JPH09260042A - 流体加熱装置 - Google Patents

流体加熱装置

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JPH09260042A
JPH09260042A JP8995496A JP8995496A JPH09260042A JP H09260042 A JPH09260042 A JP H09260042A JP 8995496 A JP8995496 A JP 8995496A JP 8995496 A JP8995496 A JP 8995496A JP H09260042 A JPH09260042 A JP H09260042A
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JP
Japan
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cell
fluid
small pieces
heated
electromagnetic coil
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JP8995496A
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English (en)
Inventor
Atsuo Hirayama
山 厚 生 平
Ryoji Kobayashi
林 良 治 小
Kotaro Hirayama
山 鋼 太 郎 平
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Dai Ichi High Frequency Co Ltd
Original Assignee
Dai Ichi High Frequency Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 気体や液体を高能率且つ均一に加熱する
ことのできる、用途・条件による制約の少ない流体加熱
装置を提供すること。 【解決手段】 筒状のセル1の内部に導電性を有する球
体2等を充填し、セル1の外部に電磁コイル3を配し
て、上記球体2等を誘導加熱する装置構成により、セル
1に導入された流体が高能率且つ均一に加熱されるよう
にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気体や液体を急速
昇温させ、あるいは化学反応させるのに適した、高能率
に均一加熱を行うことができる流体加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】気体,液体、又は、これらが混合した二
相流体、更には、これらの流体に固体微粒子が懸濁され
た流体を、予熱し,殺菌し,あるいは化学反応させるた
めの加熱は、通常、流送中の、又は、容器内に収容され
ている上記流体にパイプ状あるいは面状のヒ−タや熱交
換器から熱を伝える伝熱加熱方式によって行われてい
る。しかし、この伝熱加熱方式では、急速加熱を行おう
とすると、被加熱体中に大きな温度勾配が必然的に生じ
るので、許容される温度勾配に応じて加熱速度を抑えざ
るをえないという制約がある。
【0003】又、近年、パイプ等の内部に誘電体の小片
を充填し、これにマイクロ波を照射して発熱させ、通過
流体を加熱する方式が提案されている。上記方式はマイ
クロ波により誘電体に直接入熱するものであるため、温
度勾配をさほど生じることなく加熱速度を上げることが
できるが、被加熱物について材質等の仕様に関する制約
が多く、又、マイクロ波が通信にも利用されることか
ら、利用できる周波数が限られており、加熱対象によっ
ては、加熱の能率あるいは均一性を向上させる施策を講
じにくい場合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の事情
に鑑みてなされたものであって、流体を高能率且つ均一
に加熱することのできる、用途・条件による制約の少な
い加熱手段を提供することを、その課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
を目的としてなされた本発明の構成は、流体を通過させ
又は収容するためのセルの内部に、粉・粒状又は棒・線
状の導電性を有する小片を充填するとともに、該セルの
外部に電磁コイルを配して、該電磁コイルへの交流通電
により前記導電性を有する小片が誘導加熱されて発熱
し、前記セル内の流体が加熱されるようにしたことを特
徴とするものである。
【0006】上記装置は、出入口を有する筒状のセルに
流体を流送しながら該流体を加熱する連続方式、あるい
は、槽状のセルに収容した流体を加熱するバッチ方式の
いずれの形でも用いることができる。
【0007】誘導加熱法により一体状の導電体を加熱す
ると、通常は、該導電体の表層部が優先的に加熱され
る、いわゆる表皮効果が、導電体の電導度及び透磁率に
応じて大なり小なり現われる。しかるに、本発明装置に
あっては、誘導加熱される導電体が、大きな接触抵抗を
以て相互に接触し合っている導電性を有する小片(以下
「小片」と略称する)の集合体であるため、該集合体内
の広域に亘るネットワ−ク的な誘導電流が生じにくく、
よって、交番磁界が殆ど減衰することなく上記集合体の
深奥部に及ぶので、前記表皮効果は軽微にしか現われ
ず、集合体を構成する全小片がほぼ均等に誘導加熱さ
れ、ひいては、上記小片群の隙間に存在するセル内の流
体も、ほぼ即時的に且つ万辺なく加熱される。
【0008】本発明装置に配設する電磁コイルとして
は、前記小片の集合体全体に交番磁界を形成させやすい
という点で、セルを螺旋状に囲繞する形式のソレノイド
コイルが好適であるが、上記集合体の各部に必要な磁界
を形成できさえすれば、他の形式のコイルであってもよ
い。
【0009】又、上記電磁コイルを、たとえば誘導電動
機のステ−タ−のように、円周方向に沿って複数のコイ
ルを配置して、回転磁界が生じるように構成すると、前
記小片の集合体をセル内で回転させることができて、加
熱条件のより一層の均等化あるいは流体の撹拌に有効で
ある。この場合、上記回転磁界型のコイルは小片の加熱
そのものには必ずしも好適ではないので、前記ソレノイ
ド形式のコイルを、不利な相互干渉が生じないように併
用してもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明装置において、セル内に充
填する小片の形状は、該小片の導電性がその表面に具わ
っている場合には、小片相互間の接触抵抗が特に大きく
なる球状が加熱の均一化のために好適である。しかし、
小片の材質によっては、球状のものが得にくい場合があ
るので、このような場合には、円形あるいはド−ナツ形
の断面を有するチップないしは棒材・線材類が、球体に
準じた大きな接触抵抗を生じやすく好適である。
【0011】本発明装置においては、誘導加熱のために
適用する交流の周波数を広範囲に選定できるので、被加
熱体となる上記小片の寸法についても、最小辺の寸法で
数10μm〜数mmの広範囲に選定できる。又、電磁コイル
に回転磁界型のコイルを適用して、セル内で小片の集合
体を回転させる場合には、小片の形状が等方的であり且
つ寸法の揃っていることが望ましい。
【0012】本発明装置には、各種形状の小片を用いる
が、この小片に具備させる導電性は、必ずしも小片内の
全体に亘るものでなくてよく、たとえば、セラミックス
や耐熱性プラスチックの表面に無電解Niめっきを施し
た軽量のものを用いて、前記回転磁界型コイルによる回
転を容易にすることもできる。又、金属と、セラミック
スやプラスチックのような絶縁材料との複合材からなる
小片は、集合体となっても前記ネットワ−ク的な誘導電
流が殆ど生じないという点で有用となることがある。絶
縁材料中への金属の分散あるいは金属製小片の表面への
絶縁材料被覆などの複合形式が上記指向に適う。
【0013】上述の各種小片に、導電性のみでなく強磁
性を具備させたものを使用することもできる。上記強磁
性の導入は、小片に磁束を集中させて誘導加熱の効率を
高める効果がある。一方、加熱効率の向上により、コイ
ルに近い側の加熱効率も向上して、前記表皮効果を生じ
る傾向が若干出てくるので、セルの寸法仕様や小片の材
質・形状,あるいは通電する交流の周波数との兼合いで
強磁性の導入度合を調整するのがよい。強磁性は、小片
の一部又は全部をFe基,Co基などの強磁性金属ある
いは各種フェライトとすることによって導入することが
できる。ベアリングボ−ルやパチンコ玉は強磁性を具え
た球状の導電体であり、入手容易且つ安価なこともあっ
て、本発明装置に極めて好適に使用できる。強磁性の導
入は、各種強磁性材料固有のキュリ−点(磁性が消失す
る温度)を温度制御に利用できる点でも有用である。
【0014】本発明装置に用いる前記小片に、セル内に
導入される流体に対する耐食性及び加熱温度に見合った
耐熱性を具備させるべきことは云う迄もない。耐食性に
関しては、小片材質の選定の他、Ni,Cu,貴金属な
どのめっき等による被覆、あるいはセラミックス被覆,
プラスチックス被覆などが用途・条件に応じて好適であ
る。ガラス製あるいはプラスチックス製の中空球内に導
電性粉粒体を導入するなどの構成を採用することもでき
る。
【0015】本発明装置は、前述のように、単なる加熱
手段としてばかりでなく、加熱を要する化学反応塔ない
しは反応槽として使用するのに適しており、反応促進の
ための触媒の導入が必要となることが多い。触媒は、た
とえば、粉・粒状の触媒を前記小片と混和させてセル内
に充填する形で導入してもよいが、均一に分布させにく
いなどの問題がある。そこで、本発明装置の誘導加熱さ
れる小片自体に触媒機能を具備させれば、セル内の流体
に対する加熱作用と触媒作用を、万辺なく且つ同時・同
位置で発現させることができて、化学反応の能率を高度
に向上させることができる。
【0016】本発明装置の、前記電磁コイルに通電する
交流の周波数は、セル内に充填された小片の集合体の深
奥部迄交番磁界を到達させ、あるいは、誘導加熱のエネ
ルギ−効率を高めるには、低目の周波数が適しており、
非磁性の小片には高目の周波数が適するなどの傾向があ
るので、利用しやすい商用周波数〜100kHzの範囲から、
小片の仕様やセルの寸法に応じて適宜選定するのがよ
い。
【0017】本発明装置に用いるセルには、上述の小片
よりも誘導加熱されにくく、又、小片と同様の耐食性,
耐熱性を有する材質のものが適しており、アルミナ管,
耐熱ガラス管,石英管などが好適である。セルの寸法
は、装置の用途・目的に応じて設定されるべき事項であ
るが、誘導加熱の実施しやすさの点では、数10〜数100m
mの径が目安になる。
【0018】而して、本発明は図1に示すような形態で
実施される。即ち、図1は本発明装置の一例の構成を示
す縦断正面図であり、図において、1は加熱すべき流体
を通過させるセル、2は該セル1内に充填した導電性球
体、3は前記セル1の外側に配置したソレノイド型の電
磁コイルで、加熱すべき流体をセル1の上部4から下部
4′へ流通させ乍ら、前記電磁コイル3に交流通電する
ことにより導電性球体2が誘導加熱され、その間隙をぬ
ってセル内を流下する流体を加熱するようにしたもので
ある。
【0019】
【実施例】
実施例1 内径40mmの石英ガラス製円筒内の長さ100mmの区間に、
直径5mmの鋼製べアリング球を充填し、該円筒の外周の
上記100mm区間の中間位置に1タ−ンの環状の電磁コイ
ルを配設して本発明装置を構成した。上記本発明装置の
電磁コイルに40kHz,0.4kWの交流通電を行ったところ、
約90秒でベアリングボ−ルの群を800℃前後のほぼ均一
な温度に急速加熱することができた。次いで、充填物の
温度が上記温度に保持されるように電力を制御しなが
ら、前記円筒内の上から下に向けて20℃の空気を10l/mi
nの速度で通過させたところ、出口側の空気は約500℃に
加熱されていた。
【0020】実施例2 実施例1の装置の鋼製ベアリング球の直径を15mmに変
更した本発明装置に、50Hzの商用交流による1kWの通電
を行ったところ、約30秒で300℃に達し、その後の温
度保持も実施例1と同様に行うことができた。
【0021】実施例3 内径150mmのアルミナ製円筒内の長さ200mmの区間に、直
径6mm,長さ5mmのチタン丸棒切片を充填し、該円筒の
外周の、上記200mm区間のほぼ全長に亘るように10タ
−ンのソレノイドコイルを配設して本発明装置を構成し
た。上記ソレノイドコイルに25kHz,0.6kWの交流通電を
約60秒行うことにより、充填物の群を約500℃に均一
に急速加熱し、電力制御により温度保持を行うことがで
きた。
【0022】実施例4 実施例3の装置の充填物を平均粒径500μmの粒状活性炭
に変更した本発明装置により、50kHzの周波数による前
出実施例と同様の通電を行って、充填物の200℃への急
速加熱と温度保持を行うことができた。
【0023】実施例5 実施例3の装置の充填物を、直径5mm,長さ5mmのアン
バ−合金(鉄−ニッケル系低膨張率合金)に厚さ200μm
のグラスライニングを施したものに変更した本発明装置
により、25kHzの周波数による同様の通電を行って、充
填物の500℃への急速加熱と温度保持を行うことができ
た。
【0024】実施例6 実施例3の装置の充填物を、平均粒径300μmの球状の純
鉄粉にパラジウムを分散被覆させたものに変更した本発
明装置により、50kHzの周波数による前出例と同様の通
電を行って、充填物の800℃への急速加熱と温度保持を
行うことができた。因に、上記充填物は、トリクロロエ
チレン等の熱分解反応を高度に促進する触媒作用を有す
るものである。
【0025】実施例7 内径90mm(外径95mm)の石英ガラス製円筒内の長さ60mm
の区間に、平均粒径300μmでキュ−リ−点が550℃のニ
ッケルフェライト顆粒に厚さ5μm無電解ニッケルめっ
きを施したものを充填し、上記円筒の上記60mm区間の中
間位置に1タ−ンの電磁コイルを配設した本発明装置A
を構成した。又、上記電磁コイルを、内径100mm,機能
部長さが120mm,0.5kW定格のインバ−タ−電動機のステ
−タ−に変更して回転磁界型の電磁コイルを有する本発
明装置Bに変換できるようにした。上記装置を、100kHz
の周波数により、先ず上記Aの構成による0.2kW,40sec
の通電にて充填物を350℃に急速加熱し、次いでBの構
成に切換えて前記電動機の定格より小さい電力での制御
通電を行うことにより、充填物の群を電動機本来の回転
速度よりも遅い速度で回転させ続けながら、その温度を
ほぼ350℃に保持することができた。
【0026】
【発明の効果】本発明装置は、上述したように、気体や
液体を化学反応等の目的で連続的又はバッチ的に能率よ
く且つ均一に加熱するために、セル内に充填した導電性
を有する小片の群を誘導加熱法によって能率よく且つ均
一に加熱し、上記セル内に導入されて上記小片の群に接
触した流体が万辺なく急速加熱されるように構成したも
のである。
【0027】又、誘導加熱法が、周波数,被加熱物仕様
等の条件を広範囲に選定できる方法であることから、流
体を加熱する目的あるいは仕様に応じた加熱温度設定、
あるいは加熱媒体である前記小片の高耐食化,該小片へ
の触媒能の導入と云った施策が容易に実施できるように
なった。更には、誘導加熱を回転磁界型のコイルを用い
て行うことにより、前記小片の群をセル内で回転させ
て、セルに導入した流体を撹拌しながら加熱することも
可能となった。
【0028】本発明装置の上記特長は、たとえば、有害
物を無害化するための化学反応を、近年の要請に応じて
低コスト化するための極めて有力な手段となるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の構成の一例を示す正面断面図。
【符号の説明】
1 セル 2 導電性球体 3 電磁コイル 4,4′ 流体径路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体を通過させ又は収容するためのセル
    の内部に、粉・粒状又は棒・線状の導電性を有する小片
    を充填するとともに、該セルの外部に電磁コイルを配し
    て、該電磁コイルへの交流通電により前記導電性を有す
    る小片が誘導加熱されて発熱し、前記セル内の流体が加
    熱されるようにしたことを特徴とする流体加熱装置。
  2. 【請求項2】 前記電磁コイルを回転磁界型として、前
    記交流通電により、前記導電性を有する小片が誘導加熱
    されるとともに前記セル内を回転するようにしたことを
    特徴とする請求項1に記載の流体加熱装置。
  3. 【請求項3】 前記導電性を有する小片の形状が、球
    状、又は、断面が円形・ド−ナツ形の形状である請求項
    1又は2に記載の流体加熱装置。
  4. 【請求項4】 前記導電性を有する小片が、表面に金属
    被覆が形成されたものである請求項1〜3のいずれかに
    記載の流体加熱装置。
  5. 【請求項5】 前記導電性を有する小片が、金属と絶縁
    材料の複合体である請求項1〜3のいずれかに記載の流
    体加熱装置。
  6. 【請求項6】 前記導電性を有する小片が、強磁性を有
    するものである請求項1〜5のいずれかに記載の流体加
    熱装置。
  7. 【請求項7】 前記導電性を有する小片に触媒機能が具
    備されている請求項1〜6のいずれかに記載の流体加熱
    装置。
JP8995496A 1996-03-21 1996-03-21 流体加熱装置 Pending JPH09260042A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002343543A (ja) * 2001-05-11 2002-11-29 Kogi Corp 誘導加熱装置用発熱体
JP2008025764A (ja) * 2006-07-24 2008-02-07 Nitta Ind Corp 熱膨張ポリマーワックスアクチュエータ
JP2013111538A (ja) * 2011-11-29 2013-06-10 Sumitomo Electric Ind Ltd ガス分解装置

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