JPH09260286A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

Info

Publication number
JPH09260286A
JPH09260286A JP7170596A JP7170596A JPH09260286A JP H09260286 A JPH09260286 A JP H09260286A JP 7170596 A JP7170596 A JP 7170596A JP 7170596 A JP7170596 A JP 7170596A JP H09260286 A JPH09260286 A JP H09260286A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
thin film
laser light
antireflection film
manufacturing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7170596A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisafumi Saito
尚史 斉藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP7170596A priority Critical patent/JPH09260286A/ja
Publication of JPH09260286A publication Critical patent/JPH09260286A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Recrystallisation Techniques (AREA)
  • Thin Film Transistor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 結晶性半導体薄膜を作製するためのレーザー
光による温度分布を改善することにより、オフ時のリー
ク電流の少ない半導体装置の製造方法を提供する。 【解決手段】 非晶質半導体薄膜よりも反射率の低い膜
を選択的に設け、基板の上方からレーザー光を走査しな
がら照射することにより非晶質半導体薄膜を結晶化させ
て結晶性半導体薄膜とする。その際、レーザー光の照射
領域の面積が反射防止膜よりも大きく、かつ反射防止膜
及びその周囲の領域を完全に包含するように照射される
ように走査する。そのことにより反射率の低い膜の下方
の非晶質半導体薄膜におけるレーザー光の実効的なエネ
ルギー強度が高められ、金属薄膜に熱を吸収されること
による非晶質半導体薄膜の急速な温度低下が抑制され
る。その結果、結晶性半導体薄膜の膜質の不良及び特性
の不均一性が解決されることになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアクティブマトリク
ス型液晶表示装置等に使用される薄膜トランジスタ等の
半導体装置の製造方法に関し、特にこれらの半導体装置
を構成する結晶性半導体薄膜の製造方法等に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、薄型で軽量、かつ低消費電力であ
る利点を有するディスプレイとしてアクティブマトリク
ス型液晶表示装置が注目を集めている。その中でも大面
積化、高解像度化及び低コスト化等の要求から、安価な
低融点ガラス基板上に多結晶シリコン薄膜を用いた薄膜
トランジスタ(以下TFTと称する。)を形成し、これ
を液晶表示装置の画素電極のスイッチング素子とする技
術に大きな期待が寄せられている。TFTの活性層とな
る結晶性半導体薄膜としての多結晶シリコン薄膜を低融
点ガラス基板上に600℃程度の低温で作成する技術と
しては、低融点ガラス基板上に非晶質シリコン薄膜を堆
積した後に600℃程度の温度で数時間〜数十時間熱処
理して結晶化させる固相成長法や、特開平6−3499
7号公報、特開平6−69128号公報あるいは特開平
6−140321号公報に示されるようにレーザー光等
を照射してその部分の非晶質シリコン薄膜を瞬時に熔融
させ再結晶化させるレーザー結晶化法等の方法が提案さ
れている。
【0003】多結晶化されたシリコン薄膜は、その後T
FTの活性層となるように島状にパターニングされ、表
面処理を施された後、その上にゲート絶縁膜が形成され
る。低温でゲート絶縁膜を作成する方法としては、プラ
ズマ化学気相成長法(PCVD)、減圧化学気相成長法
(LPCVD)、光化学気相成長法、低温で半導体薄膜
の表面に熱酸化膜を形成する方法等がある。上述の結晶
化方法のうち、レーザー結晶化法は非晶質シリコン薄膜
の結晶化を短時間で行え、かつ結晶化された後の多結晶
シリコン薄膜は高電界効果移動度を有するという特徴が
ある。また、基板上の任意の領域のみをレーザー光を照
射して選択的に結晶化することができるという特徴があ
る。
【0004】しかしながら、このレーザー結晶化法に用
いられるレーザー光は少なからずエネルギー強度分布を
有しているため、レーザー光が照射された領域間あるい
はレーザー光が照射された領域の中心部とその周辺部と
でエネルギー強度の違いによる膜質や特性のばらつきが
生じるという問題点がある。そこで特開平2−4271
7号公報に示されるように半導体素子を形成する領域に
レーザー光を照射する際、レーザー光のエネルギー強度
が低い領域が半導体素子を形成する領域から外れるよう
に照射してレーザー光のエネルギー強度分布による影響
を回避する方法が提案されている。そして例えば特開平
6−34997号公報に示されるように上述のような方
法により得られた多結晶シリコン薄膜を活性層とするT
FTが製造される。特にTFTがアクティブマトリクス
型液晶表示装置に用いられる場合は、TFTに光源から
の強い光が照射されることになる。特にTFTのチャネ
ル領域に強い光が入射するとオフ時のリーク電流が増加
する等の問題が生じる。そのため従来は活性層のチャネ
ル領域の下方にチャネル領域に入射する光を遮るために
金属薄膜等による遮光膜が設けられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】高電界効果移動度を有
する多結晶シリコン薄膜等の結晶性半導体薄膜を活性層
に用いたTFTを作製する際の課題は、絶縁性基板の全
面にわたって低温で、かつ均一に大粒径の結晶性半導体
薄膜を形成することである。以下、結晶性半導体薄膜の
中で一般的な多結晶シリコン薄膜を例として説明する。
【0006】多結晶シリコン薄膜はある大きさの分布を
持ったシリコンの単結晶粒が集合したものであり、その
単結晶粒どうしが接する部分に結晶粒界が形成される。
多結晶シリコン薄膜の電気的特性は結晶粒径および結晶
粒界の格子欠陥密度によって左右される。従って半導体
装置を製造する場合は単結晶粒あるいは可能な限り結晶
粒界の少ない大粒径の結晶粒により半導体装置の活性層
を構成することが望ましい。特に活性層中に結晶粒界が
多数存在すると、この結晶粒界に沿ってリーク電流が流
れることになり、TFTの特性を著しく損なうことにな
る。
【0007】多結晶シリコン薄膜形成方法としては、主
に固相成長法とレーザー結晶化法に大別される。固相成
長法は絶縁性基板上に堆積された非晶質シリコン薄膜を
600℃程度の低温熱処理により多結晶化する方法であ
るが、その結晶化に数時間〜数十時間という長時間を要
するため製造工程におけるスループットが極めて悪い。
また、多結晶化された多結晶シリコン薄膜の電界効果移
動度が小さいという課題も有している。一方、レーザー
結晶化法は絶縁性基板上に堆積された非晶質シリコン薄
膜にレーザー光を照射し、非晶質シリコン薄膜を瞬時に
熔融、再結晶化させることにより多結晶化する方法であ
り、結晶化が短時間で行えるうえ、多結晶化された後の
多結晶シリコン薄膜は高電界効果移動度を有するという
特徴がある。そのため現在では多数の研究機関で実用化
に向けた活発な研究開発が行われている。
【0008】上述のレーザー結晶化法では結晶化にもち
いるレーザー光が図7に示すようなエネルギー強度分布
を有しており、この強度分布は照射されるレーザー光の
ビームスポットの径あるいは幅が小さくなるとより顕著
となる傾向にある。即ち絶縁性基板31上に下地膜32
を介して積層した非晶質シリコン薄膜35にレーザー光
A又はBが照射されたとき、レーザー光A又はレーザー
光Bが照射された領域の非晶質シリコン薄膜35には図
7に示すようにレーザー光のエネルギー強度分布に対応
してレーザー光が照射された領域の中心部Oが最も高温
となり、周辺部に向かうに従い中心部に比べて温度が低
下するような温度分布が生じることになる。図7に点線
Bで示すようにビームスポット径又は幅が小さい場合の
強度分布は、実線Aで示したビームスポット径又は幅が
大きい場合より急峻である。そのためレーザー光が照射
された領域の非晶質シリコン薄膜中に不均一な核発生が
起き、その結晶核から不規則に結晶粒が成長するため、
結果的に大粒径の結晶粒や小粒径の結晶粒が混在して成
長することになり、基板全面にわたって均一な結晶粒を
得ることが困難であるという問題を有している。上述の
レーザー光のエネルギー強度分布は光学的手法によりあ
る程度まで補正することが可能であるが、完全にエネル
ギー強度分布が生じないようにするには至らない。例え
ば、図8に示すようにエネルギー強度分布を光学的手法
により補正するためレーザー光をエネルギー強度が低い
部分が互いに重なるように走査しながら照射した場合で
もエネルギー強度が低い部分が生じることになり、結果
として結晶化された半導体薄膜に不均一な領域を形成し
てしまうことになる。図8(a)は平面図、図8(b)
は図8(a)のA−A'線の強度分布、図8(c)は図
8(a)のB−B'線の強度分布を示す図である。特に
エネルギー強度の低い部分が照射された領域では十分な
結晶化が行われず、再度その領域に正規のエネルギー強
度を有するレーザー光を照射しても結晶性は改善されな
い。
【0009】そこで従来は非晶質シリコン薄膜の上部ま
たは下部に部分的に金属膜を設け、レーザー光の照射に
よる温度分布を均一にする試みや、金属膜によりレーザ
ー光を遮光して金属膜のない部分の非晶質シリコン薄膜
を結晶化した後、金属膜を取り除き再度レーザー光を照
射することにより均一な結晶粒を得る方法、あるいは光
学的手法によりレーザー光の強度分布を均一化する方法
やレーザー光を走査する際、図9に示すようにレーザー
光照射領域を僅かに移動させながら走査することで、レ
ーザー光照射領域に重なりを持たせレーザー光の強度分
布を平均化して均一性を向上させる方法等が提案されて
いる。また、半導体素子を形成する領域にレーザー光を
照射する際、レーザー光のエネルギー強度が低い部分が
半導体素子を形成する領域から外れるように照射してレ
ーザー光のエネルギー強度分布による影響を回避する方
法が提案されている。
【0010】これらの方法はレーザー光の強度分布を改
善させたり均一性を向上させたり、あるいはエネルギー
強度分布による影響を回避する方法として僅かながら効
果を有している。しかし解決しなくてはならない課題が
存在することも事実である。
【0011】先ず金属膜を設ける方法に関しては、非晶
質シリコン薄膜上に金属膜を設け、またそれらを除去す
る等のプロセスが別途必要となることに加えて、レーザ
ー光を照射する工程も複数回必要となる。次にレーザー
光照射領域を僅かに移動させながら走査する方法に関し
ては、上述のようにレーザー光のエネルギー強度が低い
部分では十分な結晶化が行われず、再度その領域に正規
のエネルギー強度を有するレーザー光を照射しても結晶
性は改善されないという問題点を有している。その他に
もレーザー光を照射する工程が1回であったとしても、
一枚の基板に対してレーザー光が照射される回数が増大
してしまうという問題点を有しており、半導体装置を製
造する上でスループットを著しく低下させる要因となっ
ている。以上のようにこれらの方法では半導体装置を製
造する上でレーザー結晶化工程においてスループットを
著しく低下させてしまう結果となる。
【0012】次にレーザー光のエネルギー強度が低い部
分が半導体素子を形成する領域から外れるように照射す
る方法に関しては、レーザー光のエネルギー強度分布の
影響を幾分回避することができるが、レーザー光のエネ
ルギー強度が低い部分が半導体素子を形成する領域に重
ならないようにレーザー光の走査を行うということは、
言い換えればエネルギー強度が低いレーザー光が照射さ
れた領域には半導体素子を形成しないということであ
り、半導体素子の配置、レイアウト等において多くの制
約が設けられることになる。また、半導体素子の配置、
レイアウト等を優先するとレーザー光の走査方法が複雑
となる等、半導体装置を設計あるいは製造する上では不
都合な点が多い。
【0013】また、従来のようにTFTの活性層の下
方、特にチャネル領域の下方に金属薄膜等による遮光膜
を設けたTFTを製造しようとする場合は、図10
(a)に断面図を示すように初めに絶縁性基板31上に
金属薄膜33等による遮光膜を所定の形状で設け、次い
で全面に絶縁膜34を堆積させ、更にその上に非晶質シ
リコン薄膜35を堆積させた後に上方からレーザー光を
照射するという工程で行う。図10(b)の強度分布に
示すように非晶質シリコン薄膜35はレーザー光により
加熱され熔融再結晶化するが、下方に遮光膜を有する非
晶質シリコン薄膜ではレーザー光により発生した熱が遮
光膜側へ流出あるいは吸収されるため、レーザー光が照
射された直後から急速に冷却されることになり結晶化が
十分に進行しない。このようにチャネル領域の下方に金
属薄膜等による遮光膜を設けたTFTを製造する場合は
上述のような従来の方法では効果的にレーザー光のエネ
ルギー強度分布による影響を低減することができないば
かりでなく、遮光膜の上方の非晶質シリコン薄膜を十分
に結晶化することができないという課題を有している。
【0014】本発明は上述の課題を解決するもので、絶
縁性基板上に均一な大粒径の結晶粒を実現することがで
きるレーザー結晶化方法により特性のばらつきを抑え、
かつ高電界効果移動度を有する半導体装置を製造する方
法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明の特許請求の範囲の請求項1記載の半導体装
置の製造方法は、絶縁性表面を有する基板上に所定の形
状の金属薄膜が配置され、その上方に絶縁膜を介して形
成された非晶質半導体薄膜にレーザー光等のエネルギー
線を照射する半導体装置の製造方法において、非晶質半
導体薄膜上であって、かつ下方に金属薄膜が存在する部
分に非晶質半導体薄膜よりも反射率の低い材料による反
射防止膜が選択的に形成する工程と、反射防止膜の上方
から照射されるレーザー光等のエネルギー線の照射領域
が反射防止膜の面積よりも大きく、かつ反射防止膜及び
その周囲の領域を完全に包含するように照射される工程
とからなることを特徴とし、そのことにより上記目的が
達成される。
【0016】また、請求項2記載の半導体装置の製造方
法は、請求項1の製造方法において、反射防止膜の上方
から照射されるレーザー光等のエネルギー線の照射領域
の端部が反射防止膜以外の位置に概略一致するように照
射されることをに特徴とし、そのことにより上記目的が
達成される。
【0017】また、請求項3記載の半導体装置の製造方
法は、請求項1の製造方法において、結晶化工程におい
て、反射防止膜の上方から照射されるレーザー光等のエ
ネルギー線の照射領域の端部が、その前後あるいは左右
またはその両方の照射領域の端部とそれぞれ反射防止膜
以外の位置でのみ重なり合うように照射されることを特
徴とし、そのことにより上記目的が達成される。
【0018】また、請求項4記載の半導体装置の製造方
法は、請求項1の製造方法において、反射防止膜は非晶
質半導体薄膜を堆積する工程に引き続き、非晶質半導体
薄膜を成膜した装置内で連続して成膜されることを特徴
とし、そのことにより上記目的が達成される。
【0019】また、請求項5の半導体装置の製造方法
は、請求項1の製造方法において、反射防止膜は化学的
気相成長法により成膜されるシリコン酸化膜であること
を特徴とし、そのことにより上記目的が達成される。
【0020】また、請求項6の半導体装置の製造方法
は、絶縁性表面を有する基板上に所定の形状の金属薄膜
が配置され、その上方に絶縁膜を介して形成された非晶
質半導体薄膜にレーザー光等のエネルギー線を照射する
半導体装置の製造方法において、前記絶縁性表面を有す
る基板上に、所定形状の金属薄膜、絶縁膜、非晶質半導
体薄膜を順次形成する工程と、前記非晶質半導体薄膜上
に反射防止膜を形成する工程と、前記反射防止膜上にフ
ォトレジストを形成する工程と、前記基板の裏面側より
前記所定形状の金属薄膜をマスクとして、前記フォトレ
ジストを露光し、フォトレジストによるマスクを形状す
る工程と、前記フォトレジストを用いて反射防止膜を所
定形状に自己整合的に形成する工程と、前記反射防止膜
の上方から照射されるレーザー光等のエネルギー線の照
射領域が前記反射防止膜の面積よりも大きく、かつ前記
反射防止膜及びその周囲の領域を完全に包含するように
照射される工程とからなることを特徴とし、そのことに
より上記目的が達成される。
【0021】本発明によれば、所定の形状の金属薄膜が
形成された絶縁性表面を有する基板上に非晶質半導体薄
膜を堆積して非晶質半導体薄膜の上方からレーザー光を
照射することにより非晶質半導体薄膜を結晶化する半導
体装置の製造方法において、非晶質半導体薄膜上であっ
て、かつ下方に金属薄膜が存在する部分に非晶質半導体
薄膜よりも反射率の低い膜(以下、反射防止膜と呼ぶ)
を配置する。その後、反射防止膜の上方からレーザー光
を走査しながら照射して非晶質半導体薄膜を結晶化す
る。その際、レーザー光の照射領域の面積が反射防止膜
よりも大きく、かつ反射防止膜及びその周囲の領域を完
全に包含するように照射されるように走査する。そのた
め、反射防止膜が配置された領域は反射防止膜によって
非晶質半導体薄膜表面の反射が最小限に抑えられる。即
ち反射防止膜によってレーザー光の実効的なエネルギー
強度を高めることになり、金属薄膜によって熱が吸収さ
れるこによる非晶質半導体薄膜の温度低下を最小限に抑
制することができる。従って温度の急速な低下に起因す
る結晶性半導体薄膜の膜質、特性等のばらつきを効果的
に抑制することができ、このような方法で結晶化された
結晶性半導体薄膜で作製したTFTをアクティブマトリ
クス型液晶表示装置、特に周辺駆動回路を同一基板上に
一体形成したドライバモノリシック型液晶表示装置に用
いればTFTの特性のばらつきが抑えられ、非常に高画
質の液晶表示装置を製造することができる。
【0022】また、本発明の半導体装置の製造方法によ
れば、従来のようにレーザー光のエネルギー強度分布を
緩和するためにレーザー光を走査しながら照射する際、
僅かに走査ピッチをずらしながら幾重にもレーザー光を
照射する必要がなくなるため、非晶質半導体薄膜の結晶
化に要する時間を短縮することができる。特に上述のよ
うな大面積の液晶表示装置を製造する場合は従来に比べ
非晶質半導体薄膜の結晶化に要する時間を大幅に短縮す
ることができる。
【0023】また、本発明の半導体装置の製造方法によ
れば、反射防止膜は先の工程で形した金属薄膜をマスク
とするように基板裏面側からの露光により自己整合的に
形成したから、非晶質半導体薄膜を結晶化する領域はT
FTを形成する領域にほぼ完全に一致させることができ
る。
【0024】以上のように本発明は均質な結晶性半導体
薄膜を容易に得ることができ、このような結晶性半導体
薄膜により高性能な半導体装置、特に高い電界効果移動
度を持つ高性能のTFTを実現し、これらのTFTから
構成される半導体装置あるいは半導体回路を効率良く製
造することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図面に基づ
いて説明する。図3は本発明の半導体装置の製造方法の
主要部を示す断面図である。絶縁性基板1上に下地膜
2、金属薄膜3が所定の形状に形成される。その上に絶
縁膜4と非晶質シリコン薄膜5を順に堆積して、その
後、非晶質シリコン薄膜5上に反射防止膜6を所定の間
隔で選択的に配置して、上方からレーザー光7を照射し
て結晶化している。反射防止膜6は非晶質シリコン薄膜
5上であって下方に金属薄膜3を有する部分に整合して
設けられている。この部分はレーザー光7によって発生
した熱が金属薄膜3に吸収されてしまい、非晶質シリコ
ン薄膜5の温度が急速に低下していしまう部分である
が、反射防止膜6によって実効的にエネルギー強度が高
められ、温度の低下が抑制される。
【0026】発明者らが実験を行った結果、下方に金属
薄膜を有する非晶質シリコン薄膜にレーザー光を照射し
て結晶化を行った場合、下方に金属薄膜がある部分とそ
うでない部分の多結晶シリコン薄膜の膜質に違いが生じ
ることが判明した。これは前にも述べたようにレーザー
光によって発生した熱が金属薄膜側へ吸収あるいは流出
するために、レーザー光により一旦加熱された非晶質シ
リコン薄膜の温度が急速に低下して十分に結晶化が進行
しないためであると考えられる。また、発明者らが行っ
た他の実験結果では、非晶質シリコン薄膜上に反射防止
膜を設けた領域と設けない領域は、同じ強度のレーザー
光を照射した場合でも実効的なエネルギー強度に差が生
じることが判明した。以上の結果から、発明者らは更に
鋭意検討を重ね、下方に金属薄膜を有する非晶質シリコ
ン薄膜上に反射防止膜を選択的に配置して、上方からレ
ーザー光を照射することにより、図4に示すようにその
領域の実効的なエネルギー強度を高めることで非晶質シ
リコン薄膜の温度低下を極めて低い水準に抑制すること
ができることを見出したものである。
【0027】図4はレーザー光の強度分布を説明する図
であり、図4(a)は斜視図、図4(b)は強度分布図
である。図3のようにして、反射防止膜6が設けられた
領域にレーザー光のエネルギー強度が均一な部分が照射
され、反射防止膜6が設けられていない領域にはレーザ
ー光のエネルギー強度の低い部分が照射される。反射防
止膜6が設けられた部分では実効的にレーザー光のエネ
ルギー強度が高められ、図示したようにほぼ均一な温度
分布となるのである。本発明において反射防止膜6が設
けられた領域にはレーザー光のエネルギー強度が均一な
部分が照射され、レーザー光のエネルギー強度の低い部
分、即ちレーザー光のエッジ部分が反射防止膜6上にか
からないように走査される必要がある。レーザー光のエ
ッジ部分は隣接するレーザー光照射領域と重なる部分で
あり、上述のようにレーザー光のエネルギー強度が不均
一となり結晶化に悪影響を与える部分であるため、反射
防止膜6上にそのようなレーザー光が照射されると本発
明の効果を著しく損なうことになる。但し、図5(a)
に平面図、図5(b)に断面図を示したようにレーザー
光のエネルギー強度が均一な部分が互いに重なるように
走査された場合、仮に反射防止膜6上でレーザー光照射
領域が重なったとしても反射防止膜6上には均一なエネ
ルギー強度のレーザー光が照射されることになるため、
本発明の効果を著しく損なうような重大な影響は生じな
い。
【0028】本発明において使用されるレーザーアニー
ル装置の概念図を図6に示す。レーザー光は高周波数、
高エネルギーで出力する方が安定したレーザー光が得ら
れる。レーザー光の強度を発振周波数等で調整しようと
するとレーザー発振器17から出力されたレーザー光は
不安定なものとなる。そのため初に高周波数、高エネル
ギーで出力しておき、アッテネーター18と呼ばれる光
学フィルタでその強度を調整される。次にホモジナイザ
ー19で所定のビーム形状にされた後、プロセスチャン
バー20内のステージ21の上の基板22に垂直に照射
される。基板全体のアニール処理はステージを移動させ
ながら行う。
【0029】(実施の形態1)図1(a)〜(d)は本
発明の半導体装置の製造方法を工程順に説明するための
断面図であり、図1(e)〜(h)は図1(a)〜
(d)に対応する平面図である。
【0030】本発明の実施の形態では絶縁性基板の例と
してガラス基板を用いて説明する。プロセス温度は石英
基板であれば、1200℃の高温プロセスにも耐えられ
るが、ガラス基板を用いる場合には、歪点が低いためプ
ロセス温度は約600℃程度の低温に制限される。より
大面積で、かつ安価な基板を用いようとする場合にはガ
ラス基板の方が有利である。図1(a)および(e)に
示すように、まず初めにガラス基板等の絶縁性基板1上
に減圧CVD法、プラズマCVD法またはスパッタリン
グ法等により下地膜2となる第1の絶縁膜としてSiO
2膜を300nm程度堆積する。次に金属薄膜3がスパ
ッタリング法等により堆積される。金属薄膜3が遮光膜
として用いられる場合は後工程での熱処理等に対する耐
久性や遮光性の観点から、高融点金属等を用いることが
望ましい。本発明の実施の形態ではTaを用い、100
〜200nm、例えば約150nmの膜厚で堆積し、5
〜10μm角の形状に加工した。遮光膜はTFTのチャ
ネル領域に光が入射するのを防ぐ目的で設けられるた
め、TFTが形成される位置にチャネル領域と同一形状
かあるいは一回り大きく形成される。遮光膜はTFTの
サイズや形状に合わせて形成されるため、形状は正方形
や長方形等の四角形には限定されない。遮光膜の寸法も
同様に上述の大きさに限定されない。
【0031】次にその上に絶縁膜4を堆積する。絶縁膜
4にはSiO2膜等を用いることができる。続いて減圧
CVD法またはプラズマCVD法等により非晶質シリコ
ン薄膜5としてノンドープ非晶質シリコン薄膜を10〜
100nm、例えば約50nmの膜厚で堆積させる。上
述の工程において、下地膜2を堆積する工程と金属薄膜
3を堆積する工程との間に熱処理等の工程が追加されて
も全く問題ない。例えば絶縁性基板上に下地膜となる第
1の絶縁膜を形成した後、その絶縁膜の緻密化や膜質を
向上させるために熱処理等を施し、その後金属薄膜を堆
積したとしても本発明の効果を損なうことはない。
【0032】次に図1(b)および(f)に示すように
非晶質シリコン薄膜5上に反射防止膜6を形成する。反
射防止膜6には例えばSiO2膜を用いることができ
る。SiO2膜はCVD法あるいはスパッタリング法に
より堆積させることができる。CVD法を用いれば非晶
質シリコン薄膜を堆積する工程に引き続いて同一成膜装
置内で連続して成膜することができる。このようにすれ
ば製造工程を短縮することができ、スループットが大幅
に向上する。次にSiO2膜を所定の形状にパターニン
グする。SiO2膜のパターニングにはフッ酸系のエッ
チング液を用いてエッチングすることができる。本発明
の実施の形態では反射防止膜6は前記工程で形成した所
定形状の金属膜の形状と同一形状にパターニングした。
反射防止膜6の膜厚は次式から決定した。レーザー光に
波長λ=308nmのXeClエキシマレーザーを用い
る場合を例にとって説明する。反射率をR、大気中の屈
折率をn0(=1.0)、反射防止膜6となるSiO2
の屈折率をn1(=1.46)、膜厚をd1nm、多結晶
化する非晶質シリコン薄膜5の屈折率をns(=3.7
3)とする。
【0033】
【数1】
【0034】上記の式に値を代入して反射率が最も低く
なる反射防止膜6となるSiO2膜の膜厚を求めると、
約50nmとなった。これは計算上の値であり、実際に
は成膜装置の性能や成膜条件等により膜厚が基板内ある
いは基板間で数%から十数%程度ばらつく場合が十分に
考えられるが、上記の式に値を代入して求めた膜厚を目
標値として絶縁膜を形成すれば、仮にある程度の膜厚分
布が生じたとしても形成された絶縁膜は反射防止膜とし
て十分に機能するため、本発明の効果を損なうことはな
い。
【0035】次に図1(c)および(g)に示すように
絶縁性基板の上方からレーザー光7の照射を行い、非晶
質シリコン薄膜5を結晶化する。使用するレーザー光と
してはXeClエキシマレーザー(波長308nm)、
KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエ
キシマレーザー(波長193nm)、XeFエキシマレ
ーザー(波長353nm)等を用いることができる。本
発明の実施の形態ではXeClエキシマレーザーを用い
て説明する。照射するエネルギー密度は200mJ/c
2、パルス幅は50ns、発振周波数は300Hzと
した。レーザー光の照射条件はレーザー光を照射される
膜の膜質、膜厚等により異なる。ここでレーザー光7は
レーザー光の重なる領域が反射防止膜6上にならないよ
うに走査される。反射率をもとに計算すると、反射防止
膜6を設けた領域は最大約40%程度実効エネルギー強
度が高められることになる。
【0036】次に図1(d)および(h)に示すように
反射防止膜6を除去して、多結晶シリコン薄膜を半導体
素子の活性層8となるように島状にパターニングする。
続いてゲート絶縁膜9およびゲート電極10を形成す
る。ゲート電極には低抵抗の配線材料であるAl系の金
属を用いることができる。耐熱性等を考慮してAl−T
i等のAl合金を用いることが望ましい。次に活性層8
にイオン注入法、レーザードーピング法、あるいはプラ
ズマドーピング法等を用いてNチャネルトランジスタを
作成するときにはP+、Pチャネルトランジスタを作成
するときにはB+をドーピングしてソース領域およびド
レイン領域11を形成する。ゲート電極10の下方領域
はチャネル領域12となる。その後、レーザーアニール
等の方法を用いて不純物の活性化を行い、層間絶縁膜1
3を積層する。層間絶縁膜には段差被覆性のよい有機シ
ランを材料としたプラズマCVD法等によるSiO2
を数百nm〜数μm積層するのが一般的である。また、
他には窒化シリコン膜を用いることもできる。次に層間
絶縁膜13及びゲート絶縁膜9にコンタクトホールを開
口し、ソース電極およびドレイン電極14を形成する。
ソース電極及びドレイン電極14はゲート電極10と同
様にAl系の金属で形成する。Al系の金属以外に高融
点金属を用いても良い。高融点金属はAlに比べて段差
被覆性に優れている。以上、本発明の実施の形態におい
て、反射防止膜除去後のTFTの製造方法はその一例を
示したものであり、TFTの製造方法はこれに限定され
るものではない。
【0037】(実施の形態2)次に本発明の他の製造方
法の詳細を説明する。図2(a)〜(d)は本発明の半
導体装置の製造方法を工程順に説明するための断面図で
ある。尚、平面図は実施の形態1と同様であるため省略
した。
【0038】図2(a)に示すように、まず初めにガラ
ス基板等の絶縁性基板1上に減圧CVD法、プラズマC
VD法またはスパッタリング法等により下地膜2となる
第1の絶縁膜としてSiO2膜を300nm程度堆積す
る。次に金属薄膜3がスパッタリング法等により堆積さ
れる。金属薄膜3が遮光膜として用いられる場合は後工
程での熱処理等に対する耐久性や遮光性の観点から、高
融点金属等を用いることが望ましい。本発明の実施の形
態ではTaを用い、100〜200nm、例えば約15
0nmの膜厚で堆積し、5〜10μm角の形状に加工し
た。遮光膜はTFTのチャネル領域に光が入射するのを
防ぐ目的で設けられるため、TFTが形成される位置に
チャネル領域と同一形状かあるいは一回り大きく形成さ
れる。遮光膜はTFTのサイズや形状に合わせて形成さ
れるため、形状は正方形や長方形等の四角形には限定さ
れない。遮光膜の寸法も同様に上述の大きさに限定され
ない。次にその上に絶縁膜4を堆積する。絶縁膜4には
SiO2膜等を用いることができる。続いて減圧CVD
法またはプラズマCVD法等により非晶質シリコン薄膜
5としてノンドープ非晶質シリコン薄膜を10〜100
nm、例えば約50nmの膜厚で堆積させる。上述の工
程において、下地膜2を堆積する工程と金属薄膜3を堆
積する工程との間に熱処理等の工程が追加されても全く
問題ない。例えば絶縁性基板上に下地膜となる第1の絶
縁膜を形成した後、その絶縁膜の緻密化や膜質を向上さ
せるために熱処理等を施し、その後金属薄膜を堆積した
としても本発明の効果を損なうことはない。以上の工程
は上述の実施の形態1と同様である。
【0039】次に図2(b)に示すように非晶質シリコ
ン薄膜5上に反射防止膜6を形成する。反射防止膜6に
は例えばSiO2膜を用いることができる。SiO2膜は
CVD法あるいはスパッタリング法により堆積させ、所
定の形状にパターニングする。SiO2膜のパターニン
グにはフッ酸系のエッチング液を用いてエッチングによ
り行うことができる。本発明の実施の形態ではSiO2
膜上にフォトレジストを形成してSiO2膜を堆積した
面とは別の面側、即ち絶縁性基板1の裏面側からフォト
レジストを露光15、現像して所定形状の金属薄膜3と
同一形状のフォトレジストによるマスクを形成した。こ
のようにして形成されたフォトレジスト16によるマス
クを用いてSiO2膜をエッチングして反射防止膜6を
形成した。以上のように金属薄膜3をマスクとして自己
整合的に反射防止膜6を形成するようにしたため、この
工程において新たなフォトマスクは必要とならない。反
射防止膜6の膜厚は実施の形態1と同様の方法で算出し
た。本発明の実施の形態においても約50nm程度に設
定した。
【0040】次に図2(c)に示すようにフォトレジス
ト16を除去した後、絶縁性基板の上方からレーザー光
の照射を行い、非晶質シリコン薄膜5を結晶化する。使
用するレーザー光としてはXeClエキシマレーザー
(波長308nm)、KrFエキシマレーザー(波長2
48nm)、ArFエキシマレーザー(波長193n
m)、XeFエキシマレーザー(波長353nm)等を
用いることができる。本発明の実施の形態ではXeCl
エキシマレーザーを用いて説明する。照射するエネルギ
ー密度は200mJ/cm2、パルス幅は50ns、発
振周波数は300Hzとした。レーザー光の照射条件は
レーザー光を照射される膜の膜質、膜厚等により異な
る。ここでレーザー光7はレーザー光の重なる領域が反
射防止膜6上にならないように走査される。
【0041】次に図2(d)に示すように反射防止膜6
を除去して、多結晶シリコン薄膜を半導体素子の活性層
8となるように島状にパターニングする。続いてゲート
絶縁膜9およびゲート電極10を形成する。ゲート電極
には低抵抗の配線材料であるAl系の金属を用いること
ができる。耐熱性等を考慮してAl−Ti等のAl合金
を用いることが望ましい。次に活性層8にイオン注入
法、レーザードーピング法、あるいはプラズマドーピン
グ法等を用いてNチャネルトランジスタを作成するとき
にはP+、Pチャネルトランジスタを作成するときには
+をドーピングしてソース領域およびドレイン領域1
1を形成する。ゲート電極10の下方領域はチャネル領
域12となる。その後、レーザーアニール等の方法を用
いて不純物の活性化を行い、層間絶縁膜13を積層す
る。層間絶縁膜には段差被覆性のよい有機シランを材料
としたプラズマCVD法等によるSiO2膜を数百nm
〜数μm積層するのが一般的である。また、他には窒化
シリコン膜を用いることもできる。次に層間絶縁膜13
及びゲート絶縁膜9にコンタクトホールを開口し、ソー
ス電極およびドレイン電極14を形成する。ソース電極
及びドレイン電極14はゲート電極10と同様にAl系
の金属で形成する。Al系の金属以外に高融点金属を用
いても良い。高融点金属はAlに比べて段差被覆性に優
れている。以上、本発明の実施の形態において、反射防
止膜除去後のTFTの製造方法はその一例を示したもの
であり、TFTの製造方法はこれに限定されるものでは
ない。
【0042】上述のように実施の形態1または2では半
導体装置としてアクティブマトリクス型液晶表示装置に
用いられるTFTを例にして説明したが、絶縁ゲート型
電界効果トランジスタ等の半導体装置であってもよく、
用途もアクティブマトリクス型液晶表示装置に限定され
るものではない。また、同様に非晶質半導体薄膜の下方
に絶縁膜を介して設けられる金属薄膜として遮光膜を例
にして説明したが、金属薄膜による配線あるいは電極で
あっても一向に差し支えなく、本発明は同様の効果を奏
する。
【0043】
【発明の効果】以上、上述のように本発明の半導体装置
の製造方法によると、所定の形状の金属薄膜が形成され
た絶縁性表面を有する基板上に非晶質半導体薄膜を堆積
して、その後、基板の上方からレーザー光を走査しなが
ら照射することにより非晶質半導体薄膜を結晶化させる
半導体装置の製造方法において、非晶質半導体薄膜上で
あって、かつ下方に金属薄膜が存在する部分に非晶質半
導体薄膜よりも反射率の低い膜を選択的に設け、基板の
上方からレーザー光を走査しながら照射することにより
非晶質半導体薄膜を結晶化させて結晶性半導体薄膜とす
る。その際、レーザー光の照射領域の面積が反射防止膜
よりも大きく、かつ反射防止膜及びその周囲の領域を完
全に包含するように照射されるように走査する。そのた
め、反射防止膜が配置された領域は反射防止膜によって
非晶質半導体薄膜表面の反射が最小限に抑えられる。即
ち反射防止膜によってレーザー光の実効的なエネルギー
強度を高めることになり、金属薄膜によって熱が吸収さ
れることによる非晶質半導体薄膜の温度低下を最小限に
抑制することができる。従って温度の急速な低下に起因
する結晶性半導体薄膜の膜質、特性等のばらつきを効果
的に抑制することができ、このような方法で結晶化され
た結晶性半導体薄膜で作製したTFTをアクティブマト
リクス型液晶表示装置、特に周辺駆動回路を同一基板上
に一体形成したドライバモノリシック型液晶表示装置に
用いればTFTの特性のばらつきが抑えられ、非常に高
画質の液晶表示装置を製造することができる。更に従来
に比べ、レーザー光を照射する工程およびレーザー光を
照射する回数が低減される。特にレーザー光を照射する
回数は従来に比べて大幅に低減されることになり、半導
体装置の製造工程におけるスループットが大幅に向上す
る。この差はレーザー光を照射する基板が大面積になる
につれて顕著なものとなる。それ以外にも半導体薄膜に
対するダメージが低減されることになる。
【0044】以上のように本発明は均質な結晶性半導体
薄膜を容易に得ることができ、このような結晶性半導体
薄膜により高性能な半導体装置、特に高い電界効果移動
度を持つ高性能のTFTを実現し、これらのTFTから
構成される半導体装置あるいは半導体回路を効率良く製
造することができる産業上有益な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の半導体装置の製造工程を示す断面
図である。
【図2】実施形態2の半導体装置の製造工程を示す断面
図である。
【図3】本発明の半導体装置の製造方法の主要部を示す
断面図である。
【図4】本発明の半導体装置の製造方法によるレーザー
光の強度分布を示す図である。
【図5】本発明の半導体装置の製造方法によるレーザー
光の走査例を示す図である。
【図6】レーザーアニール装置の概念図である。
【図7】レーザー光の強度分布を示す図である。
【図8】従来例によるレーザー光の強度分布を示す図で
ある。
【図9】従来例によるレーザー光の走査方法を示す図で
ある。
【図10】従来例のレーザー光による温度分布を示す図
である。
【符号の説明】
1 絶縁性基板 2 下地膜 3 金属薄膜 4 絶縁膜 5 非晶質シリコン薄膜 6 反射防止膜 7 レーザー光 8 活性層 9 ゲート絶縁膜 10 ゲート電極 11 ソース領域およびドレイン領域 12 チャネル領域 13 層間絶縁膜 14 ソース電極およびドレイン電極 15 露光 16 フォトレジスト 17 レーザー発振器 18 アッテネーター 19 ホモジナイザー 20 プロセスチャンバー 21 ステージ 22 基板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性表面を有する基板上に所定の形状
    の金属薄膜が配置され、その上方に絶縁膜を介して形成
    された非晶質半導体薄膜にレーザー光等のエネルギー線
    を照射する半導体装置の製造方法において、前記非晶質
    半導体薄膜上であって、かつ下方に前記金属薄膜が存在
    する部分に前記非晶質半導体薄膜よりも反射率の低い材
    料による反射防止膜を選択的に形成する工程と、前記反
    射防止膜の上方から照射されるレーザー光等のエネルギ
    ー線の照射領域が前記反射防止膜の面積よりも大きく、
    かつ前記反射防止膜及びその周囲の領域を完全に包含す
    るように照射される工程とからなることを特徴とする半
    導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記反射防止膜の上方から照射されるレ
    ーザー光等のエネルギー線の照射領域の端部が前記反射
    防止膜以外の位置に概略一致するように照射されること
    を特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記反射防止膜の上方から照射されるレ
    ーザー光等のエネルギー線の照射領域の端部が、その前
    後あるいは左右またはその両方の照射領域の端部とそれ
    ぞれ前記反射防止膜以外の位置でのみ重なり合うように
    照射されることを特徴とする請求項1記載の半導体装置
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記反射防止膜は前記非晶質半導体薄膜
    を堆積する工程に引き続き、前記非晶質半導体薄膜を成
    膜した装置内で連続して成膜されることを特徴とする請
    求項1記載の半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記反射防止膜は化学的気相成長法によ
    り成膜されるシリコン酸化膜であることを特徴とする請
    求項1記載の半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 絶縁性表面を有する基板上に所定の形状
    の金属薄膜が配置され、その上方に絶縁膜を介して形成
    された非晶質半導体薄膜にレーザー光等のエネルギー線
    を照射する半導体装置の製造方法において、前記絶縁性
    表面を有する基板上に、所定形状の金属薄膜、絶縁膜、
    非晶質半導体薄膜を順次形成する工程と、前記非晶質半
    導体薄膜上に反射防止膜を形成する工程と、前記反射防
    止膜上にフォトレジストを形成する工程と、前記基板の
    裏面側より前記所定形状の金属薄膜をマスクとして、前
    記フォトレジストを露光し、フォトレジストによるマス
    クを形状する工程と、前記フォトレジストを用いて反射
    防止膜を所定形状に自己整合的に形成する工程と、前記
    反射防止膜の上方から照射されるレーザー光等のエネル
    ギー線の照射領域が前記反射防止膜の面積よりも大き
    く、かつ前記反射防止膜及びその周囲の領域を完全に包
    含するように照射される工程とからなることをに特徴と
    する半導体装置の製造方法。
JP7170596A 1996-03-27 1996-03-27 半導体装置の製造方法 Pending JPH09260286A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7170596A JPH09260286A (ja) 1996-03-27 1996-03-27 半導体装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7170596A JPH09260286A (ja) 1996-03-27 1996-03-27 半導体装置の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09260286A true JPH09260286A (ja) 1997-10-03

Family

ID=13468234

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7170596A Pending JPH09260286A (ja) 1996-03-27 1996-03-27 半導体装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09260286A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004119406A (ja) * 2002-09-20 2004-04-15 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置の作製方法並びに熱処理方法
US7605023B2 (en) 2002-08-29 2009-10-20 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Manufacturing method for a semiconductor device and heat treatment method therefor
US10088522B2 (en) 2015-09-16 2018-10-02 Toshiba Memory Corporation Apparatus and method for detecting faults in multilayer semiconductors
US10359468B2 (en) 2016-03-16 2019-07-23 Toshiba Memory Corporation Thermal laser stimulation apparatus, method of thermally stimulating, and non-transitory computer readable medium

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7605023B2 (en) 2002-08-29 2009-10-20 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Manufacturing method for a semiconductor device and heat treatment method therefor
JP2004119406A (ja) * 2002-09-20 2004-04-15 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置の作製方法並びに熱処理方法
US7323368B2 (en) 2002-09-20 2008-01-29 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Method for manufacturing semiconductor device and heat treatment method
US7608492B2 (en) 2002-09-20 2009-10-27 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Method for manufacturing semiconductor device and heat treatment method
JP4627961B2 (ja) * 2002-09-20 2011-02-09 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置の作製方法
US10088522B2 (en) 2015-09-16 2018-10-02 Toshiba Memory Corporation Apparatus and method for detecting faults in multilayer semiconductors
US10359468B2 (en) 2016-03-16 2019-07-23 Toshiba Memory Corporation Thermal laser stimulation apparatus, method of thermally stimulating, and non-transitory computer readable medium

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3586558B2 (ja) 薄膜の改質方法及びその実施に使用する装置
JP4403599B2 (ja) 半導体薄膜の結晶化方法、レーザ照射装置、薄膜トランジスタの製造方法及び表示装置の製造方法
JP4211967B2 (ja) マスクを利用したシリコンの結晶化方法
JP3503427B2 (ja) 薄膜トランジスタの製造方法
KR100671212B1 (ko) 폴리실리콘 형성방법
US7612375B2 (en) Semiconductor device and method for fabricating the same
JP2006237270A (ja) 薄膜半導体装置及びその製造方法と表示装置
JP2007324425A (ja) 薄膜半導体装置及びその製造方法と表示装置
JP2004335839A (ja) 半導体薄膜、薄膜トランジスタ、それらの製造方法および半導体薄膜の製造装置
JP3448685B2 (ja) 半導体装置、液晶表示装置およびel表示装置
WO2011161715A1 (ja) 薄膜トランジスタアレイ装置、有機el表示装置、及び、薄膜トランジスタアレイ装置の製造方法
JP2004214615A (ja) 非晶質シリコン膜の結晶化方法及び非晶質シリコンの結晶化用マスク、並びにアレイ基板の製造方法
EP0822581B1 (en) A method of manufacturing a thin film transistor
JP4683761B2 (ja) 半導体装置の作製方法
US20010012702A1 (en) Method of crystallizing silicon film and method of manufacturing thin film transistor liquid crystal display (tft- lcd using the same
KR100660814B1 (ko) 박막트랜지스터의 반도체층 형성방법
JP2000260709A (ja) 半導体薄膜の結晶化方法及びそれを用いた半導体装置
KR100710621B1 (ko) 박막트랜지스터형 어레이기판의 액티브층 제조방법
JP2003257989A (ja) 半導体装置の作製方法
JPH09260286A (ja) 半導体装置の製造方法
JP2809152B2 (ja) 薄膜トランジスタの製造方法
JPH10189450A (ja) 半導体装置の製造方法
JP4780860B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JPH09237767A (ja) 半導体装置の製造方法
KR20100130523A (ko) 폴리실리콘을 이용한 박막트랜지스터를 포함하는 어레이 기판 및 이의 제조방법