JPH09258201A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH09258201A
JPH09258201A JP8070458A JP7045896A JPH09258201A JP H09258201 A JPH09258201 A JP H09258201A JP 8070458 A JP8070458 A JP 8070458A JP 7045896 A JP7045896 A JP 7045896A JP H09258201 A JPH09258201 A JP H09258201A
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JP
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liquid crystal
crystal display
display device
color
range
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JP8070458A
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English (en)
Inventor
Shinichi Murayama
真一 村山
Hiroshi Onishi
浩 大西
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 視角による色変化が少ない無彩色であって、
かつ高い遮光性を有する背景色を得る。 【解決手段】 一対の偏光板27,28間に介在される
液晶表示素子26は、一対の透光性基板22,23間で
液晶分子が85°〜110゜の範囲で捩れ配向するTN
型であり、液晶材料の屈折率異方性Δnと液晶層の厚み
dとの積Δn・dは、1000nm〜2000nmの範
囲に選ばれる。液晶表示素子26と偏光板27との間に
は正の位相差を有する光学補償板29が配置される。光
学補償板29の表面の法線方向に対して45゜の方向に
おけるリターデーション値R45は0よりも大きくかつ
50nm以下の範囲に選ばれる。このようにしてノーマ
リブラック方式に構成される液晶表示装置21は、視角
による色変化が少ない無彩色であって、かつ高い遮光性
を有する背景色が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば車載用機
器などの白黒表示を行う表示手段として好適に用いられ
るツイステッドネマティック(以下、「TN」という)
型の液晶表示装置に関し、特に電圧無印加時に光を遮断
する、たとえば黒色の表示色を背景色として、電圧印加
時に光を透過する、たとえば白色の表示部分によって表
示を行う、いわゆるノーマリブラック方式を採用したT
N型の液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図14は、一般的なTN型の液晶表示装
置1の構成を示す断面図である。液晶表示装置1は、透
光性基板2,3、透明電極4,5、配向膜6,7、接着
剤8、液晶層9および偏光板10,11を含んで構成さ
れる。たとえばガラスで実現される透光性基板2,3
は、互いの一方表面2a,3aが対向するように配置さ
れ、該基板間に液晶層9が介在されて、接着剤8で接着
される。たとえば基板2の表面2aには、少なくとも透
明電極4と配向膜6とがこの順番に積層して形成され
る。透明電極4は、たとえば文字形状のセグメント電極
である。基板3の表面3aにも、少なくとも透明電極5
と配向膜7とがこの順番に積層して形成される。透明電
極5は、たとえば基板3の表面3a全面に形成されるコ
モン電極である。
【0003】配向膜6,7の表面には、配向処理がそれ
ぞれ施される。具体的には、たとえばポリイミド樹脂な
どの有機材料を塗布してその表面をラビング処理する、
あるいは斜方蒸着法によって無機膜を形成するなどによ
って、配向膜6,7が実現される。配向処理によって液
晶層9の液晶分子が一方方向に配向する。基板2,3の
他方表面2b,3bには、偏光板10,11がそれぞれ
配置される。
【0004】図15は、前記液晶表示装置1の各構成部
材の位置関係を示す図である。実線P1は基板2に最近
接する液晶分子の配向軸を示し、実線P2は基板3に最
近接する液晶分子の配向軸を示し、実線P3は偏光板1
0の吸収軸を示し、実線P4は偏光板11の吸収軸を示
す。また、角度αは基板2に最近接する液晶分子の配向
軸P1と偏光板10の吸収軸P3との成す角を示し、角
度βは基板3に最近接する液晶分子の配向軸P2と偏光
板11の吸収軸P4との成す角を示す。さらに、角度φ
は基板2に最近接する液晶分子の配向軸P1と基板3に
最近接する液晶分子の配向軸P2との成す角、すなわち
捩れ角φを示す。角度αは0°に選ばれ、角度βは90
°に選ばれる。また、角度φは90°に選ばれる。
【0005】このようにして構成されるTN型の液晶表
示装置1は、たとえば車載用機器などの白黒表示を行う
表示手段として用いられる。当該液晶表示装置1は、電
圧無印加時に光を遮断する、たとえば黒色の表示色を背
景色として、電圧印加時に光を透過する、たとえば白色
の表示部分によって表示を行う、いわゆるノーマリブラ
ック方式を採用した液晶表示装置である。
【0006】前記液晶表示装置1では、用いられる液晶
分子に屈折率異方性があるために、観察者の視角方向に
よって表示色が異なって観察されるという不都合が生じ
る。特に、背景色である黒色表示部分においてこのよう
な不都合が顕著である。前記液晶表示装置1を車載用の
表示手段として用いた場合、運転席側と助手席側とから
の両方で良好な表示特性で観察される必要があり、視角
方向によって表示色が異なることは大きな問題である。
また、コントラストの高い表示を得るために、ノーマリ
ブラック方式において背景色となる黒色表示部分では、
液晶表示装置の裏側に配置されるバックライトからの光
をより多く遮断する必要がある。したがって、視角によ
る色変化が少ない無彩色であって、かつ高い遮光性を有
する背景色が要求される。
【0007】このような要求に対して、たとえば特開平
7−49498号公報では、Δn・dを1800nm〜
2000nmの比較的大きい範囲に選ぶ技術、およびΔ
n・dを前記比較的大きい範囲に選ぶとともに液晶層を
二色性色素を含んで構成する技術が開示されている。
【0008】また、特開平6−167706号公報で
は、電圧無印加時に光を透過する、たとえば白色の表示
色を背景色として、電圧印加時に光を遮断する、たとえ
ば黒色の表示部分によって表示を行う、いわゆるノーマ
リホワイト方式を採用した液晶表示装置に関してである
けれども、液晶表示素子と偏光板との間にnx=ny≠
nzの光学補償板を配置し、Δn・dを300nm〜6
00nmの範囲に選ぶ技術が開示されている。屈折率n
x,nyは、面内の互いに直交する方向の屈折率であ
り、屈折率nzは厚み方向の屈折率である。このように
して、背景色、この場合では白色の背景色の視角による
色変化を抑制している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記液晶表示装置1の
ように、ノーマリブラック方式を採用したTN型の液晶
表示装置において、特開平7−49498号公報に記載
の先行技術のように、Δn・dを比較的大きい範囲に選
ぶと、黒色の背景色に関しては視角による色変化が少な
くなるけれども、全体としての、すなわち白色の表示部
分を含めた表示画面全体としての視角による色変化が悪
化することがわかった。また、液晶層を二色性色素を含
んで構成しても、背景色を完全に無彩色にすることは困
難であった。このような二色性色素の添加はまた、駆動
時における透過率が低下する要因となり、さらにはコン
トラストが低下することとなる。
【0010】また、特開平6−167706号公報に記
載の先行技術は、nx=ny≠nzの光学補償板を配置
し、Δn・dを比較的小さい範囲に選んで、白色の背景
色の視角による色変化を抑制しているけれども、当該技
術は背景色の色変化が比較的目立たない、すなわち背景
色が白色のノーマリホワイト方式を採用した液晶表示装
置に関してであり、このような技術を背景色が黒色のノ
ーマリブラック方式の液晶表示装置1に適用しても、実
用レベルに達する高い遮光性を有する黒色の背景色は得
られない。
【0011】本発明の目的は、視角による色変化が少な
い無彩色であって、かつ高い遮光性を有する色変化の少
ない背景色が得られるノーマリブラック方式を採用した
TN型の液晶表示装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、一対の偏光板
間と、前記一対の偏光板間に介在され、一対の透光性基
板間で液晶分子が85°〜110゜の範囲で捩れ配向
し、液晶材料の屈折率異方性Δnと、液晶層の厚みdと
の積Δn・dが、1000nm〜2000nmの範囲に
選ばれるツイステッドネマティック型の液晶表示素子
と、前記液晶表示素子と前記一対の偏光板のうちの少な
くともいずれか一方の偏光板との間に配置され、面内の
互いに直交する方向の屈折率nx,nyと、厚み方向の
屈折率nzとは、nx=ny<nzの関係を満たす光学
補償板とを含んで構成されることを特徴とする液晶表示
装置である。本発明に従えば、液晶表示装置は一対の偏
光板間にTN型の液晶表示素子を介在して構成される。
前記液晶表示素子は、一対の透光性基板間で液晶分子が
85°〜110゜の範囲で捩れ配向するツイステッドネ
マティック型の液晶表示素子であり、該液晶表示素子の
液晶材料の屈折率異方性Δnと液晶層の厚みdとの積Δ
n・dは、1000nm〜2000nmの範囲に選ばれ
る。液晶表示素子と少なくともいずれか一方の偏光板と
の間には上述した関係、すなわち正の位相差を有する光
学補償板が配置される。前記TN型の液晶表示装置をノ
ーマリブラック方式の液晶表示装置として構成したとき
において、視角による色変化が少ない無彩色であって、
かつ高い遮光性を有する色変化の少ない背景色が得られ
ることがわかった。
【0013】また本発明は、前記光学補償板の表面の法
線方向に対して45゜の方向におけるリターデーション
値が、0よりも大きくかつ50nm以下の範囲に選ばれ
ることを特徴とする。本発明に従えば、このような特性
を有する光学補償板を用いることによって、さらに視角
による色変化が少ない無彩色であって、かつ高い遮光性
を有する色変化の少ない背景色が得られることがわかっ
た。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態で
ある液晶表示装置21の構成を示す断面図である。液晶
表示装置21は、液晶表示素子26、偏光板27,28
および光学補償板29を含んで構成される。液晶表示素
子26は、偏光板27,28間に配置される。光学補償
板29は、液晶表示素子26と、一対の偏光板27,2
8のうちの少なくともいずれか一方の偏光板との間に、
少なくとも1枚配置され、本形態では、液晶表示素子2
6と偏光板27との間に1枚配置した。
【0015】液晶表示素子を通過した光が光学補償板を
通過するときの色補正の原理と、光学補償板を通過した
光が液晶表示素子を通過するときの色補正の原理とは同
等であり、光学補償板29は液晶表示素子26と偏光板
27との間に限らず、液晶表示素子26と偏光板28と
の間に配置してもかまわない。また、両方に配置しても
かまわない。さらに、その枚数は複数枚配置することも
原理的には可能であるけれども、後述するリターデーシ
ョン値R45は小さい方が好ましく、そのためには光学
補償板29の枚数は少ない方が好ましい。
【0016】前記液晶表示素子26は、一対の透光性基
板22,23を所定の間隔をあけて接着剤25で接着
し、当該透光性基板22,23間に液晶層24を配置し
て構成される。表示を凹凸状にするための処理を特に施
していない、一般的なガラス基板などで実現される透光
性基板22,23の液晶層24側表面には、図示しない
けれども透明電極がそれぞれ形成され、当該透明電極を
覆って配向膜がそれぞれ形成される。透光性基板22,
23は、たとえばガラスで実現される。透明電極は、た
とえばITO(Indium Tin Oxide)で実現される。配向
膜は、たとえばポリイミド樹脂で実現され、その表面に
はラビング処理などの配向処理が施されている。また配
向膜は、斜方蒸着法によって作成された無機膜で実現さ
れてもかまわない。
【0017】このような透光性基板22,23間に注入
されて液晶層24を形成する液晶材料は、TN型の液晶
材料で実現される。透光性基板22,23間での液晶分
子の捩れ角φは、捩れ角が90°の場合と光学的に同様
な原理で駆動され、経験的にほぼ同様な効果が得られる
ことが明らかな85°〜110°の範囲に選ばれ、本形
態では、90°に選んだ。すなわち、透光性基板22,
23の表面に形成された配向膜の配向処理方向が、互い
に90°となるようにして透光性基板22,23を配置
した。
【0018】また、液晶分子の屈折率異方性Δnと液晶
層24の厚みdとの積Δn・dは、比較的大きい100
0nm〜2000nmの範囲に選ばれる。本形態では、
Δn・dが1100nm、1300nmおよび1900
nmの3種類の液晶表示装置を作成するために、液晶分
子の屈折率異方性Δnが0.199および0.095の
2種類の材料を混合して、液晶分子の屈折率異方性Δn
が0.116、0.137および0.199の液晶材料
を調整した。また、液晶層24の厚みdは9.5μmに
選んだ。
【0019】光学補償板29としては、正の位相差を有
するものが用いられる。すなわち、面内の互いに直交す
る方向の屈折率nx,nyと、厚み方向の屈折率nzと
が、nx=ny<nzの関係を満たす光学補償板が用い
られる。また好ましくは、当該光学補償板29の表面の
法線方向に対して45゜の方向におけるリターデーショ
ン値R45は、0よりも大きくかつ50nm以下の範囲
(0<R45≦50)に選ばれる。リターデーション値
R45が0の光学補償板(R45=0)の屈折率nx,
ny,nzの関係はnx=ny=nxとなり、上記関係
であるnx=ny<nzを満たさないので好ましくな
い。また、リターデーション値R45は、用いる液晶材
料の屈折率異方性Δnに依存して変化する値である。な
お、(nx−ny)が光学補償板の表面の法線方向のリ
ターデーション値に相当する。(nz−nx)または
(nz−ny)が前記リターデーション値R45に相当
する。nx=nyの場合、法線方向のリターデーション
値は0である。
【0020】本形態では、リターデーション値R45を
50nmおよび40nmに選んだ。具体的には、住友化
学社製PLCフィルムを用いた。なお、光学補償板29
は、たとえば光学異方性を持たないTACなどの高分子
フィルム上に、あるいは偏光板の基材上に、直接、垂直
配向した液晶高分子層を作成したもので実現しても構わ
ない。このような形成方法は、たとえば特開平6−14
8429号公報に開示されている。偏光板27,28と
しては、住友化学社製の高耐久性偏光板ST−1822
を用いた。
【0021】図2は、前記液晶表示装置21の各構成部
材の位置関係を示す図である。矢符P11は、透光性基
板22側に形成された配向膜の配向処理方向、すなわち
透光性基板22に最近接する液晶分子の配向軸を示す。
矢符P12は、透光性基板23側に形成された配向膜の
配向処理方向、すなわち透光性基板23に最近接する液
晶分子の配向軸を示す。矢符P13は、偏光板27の吸
収軸を示す。矢符P14は、偏光板28の吸収軸を示
す。
【0022】配向処理方向P11と配向処理方向P12
との成す角は、透光性基板22,23間での液晶分子の
捩れ角φであり、前述したように85°〜110°の範
囲に選ばれ、本形態では、90°に選んでいる。配向処
理方向P11と吸収軸P13とは互いに平行に配置さ
れ、配向処理方向P12と吸収軸P14とは互いに直交
して配置される。すなわち偏光板27,28は、互いの
吸収軸P13,P14が平行になるようにして配置され
る。このような位置関係に選ぶことによって、一般的な
ノーマリブラック方式のTN型液晶表示装置が作成され
る。
【0023】このようにして構成された液晶表示装置2
1の視角による色変化を評価した。具体的には、液晶表
示装置21の表示面内の互いに直交する方向を3時方
向、6時方向、9時方向および12時方向として方位角
を設定し、液晶表示装置21の表示面の法線方向を0°
として、各方位角において視角θを0°から50°まで
5°ずつ傾斜したときの色変化を測定した。測定は、大
塚電子社製の光学特性測定装置LCD−5000を用い
て行った。
【0024】図3〜図11は、液晶表示装置の視角によ
る色変化を示すCIE色度図である。図3〜図5は、d
・Δnを1100nmに選んだ液晶表示装置の結果を示
し、図6〜図8は、d・Δnを1300nmに選んだ液
晶表示装置の結果を示し、図9〜図11は、d・Δnを
1900nmに選んだ液晶表示装置の結果を示す。また
図3、図6および図9は、光学補償板29を設けず、か
つ液晶層24を二色性色素を含んで構成した比較例の結
果を示し、図4、図7および図10は、リターデーショ
ン値R45が40nmの光学補償板29を設け、液晶層
24には二色性色素を含めなかった場合の結果を示し、
図5、図8および図11は、リターデーション値R45
が50nmの光学補償板29を設け、液晶層24には二
色性色素を含めなかった場合の結果を示す。
【0025】さらに、実線L1,L11,L21,L3
1,L41,L51,L61,L71,L81は、12
時方向の方位角における結果を示す。実線L2,L1
2,L22,L32,L42,L52,L62,L7
2,L82は、6時方向の方位角における結果を示す。
実線L3,L13,L23,L33,L43,L53,
L63,L73,L83は、9時方向の方位角における
結果を示す。実線L4,L14,L24,L34,L4
4,L54,L64,L74,L84は3時方向の方位
角における結果を示す。
【0026】前記比較例において液晶層24に含めた二
色性色素は、たとえば特開平7−49498号公報に開
示されているように、青色系の二色性色素が選ばれ、ま
たその割合は液晶材料に対して0.2%以上1.0%以
下の範囲に選ばれる。
【0027】CIE色度図において、(x,y)=
(0.3031,0.3062)の座標点が、ホワイト
ポイントWに設定されており、当該ホワイトポイントW
よりもx、yがともに大きい場合には表示が黄色を示
し、逆に小さい場合には青色を示す。また、xが小さ
く、yが大きい場合には緑色を示し、xが大きく、yが
小さい場合には赤色を示す。したがって、測定値はでき
る限りホワイトポイントWに近いことが望ましい。
【0028】図12は、図3〜図11からそれぞれ求め
られるD値の定義を説明するための図である。図3〜図
11に示された実線L1〜L4,L11〜L14,L2
1〜L24,L31〜L34,L41〜L44,L51
〜L54,L61〜L64,L71〜L74,L81〜
L84に相当する実線LにおいてX軸上の最小値をxm
inとし、最大値をxmaxとし、Y軸上の最小値をy
minとし、最大値をymaxとする。そして、Δx=
xmax−xmin,Δy=ymax−yminとし
て、前記D値は、
【0029】
【数1】
【0030】で定義される。すなわちD値とは、実線L
を囲む長方形31の対角線長さに相当する。D値が小さ
い程、実線Lの変化の範囲が狭く、視角による色度変化
は小さいといえる。
【0031】次の表1は、図3〜図11からそれぞれ求
められたD値を示すものである。なお、図3において4
つの実線L1〜L4全体を囲む長方形の対角線長さとし
てD値を求めている。他の図4〜図11についても同様
である。
【0032】
【表1】
【0033】図3〜図11および表1に示される結果よ
り、いずれのd・Δn(1100nm、1300nmお
よび1900nm)に設定した場合であっても、光学補
償板を設けずに二色性色素を添加するのに代わって、二
色性色素を添加せずに光学補償板29を設けることによ
って、D値が小さくなっており、色変化の程度が小さく
なっていることがわかる。光学補償板を設けずに二色性
色素を添加した場合と、二色性色素を添加せずに光学補
償板を設けた場合とでは、視角θ=0°においてはほぼ
同等の無彩色に近い色彩を示すけれども、視角θを傾け
たときにおいては後者の方が無彩色に近いことがわか
る。また、d・Δnが大きい方がD値が小さく、色調の
変化が少ないことがわかる。
【0034】図13は、以下に示すGooch&Tar
ryの式に基づくd・Δnと透過率Tとの関係を示すグ
ラフである。このような関係は、TN型の液晶表示装置
を設計するにあたって一般的に用いられる既に公知の関
係である。曲線L9R,L9G,L9Bは、波長λが6
50nm(赤)、550nm(緑)および450nm
(青)の光における関係をそれぞれ示している。
【0035】(Gooch&Tarryの式)
【0036】
【数2】
【0037】図13からわかるように、液晶表示装置に
おいて不要な着色のないd・Δnは、連続的に選べるの
ではなく、あるポイントで選ばれる。通常d・Δnは、
最も着色の少ないポイントである400〜550nm付
近(ファーストミニマムなどと称される)に設定され
る。またあるいは、次に着色の少ないポイントである1
000〜1200nm付近(セカンドミニマムなどと称
される)や1800〜2000nm付近(サードミニマ
ムなどと称させる)に設定される。
【0038】前記ファーストミニマム付近にd・Δnを
設定した場合、応答速度が速いことやコントラストが高
いことなどの利点があるけれども、僅かなリターデーシ
ョン値の変化に対して透過率が大きく変動するので、本
形態のように視角による色変化を抑制することを目的と
した場合には好ましい範囲ではない。したがって本形態
では、前記セカンドミニマム付近である1000nm以
上にd・Δnを設定している。
【0039】また、d・Δnを2000nm以上に設定
するためには、液晶層の厚さdを10μm以上に選ぶ
か、あるいは液晶材料のΔnを0.2以上に選ぶ必要が
ある。しかしながら、液晶層の厚さdを10μm以上に
選ぶと、応答速度がかなり遅くなり、しきい値電圧が高
くなるので、実用には適さない。また、Δnが0.2以
上の液晶材料として、たとえば転移点やしきい値電圧な
どの他の特性が実用レベルに達しているものは、現時点
では存在しない。したがって本形態では、1000nm
以上2000nm以下の範囲にd・Δnを設定してい
る。なお、d・Δnのさらに好ましい範囲は、前述した
色変化の程度がd・Δnが1900nmで最も小さくな
ることから、1900±100nmに選ばれる。すなわ
ち、1800nm以上2000nm以下の範囲に選ばれ
る。
【0040】以上のように本形態によれば、一対の偏光
板27,28間に介在される液晶表示素子26を、一対
の透光性基板22,23間で液晶分子が85°〜110
゜の範囲で捩れ配向するTN型の液晶表示素子26と
し、該液晶表示素子26の液晶材料の屈折率異方性Δn
と液晶層の厚みdとの積Δn・dを、1000nm〜2
000nmの範囲に選び、液晶表示素子26と少なくと
も一方偏光板27との間に、正の位相差を有する光学補
償板29を配置し、このようにして構成されるTN型の
液晶表示装置21をノーマリブラック方式の液晶表示装
置としたときにおいて、視角による色変化が少ない無彩
色であって、かつ高い遮光性を有する背景色が得られる
ことがわかった。また好ましくは、前記光学補償板29
のリターデーション値R45を0よりも大きくかつ50
nm以下の範囲に選ぶことによって、さらに視角による
色変化が少ない無彩色であって、かつ高い遮光性を有す
る背景色が得られることがわかった。
【0041】車載用の表示手段としては、特に視認性の
観点から、バックライトを用いて文字を浮き出させて表
示するノーマリブラックモードが要望されている。最終
的に使用する使用者によってノーマリブラックモードと
するか、あるいはノーマリホワイトモードとするかが決
定され、使用者の要望に応じたモードの素子が作成され
る。したがって、完成品においてノーマリブラックモー
ドとノーマリホワイトモードとを変更することはできな
い。このような2つのモードであって、一方のノーマリ
ホワイトモードでは、光学的には電圧を印加した状態で
ある液晶分子が基板に対して垂直に配列した状態で、黒
色表示状態が実現される。このため、理想的には偏光板
の色調のみによって黒色表示状態の色調が決定する。他
方、ノーマリブラックモードでは、液晶分子が捩れ配向
した状態で黒色表示状態が実現される。このため、光学
的にはある程度の着色は免れ得ないこととなる。さら
に、人間の知覚特性として明るい色よりも暗い色での色
度変化の方が圧倒的に敏感であるので、背景色に関して
は、ノーマリホワイトモードの白色状態とノーマリブラ
ックモードの黒色状態とでは、後者の方が色度変化に敏
感となる。このため、白色状態と黒色状態とに対して同
じレベルの色調補正を行った場合、前者では気にならな
いけれども、後者では気になるということになる。たと
えばノーマリホワイトモードでは透過率が充分であれ
ば、少々赤や緑に色調が寄っていても気にならない。本
発明は、このような特に色度変化が敏感であるノーマリ
ブラックモードにおいて、正の位相差を有する光学補償
板を用い、かつΔn・dを調整することによって、さら
には光学補償板のリタデーション値R45を限定するこ
とによって、視角による色変化を低減する技術に関する
ものである。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、一対の偏
光板間に介在される液晶表示素子を、一対の透光性基板
間で液晶分子が85°〜110゜の範囲で捩れ配向する
TN型の液晶表示素子とし、該液晶表示素子の液晶材料
の屈折率異方性Δnと液晶層の厚みdとの積Δn・d
を、1000nm〜2000nmの範囲に選び、液晶表
示素子と少なくとも一方偏光板との間に、正の位相差を
有する光学補償板を配置し、このようにして構成される
TN型の液晶表示装置をノーマリブラック方式の液晶表
示装置としたときにおいて、視角による色変化が少ない
無彩色であって、かつ高い遮光性を有する背景色が得ら
れる。
【0043】また本発明によれば、前記光学補償板の表
面の法線方向に対して45゜の方向におけるリターデー
ション値を0よりも大きくかつ50nm以下の範囲に選
ぶことによって、さらに視角による色変化が少ない無彩
色であって、かつ高い遮光性を有する背景色が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である液晶表示装置21
の構成を示す断面図である。
【図2】前記液晶表示装置21の各構成部材の位置関係
を示す図である。
【図3】d・Δnを1100nmに選び、光学補償板2
9を設けなかった場合の、液晶表示装置の視角による色
変化を示すCIE色度図である。
【図4】d・Δnを1100nmに選び、リターデーシ
ョン値R45が40nmの光学補償板29を設けた場合
の、液晶表示装置21の視角による色変化を示すCIE
色度図である。
【図5】d・Δnを1100nmに選び、リターデーシ
ョン値R45が50nmの光学補償板29を設けた場合
の液晶表示装置21の視角による色変化を示すCIE色
度図である。
【図6】d・Δnを1300nmに選び、光学補償板2
9を設けなかった場合の、液晶表示装置の視角による色
変化を示すCIE色度図である。
【図7】d・Δnを1300nmに選び、リターデーシ
ョン値R45が40nmの光学補償板29を設けた場合
の、液晶表示装置21の視角による色変化を示すCIE
色度図である。
【図8】d・Δnを1300nmに選び、リターデーシ
ョン値R45が50nmの光学補償板29を設けた場合
の液晶表示装置21の視角による色変化を示すCIE色
度図である。
【図9】d・Δnを1900nmに選び、光学補償板2
9を設けなかった場合の、液晶表示装置の視角による色
変化を示すCIE色度図である。
【図10】d・Δnを1900nmに選び、リターデー
ション値R45が40nmの光学補償板29を設けた場
合の、液晶表示装置21の視角による色変化を示すCI
E色度図である。
【図11】d・Δnを1900nmに選び、リターデー
ション値R45が50nmの光学補償板29を設けた場
合の液晶表示装置21の視角による色変化を示すCIE
色度図である。
【図12】D値の定義を説明するための図である。
【図13】Gooch&Tarryの式に基づくd・Δ
nと透過率Tとの関係を示すグラフである。
【図14】従来技術である液晶表示装置1の構成を示す
断面図である。
【図15】前記液晶表示装置1の各構成部材の位置関係
を示す図である。
【符号の説明】
21 液晶表示装置 22,23 透光性基板 24 液晶層 25 接着剤 26 液晶表示素子 27,28 偏光板 29 光学補償板 21 液晶表示装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の偏光板間と、 前記一対の偏光板間に介在され、一対の透光性基板間で
    液晶分子が85°〜110゜の範囲で捩れ配向し、液晶
    材料の屈折率異方性Δnと、液晶層の厚みdとの積Δn
    ・dが、1000nm〜2000nmの範囲に選ばれる
    ツイステッドネマティック型の液晶表示素子と、 前記液晶表示素子と前記一対の偏光板のうちの少なくと
    もいずれか一方の偏光板との間に配置され、面内の互い
    に直交する方向の屈折率nx,nyと、厚み方向の屈折
    率nzとは、nx=ny<nzの関係を満たす光学補償
    板とを含んで構成されることを特徴とする液晶表示装
    置。
  2. 【請求項2】 前記光学補償板の表面の法線方向に対し
    て45゜の方向におけるリターデーション値が、0より
    も大きくかつ50nm以下の範囲に選ばれることを特徴
    とする請求項1記載の液晶表示装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6642984B1 (en) 1998-12-08 2003-11-04 Fujitsu Display Technologies Corporation Liquid crystal display apparatus having wide transparent electrode and stripe electrodes
US6722768B1 (en) 1999-10-06 2004-04-20 Seiko Epson Corporation Projector
JP2015222280A (ja) * 2014-05-22 2015-12-10 スタンレー電気株式会社 液晶表示装置

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