JPH09257753A - 複数周波数磁化による表面傷の非破壊計測方法 - Google Patents

複数周波数磁化による表面傷の非破壊計測方法

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JPH09257753A
JPH09257753A JP6659196A JP6659196A JPH09257753A JP H09257753 A JPH09257753 A JP H09257753A JP 6659196 A JP6659196 A JP 6659196A JP 6659196 A JP6659196 A JP 6659196A JP H09257753 A JPH09257753 A JP H09257753A
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一蔵 植竹
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 計測の途中で増幅率変動の確認を行う必要が
一切なく、迅速で高精度な探傷を可能とする。 【解決手段】 複数の周波数による交流磁界を用いて材
料を磁化させ、材料表面に存在する傷によって生じる漏
洩磁束を検知し、その信号出力を複数の周波数成分に分
離して、これらの信号の出力比を求めて傷を評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数周波数磁化
による表面傷の非破壊計測方法に関するものである。さ
らに詳しくは、この発明は、鋼、鉄等の強磁性材料の表
面の傷を迅速、かつ、高精度に測定することのできる複
数周波数磁化による表面傷の非破壊計測方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術とその課題】鋼、鉄等の金属材料において
は、管状、棒状、板状等の加工品の製造ライン等でその
表面に存在する傷を正確に検出し、その大きさを高精度
で迅速に計測することは、材料の品質と信頼性向上にと
って極めて重要である。従来より、このような材料表面
の傷の検出のための方法として漏洩磁束探傷法がその代
表例として知られており、この方法では、直流または単
一周波数による交流により、強磁性金属材料を磁化さ
せ、その表面に存在する傷によって生じる漏洩磁束を磁
気センサー等によって検知し、その信号出力から傷の大
きさを測定している。
【0003】しかしながら、この従来の漏洩磁束探傷法
では、検出した信号出力の振幅から材料表面の傷の評価
を行っていることから、計測途中であっても数時間おき
に計測装置における増幅率を確認し、その増幅率が時間
とともに許容範囲以上に変化していないことを確かめた
上で、探傷を継続しなければならないという問題があっ
た。
【0004】また、日本工業規格(JIS Z 231
9)において規定されているように、鋼材料の表面傷を
検知する場合には、漏洩磁束探傷計測装置の安定性を確
認するために、あえて対比試験片を用いて適時それらの
信号出力を確認し、漏洩磁束探傷計測装置が正しく作動
しているかどうか確かめることが義務づけられている。
【0005】このように従来の漏洩磁束探傷法において
は、計測装置の増幅率が時間とともに変動するためその
影響を避けることができず、計測装置の増幅率の確認の
ために製造ラインを止めなければならないため、製造ラ
インの作業効率の向上にとって大きな制約となってい
た。この発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたも
のであり、従来の材料表面傷の計測法の欠点を解消し、
計測装置の増幅率の確認作業を省略することができ、し
かも材料表面の傷を迅速、かつ精度良く測定することが
できる新しい材料表面傷の非破壊計測方法を提供するこ
とを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するために、複数の周波数による交流磁界を用い
て材料を磁化させ、材料表面に存在する傷によって生じ
る漏洩磁束を検知し、信号出力を複数の周波数成分に分
離して信号の出力比を求めて傷を評価することを特徴と
する複数周波数磁化による表面傷の非破壊計測方法を提
供する。
【0007】
【発明の実施の形態】従来の漏洩磁束探傷法が、直流ま
たは単一周波数による交流磁化を用いていたことに対し
て、この発明の方法においては、上記のとおり、複数の
周波数による交流磁界を用いて金属材料を磁化させ、た
とえば図1に示したように、材料表面(10)に存在す
る傷(11)を漏洩磁束(12)の磁気センサ(13)
等による検知として確認し、その検知信号を複数の磁化
周波数に同期する信号成分にそれぞれ分離して、各信号
の出力比から傷を評価する。
【0008】複数周波数の信号成分による出力比を取る
場合には、計測装置の増幅率が変動しても、同一の傷で
あれば常に一定の信号出力比が得られるため、従来法の
ように、計測の途中で増幅率変動の確認を行う必要が一
切なく、効率的に精度の良い探傷が可能となる。このよ
うな優れた特徴のあるこの発明の方法では、たとえば、
図2に示した装置の構成がひとつの態様として採用され
る。
【0009】すなわち、この装置は、磁化回路と信号検
出回路とで構成することができ、磁化回路は、適用する
磁化周波数を発振する発振器(1)、複数の発振周波数
出力を混合するミキサ(2)、そのミキサ(2)の出力
を増幅して磁化電流を供給する電力増幅器(3)と、磁
化器(4)を備えている。また検出回路は、材料(5)
からの漏洩磁束を検出する磁気センサ等の磁電素子
(6)と、磁電素子(6)からの信号出力を磁化周波数
に同期した信号成分に分離・増幅させるためのロックイ
ンアンプ(7)、そして得られた信号出力を信号処理す
るための計算機(8)およびその周辺機器(9)を備え
ている。
【0010】なお、たとえば以上の装置を用いるこの発
明の方法では、複数の周波数による磁界で材料を磁化
し、それぞれの周波数による信号成分の比を取って材料
表面に存在する傷を評価するため、その適用周波数の差
が小さいと出力の差も小さくなり、傷の大きさに対する
出力比の変化の勾配が小さくなる。つまり、磁化周波数
の差が小さいと、傷寸法の評価精度が低下する傾向にあ
る。
【0011】このため、この発明の方法においては、適
用周波数の差はある程度大きい方が傷寸法の評価に効果
的であり、たとえば、その2つの周波数の差はおよそ1
0倍程度が望ましい。またその適用周波数については、
最低でも2種類の周波数が必要であり、もちろん、さら
に多種類の周波数を用いることもできる。
【0012】さらにこの発明の方法の実施に際しては、
材料表面の傷が、その長手方向と磁化方向とで角度をも
って、つまり交差角度をもって存在する場合が多い。す
なわち、図1に示したように、漏洩磁束探傷では通常は
法線成分(Bz)または接線成分(Bx)を測定する。
しかし、図3(a)に示したように、傷の長さ方向と磁
化方向とが交差して交差角度(θc)を持つことが多
い。このような場合には、この交差角度(θc)の大き
さそのものを評価することや、この交差角度(θc)の
影響を考慮することが必要となる。
【0013】磁束の測定成分を接線成分(Bx)とする
と、この接線成分(Bx)の分解成分は、図3のように
傷端面に直交する成分(Bxr)、磁化方向に直角な成
分(Bxx)と磁化方向に平行な成分(Bxy)とな
り、交差角度(θc)が図3(b)のように90°の場
合、漏洩磁束は最大値Bxmとなる。そしてBxx=0
である。そして、これらの成分は、次式のように表わさ
れる。
【0014】
【数1】また、BxxとBxyを検出することにより、
次式
【0015】
【数2】により、交差角度θcが求められる。なお、図
4に例示したように、ホール素子を用い、これを直交配
置させたセンサを構成し、一つの素子面が磁化方向を向
くように置いて、このセンサを磁化方向に平行に走査す
ると、Bxx、Bxyが同時に得られる。
【0016】以上のことを考慮して、この発明の方法は
より具体的に適用されることになる。以下実施例を示
し、さらに詳しくこの発明の実施の形態について説明す
る。もちろん、この発明は、以下の実施例によって何ら
限定されるものではない。
【0017】
【実施例】長さ220mm×幅50mm×高さ10mm
のSM50A鋼の表面にワイヤカットにより長さ50m
m、幅0.29mm、深さ各々0.21mm,0.35
mm,0.95mm,1.8mmの人工溝を加工して試
料とした。図2に例示した装置を用い、2台の発振器
(1)の周波数をそれぞれf1 =0.1kHzとf2
1.0kHzとした。さらに比較のために、f2 =1.
0kHzのままで、f1 =0.2kHzとf1 =0.5
kHzの場合についても試験を行った。
【0018】発振器(1)の出力はミキサ(2)で混合
した後、電力増幅して磁化器(4)に供給した。磁電素
子としてコイルを用い、漏洩磁束によるコイル信号出力
は、2台のロックインアンプ(7)に入力し、各発振周
波数に同期した信号成分は、各々のロックインアンプ
(7)より取り出し、データを計算機(8)に入力し
た。
【0019】計算機(8)に取り込まれた2つの周波数
の信号成分に対して、計算機内部で次の処理を行なっ
た。まず、各同期周波数に対応する材料表面磁界を用い
て、それぞれの周波数に対応する信号成分を基準化し、
次に2つの磁化周波数のうち高い方の周波数による傷信
号出力値に対する比(Af1/Af2)を算出した。
【0020】以上の方法により、交差角度(θc)=9
0°の場合の、f2 =1.0kHzに対するf1 =0.
1kHz,0.2kHz,0.5kHzの場合の、傷深
さと各ピーク・ピーク出力比との関係を求めた。その結
果を示したものが図5である。この図5を較正曲線とし
て、未知の傷深さを求めることができる。このとき、f
1 =0.1kHzの方が、f1 =0.2kHz,0.5
kHzの場合よりも、曲線の勾配が急であり、f1
0.1kHzを用いた方が、高精度な計測が可能である
ことが確認された。
【0021】ここで計測装置の増幅率が変化した場合で
も、Af1とAf2はともに比例的に変化するため、これら
の比は増幅率の変動に影響されず常に安定な値を示す。
各周波数における出力比から傷深さを高精度に評価する
ことができる。
【0022】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、この発明に
おいては、複数の周波数による交流磁界を用いて金属材
料を磁化させ、それを複数の磁化周波数に同期する信号
成分にそれぞれ分離して、各信号の出力比を取って傷を
評価するので、計測装置の増幅率が変動しても、常に一
定の信号出力比が得られ、計測の途中で増幅率変動の確
認を行う必要が一切なく、迅速で高精度な探傷が可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法の原理を示した模式図である。
【図2】この発明を実現するための計測装置の構成を例
示したブロック図である。
【図3】(a)(b)は、交差角度(θc)と磁束成分
との関係を示した模式図である。
【図4】直交するホール素子を磁気センサとした場合を
例示した模式斜視図である。
【図5】この発明の実施例として、傷深さとピーク・ピ
ーク出力比との関係を示した図である。
【符号の説明】
1 発振器 2 ミキサ 3 電力増幅器 4 磁化器 5 金属材料 6 磁電素子 7 ロックインアンプ 8 計算機 9 周辺機器 10 金属材料表面 11 傷 12 漏洩磁束 13 磁気センサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の周波数による交流磁界を用いて材
    料を磁化させ、材料表面に存在する傷によって生じる漏
    洩磁束を検知し、信号出力を複数の周波数成分に分離し
    てその出力比を求めて傷を評価することを特徴とする複
    数周波数磁化による表面傷の非破壊計測方法。
JP6659196A 1996-03-22 1996-03-22 複数周波数磁化による表面傷の非破壊計測方法 Expired - Lifetime JP2855186B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006208224A (ja) * 2005-01-28 2006-08-10 Nippon Steel Corp 鋼板の突合せ溶接部検査装置及びこの装置を用いた検査方法
CN108982652A (zh) * 2018-08-15 2018-12-11 东北大学 一种多频激励场阵列电磁无损检测金属表面裂纹的方法

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