JPH09260739A - 圧電セラミックトランス - Google Patents

圧電セラミックトランス

Info

Publication number
JPH09260739A
JPH09260739A JP7046196A JP7046196A JPH09260739A JP H09260739 A JPH09260739 A JP H09260739A JP 7046196 A JP7046196 A JP 7046196A JP 7046196 A JP7046196 A JP 7046196A JP H09260739 A JPH09260739 A JP H09260739A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric ceramic
transformer
ceramic element
input side
ceramic transformer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7046196A
Other languages
English (en)
Inventor
Junichi Toyoda
準一 豊田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP7046196A priority Critical patent/JPH09260739A/ja
Publication of JPH09260739A publication Critical patent/JPH09260739A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dc-Dc Converters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のローゼン型圧電セラミックトランスに
比べ、昇圧比が非常に高い圧電セラミックトランスを提
供することを目的とする。 【解決手段】 本発明の圧電セラミックトランス1は、
長方形板状の横効果圧電セラミック素子2aと長方形板
状の縦効果圧電セラミック素子2bとを有している。ま
た、横効果圧電セラミック素子2aに入力側電極3、4
を設け、縦効果圧電セラミック素子2bに出力側電極5
a、5bを設けている。また、横効果圧電セラミック素
子2aの平面部と縦効果圧電セラミック素子2bの平面
部とを貼り合わせたある。この貼り合わせは、接着剤に
より行うか、セラミックグリーンシートを焼成すること
により行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はジルコン酸チタン酸
鉛等の圧電セラミック素子を用いた圧電セラミックトラ
ンスに関し、特にそれぞれ長方形板状を有する縦効果圧
電セラミック素子と横効果圧電セラミック素子との平面
部同士を貼り合わせた圧電セラミックトランスに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から圧電セラミックトランスは高圧
電源を得る方法として広く利用されている。圧電セラミ
ックトランスは非巻線型の変圧器であり、高電圧発生用
に適している。
【0003】従来のローゼン型の圧電セラミックトラン
スの構造は図12に示すとおりである。この圧電セラミ
ックトランスは図12に示す様に、長さ2L(30m
m)、幅W(6mm)、厚さT(1mm)の長方形板状
の圧電セラミック素子2の上下平面部(2L×W面)の
長さ2L方向の略2L/2=L(15mm)位置まで入
力側電極3、4を形成し、圧電セラミック素子2の長手
方向に直角な側面のうち右側の面(W×T面)に出力側
電極5を形成してある。また、入力側は厚さT方向にP
1 の様に分極し、出力側は長さL方向にP2 の様に分極
されている。これら、各電極3、4は入出力端子6、7
にそれぞれ接続され、また、入力側電極4と出力側電極
5とは出力端子8、9にそれぞれ接続されている。さら
に、入力端子6、7間に入力電圧を供給することで出力
端子8、9間に出力電圧が得られる様に成されている。
【0004】上述の構成で入力電圧が供給される入力側
を低インピーダンスと成し、出力電圧が得られる出力側
を高インピーダンスにすれば、共振時にはインピーダン
ス比の平方根に等しい変圧比が得られる。
【0005】すなわち、出力端無負荷時の昇圧比(V2
/V1 )は次式の様に表される。 V2/V1 =4×Qm×K31×K33×L/(π2 ×T) ここで、 V1 : 入力電圧 V2 : 出力電圧 Qm : 機械的品質係数 K31 : 横効果の結合係数 K33 : 縦効果の結合係数 L : 圧電セラミック素子の長さ T : 圧電セラミック素子の厚さ
【0006】上述の式からわかる様に、圧電セラミック
トランスはQm、L/Tを大きくとれるため高電圧発生
用に適している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の圧電セラミックトランスは、蛍光灯バックライ
トインバ−タ等の用途に用いる場合、圧電セラミックト
ランスの昇圧比不足のため前段に電磁式巻線トランスが
必要となり、薄型化、小型化、高効率化の大きな障害と
なっている。
【0008】圧電セラミックトランスの昇圧比は圧電セ
ラミックトランスの長さと厚さの比(L/T)に比例す
る。すなわち、高い昇圧比を得るためには、圧電セラミ
ックトランスを長くするか、もしくは薄くする必要があ
る。小型化の要求の下では長さには実用的な限界があ
り、素子を薄くすることにより高い昇圧比を実現するこ
とになる。
【0009】一方、圧電セラミックトランスの出力パワ
−は圧電セラミック素子の断面積に比例する。従ってト
ランスの厚さを薄くすると効率が悪くなる。また、断面
積を大きくするためにトランスの横幅を大きくすると、
トランスの動作不良を起こすため幅方向寸法にも限界が
ある。
【0010】従って、従来のローゼン型圧電セラミック
トランスはさらに昇圧比を高くするのは困難であるとい
う問題があった。
【0011】本発明はこのような課題に鑑みてなされた
ものであり、従来のローゼン型圧電セラミックトランス
に比べ、昇圧比が非常に高い圧電セラミックトランスを
提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の圧電セラミック
トランスは、長方形板状の横効果圧電セラミック素子と
長方形板状の縦効果圧電セラミック素子とを有し、横効
果圧電セラミック素子に入力側電極を設け、縦効果圧電
セラミック素子に出力側電極を設けた圧電セラミックト
ランスにおいて、横効果圧電セラミック素子の平面部と
縦効果圧電セラミック素子の平面部とを貼り合わせたも
のである。
【0013】また、本発明の圧電セラミックトランス
は、横効果圧電セラミック素子が、入力側電極を有する
複数枚の薄層の圧電セラッミク素子を積層した構造から
なる上述構成の圧電セラミックトランスである。
【0014】本発明の圧電セラミックトランスによれ
ば、横効果圧電セラミック素子の平面部と縦効果圧電セ
ラミック素子の平面部とを貼り合わせたことにより、ま
たは、横効果圧電セラミック素子を入力側電極を有する
複数枚の薄層の圧電セラッミク素子を積層したものから
構成することにより、昇圧比を非常に高くすることがで
きる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明圧電セラミックトラ
ンスの一実施例について図1〜図7を参照しながら説明
する。図1は、本発明の圧電セラミックトランスの構造
を示すものである。この様な構造の圧電セラミックトラ
ンス1の製造方法を図2〜図4、および工程図(図5)
を用いて説明する。
【0016】まず、図5の「原料の混合」工程15で
は、セラミック原料としてPbO(酸化鉛)、ZrO2
(二酸化ジルコニウム)、TiO2 (二酸化チタン)、
NiO(酸化ニッケル)、ZnO(酸化亜鉛)、Nb2
5 (五酸化二ニオブ)、Bi 2 3 (三酸化二ビスマ
ス)、MnO2 (二酸化マンガン)を所定の割合に混合
し、ボールミルにて15時間混合することで、例えばP
bTiO3 −PbZrO 3 −Pb(Ni1/3 Nb2/3
3 −Pb(Zn1/3 Nb2/3 )O3 −Bi2/3TiO
3 −MnO2 を得る様に調合する。
【0017】次にこの様にして得た粉体をプレス成形
し、900℃で2時間仮焼する。
【0018】上述の如くして仮焼して得た仮焼粉100
重量部に対し、ポリビニルブチラールからなる有機結剤
5重量部、エチルアルコールからなる有機溶剤10重量
部、ジブチルフタレート(DBP)からなる可塑剤1重
量部を調合してボールミルにて15時間混合してテープ
成形用スラリーを得る。
【0019】次に、図5の「セラミックグリーンシート
成形」工程16では、テープキャステング法として知ら
れているドクターブレード法によってテープ成形用スラ
リーをベルト上に設けたホッパに流し込む。
【0020】ベルトは駆動プーリ、及び被駆動プーリに
囲繞され、両プーリ間のベルトはエンドレスに移動して
いる。
【0021】ポッパ内に流し込まれたスラリーはドクタ
ープレードによって所定厚みのシートとなされ、ベルト
上を移動させる途中に配設した赤外線等の乾燥炉で溶剤
を蒸発させて、厚さ625μmのセラミックグリーンシ
ートを得る。なお、このセラミックグリーンシートはロ
ーラでベルトから剥離されて、テープ状の連続したセラ
ミックグリーンシートが得られる。
【0022】次に、図5の「シートの打ち抜き」工程1
7では、テープ上のセラミックグリーンシートを打抜い
て、図2に示すように長さ37.5mm、幅7.5m
m、厚さ625μmの長方形板状のセラミックグリーン
シート14a、14bを得る。
【0023】次に、図5の「内部電極の印刷」工程18
では、図2に示すように、所定形状に形成したセラミッ
クグリーンシート14a、14bのうち一方のセラミッ
クグリーンシート14bの上下の平面部のうち上の平面
部に入力側電極4を所定の形状に印刷する。この入力側
電極4としてはAg−Pdペースト等が用いられる。本
実施例ではセラミックグリーンシート14bの長手方向
の長さのほぼ全長まで、入力側電極4が形成される。こ
の入力側電極4のパターンは、セラミックグリーンシー
ト14bの長手方向に平行な側辺のうち一方の側辺の中
央部にAg−Pdペーストが付着されていないの非導通
部12bが形成されている。
【0024】次に、図3の「積層」工程19では、図2
に示すようにセラミックグリーンシート14aと入力側
電極4が形成されたセラミックグリーンシート14bと
を積層する。
【0025】次に、積層されたセラミックグリーンシー
ト14aおよび14bを熱圧着して一体化する。
【0026】次に、図5の「焼成」工程20では、この
一体化したものを1200℃で3時間焼結する。この結
果、図3Aに示すような圧電セラミック焼成体を得る。
この「焼成」工程20において、グリーンシート14
a、14bは焼成により収縮するので、セラミック焼成
体は、長さ30mm、幅6mm、厚さ1mm(厚さにつ
いては圧電セラミック素子2a、2bの合計値であり、
一枚当たり500μmの厚さである)の長方形板状にな
っている。
【0027】次に、図5の「外部電極の形成」工程21
では、図3Bに示すように、圧電セラミック素子2aの
上の平面部にAg等で入力側電極3を焼き付ける。ま
た、図3Bに示すように、圧電セラミック素子2aの長
手方向に平行な2つの側面にAg等でリード電極10、
11を焼き付ける。なお、リード電極11は図面上圧電
セラミック素子2aの裏側に存在する。これにより、リ
ード電極10と入力側電極4とが電気的に接続するとと
もに、リード電極11と入力側電極3とが電気的に接続
される。また、圧電セラミック素子2bの長手方向に直
角な2つの側面にAg等で出力側電極5a、5bを焼き
付ける。
【0028】次に、図5の「分極」工程22に移る。
「分極」工程22では、図4Aに示すように、入力側を
分極するためリード電極10、11間に25KV/cm
の直流電圧を100℃の条件で1時間かける。その結
果、図4Aに示すように、圧電セラミック素子2aはP
1 の方向に分極される。
【0029】さらに、図4Bに示すように、すなわち圧
電セラミック素子2bの出力側電極5a、5b間に25
KV/cmの直流電圧を100℃の条件で1時間かけ
る。その結果、図4Bに示すように、圧電セラミック素
子2bの長手方向、すなわちP 2 の方向に分極される。
以上により、積層型の圧電セラミックトランスが得られ
る。
【0030】次に、圧電セラミックトランスの昇圧比の
測定方法を図6を参照しながら説明する。図6Aに示す
ように、発振器25は100〜1MHzの範囲内で周波
数を変化させることができる。この範囲のうち一定の周
波数の交流電気を発生させる。
【0031】次に、増幅器26は、発振器25で発生さ
せた交流電気を10〜100Vの範囲内で増幅すること
ができる。この範囲のうち一定の電圧に設定する。増幅
器26の出力端子は圧電セラミックトランス1の入力端
子に接続する。また、圧電セラミックトランス1の入力
側の電圧V1 は電圧計により測定する。
【0032】一方、圧電セラミックトランス1の出力端
子は負荷抵抗27に接続され、この出力側の電圧V2
電圧計で測定する。なお、負荷抵抗は50〜200kΩ
の範囲内で変化させることができる。この範囲のうち一
定値のものを用いる。本実施例では100KΩの負荷抵
抗を用いた。
【0033】また、図6Bに示すように、圧電セラミッ
クトランスの出力側の電圧V2 は周波数依存性があるの
で、昇圧比が最大となる共振周波数fr(本実施例では
λ/2モードにおける周波数)において測定した。
【0034】図1に示すように、本発明の圧電セラミッ
クトランス1の大きさは長さ30mm、幅6mm、厚さ
1mmであり、横効果圧電セラミック素子2aと縦効果
圧電セラミック素子2bを張り合わせた構造となってい
る。横効果圧電セラミック素子2aの上側の平面部はほ
ぼ全面が電極となっているため図7に示すようなλ/2
モ−ドで振動する。
【0035】図1に示すように、圧電セラミックトラン
ス1の圧電セラミック素子2a、2bは、従来のローゼ
ン型圧電セラミックトランスに比べ長さが2倍、厚さが
1/2倍となっているので、昇圧比(V2 /V1 )は従
来の圧電セラミックトランスに比べ約4倍高くなる。
【0036】なお、圧電セラミック素子の材料として
は、ジルコン酸チタン酸鉛系セラミックを用いたが、他
の圧電セラミック素子の材料を用いても効果は同様であ
る。また、圧電セラミック素子の貼り合わせ方法は、グ
リーンシートを焼成する方法に限らず、圧電セラミック
素子を接着剤により貼り合わせる方法等その他の方法を
採ることができる。
【0037】以上のことから、本実施例によれば、従来
のローゼン型圧電セラミックトランスに比べ昇圧比が高
い圧電セラミックトランスを得ることができる。また、
上記圧電セラミックトランスは、セラミックグリ−ンシ
−トを焼成する方法により、セラミックグリーンシート
と入力側電極との一体焼成により作製することができ
る。この方法で作製した圧電セラミックトランスは横効
果圧電セラミック素子と縦効果素子圧電セラミック素子
の接着強度が向上するため、信頼性上有利であり、作製
も容易である。また、昇圧比(V2 /V1 )等の特性も
接着法による特性と同等である。
【0038】次に、本発明圧電セラミックトランスの他
の実施例について図8〜図11を参照しながら説明す
る。
【0039】図8は、本発明の圧電セラミックトランス
の構造を示すものである。図8に示した圧電セラミック
トランスは、入力側が薄層の圧電セラッミク素子を積層
した構造となっている。これは、セラミックグリ−ンシ
−トを焼成する方法により、圧電セラミック素子と入力
側電極との一体焼成により作製されている。また、各入
力側電極は並列接続され、リード電極10、11よりリ
−ド線が取り出されている。
【0040】この様な構造の圧電セラミックトランス1
の製造方法を、図9〜図11、および工程図(図5)を
用いて説明する。
【0041】最初の工程である、図5の「原料の混合」
工程15は、上述した実施例と同様である。
【0042】次に、図5の「セラミックグリーンシート
成形」工程16では、テープキャステング法として知ら
れているドクターブレード法によってテープ成形用スラ
リーをベルト上に設けたホッパに流し込む。
【0043】ポッパ内に流し込まれたスラリーはドクタ
ープレードによって所定厚みのシートとなされベルト上
を移動させる途中に配設した赤外線等の乾燥炉で溶剤を
蒸発させて、厚さ155μmのセラミックグリーンシー
トを得る。尚このセラミックグリーンシートはローラで
ベルトから剥離されて、テープ状の連続したセラミック
グリーンシートが得られる。
【0044】次に、図5の「シートの打ち抜き」工程1
7では、テープ状のセラミックグリーンシートを打抜い
て、図9に示すように長さ37.5mm、幅7.5m
m、厚さ155μmの長方形板状のセラミックグリーン
シート14a、14b、・・・、14g、14hを8枚
得る。
【0045】次に、図5の「内部電極の印刷」工程18
では、図9に示すように、所定形状に形成したセラミッ
クグリーンシートの14a、14b、・・・、14g、
14hのうちセラミックグリーンシート14b、14
c、14d、14eの上側の平面部に入力側電極3b、
3c、3d、3eを所定の形状に印刷する。この入力側
電極3b、3c、3d、3eとしてはAg−Pdペース
ト等が用いられる。本実施例ではセラミックグリーンシ
ート14b、14c、14d、14eの長手方向の長さ
のほぼ全長まで、上側の平面部に入力側電極3b、3
c、3d、3eが形成される。この入力側電極3b、3
c、3d、3eのパターンはセラミックグリーンシート
14b、14c、14d、14eの側辺の一方の中央部
にAg−Pdペーストが付着されていないの非導通部1
2b、12c、12d、12eが形成されている。
【0046】次に、図5の「積層」工程19では、図9
に示すようにセラミックグリーンシート14a、14
f、14g、14hと入力側電極3b、3c、3d、3
eの形成されたセラミックグリーンシート14b、14
c、14d、14eとを積層する。
【0047】次に、積層されたセラミックグリーンシー
ト14a、14b、・・・、14g、14hを熱圧着し
て一体化する。
【0048】次に、図5の「焼成」工程20では、この
一体化したものを1200℃で3時間焼結することで図
10Aに示すような圧電セラミック焼成体を得る。この
「焼成」工程では、グリーンシート14a、14b、・
・・、14g、14hは焼成により収縮するので、圧電
セラミック焼成体は、長さ30mm、幅6mm、厚さ1
mm(厚さについては圧電セラミック素子2a、2b、
・・・、2d、2eの各厚さの合計値であり、圧電セラ
ミック素子2a、2b、2c、2dは一枚当たり125
μmの厚さになる。また圧電セラミック素子2eは50
0μmの厚さになる。)の長方形板状になっている。な
お、図10においては圧電セラミック素子2eは1枚か
らなるように表現されているが、実際は4枚のセラミッ
クグリーンシート14e、14f、14g、14hを焼
成したものである。
【0049】次に、図5の「外部電極の形成」工程21
では、図10Bに示すように圧電セラミック素子2aの
上側の平面部にAg等で入力側電極3aを焼き付ける。
また、圧電セラミック素子2a、2b、2c、2dの長
手方向に平行な側面の両方にAg等でリード電極10、
11を焼き付ける。これにより、リード電極10と入力
側電極3b、3dとが電気的に接続される。また、リー
ド電極11と入力側電極3a、3c、3eとが電気的に
接続される。さらに、圧電セラミック素子2eの長手方
向に直角な側面の両方にAg等で出力側電極5a、5b
を焼き付ける。
【0050】次に、図5の「分極」工程22に移る。す
なわち、入力側を分極するため図11Aに示すように、
リード電極10、11間に25KV/cmの直流電圧を
100℃で1時間の条件下で印加する。これにより、圧
電セラミック素子2a、2cはP1 の方向に分極され、
圧電セラミック素子2b、2dはP2 の方向に分極され
る。
【0051】さらに、図11Bに示すように、出力側電
極5aと5bの間に25KV/cmの直流電圧を100
℃で1時間印加する。これにより、圧電セラミック素子
2eの長手方向にP3 の様に分極される。以上により、
積層型の圧電セラミックトランスが得られる。
【0052】次に、このように作成した圧電セラミック
素子の昇圧比を測定する。圧電セラミック素子の昇圧比
の測定方法は、最初に述べた実施例と同様な方法に従っ
た。
【0053】図8に示すように、本発明の圧電セラミッ
クトランス1の大きさは長さ30mm、幅6mm、厚さ
1mmであり、横効果圧電セラミック素子2a、2b、
2c、2dと縦効果圧電セラミック素子2eを張り合わ
せた構造になっている。横効果圧電セラミック素子2
a、2b、2c、2dは平面部のほぼ全面が電極となっ
ているため図7に示すようなλ/2モ−ドで振動する。
【0054】図8に示すように、入力側の積層枚数を4
枚にすると、最初に説明した実施例と比較して、入力側
の圧電セラミック素子の厚さは1/4になるので、昇圧
比は約4倍となる。
【0055】また、図12に示すような従来のローゼン
型圧電セラミックトランスに比べると、昇圧比は4×4
=16倍となる。さらに、積層数をn枚とすると昇圧比
は4n倍となり、従来のローゼン型圧電セラミックトラ
ンスに比べはるかに高い昇圧比となる。
【0056】また、圧電セラミック素子の材料はジルコ
ン酸チタン酸鉛系セラミックを用いたが、他の圧電材料
を用いても効果は同様であること、セラミックの貼り合
わせ方法はセラミックグリーンシートを焼成する方法に
限らず、接着剤により圧電セラミック素子を貼り合わせ
る方法その他の方法を採ることができることは、最初に
説明した実施例と同様である。
【0057】以上のことから、本実施例によれば、従来
のローゼン型圧電セラミックトランスに比べ昇圧比が高
い圧電セラミックトランスを得ることができる。
【0058】また、入力部を積層構造とすることにより
さらに昇圧比を高くすることができる。
【0059】また、本発明の積層構造圧電セラミックト
ランスを用いることにより、前段に補助巻線トランスの
必要のない圧電インバ−タ電源が構成でき、小型化、薄
型化、高効率化が可能となる。
【0060】また、セラッミクグリーンシートと入力側
電極との一体焼成により作製できるので、横効果圧電セ
ラミック素子と縦効果素子圧電セラミック素子の接着強
度が向上し、信頼性上有利であり、作製も容易である。
また、昇圧比(V2 /V1 )等の特性も接着法による特
性と同等である。
【0061】なお、本発明は上述の実施例に限らず本発
明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得
ることはもちろんである。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来のローゼン型圧電セラミックトランスに比べ昇圧比
を高くすることができる。
【0063】また、入力部を積層構造とすることにより
さらに昇圧比を高くすることができる。
【0064】また、本発明の圧電セラミックトランスを
用いることにより、前段に補助巻線トランスの必要のな
い圧電インバ−タ電源が構成でき、小型化、薄型化、高
効率化を図ることができる。
【0065】また、セラッミクグリーンシートと入力側
電極との一体焼成により作製できるので、横効果圧電セ
ラミック素子と縦効果素子圧電セラミック素子の接着強
度が向上し、信頼性上有利であり、作製を容易にするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明圧電セラミックトランスの一実施例を示
す斜視図である。
【図2】本発明圧電セラミックトランスの製造工程を示
す斜視図である。
【図3】本発明圧電セラミックトランスの製造工程を示
す斜視図である。
【図4】本発明圧電セラミックトランスの分極の工程を
示す図である。
【図5】本発明圧電セラミックトランスの製造工程を示
すフロー図である。
【図6】本発明圧電セラミックトランスの昇圧比の測定
方法を示す図である。
【図7】本発明圧電セラミックトランスの長さ方向の変
位特性を示した斜視図である。
【図8】本発明圧電セラミックトランスの他の実施例を
示す斜視図である。
【図9】本発明圧電セラミックトランスの製造工程をを
示す斜視図である。
【図10】本発明圧電セラミックトランスの製造工程を
示す斜視図である。
【図11】本発明圧電セラミックトランスの分極の工程
を示す図である。
【図12】従来の圧電セラミックトランスの例を示す斜
視図である。
【符号の説明】
1 圧電セラミックトランス、2a,2b 圧電セラミ
ック素子、3,4 入力側電極、5a,5b 出力側電
極、6,7 入力端子、8,9 出力端子、10,11
リード電極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長方形板状の横効果圧電セラミック素子
    と長方形板状の縦効果圧電セラミック素子とを有し、 上記横効果圧電セラミック素子に入力側電極を設け、上
    記縦効果圧電セラミック素子に出力側電極を設けた圧電
    セラミックトランスにおいて、 上記横効果圧電セラミック素子の平面部と上記縦効果圧
    電セラミック素子の平面部とを貼り合わせたことを特徴
    とする圧電セラミックトランス。
  2. 【請求項2】 横効果圧電セラミック素子の平面部と縦
    効果圧電セラミック素子の平面部との貼り合わせは、接
    着剤により行うことを特徴とする請求項1記載の圧電セ
    ラミックトランス。
  3. 【請求項3】 横効果圧電セラミック素子の平面部と縦
    効果圧電セラミック素子の平面部との貼り合わせは、セ
    ラミックグリーンシートを焼成することにより行うこと
    を特徴とする請求項1記載の圧電セラミックトランス。
  4. 【請求項4】 横効果圧電セラミック素子は、入力側電
    極を有する複数枚の薄層の圧電セラッミク素子を積層し
    たものからなることを特徴とする請求項1記載の圧電セ
    ラミックトランス。
  5. 【請求項5】 圧電セラミック素子の平面部同士の貼り
    合わせは、接着剤により行うことを特徴とする請求項4
    記載の圧電セラミックトランス。
  6. 【請求項6】 圧電セラミック素子の平面部同士の貼り
    合わせは、セラミックグリーンシートを焼成することに
    より行うことを特徴とする請求項4記載の圧電セラミッ
    クトランス。
JP7046196A 1996-03-26 1996-03-26 圧電セラミックトランス Pending JPH09260739A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7046196A JPH09260739A (ja) 1996-03-26 1996-03-26 圧電セラミックトランス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7046196A JPH09260739A (ja) 1996-03-26 1996-03-26 圧電セラミックトランス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09260739A true JPH09260739A (ja) 1997-10-03

Family

ID=13432191

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7046196A Pending JPH09260739A (ja) 1996-03-26 1996-03-26 圧電セラミックトランス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09260739A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH07302938A (ja) 圧電セラミックトランス及びその製造方法
US5118982A (en) Thickness mode vibration piezoelectric transformer
JP2001076953A (ja) 積層型コイル部品及びその製造方法
JP3978472B2 (ja) 圧電トランス
JPH04253382A (ja) 電歪効果素子
KR19980081506A (ko) 적층형 압전 변압기
JP3241054B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ及びその製造方法
JPH09260739A (ja) 圧電セラミックトランス
JPH0878750A (ja) 圧電セラミックトランス
JPH0257353B2 (ja)
KR20030062262A (ko) 적층형 압전 세라믹 소자의 제조방법
JPH08213665A (ja) 圧電セラミックトランス
WO2000070688A1 (fr) Transducteur piezo-electrique stratifie
JPH09298327A (ja) 圧電セラミックトランス
JPH05235432A (ja) 厚み縦振動圧電磁器トランス及びその駆動方法
JPH10154836A (ja) 圧電セラミックトランスおよびその製造方法
JPH08316087A (ja) 積層セラミック電子部品およびその製造方法
JPH04337682A (ja) 圧電効果素子および電歪効果素子
JPH10135534A (ja) 圧電セラミックトランスおよびその製造方法
JP2000091660A (ja) 圧電トランスおよびその製造方法
JP2855709B2 (ja) 積層圧電セラミックス素子の製造方法
JP2000174356A (ja) 圧電トランス及びその製造方法
JPH02267977A (ja) 積層型セラミック素子の製造方法
JPH0451992B2 (ja)
JP3080033B2 (ja) 積層型圧電トランス