JPH09259714A - パッファ形ガス遮断器 - Google Patents

パッファ形ガス遮断器

Info

Publication number
JPH09259714A
JPH09259714A JP6799196A JP6799196A JPH09259714A JP H09259714 A JPH09259714 A JP H09259714A JP 6799196 A JP6799196 A JP 6799196A JP 6799196 A JP6799196 A JP 6799196A JP H09259714 A JPH09259714 A JP H09259714A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
puffer
movable
arc
chamber
circuit breaker
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6799196A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Shinkai
健 新海
Tadashi Mori
正 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP6799196A priority Critical patent/JPH09259714A/ja
Publication of JPH09259714A publication Critical patent/JPH09259714A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスの吹き出し口の位置を適切に設定してア
ークエネルギーを効率よく処理すると共に、パッファ室
の過度な圧力上昇を抑制してパッファシリンダに働く反
力を低減する。 【解決手段】 固定接触子部1は、固定接触子部2と固
定アーク接触子3を有する。第1可動接触子部21は、
第1操作ロッド23、パッファシリンダ8、可動主接触
子5、絶縁ノズル7a,7bを有する。パッファシリン
ダ8内に固定のパッファピストン10が挿入され、パッ
ファ室11が形成される。第2可動接触子部22は、第
2操作ロッド24、可動アーク接触子6を有する。両操
作ロッド23,24は、リンク機構を介して連結され、
単一の操作機構部に接続される。両可動接触子部21,
22のストローク比L1/L2は3/4に設定され、吹
き出し口15aは、開極位置においてアーク接触子間の
ほぼ中心点に位置するように構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パッファ室内で圧
縮された消弧性ガスをアークに吹き付けて消弧するパッ
ファ形ガス遮断器に係り、特に、その可動接触子部の構
成の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】送電系統においては、高電圧・大容量の
電流遮断用の遮断器として、パッファ形ガス遮断器が使
用されている。このパッファ形ガス遮断器は、パッファ
シリンダ内にパッファピストンを挿入して形成されたパ
ッファ室を、パッファシリンダとパッファピストンとの
相対移動によって圧縮し、このパッファ室内で圧縮され
た消弧性ガスを、吹き付けガス流路を介して接触子間に
発生したアークに吹き付けてこれを消弧するものであ
る。
【0003】以下には、従来のパッファ形ガス遮断器に
ついて、図7の(A)、(B)を参照して説明する。こ
こで、(A)は投入状態、(B)は開極動作後期の状態
を示している。図中1は消弧性ガスを封入した図示しな
い容器内に不動に固定された固定接触子部であり、この
固定接触子部1は、送電電流経路となる外周側の固定主
接触子2や、その内周側に配置された電流の遮断・投入
用の固定アーク接触子3などから構成されている。ま
た、図中4は、前記容器内に固定接触子部1と対向する
ように配置され、可動に設けられた可動接触子部4であ
り、この可動接触子部4は、送電電流経路となる外周側
の可動主接触子5や、その内周側に配置された電流の遮
断・投入用の可動アーク接触子6、およびその外周に配
置されて吹き付けガス流路15を形成する絶縁ノズル7
などから構成されている。投入状態では、可動主接触子
5が固定主接触子2に接触し、可動アーク接触子6が固
定アーク接触子3に接触している。
【0004】また、可動接触子部4は、さらに、可動主
接触子5、可動アーク接触子6、および絶縁ノズル7を
その先端部に結合したパッファシリンダ8や、このパッ
ファシリンダ8の内周側に設けられた操作ロッド9を備
えている。このうち、操作ロッド9は操作機構部(図示
せず)に連結され、軸方向に往復動するように構成され
ている。すなわち、可動接触子部4を構成する複数の構
成部材5〜9は、操作ロッド9の動作に応じて一体的に
動作するように構成されている。一方、パッファシリン
ダ8内には、このパッファシリンダ8の内周面および操
作ロッド9の外周面と摺動接触する固定のパッファピス
トン10が挿入されており、これらの部材8,9,10
によってパッファ室11が形成されている。また、パッ
ファシリンダ8には、このパッファ室11と前記吹き付
けガス流路15とを連通する開口部13が形成されてい
る。
【0005】図7の(A)の投入状態において、遮断命
令が発せられると、操作機構部(図示せず)が動作し、
操作ロッド9を開極方向(図の右方向)に移動させる。
操作ロッド9が移動すると、可動接触子部4が固定接触
子部1から離れる方向(図の右方向)に移動し、開極動
作が開始する。このように可動接触子部4が開極動作を
開始すると、初めに固定主接触子部2と可動主接触子部
5が開離し、続いて固定アーク接触子3と可動アーク接
触子6が開離する。この際に、図7の(B)に示すよう
に、両アーク接触子3,6間にアーク12が発生する
と、電流が遮断されない状態が継続する。
【0006】この場合、パッファピストン10が図示し
ない容器に対して固定されているため、可動接触子部4
が移動すると、パッファシリンダ8とパッファピストン
10とが相対移動してパッファ室11が圧縮され、パッ
ファ室11の容量が次第に減少する。この結果、パッフ
ァ室11の消弧性ガスが圧縮されてその圧力が上昇し、
この消弧性ガスは、図7の(B)に矢印で示すようにパ
ッファシリンダ8の開口部13から高速のガス流14と
なって流出する。このガス流14は、絶縁ノズル7内に
形成された吹き付けガス流路15内を導かれ、吹き出し
口15aで、固定側に向かう第1のガス流16と可動側
に向かう第2のガス流17に分岐し、アーク12に吹き
付けられてこれを消弧する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な開極動作によって両アーク接触子3,6間のアーク1
2が消弧された後、両アーク接触子3,6間には、正負
に電離したアークプラズマや高温に熱せられたガスが残
留する。これらのプラズマや高温ガスは、電気伝導度が
高く、また、電気的絶縁耐力が低いため、消弧後に両ア
ーク接触子3,6間に加わる再起電圧によって両アーク
接触子3,6間に電流が流れるなど、両アーク接触子
3,6間に電気的絶縁破壊を誘発する可能性がある。
【0008】このような絶縁破壊の危険を避けるため、
一般には、両アーク接触子3,6間に対して十分な量の
消弧性ガスの吹き付けを確保すると同時に、操作ロッド
9を高速で駆動し、再起電圧上昇時における両アーク接
触子3,6間の距離を大きくして両接触子部1,4間の
各部の電界強度を低減させることによって、絶縁破壊を
防止するという方法が用いられている。しかし、このよ
うな方法を採用したパッファ形ガス遮断器においては、
近年のガス遮断器の大容量化および遮断点数の減少によ
り、遮断ストローク長の長距離化および動作速度の高速
化が顕著になってきており、その結果として次のような
問題が生じている。
【0009】まず、図7に示したように、ガス流14
は、吹き出し口15aにおいて、固定側に向かう第1の
ガス流16と可動側に向かう第2のガス流17に分岐
し、アーク12に吹き付けられてこれを消弧する。しか
しながら、遮断ストローク長の長距離化に伴い、アーク
長が長くなると、吹き出し口15aが全アーク長におい
て極端に可動アーク接触子3寄りに位置することになる
ため、固定側に向かう第1のガス流16が処理するアー
クエネルギー量は、可動側に向かう第2のガス流17が
処理するアークエネルギー量よりも著しく大きくなる。
この結果、可動側に向かう第2のガス流17がアークエ
ネルギー処理に有効に使われないまま、パッファ室11
およびパッファシリンダ8が大型化してしまうという不
都合を生じている。このことは、可動接触子部全体の大
重量化および操作エネルギーの増大につながる。
【0010】また、動作速度の高速化によりパッファ室
11の圧力上昇も著しく増大する傾向にある。同時に、
パッファ室11の大容量化および大断面積化に伴い、パ
ッファシリンダ8に働く反力も非常に大きくなる。その
ため、この反力の分だけ、操作エネルギーがさらに増大
してしまう。
【0011】本発明は、以上のような従来技術の問題点
を解消するために提案されたものであり、その目的は、
特に、アークに対する消弧性ガスの吹き出し口の位置を
適切に設定してアークエネルギーを効率よく処理すると
共に、パッファ室の過度な圧力上昇を抑制してパッファ
シリンダに働く反力を低減可能であり、消弧効率に優
れ、可動接触子部の軽量化および操作エネルギーの低減
が可能なパッファ形ガス遮断器を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、可動接触子部を、絶縁ノズルを含む第
1の可動接触子部と可動のアーク接触子を含む第2の可
動接触子部とに分け、開極動作時には可動のアーク接触
子を固定側から十分に離す一方で、絶縁ノズルのストロ
ーク長を小さくすることを特徴としており、それによっ
て、全アーク長に対する消弧性ガスの吹き出し口の位置
の極端な片寄りを防止することができるものである。
【0013】すなわち、請求項1記載の発明は、消弧性
ガスを封入した容器内に、対向配置された固定接触子部
と可動接触子部を有し、可動接触子部は、消弧性ガスを
圧縮するためのパッファ室とこのパッファ室内で圧縮さ
れた消弧性ガスをアークに吹き付けるための吹き付けガ
ス流路を備えたパッファ形ガス遮断器において、固定接
触子部と可動接触子部が次のように構成されたことを特
徴としている。
【0014】まず、前記固定接触子部は、固定の主接触
子とその内周側に同軸状に配置された固定のアーク接触
子を有する。これに対し、前記可動接触子部は、第1の
可動接触子部とその内周側に同軸状に配置された第2の
可動接触子部を有する。このうち、前記第1の可動接触
子部は、その構成部材として、第1の操作ロッド、この
第1の操作ロッドの先端部に結合されて前記パッファ室
を形成するパッファシリンダ、このパッファシリンダの
先端部に結合された可動の主接触子、およびパッファシ
リンダの先端部に結合されて前記吹き付けガス流路を形
成する絶縁ノズルを有し、かつ、この複数の構成部材が
一体的に動作するように構成される。また、前記第2の
可動接触子部は、その構成部材として、第2の操作ロッ
ドとこの第2の操作ロッドの先端部に結合された可動の
アーク接触子を有し、かつ、この複数の構成部材が一体
的に動作するように構成される。さらに、前記第1の可
動接触子部の開極動作におけるストローク長が、前記第
2の可動接触子部の開極動作におけるストローク長より
小さくなるように構成される。
【0015】以上のような構成を有する請求項1記載の
発明によれば、消弧性ガスの吹き出し口の移動距離が可
動アーク接触子に比べて小さいことから、全アーク長に
対する消弧性ガスの吹き出し口の位置の極端な片寄りを
防止することができる。そのため、消弧性ガスのガス流
を効率よく使用して、アークエネルギーを効率よく処理
することができる。また、パッファシリンダの移動速度
も可動アーク接触子に比べて小さいことから、パッファ
室の必要以上の圧力上昇を抑制し、パッファシリンダに
働く反力を低減することができる。
【0016】請求項2記載の発明は、請求項1記載のパ
ッファ形ガス遮断器において、前記第1の可動接触子部
のストローク長が前記第2の可動接触子部のストローク
長の約1/2〜3/4の範囲の長さとなるように構成さ
れたことを特徴としている。以上のような構成を有する
請求項2記載の発明によれば、消弧性ガスの吹き出し口
の位置を全アーク長におけるほぼ中心部分に容易に設定
することができるため、アークエネルギーの処理効率を
一層向上できる。
【0017】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載のパッファ形ガス遮断器において、前記吹き付けガ
ス流路が開極位置にある場合に、その吹き出し口が固定
のアーク接触子から可動のアーク接触子に至る全アーク
長のほぼ中心点に位置するように構成されたことを特徴
としている。以上のような構成を有する請求項3記載の
発明によれば、消弧性ガスの吹き出し口が全アーク長の
ほぼ中心点に位置することから、可動側に向かうガス流
と固定側に向かうガス流とが処理するアークエネルギー
量を均等化することができ、アークエネルギーの処理効
率を一層向上できる。
【0018】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれか一つに記載のパッファ形ガス遮断器において、前
記第1と第2の操作ロッドが、リンク機構を介して互い
に連結され、かつ、前記第1と第2の可動接触子部が、
単一の操作機構部で駆動されるように構成されたことを
特徴としている。以上のような構成を有する請求項4記
載の発明によれば、単一の操作機構部によって両方の可
動接触子部を一括的に駆動できるため、複数の操作機構
部で個別に駆動する場合に比べて、遮断器全体を小型・
簡略化することができ、コスト面でも有利である。
【0019】請求項5記載の発明は、請求項1〜4のい
ずれか一つに記載のパッファ形ガス遮断器において、固
定のパッファピストンによってパッファ室が形成された
ことを特徴としている。すなわち、請求項5記載の発明
においては、前記パッファシリンダ内に挿入される固定
のパッファピストンが設けられる。そして、この固定の
パッファピストンが、前記パッファシリンダの内周面お
よび前記第1の操作ロッドの外周面と共に、前記パッフ
ァシリンダ内に前記パッファ室を形成するように構成さ
れる。以上のような構成を有する請求項5記載の発明に
よれば、パッファシリンダ内に固定のパッファピストン
を挿入してパッファ室を形成するという既存の可動接触
子部の構成をそのまま利用して、第1の可動接触子部を
容易に構成できる。
【0020】請求項6記載の発明は、請求項1〜4のい
ずれか一つに記載のパッファ形ガス遮断器において、可
動のパッファピストンによってパッファ室が形成された
ことを特徴としている。すなわち、請求項6記載の発明
においては、前記第2の操作ロッドに結合されかつ前記
パッファシリンダ内に挿入される可動のパッファピスト
ンが設けられる。そして、この可動のパッファピストン
が、前記パッファシリンダの内周面および前記第2の操
作ロッドの外周面と共に、前記パッファシリンダ内にお
ける前記吹き付けガス流路と反対側に前記パッファ室を
形成するように構成される。さらに、前記パッファ室と
前記吹き付けガス流路を連通する通気道が設けられる。
以上のような構成を有する請求項6記載の発明によれ
ば、固定のパッファピストンを省略していることから部
品点数を削減できる。また、第2の可動接触子部の第2
の操作ロッドを利用してパッファ室を形成していること
から、第1の可動接触子部を簡略・軽量化できる。
【0021】請求項7記載の発明は、請求項1〜4のい
ずれか一つに記載のパッファ形ガス遮断器において、固
定と可動のパッファピストンによってパッファ室が形成
されたことを特徴としている。すなわち、請求項7記載
の発明においては、前記パッファシリンダ内に挿入され
る固定のパッファピストンが設けられる。そして、この
固定のパッファピストンが、前記パッファシリンダの内
周面および前記第2の操作ロッドの外周面と共に、前記
パッファシリンダ内に前記パッファ室を形成するように
構成される。また、前記第2の操作ロッドに結合されか
つ前記パッファシリンダ内に挿入される可動のパッファ
ピストンが設けられる。そして、この可動のパッファピ
ストンが、前記パッファ室における前記固定のパッファ
ピストンと対向する圧縮面を形成するように構成され
る。さらに、前記パッファ室と前記吹き付けガス流路を
連通する通気道が設けられる。以上のような構成を有す
る請求項7記載の発明によれば、第2の可動接触子部の
第2の操作ロッドを利用してパッファ室を形成している
ことから、第1の可動接触子部を簡略・軽量化できる。
【0022】請求項8記載の発明は、請求項1〜7のい
ずれか一つに記載のパッファ形ガス遮断器において、可
動のアーク接触子と固定のアーク接触子が次のように構
成されたことを特徴としている。すなわち、請求項8記
載の発明において、前記可動のアーク接触子は、棒状電
極で構成される。また、前記固定のアーク接触子は、前
記棒状電極を取り囲むように配置された複数のフィンガ
状電極で構成される。以上のような構成を有する請求項
8記載の発明によれば、可動のアーク接触子を棒状電極
としていることから、このアーク接触子を含む第2の可
動接触子部を簡略・軽量化できる。
【0023】請求項9記載の発明は、請求項1〜8のい
ずれか一つに記載のパッファ形ガス遮断器において、パ
ッファ室が分割されたことを特徴としている。すなわ
ち、請求項9記載の発明においては、前記パッファ室を
分割して第1と第2パッファ室を形成する隔壁が設けら
れる。この場合、前記第1のパッファ室は、前記吹き付
けガス流路と常に連通し、かつ、開極動作中に一定の容
積が維持されるように構成される。これに対して、前記
第2のパッファ室は、開極動作において圧縮されるよう
に構成される。さらに、前記第1と第2のパッファ室を
連通する通気道が設けられる。以上のような構成を有す
る請求項9記載の発明によれば、第1のパッファ室が蓄
圧室として作用するため、消弧性ガスの圧力を、操作機
構部による機械的な操作力のみに頼らず、アークの熱エ
ネルギーを利用して上昇させることができる。その結
果、第1の可動接触子部のストローク長および操作エネ
ルギーをさらに低減することができる。
【0024】請求項10記載の発明は、請求項9記載の
パッファ形ガス遮断器において、パッファ室間の通気道
が次のように構成されたことを特徴としている。すなわ
ち、請求項10記載の発明においては、前記第1と第2
のパッファ室を連通する前記通気道にバルブが設けられ
る。そして、このバルブは、第2のパッファ室の内部圧
力値から第1のパッファ室の内部圧力値を差し引いた値
が所定の値を越えた場合にのみ開放して、第1と第2の
パッファ室を連通させるように構成される。以上のよう
な構成を有する請求項10記載の発明によれば、第2の
パッファ室内の消弧性ガスを十分に昇圧した状態で第1
のパッファ室に流入させることができるため、圧縮ガス
をより有効に利用することができる。また、蓄圧室とし
て作用する第1のパッファ室の圧力が過度に上昇した場
合には、この第1のパッファ室と第2のパッファ室との
通気道をバルブによって閉塞できる。そのため、第1の
パッファ室の過度の圧力上昇が、第2のパッファ室に影
響を及ぼすことはなく、パッファシリンダに働く反力を
増大させることはない。すなわち、本発明によれば、前
述した請求項9記載の発明の作用効果を得られることに
加えて、圧縮ガスをより有効に利用しながら、しかも、
パッファ室の圧力上昇に伴う大きな反力の発生を、バル
ブによって回避することができるため、操作エネルギー
をさらに低減することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下には、本発明によるパッファ
形ガス遮断器の複数の実施の形態について、図1〜図6
を参照して具体的に説明する。
【0026】[1.第1の実施の形態]図1は、本発明
による第1の実施の形態として、請求項1〜5記載の各
発明を適用したパッファ形ガス遮断器の一つの実施の形
態を示す構成図であり、(A)は投入状態、(B)は開
極動作後期の状態をそれぞれ示している。
【0027】[1−1.構成]本実施の形態の構成を次
に説明する。まず、図1の(A)、(B)において、1
は、消弧性ガスを封入した図示しない容器内に不動に固
定された固定接触子部であり、この固定接触子部1は、
図7に示した従来例と同様に、送電電流経路となる外周
側の固定接触子部2と、その内周側に配置された電流の
遮断・投入用の固定アーク接触子3を有する。これに対
して、可動接触子部は、本発明にしたがい、第1可動接
触子部21と第2可動接触子部22から構成されてい
る。
【0028】このうち、第1可動接触子部21は、第1
操作ロッド23と、その先端部の外周側に配置されて第
1操作ロッド23と先端部間で結合されたパッファシリ
ンダ8と、このパッファシリンダ8の先端部に結合され
た可動主接触子5および2重の絶縁ノズル7a,7bを
有する。この場合、吹き付けガス流路15は、2重の絶
縁ノズル7a,7bの間に形成されている。そして、こ
の複数の構成部材23,8,5,7a,7bが、一体的
に動作するようになっている。
【0029】さらに、パッファシリンダ8内には、この
パッファシリンダ8の内周面および第1操作ロッド23
の外周面と摺動接触する固定のパッファピストン10が
挿入されており、これらの部材8,23,10によって
パッファ室11が形成されている。また、パッファシリ
ンダ8には、このパッファ室11と前記吹き付けガス流
路15とを連通する開口部13が形成されている。一
方、第2可動接触子部22は、第2操作ロッド24と、
その先端部に結合された可動アーク接触子6を有してお
り、これらが一体的に動作するようになっている。
【0030】なお、第1操作ロッド23および第2操作
ロッド24は、図示しないリンク機構を介して互いに連
結されると共に、単一の操作機構部(図示せず)に接続
されている。図中L1は、第1可動接触子部21のスト
ローク長であり、L2は第2可動接触子部22のストロ
ーク長であり、本実施の形態においては、このストロー
ク長の比L1/L2が3/4となるようにリンク比が設
定されている。さらに、L3は、アーク接触子間開極距
離であり、吹き付けガス流路15の吹き出し口15a
は、このアーク接触子間開極距離L3のほぼ中心点に位
置するように構成されている。
【0031】[1−2.作用]以上のような構成を有す
る本実施の形態の作用は次の通りである。すなわち、図
1の(A)の投入状態において、遮断命令が発せられる
と、操作機構部(図示せず)が動作し、第1操作ロッド
23および第2操作ロッド24を開極方向(図の右方
向)に移動させる。2つの操作ロッド23,24が移動
すると、第1可動接触子部21および第2可動接触子部
22が、共に固定接触子部1から離れる方向(図の右方
向)に移動し、開極動作が開始する。このように2つの
可動接触子部21,22が開極動作を開始すると、初め
に固定主接触子2と第1可動接触子部21の可動主接触
子5が開離し、続いて固定アーク接触子3と第2可動接
触子部22の可動アーク接触子6が開離する。この際
に、図1の(B)に示すように、両アーク接触子3,6
間にアーク12が発生すると、電流が遮断されない状態
が継続する。
【0032】この場合、パッファピストン10が図示し
ない容器に対して固定されているため、第1可動接触子
部21が移動すると、パッファシリンダ8とパッファピ
ストン10とが相対移動してパッファ室11が圧縮さ
れ、パッファ室11の容積が次第に減少する。この結
果、パッファ室11の消弧性ガスが圧縮されてその圧力
が上昇し、この消弧性ガスは、図1の(B)に矢印で示
すようにパッファシリンダ8の開口部13から高速のガ
ス流14となって流出する。このガス流14は、2重の
絶縁ノズル7a,7bの間に形成された吹き付けガス流
路15内を導かれ、吹き出し口15aで、固定側に向か
う第1のガス流16と可動側に向かう第2のガス流17
に分岐し、アーク12に吹き付けられてこれを消弧す
る。
【0033】このとき、アーク時間が長く、アーク長が
アーク接触子間開極距離L3程度に長くなった場合で
も、ガスの吹き出し口15がアーク長のほぼ中心点に位
置するので、両方向のガス流16,17が処理するアー
クエネルギー量の均衡がとれ、効率よくアークエネルギ
ーを処理することができる。そして、この時点では、図
1の(B)に示すように、可動アーク接触子6が、吹き
出し口15aに比べて十分に右方向に移動しており、十
分な絶縁距離が確保されている。また、パッファシリン
ダ8の移動速度も可動アーク接触子6に比べて小さいこ
とから、パッファ室11の必要以上の圧力上昇を抑制す
ることができ、パッファシリンダ8に働く反力を低減す
ることができる。
【0034】[1−3.効果]以上のような本実施の形
態の効果は次の通りである。すなわち、消弧性ガスを吹
き出す吹き出し口15aの移動距離が、可動アーク接触
子6に比べて小さいことから、従来のような、全アーク
長に対する吹き出し口15aの位置の極端な片寄りを防
止することができる。そのため、この吹き出し口15a
からの消弧性ガスの第1と第2のガス流16,17を効
率よく使用して、アークエネルギーを効率よく処理する
ことができる。特に、本実施の形態では、前述したよう
に、吹き出し口15がアーク長のほぼ中心点に位置する
ので、第1と第2のガス流16,17が処理するアーク
エネルギー量の均衡がとれ、一層効率よくアークエネル
ギーを処理することができ、消弧効率に優れている。そ
の結果、パッファ室11およびパッファシリンダ8を小
型化できるため、可動接触子部全体を軽量化できると共
に、操作エネルギーを低減できる。
【0035】また、本実施の形態においては、前述した
ように、パッファシリンダ8の移動速度が可動アーク接
触子6に比べて小さく、必要以上の圧力上昇を抑制して
パッファシリンダ8に働く反力を低減することができる
ため、操作エネルギーを低減できる。そしてまた、単一
の操作機構部によって両方の可動接触子部21,22を
一括的に駆動できるため、複数の操作機構部で個別に駆
動する場合に比べて、遮断器全体を小型・簡略化するこ
とができ、コスト面でも有利である。さらに、パッファ
シリンダ8内に固定のパッファピストン10を挿入して
パッファ室11を形成するという既存の可動接触子部の
構成をそのまま利用しているため、第1の可動接触子部
を容易に構成できる。その結果、本実施の形態のパッフ
ァ形ガス遮断器は、従来のパッファ形ガス遮断器の設計
を利用して、極力少い設計変更で容易に実現できるた
め、この点からもコスト面で有利である。
【0036】[2.第2の実施の形態]図2は、本発明
による第2の実施の形態として、請求項1〜4、6記載
の各発明を適用したパッファ形ガス遮断器の一つの実施
の形態を示す構成図であり、(A)は投入状態、(B)
は開極動作後期の状態をそれぞれ示している。なお、本
実施の形態は、請求項6記載の発明にしたがって前記第
1の実施の形態におけるパッファシリンダ8周辺の構成
を変更したものであり、基本的な構成は、第1の実施の
形態と同様である。
【0037】[2−1.構成]図2の(A)、(B)に
示すように、本実施の形態においては、第2操作ロッド
24の先端部と可動アーク接触子6との間に可動パッフ
ァピストン31が結合されている。そして、パッファ室
11は、パッファシリンダ8の内周面と、第2操作ロッ
ド24の外周面、および可動パッファピストン31によ
って形成されている。このように、第2操作ロッド24
の外周面を利用してパッファ室11が形成されているこ
とから、第1操作ロッド23とパッファシリンダ8を内
外に設ける必要がなくなり、第1操作ロッド23とパッ
ファシリンダ8は、軸方向に一体的に設けられている。
【0038】また、この場合、パッファ室11は、吹き
付けガス流路15に通じる開口部13と反対側に形成さ
れるため、このパッファ室11と開口部13を連通させ
る通気道32がパッファシリンダ8内に設けられてい
る。この通気道32は、パッファシリンダ8の内面に沿
って設けられた仕切り壁33によって形成されており、
可動パッファピストン31は、この仕切り壁33の内周
面と摺動接触するようになっている。さらに、図中34
は、可動パッファピストン31と可動アーク接触子6の
間の通気孔であり、この通気孔34は、パッファシリン
ダ8内における可動パッファピストン31のパッファ室
11と反対側の空間にガスを流入させて可動パッファピ
ストン31の動作の円滑化を計るために設けられてい
る。なお、本実施の形態の他の部分は、前記第1の実施
の形態と全く同様に構成されているため、ここでは説明
を省略する。
【0039】[2−2.作用]以上のような構成を有す
る本実施の形態の作用は次の通りである。まず、前記第
1の実施の形態と同様にして開極動作が開始すると、第
1可動接触子部21と第2可動接触子部22の移動距離
の差分だけ、すなわち、パッファシリンダ8と可動パッ
ファピストン31の移動距離の差分だけパッファ室11
の消弧性ガスが圧縮され、通気道32を介して開口部1
3に達し、この開口部13からガス流14となって流出
する。このガス流14は、さらに吹き付けガス流路15
によって導かれ、吹き出し口15aで、固定側に向かう
第1のガス流16と可動側に向かう第2のガス流17に
分岐し、アーク12に吹き付けられてこれを消弧する。
【0040】このとき、アーク時間が長く、アーク長が
アーク接触子間開極距離程度に長くなった場合でも、前
記第1の実施の形態と同様に、ガスの吹き出し口15a
がアーク長の中心部に位置するので、両方向のガス流1
6,17が処理するアークエネルギー量の均衡がとれ、
効率よくアークエネルギーを処理することができる。そ
して、この時点では、図2の(B)に示すように、可動
アーク接触子6が、吹き出し口15aに比べて十分に右
方向に移動しており、十分な絶縁距離が確保されてい
る。また、パッファシリンダ8の移動速度も可動アーク
接触子6に比べて小さいことから、パッファ室11の必
要以上の圧力上昇を抑制することができ、パッファシリ
ンダ8に働く反力を低減することができる。
【0041】[2−3.効果]以上のような本実施の形
態によれば、前記第1の実施の形態と同様な効果に加え
て、さらに、次のような効果が得られる。すなわち、本
実施の形態においては、第2操作ロッド24に小型の可
動パッファピストン31を一体的に結合し、比較的大型
かつ独立の部材である固定のパッファピストン10を省
略しているため、部品点数を削減できる。また、第2操
作ロッド24の外周面を利用してパッファ室11を形成
していることから、第1可動接触子部21の第1操作ロ
ッド23とパッファシリンダ8の構成を簡略化できるた
め、第1可動接触子部21を簡略・軽量化できる。
【0042】[3.第3の実施の形態]図3は、本発明
による第3の実施の形態として、請求項1〜4、7記載
の各発明を適用したパッファ形ガス遮断器の一つの実施
の形態を示す構成図であり、(A)は投入状態、(B)
は開極動作後期の状態をそれぞれ示している。なお、本
実施の形態は、請求項7記載の発明にしたがって前記第
1の実施の形態におけるパッファシリンダ8周辺の構成
を変更したものであり、基本的な構成は、第1の実施の
形態と同様である。
【0043】[3−1.構成]図3の(A)、(B)に
示すように、本実施の形態においては、第2操作ロッド
24の先端部と可動アーク接触子6との間に可動パッフ
ァピストン31が結合されている。そして、パッファ室
11は、パッファシリンダ8の内周面と、第2操作ロッ
ド24の外周面、可動パッファピストン31、および固
定パッファピストン10によって形成されている。すな
わち、本実施の形態においては、可動パッファピストン
31が、パッファ室11における固定パッファピストン
10と対向する圧縮面を形成している。また、本実施の
形態においては、前記第2の実施の形態と同様に、第2
操作ロッド24の外周面を利用してパッファ室11が形
成されていることから、第1操作ロッド23とパッファ
シリンダ8を内外に設ける必要がなくなり、第1操作ロ
ッド23とパッファシリンダ8は、軸方向に一体的に設
けられている。
【0044】そしてまた、本実施の形態においては、前
記第2の実施の形態と同様に、パッファ室11は、吹き
付けガス流路15に通じる開口部13と反対側に形成さ
れるため、このパッファ室11と開口部13を連通させ
る通気道32が仕切り壁33によってパッファシリンダ
8内に形成されている。さらに、可動パッファピストン
31と可動アーク接触子6の間には、パッファシリンダ
8内における可動パッファピストン31のパッファ室1
1と反対側の空間にガスを流入させるための通気孔34
が設けられている。なお、本実施の形態の他の部分は、
前記第1の実施の形態と全く同様に構成されているた
め、ここでは説明を省略する。
【0045】[3−2.作用]以上のような構成を有す
る本実施の形態の作用は次の通りである。まず、前記第
1の実施の形態と同様にして開極動作が開始すると、第
2可動接触子部22の移動距離だけ、すなわち、可動パ
ッファピストン31の移動距離だけパッファ室11の消
弧性ガスが圧縮され、通気道32を介して開口部13に
達し、この開口部13からガス流14となって流出す
る。
【0046】このとき、アーク時間が長く、アーク長が
アーク接触子間開極距離程度に長くなった場合でも、前
記第1の実施の形態と同様に、ガスの吹き出し口15a
がアーク長の中心部に位置するので、両方向のガス流1
6,17が処理するアークエネルギー量の均衡がとれ、
効率よくアークエネルギーを処理することができる。そ
して、この時点では、図3の(B)に示すように、可動
アーク接触子6が、吹き出し口15aに比べて十分に右
方向に移動しており、十分な絶縁距離が確保されてい
る。また、パッファシリンダ8の移動速度も可動アーク
接触子6に比べて小さいことから、パッファ室11の必
要以上の圧力上昇を抑制することができ、パッファシリ
ンダ8に働く反力を低減することができる。
【0047】[3−3.効果]以上のような本実施の形
態によれば、前記第1の実施の形態と同様な効果に加え
て、さらに、次のような効果が得られる。すなわち、本
実施の形態においては、第2操作ロッド24の外周面を
利用してパッファ室11を形成していることから、第1
可動接触子部21の第1操作ロッド23とパッファシリ
ンダ8の構成を簡略化できるため、第1可動接触子部2
1を簡略・軽量化できる。
【0048】[4.第4の実施の形態]図4は、本発明
による第4の実施の形態として、請求項1〜5、8記載
の各発明を適用したパッファ形ガス遮断器の一つの実施
の形態を示す構成図であり、(A)は投入状態、(B)
は開極動作後期の状態をそれぞれ示している。なお、本
実施の形態は、請求項8記載の発明にしたがって前記第
1の実施の形態におけるアーク接触子3,6の構成を変
更したものであり、基本的な構成は、第1の実施の形態
と同様である。
【0049】[4−1.構成]図4の(A)、(B)に
示すように、本実施の形態においては、可動アーク接触
子6が、棒状電極で構成されており、固定アーク接触子
3が、この可動アーク接触子6を取り囲むように配置さ
れた複数のフィンガ状電極で構成されている。そして、
可動アーク接触子6の形状に合わせて第2操作ロッドも
可動アーク接触子6と同径の棒状に構成されている。な
お、本実施の形態の他の部分は、前記第1の実施の形態
と全く同様に構成されているため、ここでは説明を省略
する。
【0050】[4−2.作用]以上のような構成を有す
る本実施の形態の作用は次の通りである。まず、前記第
1の実施の形態と同様にして開極動作が開始すると、第
1可動接触子部21の移動距離だけ、すなわち、パッフ
ァシリンダ8の移動距離だけパッファ室11の消弧性ガ
スが圧縮され、開口部13からガス流14となって流出
する。
【0051】このとき、アーク時間が長く、アーク長が
アーク接触子間開極距離程度に長くなった場合でも、前
記第1の実施の形態と同様に、ガスの吹き出し口15a
がアーク長の中心部に位置するので、両方向のガス流1
6,17が処理するアークエネルギー量の均衡がとれ、
効率よくアークエネルギーを処理することができる。そ
して、この時点では、図4の(B)に示すように、可動
アーク接触子6が、吹き出し口15aに比べて十分に右
方向に移動しており、十分な絶縁距離が確保されてい
る。また、パッファシリンダ8の移動速度も可動アーク
接触子6に比べて小さいことから、パッファ室11の必
要以上の圧力上昇を抑制することができ、パッファシリ
ンダ8に働く反力を低減することができる。
【0052】[4−3.効果]以上のような本実施の形
態によれば、前記第1の実施の形態と同様な効果に加え
て、さらに、次のような効果が得られる。すなわち、本
実施の形態においては、可動アーク接触子6を棒状電極
としており、それに合わせて、第1操作ロッドも可動ア
ーク接触子6と同径の棒状としていることから、この部
分の構成を簡略化できるため、第2可動接触子部22を
簡略・軽量化できる。
【0053】[5.第5の実施の形態]図5は、本発明
による第5の実施の形態として、請求項1〜5、9記載
の各発明を適用したパッファ形ガス遮断器の一つの実施
の形態を示す構成図であり、(A)は投入状態、(B)
は開極動作後期の状態をそれぞれ示している。なお、本
実施の形態は、請求項9記載の発明にしたがって前記第
1の実施の形態におけるパッファ室11の構成を変更し
たものであり、基本的な構成は、第1の実施の形態と同
様である。
【0054】[5−1.構成]図5の(A)、(B)に
示すように、本実施の形態において、パッファシリンダ
8内には、パッファ室11を分割して第1パッファ室4
1と第2パッファ室42を形成する隔壁43が設けられ
ている。この場合、第1パッファ室41は、開口部13
を介して吹き付けガス流路15と常に連通し、かつ、開
極動作中に一定の容積が維持されるように容積不変に構
成されている。また、第2パッファ室42は、開極動作
において、パッファシリンダ8と固定のパッファピスト
ン10との相対移動により、容積が圧縮されるように構
成されている。さらに、隔壁43には、第1と第2パッ
ファ室41,42を連通する通気孔(通気道)44が設
けられている。なお、本実施の形態の他の部分は、前記
第1の実施の形態と全く同様に構成されているため、こ
こでは説明を省略する。
【0055】[5−2.作用]以上のような構成を有す
る本実施の形態の作用は次の通りである。まず、前記第
1の実施の形態と同様にして開極動作が開始すると、第
1可動接触子部21の移動距離だけ、すなわち、パッフ
ァシリンダ8の移動距離だけ第2パッファ室42(昇圧
室)の消弧性ガスが圧縮される。このとき、第2パッフ
ァ室42の圧力が第1パッファ室41の圧力より高くな
ると、圧縮された消弧性ガスは、通気孔44を介して第
1パッファ室41内に流入し、開口部13からガス流1
4となって流出する。また、図5の(B)に示すよう
に、両アーク接触子3,6間にアーク12が発生する
と、このアーク12の熱エネルギーにより加熱膨張した
消弧性ガスにより第1パッファ室41(蓄圧室)の圧力
が上昇する。さらに、開極動作が進行し、第2パッファ
室42の昇圧が低下すると、第1パッファ室41から開
口部13を経てガス流14が流出する。
【0056】このとき、アーク時間が長く、アーク長が
アーク接触子間開極距離程度に長くなった場合でも、こ
のとき、アーク時間が長く、アーク長がアーク接触子間
開極距離程度に長くなった場合でも、前記第1の実施の
形態と同様に、ガスの吹き出し口15aがアーク長の中
心部に位置するので、両方向のガス流16,17が処理
するアークエネルギー量の均衡がとれ、効率よくアーク
エネルギーを処理することができる。そして、この時点
では、図5の(B)に示すように、可動アーク接触子6
が、吹き出し口15aに比べて十分に右方向に移動して
おり、十分な絶縁距離が確保されている。
【0057】さらに、本実施の形態では、第2パッファ
室42の昇圧動作が終了した後も、アークの熱エネルギ
ーにより蓄圧した第1パッファ室41よりガス流が供給
される。したがって、アーク時間が長い場合にも十分な
遮断能力を発揮できる。さらに、第1可動接触子部21
のストローク長が十分でなく、長時間に亘る第2パッフ
ァ室42の昇圧動作が得られない場合にも、第1パッフ
ァ室41の蓄圧機能によってその不足分を補うことがで
きる。
【0058】[5−3.効果]以上のような本実施の形
態によれば、前記第1の実施の形態と同様な効果に加え
て、さらに、次のような効果が得られる。すなわち、本
実施の形態においては、消弧性ガスの圧力を、操作機構
部による機械的な操作力のみに頼らず、アークの熱エネ
ルギーを利用して上昇させることができる。その結果、
第1可動接触子部21のストローク長および操作エネル
ギーをさらに低減することができる。
【0059】[6.第6の実施の形態]図6は、本発明
による第6の実施の形態として、請求項1〜5、9、1
0記載の各発明を適用したパッファ形ガス遮断器の一つ
の実施の形態を示す構成図であり、(A)は投入状態、
(B)は開極動作後期の状態をそれぞれ示している。な
お、本実施の形態は、請求項10記載の発明にしたがっ
て前記第5の実施の形態における第1と第2のパッファ
室41,42の間の通気道の構成を若干変更したもので
あり、基本的な構成は、第5の実施の形態と同様であ
る。
【0060】[6−1.構成]図6の(A)、(B)に
示すように、本実施の形態においては、パッファシリン
ダ8における第1パッファ室41と第2パッファ室42
を区切る隔壁43に、前記第5の実施の形態の通気孔4
4の代わりに、バルブ51が設けられている。このバル
ブ51は、第2パッファ室42の内部圧力値から第1パ
ッファ室41の内部圧力値を差し引いた値が所定の値を
越えた場合にのみ開放して、第1と第2のパッファ室4
1,42を連通させるように構成されている。なお、本
実施の形態の他の部分は、前記第5の実施の形態と全く
同様に構成されているため、ここでは説明を省略する。
【0061】[6−2.作用]以上のような構成を有す
る本実施の形態の作用は基本的に、前記第5の実施の形
態と同様であるが、本実施の形態においては、第2パッ
ファ室42の内部圧力値から第1パッファ室41の内部
圧力値を差し引いた値が所定の値を越えたときにのみ、
バルブ51が開放し、第1と第2のパッファ室41,4
2が連通する。したがって、第2パッファ室42から第
1パッファ室41に対するガス流出に遅延時間を設ける
ことができ、第2パッファ室42内の消弧性ガスを十分
に昇圧した状態で第1パッファ室41に流入させること
ができるため、圧縮ガスをより有効に利用することがで
きる。
【0062】さらに、開極動作末期に、蓄圧室として作
用する第1パッファ室41の圧力上昇が著しくなった場
合には、バルブ51が閉じるため、第2パッファ室42
にガスが流出して第2パッファ室42の圧力を過度に上
昇させることを防止でき、それによって、パッファシリ
ンダ8に大きな反力が働くことを防止できる。
【0063】[6−3.効果]以上のような本実施の形
態によれば、前記第5の実施の形態と同様な効果に加え
て、さらに、次のような効果が得られる。すなわち、本
実施の形態においては、第2パッファ室42内の消弧性
ガスを十分に昇圧した状態で第1パッファ室41に流入
させることができ、圧縮ガスをより有効に利用すること
ができるため、操作エネルギーをより低減することがで
きる。また、蓄圧室として作用する第1パッファ室41
の圧力が過渡に上昇した場合に、この圧力上昇の影響を
第2のパッファ室42に及ぼすことはなく、第2パッフ
ァ室42の圧力上昇に伴う大きな反力の発生をバルブ5
1によって回避することができるため、操作エネルギー
をさらに低減することができる。
【0064】[7.他の実施の形態]なお、本発明は、
前記各実施の形態に限定されるものではなく、主接触
子、アーク接触子、絶縁ノズル、パッファシリンダ、パ
ッファピストン、パッファ室、吹き付けガス流路や連通
道などの、各部の具体的な構成は適宜変更可能である。
また、2つの可動接触子部21,22の具体的な駆動方
法や連結方法は適宜選択可能である。すなわち、操作機
構部や連結リンクなどの構成は自由に選択可能である。
さらに、前記各実施の形態では、固定接触子部1が容器
に対して不動に固定されているものとして説明したが、
本発明は、固定接触子部1についても可動に構成したタ
イプのパッファ形ガス遮断器に対しても、同様に適用可
能である。この場合には、パッファシリンダを有する側
の接触子部を第1、第2の可動接触子部として構成し、
対向側の接触子部を固定接触子部として構成することに
より、同様に優れた効果を得ることができる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
可動接触子部を、絶縁ノズルを含む第1の可動接触子部
と可動のアーク接触子を含む第2の可動接触子部とに分
け、開極動作時には可動のアーク接触子を固定側から十
分に離す一方で、絶縁ノズルのストローク長を小さくす
ることにより、アークに対する消弧性ガスの吹き出し口
の位置を適切に設定してアークエネルギーを効率よく処
理すると共に、パッファ室の過度な圧力上昇を抑制して
パッファシリンダに働く反力を低減することができる。
したがって、従来に比べて、消弧効率に優れ、可動接触
子部の軽量化および操作エネルギーの低減が可能なパッ
ファ形ガス遮断器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施の形態のパッファ形ガ
ス遮断器を示す構成図であり、(A)は投入状態、
(B)は開極動作後期の状態を示す。
【図2】本発明による第2の実施の形態のパッファ形ガ
ス遮断器を示す構成図であり、(A)は投入状態、
(B)は開極動作後期の状態を示す。
【図3】本発明による第3の実施の形態のパッファ形ガ
ス遮断器を示す構成図であり、(A)は投入状態、
(B)は開極動作後期の状態を示す。
【図4】本発明による第4の実施の形態のパッファ形ガ
ス遮断器を示す構成図であり、(A)は投入状態、
(B)は開極動作後期の状態を示す。
【図5】本発明による第5の実施の形態のパッファ形ガ
ス遮断器を示す構成図であり、(A)は投入状態、
(B)は開極動作後期の状態を示す。
【図6】本発明による第6の実施の形態のパッファ形ガ
ス遮断器を示す構成図であり、(A)は投入状態、
(B)は開極動作後期の状態を示す。
【図7】従来のパッファ形ガス遮断器の一例を示す構成
図であり、(A)は投入状態、(B)は開極動作後期の
状態を示す。
【符号の説明】
1:固定接触子部 2:固定主接触子 3:固定アーク接触子 4:可動接触子部 5:可動主接触子 6:可動アーク接触子 7,7a,7b:絶縁ノズル 8:パッファシリンダ 9:操作ロッド 10:(固定)パッファピストン 11:パッファ室 12:アーク 13:開口部 14:ガス流 15:吹き付けガス流路 15a:吹き出し口 16:(固定側に向かう)第1のガス流 17:(可動側に向かう)第2のガス流 21:第1可動接触子部 22:第2可動接触子部 23:第1操作ロッド 24:第2操作ロッド 31:可動パッファピストン 32:通気道 33:仕切り壁 34:通気孔 41:第1パッファ室 42:第2パッファ室 43:隔壁 44:通気孔 51:バルブ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 消弧性ガスを封入した容器内に、対向配
    置された固定接触子部と可動接触子部を有し、可動接触
    子部は、消弧性ガスを圧縮するためのパッファ室とこの
    パッファ室内で圧縮された消弧性ガスをアークに吹き付
    けるための吹き付けガス流路を備えたパッファ形ガス遮
    断器において、 前記固定接触子部は、固定の主接触子とその内周側に同
    軸状に配置された固定のアーク接触子を有し、 前記可動接触子部は、第1の可動接触子部とその内周側
    に同軸状に配置された第2の可動接触子部を有し、 前記第1の可動接触子部は、その構成部材として、第1
    の操作ロッド、この第1の操作ロッドの先端部に結合さ
    れて前記パッファ室を形成するパッファシリンダ、この
    パッファシリンダの先端部に結合された可動の主接触
    子、およびパッファシリンダの先端部に結合されて前記
    吹き付けガス流路を形成する絶縁ノズルを有し、かつ、
    この複数の構成部材が一体的に動作するように構成さ
    れ、 前記第2の可動接触子部は、その構成部材として、第2
    の操作ロッドとこの第2の操作ロッドの先端部に結合さ
    れた可動のアーク接触子を有し、かつ、この複数の構成
    部材が一体的に動作するように構成され、 前記第1の可動接触子部の開極動作におけるストローク
    長が、前記第2の可動接触子部の開極動作におけるスト
    ローク長より小さくなるように構成されたことを特徴と
    するパッファ形ガス遮断器。
  2. 【請求項2】 前記第1の可動接触子部のストローク長
    は、前記第2の可動接触子部のストローク長の約1/2
    〜3/4の範囲の長さとなるように構成されたことを特
    徴とする請求項1記載のパッファ形ガス遮断器。
  3. 【請求項3】 前記吹き付けガス流路は、開極位置にあ
    る場合に、その吹き出し口が固定のアーク接触子から可
    動のアーク接触子に至る全アーク長のほぼ中心点に位置
    するように構成されたことを特徴とする請求項1または
    請求項2記載のパッファ形ガス遮断器。
  4. 【請求項4】 前記第1と第2の操作ロッドは、リンク
    機構を介して互いに連結され、かつ、前記第1と第2の
    可動接触子部は、単一の操作機構部で駆動されるように
    構成されたことを特徴とする請求項1から請求項3まで
    のいずれか一つに記載のパッファ形ガス遮断器。
  5. 【請求項5】 前記パッファシリンダ内に挿入される固
    定のパッファピストンが設けられ、この固定のパッファ
    ピストンが、前記パッファシリンダの内周面および前記
    第1の操作ロッドの外周面と共に、前記パッファシリン
    ダ内に前記パッファ室を形成するように構成されたこと
    を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一つ
    に記載のパッファ形ガス遮断器。
  6. 【請求項6】 前記第2の操作ロッドに結合されかつ前
    記パッファシリンダ内に挿入される可動のパッファピス
    トンが設けられ、この可動のパッファピストンが、前記
    パッファシリンダの内周面および前記第2の操作ロッド
    の外周面と共に、前記パッファシリンダ内における前記
    吹き付けガス流路と反対側に前記パッファ室を形成する
    ように構成され、 前記パッファ室と前記吹き付けガス流路を連通する通気
    道が設けられたことを特徴とする請求項1から請求項4
    までのいずれか一つに記載のパッファ形ガス遮断器。
  7. 【請求項7】 前記パッファシリンダ内に挿入される固
    定のパッファピストンが設けられ、この固定のパッファ
    ピストンが、前記パッファシリンダの内周面および前記
    第2の操作ロッドの外周面と共に、前記パッファシリン
    ダ内に前記パッファ室を形成するように構成され、 前記第2の操作ロッドに結合されかつ前記パッファシリ
    ンダ内に挿入される可動のパッファピストンが設けら
    れ、この可動のパッファピストンが、前記パッファ室に
    おける前記固定のパッファピストンと対向する圧縮面を
    形成するように構成され、 前記パッファ室と前記吹き付けガス流路を連通する通気
    道が設けられたことを特徴とする請求項1から請求項4
    までのいずれか一つに記載のパッファ形ガス遮断器。
  8. 【請求項8】 前記可動のアーク接触子は、棒状電極で
    構成され、かつ、前記固定のアーク接触子は、前記棒状
    電極を取り囲むように配置された複数のフィンガ状電極
    で構成されたことを特徴とする請求項1から請求項7ま
    でのいずれか一つに記載のパッファ形ガス遮断器。
  9. 【請求項9】 前記パッファ室を分割して第1と第2パ
    ッファ室を形成する隔壁が設けられ、 前記第1のパッファ室は、前記吹き付けガス流路と常に
    連通し、かつ、開極動作中に一定の容積が維持されるよ
    うに構成され、 前記第2のパッファ室は、開極動作において圧縮される
    ように構成され、 前記第1と第2のパッファ室を連通する通気道が設けら
    れたことを特徴とする請求項1から請求項8までのいず
    れか一つに記載のパッファ形ガス遮断器。
  10. 【請求項10】 前記第1と第2のパッファ室を連通す
    る前記通気道にバルブが設けられ、このバルブは、第2
    のパッファ室の内部圧力値から第1のパッファ室の内部
    圧力値を差し引いた値が所定の値を越えた場合にのみ開
    放して、第1と第2のパッファ室を連通させるように構
    成されたことを特徴とする請求項9記載のパッファ形ガ
    ス遮断器。
JP6799196A 1996-03-25 1996-03-25 パッファ形ガス遮断器 Pending JPH09259714A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6799196A JPH09259714A (ja) 1996-03-25 1996-03-25 パッファ形ガス遮断器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6799196A JPH09259714A (ja) 1996-03-25 1996-03-25 パッファ形ガス遮断器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09259714A true JPH09259714A (ja) 1997-10-03

Family

ID=13360952

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6799196A Pending JPH09259714A (ja) 1996-03-25 1996-03-25 パッファ形ガス遮断器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09259714A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20150078544A (ko) * 2013-12-31 2015-07-08 주식회사 효성 가스절연 개폐장치의 가스차단기

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20150078544A (ko) * 2013-12-31 2015-07-08 주식회사 효성 가스절연 개폐장치의 가스차단기
WO2015102310A1 (ko) * 2013-12-31 2015-07-09 주식회사 효성 가스절연 개폐장치의 가스차단기

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008112633A (ja) ガス遮断器
JPS62276717A (ja) パツフア形ガスしや断器
JP2002075148A (ja) パッファ形ガス遮断器
JPH09259714A (ja) パッファ形ガス遮断器
JPH10269912A (ja) ガス遮断器
RU2094886C1 (ru) Дугогасительное устройство высоковольтного газонаполненного автокомпрессионного выключателя
JP2000268687A (ja) ガス遮断器
JPH0797468B2 (ja) パツフア形ガス遮断器
JPS6196623A (ja) ガス遮断器
JP2682180B2 (ja) パッファ形ガス遮断器
JPH0286023A (ja) パッファ型ガス遮断器
JPS5856923B2 (ja) パツフア−形ガスしや断器
JP2512502Y2 (ja) ガス絶縁断路器
WO2020084984A1 (ja) ガス遮断器
JP2625983B2 (ja) パッファ形ガス遮断器
JPH02100218A (ja) パッファ形ガス遮断器
JPH01313827A (ja) パッファ形ガス遮断器
JPH05166442A (ja) パッファ形ガス遮断器
WO2019092866A1 (ja) ガス遮断器
JP2001283695A (ja) パッファ形ガス遮断器
JP3046314B2 (ja) パッファ形ガス遮断器
JPH0294332A (ja) パッファ形ガス遮断器
JPH08264085A (ja) パッファ形ガス遮断器
JPH0260014A (ja) パッファ形ガス遮断器
JPH01313828A (ja) パッファ形ガス遮断器