JPH09262665A - 2ヘッド式パイプ円周自動溶接装置およびそのヘッド干渉回避方法 - Google Patents

2ヘッド式パイプ円周自動溶接装置およびそのヘッド干渉回避方法

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JPH09262665A
JPH09262665A JP7402996A JP7402996A JPH09262665A JP H09262665 A JPH09262665 A JP H09262665A JP 7402996 A JP7402996 A JP 7402996A JP 7402996 A JP7402996 A JP 7402996A JP H09262665 A JPH09262665 A JP H09262665A
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JP
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head
heads
interference
welding
slave
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JP7402996A
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English (en)
Inventor
Shingo Nagashima
伸吾 長島
Yuuichi Maki
雄一 萬來
Seiji Mizukami
清二 水上
Ikuo Mibu
生男 壬生
Kenichi Maeda
謙一 前田
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Hitachi Engineering and Services Co Ltd
Tokyo Gas Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Engineering and Services Co Ltd
Tokyo Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】2つの溶接ヘッドを同一軌道上に走行させて自
動溶接を行う2ヘッド式円周自動溶接装置において両ヘ
ッドの干渉を検出しその衝突等の不都合を未然に防止す
る。 【解決手段】 溶接装置は、各々トーチ4a,4bを保
持する2つのヘッド3a,3bを同一軌道上に移動可能
に設置し、パイプ円周の自動溶接を行う。両ヘッドの干
渉(衝突の可能性)を検出し、その検出時に両ヘッドの
動作状態を調べ、予め定めた優先順位にしたがって優先
順位の高い方のヘッドを主ヘッド、優先順位の低い方の
ヘッドを従ヘッドとし、主ヘッドの動作を継続するとと
もに、前記従ヘッドに強制的に干渉回避動作を行わせ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パイプの突き合わ
せ溶接のようなパイプ円周溶接を自動的に行う装置に係
り、特に、それぞれトーチを搭載した2つの溶接ヘッド
を同一軌道上に走行させて自動溶接を行う2ヘッド式円
周自動溶接装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスパイプライン敷設工事の際には、突
き合わせて固定されている2本のパイプの端面を全周溶
接により接続する。この溶接を自動溶接により行う場合
は、パイプにベルト状のガイドレールを巻き、このガイ
ドレール上に溶接ヘッドを走らせMAG(メタル・アク
ティブ・ガス)法等により溶接している。このような自
動溶接においては、元々は、1本のガイドレール上を走
行する溶接ヘッドは1台であった。
【0003】しかし、パイプ円周自動溶接において、大
巾な溶接時間の短縮及び省力化を図るためには、1系列
方式では溶接速度や溶着量を増やすことには無理がある
ことから、同一円周の溶接を2台の溶接ヘッドで分担し
て行うことが行われ始めている。
【0004】このような2系列方式については第151
回溶接法資料の「陸上ガイパイプライン自動溶接機」
「ガイパイプライン用内外面MAG全自動溶接の開発」
「パイプラインの内外面同時高速円周溶接法」「パイプ
ライン高速回転アーク自動溶接」に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の2ヘッドを用い
る方法では、同一軌道上に2台のヘッドを同時運転する
ので、次のような問題点がある。
【0006】2ヘッド自動溶接時の両ヘッドの運行法と
しては、ヘッド衝突あるいはケーブル接触などの可能性
が高くなるヘッド干渉状態が起こらないような運行法を
採用することが好ましいが、運行法によってはヘッド干
渉のおそれがある。
【0007】また、ヘッド干渉の生じないような運行法
が採用できるとしても、誤動作によるヘッド干渉を回避
する必要がある。
【0008】さらに、溶接の前の初期的な段取り作業等
においてヘッドを手動で移動操作する場合も多く、この
ような場合に不注意または誤操作により発生しうるヘッ
ド干渉を自動的に防止できることが好ましい。
【0009】そこで、本発明は、2つの溶接ヘッドを同
一軌道上に走行させて自動溶接を行う溶接装置において
両ヘッドの干渉を検出しその衝突等の不都合を未然に防
止することができる、2ヘッド式パイプ円周自動溶接装
置およびそのヘッド干渉回避方法を提供することを課題
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による2ヘッド式
パイプ円周自動溶接装置のヘッド干渉回避方法は、各々
トーチを保持する2つの溶接ヘッドを同一軌道上に移動
可能に設置し、パイプ円周の自動溶接を行う溶接装置に
おいて2ヘッドの干渉を自動的に回避する方法であっ
て、ヘッドの動作状態に応じてヘッドの優先順位を予め
定めておき、両ヘッドの干渉を検出し、該干渉の検出時
にその時点の両ヘッドの動作状態を調べ、前記予め定め
た優先順位にしたがって優先順位の高い方のヘッドを主
ヘッド、優先順位の低い方のヘッドを従ヘッドとし、前
記主ヘッドの動作を継続するとともに、前記従ヘッドに
強制的に干渉回避動作を行わせるものである。
【0011】なお、本明細書において、干渉とは、両ヘ
ッドの動作をそのまま継続すれば衝突に至る可能性があ
る状態をいう。この干渉の検出は、例えば、両ヘッドの
距離が予め定めた安全距離より小さくなり、かつ、両ヘ
ッドの距離が減少する方向に変化することを検出するこ
とを検出することにより行うことができる。安全距離
は、操作者が任意に設定することもできる。
【0012】本発明のこの構成によれば、両ヘッドの干
渉を自動的に検出し衝突の発生を未然に防止できる。し
たがって、2ヘッドの運行法に制約がなく、任意の運行
法を採用することができる。さらに、常に特定の一方の
ヘッドに干渉回避動作を行わせるのではなく、その時々
の両ヘッドの動作状態に応じて干渉回避を行う方を決定
するので、干渉回避動作のために従ヘッドの現在の動作
を中断させても、それによる支障を最小限に抑制し、溶
接作業効率の向上を図ることができる。
【0013】前記干渉回避動作としては、例えば、干渉
検出時に従ヘッドが停止中または主ヘッドと逆方向へ移
動中であった場合、従ヘッドを主ヘッドの動作に追従さ
せ、従ヘッドが主ヘッドと同方向へ移動中であった場
合、従ヘッドの速度を増加させるよう前記従ヘッドを制
御することができる。
【0014】従ヘッドの前記干渉回避動作は、例えば、
少なくとも主ヘッドの動作が完了した場合、または主ヘ
ッドが従ヘッドの目標位置よりさらに所定距離以上離れ
た場合に終了する。
【0015】両ヘッドの自動運転モードにおいては、前
記干渉の検出時に、従ヘッドの現在の位置および動作状
態を保存し、前記干渉回避動作終了した後、従ヘッドは
先に保存されている位置へ復帰し、保存されている動作
状態から動作を継続する。これにより、従ヘッドの中断
された動作を中断された時点の状態から再開することが
できる。
【0016】手動運転モードにおける手動操作時には、
操作の対象となっているヘッドを主ヘッドとする。これ
により、主ヘッドの手動移動操作により従ヘッドと干渉
が生じる場合には、前もって従ヘッドを手動で待避させ
る必要なく、自動的に待避させることができる。すなわ
ち、操作者は、手動操作させるヘッドにのみ注意を集中
すればよく、他方のヘッドが現在どの位置に存在する
か、その待避操作が必要か等については考慮する必要が
ない。したがって、操作が容易になるとともに作業時間
を短縮することができる。
【0017】また、前記干渉検出手段は、前記両ヘッド
間の距離に加えて、両ヘッドの速度をも参照して干渉を
検出することができる。これにより、より正確な干渉検
出が行える。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0019】図1により本発明の溶接装置の概略構成に
ついて述べる。被溶接材パイプ10の接合部の開先部位
11をパルスアーク自動溶接を行うため、パイプ外周に
着脱可能なガイドレール12を取付ける。このガイドレ
ール12上に、二つの溶接ヘッド3a,3bを搭載す
る。各溶接ヘッド3a,3bは、トーチ4a,4bを保
持しており、NC制御装置1からの指令に応じて、ガイ
ドレール12上を移動しながらかつ開先部11に対して
トーチ4a、4bを二次元ウィービングさせながら、パ
イプ10の全周に渡り全姿勢溶接で行う。操作者は、リ
モート操作パネル2から溶接の各種操作を行うことがで
きる。なお、5a,5bは溶接用ソリッドワイヤ、6
a,6bはワイヤスプール、7a,7bは電源装置、8
a,8bは多芯用特殊ケーブル、9a,9bはキャピタ
イヤケーブル、13はLCDディスプレイ、14はキー
ボード、15はマウスであり、1台のNC制御装置1に
より同時に2系列(どちらも同一仕様)を制御してい
る。
【0020】図2に示すように、溶接ヘッド3a,3b
のパイプ外周上の位置(時分で表す)X1軸,X2軸、
トーチ4a,4bのウィービングの開先部幅方向(パイ
プ軸方向)Y1軸,Y2軸及び溶接高さ方向(パイプ半
径方向)Z1 軸,Z2軸の各軸についてサーボ機構を備
え、計6軸はNC制御装置1により制御されている。な
お、二次元ウィービングとは、トーチを溶接進行方向
(X軸)に対して直交するY軸方向およびZ軸方向に、
開先部11に沿って移動させる動作をいう。
【0021】図3により、本実施の形態において溶接ヘ
ッド3(3a,3b)に付属する部品について説明す
る。図では、便宜上、一方のヘッドのみを示してある。
各溶接ヘッド3には、X,Y,Zの各軸毎にヘッドの位
置変化を検出するためのエンコーダ32x,32y,3
2z(総称して32で示す)および各軸毎に設けられた
機械原点(図示せず)を検出する原点センサ31x,3
1y,31z(総称して31で示す)が取り付けられて
いる。各軸エンコーダ32は、その軸方向のヘッド移動
量に応じた個数のパルスを発生するデバイスであり、こ
のパルス数を計数することにより移動量を求めることが
できる。但し、X軸エンコーダ32xについては、絶対
値エンコーダにより構成し、モータへの電源オフ期間中
にもその絶対的な位置を保持することができるようにし
てある。Y軸およびZ軸については、現在位置情報が失
われたとしても、移動のストロークが小さく、新たに機
械原点を検出・設定する手間および時間は問題にならな
いので、より簡易なインクリメンタル(相対値)エンコ
ーダを採用している。各軸の原点センサ31は、各軸に
おける機械的な原点を示す機械原点を検出するためのセ
ンサであり、例えば、光学的なセンサを用いることがで
きる。X軸の機械原点は、ガイドレール12の円周上の
予め定めた1カ所に設けられた指標であり、この例で
は、ガイドレール12の頂部において設けた光遮断部材
(図示せず)である。Y軸の機械原点はトーチのY軸方
向の後退位置に設けた光遮断部材(図示せず)である。
同様に、Z軸の機械原点はトーチのZ軸方向のほぼ最上
位位置に設けた光遮断部材(図示せず)である。勿論、
センサは光学的なものに限るものではなく、例えば、近
接センサのようなものを利用することもできる。これら
の各軸の原点を基準として、トーチの目標位置を指定す
ることができる。これらの原点の検出・設定は、溶接作
業の初期作業として行われる。
【0022】図4に、図1に示したNC制御装置1の構
成および他の各部との接続関係を示す。NC制御装置1
は、溶接用の制御データの作成、溶接状態の表示等を制
御するマイクロコンピュータ101、および、このマイ
クロコンピュータ101と接続される3軸モーションコ
ントローラ(CPUを含む)103を有する。マイクロ
コンピュータ101には、ハードディスク等からなる不
揮発性の大容量メモリ102も接続されている。モーシ
ョンコントローラ103は、溶接電源7a,7b、溶接
ヘッド3a,3b等の制御を行うCPUを含み、このC
PUの動作プログラムおよび各種データを格納する大容
量のRAM104を有する。また、モーションコントロ
ーラ103には、溶接電流、溶接電圧等の各種溶接パラ
メータを監視するためのパルス波形計測部105が接続
されている。モーションコントローラ103は、マイク
ロコンピュータ101から与えられるデータに基づいて
両ヘッドの3軸のサーボアンプ106a,106bを制
御し、その出力をケーブル8a,8bを介して溶接ヘッ
ド3a,3bに供給する。溶接ヘッド3a,3bにおい
ては、サーボアンプ106a,106bから与えられた
信号に従って、溶接ヘッド3a,3bのX,Y,Zの各
軸モータが制御される。溶接ヘッド3a,3bには、前
述した各軸の原点センサ31a,31bが装着されてい
る。溶接ヘッド3a,3bには、また、ワイヤー送給装
置109a,109bが搭載されている。モーションコ
ントローラ103は、溶接電源7a,7bをも制御す
る。溶接電源7a,7からは、その各種パラメータの信
号がモーションコントローラ103およびパルス波形計
測部105に入力される。
【0023】2系列を制御する最適な自動溶接条件の制
御プログラムを作るには、CAD値(パイプの外径、板
厚、材質、開先形状などの設計値)を入力することによ
り、各種溶接条件、パラメータ、アルゴリズム及びプロ
グラム編成機能を格納しているロジックテーブルに従っ
て多層盛自動溶接制御プログラムとして制御装置1によ
り生成される。2系列ではないが、このようなロジック
テーブルの詳細およびこれを用いた溶接データの作成に
ついては、本願出願人が先に提案した特願平7−173
921号に開示されている。
【0024】溶接ヘッド(以下、単にヘッドともいう)
3a,3bの2台のヘッドの同時運転制御について説明
する。
【0025】円周の同一軌道上での二つのヘッドの運行
方法としては、同一方向に連続運行させる運行法、ある
いは反対方向に半周繰り返し運行させる運行法等があ
る。ここでは、後者の運行法について説明するが、前者
および他の運行法について、本発明の適用を排除するも
のではない。
【0026】図5に示すように自動溶接開始時には、先
行ヘッド3aを0時の位置、後方ヘッド3bを2時の位
置に配置しスタートさせる。先ず、先行ヘッド3aが左
回り方向にアーク溶接を進行すると同時に後方ヘッド3
bはアークを出さずに左回り方向に進行させ、0時の位
置に達したときアークONにすると同時に、右回り方向
にアーク溶接を進行する。ヘッド3aは6時の位置に達
すると、次の溶接層の溶接諸元(溶接パラメータ)で逆
回り即ち、右回り方向に溶接進行し、0時に達すると次
の溶接層の溶接諸元で左回り方向へと、0時〜9時〜6
時の間を往復して溶接する。ヘッド3bは同様に0時〜
3時〜6時の間を往復して溶接する。
【0027】片方のヘッドがトラブルを起した場合は、
2ヘッド駆動から1ヘッド駆動に切換え、いずれか一方
のヘッドを単独に動作させることも可能である。なお、
その際には、他方のヘッドはガイドレール12上から取
り外す。
【0028】また、2台ヘッド動作についての運転モー
ドとしては、ヘッド2台か1台か、自動か手動かの組合
せの8通りの運転モードを選択することができる。
【0029】図5に示したような2ヘッドの自動運行制
御によれば、理論的には両ヘッドが干渉するおそれはな
いが、安全距離を大きく設定した場合には、干渉状態が
発生する場合がある。また、現実には、いずれか一方の
ヘッドの誤動作、故障等の原因により干渉が発生する場
合がありうる。さらに、図5以外の、干渉に配慮しない
運行方法あるいはヘッドの手動操作時等をも考慮する
と、両ヘッドの干渉を検出し衝突の発生を未然に防止す
る手段を設けることが望ましい。
【0030】図6に、本実施の形態における干渉回避処
理のフローチャートを示す。この処理は、原点検出・設
定作業の後の溶接装置の動作中、モーションコントロー
ラ103のCPUにより、常時、実行されている。この
処理を説明する前に、図7により、本例における、ヘッ
ドの優先順位の概念について説明する。この優先順位
は、干渉回避処理が必要となったとき、いずれのヘッド
にその干渉回避処理をさせ、いずれのヘッドにその動作
を続行させるかを決めるための基準として用いるもので
ある。ここでは、動作を続行させる方のヘッドを主ヘッ
ドと呼び、回避動作を行わせる方のヘッドを従ヘッドと
呼ぶ。
【0031】図7に示すように、ヘッドの優先順位は、
両ヘッドの現在の動作状態によって決まり、干渉回避の
ためのヘッド移動に支障のある状態の優先順位を高く設
定している。具体的には、「サーボOFF」が最も優先
順位が高く、「アーク出力中」「プログラム動作中」
「開先計測動作中」「移動中」「干渉回避からの動作再
開準備中(すなわち復帰移動中)」「停止中」の順に順
次優先順位が低くなる。「サーボOFF」とは、モータ
(特にX軸モータ)が故障等の原因により動作不可能な
状態に相当する。「プログラム動作中」とは、自動運転
のためのプログラムの実行中であって、これより上位の
項目(アーク出力中等)に該当しないときに相当する。
「停止中」は、移動可能であるが、その時点ではアーク
出力、プログラム動作等を行うことなく単に停止してい
る状態である。両ヘッドの状態が同じである場合には、
予め定めた一方のヘッド(ここではヘッド3a)を優先
する。図7に示したヘッドの各種動作状態は、特に図示
しないが、例えば各々の現在の状態を示すフラグをヘッ
ド毎に保持し、ヘッド状態の変わる所定の時点でフラグ
の値を更新することができる。必要時にこれらのフラグ
を参照することにより、現在の各ヘッドの状態を認識す
ることができる。
【0032】さて、図6の処理において、まず、両ヘッ
ドの干渉チェックを行う。すなわち、両ヘッドが予め定
めた安全距離より接近し、かつ、ヘッド衝突の可能性が
あるか否かをチェックする(ステップ61)。両ヘッド
が安全距離以内に接近したか否かは、両ヘッドのX軸位
置の差により判定することができる。ヘッド衝突の可能
性があるか否かは、両者が接近しているのか、または遠
ざかっているのかを両者の移動方向に基づいてチェック
することにより判定することができる。両ヘッド間の距
離が安全距離以内であっても両者の移動方向が逆で互い
に遠ざかっている場合にはヘッド衝突の可能性なしと判
定される。ステップ61の判定結果がNoである場合に
は、この干渉チェックを続行する。判定結果がYesの
場合には、両ヘッドの現在の状態に応じて、ヘッドの優
先順位を判定する(ステップ62)。この詳細について
は、前述したとおりであり、これにより、「主ヘッド」
と「従ヘッド」が定まる。
【0033】そこで、干渉回避ヘッドすなわち従ヘッド
の現在の動作情報をメモリに一時的に保存し、従ヘッド
の動作を中断する(ステップ63)。ここでいう従ヘッ
ドの現在の動作情報とは、動作状態(プログラム実行
中、アーク出力中等)、現在位置(動作を中断した位
置)、移動指令(移動目標位置、移動速度)を含む。ま
た、中断する動作とは、プログラム実行制御、開先計測
シーケンス、軸移動、ウィービング動作、アーク出力、
アーク関連補正を含む。なお、現在の運転モードが手動
であれば、従ヘッドの動作情報の保存は必要ない。ま
た、後述する従ヘッドの干渉発生位置への復帰途中での
再度の干渉の場合には既にヘッド動作情報は保存されて
いるので、この場合も保存処理は不要である。
【0034】従ヘッドがこの動作中断の時点で元々停止
していたならば(ステップ64)、あるいは、両ヘッド
とも移動中でその移動方向が逆(互いに近づいている)
であるならば(ステップ65)、ステップ69の従ヘッ
ド干渉回避処理を行う。また、両ヘッドの移動方向が同
じである場合、両者の速度から主ヘッドが従ヘッドに追
いつくと判断された場合には(ステップ66)、ステッ
プ67の従ヘッド干渉回避処理を行う。ステップ69の
従ヘッド干渉回避処理では、直ちに従ヘッドが主ヘッド
に追従するよう、従ヘッドを制御する。その後、主ヘッ
ドの移動方向が逆転したら(ステップ70)、ステップ
71へ進む。ステップ67の従ヘッド干渉回避処理で
は、従ヘッドの速度を上げる。その後、従ヘッドの速度
が主ヘッドの速度に追いついたら(ステップ68)、ス
テップ71に進み、従ヘッドの停止指令を発する。従ヘ
ッドのサーボOFFにより従ヘッドが動作不能である場
合には従ヘッドの干渉回避処理は行えないので、何らか
の警告を発することが望ましい。例えば、その旨の警告
をリモート操作パネル2に表示する。
【0035】ステップ66で主ヘッドが従ヘッドに追い
つくおそれのないことが両ヘッドの速度から判明した場
合には、干渉状態が自動的に解消するものと判断し、い
ずれの従ヘッド干渉回避処理をも行うことなくステップ
71へ進む。
【0036】従ヘッドのサーボOFFまたは主ヘッドの
サーボOFFが発生した場合(ステップ72、73)、
あるいは主ヘッドの動作が完了により移動停止した場合
(ステップ74)、干渉状態が解消したものとして、ス
テップ76へ移行する。
【0037】ステップ72、73、74において、いず
れの判定結果もNoである場合には、主ヘッドが従ヘッ
ドの移動の目標位置よりさらに安全距離だけ離れたか否
かをチェックする(ステップ75)。移動の目標位置
は、NC制御装置1からの移動指令により認識すること
ができる。この判定結果がNoであれば、ステップ64
に戻り、上記の処理を再度実行する。なお、ステップ7
1で従ヘッドを停止させたが、ステップ75からステッ
プ64に戻った後のステップ64〜66の判定で再度従
ヘッド干渉回避処理が行われる場合があり、このような
場合は、ステップ71により従ヘッドのサーボモータ
(X軸)が停止指令に応答するまもなく干渉回避処理に
より従ヘッドが移動させられることになるので、従ヘッ
ドは外見上継続して移動しているように見える。
【0038】ステップ75の判定結果がYesであれ
ば、現在の運転モードが手動か自動化を判断する(ステ
ップ76)。手動であれば、最初のステップ61に戻
る。自動であれば、ステップ63で保存した従ヘッドの
干渉回避開始位置(干渉発生位置)へ従ヘッドを復帰さ
せる指令を発する(ステップ77)。また、前記保存し
た動作情報を回復する。ついで、従ヘッドが中断してい
た動作を再開し(ステップ78)、最初のステップ61
に戻る。ステップ61で再度干渉が検出された場合、新
たにヘッドの優先順位が判定される。この際、両ヘッド
の動作の変化により主従の関係は先の場合と同じになる
とは限らない。
【0039】なお、実際には、従ヘッドの干渉回避開始
位置への復帰中にもステップ61の干渉チェックが機能
しており、干渉発生時にはステップ62へ移行する。
【0040】以上、本発明の好適な実施の形態について
説明したが、システム構成および処理の具体的内容は例
示であり、請求の範囲を逸脱することなく種々の変形・
変更が可能である。
【0041】
【発明の効果】2つの溶接ヘッドを同一軌道上に走行さ
せて自動溶接を行う2ヘッド式円周自動溶接装置におい
て両ヘッドの干渉を検出しその衝突等の不都合を未然に
防止することができる。したがって、2ヘッドの運行法
に制約がなく、任意の運行法を採用することができる。
また、主ヘッドの移動操作により従ヘッドと干渉が生じ
る場合には、従ヘッドを待避させる手動操作を前もって
行うことなく、必要となった時点で自動的に待避させる
ことができる。したがって、操作が容易になるとともに
作業時間を短縮することができる。
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用される2ヘッド式パイプ円周自
動溶接装置の概略構成を示す構成図である。
【図2】 図1の溶接装置におけるヘッドおよびトーチ
の動作の説明図である。
【図3】 図1の溶接装置におけるヘッドの付属部品の
説明図である。
【図4】 図1の溶接装置のNC制御装置1の内部構成
および外部装置との接続関係を示すブロック図である。
【図5】 図1の溶接装置における2ヘッドの運行法の
一例の説明図である。
【図6】 図1の溶接装置に適用されるヘッド干渉回避
処理のフローチャートである。
【図7】 図6の処理に用いられるヘッドの優先順位の
説明図である。
【符号の説明】
1…NC制御装置、2…リモート操作パネル、3a,3
b …溶接ヘッド、4a,4b…トーチ、5a,5b …
溶接用ソリッドワイヤ、6a,6b …ワイヤスプー
ル、7a,7b …電源装置、8a,8b …多芯用特殊
ケーブル、9a,9b …キャピタイヤケーブル、10
…パイプ、11…開先部、12…ガイドレール、13…
ディスプレイ、14…キーボード、15…マウス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 壬生 生男 茨城県那珂郡那珂町菅谷2982−3 (72)発明者 前田 謙一 茨城県常陸太田市天神林町1225−47

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各々トーチを保持する2つの溶接ヘッドを
    同一軌道上に移動可能に設置し、パイプ円周の自動溶接
    を行う溶接装置において2ヘッドの干渉を自動的に回避
    する方法であって、 ヘッドの動作状態に応じてヘッドの優先順位を予め定め
    ておき、 両ヘッドの干渉を検出し、 該干渉の検出時にその時点の両ヘッドの動作状態を調
    べ、前記予め定めた優先順位にしたがって優先順位の高
    い方のヘッドを主ヘッド、優先順位の低い方のヘッドを
    従ヘッドとし、 前記主ヘッドの動作を継続するとともに、前記従ヘッド
    に強制的に干渉回避動作を行わせることを特徴とする2
    ヘッド式パイプ円周自動溶接装置のヘッド干渉回避方
    法。
  2. 【請求項2】前記干渉の検出は、両ヘッドの距離が予め
    定めた安全距離より小さくなり、かつ、両ヘッドの距離
    が減少する方向に変化することを検出することにより行
    う請求項1記載の2ヘッド式パイプ円周自動溶接装置の
    ヘッド干渉回避方法。
  3. 【請求項3】前記干渉回避動作は、干渉検出時に従ヘッ
    ドが停止中または主ヘッドと逆方向へ移動中であった場
    合、従ヘッドを主ヘッドの動作に追従させ、従ヘッドが
    主ヘッドと同方向へ移動中であった場合、従ヘッドの速
    度を増加させるよう前記従ヘッドを制御することを特徴
    とする請求項1又は2記載の2ヘッド式パイプ円周自動
    溶接装置のヘッド干渉回避方法。
  4. 【請求項4】少なくとも主ヘッドの動作が完了した場
    合、または主ヘッドが従ヘッドの目標位置よりさらに所
    定距離以上離れた場合、従ヘッドの前記干渉回避動作を
    終了することを特徴とする請求項1、2又は3記載の2
    ヘッド式パイプ円周自動溶接装置のヘッド干渉回避方
    法。
  5. 【請求項5】両ヘッドの自動運転モードにおいて、前記
    干渉の検出時に、従ヘッドの現在の位置および動作状態
    を保存し、前記干渉回避動作終了した後、従ヘッドは先
    に保存されている位置へ復帰し、保存されている動作状
    態から動作を継続することを特徴とする請求項4記載の
    2ヘッド式パイプ円周自動溶接装置のヘッド干渉回避方
    法。
  6. 【請求項6】手動運転モードにおける手動操作時には、
    操作の対象となっているヘッドを主ヘッドとすることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の2ヘッド式パ
    イプ円周自動溶接装置のヘッド干渉回避方法。
  7. 【請求項7】前記干渉の検出は、前記両ヘッド間の距離
    に加えて、両ヘッドの速度をも参照して干渉を検出する
    ことを特徴とする請求項2記載の2ヘッド式パイプ円周
    自動溶接装置のヘッド干渉回避方法。
  8. 【請求項8】各々トーチを保持する2つの溶接ヘッドを
    同一軌道上に移動可能に設置し、パイプ円周の自動溶接
    を行う溶接装置において、 各々のヘッドの前記同一軌道上の現在位置を検出する位
    置検出手段と、 少なくとも該位置検出手段により検出された両ヘッドの
    現在位置から求めた両ヘッド間の距離に基づいて両ヘッ
    ドの干渉を検出する干渉検出手段と、 該干渉検出手段による干渉の検出時にその時点の両ヘッ
    ドの動作状態を調べ、前記予め定めた優先順位にしたが
    って優先順位の高い方のヘッドを主ヘッド、優先順位の
    低い方のヘッドを従ヘッドとし、主ヘッドの動作を継続
    するとともに、従ヘッドに強制的に干渉回避動作を行わ
    せる干渉回避制御手段と、 を備えることを特徴とする2ヘッド式パイプ円周自動溶
    接装置。
  9. 【請求項9】前記干渉検出手段は、前記両ヘッド間の距
    離に加えて、両ヘッドの速度をも参照して干渉を検出す
    ることを特徴とする請求項8記載の2ヘッド式パイプ円
    周自動溶接装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20100301103A1 (en) * 2008-02-01 2010-12-02 Saipem S.P.A. Method and apparatus for the welding of pipes
JP5966107B1 (ja) * 2016-02-02 2016-08-10 新日鉄住金エンジニアリング株式会社 自動溶接方法及び自動溶接装置

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