2は、互いに図示上下方向(以下、型開閉方
向という)に移動して開閉し、型閉時に相互間に製品形
状のキャビティ3を形成するものである。
【0013】前記固定型は、図示していない射出成形機
の型締装置の固定側プラテンに取り付けられる固定側取
り付け板6の図示下側に、固定側型板7が固定されてお
り、この固定側型板7の下面中央部には、キャビティ3
を形成する凸部8が形成されている。また、固定側取り
付け板6および固定側型板7を貫通してスプルーブッシ
ュ9が固定されている。このスプルーブッシュ9は、固
定側取り付け板6に固定されたローケートリング10によ
り押さえられている。そして、スプルーブッシュ9内に
は、これを上下に貫通する材料通路11が形成されてい
る。この材料通路11の上端部は、射出成形機の成形材料
供給装置である加熱シリンダー装置12の先端部のノズル
13が接続される入口部14になっている。また、材料通路
11は、入口部14の下側において、複数本に分岐して分岐
路15をなしており、さらに、これら分岐路12の下側にお
いて、再び合流して主スプルー部16をなしている。そし
て、この主スプルー部16の下端部において、スプルーブ
ッシュ9の内径は小さくされ、キャビティ3へ開口する
ゲート17が形成されている。このゲート17の側面は、型
開閉方向と平行になっている。
【0014】また、スプルーブッシュ9には、ゲート17
を開閉するゲート開閉部材であるゲート開閉ピン21が型
開閉方向へ所定範囲移動自在に組み込まれている。この
ゲート開閉ピン21は、その上部に形成されたフランジ部
22が、スプルーブッシュ9において複数の分岐路15間の
位置に形成されたシリンダー部23内に摺動自在に嵌合さ
れているとともに、主スプルー部16内へ突出している。
そして、ゲート開閉ピン21の下端部にもフランジ部24が
形成されているが、このフランジ部24の上面が、材料通
路11内の成形材料である熱可塑性樹脂Rから下方への力
を受ける受圧部25になっている。また、フランジ部24の
側面が、前記ゲート17に摺動自在にかつ挿脱自在に嵌合
するゲート嵌合部26になっている。さらに、フランジ部
24の下面が、可動型2に突き当たる突き当て部27になっ
ている。また、ゲート開閉ピン21は、ボールプランジャ
ー31により閉じた位置に保持されるようになっている。
このボールプランジャー31は、スプルーブッシュ9に組
み込まれたボール32およびこのボール32をゲート開閉ピ
ン21へ押し付けるスプリング33と、ゲート開閉ピン21の
フランジ部22の側面に形成され、ボール32が係脱自在に
係合する凹部34とからなっている。
【0015】さらに、材料通路11内の熱可塑性樹脂Rを
常時溶融状態に保つために、前記ゲート開閉ピン21の内
部には、加熱手段であるヒーター36が設けられていると
ともに、このヒーター36による加熱を制御するための温
度センサーである熱電対37が下端部に設けられている。
これとともに、図示していないが、スプルーブッシュ9
内の上部などにも、加熱手段であるヒーターが設けられ
ている。さらに、スプルーブッシュ9の外側の側面と固
定側型板7との間には、キャビティ3に臨む位置を除い
て、エア断熱層38が形成されている。
【0016】また、前記固定側型板7の外側には、環状
の加圧体41が型開閉方向へ所定範囲移動自在に組み込ま
れている。この加圧体41は、ボルト42により固定側取り
付け板6に支持されているが、この固定側取り付け板6
との間に装着された付勢手段であるスプリング43によ
り、可動型2の方への力が付与されている。なお、加圧
体41の外側面下部にはテーパー面44が形成されている。
また、加圧体41の内側面と固定側型板7および固定側取
り付け板6との間にはスライドベアリング45が設けられ
ている。
【0017】前記可動型2は、射出成形機の型締装置の
可動側プラテンに取り付けられる可動側取り付け板51の
上側に、キャビティ3を形成する可動側型板52が固定さ
れている。この可動側型板52の上面にはスタンパー53が
取り付けられているが、このスタンパー53の内周部は、
可動側型板52を貫通して取り付けられた筒状の内周スタ
ンパー押さえ54により位置決めされている。一方、スタ
ンパー53の外周部は、環状の外周スタンパー押さえ55に
より保持されている。この外周スタンパー押さえ55は、
可動側型板52の上面周辺部に取り付けられており、前記
固定側型板7の凸部8が内側に摺動自在に嵌合するもの
である。なお、外周スタンパー押さえ55の外側面と前記
加圧体41との間にも前記スライドベアリング45を介在さ
せ、芯出しを行わせてもよい。また、可動側取り付け板
51には、可動側型板52を囲んで、前記加圧体41のテーパ
ー面44が当接する逆テーパー面56が形成されている。
【0018】前記内周スタンパー押さえ54の内側には、
成形された製品Pを突き出すための突き出しスリーブ61
が型開閉方向へ摺動自在に嵌合している。この突き出し
スリーブ61は、スプリング62により下方への力が付与さ
れている。また、可動側取り付け板51に固定されたゲー
ト調整ピン63が前記突き出しスリーブ61内に嵌合してい
る。そして、型閉時には、前記ゲート開閉ピン21のゲー
ト嵌合部26が突き出しスリーブ61内に嵌合し、かつ、ゲ
ート開閉ピン21の突き当て部27がゲート調整ピン63の上
端の先端面に突き当たるようになっている。このゲート
調整ピン63は、その下部に形成されたフランジ部64がリ
ング65とともに押さえ板66により押さえられて可動側取
り付け板51に固定されている。さらに、この押さえ板66
には、突き出し板67が型開閉方向へ移動自在に組み込ま
れており、この突き出し板67に固定された突き出しピン
68が前記ゲート調整ピン63のフランジ部64およびリング
65を貫通して突き出しスリーブ61を押し上げるようにな
っている。
【0019】つぎに、前記金型装置を用いた高圧射出成
形方法について説明する。なお、図2および図3には、
樹脂Rの流れおよび可動型2の動きを矢印で示してあ
る。成形に際しては、型開時、型閉時を通じて、材料通
路11内の成形材料である熱可塑性樹脂Rは、ヒーター36
の加熱により常時溶融状態に保たれる。したがって、材
料通路11内には、常にある程度の樹脂圧がかかっている
が、型開時には、ボールプランジャー31においてスプル
ーブッシュ9側のボール32がゲート開閉ピン21の凹部34
に係合していることにより、固定型1においてゲート開
閉ピン21が上昇した位置に保持され、そのゲート嵌合部
26がゲート17に嵌合して、このゲート17を閉塞してい
る。
【0020】そして、型締装置により、固定型1と可動
型2はまず弱い型締力で型閉される。これにより、固定
側型板7の凸部8が外周スタンパー押さえ55内に嵌合し
て、固定型1と可動型2との間にキャビティ3が形成さ
れる。これとともに、テーパー面44および逆テーパー面
56を含めて、加圧体41が可動側取り付け板51に突き当た
るが、スプリング43と型締力との均衡により、加圧体41
は固定側取り付け板6に突き当たっていない。この状態
で、加熱シリンダー装置12のノズル13から材料通路11へ
加熱により溶融した熱可塑性樹脂Rが射出される。そう
すると、材料通路11内の樹脂Rの圧力がゲート開閉ピン
21の受圧部25に加える力がボーリリテーナー31の保持力
を上回ることにより、そのボール32がゲート開閉ピン21
の凹部34から外れ、図2に示すように、固定型1におい
てゲート開閉ピン21が下降し、ゲート17が開放される。
なお、下降したゲート開閉ピン21のゲート嵌合部26は、
突き出しスリーブ61内に嵌合し、ゲート開閉ピン21の突
き当て部27が可動型2のゲート調整ピン63に突き当た
る。こうしてゲート17が開放されると、材料通路11内の
樹脂Rがゲート17を通ってキャビティ2内に充填される
(充填工程)。
【0021】加熱シリンダー装置12からの樹脂Rの供給
は、例えばインラインスクリュー式の場合、スクリュー
が前進限などの所定位置に達するまで行われる。それに
伴い、キャビティ3内の樹脂圧により、型締力に抗して
可動型2が加圧板41とともに押し下げられ、固定型1と
可動型2とが互いに開く。この開き量は、キャビティ3
内の樹脂圧およびスプリング43の力と型締力との均衡に
よって決まり、キャビティ3内により多くの樹脂Rが充
填されるほど大きくなる。換言すれば、加熱シリンダー
装置12から供給される樹脂Rの量に誤差があっても、前
記開き量の変化により誤差が吸収され、キャビティ3内
の樹脂の圧力が調整されて一定になる(調圧工程)。
【0022】その後、型締装置が固定型1および可動型
2に加える型締力が強められる。これにより、加圧体41
とともに可動型2が上昇して、この可動型2が固定型1
に対して閉じていく。このように固定型1と可動型2と
が最終的に型閉されるとき、この可動型2のゲート調整
ピン63がゲート開閉ピン21を押し上げることにより、こ
のゲート開閉ピン21も可動型2と一体的に上昇する。こ
の最終的な型閉に伴い、キャビティ3内の余分な樹脂R
は、まだ開いているゲート17から材料通路11に戻り、こ
の材料通路11内の樹脂Rは、加熱シリンダー装置12内に
戻る。そして、図3に示すように、ゲート開閉ピン21の
ゲート嵌合部26がゲート17内に嵌合し始めるとこのゲー
ト17が閉じ、この時点で、キャビティ3内に一定量の樹
脂Rが残ることになる(計量工程)。その後、固定側取
り付け板6と加圧体41とが互いに突き当たるまで閉じ、
それに伴い、図4に示すように、キャビティ3内の樹脂
が加圧されて圧縮される(圧縮工程)。なお、型閉が完
了した時点で、ゲート開閉ピン21は固定型1において上
昇限に達し、ボールプランジャー31のボール32がゲート
開閉ピン21の凹部34に再び係合する。
【0023】そして、キャビティ3内の樹脂Rが十分に
冷却して固化した後、型開が行われる。この型開に伴
い、キャビティ3内の樹脂Rすなわち製品Pは、まず固
定型1から離れる。ついで、射出成形機に設けられた図
示していない突き出しロッドが突き出し板67を押し上
げ、その突き出しピン68が突き出しスリーブ61を押し上
げることにより、製品Pが突き出されて可動型2から離
型する。これとともに、図示していない取り出し装置が
製品Pを金型装置内から取り出す。その後、再び型閉が
行われ、以上の工程が繰り返される。
【0024】以上のような高圧射出成形によれば、調圧
工程および計量工程により、品質の安定した高精度の製
品Pを得られる。また、圧縮工程により密度が高められ
ることにより、機械的性質および光学的性質などにおい
て優れた製品Pが得られる。
【0025】また、ヒーター36の加熱により材料通路11
内の樹脂Rが常時溶融状態に保たれるので、前記計量工
程に際して、キャビティ3内の樹脂Rは円滑に材料通路
11内に戻ることができ、また、材料通路11内の樹脂Rは
円滑に加熱シリンダー装置12に戻ることができる。これ
とともに、計量工程後のキャビティ3内の樹脂Rの圧縮
も円滑に行われ、型締装置の型締力も比較的低いもので
よい。したがって、調圧行程における調圧結果を損なう
ことなく、計量および圧縮を正確にでき、高圧射出成形
の特長を最大限生かすことができる。これは、記録ディ
スクのような薄肉の製品Pの成形において、特に有利で
ある。また、抵抗が少ないことにより計量工程および圧
縮工程に要する時間が短くなることから、成形サイクル
の高速化上も有利である。
【0026】さらに、ゲート17を開閉するゲート開閉ピ
ン21は、樹脂圧により開き、また、計量工程および圧縮
工程において可動型3により押して閉じるようにし、ゲ
ート開閉ピン21の駆動のために油圧駆動装置のような専
用の装置を用いていないので、ゲート17の開閉機構を構
造が簡単で小型のものとできる。したがって、金型装置
全体も小型化できるとともに、安価にできる。しかも、
スプリング式バルブゲートなどとは異なり、充填工程お
よび調圧工程においては、材料通路11内の樹脂圧により
ゲート開閉ピン21が確実に開いた状態に保持される。そ
の上、キャビティ3への樹脂Rの流れの方向と、開くと
きのゲート開閉ピン21の移動方向とが一致しているの
で、このゲート開閉ピン21はいっそう確実に開く。一
方、計量工程および圧縮工程においては、ゲート開閉ピ
ン21が可動型3に連動して確実に閉じる。こうして、ゲ
ート17の開閉機構の開閉動作の信頼性が向上する。
【0027】また、前記実施例の金型装置では、ゲート
調整ピン63を設けたことにより、次のような効果も得ら
れる。すなわち、ゲート17が閉じるタイミングやキャビ
ティ3内の樹脂Rの圧縮率は、可動型2におけるキャビ
ティ3を形成する面とゲート調整ピン63の先端面との段
差aによって決められるが、この段差aは、ゲート調整
ピン63やリング65を加工したり交換したりすることによ
り容易に設定可能である。
【0028】なお、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、
前記実施例では、ボールプランジャー31により、ゲート
開閉ピン21を、ゲート17を閉じた位置に保持するように
したが、ゲート開閉ピン21を閉じた位置に位置決めする
ための構成はそれに限るものではない。例えば図6に示
すように、油圧シリンダーやエアシリンダー71により駆
動されるピン72を、ゲート開閉ピン21に形成された孔部
73に挿脱自在に嵌合することにより、ゲート開閉ピン21
を閉じた位置に保持するようにしてもよい。
【0029】また、前記実施例では、DVDなどの記録
ディスクの成形を例に採って説明したが、本発明は、も
ちろん記録ディスク以外にも、適宜の製品に適用でき
る。また、本発明は、熱可塑性樹脂の射出成形のみなら
ず、熱可塑性樹脂をバインダーとして用いるセラミック
スの射出成形や射出成形粉末冶金法など、熱可塑性の成
形材料の射出成形一般に適用可能である。さらに、射出
成形機の型締装置や材料供給装置も、各種の構成のもの
を利用できる。
【0030】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、高圧射出成形
において、1つの型体の内部に形成された材料通路内の
成形材料を常時溶融状態に保つので、キャビティへの成
形材料の充填後に型締力を強めたとき、キャビティ内の
成形材料が円滑に成形材料供給装置側に戻るとともに、
キャビティ内の成形材料の圧縮も円滑に行われ、計量お
よび圧縮を正確にできる。また、成形材料の充填時、ゲ
ートを開閉するゲート開閉部材を材料通路内の成形材料
の圧力により開き、その後型締力を強めたときには、他
の型体によりゲート開閉部材を押して前記材料通路のあ
る型体に嵌合させることによりゲートを閉じるので、ゲ
ートを開閉するための機構を簡単でかつ信頼性の高いも
のにできる。
【0031】請求項2の発明によれば、第1の型体の材
料通路内の成形材料を常時溶融状態に保つ加熱手段を設
けたことにより、高圧射出成形に際し、計量および圧縮
を正確にできる。また、第1の型体に組み込まれたゲー
ト開閉部材にゲート嵌合部と受圧部と突き当て部とを設
け、成形材料の充填時には、材料通路内の成形材料の圧
力によりゲート開閉部材を開き、その後型締力を強めた
ときには、第2の型体がゲート開閉部材を押すのに伴
い、このゲート開閉部材がゲートに嵌合してこのゲート
を閉じるようにしたので、ゲートを開閉するための機構
が簡単であり、かつ、その信頼性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す金型装置の断面図であ
る。
【図2】同上充填工程時または調圧工程時の断面図であ
る。
【図3】同上計量工程完了時の断面図である。
【図4】同上圧縮工程完了時の断面図である。
【図5】同上ボールプランジャー付近の拡大断面図であ
る。
【図6】ゲート開閉ピンを閉じ位置に保持する手段の変
形例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 固定型(1つの型体、第1の型体) 2 可動型(他の型体、第2の型体) 3 キャビティ 11 材料通路 12 加熱シリンダー装置(成形材料供給装置) 17 ゲート 21 ゲート開閉ピン(ゲート開閉部材) 25 受圧部 26 ゲート嵌合部 27 突き当て部 36 ヒーター(加熱手段) R 熱可塑性樹脂(成形材料)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀川 義広 新潟県新潟市小金町3番地1 三菱マテリ アル株式会社新潟製作所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形材料供給装置が型閉された型体間に
    形成されたキャビティに熱可塑性の成形材料を充填する
    のに伴って前記型体が互いに開く方向へ移動し、充填完
    了後型締力を強めて最終的に前記型体を互いに閉じ、そ
    の間に前記成形材料供給装置からキャビティへのゲート
    が閉じる高圧射出成形方法において、 1つの型体の内部に形成され前記成形材料供給装置から
    ゲートに通じる材料通路内の成形材料を加熱により常時
    溶融状態に保ち、前記キャビティへの成形材料の充填
    時、前記材料通路のある型体に設けられ前記ゲートを開
    閉するゲート開閉部材を前記材料通路内の成形材料の圧
    力により開き、充填完了後型締力を強めたとき、他の型
    体により前記ゲート開閉部材を押して前記材料通路のあ
    る型体に嵌合させることにより前記ゲートを閉じること
    を特徴とする射出成形方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の射出成形方法に用いる
    金型装置であって、互いに開閉して型閉時に相互間にキ
    ャビティを形成する第1の型体および第2の型体を備
    え、前記第1の型体に、この第1の型体の内部に位置す
    る材料通路と、この材料通路を前記キャビティに開口さ
    せるゲートと、前記材料通路内の熱可塑性の成形材料を
    常時溶融状態に保つ加熱手段と、前記ゲートを開閉する
    可動なゲート開閉部材とを設け、このゲート開閉部材
    に、前記ゲートに摺動自在に嵌合するゲート嵌合部と、
    前記材料通路内の成形材料から前記ゲートを開く方向の
    力を受ける受圧部と、前記第2の型体に突き当たる突き
    当て部とを設けたことを特徴とする金型装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100386168C (zh) * 2006-07-04 2008-05-07 北京科技大学 一种用于金属和陶瓷微型零件成形的微注射成形用模具
JP2011240612A (ja) * 2010-05-19 2011-12-01 Mitsubishi Electric Corp カーボン粉粒複合樹脂の成形方法

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JP2011240612A (ja) * 2010-05-19 2011-12-01 Mitsubishi Electric Corp カーボン粉粒複合樹脂の成形方法

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