JPH09257408A - 磁性塗料塗布量計測装置 - Google Patents

磁性塗料塗布量計測装置

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JPH09257408A
JPH09257408A JP6399796A JP6399796A JPH09257408A JP H09257408 A JPH09257408 A JP H09257408A JP 6399796 A JP6399796 A JP 6399796A JP 6399796 A JP6399796 A JP 6399796A JP H09257408 A JPH09257408 A JP H09257408A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 磁性塗料塗布量計測装置は、静磁界セン
サと渦電流センサとを用いて、これら各センサからの出
力信号の差に基づいて、磁気シートの磁性層に含まれる
磁性粉の量を計測する。 【効果】 磁気シートに対して非接触で精度よく計測で
きるので、放射線を使用するようなものに比較して、簡
便で、磁気シートの製造ラインのオンライン上にて使用
するのに適している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性塗料塗布量計
測装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年においては、磁気テープ、磁気ディ
スク等に加えて、乗車券、入場券、駐車券、投票券(馬
券)、高速道路通行券等に使用される磁気記録紙や、ク
レジットカード、テレホンカード、オレンジカード等に
使用される磁気カード等の普及が目覚ましい。磁気記録
紙は、紙または複合紙に磁性塗料を塗布したものであ
る。一方、磁気カードは、ポリエステルフィルムに磁性
塗料を塗布したものである。
【0003】磁気記録紙にしても磁気カードにしても、
磁性塗料を調整し、紙やポリエステルフィルム等のシー
ト状の基材上に、調整した磁性塗料を塗布していくこと
により、非常に薄い磁性層を形成するのが普通である。
本明細書においては、このようにシート状の基材上に磁
性塗料による磁性層が付与されたものを磁気シートとい
う。このような磁気シートの磁性層の磁気書き込み特性
や磁気読み出し特性等の磁気的特性を所望のものとする
ためには、基材上に塗布された磁性塗料の塗布量を精密
に制御する必要がある。
【0004】従来、このような磁性塗料の塗布量を計測
する方式としては、放射線センサやピックアップコイル
を使用するものがあった。この種の磁気シートの従来の
製造方法の例の中で、従来の磁性塗料の塗布量の計測方
式について説明すると、添付図面の図8に略示するよう
に、アンリールスタンドに装着した基材シートの原反1
からシート基材2Aを繰り出し、コーター3で先ずシー
ト基材2A上に磁性塗料を塗布していき、永久磁石また
は電磁石4で、塗布された磁性塗料中の磁性粉の配向
(磁化)を行い、その後、乾燥炉5に通して、塗布され
た磁性塗料を乾燥させて、磁性層を形成させる。乾燥炉
5を通して送られてくる磁気シート2は、巻取りロール
7として巻き取られていく。従来の計測方式では、乾燥
炉5と巻取りロール7との間において、磁気シート2の
磁性層に近接させて塗布量検出器6を配置しておく。
【0005】この塗布量検出器6としては、乾燥後は多
少シートにセンサが接触してもよいので、例えば、ピッ
クアップコイルを使用することができる。ピックアップ
コイルを介して磁性層の残留磁気の測定を行ない、この
出力が磁性粉の塗布量と相関があるものとして、間接的
に塗布量を計測する。その他非接触式として、放射線を
使用する場合には、塗布量検出器6としては、放射線セ
ンサを使用することにより、磁性層を通してくる放射線
の減衰量から間接的に塗布量を計測する方法もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来のピック
アップコイル方式では、ピックアップコイル6と磁気シ
ート2との密着が悪いと、塗布量の検出が不安定となっ
てしまう。磁気シートの製造ライン上では、このような
密着が難しい。
【0007】一方、前述した従来の放射線方式では、磁
性粉とバインダーの配合比率の変動、原反シートの厚薄
等が誤差の原因となってしまう。
【0008】本発明の目的は、前述したような従来の技
術の問題点を解消した磁性塗料塗布量計測装置を提供す
ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の特徴によ
れば、シート状基材上に塗布された磁性塗料の塗布量を
計測するための磁性塗料塗布量計測装置は、シート状基
材を支えるバックアップ手段と、該バックアップ手段の
バックアップ面に対して前記シート状基材を介在させて
対向配置される静磁界センサ手段とを備え、該静磁界セ
ンサ手段は、静磁界発生源と、該静磁界発生源からの磁
束の少なくとも一部分を、前記シート状基材上に塗布さ
れた磁性塗料の層部分に通すための磁気回路と、該磁気
回路に関連付けられ該磁気回路を通る磁束の変化に応じ
た信号を発生する磁気感応素子とを含む。
【0010】本発明の第二の特徴によれば、シート状基
材上に塗布された磁性塗料の塗布量を計測するための磁
性塗料塗布量計測装置は、シート状基材を支える磁性バ
ックアップ手段と、該磁性バックアップ手段のバックア
ップ面に対して前記シート状基材を介在させて対向配置
される静磁界センサ手段および渦電流センサ手段と、前
記静磁界センサ手段の出力信号と前記渦電流センサ手段
の出力信号との差に応じた信号を出力する減算手段とを
備え、前記静磁界センサ手段と前記渦電流センサ手段と
は、互いに一体化して保持されていて、前記磁性バック
アップ手段のバックアップ面上の実質的に同一の部分を
センシングするように配置されている。
【0011】本発明の第三の特徴によれば、シート状基
材上に塗布された磁性塗料の塗布量を計測するための磁
性塗料塗布量計測装置は、シート状基材を支える磁性バ
ックアップ手段と、該磁性バックアップ手段のバックア
ップ面に対して前記シート状基材を介在させて対向配置
され且つ互いに一体化して保持された静磁界センサ手段
および渦電流センサ手段と、前記シート状基材が載置さ
れていない状態にて、前記磁性バックアップ手段のバッ
クアップ面にそって前記静磁界センサ手段および前記渦
電流センサ手段を走査させたときに得られる前記静磁界
センサ手段および前記渦電流センサ手段の出力信号を記
憶させるための記憶手段と、前記シート状基材が載置さ
れている状態にて、前記磁性バックアップ手段のバック
アップ面にそって前記静磁界センサ手段および前記渦電
流センサ手段を走査させたときに得られる前記静磁界セ
ンサ手段およ前記渦電流センサ手段の出力信号と、前記
記憶手段に記憶された前記出力信号とに基づいて、前記
シート状基材上に塗布された磁性塗料の塗布量を表す信
号を発生するための演算手段とを備える。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、添付図面の図1から図7を
参照して、本発明の実施例について、本発明をより詳細
に説明する。
【0013】図1は、本発明の第一の特徴による磁性塗
料塗布量計測装置の一実施例の概略構成を示している。
図1に略示するように、この実施例の磁性塗料塗布量計
測装置は、紙やポリエステルフィルム等のシート状基材
2A上に磁性塗料を塗布、乾燥して磁性層2Bを形成し
た磁気シート2を支える非磁性バックアップロール8
と、このバックアップロール8のバックアップ面に対し
て磁気シート2を介在させて対向配置される静磁界セン
サ9とを備えている。この静磁界センサ9は、静磁界発
生源としての永久磁石9Aと、この永久磁石9Aからの
磁束を通すための磁気回路を構成する逆U字型の磁気コ
ア9Bと、磁気感応素子としてのホール素子9Cとを備
えている。さらに、ホール素子9Cの出力信号を増幅す
る増幅器9Dと、この増幅器9Dによって増幅された出
力信号を受けて、磁気シート2の磁性層2Bに含まれる
磁性粉の量の計測値を指示するための塗布量指示器9E
とが備えられている。
【0014】磁気コア9Bは、図1に示されるように、
両脚部のほぼ中間部の間に棒状の永久磁石9Aを接続
し、両脚部をつなぐヨーク部にホール素子9Cを介在さ
せ、両脚部の開いた端部を、バックアップロール8のバ
ックアップ面上に支持された磁気シート2の磁性層2B
の近傍に臨ませるようにして、配置されている。したが
って、磁気コア9Bに矢印を付して示すように、永久磁
石9Aからの磁束の一部分は、磁気コア9Bの一方の脚
部から、磁気シート2の磁性層2Bの部分を通り、さら
に、磁気コア9Bの他方の脚部へと戻り、また、永久磁
石9Aからの磁束の別の一部分は、磁気コア9Bの一方
の脚部からヨーク部のホール素子9Cを通り、さらに、
磁気コア9Bの他方の脚部へと戻る。
【0015】このような静磁界センサ9の構成によれ
ば、バックアップロール8のバックアップ面に支持され
た磁気シート2の磁性層2Bに含まれた磁性粉の量が多
い場合には、この磁性層2Bの部分を通る磁束が増大
し、ホール素子9Cへの磁束が減少することになる。反
対に、磁気シート2の磁性層2Bに含まれた磁性粉の量
が少ない場合には、この磁性層2Bの部分を通る磁束が
減少し、ホール素子9Cへの磁束が増大することにな
る。したがって、ホール素子9Cの出力信号は、計測し
ている磁気シート2の磁性層2Bに含まれる磁性粉の
量、すなわち、磁性塗料の塗布量に応じて変化すること
になる。こうして、この静磁界センサ9によれば、ホー
ル素子9Cからの出力信号を増幅器9Dにて処理して、
指示器9Eにて磁性塗料の塗布量を指示させることがで
きる。
【0016】本発明のこの磁性塗料塗布量計測装置は、
放射線等を使用せずに、非接触にて感度良く、磁気シー
トの磁性塗料の塗布量を計測できる。しかし、次のよう
な環境下にて使用する場合には、計測精度が必ずしも充
分なものとならない場合が考えられる。すなわち、セン
サとバックアップロールとの間の距離変動が大きいよう
な場合、例えば、バックアップロール回転時の偏心等が
大きい場合や、磁気シートの張力によるたわみの変動が
大きい場合や、センサの支持構造物の温度変動による膨
張収縮が大きい場合、等には計測誤差がどうしても生じ
てしまう。また、バックアップロールに非磁性体でな
く、金属ロール等の磁性体を使用しているような場合に
は、そのバックアップロールの持つ固有の磁気特性によ
る誤差がどうしても生じてしまう。
【0017】本発明者は、このようなより悪い環境下に
おいても精度良く磁性塗料の塗布量を計測できるものと
して、本発明の第二の特徴による磁性塗料塗布量計測装
置の構成を案出した。図2は、本発明の第二の特徴によ
る磁性塗料塗布量計測装置の一実施例の構成を示す概略
側面図であり、図3は、その概略正面図である。これら
図2および図3に示されるように、この実施例の磁性塗
料塗布量計測装置は、紙やポリエステルフィルム等のシ
ート状基材2A上に磁性塗料を塗布、乾燥して磁性層2
Bを形成した磁気シート2を支える磁性体バックアップ
ロール12と、この磁性体バックアップロール12のバ
ックアップ面に対して磁気シート2を介在させて対向配
置されるセンサユニット13とを備えている。図3によ
く示されるように、センサユニット13は、静磁界セン
サ24と、渦電流センサ25とを含み、これら静磁界セ
ンサ24と渦電流センサ25とは、適当なセンサホルダ
にて互いに一体化して保持されており、しかも、磁性体
バックアップロール12のバックアップ面上の実質的に
同一の部分をセンシングするように配置されている。
【0018】ここで使用する静磁界センサ24は、静磁
界を利用して磁気センサであれば任意のものでよく、図
1に関して説明したような静磁界センサ9と同様の構成
の磁気センサでもよく、磁気シート2の磁性層2Bに含
まれた磁性粉を検出しうるものである。一方、渦電流セ
ンサ25は、いわゆる、渦電流型磁気センサであって、
磁気シート2の磁性層2Bに含まれた磁性粉を検出しな
いものである。渦電流型磁気センサでは、磁性粉側に渦
電流が流れないので、磁性粉には反応しないのである。
この本発明は、このような静磁界センサ24と渦電流セ
ンサ25との特性の違いを利用して、磁性粉のみの量を
測定できるようにしたものである。
【0019】すなわち、静磁界センサ24の出力信号V
S は、磁性体バックアップロール12のバックアップ面
の位置と、そのバックアップ面上の磁気シート2の磁性
層2Bに含まれる磁性粉の量との足し合わしたものに応
じた値となり、一方、渦電流センサ25の出力信号VE
は、磁性体バックアップロール12のバックアップ面の
位置のみに応じた値となる。したがって、減算器26に
て、静磁界センサ24の出力信号VS と渦電流センサ2
5の出力信号VE との差VP を求めることにより、磁気
シート2の磁性層2Bに含まれる磁性粉の量、したがっ
て、磁性塗料の塗布量を計測できることになる。このよ
うに、各センサの距離の変化に対する感度を同一に調整
しておけば、磁性粉による変化分VP は、 VP =VS −VE ・・・・(1) で求められる。
【0020】この本発明の第二の特徴による磁性塗料塗
布量計測装置の構成によれば、図1に関して説明したよ
うな装置に比べて、センサとバックアップロールとの間
の距離変動が大きいような場合でも、バックアップロー
ルが磁性体であっても、精度良く磁性塗料の塗布量を計
測できる。しかし、このような装置構成では、静磁界セ
ンサ24と渦電流センサ25とが、磁性体バックアップ
ロール12のバックアップ面の全く同一の点をセンシン
グできるように配置される場合には、計測誤差は生じな
いのであるが、実際的には、静磁界センサ24と渦電流
センサ25との物理的な位置関係や、両者の測定面積の
相違等のため、両センサが完全に同一の点をセンシング
しうるように配置することは困難である。したがって、
この本発明の第二の特徴による磁性塗料塗布量計測装置
の構成でも、静磁界センサと渦電流センサとの物理的な
位置関係や、両者の測定面積の相違等による計測誤差
が、どうしても生じてしまうことが考えられる。
【0021】本発明者は、このような計測誤差をも補正
できるような、本発明の第三の特徴による磁性塗料塗布
量計測装置の構成を案出した。図4は、本発明の第三の
特徴による磁性塗料塗布量計測装置の一実施例のシステ
ム構成を示す概略正面図であり、図5は、図4のシステ
ムの制御部の構成を示すブロック図である。図4に示さ
れるように、この実施例のシステムでは、両側の支持フ
レーム20の間に水平に金属製バックアップロール12
が支持されている。この金属製バックアップロールは、
図2および図3に関して説明した装置の磁性体バックア
ップロールと同じでよい。また、支持フレーム20の間
には、金属製バックアップロール12の上に平行に間隔
を置いてリニアレール14が支持されている。このリニ
アレール14には、センサユニット13がスライド可能
に支持されている。このセンサユニット13も、図2お
よび図3に関して説明した装置におけるセンサユニット
と同じでよい。センサユニット13には、静磁界センサ
24と渦電流センサ25とが一体化して保持されてい
る。
【0022】センサユニット13は、走査用ステッピン
グモータ15によって駆動されるチェーンホイール16
の間に掛けられたチェーン21に接続されていて、走査
用ステッピングモータ15の作動により、リニアレール
14にそって移動させられるようになっている。さら
に、図4において左側のチェーンホイール16の近傍に
は、原点検出用近接スイッチ17が配置されており、リ
ニアレール14の両端近傍には、走査リミットスイッチ
18が配置されている。さらにまた、支持フレーム20
には、金属製バックアップロール12を駆動するための
ロール駆動モータ10と、金属製バックアップロール1
2の回転位置を検出するためのロール回転検出トランス
ジューサ1とが設けられている。
【0023】図5に示すように、図4のシステムの制御
部は、主として、マイクロコンピュータ等で構成される
中央処理装置CPUと、各種測定データを記憶しておく
ためのメモリー27と、センサユニット13の静磁界セ
ンサ24からの出力信号を増幅する演算増幅器28と、
センサユニット13の渦電流センサ25からの出力信号
を増幅する演算増幅器29と、各演算増幅器28および
29によって演算増幅されたアナログ値である各測定信
号をそれぞれデジタルデータに変換するためのA/Dコ
ンバーター30および31と、走査用ステッピングモー
ター15の作動を制御するためのステッピングモーター
コントロール回路32と、原点検出用近接スイッチ1
7、走査リミットスイッチ18およびその他の制御用近
接スイッチ(図示していない)のための入出力回路33
と、測定結果をCRT、レコーダー、プリンタ等へ出力
するための出力回路34とを備えている。
【0024】次に、このような構成の計測装置システム
にて、磁気シートの磁性塗料の塗布量を計測する動作例
について説明する。
【0025】先ず初めに、測定準備動作として、金属製
バックアップロール12の上に磁気シートを載置してい
ない状態において、ロール駆動モーター10を回転させ
る。この時、バックアップロール12に結合したロール
回転検出トランスジューサー19からのパルス信号およ
び原点検出用近接スイッチ17からの信号を利用して、
中央処理装置CPUは、走査用ステッピングモーター1
5へ指令を送り、センサユニット13が原点位置にくる
ようにせしめる。すなわち、センサユニット13によっ
て原点検出用近接スイッチ17が作動される位置まで、
走査用ステッピングモーター15を作動させて、センサ
ユニット13を移動させる。次に、その原点位置より、
センサユニット13による走査を開始させる。この走査
は、基準値の読み込みのための基準値記憶走査と称され
る。このような走査は、走査用ステッピングモーター1
5によって行われ且つバックアップロール12の回転検
出用トランスジューサー19のパルスに同調して駆動さ
れる。すなわち、バックアップロール12のバックアッ
プ面上をスパイラル状に、しかも常に一定の経路を走査
するようになっている。
【0026】センサユニット13が一定距離走査する毎
に、静磁界センサ24からの出力信号を演算増幅器28
およびA/Dコンバーター30を介してメモリー27に
デジタルデータとして記憶させ、且つ渦電流センサ25
からの出力信号を演算増幅器29およびA/Dコンバー
ター31を介してデジタルデータとしてメモリー27に
記憶させる。ここで、図2および図3に関して説明した
ように、静磁界センサ24による出力信号は、金属製バ
ックアップロール12のバックアップ面の位置と、その
バックアップ面上にある磁気シートの磁性層に含まれた
磁性粉の量と、に関係した値を有するものであり、渦電
流センサ25による出力信号は、金属製バックアップロ
ール12のバックアップ面の位置のみに関係した値を有
するものである。したがって、この測定準備動作におい
ては、金属製バックアップロール12のバックアップ面
上にはなにも置かれていないのであるから、静磁界セン
サ24による出力信号は、そのバックアップ面の位置の
みに関係した値となるはずであり、渦電流センサ25に
よる出力信号と実質的に同じとなるはずである。
【0027】しかしながら、実際には、この測定準備動
作によって得られる静磁界センサ24および渦電流セン
サ25の出力信号は同じとはならない。図6の(A) は、
このような基準値記憶走査によって得られた静磁界セン
サ24による出力信号のレベル変化を例示しており、図
6の(B) は、同じ基準値記憶走査によって得られた渦電
流センサ25による出力信号のレベル変化を例示してい
る。図6の(A) と(B)とを比較して見ると分かるよう
に、バックアップ面が平滑であるにもかかわらず、各出
力レベルは変動しており、その上、両出力レベルの変動
が同じではない。これは、静磁界センサ24と渦電流セ
ンサ25とが、バックアップ面の若干異なる点をセンシ
ングしていること、両センサの感度特性に相違があるこ
と等によるためであり、金属製バックアップロール12
のバックアップ面の精度を上げてもどうしても避けられ
ない問題である。図2および図3に関して説明した装置
構成では、このような両者の相違が、そのまま誤差とな
って表れてしまうものと考えられる。そこで、この本発
明の第三の特徴によれば、そのような誤差を補正するた
めの補正値として、基準値記憶走査にて得られる静磁界
センサ24の出力信号VSMおよび渦電流センサ25の出
力信号VEMをメモリ27に記憶しておく。
【0028】次に、測定走査に入るのであるが、先ず、
金属製バックアップロール12の上に測定すべき磁気シ
ートを乗せる。すると、金属製バックアップロール12
は、磁気シートに従動して回転し、その動きに従いセン
サユニット13も移動を開始し、測定準備動作時と同じ
ロール円周をスパイラル状に測定していく。この場合
に、各センサの出力信号は、金属製バックアップロール
12の上の磁気シートに磁性層があるために、基準値記
憶走査時に得られるものとは異なってくる。図7の(A)
は、図6の(A) に対応するもので、測定走査時に得られ
る静磁界センサ24の出力信号VS のレベル変化例を示
しており、図7の(B) は、図6の(B) に対応するもの
で、測定走査時に得られる渦電流センサ25の出力信号
E のレベル変化例を示している。これら出力信号VS
およびVE の各デジタル値も、一旦、メモリー27に記
憶させておくと良い。
【0029】これら出力値VS およびVE を、前述の
(1)式VP =VS −VE に従って計算すれば、磁気シ
ートの磁性層に含まれる磁性粉の量、すなわち、磁性塗
料の塗布量に応じた出力VP が得られる。しかし、この
出力VP には、前述したようにバックアップロール等に
よる誤差分が含まれたままである。そこで、本発明のこ
の第三の特徴によれば、中央処理装置CPUは、基準値
記憶走査時にメモリー27に記憶されていた各出力信号
値VSMおよびVEMと、測定走査時に得られたこれらの出
力信号値VS およびVE とに基づいて、次の式 VP =VS −VE −ΔV・・・(2) 但し、ΔV=VSM−VEM にしたがって、実際の磁性塗料の塗布量に応じた出力V
P を演算して、出力回路34を通して出力させるように
する。このような演算を各走査点について行なうことに
より、磁気シートの磁性層に含まれる磁性粉の量、すな
わち、磁性塗料の塗布量を、非接触で、精度よく測定す
ることができる。
【0030】
【発明の効果】磁気シートに対して非接触で精度よく計
測できるので、放射線を使用するようなものに比較し
て、簡便で、磁気シートの製造ラインのオンライン上に
て使用するのに適している。
【0031】バックアップ面とセンサユニットとの間の
距離変化に影響されずに精度よく計測できるので、磁気
シートの製造ラインの設計条件をそれ程厳しくしなくて
もすみ、したがって、製造ライン全体のコストを低減す
ることができる。
【0032】磁気シートに非接触にて精度良く測定でき
るので、シート状基材に磁性塗料を塗布後乾燥前で磁性
層に含まれる磁性粉の量を把握することが可能となり、
すばやい調整が可能となるので、磁気シート製品の歩留
り向上に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の特徴による磁性塗料塗布量計測
装置の一実施例の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の第二の特徴による磁性塗料塗布量計測
装置の一実施例の構成を示す概略側面図である。
【図3】図2の計測装置の概略正面図である。
【図4】本発明の第三の特徴による磁性塗料塗布量計測
装置の一実施例のシステム構成を示す概略正面図であ
る。
【図5】図4のシステムの制御部の構成を示すブロック
図である。
【図6】図4のシステムによる基準値記憶走査時に得ら
れる静磁界センサおよび渦電流センサの出力信号のレベ
ル変化を例示する図である。
【図7】図4のシステムによる測定走査時に得られる静
磁界センサおよび渦電流センサの出力信号のレベル変化
を例示する図である。
【図8】従来の磁性塗料の塗布量の計測方式を説明する
ための概略図である。
【符号の説明】
2 磁気シート 2A シート状基材 2B 磁性層 8 非磁性バックアップロール 9 静磁界センサ 9A 永久磁石 9B 磁気コア 9C ホール素子 10 ロール駆動モーター 12 金属製バックアップロール 13 センサユニット 14 リニアレール 15 走査用ステッピングモーター 16 チェーンホイール 17 原点検出用近接スイッチ 18 走査リミットスイッチ 19 ロール回転検出トランスジューサー 20 支持フレーム 21 チェーン 24 静磁界センサ 25 渦電流センサ 26 減算器 27 メモリー 28 演算増幅器 29 演算増幅器 30 A/Dコンバータ 31 A/Dコンバータ 32 ステッピングモーターコントロール回路 33 入出力回路 34 出力回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状基材上に塗布された磁性塗料の
    塗布量を計測するための磁性塗料塗布量計測装置におい
    て、シート状基材を支えるバックアップ手段と、該バッ
    クアップ手段のバックアップ面に対して前記シート状基
    材を介在させて対向配置される静磁界センサ手段とを備
    え、該静磁界センサ手段は、静磁界発生源と、該静磁界
    発生源からの磁束の少なくとも一部分を、前記シート状
    基材上に塗布された磁性塗料の層部分に通すための磁気
    回路と、該磁気回路に関連付けられ該磁気回路を通る磁
    束の変化に応じた信号を発生する磁気感応素子とを含む
    ことを特徴とする磁性塗料塗布量計測装置。
  2. 【請求項2】 シート状基材上に塗布された磁性塗料の
    塗布量を計測するための磁性塗料塗布量計測装置におい
    て、シート状基材を支える磁性バックアップ手段と、該
    磁性バックアップ手段のバックアップ面に対して前記シ
    ート状基材を介在させて対向配置される静磁界センサ手
    段および渦電流センサ手段と、前記静磁界センサ手段の
    出力信号と前記渦電流センサ手段の出力信号との差に応
    じた信号を出力する減算手段とを備えており、前記静磁
    界センサ手段と前記渦電流センサ手段とは、互いに一体
    化して保持されていて、前記磁性バックアップ手段のバ
    ックアップ面上の実質的に同一の部分をセンシングする
    ように配置されていることを特徴とする磁性塗料塗布量
    計測装置。
  3. 【請求項3】 シート状基材上に塗布された磁性塗料の
    塗布量を計測するための磁性塗料塗布量計測装置におい
    て、シート状基材を支える磁性バックアップ手段と、該
    磁性バックアップ手段のバックアップ面に対して前記シ
    ート状基材を介在させて対向配置され且つ互いに一体化
    して保持された静磁界センサ手段および渦電流センサ手
    段と、前記シート状基材が載置されていない状態にて、
    前記磁性バックアップ手段のバックアップ面にそって前
    記静磁界センサ手段および前記渦電流センサ手段を走査
    させたときに得られる前記静磁界センサ手段および前記
    渦電流センサ手段の出力信号を記憶させるための記憶手
    段と、前記シート状基材が載置されている状態にて、前
    記磁性バックアップ手段のバックアップ面にそって前記
    静磁界センサ手段および前記渦電流センサ手段を走査さ
    せたときに得られる前記静磁界センサ手段およ前記渦電
    流センサ手段の出力信号と、前記記憶手段に記憶された
    前記出力信号とに基づいて、前記シート状基材上に塗布
    された磁性塗料の塗布量を表す信号を発生するための演
    算手段とを備えることを特徴とする磁性塗料塗布量計測
    装置。
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