JP4780860B2 - 半導体装置の作製方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は薄膜トランジスタ(以下、TFTと言う)で構成された回路を有する半導体装置の作製方法に関する。例えば、液晶表示装置に代表される電気光学装置、及び電気光学装置を部品として搭載した電気機器の構成に関する。また、前記装置の作製方法に関する。なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能し得る装置全般を指し、上記電気光学装置及び電気機器もその範疇にあるとする。
【0002】
【従来の技術】
近年、ガラス等の絶縁基板上に形成された非晶質半導体膜に対し、レーザアニール法により、結晶化させたり、結晶性を向上させる技術が広く研究されている。上記非晶質半導体膜には珪素がよく用いられる。
【0003】
ガラス基板は、従来よく使用されてきた合成石英ガラス基板と比較し、安価で加工性に富んでおり、大面積基板を容易に作製できる利点を持っている。これが上記研究の行われる理由である。また、結晶化に好んでレーザが使用されるのは、ガラス基板の融点が低いからである。レーザは基板の温度を余り上昇させずに、非晶質半導体膜のみ高いエネルギーを与えることが出来る。
【0004】
結晶質半導体は多くの結晶粒から形成されているため、多結晶半導体膜とも呼ばれる。また、半導体膜が有する結晶粒の粒径より大きい粒径の結晶粒を有する半導体膜を結晶質半導体膜とする。レーザアニール法により形成された結晶質半導体膜は、高い移動度を有するため、この結晶質半導体膜を用いてTFTを形成し、例えば、1枚のガラス基板上に、画素部用と駆動回路用のTFTを作製する、モノリシック型の液晶電気光学装置等に盛んに利用されている。
【0005】
また、出力の大きい、エキシマレーザ等のパルスレーザビームを、被照射面において、数cm角の四角いスポットや、長さ10cm以上の線状となるように光学系にて加工し、レーザビームを走査させて(あるいはレーザビームの照射位置を被照射面に対し相対的に移動させて)、レーザアニール法を行う方法が生産性が高く工業的に優れているため、広く用いられている。
【0006】
特に、線状ビームを用いると、前後左右の走査が必要なスポット状のレーザビームを用いた場合とは異なり、線状ビームの長尺方向に直角な方向だけの走査で被照射面全体にレーザビームを照射することが出来るため、生産性が高い。長尺方向に直角な方向に走査するのは、それが最も効率の良い走査方向であるからである。この高い生産性により、現在レーザアニール法にはパルス発振のエキシマレーザのレーザビームを適当な光学系で加工した線状ビームを使用することが、TFTを用いる液晶表示装置等の製造技術の主流になりつつある。その技術は1枚のガラス基板上に画素部を形成するTFT(画素TFT)と、画素部の周辺に設けられる駆動回路のTFTを形成したモノシリック型の液晶表示装置を可能とした。
【0007】
しかし、レーザアニール法で作製される結晶質半導体膜は複数の結晶粒が集合して形成され、その結晶粒の位置と大きさはランダムなものであった。ガラス基板上に作製されるTFTは素子分離のために、前記結晶質半導体膜を島状のパターニングに分離して形成している。その場合において、結晶粒の位置や大きさを指定して形成する事はできなかった。結晶粒内と比較して、結晶粒の界面(結晶粒界)には非晶質構造や結晶欠陥などに起因する再結合中心や捕獲中心が無数に存在している。この捕獲中心にキャリアがトラップされると、結晶粒界のポテンシャルが上昇し、キャリアに対して障壁となるため、キャリアの電流輸送特性を低下することが知られている。チャネル形成領域の半導体膜の結晶性は、TFTの電気的特性に重大な影響を及ぼすが、結晶粒界の影響を排除して単結晶の半導体膜で前記チャネル形成領域を形成することはほとんど不可能であった。
【0008】
このような問題を解決するために、レーザアニール法において、位置制御され、しかも大粒径の結晶粒を形成する様々な試みがなされている。ここではまず、半導体膜にレーザビームを照射した後の前記半導体膜の固化過程について説明する。
【0009】
レーザビームの照射によって完全溶融した半導体膜中に結晶核が生成するまでにはある程度の時間が掛かり、完全溶融領域において均一(あるいは不均一)に無数の結晶核が生成し、結晶成長することで、完全溶融した前記半導体膜の固化過程は終了する。この場合に得られる結晶粒の位置と大きさはランダムなものとなる。
【0010】
また、レーザビームの照射によって前記半導体膜が完全溶融することなく、固相半導体領域が部分的に残存している場合には、レーザビームの照射後、直ちに前記固相半導体領域から結晶成長が始まる。既に述べたように、完全溶融領域において結晶核が生成するにはある程度時間が掛かる。そのため、完全溶融領域において結晶核が生成するまでの間に、前記半導体膜の膜面に対する平行方向(以下、ラテラル方向と呼ぶ)に結晶成長の先端である固液界面(固相半導体領域と完全溶融領域との境界を指す。)が移動することで、結晶粒は膜厚の数十倍もの長さに成長する。このような成長は、完全溶融領域において均一(あるいは不均一)に無数の結晶核が生成し、結晶成長することで終了する。以下、この現象をスーパーラテラル成長と言う。
【0011】
非晶質半導体膜や多結晶半導体膜においても、前記スーパーラテラル成長が実現するレーザビームのエネルギー領域は存在する。しかし、前記エネルギー領域は非常に狭く、また、大粒径の結晶粒の得られる位置については制御できなかった。さらに、大粒径の結晶粒以外の領域は結晶核が無数に生成した微結晶領域、もしくは非晶質領域であった。
【0012】
以上に説明したように、半導体膜が完全溶融するレーザビームのエネルギー領域でラテラル方向の温度勾配を制御する(ラテラル方向への熱流を生じさせる)ことが出来れば、結晶粒の成長位置および成長方向を制御することが出来る。この方法を実現するために様々な試みがなされている。
【0013】
例えば、「Lateral Growth control in excimer laser crystallized polysilicon : Thin Solid Films 337 (1999),p137-p142」では、位置制御された結晶粒を形成する方法について述べている。まず、非晶質半導体膜上に金属膜(Cr単層、またはCr膜上にAl膜を形成した積層)を形成し、部分的にエッチングを行って、前記非晶質半導体膜上に金属膜のある領域とない領域を形成する。波長308nmでのCrの反射率は約60%であり、また、Alの反射率は約90%であるため、波長308nmのレーザビームを照射すると、金属膜の下方の非晶質半導体領域は金属膜で覆われていない非晶質半導体領域に比べてレーザビームが照射されないことになる。つまり、金属膜の下方の非晶質半導体領域と、金属膜で覆われていない非晶質半導体領域とで温度勾配が生じる。そのため、金属膜の下方の非晶質半導体領域で生成した結晶核は、まだ溶融状態にある金属膜で覆われていない非晶質半導体領域へとラテラル成長し、1〜2μmの結晶粒が形成されることが報告されている。
【0014】
東工大の松村正清氏らは、第47回応用物理学関係連合講演会において、位置制御された大粒径の結晶粒を形成する方法について発表している。ガラス基板上に有機SOG膜を形成し、前記有機SOG膜上に酸化珪素膜を形成し、前記酸化珪素膜上に非晶質珪素膜を形成し、前記非晶質珪素膜中には絶縁層(埋め込み絶縁層)を埋め込んでいる(図6(C))。前記埋め込み絶縁層は上面形状が四角形で、かつ前記四角形の少なくとも1つの頂点の角度を60度にしている。
【0015】
酸化珪素膜およびガラス基板はランダムにSi−O結合のネットワークを形成しているので、ガラス基板上に酸化珪素膜を形成し、前記酸化珪素膜にレーザビームが照射されると、レーザビームの照射によるエネルギーのガラス基板への流出を容易なものとなる。しかし、炭素を含む官能基を含有する酸化珪素膜(本明細書中では炭素を含む官能基を含有する酸化珪素膜を官能基含有酸化珪素膜と定義する。)は、官能基で結合手が終端するので、Si−O結合のネットワークの形成に関与しない。そのため、基板上に官能基含有酸化珪素膜を形成すると、前記官能基含有酸化珪素膜は熱の伝搬速度が低下し、保温効果を有する膜として有効に作用する。以下、本明細書中では熱の伝搬速度が酸化珪素膜およびガラス基板より遅いことを保温効果といい、保温効果を有する膜を保温膜と定義する。また、本明細書中において伝搬速度が速いとは、熱伝導率が高いことを意味し、伝搬速度が遅いとは熱伝導率が低いことを意味する。また、レーザビームを照射する際には、位相シフトマスク(図6(A))を用いて、レーザビームのエネルギーに勾配を持たせて(図6(B))照射する。このようにして、位置制御された大粒径の結晶粒を形成すると言うものである。
【0016】
「R.Ishihara and A.Burtsev : AM-LCD '98.,p153-p156,1998」では、基板と下地の酸化珪素膜との間に高融点金属膜を形成し、前記高融点金属膜の上方に非晶質珪素膜を形成し、エキシマレーザのレーザビームを基板の表面側(本明細書中では膜が形成されている面と定義する)と裏面側(本明細書中では膜が形成されている面と反対側の面と定義する)の両側から照射するレーザアニール法についての報告がある。基板の表面側から照射されるレーザビームは、珪素膜に吸収されて熱に変わる。一方、基板の裏面側から照射されるレーザビームは前記高融点金属膜に吸収されて熱に変わり、前記高融点金属膜を高温で加熱する。加熱された前記高融点金属膜と珪素膜の間の前記酸化珪素膜が、熱の蓄積層として働くため、溶融している珪素膜の冷却速度を遅くする事ができる。ここでは、高融点金属膜を任意の場所に形成することにより、任意の場所に最大で直径6.4μmの結晶粒を得ることができることが報告されている。
【0017】
また、コロンビア大のJames S. Im氏らは、任意の場所にスーパーラテラル成長を実現させることの出来るSequential Lateral Solidification method(以下、SLS法と言う。)を示した。SLS法は、1ショット毎にスリット状のマスクをスーパーラテラル成長が行なわれる距離程度(約0.75μm)移動させて、結晶化を行うものである。
【0018】
【本発明が解決しようとする課題】
非晶質半導体膜上に金属膜を部分的に形成し、レーザビームを照射して、結晶化を行う方法は、得られる結晶粒の粒径が1〜2μmと小さいことと、結晶粒の形成される位置は制御できても、単結晶単位では形成する位置を制御することが出来なかった。また、非晶質半導体膜上に直接金属膜を形成しているため、非晶質半導体膜中へ金属元素が拡散し、前記非晶質半導体膜を結晶化して結晶質半導体を用いてTFTを作製すると、前記TFTの電気的特性を低下させる原因となる可能性があった。さらに、金属膜や非晶質半導体膜にクラックやピーリングを発生させる可能性があった。
【0019】
松村氏らの発表による方法では、レーザビームのエネルギー勾配を作るための位相シフトマスクを用いる必要性がある。そのため、位相シフトマスクと埋め込み絶縁層との相対的な位置決めの技術にミクロン単位の精密な制御が必要であり、通常のレーザ照射装置と比較して複雑な装置になる。また、レーザビームを照射して半導体膜が溶融状態から冷却するとき、埋め込み絶縁層の上面形状は四角形であり、前記四角形の少なくとも1つの頂点の角度は60度と広いため、前記頂点付近の下方に存在する前記半導体膜中で多数の結晶核が生成する。そのため、成長する結晶粒同士が衝突し合い、大粒径の結晶粒の形成される確率が低いと言う問題点があった。さらに、非晶質珪素膜中に絶縁層を埋め込むと言う複雑な構造をしており、TFTを作製した際、TFTの実際の機能とは関係のない前記絶縁層が残ってしまうと言う問題があった。
【0020】
R. Ishihara氏らの方法により形成された半導体膜を活性層としてトップゲート型のTFTを作製することは構造的には可能である。しかしながら、半導体膜と高融点金属膜との間に設けられた酸化珪素膜により寄生容量が発生するので、消費電力が増加し、TFTの高速動作を実現することは困難となる。一方、高融点金属膜をゲート電極とすることにより、ボトムゲート型または逆スタガ型のTFTに対しては有効に適用でき得ると考えられる。しかし、基板上に酸化珪素膜を形成し、該酸化珪素膜上に高融点金属膜を形成し、該高融点金属膜上に非晶質珪素膜を形成する構造において、半導体膜の膜厚を除いたとしても、高融点金属膜と酸化珪素膜の膜厚は、結晶化工程において適した膜厚と、TFT素子としての電気的特性のおいて適した膜厚とは必ずしも一致しない。そのため、結晶化工程における最適設計と素子構造の最適設計とを両方同時に満足することができない。
【0021】
また、透光性のない高融点金属膜をガラス基板の全面に形成すると、透過型の液晶表示装置を作製することは不可能になってしまう。高融点金属材料として使用されるクロム(Cr)膜やチタン(Ti)膜は内部応力が高いので、ガラス基板との密着性に問題が生じる可能性が高い。さらに、内部応力の影響はこの上層に形成する半導体膜へも及び、形成された結晶質半導体膜に歪みを与える力として作用する可能性が高い。
【0022】
一方、TFTにおいて重要なパラメータである閾値電圧(以下、Vthと記す。)を所定の範囲内に制御するためには、チャネル形成領域の荷電子制御のほかに、活性層に密接して絶縁膜で形成する下地膜やゲート絶縁膜の荷電欠陥密度を低減させることや、その内部応力のバランスを考慮する必要がある。このような要求に対して、酸化珪素膜や酸化窒化珪素膜などの珪素を構成元素として含む材料が適していた。したがって、基板と下地膜との間に高融点金属膜を設けることは、そのバランスを崩してしまうことが懸念される。
【0023】
また、SLS法は、マスクと基板との相対的な位置決めの技術にミクロン単位の精密な制御が必要であり、通常のレーザ照射装置と比較して複雑な装置になってしまう。さらに、大面積領域を有する液晶表示装置に適用されるTFTの作製に用いるにはスループットに問題がある。
【0024】
本発明はこれらのような問題点を解決するための技術であり、結晶粒の位置とその大きさを制御した結晶質半導体膜を作製し、さらに前記結晶質半導体膜をTFTのチャネル形成領域に用いることにより、高速動作が可能なTFTを実現することを目的とする。さらにそのようなTFTを透過型の液晶表示装置やエレクトロルミネッセンス材料を用いた表示装置などのさまざまな半導体装置に適用できる技術を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明は、レーザアニール法で作製される結晶質半導体膜の結晶粒の大粒径化を実現するために、半導体膜と基板との間に保温膜を形成してレーザビームの照射によって得られた熱の流出速度を低下させ、半導体膜の冷却過程を緩やかなものとし、かつ、半導体膜上に前記保温膜と重ならない領域に部分的に反射膜(本明細書中では反射率の高い膜を反射膜と定義する。)を形成して半導体膜中での温度勾配を作ることによって、位置制御された大粒径の結晶粒を得ることを特徴とする。結晶成長距離は成長時間(半導体膜が溶融してから固化するまでに要する時間)と成長速度(固液界面の移動速度)の積に比例するので、冷却速度が緩やかとなり成長時間が長くなることで大粒径化を実現し、かつ位置制御することができる。
【0026】
保温膜はメチル(CH3)基、エチル(C2H5)基、プロピル(C3H7)基、ブチル(C4H9)基、ビニル(C2H3)基、フェニル(C6H5)基、CF3基のいずれかを含有する酸化珪素膜(官能基含有酸化珪素膜)で形成する。これらのうちいずれかの官能基を有する酸化珪素膜は、官能基で結合手が終端するので、Si−O結合のネットワークの形成に関与しない。そのため、熱の伝搬速度が低下し、保温膜として有効に作用する。また、保温膜の他の形態として多孔質珪素膜や多孔質酸化珪素膜を用いることも有効である。多孔質珪素膜および多孔質酸化珪素は空孔のために熱の伝搬速度が低下するので、保温膜として利用できる。
【0027】
前記保温膜に前記官能基含有酸化珪素膜を用いた場合、該官能基含有酸化珪素膜から不純物の拡散を防ぐため、前記官能基含有酸化珪素膜上に絶縁膜を形成するのが望ましい。また、保温膜として多孔質珪素膜または多孔質酸化珪素膜を用いた場合も、前記多孔質珪素膜または多孔質酸化珪素膜の表面の平坦性を保つため、やはり前記多孔質珪素膜上または多孔質酸化珪素膜上に絶縁膜を形成するのが望ましい。
【0028】
続いて、半導体膜上に部分的に反射膜を形成して、半導体膜に対するレーザビームの実効的な照射強度を変化させる方法について説明する。レーザビームの実効的な照射強度の分布を作るためには、半導体膜上に部分的に反射膜を形成し、前記反射膜が形成されている側からレーザビームを照射すればよい。ここでは、反射膜として金属膜を、半導体膜として非晶質珪素膜を例に挙げて説明する。
【0029】
図4に示すように、膜厚が55nmの非晶質珪素膜にレーザビームを照射すると、レーザビームの波長によって反射率が変化する。また、図5に示すように金属膜に対してレーザビームを照射した場合も、レーザビームの波長によって反射率は変化する。ここで、半導体膜上に部分的に反射膜を形成して、半導体膜に対するレーザビームの実効的な照射強度の分布を作るためには、反射膜に対する反射率と半導体膜に対する反射率とが少なくとも同程度か、反射膜に対する反射率の方が半導体膜に対する反射率より高くなるようにする。ただし、レーザビームの波長、半導体膜の種類および膜厚、反射膜の種類などによって反射率は異なるので、その都度、最適な条件は異なる。
【0030】
このような方法で、前記反射膜と半導体膜に対し実効的なエネルギーの照射強度の分布を作れば、反射膜の下方に存在する前記半導体膜ではレーザビームの照射強度が弱く、完全に溶融しなくなる。既に述べたように、固相半導体領域が部分的に残存している場合には、レーザビームの照射後、直ちに前記固相半導体領域から結晶成長が始まる。完全溶融領域において結晶核が生成するまでの間に、ラテラル方向に結晶成長の先端である固液界面が移動することで、結晶粒が成長するので、大粒径の結晶粒を形成することができる。また、反射膜の下方に存在する前記半導体膜が完全に溶融する場合でも、レーザビームの照射強度が上方に反射膜がない半導体膜に比べて弱いため、反射膜の下方に存在する前記半導体膜が他の領域の半導体膜に比べて早く冷却する。そのため、反射膜の下方に存在する前記半導体膜から結晶成長が始まり、他の領域の半導体膜へ結晶粒が成長する。ただし、半導体膜上に直接反射膜を形成すると、反射膜から半導体膜中へ不純物が拡散する可能性が高く、また、半導体膜や反射膜にクラックやピーリングが生じる可能性も高い。そのため、前記半導体膜と反射膜の間に絶縁膜を形成するのが望ましい。
【0031】
また、反射膜の上面形状は多角形であり、かつ前記多角形は角度が60度未満の頂点を有するものとする。このような形状にすると、レーザビームを照射したときに前記頂点の下方の半導体膜中での結晶核の生成密度が低くなり、成長する結晶粒同士が衝突し合うのを防ぐことが出来る。
【0032】
さらに前記半導体膜と反射膜の間に形成した該絶縁膜を反射防止膜として機能させることも出来る。図3に、非晶質珪素膜(膜厚55nm)上に酸化珪素膜を形成し、該酸化珪素膜の膜厚をパラメータとして、該酸化珪素膜側からレーザビームを照射したときの反射率の変化する例を示す。図3(A)は波長308nmのレーザビームを照射した例であり、図3(B)は波長532nmのレーザビームを照射した例である。図3から、反射率は周期的に変化しており、反射率の低いときの膜厚にすれば、前記酸化珪素膜を反射防止膜として機能することがわかる。もちろん、絶縁膜は酸化珪素膜に限定されず、他の絶縁膜を反射防止膜として機能することが可能である。
【0033】
さらに、レーザビームを照射する際に基板を500度程度まで加熱しても良い。こうすることで半導体膜における熱の流出速度の低下が期待され、結晶粒の粒径を拡大することが出来る。
【0034】
このように、保温膜を半導体膜と基板との間に介在させ、かつ半導体膜上で前記保温膜と重ならない位置に反射膜を形成してレーザアニール法により作製される結晶質半導体膜は、さまざまの半導体装置に適用できる。特に、TFTの活性層を形成するのに適している。
【0035】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図1〜2の断面図を用いて説明する。但し、図1(D)および図2(C)においては断面図と同時に上面図も記載した。
【0036】
基板11の上に下地絶縁膜12を公知の手段(LPCVD法、プラズマCVD法等)により窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜または酸化珪素膜などで形成する。
【0037】
前記下地絶縁膜12上に保温膜13をメチル(CH3)基、エチル(C2H5)基、プロピル(C3H7)基、ブチル(C4H9)基、ビニル(C2H3)基、フェニル(C6H5)基、CF3基のいずれかを含有する酸化珪素膜(官能基含有酸化珪素膜)、または、多孔質珪素膜や多孔質酸化珪素で形成する。
【0038】
前記保温膜13の熱伝導率は、石英基板の場合は1.4W/m・kで、酸化珪素膜では1〜2W/m・kであることから、1.0W/m・k以下、好ましくは0.3W/m・k以下であることが望ましい。
【0039】
保温膜13を形成した後、フォトリソグラフィーの技術を用いてレジストマスクを形成し、保温膜13における不要な部分をエッチングして保温膜14を形成する。
【0040】
続いて、前記保温膜14を官能基含有酸化珪素膜で形成した場合、前記保温膜14からの不純物が後工程で形成する半導体膜中に拡散するのを防ぐため、第1の絶縁膜15を形成するのが望ましい。第1の絶縁膜15として公知の手段(LPCVD法、プラズマCVD法等)により窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜、または酸化珪素膜に代表される絶縁膜で形成する。また、前記保温膜14を多孔質珪素膜または多孔質酸化珪素膜で形成した場合も、前記多孔質珪素膜または多孔質酸化珪素膜の表面には約1011個/cm2の空孔があるため、前記保温膜14の表面を平坦化するためにも、公知の手段により窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜または酸化珪素膜などで第1の絶縁膜15を形成する。
【0041】
フォトリソグラフィーの技術を用いてレジストマスクを形成し、第1の絶縁膜15における不要な部分をエッチングして、第1の絶縁膜16を形成する。
【0042】
次に、半導体膜17をプラズマCVD法やスパッタ法などの公知の手段で10〜200nm(好ましくは30〜100nm)の厚さに形成する。但し、前記半導体膜17としては、非晶質半導体膜や微結晶半導体膜、多結晶半導体膜などがあり、非晶質珪素ゲルマニウム膜などの非晶質構造を有する化合物半導体膜を適用しても良い。
【0043】
前記半導体膜17上に後工程で形成する反射膜からの不純物が前記半導体膜中に拡散するのを防ぐため、第2の絶縁膜18を形成するのが望ましい。また、前記第2の絶縁膜18を同時に反射防止膜としても機能させるのであれば、図3に示したように、レーザビームの波長に応じた反射率の低い膜厚にする必要がある。前記第2の絶縁膜18として、公知の手段(LPCVD法、プラズマCVD法等)により窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜または酸化珪素膜などで形成する。
【0044】
前記第2の絶縁膜18上に反射膜19を形成する。前記反射膜19として、金属膜を形成するなら、スパッタ法や蒸着法など公知の手段により10〜200nm(好ましくは10〜100nm)の厚さに形成する。前記金属膜として、Ta、W、Ti、Mo、Al、Cu、Cr、Ndから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成してもよい。また、AgPdCu合金を用いてもよい。
【0045】
前記反射膜19を形成した後、フォトリソグラフィーの技術を用いてレジストマスクを形成し、不要な部分をエッチングして、反射膜20を形成する。前記反射膜20の形状は特に限定しないが、上面形状は少なくとも1つの角度が60度未満である頂点を有する多角形であるのが望ましい。以下、角度が60度未満の頂点を頂点Aとする。このような形状にすれば、レーザビームを照射し、半導体膜が冷却する過程において、前記頂点A付近の下方に存在する半導体膜中での結晶核の生成密度を低くし、成長する結晶粒同士が衝突し合うのを防ぐことが出来るからである。
【0046】
続いて、第2の絶縁膜18を反射防止膜として機能させない場合は、前記反射膜と重なる領域以外の前記第2の絶縁膜をフォトリソグラフィーの技術を用いてレジストマスクを形成し、エッチングして第2の絶縁膜21を形成する。
【0047】
図2(A)は基板の表面側からレーザビームを照射する結晶化工程を説明する図である。レーザアニール法による結晶化は、まず半導体膜が含有する水素を放出させておくことが望ましく、400〜500℃で窒素雰囲気に1時間程度曝して、含有する水素量を5atom%以下にしておくと良い。これにより、膜の耐レーザ性が著しく向上する。
【0048】
レーザアニール法において用いるレーザ発振器について説明する。エキシマレーザは大出力で、現状で300Hz程度の高周波パルスを発振出来るため、良く用いられている。また、パルス発振のエキシマレーザだけでなく、連続発振のエキシマレーザや、Arレーザ、YAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ等も用いることが出来る。また、レーザビームの照射は真空中、大気中、窒素雰囲気中などで行うことが出来る。さらに、レーザビームを照射する際に基板を500度程度まで加熱しても良い。こうすることで半導体膜における熱の流出速度の低下が期待され、結晶粒の粒径を拡大することが出来る。
【0049】
前述のいずれかのレーザ発振器を用い、また、いずれかの雰囲気中で、基板の表面側からレーザビームを照射し、前記半導体膜の結晶化を行う。
【0050】
ここで、図2(B)および(C)に示すように、反射膜の両端を境界とし、保温膜14を含む領域を領域A、反射膜20を含む領域を領域B、保温膜14および反射膜20を含まない領域を領域Cとする。
【0051】
レーザビームが照射されることにより、半導体膜は溶融状態になる。しかし、領域Bの半導体膜は前記半導体膜上に反射膜が存在し、前記反射膜によってレーザビームが反射されるため、領域Aおよび領域Cの半導体膜に比べて、領域Bの半導体膜はレーザビームの実効的な照射強度が低くなる。そのため、反射膜の下方には固相半導体領域23が残存し、レーザビームの照射後、直ちに前記固相半導体領域23から半導体膜の内部に生じた温度勾配を利用して結晶成長する。特に、頂点A付近の固相半導体領域23では、前記頂点Aの角度が60度未満と狭いため、結晶核24の生成密度は低くなっており、さらに、領域Aの半導体膜は保温膜14の存在により溶融状態が長く続くため、前記結晶核24は領域Aに向かって結晶成長が進行する。このようにして、領域Aの半導体膜において大粒径の結晶粒が形成される。また、領域Cでは半導体膜の下方に保温膜14が存在しないため、領域Aよりも冷却が早く、結晶核が生成し、結晶成長が起こる。このようにして、レーザビームを照射する前の半導体膜より、粒径の大きな結晶粒を有する結晶質半導体膜25が形成される。
【0052】
レーザビームを照射して形成された前記結晶質半導体膜25は、3〜100%の水素を含む雰囲気中で300〜450℃の加熱処理、あるいは、プラズマによって生成された水素を含む雰囲気中で200〜450℃の加熱処理によって、残留する欠陥を減少することができる。
【0053】
反射膜をフォトリソグラフィー法等により除去した後、第2の絶縁膜(または第2の絶縁膜)をフォトリソグラフィー法等により除去する。
【0054】
このようにして作製された結晶質半導体膜25において、図2(C)の上面図に示すように、大粒径の結晶粒が形成された領域26をチャネル形成領域として、TFTを作製することにより、前記TFTの電気的特性を向上させることが出来る。
【0055】
【実施例】
[実施例1]
本発明の実施例について図1〜2の断面図を用いて説明する。但し、図1(D)および図2(C)においては断面図と同時に上面図も記載した。
【0056】
図1(A)において基板11には、合成石英ガラス基板、バリウムホウケイ酸ガラスアルミノホウケイ酸ガラスなどの無アルカリガラスと言ったガラス基板、またはPC(ポリカーボネート)、PAr(ポリアリレート)、PES(ポリエーテルスルホン)、PET(ポリエチレンテレフタラート)と言った透明フィルムを用いても良い。例えば、コーニング社製の7059ガラスや1737ガラスなどを好適に用いることが出来る。
【0057】
前記基板11の上に下地絶縁膜12を公知の手段(LPCVD法、プラズマCVD法等)により窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜または酸化珪素膜などで形成する。本実施例では膜厚50nmの酸化窒化珪素膜(組成比Si=32%、O=27%、N=24%、H=17%)を形成する。
【0058】
前記下地絶縁膜12上に保温膜13を官能基含有酸化珪素膜で形成する。保温膜13をメチル(CH3)基、エチル(C2H5)基、プロピル(C3H7)基、ブチル(C4H9)基、ビニル(C2H3)基、フェニル(C6H5)基、CF3基のいずれかを含有する酸化珪素膜で形成する方法について説明する。作製方法は原料とする有機材料にも依存するが、気相法または液相法を用いる。保温膜13の膜厚は、100nm〜1000nm(好ましくは、200〜500nm)とすることが望ましい。この膜厚を最適化することにより、レーザアニール工程における半導体膜の冷却速度を制御する。100nmより薄い場合には十分な保温効果を得ることができない。また、1000nmよりも厚いと、後工程で形成する半導体膜にクラック(亀裂)などがはいるので好ましくない。本実施例では膜厚50nmのメチル(CH3)基含有酸化珪素膜を形成する。
【0059】
保温膜13を形成した後、フォトリソグラフィーの技術を用いてレジストマスクを形成し、保温膜13における不要な部分をエッチングして、保温膜14を形成する。前記エッチングにはフッ素系のガスを用いたドライエッチング法を用いても良いし、フッ素系の水溶液を用いたウエットエッチング法を用いても良い。前記ウエットエッチング法を選択する場合には、例えば、フッ化水素アンモニウム(NH4HF2)を7.13%とフッ化アンモニウム(NH4F)を15.4%含む混合液(ステラケミファ社製、商品名LAL500)でエッチングしても良い。
【0060】
続いて、前記保温膜14からの不純物が後工程で形成する半導体膜中に拡散するのを防ぐため、第1の絶縁膜15を形成する。第1の絶縁膜15として公知の手段(LPCVD法、プラズマCVD法等)により窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜または酸化珪素膜などで形成する。
【0061】
フォトリソグラフィーの技術を用いてレジストマスクを形成し、第1の絶縁膜15における不要な部分をエッチングして、第1の絶縁膜16を形成する。前記エッチングにはフッ素系のガスを用いたドライエッチング法を用いても良いし、フッ素系の水溶液を用いたウエットエッチング法を用いても良い。前記ウエットエッチング法を選択する場合には、例えば、フッ化水素アンモニウム(NH4HF2)を7.13%とフッ化アンモニウム(NH4F)を15.4%含む混合液(ステラケミファ社製、商品名LAL500)でエッチングしても良い。
【0062】
次に、半導体膜17をプラズマCVD法やスパッタ法などの公知の手段で10〜200nm(好ましくは30〜100nm)の厚さに形成する。但し、前記半導体膜17としては、非晶質半導体膜や微結晶半導体膜、多結晶半導体膜などがあり、非晶質珪素ゲルマニウム膜などの非晶質構造を有する化合物半導体膜を適用しても良い。本実施例では、プラズマCVD法を用い、55nmの非晶質珪素膜を成膜する。
【0063】
前記半導体膜17上に後工程で形成する反射膜からの不純物が前記半導体膜中に拡散するのを防ぐため、第2の絶縁膜18を形成する。前記絶縁膜18として、公知の手段(LPCVD法、プラズマCVD法等)により窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜または酸化珪素膜などで形成する。本実施例では膜厚50nmの酸化窒化珪素膜(組成比Si=32%、O=27%、N=24%、H=17%)を形成する。
【0064】
前記第2の絶縁膜18上に反射膜19を形成する。前記反射膜19として、金属膜を形成するなら、スパッタ法や蒸着法など公知の手段により10〜200nm(好ましくは10〜100nm)の厚さに形成する。前記金属膜として、Ta、W、Ti、Mo、Al、Cu、Cr、Ndから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成してもよい。また、AgPdCu合金を用いてもよい。本実施例では膜厚50nmのCr膜を形成した。
【0065】
前記反射膜19を形成した後、フォトリソグラフィーの技術を用いてレジストマスクを形成し、不要な部分をエッチングして、反射膜20を形成する。反射膜20の形状は特に限定しないが、上面形状は少なくとも1つの角度が60度未満である頂点を有する多角形であるのが望ましい。以下、角度が60度未満の頂点を頂点Aとする。このような形状にすれば、レーザビームを照射し、半導体膜が冷却する過程において、前記頂点A付近の下方に存在する半導体膜中での結晶核の生成密度を低くし、成長する結晶粒同士が衝突し合うのを防ぐことが出来るからである。
【0066】
続いて、第2の絶縁膜18において、反射膜と重なる領域以外の第2の絶縁膜をフォトリソグラフィーの技術を用いてレジストマスクを形成し、エッチングして第2の絶縁膜21を形成する。
【0067】
図2(A)は基板の表面側からレーザビームを照射する結晶化工程を説明する図である。レーザアニール法による結晶化は、まず半導体膜が含有する水素を放出させておくことが望ましく、400〜500℃で窒素雰囲気に1時間程度曝して、含有する水素量を5atom%以下にしておくと良い。これにより、膜の耐レーザ性が著しく向上する。
【0068】
レーザアニール法において用いるレーザ発振器について説明する。エキシマレーザは大出力で、現状で300Hz程度の高周波パルスを発振出来るため、良く用いられている。また、パルス発振のエキシマレーザだけでなく、連続発振のエキシマレーザや、Arレーザ、YAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ等も用いることが出来る。また、レーザビームの照射は真空中、大気中、窒素雰囲気中などで行うことが出来る。さらに、レーザビームを照射する際に基板を500度程度まで加熱しても良い。こうすることで半導体膜における熱の流出速度の低下が期待され、結晶粒の粒径を拡大することが出来る。
【0069】
本実施例では、パルス発振のXeClエキシマレーザ発振器を用い、また、大気中で、基板の表面側からレーザビームを照射し、前記半導体膜の結晶化を行う。
【0070】
ここで、図2(B)および(C)に示すように、反射膜の両端を境界とし、保温膜14を含む領域を領域A、反射膜20を含む領域を領域B、保温膜14および反射膜20を含まない領域を領域Cとする。
【0071】
レーザビームが照射されることにより、半導体膜は溶融状態になる。しかし、領域Bの半導体膜は前記半導体膜上に反射膜が存在し、前記反射膜によってレーザビームが反射されるため、領域Aおよび領域Cの半導体膜に比べて、領域Bの半導体膜はレーザビームの実効的な照射強度が低くなる。そのため、反射膜の下方には固相半導体領域23が残存し、レーザビームの照射後、直ちに前記固相半導体領域23から半導体膜の内部に生じた温度勾配を利用して結晶成長する。特に、頂点A付近の固相半導体領域23では、前記頂点Aの角度が60度未満と狭いため、結晶核24の生成密度は低くなっており、さらに、領域Aの半導体膜は保温膜14の存在により溶融状態が長く続くため、前記結晶核24は領域Aに向かって結晶成長が進行する。このようにして、領域Aの半導体膜において大粒径の結晶粒が形成される。また、領域Cでは半導体膜の下方に保温膜14が存在しないため、領域Aよりも冷却が早く、結晶核が生成し、結晶成長が起こる。
【0072】
レーザビームを照射して形成された前記結晶質半導体膜25は、3〜100%の水素を含む雰囲気中で300〜450℃の加熱処理、あるいは、プラズマによって生成された水素を含む雰囲気中で200〜450℃の加熱処理によって、残留する欠陥を減少することができる。
【0073】
反射膜をフォトリソグラフィー法等により除去した後、第2の絶縁膜をフォトリソグラフィー法等により除去する。
【0074】
このようにして作製された結晶質半導体膜25において、図2(C)の上面図に示すように、大粒径の結晶粒が形成された領域26をチャネル形成領域として、TFTを作製することにより、前記TFTの電気的特性を向上させることが出来る。
【0075】
[実施例2]
本実施例は、実施例1と異なる作製方法の一例を示す。なお、本実施例は、実施例1とは保温膜13の形成方法の工程が異なっているだけでその後の工程は実施例1と同一であるため省略する。
【0076】
まず、実施例1と同様に基板を用意する。基板11には、合成石英ガラス基板、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラスなどの無アルカリガラスと言ったガラス基板、またはPC(ポリカーボネート)、PAr(ポリアリレート)、PES(ポリエーテルスルホン)、PET(ポリエチレンテレフタラート)と言った透明フィルムを用いても良い。例えば、コーニング社製の7059ガラスや1737ガラスなどを好適に用いることが出来る。
【0077】
前記基板11の上に下地絶縁膜12を公知の手段(LPCVD法、プラズマCVD法等)により窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜または酸化珪素膜などで形成する。本実施例では膜厚50nmの酸化窒化珪素膜(組成比Si=32%、O=27%、N=24%、H=17%)を形成する。
【0078】
前記下地絶縁膜12上に保温膜13をメチル(CH3)基、エチル(C2H5)基、プロピル(C3H7)基、ブチル(C4H9)基、ビニル(C2H3)基、フェニル(C6H5)基、CF3基のいずれかを含有する酸化珪素膜で形成する方法について説明する。その作製方法の一例は、TEOSとO2とを混合し、反応圧力20〜100Pa、基板温度200〜350℃として、高周波(13.56MHz)、電力密度0.1〜0.5W/cm2でグロー放電を形成する。最適な作製条件は実際に使用する装置の特性にも依存するが、基板温度と電力密度を低下させて未分解のCxHy結合を残留させることにより官能基含有酸化珪素膜を形成することができる。本実施例では膜厚50nmのメチル基含有酸化珪素膜を形成する。
【0079】
前記保温膜13の熱伝導率は、石英基板の場合は1.4W/m・kで、酸化珪素膜では1〜2W/m・kであることから、1.0W/m・k以下、好ましくは0.3W/m・k以下であることが望ましい。
【0080】
保温膜13を形成した後、フォトリソグラフィーの技術を用いてレジストマスクを形成し、保温膜13における不要な部分をエッチングして、保温膜14を形成する。前記エッチングにはフッ素系のガスを用いたドライエッチング法を用いても良いし、フッ素系の水溶液を用いたウエットエッチング法を用いても良い。前記ウエットエッチング法を選択する場合には、例えば、フッ化水素アンモニウム(NH4HF2)を7.13%とフッ化アンモニウム(NH4F)を15.4%含む混合液(ステラケミファ社製、商品名LAL500)でエッチングしても良い。
【0081】
以降の工程は、実施例1に従えば、図2(C)で示す結晶質半導体膜を形成することができ、図2(C)の上面図に示すように、大粒径の結晶粒が形成された領域26をチャネル形成領域として、TFTを作製することにより、前記TFTの電気的特性を向上させることが出来る。
【0082】
[実施例3]
本実施例は、実施例1および実施例2と異なる作製方法の一例を示す。なお、本実施例は、実施例1とは保温膜13の形成方法の工程が異なっているだけでその後の工程は実施例1と同一であるため省略する。
【0083】
まず、実施例1と同様に基板を用意する。基板11には、合成石英ガラス基板、バリウムホウケイ酸ガラスアルミノホウケイ酸ガラスなどの無アルカリガラスと言ったガラス基板、またはPC(ポリカーボネート)、PAr(ポリアリレート)、PES(ポリエーテルスルホン)、PET(ポリエチレンテレフタラート)と言った透明フィルムを用いても良い。例えば、コーニング社製の7059ガラスや1737ガラスなどを好適に用いることが出来る。
【0084】
前記基板11の上に下地絶縁膜12を公知の手段(LPCVD法、プラズマCVD法等)により窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜または酸化珪素膜などで形成する。本実施例では膜厚50nmの酸化窒化珪素膜(組成比Si=32%、O=27%、N=24%、H=17%)を形成する。
【0085】
前記下地絶縁膜12上に保温膜13として、フェニル基含有の酸化珪素膜を形成する。その作製方法の一例は、フェニルトリクロロシラン(PhSiCl3)と水(H2O)の混合気体を60〜100℃に加熱した基板上に直接形成させる。本実施例では膜厚50nmのフェニル基含有酸化珪素膜を形成した。
【0086】
前記保温膜13の熱伝導率は、石英基板の場合は1.4W/m・kで、酸化珪素膜では1〜2W/m・kであることから、1.0W/m・k以下、好ましくは0.3W/m・k以下であることが望ましい。
【0087】
保温膜13を形成した後、フォトリソグラフィーの技術を用いてレジストマスクを形成し、保温膜13における不要な部分をエッチングして、保温膜14を形成する。前記エッチングにはフッ素系のガスを用いたドライエッチング法を用いても良いし、フッ素系の水溶液を用いたウエットエッチング法を用いても良い。前記ウエットエッチング法を選択する場合には、例えば、フッ化水素アンモニウム(NH4HF2)を7.13%とフッ化アンモニウム(NH4F)を15.4%含む混合液(ステラケミファ社製、商品名LAL500)でエッチングしても良い。
【0088】
以降の工程は、実施例1に従えば、図2(C)で示す結晶質半導体膜を形成することができ、図2(C)の上面図に示すように、大粒径の結晶粒が形成された領域26をチャネル形成領域として、TFTを作製することにより、前記TFTの電気的特性を向上させることが出来る。
【0089】
[実施例4]
本実施例は、実施例1乃至実施例3と異なる作製方法の一例を示す。なお、本実施例は、実施例1とは保温膜13の形成方法の工程が異なっているだけでその後の工程は実施例1と同一であるため省略する。
【0090】
まず、実施例1と同様に基板を用意する。基板11には、合成石英ガラス基板、バリウムホウケイ酸ガラスアルミノホウケイ酸ガラスなどの無アルカリガラスと言ったガラス基板、またはPC(ポリカーボネート)、PAr(ポリアリレート)、PES(ポリエーテルスルホン)、PET(ポリエチレンテレフタラート)と言った透明フィルムを用いても良い。例えば、コーニング社製の7059ガラスや1737ガラスなどを好適に用いることが出来る。
【0091】
前記基板11の上に下地絶縁膜12を公知の手段(LPCVD法、プラズマCVD法等)により窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜または酸化珪素膜などで形成する。本実施例では膜厚50nmの酸化窒化珪素膜(組成比Si=32%、O=27%、N=24%、H=17%)を形成した。
【0092】
前記下地絶縁膜12上に保温膜13として、CF3基を含有する酸化珪素膜を形成する。その作製方法の一例は、CF3Si(CH3)3とオゾン(O3)の混合気体を300〜400℃に加熱した基板上に堆積させることができる。本実施例では膜厚50nmのCF3基を含有する酸化珪素膜を形成した。
【0093】
前記保温膜13の熱伝導率は、石英基板の場合は1.4W/m・kで、酸化珪素膜では1〜2W/m・kであることから、1.0W/m・k以下、好ましくは0.3W/m・k以下であることが望ましい。
【0094】
保温膜13を形成した後、フォトリソグラフィーの技術を用いてレジストマスクを形成し、保温膜13における不要な部分をエッチングして、保温膜14を形成する。前記エッチングにはフッ素系のガスを用いたドライエッチング法を用いても良いし、フッ素系の水溶液を用いたウエットエッチング法を用いても良い。前記ウエットエッチング法を選択する場合には、例えば、フッ化水素アンモニウム(NH4HF2)を7.13%とフッ化アンモニウム(NH4F)を15.4%含む混合液(ステラケミファ社製、商品名LAL500)でエッチングしても良い。
【0095】
以降の工程は、実施例1に従えば、図2(C)で示す結晶質半導体膜を形成することができ、図2(C)の上面図に示すように、大粒径の結晶粒が形成された領域26をチャネル形成領域として、TFTを作製することにより、前記TFTの電気的特性を向上させることが出来る。
【0096】
[実施例5]
本実施例は、実施例1乃至実施例4と異なる作製方法の一例を示す。なお、本実施例は、実施例1とは保温膜13の形成方法の工程が異なっているだけでその後の工程は実施例1と同一であるため、省略する。
【0097】
まず、実施例1と同様に基板を用意する。基板11には、合成石英ガラス基板、バリウムホウケイ酸ガラスアルミノホウケイ酸ガラスなどの無アルカリガラスと言ったガラス基板、またはPC(ポリカーボネート)、PAr(ポリアリレート)、PES(ポリエーテルスルホン)、PET(ポリエチレンテレフタラート)と言った透明フィルムを用いても良い。例えば、コーニング社製の7059ガラスや1737ガラスなどを好適に用いることが出来る。
【0098】
前記基板11の上に下地絶縁膜12を公知の手段(LPCVD法、プラズマCVD法等)により窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜または酸化珪素膜などで形成する。本実施例では膜厚50nmの酸化窒化珪素膜(組成比Si=32%、O=27%、N=24%、H=17%)を形成した。
【0099】
前記下地絶縁膜12上に保温膜13として、多孔質珪素膜で形成する。多孔質珪素膜の作製方法の一例はSOG溶液にヨウ素液をスピンコートにより添加し、乾燥させてヨウ素を離脱させる。その後400℃程度の熱処理を行って成膜することが出来る。本実施例では膜厚50nmの多孔質珪素膜を形成した。
【0100】
前記保温膜13の熱伝導率は、石英基板の場合は1.4W/m・kで、酸化珪素膜では1〜2W/m・kであることから、1.0W/m・k以下、好ましくは0.3W/m・k以下であることが望ましい。
【0101】
これらのうち、いずれかの方法で保温膜13を形成した後、フォトリソグラフィーの技術を用いてレジストマスクを形成し、保温膜13における不要な部分をエッチングして、保温膜14を形成する。前記エッチングにはフッ素系のガスを用いたドライエッチング法を用いても良いし、フッ素系の水溶液を用いたウエットエッチング法を用いても良い。前記ウエットエッチング法を選択する場合には、例えば、フッ化水素アンモニウム(NH4HF2)を7.13%とフッ化アンモニウム(NH4F)を15.4%含む混合液(ステラケミファ社製、商品名LAL500)でエッチングしても良い。
【0102】
続いて、前記保温膜14を多孔質珪素膜で形成した場合、前記保温膜14の表面には約1011個/cm2の空孔があるため、前記保温膜の表面を平坦化するために、公知の手段により窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜または酸化珪素膜などで第1の絶縁膜15を形成する。
【0103】
以降の工程は、実施例1に従えば、図2(C)で示す結晶質半導体膜を形成することができ、図2(C)の上面図に示すように、大粒径の結晶粒が形成された領域26をチャネル形成領域として、TFTを作製することにより、前記TFTの電気的特性を向上させることが出来る。
【0104】
[実施例6]
本実施例は、実施例1乃至実施例5と異なる作製方法の一例を示す。なお、本実施例は、実施例1とは保温膜13の形成方法の工程が異なっているだけでその後の工程は実施例1と同一であるため、省略する。
【0105】
まず、実施例1と同様に基板を用意する。基板11には、合成石英ガラス基板、バリウムホウケイ酸ガラスアルミノホウケイ酸ガラスなどの無アルカリガラスと言ったガラス基板、またはPC(ポリカーボネート)、PAr(ポリアリレート)、PES(ポリエーテルスルホン)、PET(ポリエチレンテレフタラート)と言った透明フィルムを用いても良い。例えば、コーニング社製の7059ガラスや1737ガラスなどを好適に用いることが出来る。
【0106】
前記基板11の上に下地絶縁膜12を公知の手段(LPCVD法、プラズマCVD法等)により窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜または酸化珪素膜などで形成する。本実施例では膜厚50nmの酸化窒化珪素膜(組成比Si=32%、O=27%、N=24%、H=17%)を形成した。
【0107】
前記下地絶縁膜12上に保温膜13として、多孔質酸化珪素膜で形成する。多孔質酸化珪素膜はシリコン基板を陽極化成することによって容易に作製することができる。このシリコン基板はCZシリコン、FZシリコンなどの半導体級に限定されず、太陽電池級(SOGグレード)のシリコン基板を用いても良い。また、ガラス基板や石英基板上に珪素膜を形成したもので代用することも可能である。陽極化成液はフッ酸(HF)とエタノールを1対1の割合で混合したものを用い、電流密度は1〜200mA/cm2として行う。多孔質酸化珪素膜は1〜5μmで形成する。こうして基板に多孔質酸化珪素膜からなる保温膜13を形成する。
【0108】
また、前記保温膜13の熱伝導率は、石英基板の場合は1.4W/m・kで、酸化珪素膜では1〜2W/m・kであることから、1.0W/m・k以下、好ましくは0.3W/m・k以下であることが望ましい。
【0109】
これらのうち、いずれかの方法で保温膜13を形成した後、フォトリソグラフィーの技術を用いてレジストマスクを形成し、保温膜13における不要な部分をエッチングして、保温膜14を形成する。前記エッチングにはフッ素系のガスを用いたドライエッチング法を用いても良いし、フッ素系の水溶液を用いたウエットエッチング法を用いても良い。前記ウエットエッチング法を選択する場合には、例えば、フッ化水素アンモニウム(NH4HF2)を7.13%とフッ化アンモニウム(NH4F)を15.4%含む混合液(ステラケミファ社製、商品名LAL500)でエッチングしても良い。
【0110】
続いて、前記保温膜14を多孔質酸化珪素膜で形成した場合、前記保温膜14の表面には約1011個/cm2の空孔があるため、前記保温膜14の表面を平坦化するために、公知の手段により窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜または酸化珪素膜などで第1の絶縁膜15を形成する。
【0111】
以降の工程は、実施例1に従えば、図2(C)で示す結晶質半導体膜を形成することができ、図2(C)の上面図に示すように、大粒径の結晶粒が形成された領域26をチャネル形成領域として、TFTを作製することにより、前記TFTの電気的特性を向上させることが出来る。
【0112】
[実施例7]
本実施例は、実施例1乃至実施例6と異なる作製方法の一例を示す。なお、本実施例は、実施例1とは第2の絶縁膜18の形成の工程が異なっているだけでその前の工程は実施例1と同一であるため省略する。
【0113】
実施例1にしたがって、図1(C)の半導体膜17の形成まで行う。
【0114】
前記半導体膜17上に後工程で形成する反射膜からの不純物が前記半導体膜中に拡散するのを防ぐため、第2の絶縁膜18を形成する。また、前記第2の絶縁膜18を同時に反射防止膜としても機能させるため、図3に示したように、レーザビームの波長に応じた最適な膜厚にする必要がある。前記第2の絶縁膜18として、公知の手段(LPCVD法、プラズマCVD法等)により窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜または酸化珪素膜などで形成する。本実施例ではプラズマCVD法により、酸化珪素膜を45nm成膜する。
【0115】
前記第2の絶縁膜18上に反射膜19を形成する。前記反射膜19として、金属膜を形成するなら、スパッタ法や蒸着法など公知の手段により10〜200nm(好ましくは10〜100nm)の厚さに形成する。前記金属膜として、Ta、W、Ti、Mo、Al、Cu、Cr、Ndから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成してもよい。また、AgPdCu合金を用いてもよい。本実施例では膜厚50nmのCr膜を形成する。
【0116】
前記反射膜19を形成した後、フォトリソグラフィーの技術を用いてレジストマスクを形成し、不要な部分をエッチングして、反射膜20を形成する。反射膜20の形状は特に限定しないが、上面形状は少なくとも1つの角度が60度未満である頂点を有する多角形であるのが望ましい。さらに、前記頂点は前記第1の絶縁膜、前記半導体膜および前記第2の絶縁膜を介して前記保温膜の端面と一致するのが望ましい。以下、角度が60度未満の頂点を頂点Aとする。このような形状にすれば、レーザビームを照射し、半導体膜が冷却する過程において、前記頂点A付近の下方に存在する半導体膜中での結晶核の生成密度を低くし、成長する結晶粒同士が衝突し合うのを防ぐことが出来るからである(図7(A))。
【0117】
図7(B)は基板の表面側からレーザビームを照射する結晶化工程を説明する図である。レーザアニール法による結晶化は、まず半導体膜が含有する水素を放出させておくことが望ましく、400〜500℃で窒素雰囲気に1時間程度曝して、含有する水素量を5atom%以下にしておくと良い。これにより、膜の耐レーザ性が著しく向上する。
【0118】
レーザアニール法において用いるレーザ発振器について説明する。エキシマレーザは大出力で、現状で300Hz程度の高周波パルスを発振出来るため、良く用いられている。また、パルス発振のエキシマレーザだけでなく、連続発振のエキシマレーザや、Arレーザ、YAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ等も用いることが出来る。また、レーザビームの照射は真空中、大気中、窒素雰囲気中などで行うことが出来る。さらに、レーザビームを照射する際に基板を500度程度まで加熱しても良い。こうすることで半導体膜における熱の流出速度の低下が期待され、結晶粒の粒径を拡大することが出来る。
【0119】
前述のいずれかのレーザ発振器を用い、また、いずれかの雰囲気中で、基板の表面側からレーザビームを照射し、前記半導体膜の結晶化を行う。
【0120】
ここで、図8に示すように、反射膜の両端を境界とし、保温膜14を含む領域を領域A、反射膜20を含む領域を領域B、反射膜14および反射膜20を含まない領域を領域Cとする。
【0121】
レーザビームが照射されることにより、半導体膜は溶融状態になる。しかし、領域Bの半導体膜は前記半導体膜上に反射膜が存在し、前記反射膜によってレーザビームが反射されるため、領域Aおよび領域Cの半導体膜に比べて、領域Bの半導体膜はレーザビームの実効的な照射強度が低くなる。そのため、反射膜の下方には固相半導体領域33が残存し、レーザビームの照射後、直ちに前記固相半導体領域33から半導体膜の内部に生じた温度勾配を利用して結晶成長する。一方、領域Aおよび領域Cは反射防止膜の効果により、レーザビームの実効的な照射強度が高くなる。特に、頂点A付近の固相半導体領域33では、前記頂点Aの角度が60度未満と狭いため、結晶核34の生成密度は低くなっており、さらに、領域Aの半導体膜は保温膜14の存在により溶融状態が長く続くため、前記結晶核34は領域Aに向かって結晶成長が進行する。このようにして、領域Aの半導体膜において大粒径の結晶粒が形成される。また、領域Cでは半導体膜の下方に保温膜14が存在しないため、領域Aよりも冷却が早く、結晶核が生成し、結晶成長が起こる。
【0122】
レーザビームを照射して形成された前記結晶質半導体膜35は、3〜100%の水素を含む雰囲気中で300〜450℃の加熱処理、あるいは、プラズマによって生成された水素を含む雰囲気中で200〜450℃の加熱処理によって、残留する欠陥を減少することができる。
【0123】
反射膜をフォトリソグラフィー法等により除去した後、第2の絶縁膜をフォトリソグラフィー法等により除去する。
【0124】
このようにして作製された結晶質半導体膜35において、図8(B)の上面図に示すように、大粒径の結晶粒が形成された領域36をチャネル形成領域として、TFTを作製することにより、前記TFTの電気的特性を向上させることが出来る。
【0125】
なお、本実施例は、実施例1乃至6のいずれか一と自由に組み合わせることができる。
【0126】
[実施例8]
ここでは、同一基板上に画素部と、画素部の周辺に設ける駆動回路のTFT(nチャネル型TFT及びpチャネル型TFT)を同時に作製する方法について詳細に図9〜図12を用いて説明する。なお、本明細書では駆動回路と、画素TFT及び保持容量とを有する画素部を同一基板上に形成された基板を、便宜上アクティブマトリクス基板と呼ぶ。
【0127】
実施例1乃至7のいずれかの方法により、図9(A)で示す結晶質半導体膜を得る。本実施例では、図9(A)の断面と、図2(C)または図8(B)の鎖線A―A’で切断した断面を対応させてTFTを作製する方法について説明するが、実施例1乃至7で結晶質半導体膜を形成する際に用いた断面と同じ断面を用いてTFTを作製することもできる。なお、図9(A)において、101a〜101fは保温膜であり、102a〜102fは保温膜からの不純物の拡散を防ぐための絶縁膜である。
【0128】
まず、前記結晶質半導体膜を所望の形状にパターニングして半導体膜103a〜103fを形成する。本実施例では、前記結晶質半導体膜に対しフォトリソグラフィー法を用いたパターニング処理によって、半導体膜103a〜103fを形成する。
【0129】
また、半導体膜103a〜103fを形成した後、TFTのしきい値を制御するために微量な不純物元素(ボロンまたはリン)のドーピングを行ってもよい。
【0130】
次いで、半導体膜103a〜103fを覆うゲート絶縁膜107を形成する。ゲート絶縁膜107はプラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを40〜150nmとして珪素を含む絶縁膜で形成する。本実施例では、プラズマCVD法により110nmの厚さで酸化窒化珪素膜(組成比Si=32%、O=59%、N=7%、H=2%)で形成する。勿論、ゲート絶縁膜は酸化窒化珪素膜に限定されるものでなく、他の珪素を含む絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。
【0131】
また、酸化珪素膜を用いる場合には、プラズマCVD法でTEOS(Tetraethyl Orthosilicate)とO2とを混合し、反応圧力40Pa、基板温度300〜400℃とし、高周波(13.56MHz)電力密度0.5〜0.8W/cm2で放電させて形成することができる。このようにして作製される酸化珪素膜は、その後400〜500℃の熱アニールによりゲート絶縁膜として良好な特性を得ることができる。
【0132】
次いで、図9(A)に示すように、ゲート絶縁膜107上に膜厚20〜100nmの第1の導電膜108と、膜厚100〜400nmの第2の導電膜109とを積層形成する。本実施例では、膜厚30nmのTaN膜からなる第1の導電膜108と、膜厚370nmのW膜からなる第2の導電膜109を積層形成する。TaN膜はスパッタ法で形成し、Taのターゲットを用い、窒素を含む雰囲気内でスパッタする。また、W膜は、Wのターゲットを用いたスパッタ法で形成する。その他に6フッ化タングステン(WF6)を用いる熱CVD法で形成することもできる。いずれにしてもゲート電極として使用するためには低抵抗化を図る必要があり、W膜の抵抗率は20μΩcm以下にすることが望ましい。W膜は結晶粒を大きくすることで低抵抗率化を図ることができるが、W膜中に酸素などの不純物元素が多い場合には結晶化が阻害され高抵抗化する。従って、本実施例では、高純度のW(純度99.9999%)のターゲットを用いたスパッタ法で、さらに成膜時に気相中からの不純物の混入がないように十分配慮してW膜を形成することにより、抵抗率9〜20μΩcmを実現することができる。
【0133】
なお、本実施例では、第1の導電膜108をTaN、第2の導電膜109をWとしているが、特に限定されず、いずれもTa、W、Ti、Mo、Al、Cu、Cr、Ndから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成してもよい。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素膜に代表される半導体膜を用いてもよい。また、AgPdCu合金を用いてもよい。また、第1の導電膜をタンタル(Ta)膜で形成し、第2の導電膜をW膜とする組み合わせ、第1の導電膜を窒化チタン(TiN)膜で形成し、第2の導電膜をW膜とする組み合わせ、第1の導電膜を窒化タンタル(TaN)膜で形成し、第2の導電膜をAl膜とする組み合わせ、第1の導電膜を窒化タンタル(TaN)膜で形成し、第2の導電膜をCu膜とする組み合わせとしてもよい。
【0134】
次に、フォトリソグラフィー法を用いてレジストからなるマスク110〜115を形成し、電極及び配線を形成するための第1のエッチング処理を行う。第1のエッチング処理では第1及び第2のエッチング条件で行う。本実施例では第1のエッチング条件として、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用い、エッチング用ガスにCF4とCl2とO2とを用い、それぞれのガス流量比を25:25:10(sccm)とし、1Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成してエッチングを行う。ここでは、松下電器産業(株)製のICPを用いたドライエッチング装置(Model E645−□ICP)を用いる。基板側(試料ステージ)にも150WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。この第1のエッチング条件によりW膜をエッチングして第1の導電層の端部をテーパー形状とする。
【0135】
この後、レジストからなるマスク110〜115を除去せずに第2のエッチング条件に変え、エッチング用ガスにCF4とCl2とを用い、それぞれのガス流量比を30:30(sccm)とし、1Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成して約30秒程度のエッチングを行う。基板側(試料ステージ)にも20WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。CF4とCl2を混合した第2のエッチング条件ではW膜及びTaN膜とも同程度にエッチングされる。なお、ゲート絶縁膜上に残渣を残すことなくエッチングするためには、10〜20%程度の割合でエッチング時間を増加させると良い。
【0136】
上記第1のエッチング処理では、レジストからなるマスクの形状を適したものとすることにより、基板側に印加するバイアス電圧の効果により第1の導電層及び第2の導電層の端部がテーパー形状となる。このテーパー部の角度は15〜45°となる。こうして、第1のエッチング処理により第1の導電層と第2の導電層から成る第1の形状の導電層117〜122(第1の導電層117a〜122aと第2の導電層117b〜122b)を形成する。116はゲート絶縁膜であり、第1の形状の導電層117〜122で覆われない領域は20〜50nm程度エッチングされ薄くなった領域が形成される。
【0137】
そして、レジストからなるマスクを除去せずに第1のドーピング処理を行い、半導体層にn型を付与する不純物元素を添加する。(図9(B))ドーピング処理はイオンドープ法、若しくはイオン注入法で行えば良い。イオンドープ法の条件はドーズ量を1×1013〜5×1015atoms/cm2とし、加速電圧を60〜100keVとして行う。本実施例ではドーズ量を1.5×1015atoms/cm2とし、加速電圧を80keVとして行う。n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いるが、ここではリン(P)を用いる。この場合、導電層117〜121がn型を付与する不純物元素に対するマスクとなり、自己整合的に高濃度不純物領域123〜127が形成される。高濃度不純物領域123〜127には1×1020〜1×1021atoms/cm3の濃度範囲でn型を付与する不純物元素を添加する。
【0138】
次いで、レジストからなるマスクを除去せずに第2のエッチング処理を行う。ここでは、エッチングガスにCF4とCl2とO2とを用い、W膜を選択的にエッチングする。この時、第2のエッチング処理により第2の導電層128b〜133bを形成する。一方、第1の導電層117a〜122aは、ほとんどエッチングされず、第1の導電層128a〜133aを形成する。次いで、第2のドーピング処理を行って図9(C)の状態を得る。ドーピングは第2の導電層128b〜133bを不純物元素に対するマスクとして用い、第1の導電層のテーパー部の下方の半導体層に不純物元素が添加されるようにドーピングする。こうして、第1の導電層と重なる不純物領域134〜138を形成する。この不純物領域へ添加されたリン(P)の濃度は、第1の導電層のテーパー部の膜厚に従って緩やかな濃度勾配を有している。なお、第1の導電層のテーパー部と重なる半導体層において、第1の導電層のテーパー部の端部から内側に向かって若干、不純物濃度が低くなっているものの、ほぼ同程度の濃度である。また、第1の不純物領域123〜127にも不純物元素が添加され、不純物領域139〜143を形成する。
【0139】
次いで、レジストからなるマスクを除去せずに第3のエッチング処理を行う。この第3のエッチング処理では第1の導電層のテーパー部を部分的にエッチングして、半導体層と重なる領域を縮小するために行われる。第3のエッチングは、エッチングガスにCHF3を用い、反応性イオンエッチング法(RIE法)を用いて行う。またICP法を用いて行うこともできる。第3のエッチングにより、第1の導電層144〜149が形成される。この時、同時に絶縁膜116もエッチングされて、絶縁膜150、151が形成される。
【0140】
上記第3のエッチングによって、第1の導電層144〜148と重ならない不純物領域(LDD領域)134a〜138aが形成される。なお、不純物領域(GOLD領域)134b〜138bは、第1の導電層144〜148と重なったままである。
【0141】
このようにすることで、本実施例は、第1の導電層144〜148と重なる不純物領域(GOLD領域)134b〜138bにおける不純物濃度と、第1の導電層144〜148と重ならない不純物領域(LDD領域)134a〜138aにおける不純物濃度との差を小さくすることができ、信頼性を向上させることができる。
【0142】
次いで、レジストからなるマスクを除去した後、新たにレジストからなるマスク152〜154を形成して第3のドーピング処理を行う。この第3のドーピング処理により、pチャネル型TFTの活性層となる半導体層に前記一導電型とは逆の導電型を付与する不純物元素が添加された不純物領域155〜160を形成する。第1の導電層128a〜132aを不純物元素に対するマスクとして用い、p型を付与する不純物元素を添加して自己整合的に不純物領域を形成する。本実施例では、不純物領域155〜160はジボラン(B2H6)を用いたイオンドープ法で形成する。この第3のドーピング処理の際には、nチャネル型TFTを形成する半導体層はレジストからなるマスク152〜154で覆われている。第1のドーピング処理及び第2のドーピング処理によって、不純物領域155〜160にはそれぞれ異なる濃度でリンが添加されているが、そのいずれの領域においてもp型を付与する不純物元素の濃度を2×1020〜2×1021atoms/cm3となるようにドーピング処理することにより、pチャネル型TFTのソース領域およびドレイン領域として機能するために何ら問題は生じない。本実施例では、pチャネル型TFTの活性層となる半導体層の一部が露呈しているため、不純物元素(ボロン)を添加しやすい利点を有している。
【0143】
以上までの工程でそれぞれの半導体層に不純物領域が形成される。
【0144】
次いで、レジストからなるマスク152〜154を除去して第1の層間絶縁膜161を形成する。この第1の層間絶縁膜161としては、プラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを100〜200nmとして珪素を含む絶縁膜で形成する。本実施例では、プラズマCVD法により膜厚150nmの酸化窒化珪素膜を形成した。勿論、第1の層間絶縁膜161は酸化窒化珪素膜に限定されるものでなく、他の珪素を含む絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。
【0145】
次いで、図10(C)に示すように、それぞれの半導体層に添加された不純物元素を活性化処理する工程を行う。この活性化工程はファーネスアニール炉を用いる熱アニール法で行う。熱アニール法としては、酸素濃度が1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下の窒素雰囲気中で400〜700℃、代表的には500〜550℃で行えばよく、本実施例では550℃、4時間の熱処理で活性化処理を行った。なお、熱アニール法の他に、レーザアニール法、またはラピッドサーマルアニール法(RTA法)を適用することができる。
【0146】
なお、本実施例では、上記活性化処理と同時に、結晶化の際に触媒として使用したニッケルが高濃度のリンを含む不純物領域139、141、142、155、158にゲッタリングされ、主にチャネル形成領域となる半導体層中のニッケル濃度が低減される。このようにして作製したチャネル形成領域を有するTFTはオフ電流値が下がり、結晶性が良いことから高い電界効果移動度が得られ、良好な電気的特性を達成することができる。
【0147】
また、第1の層間絶縁膜を形成する前に活性化処理を行っても良い。ただし、用いた配線材料が熱に弱い場合には、本実施例のように配線等を保護するため層間絶縁膜(珪素を主成分とする絶縁膜、例えば窒化珪素膜)を形成した後で活性化処理を行うことが好ましい。
【0148】
さらに、3〜100%の水素を含む雰囲気中で、300〜550℃で1〜12時間の熱処理を行い、半導体層を水素化する工程を行う。本実施例では水素を約3%の含む窒素雰囲気中で410℃、1時間の熱処理を行った。この工程は層間絶縁膜に含まれる水素により半導体層のダングリングボンドを終端する工程である。水素化の他の手段として、プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を用いる)を行っても良い。
【0149】
また、活性化処理としてレーザアニール法を用いる場合には、上記水素化を行った後、エキシマレーザやYAGレーザ等のレーザビームを照射することが望ましい。
【0150】
次いで、第1の層間絶縁膜161上に無機絶縁膜材料または有機絶縁物材料から成る第2の層間絶縁膜162を形成する。本実施例では、膜厚1.6μmのアクリル樹脂膜を形成したが、粘度が10〜1000cp、好ましくは40〜200cpのものを用い、表面に凸凹が形成されるものを用いた。また、第2の層間絶縁膜162として表面が平坦化する膜を用いてもよい。
【0151】
本実施例では、鏡面反射を防ぐため、表面に凸凹が形成される第2の層間絶縁膜を形成することによって画素電極の表面に凸凹を形成する。また、画素電極の表面に凹凸を持たせて光散乱性を図るため、画素電極の下方の領域に凸部を形成してもよい。その場合、凸部の形成は、TFTの形成と同じフォトマスクで行うことができるため、工程数の増加なく形成することができる。なお、この凸部は配線及びTFT部以外の画素部領域の基板上に適宜設ければよい。こうして、凸部を覆う絶縁膜の表面に形成された凸凹に沿って画素電極の表面に凸凹が形成される。
【0152】
そして、駆動回路において、各不純物領域とそれぞれ電気的に接続する配線163〜167を形成する。なお、これらの配線は、膜厚50nmのTi膜と、膜厚500nmの合金膜(AlとTiとの合金膜)との積層膜をパターニングして形成する。
【0153】
また、画素部においては、画素電極170、ゲート配線169、接続電極168を形成する。(図11)この接続電極168によりソース配線(133bと149の積層)は、画素TFTと電気的な接続が形成される。また、ゲート配線169は、画素TFTのゲート電極と電気的な接続が形成される。また、画素電極170は、画素TFTのドレイン領域と電気的な接続が形成され、さらに保持容量を形成する一方の電極として機能する半導体層158と電気的な接続が形成される。また、画素電極170としては、AlまたはAgを主成分とする膜、またはそれらの積層膜等の反射性の優れた材料を用いることが望ましい。
【0154】
以上の様にして、nチャネル型TFT501とpチャネル型TFT502からなるCMOS回路、及びnチャネル型TFT503を有する駆動回路506と、画素TFT504、保持容量505とを有する画素部を同一基板上に形成することができる。こうして、アクティブマトリクス基板が完成する。
【0155】
駆動回路506のnチャネル型TFT501はチャネル形成領域171、ゲート電極の一部を構成する第1の導電層144と重なる低濃度不純物領域134b(GOLD領域)、ゲート電極の外側に形成される低濃度不純物領域134a(LDD領域)とソース領域またはドレイン領域として機能する高濃度不純物領域139を有している。このnチャネル型TFT501と電極166で接続してCMOS回路を形成するpチャネル型TFT502にはチャネル形成領域172、ゲート電極と重なる不純物領域157、ゲート電極の外側に形成される不純物領域156、ソース領域またはドレイン領域として機能する高濃度不純物領域155を有している。また、nチャネル型TFT503にはチャネル形成領域173、ゲート電極の一部を構成する第1の導電層146と重なる低濃度不純物領域136b(GOLD領域)、ゲート電極の外側に形成される低濃度不純物領域136a(LDD領域)とソース領域またはドレイン領域として機能する高濃度不純物領域141を有している。
【0156】
画素部の画素TFT504にはチャネル形成領域174、ゲート電極の一部を構成する第1の導電層147と重なる低濃度不純物領域137b(GOLD領域)、ゲート電極の外側に形成される低濃度不純物領域137a(LDD領域)とソース領域またはドレイン領域として機能する高濃度不純物領域142を有している。また、保持容量505の一方の電極として機能する半導体層158〜160には、それぞれp型を付与する不純物元素が添加されている。保持容量505は、絶縁膜151を誘電体として、電極(148と132bの積層)と、半導体層158〜160とで形成している。
【0157】
また、本実施例の画素構造は、ブラックマトリクスを用いることなく、画素電極間の隙間が遮光されるように、画素電極の端部をソース配線と重なるように配置形成する。
【0158】
本実施例で作製するアクティブマトリクス基板の画素部の上面図を図12に示す。なお、図9〜図11に対応する部分には同じ符号を用いている。図12中の鎖線B−B’は図11中の鎖線B−B’で切断した断面図に対応している。また、図12中の鎖線C−C’は図11中の鎖線C―C’で切断した断面図に対応している。
【0159】
また、本実施例で示す工程に従えば、アクティブマトリクス基板の作製において、半導体膜を形成してから配線及び電極を形成するまでに必要なフォトマスクの数を5枚とすることができる。その結果、工程を短縮し、製造コストの低減及び歩留まりの向上に寄与することができる。
【0160】
以上の様な構成は、画素TFTおよび駆動回路が要求する仕様に応じて各回路を構成するTFTの構造を最適化し、半導体装置の動作性能と信頼性を向上させることを可能としている。さらにゲート電極を耐熱性を有する導電性材料で形成することによりLDD領域やソース領域およびドレイン領域の活性化を容易とし、ゲート配線低抵抗材料で形成することにより、配線抵抗を十分低減できる。
【0161】
なお、本実施例は実施例1乃至7のいずれか一と自由に組み合わせることが可能である。
【0162】
[実施例9]
本実施例では、実施例8で作製したアクティブマトリクス基板から、反射型液晶表示装置を作製する工程を以下に説明する。説明には図13を用いる。
【0163】
まず、実施例8に従い、図11の状態のアクティブマトリクス基板を得た後、図11のアクティブマトリクス基板上、少なくとも画素電極170上に配向膜171を形成しラビング処理を行う。なお、本実施例では配向膜171を形成する前に、アクリル樹脂膜等の有機樹脂膜をパターニングすることによって基板間隔を保持するための柱状のスペーサ(図示しない)を所望の位置に形成した。また、柱状のスペーサに代えて、球状のスペーサを基板全面に散布してもよい。
【0164】
次いで、対向基板171を用意する。次いで、対向基板171上に着色層172、173、平坦化膜174を形成する。赤色の着色層172と青色の着色層173とを重ねて、遮光部を形成する。また、赤色の着色層と緑色の着色層とを一部重ねて、遮光部を形成してもよい。
【0165】
本実施例では、実施例8に示す基板を用いている。従って、実施例8の画素部の上面図を示す図12では、少なくともゲート配線169と画素電極170の間隙と、ゲート配線169と接続電極168の間隙と、接続電極168と画素電極170の間隙を遮光する必要がある。本実施例では、それらの遮光すべき位置に着色層の積層からなる遮光部が重なるように各着色層を配置して、対向基板を貼り合わせた。
【0166】
このように、ブラックマスク等の遮光層を形成することなく、各画素間の隙間を着色層の積層からなる遮光部で遮光することによって工程数の低減を可能とした。
【0167】
次いで、平坦化膜174上に透明導電膜からなる対向電極175を少なくとも画素部に形成し、対向基板の全面に配向膜176を形成し、ラビング処理を施した。
【0168】
そして、画素部と駆動回路が形成されたアクティブマトリクス基板と対向基板とをシール材177で貼り合わせる。シール材177にはフィラーが混入されていて、このフィラーと柱状スペーサによって均一な間隔を持って2枚の基板が貼り合わせられる。その後、両基板の間に液晶材料178を注入し、封止剤(図示せず)によって完全に封止する。液晶材料178には公知の液晶材料を用いれば良い。このようにして図13に示す反射型液晶表示装置が完成する。そして、必要があれば、アクティブマトリクス基板または対向基板を所望の形状に分断する。さらに、対向基板のみに偏光板(図示しない)を貼りつけた。そして、公知の技術を用いてFPCを貼りつけた。
【0169】
以上のようにして作製される液晶表示装置は各種電子機器の表示部として用いることができる。
【0170】
なお、本実施例は実施例1乃至8のいずれか一と自由に組み合わせることが可能である。
【0171】
[実施例10]
本発明を実施して形成されたCMOS回路や画素部は様々な電気光学装置(アクティブマトリクス型液晶表示装置、アクティブマトリクス型ECディスプレイ、アクティブマトリクス型ELディスプレイ)に用いることが出来る。即ち、それら電気光学装置を表示部に組み込んだ電子機器全てに本発明を実施出来る。
【0172】
その様な電子機器としては、ビデオカメラ、デジタルカメラ、プロジェクター(リア型またはフロント型)、ヘッドマウントディスプレイ(ゴーグル型ディスプレイ)、カーナビゲーション、カーステレオ、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話または電子書籍等)などが挙げられる。それらの一例を図14、図15及び図16に示す。
【0173】
図14(A)はパーソナルコンピュータであり、本体3001、画像入力部3002、表示部3003、キーボード3004等を含む。本発明を画像入力部3002、表示部3003やその他の信号制御回路に適用することが出来る。
【0174】
図14(B)はビデオカメラであり、本体3101、表示部3102、音声入力部3103、操作スイッチ3104、バッテリー3105、受像部3106等を含む。本発明を表示部3102やその他の信号制御回路に適用することが出来る。
【0175】
図14(C)はモバイルコンピュータ(モービルコンピュータ)であり、本体3201、カメラ部3202、受像部3203、操作スイッチ3204、表示部3205等を含む。本発明は表示部3205やその他の信号制御回路に適用出来る。
【0176】
図14(D)はゴーグル型ディスプレイであり、本体3301、表示部3302、アーム部3303等を含む。本発明は表示部3302やその他の信号制御回路に適用することが出来る。
【0177】
図14(E)はプログラムを記録した記録媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレーヤーであり、本体3401、表示部3402、スピーカ部3403、記録媒体3404、操作スイッチ3405等を含む。なお、このプレーヤーは記録媒体としてDVD(Digtial Versatile Disc)、CD等を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲームやインターネットを行うことが出来る。本発明は表示部3402やその他の信号制御回路に適用することが出来る。
【0178】
図14(F)はデジタルカメラであり、本体3501、表示部3502、接眼部3503、操作スイッチ3504、受像部(図示しない)等を含む。本発明を表示部3502やその他の信号制御回路に適用することが出来る。
【0179】
図15(A)はフロント型プロジェクターであり、投射装置3601、スクリーン3602等を含む。本発明は投射装置3601の一部を構成する液晶表示装置3808やその他の信号制御回路に適用することが出来る。
【0180】
図15(B)はリア型プロジェクターであり、本体3701、投射装置3702、ミラー3703、スクリーン3704等を含む。本発明は投射装置3702の一部を構成する液晶表示装置3808やその他の信号制御回路に適用することが出来る。
【0181】
なお、図15(C)は、図15(A)及び図15(B)中における投射装置3601、3702の構造の一例を示した図である。投射装置3601、3702は、光源光学系3801、ミラー3802、3804〜3806、ダイクロイックミラー3803、プリズム3807、液晶表示装置3808、位相差板3809、投射光学系3810で構成される。投射光学系3810は、投射レンズを含む光学系で構成される。本実施例は三板式の例を示したが、特に限定されず、例えば単板式であってもよい。また、図15(C)中において矢印で示した光路に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィルムや、位相差を調節するためのフィルム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
【0182】
また、図15(D)は、図15(C)中における光源光学系3801の構造の一例を示した図である。本実施例では、光源光学系3801は、リフレクター3811、光源3812、レンズアレイ3813、3814、偏光変換素子3815、集光レンズ3816で構成される。なお、図15(D)に示した光源光学系は一例であって特に限定されない。例えば、光源光学系に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィルムや、位相差を調節するフィルム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
【0183】
ただし、図15に示したプロジェクターにおいては、透過型の電気光学装置を用いた場合を示しており、反射型の電気光学装置での適用例は図示していない。
【0184】
図16(A)は携帯電話であり、本体3901、音声出力部3902、音声入力部3903、表示部3904、操作スイッチ3905、アンテナ3906等を含む。本発明を音声出力部3902、音声入力部3903、表示部3904やその他の信号制御回路に適用することが出来る。
【0185】
図16(B)は携帯書籍(電子書籍)であり、本体4001、表示部4002、4003、記憶媒体4004、操作スイッチ4005、アンテナ4006等を含む。本発明は表示部4002、4003やその他の信号回路に適用することが出来る。
【0186】
図16(C)はディスプレイであり、本体4101、支持台4102、表示部4103等を含む。本発明は表示部4103に適用することが出来る。本発明のディスプレイは特に大画面化した場合において有利であり、対角10インチ以上(特に30インチ以上)のディスプレイには有利である。
【0187】
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。また、本実施例の電子機器は実施例1〜9のどのような組み合わせからなる構成を用いても実現することが出来る。
【0188】
【発明の効果】
本発明の構成を採用することにより、以下に示すような基本的有意性を得ることが出来る。
(a)従来のTFTの作製プロセスに適合した、簡単な構造である。
(b)スリットなどの位置決めのために、レーザ照射装置に特別なミクロン単位での精密な位置決め技術は不要であり、通常のレーザ照射装置をそのまま利用できる。
(c)半導体膜中にTFTの機能とは関係のない物質を残すことなく、デバイスの作製を行うことが出来る。
(d)以上の利点を満たした上で、位置制御した大粒径の結晶粒を作製できる方法であり、このような結晶粒を有する結晶質半導体膜を用いてTFTを作製すれば、その電気的特性は大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が開示する大粒径で位置制御された結晶粒を形成する方法の例を示す図。
【図2】 本発明が開示する大粒径で位置制御された結晶粒を形成する方法の例を示す図。
【図3】 (A)酸化珪素膜の膜厚をパラメータとし、波長308nmのレーザビームを照射したときの酸化珪素膜に対する反射率を示す図。
(B)酸化珪素膜の膜厚をパラメータとし、波長532nmのレーザビームを照射したときの酸化珪素膜に対する反射率を示す図。
【図4】 非晶質珪素膜55nmにおける波長と反射率の関係を示す図。
【図5】 金属における波長と反射率の関係を示す図。
【図6】 (A)位相シフトマスクの例を示す図。
(B)位相シフトマスクを経たレーザビームの強度分布を示す図。
(C)従来の大粒径で位置制御された結晶粒を形成する例を示す図。
【図7】 本発明が開示する大粒径で位置制御された結晶粒を形成する方法の例を示す図。
【図8】 本発明が開示する大粒径で位置制御された結晶粒を形成する方法の例を示す図。
【図9】 画素TFT、駆動回路のTFTの作製工程を示す断面図。
【図10】 画素TFT、駆動回路のTFTの作製工程を示す断面図。
【図11】 画素TFT、駆動回路のTFTの作製工程を示す断面図。
【図12】 画素TFTの構成を示す上面図。
【図13】 アクティブマトリクス型液晶表示装置の作製工程を示す断面図。
【図14】 半導体装置の例を示す図。
【図15】 半導体装置の例を示す図。
【図16】 半導体装置の例を示す図。
Claims (10)
- 絶縁表面上に保温膜を形成し、
前記絶縁表面及び前記保温膜上に半導体膜を形成し、
前記半導体膜上に反射膜を形成し、
前記反射膜のうち、前記保温膜上に形成された領域を除去し、
前記絶縁表面に対して前記半導体膜が形成されている側から前記半導体膜にレーザビームを照射して、結晶質半導体膜を形成し、
前記結晶質半導体膜のうち、前記保温膜上に形成された領域を用いて薄膜トランジスタのチャネル形成領域を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。 - 絶縁表面上に保温膜を形成し、
前記絶縁表面及び前記保温膜上に第1の絶縁膜を形成し、
前記第1の絶縁膜を部分的にエッチングし、
前記絶縁表面及び前記第1の絶縁膜上に半導体膜を形成し、
前記半導体膜上に第2の絶縁膜を形成し、
前記第2の絶縁膜上に反射膜を形成し、
前記反射膜のうち、前記保温膜上に形成された領域を除去し、
前記絶縁表面に対して前記半導体膜が形成されている側から前記半導体膜にレーザビームを照射して、結晶質半導体膜を形成し、
前記結晶質半導体膜のうち、前記保温膜上に形成された領域を用いて薄膜トランジスタのチャネル形成領域を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。 - 絶縁表面上に保温膜を形成し、
前記絶縁表面及び前記保温膜上に第1の絶縁膜を形成し、
前記第1の絶縁膜を部分的にエッチングし、
前記絶縁表面及び前記第1の絶縁膜上に半導体膜を形成し、
前記半導体膜上に第2の絶縁膜を形成し、
前記第2の絶縁膜上に反射膜を形成し、
前記反射膜のうち、前記保温膜上に形成された領域を除去し、
前記第2の絶縁膜のうち、前記反射膜と重ならない領域を除去し、
前記絶縁表面に対して前記半導体膜が形成されている側から前記半導体膜にレーザビームを照射して、結晶質半導体膜を形成し、
前記結晶質半導体膜のうち、前記保温膜上に形成された領域を用いて薄膜トランジスタのチャネル形成領域を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。 - 請求項2または3において、前記第1の絶縁膜として、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、または酸化珪素膜を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
- 請求項2乃至4のいずれか一において、前記第2の絶縁膜として、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、または酸化珪素膜を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
- 請求項1乃至5のいずれか一において、前記反射膜のうち、前記保温膜上に形成された領域を除去して、少なくとも1つの頂点の角度が60度未満である頂点を有する多角形の上面形状を有する反射膜を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
- 請求項1乃至6のいずれか一において、前記保温膜として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基、フェニル基、またはCF3 基を含有する酸化珪素膜を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
- 請求項1乃至6のいずれか一において、前記保温膜として、多孔質珪素膜、または多孔質酸化珪素膜を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
- 請求項1乃至8のいずれか一において、前記反射膜として、金属膜を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
- 請求項1乃至9のいずれか一において、前記絶縁表面と前記保温膜との間に、下地絶縁膜を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
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