JPH09259914A - リン酸型燃料電池発電プラント - Google Patents

リン酸型燃料電池発電プラント

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JPH09259914A
JPH09259914A JP8066157A JP6615796A JPH09259914A JP H09259914 A JPH09259914 A JP H09259914A JP 8066157 A JP8066157 A JP 8066157A JP 6615796 A JP6615796 A JP 6615796A JP H09259914 A JPH09259914 A JP H09259914A
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gas
phosphoric acid
fuel
fuel cell
ammonia
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JP8066157A
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Katsunori Sakai
勝則 酒井
Tadahiko Taniguchi
忠彦 谷口
Toru Yajima
亨 矢嶋
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料ガスとして窒素を含む炭化水素系ガスを
用いても、リン酸型燃料電池の発電効率を低減させるこ
となく、安定した発電特性を維持することが可能な信頼
性の高いリン酸型燃料電池発電プラントを提供する。 【解決手段】 アノード1aに燃料を供給する燃料供給
系統8に、アンモニア吸収器11を設置する。これによ
り、燃料ガスとして窒素を含む炭化水素系ガスを用いて
も、燃料供給系統8に設置されたアンモニア吸収器11
が燃料ガス中に存在するアンモニアを除去するので、ア
ノード1aへのアンモニアの供給を回避することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リン酸型燃料電池
発電プラントに係り、特に、燃料ガスとして窒素を含む
炭化水素系ガスを用いたリン酸型燃料電池発電プラント
の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、燃料の持つ化学エネルギーを
直接、電気エネルギーに変換する装置として燃料電池が
提案されている。一般的に、燃料電池は燃料極であるア
ノードと酸化剤極であるカソードとの間に電解質を保持
する電解質層を挟み、アノードの背面に燃料ガスを接触
させると共に、カソードの背面に酸化剤ガスを接触させ
ることによって電気化学反応を生じさせ、この反応を利
用して電気エネルギーを取出す装置である。
【0003】この燃料電池は内部に燃焼サイクルを持つ
必要がないため、大量の冷却水が要らない、公害要
因となるSOx、NOxの排出が少ない、振動および
騒音を小さい、化学エネルギーを直接、電気エネルギ
ーに変換するので、熱エネルギーや運動エネルギーの過
程が不要であり、発電の熱効率が極めて高いといった利
点がある。これらの利点を持つ燃料電池の中でも、特
に、リン酸型燃料電池は、低温発電が可能で安定性が高
く、起動時間が短いといった長所がある。そのため、リ
ン酸型燃料電池を採用した発電プラントは実用化に向け
て研究、開発が積極的に進められている。
【0004】ここで、図5を用いてリン酸型燃料電池の
構成を具体的に説明する。図に示すように、単位電池1
がセパレータ3を介して複数個積層されており、数単位
電池1ごとに冷却板4が挿入・設置されて電池スタック
2が構成されている。この電池スタック2にガスマニホ
ールド5a,5bおよび集電板6が設置されることによ
りて燃料電池本体7が構成される。
【0005】単位電池1は、電解質としてリン酸水溶液
が含浸された電解質層1cと、この電解質層1cを挟ん
で対向配置されたアノード1a及びカソード1bとから
構成されている。アノード1a及びカソード1bは多孔
質材料から成り、それぞれセパレータ3と対向する面に
白金などによる触媒を塗布している。また、アノード1
aにおいてセパレータ3と対向する面側には水素などの
燃料ガスが流通する燃料ガス流通溝1cが形成されてい
る。さらに、カソード1bにおいてセパレータ3と対向
する面側には酸素などの酸化剤ガスが流通する酸化剤ガ
ス流通溝1dが形成されている。
【0006】セパレータ3は、アノード1aおよびカソ
ード1bそれぞれに供給される燃料ガスおよび酸化剤ガ
スを区分すると共に、単位電池1間の電気的接続を確保
するためのものである。冷却板4は、その内部に水など
の冷媒を流すことにより、単位電池1で起こる電気化学
反応に伴って生じる熱を除去し、電池スタック2の温度
を一定に保つ働きがある。なお、セパレータ3および冷
却板4、さらにはアノード1aとカソード1bは、耐リ
ン酸性(耐蝕性)、耐熱性、電気伝導性、熱伝導性に優
れ、かつ低コストであることが求められるため、いずれ
も炭素を材料として作られている。
【0007】ガスマニホールド5a,5bは電池スタッ
ク2の4つの側面に配置されている。このうち、ガスマ
ニホールド5aは燃料ガス流通溝1cの長手方向と直交
するように配置されており、燃料ガス流通溝1cに燃料
ガスを供給・排出するようになっている。一方、ガスマ
ニホールド5bは酸化剤ガス流通溝1dの長手方向と直
交するように配置されており、酸化剤ガス流通溝1dに
酸化剤ガスを供給・排出するようになっている。集電板
6は電池スタック2の上下端部に配置されており、電池
スタッフ2で生じた電流を取出し、これを外部回路(図
示せず)へ流すように構成されている。
【0008】以上のような構成を有するリン酸型燃料電
池では、ガスマニホールド5aが燃料ガスとして水素を
供給し、この水素は燃料ガス流通溝1cを通ってアノー
ド1aに入る。また、ガスマニホールド5bは酸化剤ガ
スとして酸素を供給し、この酸素は酸化剤ガス流通溝1
dを通ってカソード1bに入る。
【0009】水素が供給されたアノード1aでは、アノ
ード1aに塗布された触媒が作用して、次のような反応
が起こる。すなわち、
【化1】 H2 → 2H+ + 2e- …… (1) この水素の解離反応により発生した水素イオン(H+
は、電解質層1cに保持されたリン酸中を移動し、カソ
ード1bに達する。
【0010】一方、電子(e- )は、アノード1aから
集電板6から外部回路(図示せず)へと流れ、電力負荷
を通って、仕事を行い、カソード1bに達する。そして
カソード1bでは、ここに塗布された触媒が作用し、ア
ノード1aから移動してきた水素イオン(H+ )と、ガ
スマニホールド5bからカソード1bに供給された酸素
と、外部回路で仕事をしてきた電子(e- )とにより、
次のような反応が起こる。
【0011】
【化2】 4H+ + O2 + 4e- → 2H2 O …… (2) すなわち、単位電池1では、燃料ガスである水素が酸化
されて水になると共に、この時の化学エネルギーが外部
の電力負荷に与える電気エネルギーとなる。このように
して単位電池1としての反応が完結する。また、上記の
単位電池1における反応は発熱反応であるが、電池スタ
ック2内に挿入された冷却板4がこの発熱を冷却するの
で、電池スタック2はその温度を常に一定に保つことが
できる。
【0012】リン酸型燃料電池発電プラントは、前述し
たようなリン酸型燃料電池を組込んだ発電プラントであ
り、この燃料電池本体以外に、アノードに燃料ガスを供
給する燃料供給系統と、カソードに酸化剤ガスを供給す
る酸化剤供給系統と、冷却板に冷媒を供給する冷媒供給
系統とを有している。このうち燃料供給系統には、燃料
ガスである水素を発生させるために改質器が設けられて
いる。改質器は、メタン(CH4 )を含有する天然ガス
系燃料に水蒸気を加えて加熱し、次の反応によって発生
させるのが一般的である。
【0013】
【化3】 CH4 + H2 O → 3H2 + CO …… (3)
【化4】 CO + H2 O → H2 + CO2 …… (4) この反応では水素と共に二酸化炭素も同時に発生する。
したがって燃料電池に供給される燃料ガスは、実際に
は、水素と二酸化炭素、および僅かな未反応メタンや一
酸化炭素(CO)からなる混合ガス、いわゆる水素リッ
チガスとなっている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上のようなリン酸型
燃料電池発電プラントは適用地域の拡大が期待されてい
る。そのため、入手が困難な地域がある天然ガス系燃料
に代えて、燃料ガスとして、都市ガス6B、6Cといっ
た低カロリー都市ガスを適用することが検討されてい
る。低カロリー都市ガスには通常、窒素(N2 )を含有
する炭化水素系ガスが使用されているが、この炭化水素
系ガスを燃料ガスとして使用する場合、改質器内では窒
素および水素により下記のような反応が起き、アンモニ
ア(NH3 )を生成する。
【0015】
【化5】 N2 + 3H2 → 2NH3 …… (5) 具体的には、都市ガス6B、6C等の低カロリー都市ガ
ス中に約10〜20%の窒素が含まれており、これらの
ガスが反応温度750℃の改質器に供給された場合、約
50ppmのアンモニアが生成される。
【0016】リン酸型燃料電池発電プラントにおいて、
このようなアンモニアを含む燃料ガスをリン酸型燃料電
池に供給した場合、アンモニアは電解質であるリン酸
(H3PO4 )と反応して、下記に示すリン酸二水素ア
ンモニア((NH4 )H2 PO4 )を生成する。
【0017】
【化6】 H3 PO4 + NH3 → (NH4 )H2 PO4 …… (6) リン酸二水素アンモニアは電解質層に蓄積し、電解質で
あるリン酸のイオン伝導を増大させると共にカソードの
触媒の活性を低下させ、単位電池の電圧を低下させると
いう不具合を招いた。図6のグラフは、燃料ガスである
水素リッチガス中に50ppmのアンモニアを添加した
場合の単位電池の定格電圧の経時変化を示したものであ
る。このグラフから分かるように、水素リッチガス中に
50ppmのアンモニアを添加すると、単位電池の電圧
は低下し、運転時間約1000h後に低下傾向は飽和し
て、その低下量は60mV/セル以上となる。これは単
位電池の定格電圧の10%減少に相当する。
【0018】このような単位電池の電圧低下は、リン酸
型燃料電池の発電効率を大きく減少させることになる。
したがって、リン酸型燃料電池発電プラントにおいて燃
料ガスとして窒素を含む炭化水素系ガスを適用すること
は、実用化の面において大きく不利となっていた。
【0019】本発明は、上記の問題を解消するために提
案されたものであり、その目的は、燃料ガスとして窒素
を含む炭化水素系ガスを用いても、リン酸型燃料電池の
発電効率を低減させることなく、安定した発電特性を維
持することが可能な信頼性の高いリン酸型燃料電池発電
プラントを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、本発明のリン酸型燃料電池発電プラントは、アノ
ードに燃料を供給する燃料供給系統に、アンモニア吸収
器を設置したことを構成上の特徴としている。
【0021】このような構成を有する本発明では、燃料
ガスとして窒素を含む炭化水素系ガスを用いても、燃料
供給系統に設置されたアンモニア吸収器が燃料ガス中に
存在するアンモニアを除去するので、アノードへのアン
モニアの供給を回避することができる。したがって、ア
ンモニアが電解質層のリン酸と反応してリン酸二水素ア
ンモニアが生成されることがなく、電解質層におけるイ
オン伝導の増大やカソードの触媒の活性低下といった不
具合の発生を防止できる。そのため、単位電池の電圧低
下を防ぐことができ、これにより燃料電池の発電効率の
減少を抑制することが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるリン酸型燃料
電池発電プラントの実施の形態の一例について、図面を
参照して具体的に説明する。下記の実施の形態のリン酸
型燃料電池発電プラントは、いずれも燃料電池への燃料
ガスとして炭化水素系ガス(低カロリー都市ガス)を適
用したものである。
【0023】(1)第1の実施の形態 [構成]図1は、本発明を適用した第1の実施の形態の
構成を示す模式図、図2は第1の実施の形態におけるア
ンモニア吸収器の断面図である。なお、第1の実施の形
態に用いるリン酸型燃料電池は、図5に示したものと同
一であるため、同一部材に関しては同一符号を付し、説
明は省略する。
【0024】図1に示すように、第1の実施の形態のリ
ン酸型燃料電池発電プラントには、リン酸型燃料電池の
燃料電池本体7と、アノード1aに対し燃料ガスとして
窒素を含む炭化水素系ガスを供給する燃料供給系統8
と、カソード1bに対し酸化剤ガスとして圧縮空気を供
給する酸化剤供給系統9と、冷却板4に対し冷媒を供給
する冷媒供給系統10とが設けられている。このうち、
燃料供給系統8にはアンモニア吸収器11および改質器
12が設置されている。改質器12は炭化水素系ガスに
含まれる窒素と水素とが反応するため、アンモニアを含
有した水素リッチガスを生成するようになっている。
【0025】改質器12とアンモニア吸収器11とは水
素リッチガス供給ライン24によってつながれており、
さらにアンモニア吸収器11とアノード1aとは水素リ
ッチガス排出ライン23によってつながれている。ま
た、アノード1aおよびカソード1bの出口側にはそれ
ぞれドレンタンク25,26が設置されている。
【0026】続いて図2を用いてアンモニア吸収器11
の構成について説明する。アンモニア吸収器11の底部
には、図1にも示した水素リッチガス供給ライン24が
アンモニア吸収器入口弁13を介して接続されている。
また、アンモニア吸収器11内の底部には、ガス分散を
施すために充填物を充填したガス分散部14が設けられ
ている。さらにガス分散部14に接触する上部にはガス
分散板15が設けられている。ガス分散板15には、最
適な気液接触面積を有する気泡径を達成するように設計
された孔径が形成されている。
【0027】ガス分散板15の上部には水素リッチガス
と気液接触をする液相部16が設けられている。液相部
16を構成する液組成としては、リン酸等の酸水溶液が
用いられる。また、液相部16の底部付近には液相排出
ライン22が液相排出弁19を介して接続されている。
【0028】液相部16の上方には液相供給ライン21
が液相供給弁18を介して接続されている。さらに、ア
ンモニア吸収器11の上部には図1にも示した水素リッ
チガス排出ライン23が接続されている。また、液相部
16の液面には液相部16のPH値と液位とを連続的ま
たは断続的に検出するPH液位検出装置17が配置され
ている。このPH液位検出装置17にはPH液位制御装
置20が接続されている。PH液位制御装置20はPH
液位検出装置17の出力を受けて液相供給弁18および
液相排出弁19に動作信号を与え、前記弁18,19の
開閉を制御するように構成されている。
【0029】[作用効果]以上のように構成された第1
の実施の形態の作用は次の通りである。燃料電池本体7
の発電中はアンモニア吸収器入口弁13は開いている。
そのため、改質器12から出たアンモニアを含む水素リ
ッチガスは、この入口弁13を介して水素リッチガス供
給ライン24を通過し、アンモニア吸収器11の底部に
位置するガス分散部14に入る。ガス分散部14は耐熱
性、耐腐食性の充填物を充填しているので、ここに供給
された水素リッチガスは、分散部14内において均一に
分散し、上部に位置する分散板15に至る。ここで水素
リッチガスは、分散板15に配置した孔部を通過して、
液相部16に連続的な気泡群として分散供給されること
になる。
【0030】分散板15に配置した孔径は、水素リッチ
ガスが液相部16中で、最適な気液接触面積を有する気
泡径を作り出すことができ、液相部16に気泡として供
給された気泡状の水素リッチガスは、理想的な状態で液
相との気液接触を行うことができる。そのため、液相部
16は、水素リッチガス中、極めて溶解度の高いアンモ
ニアを容易に溶解吸収することができる。しかも、液相
部16に滞留する液相成分としてリン酸等の酸水溶液を
用いているので、水素リッチガス中のアンモニアは、酸
水溶液に溶解吸収される現象に加え、酸との化学反応、
例えばアンモニアとリン酸との化学反応によるリン酸二
水素アンモニアの生成等により、アンモニアの吸収量は
増大する。
【0031】また、PH液位検出装置17は液相部16
の液相成分のPH値と液位とを連続的または断続的に検
出し、検出結果を液相PH液位制御装置20に出力して
いる。PH液位制御装置20はPH検出値とPH所定値
とを比較演算し、PH所定値を逸脱する場合には液相供
給弁18を開いてアンモニア未吸収の液相成分を供給す
ることでPH値の低減を図り、液相部16のPHを所定
値に管理する。さらにPH液位制御装置20は、液相部
16の液位検出値と液位所定値とを比較演算し、液位所
定値を逸脱する場合には、液相排出弁19を開して液位
を低減させ、液相部16の液位を所定値に管理する。こ
のようにして、アンモニア吸収器11の液相部16は、
アンモニアの飽和溶解度に達することなく、PH値およ
び液位を一定にしながら連続的にアンモニアを溶解吸収
することができる。
【0032】このようなアンモニア吸収器11を持つリ
ン酸型燃料電池発電プラントにおいては、プラントを連
続稼働させてアンモニア吸収器11内で長時間の気液接
触を実施した場合でも、アンモニアの飽和溶解度に達す
ることなく、所定のアンモニア吸収能力を維持すること
が可能となる。以上のような液相部16でのアンモニア
吸収操作により、水素リッチガスからアンモニアを除去
することができる。したがって、アンモニアを含まない
水素リッチガスを水素リッチガス排出ライン23を通し
てアンモニア吸収器11からアノード1aへ送り出すこ
とができる。
【0033】以上の作用により、第1の実施の形態では
アノード1aに対してアンモニアを混入することなく、
水素リッチガスを供給することができる。そのため、単
位電池1の電圧を低下させることなく、燃料電池本体7
は高い発電効率を確保することができる。これにより、
リン酸型燃料電池発電プラントは常に安定した発電特性
を維持して運転することができる。
【0034】(2)第2の実施の形態 [構成]図3は、本発明によるリン酸型燃料電池発電プ
ラントの第2の実施の形態の構成を示す模式図である。
この第2の実施の形態の基本的構成は、アンモニア吸収
器11をはじめ前記第1の実施の形態と同様であるた
め、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して
説明を省略し、以下には前記第1の実施の形態と異なる
特徴についてのみ説明する。
【0035】図3に示すように、第2の実施の形態にお
いては、アノード出口ラインまたはカソード出口ライン
に配置したドレンタンク25、26内に凝縮滞留した電
池反応生成水を回収し、液相供給ライン21に接続する
ように電池凝縮水回収ライン27を配置する構成として
いる。
【0036】[作用効果]このように構成した第2の実
施の形態においては、燃料電池本体7の発電中に発生す
る電池凝縮水を、電池凝縮水回収ライン27によって連
続的にアンモニア吸収器11の液相部16の液相成分と
して供給することができる。したがって、前記第1実施
例と同様の作用効果を得られることに加えて、安価、且
つ容易に水素リッチガス中のアンモニア分を除去できる
という利点がある。
【0037】(3)第3の実施の形態 [構成]図4は、本発明による第3の実施の形態におけ
るアンモニア吸収器の断面図である。以下、この第3の
実施の形態の構成について、図4を参照して説明する。
なお、前述した第1の実施の形態と同一部分には同一符
号を付して説明を省略し、前記第1の実施の形態と異な
る特徴についてのみ説明する。
【0038】すなわち、図4に示すように、アンモニア
吸収器11内の液相部16の上方に、熱交換器30が配
置された点が構成上の特徴である。この熱交換器30
は、アンモニア吸収器11から排出される水素リッチガ
スの出口ガス温度を50〜70℃を維持するように冷却
媒体の温度、流量が制御されている。また、第3の実施
の形態では液相部16に水が用いられている。
【0039】[作用効果]以上のような構成を有する第
3の実施の形態の作用は次の通りである。すなわち、燃
料電池本体7の発電中、燃料供給系8から供給される水
素リッチガスをアンモニア吸収器11に供給した場合、
水素リッチガスはアンモニア吸収器11内の熱交換器3
0と接触し冷却される。そのため、水素リッチガス中に
含まれる水蒸気分(通常20%程度含まれる)が凝縮
し、アンモニア吸収器11底部に滴下滞留する。この
時、アンモニア吸収器11内の水素リッチガスは液相部
16に滞留した凝縮水と気液接触することで、水素リッ
チガス中のアンモニアは凝縮水中に溶解する。これによ
り、水素リッチガス中に存在するアンモニアを除去する
ことができる。
【0040】ところで、熱交換器30はアンモニア吸収
器11の水素リッチガス出口温度を50〜70℃に維持
するように冷却媒体の温度、流量を制御している。ここ
で、水素リッチガス温度50〜70℃とは、燃料電池本
体運転温度(200℃程度)におけるリン酸蒸気圧と平
衡になる水蒸気飽和圧力に相当する温度である。つま
り、水素リッチガス温度50〜70℃は、アノード1a
に供給する水素リッチガスの水蒸気飽和圧力を、アノー
ド1aに存在するリン酸の蒸気圧と平衡にすることで、
リン酸の蒸発に伴う電解質層1c内のリン酸の枯渇を制
御する最低温度となる。
【0041】一方、アンモニア吸収器11内における凝
縮水との気液接触によるアンモニアの吸収は、温度が低
いほどアンモニアの溶解度は大きくなるので、アンモニ
ア吸収器11内の温度は低いほど有利である。上記の両
者の関係よりアンモニア吸収器11の水素リッチガス出
口温度は、50〜70℃が最適となる。この場合、液相
部16に滞留する凝縮水も同様に50〜70℃程度にな
るので、液相部16での気液接触において、水素リッチ
ガス中のアンモニアの溶解吸収と同時に水蒸気分の凝縮
の現象も生じる。そのため、直接に液相部16への凝縮
水の供給も成されることになる。
【0042】以上のように連続的に、液相部16に凝縮
水は供給されるので、液相部16の液面が上昇するが、
この時、液面に配置したPH液位検出装置17が液位を
検出し、その結果をPH液位制御装置20に出力する。
PH液位制御装置20は液位が上限に達した場合、液相
排出ライン22に配置した液排出弁19に開信号を与
え、液位が下限になるまで凝縮水を排出する。この動作
を繰り返すことで、所定の液位制御を達成すると同時
に、液相部16の凝縮水は長時間の気液接触を実施した
場合でも、アンモニアの飽和溶解度に達することなく、
所定のアンモニア吸収能力を維持することが可能とな
る。
【0043】このような液相部16でのアンモニア吸収
操作により、水素リッチガスからアンモニアを効率良く
除去することができ、アンモニアを含まない水素リッチ
ガスを水素リッチガス排出ライン23からアノード1a
に供給することができる。したがって、第3の実施の形
態においても、前記第1の実施の形態と同様の効果を得
られる。しかも、第3の実施の形態では、前記第1の実
施の形態に比べて、外部より液相部16の液相成分を供
給しない分だけコストを低減できるという実用面での利
点がある。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
燃料供給系統にアンモニア吸収器を設置するという極め
て簡単な構成により、燃料ガスとして窒素を含む炭化水
素系ガスを用いても、改質器で副生成させるアンモニア
をアンモニア吸収器で除去するようにしたので、リン酸
型燃料電池の発電効率は低減することなく、安定した発
電特性を維持することが可能な信頼性の高いリン酸型燃
料電池発電プラントを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成を示すリン酸
型燃料電池発電プラントの模式図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に適用したアンモニ
ア吸収器の断面図。
【図3】本発明の第2の実施の形態の構成を示すリン酸
型燃料電池発電プラントの模式図。
【図4】本発明の第3の実施の形態に適用したアンモニ
ア吸収器の断面図。
【図5】従来の燃料電池発電システムにおける電池スタ
ックの構成を示す斜視図。
【図6】水素リッチガス中に50ppmのアンモニアを
添加した場合の定格電圧の経時変化を示すグラフ。
【符号の説明】
1…単位電池 1a…アノード 1b…カソード 1c…電解質層 2…電池スタック 3…セパレータ 4…冷却板 5a,5b…ガスマニホールド 6…集電板 7…燃料電池本体 8…燃料供給系統 9…酸化剤供給系統 10…冷媒供給系統 11…アンモニア吸収器 12…改質器 13…アンモニア吸収器入口弁 14…ガス分散部 15…ガス分散板 16…液相部 17…PH液位検出装置 18…液相供給弁 19…液相排出弁 20…PH液位制御装置 21…液相供給ライン 22…液相排出ライン 23…水素リッチガス排出ライン 24…水素リッチガス供給ライン 25,26…ドレンタンク 27…電池凝縮水回収ライン 30…熱交換器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解質としてリン酸が含浸された電解質
    層を設け、この電解質層を挟んでアノード及びカソード
    を対向して配置して単位電池を構成し、この単位電池を
    セパレータを介して複数個積層し、数単位電池ごとに冷
    却板を挿入・設置して電池スタックを構成し、前記アノ
    ードおよびカソードに対して燃料ガスおよび酸化剤ガス
    を供給・排出するガスマニホールドを備えた燃料電池本
    体と、前記アノードに燃料ガスを供給する燃料供給系統
    と、前記カソードに酸化剤ガスを供給する酸化剤供給系
    統と、前記冷却板に冷媒を供給する冷媒供給系統とを有
    するリン酸型燃料電池発電プラントにおいて、 前記燃料供給系統に、アンモニア吸収器を設置したこと
    を特徴とするリン酸型燃料電池発電プラント。
JP8066157A 1996-03-22 1996-03-22 リン酸型燃料電池発電プラント Pending JPH09259914A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6296959B2 (en) 1998-04-15 2001-10-02 Ishikawajima-Harima Heavy Industries Co., Ltd. Air supply device for fuel cell
JP2003031247A (ja) * 2001-07-12 2003-01-31 Osaka Gas Co Ltd 固体高分子型燃料電池発電システム

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6296959B2 (en) 1998-04-15 2001-10-02 Ishikawajima-Harima Heavy Industries Co., Ltd. Air supply device for fuel cell
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