JPH09262808A - 木材の壁孔壁破壊連続処理炉およびその方法 - Google Patents

木材の壁孔壁破壊連続処理炉およびその方法

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JPH09262808A
JPH09262808A JP9933296A JP9933296A JPH09262808A JP H09262808 A JPH09262808 A JP H09262808A JP 9933296 A JP9933296 A JP 9933296A JP 9933296 A JP9933296 A JP 9933296A JP H09262808 A JPH09262808 A JP H09262808A
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JP
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wood
far
wall
furnace
processing
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JP9933296A
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Takao Tanaka
孝夫 田中
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EBINA RINGYO KK
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EBINA RINGYO KK
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  • Drying Of Solid Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】木材の壁孔壁破壊処理を効率的かつ迅速に行
う。 【解決手段】木質燃料8を、ロストル上10で燃焼さ
せ、木ガスを発生させる燃焼室5と、高熱材によりシリ
カブラックを赤熱させて遠赤外線を放射させ、循環ポン
プ12により該燃焼室5に循環パイプ13で循環させた
水を貯蔵する貯湯タンク11と、電磁弁14により給湯
パイプ13から湯を供給する遠赤外線増殖室6と、燃焼
室5から遠赤外線増殖室6へ木ガスを通す風道45と、
遠赤外線増殖室6から炉側煙道へ木ガスおよび遠赤外線
および水蒸気を通す風道45と、炉側煙道と高熱処理室
側煙道を電動チェーンブロック20,21をチェーン2
2,23で上下に作動するダンパー18,19により高
熱処理室33,34に交互に木ガスおよび遠赤外線及び
水蒸気が送風され、制御装置24により燃焼室5の温度
や処理時間を制御し、記憶させる制御記録装置25とで
構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木材を構成する細
胞間の壁孔壁を破壊して、木材乾燥に資する遠赤外線お
よび木ガスを用いた木材の連続処理を可能とする木材の
壁孔壁破壊連続処理炉に関する。
【0002】
【従来の技術】木材は、その成長のためには、養分や水
分が必要であり、木材は、これらの養分や水分を木材を
構成する細胞群、とりわけ、仮導管あるいは導管と称さ
れる細胞群からなる管を通じて、その根から養分や水分
を吸収し、それを木の幹や枝葉に送り込むように構成さ
れており、木材を構成する個々の細胞は、この仮導管や
導管との間で、あるいは、細胞相互間で、これらの養分
や水分を授受する仕組みが成立していることが知られて
おり、隣接する細胞間においては、両細胞膜上に壁孔と
称される小さい孔隙ないしは凹みが多数に存在してお
り、これらの壁孔を通じて細胞間に水分や養分の授受が
行われている。
【0003】この基本構造を模式的に示せば、図6に示
すように、木材が成長する際には、ト−ルス101と、
壁孔対の一方側の孔1031または他方側の孔1032
間に間隙を設けて、この間隙を通じて、樹木の成長に必
要な養分や水分を細胞間に供給するように構成され、そ
して、これらの壁孔1031と壁孔1032の中間には、
それぞれト−ルス(T)とマルゴ(M)を有する壁孔膜
と称される膜が存在し、樹木が伐採される等の理由によ
り、一旦、これらの木材を構成する細胞群の一部が破壊
されると、前記細胞膜上の両壁孔が閉塞され、細胞内部
に含有する水分を外部に排出しないような仕組みができ
上がっている。また、木材部の芯材部は色相や樹脂など
の充填物がなく、細胞間の壁孔は、大部分が閉鎖壁孔と
なり、水分の導通を阻害している。
【0004】この壁項壁の概念およびそれを破壊する概
念を模式的に述べると、図6(a)〜(c)に示すよう
に説明される。すなわち、図6(a)は、壁孔壁の正常
な状態を示すものであり、通常、木材は、このような構
造の壁孔壁を通じて(図でいえば、左右を自由に往来さ
せて)、その両隣の細胞に水分や栄養分を行き渡る構造
になっている。それが、伐採等によって、木材が自らの
細胞内の水分が消失してしまうのを押さえる必要が生じ
た場合には、図6(b)に示すように、前記壁孔壁を閉
塞して、細胞間の水分、養分の往来を停止してしまう。
【0005】しかし、これでは、伐採された木材が、い
つまで経っても乾燥されないことになる。特に、芯材部
の水分は、内部に閉じ込められたままになる。そこで、
本願発明に係る壁孔壁破壊連続処理炉では、これらの壁
孔壁の閉鎖状態を破壊し、細胞間の流通が速やかに行わ
れるようにしようというものであり、これを概念的に示
せば、図6(c)に示すような状態となる。図6(C)
は、壁孔部分が、部分的に破壊された状態を示してお
り、このように壁孔が部分的(全破壊が理想である)で
あっても、壁孔壁が、一旦、破壊されると、木材を構成
する水分や栄養分は、この破壊された壁孔を通じて、容
易に外部に流出することになる。したがって、その後
の、木材乾燥に極めて優れた効果が見いだしうるのであ
る。本願発明者は、この壁孔壁を破壊して、木材を構成
する細胞内の水分傾斜が速やかに抜ける壁孔壁破壊木材
(特願平6−272954号)および燻煙処理壁孔壁破
壊木材(特願平6−27955号)について既に提案し
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記提
案に係る壁孔壁破壊処理炉は、実験的な処理炉であり、
これを効率良く、かつ、大量に、壁孔壁破壊木材を生産
することはできなかった。すなわち、木材を遠赤外線に
よる熱処理および/または燻煙処理を施し、壁孔壁破壊
木材を生産するためには、木材を2〜3日間処理室に収
納して、壁孔壁破壊処理を施さなければならず、また、
この木材を取り出すために、自然徐冷が必要であり、こ
のため、燃料の補給を止め、空気吸入口を密閉して、熱
処理炉の温度を下げて、木材の内部温度を常温に近づけ
る等、連続した運転はできなかった。つまり、この壁孔
壁破壊処理には、木質燃料を燃やして処理する工程と、
処理された木材を取り出すための徐冷工程とに、それぞ
れ所定の時間を要するので、処理炉の稼働率を著しく低
下させていた。
【0007】さらに、従来の熱処理炉では、木質燃料の
灰の清掃や、煙で燻すためセラミックや岩石を収容して
いる遠赤外線増殖室の内壁には木ガスによるのタール成
分等が付着し、清掃等を頻繁に行う必要があり、このた
め、処理炉のメンテナンス作業が大変であった。本発明
は、上記従来の事情に鑑みてなされたもので、連続し
て、壁孔壁破壊処理を行えるようにして、処理炉の稼働
率の低下を解消して、また、木質燃料を使用する際に
も、炉内のメンテナンス作業を行い易くすることを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】また、処理室内に遠赤外
線を多量に放射させるために、前記シリカブラック塊か
らなる遠赤外線放射物質を配置せしめるとともに、処理
炉および処理室内壁にシリカブラック層を形成し、木質
燃料の燃焼により、該シリカブラック塊を赤熱して得ら
れる遠赤外線を被処理木材に照射するとともに、壁面に
塗布されたシリカブラック層により、放射される遠赤外
線の増殖源としたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】1基の遠赤外線増殖炉に対し、2
つの処理室を設置して、一方が遠赤外線による木材の壁
孔壁破壊処理を行っている間、他の一方では、処理済み
の木材を徐冷させることにより、該遠赤外線増殖炉は、
常に稼働させている。木材の高熱処理炉の燃料として、
木質燃料を用いることにより、遠赤外線は、他の石油、
ガス、電気から発生するエネルギーより多くの遠赤外線
を発生するので、より多くの遠赤外線を被処理木材に照
射され、さらに、シリカブラック塊を赤熱することで遠
赤外線の放射の比率が高まることに加えて、壁面に塗布
されたシリカブラック層により、室内の遠赤外線を増殖
して、被処理木材に照射されるようにした。
【0010】このように、本願発明に係る木材の壁孔壁
破壊連続処理炉は、被処理木材に大量の遠赤外線の照射
および/または燻煙処理を施すことにより、木材を構成
する細胞間で対に構成される壁孔対の内の一方または双
方の壁孔壁を破壊し、細胞内の水分を容易に外部に流出
するようにしたものである。また、処理室には遠赤外線
増殖炉で遠赤外線を発生させるとともに、水蒸気をも発
生させるようにしたので、木材外部に充満させているた
め木材内部の水分が失われる過程において、木材外部が
乾燥して木材のひび割れを起こすことを防ぐようにして
いる。
【0011】
【実施例】以下、本発明に係る壁孔壁破壊連続処理炉の
一実施例を図面に基づいて説明する。図1は、本実施例
に係る壁孔壁破壊連続処理炉の燃焼炉の概略側面図であ
り、図2は、この燃焼炉1に複数の壁孔壁破壊処理室3
3、34を配置した壁孔壁破壊連続処理炉の実施例概略
図であり、図3は、処理室33、34の側断面図であ
る。
【0012】図1に示すように、燃焼炉1は、基台2、
外壁面3、内壁面4、燃焼室5、シリカブラック塊から
なる遠赤外線増殖材16を収納しておく遠赤外線増殖室
6、蓄熱材7、木質燃料8、焚口9、ロストル10、貯
湯タンク11、循環ポンプ12、循環パイプ13、電磁
弁14、給湯パイプ15、前記遠赤外線増殖材16、炉
側煙道17、ダンパーA18、ダンパーB19、電動チ
ェーンブロックA20、電動チェーンブロックB21、
チェーンA22、チェーンB23、制御装置24、制御
記録装置25、燃料置場26、灰出扉27、掃除扉2
8、掃除扉29、掃除扉30、掃除扉31、ハシゴ32
から構成される。
【0013】また、図2、図3に示すように、処理室A
33、処理室B34は、大扉A35、大扉B36、処理
室側煙道A37、処理室側煙道B38、排気口39、ト
ロッコ用レールA40、トロッコ用レールB41、トロ
ッコ台42、木材43、方立て44、で構成されてい
る。
【0014】また、燃焼炉1の基台2は、地中に設けら
れた鉄筋コンクリート等で構成されており、燃焼炉1を
構築するための基盤である。燃焼炉1の外壁面3は、赤
レンガ等で構成されており、燃焼炉1を構成する筐体で
ある。燃焼炉1の内壁面4は、外壁面3の筐体内部に接
して施されており、炉内の高温に十分耐えられるよう、
耐火レンガ等で構成されている。また、燃焼炉1には、
燃焼室5、遠赤外線増殖室6、炉側煙道17が配置さ
れ、それぞれ風道45を設けて仕切られている。この仕
切46にも内壁面4と同様に、耐火レンガ等が用いられ
ている。
【0015】燃焼炉1の燃焼室5の側面には、略中央
に、木質燃料8を投入するための焚口9が設けられてお
り、ここから炉外に設けられた燃料置場26に貯蔵して
ある木質燃料8を投入する。ロストル10は、燃焼室5
の下方に施された格子状あるいは柵状のものであり、ロ
ストル10上で燃焼した木質燃料8の灰をロストル10
下に濾すためのものである。
【0016】燃焼炉1の遠赤外線増殖室6には、該増殖
室の略中央に温度を均一化するための蓄熱材7が設けら
れている。燃焼室5からの熱風は、遠赤外線増殖室6の
仕切46の上部の風道45を通過するだけでは、処理室
A33、処理室B34に送り込まれる木ガスの温度の上
昇、下降が激しいので、均一な処理を実現するために、
仕切46の略中央部にも風道48を設け、かつ、ここに
温度を蓄熱させる蓄熱材7を配置し、その上に、同様に
温度を蓄熱し、さらには、遠赤外線を高効率に輻射する
シリカブラックからなる遠赤外線増殖材16を設ける。
この燃焼炉1の遠赤外線増殖室6の内壁面4には、シリ
カブラックを粉末にして塗布したシリカブラック層53
aが設けられ、また、前記遠赤外線増殖室と前記壁孔壁
破壊処理室を連通する煙道内曲位部51a、51b・・
には、前記シリカブラック塊が配置される。これは、直
進性を有する遠赤外線は、屈曲する煙道内では、効率良
く処理室A33および処理室B34まで伝達されにく
い。そこで、シリカブラックは、一旦、遠赤外線を吸収
し、その後、周囲に輻射することが知られているので、
本実施例では、前記シリカブラック塊16c、16d、
・・を各曲位部51b、51c、・・位置に配置し、増
殖された遠赤外線を屈反射するようにさせ、遠赤外線が
効率良く、処理室A33および処理室B34まで伝達さ
れるようにしてある。なお、煙道内曲位部51aに、前
記シリカブラック塊16bを配置するには、内壁4に突
出するパイプ状または金属網からなる棚(図示外)を設
け、その上に、前記シリカブラック塊16bを載置して
もよい。
【0017】また、この遠赤外線増殖材(シリカブラッ
ク塊)16について説明する。シリカブラックは、第三
系黒色硬質泥岩類中の断層破砕部に産して数%の炭素を
含有する黒色物の通称であり、珪酸を主成分(70%以
上)として、アルミナ(十数%以下)、Fe23を数%
含有する天然資源の一つである。
【0018】本実施例においては、北海道渡島半島南
部、上ノ国町湯ノ岱地域で産出するシリカブラックを使
用した。この物質は、高温下はもちろん、常温下におい
ても、周囲の外気温により、多量の遠赤外線を発生する
とされており、次のような特性を有することが知られて
いる。
【0019】図4および図5は、平成4年3月26日付
で徳島県立工業技術センター(徳島県徳島市雑賀町西開
11の2番地、所長 上田 和男)に持ち込まれた試料
に基づくシリカブラックについて、照射される光の波長
と、これに対応して放射される遠赤外線の対応関係を示
すグラフであり、同センターの研究員杞本司農夫氏(徳
島市末広5丁目2ー18)の分析結果に基づく同物質の
特性を示すものである。
【0020】同氏の平成4年4月1日付分析成績書によ
れば、縦3cm、横3cm、厚さ2mmのシリカブラッ
クの試料を日本電子株式会社製測定装置(FT−IR6
500)により、測定温度39.9℃で、FT−IR赤
外線放射率測定をした結果、図4および図5に示す特性
が得られた模様である。図4によれば、本願実施例に用
いた遠赤外線増殖材(シリカブラック)16と同じシリ
カブラック試料の遠赤外線の放射量は、波長6.0ミク
ロン付近で大きく立ち上がり、また、波長14.0ミク
ロン付近で大きく立ち上がるとともに、波長7.0〜
9.0ミクロンの領域内でピークを有し、その放射量は
全体として理想黒体(ピークは、8.9ミクロン付近)
と略同様である。
【0021】さらに、図5によれば、この物質の遠赤外
線の放射率は、この測定温度39.9℃において、波長
6.0〜22.0ミクロンの領域に渡って、平均して9
0.0%を越える付近の放射レベルを呈している。な
お、本実施例に使用したシリカブラックの主成分表を以
下に示す。
【表1】
【0022】したがって、このシリカブラックは、3
9.9℃の測定温度において、極めて高レベルに遠赤外
線を放射することが知りうる。したがって、この程度の
温度下において、遠赤外線を放射することにより、分子
レベルで、効率的に加温することができる。そこで、本
実施例においては、この遠赤外線増殖材16を赤熱し
て、遠赤外線を多量に放射させるとともに、この物質を
室内壁面に塗布し、周囲温度により、この部分からも遠
赤外線を放射させるようにして、この増殖される遠赤外
線を被処理木材43に照射することにより、この木材4
3を構成する細胞を加温し、木材を構成する細胞の壁孔
壁の破壊の促進を図るために用いたものである。なお、
シリカブラックは、一旦、遠赤外線を吸収し、その後、
周囲に輻射することが知られているので、本実施例で
は、煙道各曲位部51b、51c、・・位置に前記シリ
カブラック塊16c、16d、・・を配置し、遠赤外線
を、一旦、シリカブラック塊16c、16d、・・に吸
収させ、その後、このシリカブラック塊16c、16
d、・・から、遠赤外線を輻射させるようにしてある。
このため、増殖された遠赤外線は、効率良く、処理室A
33および処理室B34まで伝達されるのである。
【0023】次に、本実施例に係る壁孔壁破壊連続処理
炉では、処理室に、遠赤外線を多量に発生させるととも
に、水蒸気をも発生させるようにしたので、それについ
て説明する。すなわち、本実施例に係る燃焼炉1に
は、、貯湯タンク11が、該燃焼炉1の屋上部49に設
置してあり、この貯湯タンクの側面11aには、貯湯タ
ンク11から循環ポンプ12を介して燃焼室5を循環
し、貯湯タンク11に帰還する循環パイプ13が設けら
れている。そして、貯湯タンクの側面11bからは、電
磁弁14を介して該増殖炉1の遠赤外線増殖室6に通じ
る給湯パイプ15が設けられ、適宜給湯されて、水蒸気
を供給できるように構成されている。
【0024】図1、図2、図3において、18、19
は、それぞれダンパーAおよびダンパーBであり、これ
らのダンパーA18、ダンパーB19は、図2に示すよ
うに、燃焼炉1を中心にT形に施された炉側煙道17の
両側に設けられており、図1に示すように、燃焼炉1の
外部にある天井50a、50bから吊された電動チェー
ンブロックA20、電動チェーンブロックB21、チェ
ーンA22、チェーンB23等で接続され、この電動チ
ェーンブロックA20、電動チェーンブロックB21の
作動により、上下開閉するように構成される。なお、図
24は、ダンパーA18、ダンパーB19を自動的に上
下に移動する制御装置である。
【0025】また、本実施例においては、被処理木材4
3を処理する処理室として、処理室A33および処理室
B34が配置されるようにしている。その構造を詳述す
ると、以下のものである。なお、処理室A33および処
理室B34は同様の構造をしているため、ここでは、処
理室A33についてのみ、その構造を説明し、処理室B
34についての説明は省略する。
【0026】処理室A33は、木材43を収容可能とし
た長さ(10m〜20m位)を有するものであり、処理
室A33に充満する燻煙を排出するために四隅下方には
排気口39a、39b、39c、39dが施されてい
る。また、処理室A33には、後部(あるいは前部)に
被処理木材51の搬入、搬出のための大扉A35が設け
られ、この大扉A35を開閉して、後述のトロッコ台4
2が搬入、搬出されるように構成されている。そして、
この処理室A33の内壁面52aには、シリカブラック
を粉砕して粉末状にして塗布したシリカブラック層53
bを形成し、このシリカブラック層53bにより、遠赤
外線を輻射させ、前記燃焼炉1から送られてきた燻煙中
に含まれる遠赤外線の輻射効率を高めるよう構成されて
いる。なお、処理室側煙道A37は、炉側煙道17とダ
ンパーA18を介してつながっており、処理室A33の
長さ方向の地下に設けられており、また、この中間部位
にも、前記シリカブラック塊16dを配置している。
【0027】前記トロッコ台42には、方立て44が、
前記トロッコ台42の側面の縁の複数箇所設けられてお
り(基本的には四隅と長さ方向の中間地点2箇所の計6
箇所に設けられる。)、これは、被処理木材43の荷崩
れを防ぐためのものである。図中、40は、トロッコ用
レールAであり、該トロッコ用レールA40は、処理室
A33に、トロッコ台42が、容易に搬入、搬出できる
ように設置されたものであり、処理室A33の前方から
大扉方向に、処理室A33の長さの2倍強の長さを有し
ている。
【0028】つぎに、上記構成の木材の壁孔壁破壊連続
処理炉を用いて、被処理木材の処理方法を説明する。壁
孔壁を破壊するため、被処理木材43をトロッコ台42
に積荷して、処理室A33の大扉A35を開く。そして
該トロッコ台42を処理室A33に収容し、大扉A35
を閉める。
【0029】つぎに、燃焼炉1に設けられている焚口9
から燃料置場26に保管されている木質燃料8を投入
し、この木質燃料8に着火して、燻煙を発生させる。こ
の木質燃料8からは、熱と同時に木ガスが発生する。そ
して、この木ガスは、単なる加熱された空気ではなく、
燃焼時にタール成分が含有された木質燃焼ガスである。
燃焼室5において、木質燃料8が燃焼することにより、
木質燃料8から発生する木ガスおよび加熱ガス(遠赤外
線を含む)は、燃焼室5を上昇して風道45を通り抜け
て、遠赤外線増殖室6に熱風となって移動しはじめる。
【0030】上記熱風は、遠赤外線増殖室6におかれた
遠赤外線増殖材16等の空隙を通り抜けると、遠赤外線
増殖材16の特性から遠赤外線が多量に発生される。ま
た、燃焼室5からの熱風は、燃焼室5と遠赤外線増殖室
6の境界の仕切46の略中央に設けられた風道45bか
らも遠赤外線増殖室6に吹き込まれる。この熱風は、遠
赤外線増殖材16に対し、木質燃料8からの熱風が均等
に通り抜けるために、遠赤外線増殖材16がおかれた底
面に、蓄熱材7が施してある。この蓄熱材7には、隙間
が施されており、遠赤外線増殖材16の下方からも燃焼
室5からの遠赤外線および木ガスを含んだ熱風が遠赤外
線増殖材16の空隙間を通り抜けることにより、遠赤外
線が更に増殖し、多量の遠赤外線が得られるものであ
る。
【0031】この燃焼炉1の屋上部49に設けられた貯
湯タンク側面11a下方から貯湯タンク11内の水は、
循環ポンプ12により、燃焼室5の内部に送られ、燃焼
室5の高温により循環パイプ13内の水と熱交換が成さ
れる。そして、循環パイプ13内の水の温度が上昇し、
湯となって貯湯タンク11に帰還する。こうして、水を
循環パイプ13を燃焼室5を循環させることにより、貯
湯タンク11内には、湯が貯蔵される。
【0032】一方、上記した貯湯タンク側面11bに
は、電磁弁14を介した給湯パイプ15が設けられてお
り給湯パイプ15の一端は、遠赤外線増殖室6の上部に
挿入されている。そして、貯湯タンク11内の湯は、電
磁弁14により調節され、一定量の湯が遠赤外線増殖室
6内の遠赤外線増殖材16に降りかかるようになってい
る。この湯が、遠赤外線増殖材16に降りかかると、多
量の水蒸気が発生する。そして、上述した木ガスと遠赤
外線および水蒸気は、炉側煙道17を通り、処理室側煙
道A37へと送られる。
【0033】すなわち、図2に示すように、多量の遠赤
外線と木ガスおよび水蒸気を含有した燻煙は、燃焼炉1
から左右に分かれた炉側煙道17を通り、処理室A33
内の被処理木材43を処理して、該木材43の細胞を構
成する壁孔壁を破壊するようにするのである。そして、
処理室B34にも、被処理木材43が、収容されている
場合には、前記電動チェーンブロックB21を作動させ
て、チェーンB23により吊されたダンパーB19を上
に上げて、燃焼炉1で発生する燻煙および遠赤外線含有
ガスを処理室B34に導くようにする。
【0034】なお、処理室A33内での処理を休止する
場合には、前記電動チェーンブロックB21を作動させ
て、チェーンB23により吊されたダンパーB19を下
におろす。このダンパーB19が、処理室側煙道B38
を塞いで、処理室B34には、燻煙および加熱遠赤外線
含有ガスが行かないようにしておく。
【0035】なお、この燻煙および加熱遠赤外線含有ガ
スは、処理室側煙道A37を通り、処理室A33に充満
する。そして、処理室A37の木材43に対して、遠赤
外線、木ガス、そして時によっては、水蒸気の作用によ
り、被処理木材43の壁孔壁破壊する。この被処理木材
43の壁孔壁破壊は、1処理に対し、約2日を要し、そ
の間主として昼間においては、燃焼炉1において、木質
燃料8を燃焼し続ける。夜間は、燃料を補給しなくても
よい。
【0036】処理室A33に収容した木材43は、前記
燻煙により、木材43を構成する細胞に影響を与える。
処理室A33における該処理が終了すると、該処理済み
の木材43は、常温になるまで徐冷する。そのため、処
理室A33に燻煙が送られないように、処理室側煙道A
37を塞ぐ必要があり、電動チェーンブロックA20を
作動させて、ダンパーA18を下におろし、処理室側煙
道A37を閉ざす。
【0037】処理室側煙道A37を閉ざすと同時に、処
理室B34に収容した木材43に壁孔壁破壊処理を行
う。そのため、処理室Bに燻煙が送られるように、電動
チェーンブロックB21を作動させて、ダンパーB19
を上部に引き上げる。そして、処理室側煙道B38が開
放され、燃焼炉1からの燻煙は、処理室B34に送られ
る。そして、処理室B34に収容された木材43の該壁
孔壁破壊処理が終了する頃に、処理室A33に収容され
た木材43は、ほぼ常温に徐冷されており、処理室A3
3から搬出することができる。
【0038】すなわち、処理室B34の木材43の該処
理中は、処理室A33の木材43は徐冷中であり、この
徐冷が終了して処理室Aの木材43を搬出した頃に、処
理室B38内の木材43の該処理が終了する。そして処
理室Aに次の被処理木材を搬入し、該処理を開始するこ
とになる。これらの処理は、全て制御記録装置25に記
憶され、いつ、どのような状態であったかを作業員が知
ることができる。
【0039】次に、上記木材43の壁孔壁破壊処理を幾
度も繰り返して行うと、燃焼炉1の内部には、木質燃料
8の燃焼による、燃えかすや灰が、溜まって、燃焼炉1
の効率が下がったりすることがある。そのため、本発明
に係る木材の壁孔壁破壊連続処理炉においては、多数の
掃除扉を設け、これらの燃焼の燃えかすや灰を、容易に
取り除くできるようにした。
【0040】また、燃焼室5において、木質燃料8を燃
焼させるとロストル10上には、木質燃料8の燃えかす
が残こることがある。この燃えかすは、掃除扉28を開
いて容易に排出させることができるようにして、ロスト
ル10の下部に溜まった灰を前記灰出扉27から容易に
排出することができるようにした。このように、ロスト
ル10付近の掃除を行うときは、地下にある前記掃除扉
28や前記灰出扉27に作業員が、作業場から地下に降
りて行く必要があり、そのため、本実施例においては、
ハシゴ32を設けてある。
【0041】また、燃焼炉1内の遠赤外線増殖材16に
ついては、常時、効率よく遠赤外線を発生させるために
は、材間にこびり付く付着物を取り除いてやる必要があ
る。また、この遠赤外線増殖材16は、高温により、劣
化するので、時折、この遠赤外線増殖材16を交換する
必要がある。そのため、本実施例においては、図に示す
ように、掃除扉29および30が設けられている。
【0042】同様に、燃焼炉1の炉側煙道17や、炉側
煙道17に続く内壁面4には、遠赤外線増殖室6からの
煤等が付着しやすいため、この煤等の掃除を容易にする
ために、本実施例においては、掃除扉31が設けられて
いる。なお、本実施例における高温処理室の壁に、断熱
材を施し、高温処理室内の熱効率が上がるようにしても
よい。また、本実施例では、1基の遠赤外線増殖炉に対
し、2つの処理室A、Bを設けて処理を行ったが、処理
室は、1つでもよいし、該処理炉および該処理室の建設
用地に問題がなければ、遠赤外線増殖炉1基に対して、
処理室を2つ以上設置して、木材の該処理の効率化を図
れるようにしてもよい。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、1基の遠赤外線増殖炉
に2つの処理室を設置したため、木材処理後に行う徐冷
中に遠赤外線増殖炉を停止させることなく、2つの処理
室を交互に木材処理を行うことができる。したがって、
遠赤外線増殖炉を稼働、不稼働を繰り返す必要がなくな
るため、該炉の稼働率は、飛躍的に向上するものであ
る。また、本発明の遠赤外線増殖炉の遠赤外線増殖室に
シリカブラックを採用したため、被処理木材の壁孔壁破
壊処理が迅速に行われる。
【0044】すなわち、処理室A33に収容した木材4
3に遠赤外線を輻射する、あるいは、木ガスおよび木ガ
ス燃焼によるタール成分を、壁孔壁に付着させることに
より、被処理木材43の細胞を構成する壁孔壁が部分的
にでも破壊されることとなる。さらに、水蒸気を充填さ
せることにより、木材43の中心部と辺材部との水分流
出の差によるひび割れ等が防止できるものである。
【0045】本発明の遠赤外線増殖炉には、多数の掃除
扉を設けたため、炉内の木質燃料の灰や、煤等を容易に
排出あるいは取り出すことが可能となった。これは、炉
内に灰や煤等が溜まると、炉自体の効率が低下すること
を防ぐものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る木材の壁孔壁破壊の遠
赤外線増殖炉の側横断面図である。
【図2】本発明の一実施例に係る木材の壁孔壁破壊の遠
赤外線増殖炉および処理室の構造を示した配置図であ
る。
【図3】本発明の一実施例に係る木材の壁孔壁破壊の処
理室の構造を示した側縦断面図である。
【図4】本発明の一実施例に係るシリカブラックが発生
する遠赤外線の波長に対する放射量レベルを示す放射量
特性図である。
【図5】本発明の一実施例に係るシリカブラックが発生
する遠赤外線の波長に対する放射率を示す放射率特性図
である。
【図6】本発明の一実施例に係る木材の壁孔壁の状態を
示した説明図である。
【符号の説明】
1・・・遠赤外線増殖炉 2・・・基台 3・・・外壁面 4・・・内壁面 5・・・燃焼室 6・・・遠赤外線増殖室 7・・・蓄熱材 8・・・木質燃料 9・・・焚口 10・・・ロストル 11・・・貯湯タンク 12・・・循環ポンプ 13・・・循環パイプ 14・・・電磁弁 15・・・給湯パイプ 16a、16b、・・、16f・・・シリカブラック 17・・・炉側煙道 18・・・ダンパーA 19・・・ダンパーB 20・・・電動チェーンブロックA 21・・・電動チェーンブロックB 22・・・チェーンA 23・・・チェーンB 24・・・制御装置 25・・・制御記録装置 26・・・燃料置場 27・・・灰出扉 28、29、30、31・・・掃除扉 32・・・ハシゴ 33・・・処理室A 34・・・処理室B 35・・・大扉A 36・・・大扉B 37・・・処理室側煙道A 38・・・処理室側煙道B 39・・・排気口 40・・・トロッコ用レールA 41・・・トロッコ用レールB 42・・・トロッコ台 43・・・木材 44・・・方立て 45・・・風道 46・・・仕切 48・・・風道 49・・・屋上部 50a、50b・・・天井 51a、51b、・・51e・・・煙道曲位部 52a、52b・・・処理室壁面 1031、1032・・・壁孔

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木質燃料を燃焼させる燃焼炉と、 該燃焼炉の近傍に配置された遠赤外線増殖材と、これを
    配置する遠赤外線増殖室と、 該燃焼室と連通する、または2以上の煙道およびこの煙
    道を開閉するダンパー手段と、 該煙道に連なる、または2以上の壁孔壁破壊処理室と、 からなることを特徴とする木材の壁孔壁破壊連続処理
    炉。
  2. 【請求項2】 燃焼炉の近傍に配置される遠赤外線増殖
    材は、数%の炭素を含有し、珪酸を主成分(70%以
    上)として、アルミナ(十数%以下)、Fe23を数%
    含有し、第三系黒色硬質泥岩類中の断層破砕部に産する
    黒色物(以下、「シリカブラック」という。)であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の木材の壁孔壁破壊連続処
    理炉。
  3. 【請求項3】 前記遠赤外線増殖室および/または前記
    壁孔壁破壊処理室内壁面には、前記シリカブラックを粉
    末にして、その内表面に塗布してなることを特徴とする
    請求項1記載の木材の壁孔壁破壊連続処理炉。
  4. 【請求項4】 前記遠赤外線増殖室と前記壁孔壁破壊処
    理室を連通する煙道内曲位部に前記シリカブラックを配
    置したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに
    記載の木材の壁孔壁破壊連続処理炉。
  5. 【請求項5】 木質燃料を燃焼させ、前記シリカブラッ
    クを赤熱して得た遠赤外線を被処理木材に輻射し、また
    は、処理室内壁面に塗布したシリカブラック層から放射
    する遠赤外線を被処理木材に輻射して、木材の壁孔壁を
    破壊させることを特徴とする木材の壁孔壁破壊連続処理
    方法。
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