JPH09256226A - 抗菌性物質包含アルギン酸繊維およびその製造方法 - Google Patents

抗菌性物質包含アルギン酸繊維およびその製造方法

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JPH09256226A
JPH09256226A JP8106025A JP10602596A JPH09256226A JP H09256226 A JPH09256226 A JP H09256226A JP 8106025 A JP8106025 A JP 8106025A JP 10602596 A JP10602596 A JP 10602596A JP H09256226 A JPH09256226 A JP H09256226A
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JP
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water
fiber
silver
soluble
antibacterial substance
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JP8106025A
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Hiroyuki Tenma
啓之 天満
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Sakai Chemical Industry Co Ltd
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Sakai Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗菌性を有する水溶性アルギン酸繊維を
提供することを目的とする。 【解決手段】 抗菌性物質を水溶性アルギン酸繊維に重
量比率で0.1〜20重量%包含させたことを特徴とす
る抗菌性物質包含水溶性アルギン酸繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗菌性物質包含水溶性ア
ルギン酸繊維およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、アルギン酸塩には止血作用が
あることから、アルギン酸繊維を包帯、ガーゼ、当て布
等の医療材料として用いることが提案されている。この
ようなアルギン酸繊維としては、カルシウムイオン等の
多価の金属イオンを凝固剤として用いた水不溶性アルギ
ン酸繊維が知られている。又、アルカリで処理した水溶
性アルギン酸繊維も特公平1−27720、英国特許第
1,231,506号、ヨーロッパ特許公開第0072
680号、特開平3−220317号等に開示されてお
り、これら繊維に酵素や微生物を含有させることも知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は水溶性アルギ
ン酸繊維をガーゼ、当て布等の医療材料として用いる場
合に本来の止血作用以外に抗菌作用をも発揮させること
を目的としなされたものであって、抗菌性物質含有アル
ギン酸繊維及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は下記を要旨とす
る。 1.抗菌性物質を水溶性アルギン酸繊維に重量比で0.
1〜20重量%包含させたことを特徴とする抗菌性物質
包含水溶性アルギン酸繊維。 2.抗菌性物質としては銀、銀酸化物、銀硫化物、銅、
銅酸化物、銅硫化物、酸化亜鉛、及び酸化チタンのうち
1種またはそれ以上を包含させた水溶性アルギン酸繊
維。 3.抗菌性物質を含有する水性ドープを親水性有機溶剤
中に吐出紡糸する抗菌性物質包含水溶性アルギン酸繊維
の製造方法。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明における水溶性アルギン酸
としては、アルギン酸のナトリウム塩、マグネシウム
塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、エステルまたはこ
れらの混合物があげられる。アルギン酸の水溶性有機ア
ミン塩としては、例えばトリエタノールアミン塩等をあ
げることができ、アルギン酸の水溶性エステル誘導体と
しては、例えばアルギン酸のプロピレングリコールエス
テル等をあげることができる。上記水溶性アルギン酸塩
のうち、ナトリウム塩が引張り強度の高い繊維を得るう
えで好ましい。
【0006】抗菌性物質としては具体的には金属化合物
粉体(粒子)として銀、銅、酸化銀、硫化銀、酸化銅、
硫化銅、酸化亜鉛、酸化チタンであり、それらが1種あ
るいは複数種いずれでも良く、形態としてはアルギン酸
繊維に均一に分散包含している方が効果的であるため粒
子が小さい方が好ましい。かかる抗菌剤はゼオライト等
の分散助剤に含有させてアルギン酸に添加しても良い。
抗菌性物質のアルギン酸繊維への含有量は水溶性アルギ
ン酸の総量に対して0.1〜20.0重量%であり、好
ましくは0.25〜5重量%である。0.1重量%以下
では抗菌作用が充分でなく、20.0重量%以上入れて
も抗菌作用が比例的に増加する訳でもないため経済的に
好ましくない。
【0007】本発明による繊維は抗菌性物質と水溶性ア
ルギン酸塩(Na,K,Li,Mg,など)の水スラリ
ー(以下水性ドープという)を凝固浴を形成する親水性
溶媒中へ吐出することにより得られる。抗菌性物質とし
て添加する場合上記記載の金属、酸化物、硫化物のみな
らず水溶性の金属塩を使用しても良い。凝固浴を形成す
る親水性有機溶媒は、適度な親水性を有し、水性ドープ
中の水との置換速度が大きく、かつ水溶性アルギン酸塩
に対して貧溶剤であり、しかも低分子量である有機溶媒
が好ましい。これは、有機溶剤の作用によりアルギン酸
塩水溶液から脱水が起こり繊維が形成されるので、有機
溶剤の親水性が低すぎると、アルギン酸塩水溶液からの
水分の分離が誘導されず、繊維が連続的に紡糸できない
からである。
【0008】一方、親水性の高い有機溶剤であっても、
分子量が大きく、粘度が高いものは、アルギン酸塩水溶
液と接触して、アルギン酸塩水溶液の水分を分離させた
としても、溶媒中の水分の拡散が穏やかなために、局所
的に含水率が高くなり、連続的に吐出されるアルギン酸
塩からの脱水が継続して起こらないために好ましくな
い。また水酸基を多く有する有機溶媒は、多くの水酸基
を有しているアルギン酸塩と親和性が高いために、有機
溶剤とアルギン酸塩との分離が困難となるため、好まし
くない。
【0009】したがって、本発明において好適に使用し
うる親水性有機溶剤としては、例えばメタノール、エタ
ノール、イソプロパノール等の炭素数1〜3の低級脂肪
族アルコール、アセトン、ジオキサン、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジメチルスルホキシド、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニト
リル、メチルエチルケトン、フェノール等があげられ
る。これらの溶剤は1種又は2種以上を混合して用いる
ことができる。なかでもアセトンが引張り強度の大きい
繊維を得るうえで好ましい。
【0010】本発明の抗菌性物質包含水溶性アルギン酸
繊維の製造方法によれば、凝固浴中に抗菌性物質と水溶
性アルギン酸塩とを含有する水性ドープを吐出するの
で、凝固浴を形成する有機溶剤は、必然的に水分を含む
こととなる。したがって、本発明においては、凝固浴
は、可及的に水を含まないことが望ましいものの、水分
を含むことは許容される。しかしながら、凝固浴が含ん
でもよい水の量は、当然、アルギン酸塩の凝固を妨げな
い範囲であることが必要である。
【0011】このように、凝固浴は水を含むことが許容
されるが、その許容限界は、使用する有機溶剤によって
異なる。本発明における凝固浴は、有機溶剤の濃度が、
通常50重量%以上、なかんずく、70重量%以上であ
ることが好ましい。より好ましくは80重量%以上であ
る。有機溶剤の濃度が低すぎる場合には、繊維が得られ
なかったり、連続した繊維が得られなかったりする。凝
固浴は脱水装置および/または乾燥溶剤槽と連設して、
紡糸中はほぼ一定の含水量を維持するように調整され
る。凝固浴の温度は、使用する有機溶剤や繊維の延伸率
等によって異なるが、通常室温から100℃の範囲内と
する。
【0012】抗菌性物質包含水溶性アルギン酸繊維を製
造するには、抗菌性物質とアルギン酸塩とを含む水性ド
ープを、多量の親水性有機溶剤中に吐出し、ドープ内の
水を迅速に溶剤と置換することが大切である。したがっ
て、湿式紡糸における紡糸機のノズルの孔径およびノズ
ル当たりのドープの吐出量もまた重要である。
【0013】紡糸機のノズルの孔径は0.025〜1m
m、ノズル当たりのドープの吐出量は0.001〜1m
l/分の範囲にあるものが各々好ましい。また、得られ
た抗菌性物質包含水溶性アルギン酸繊維は、アセトン等
の脱水溶剤で脱水処理するのが好ましく、得られた繊維
を脱水溶剤に浸漬し、脱水を行った後、余剰の脱水溶剤
を除去して、加熱乾燥することが望ましい。
【0014】このようにして得られる本発明の抗菌性物
質包含水溶性アルギン酸繊維は織布あるいは不織布に加
工される。不織布は、例えばカード法やエアレイ法等の
乾式法によって得ることができる。本発明による抗菌性
物質包含水溶性アルギン酸繊維は表面の触媒作用を利用
することにより防菌効果が得られるものと考えられ、抗
菌性物質は一部イオン化している可能性もある。
【0015】
【実施例】以下実施例により、具体的に説明する。 原液調製 蒸留水1214mlに64gのアルギン酸ナトリウムと
3.2gの銀を含有したゼオライトを加え、約4時間ニ
ーダーにて混練し、200メッシュの濾布で濾過し、
0.25%重量ゼオライト入りドープ(アルギン酸ナト
リウム5重量%含有ドープと称する)を得た。
【0016】実施例1 この0.25重量%ゼオライト入りドープを湿式紡糸機
の原液供給槽中に入れ、孔径0.1mmの小孔を100
0個有するノズルから、3Lアセトン中に16.4g/
分の吐出させて、紡糸した。得られた繊維は、直径1
1.2cmのコゼットにより16r.p.m.で巻き取
った。この繊維をアセトンに一度浸漬し、余剰のアセト
ンをロ紙で拭き取った後、100℃で30分間乾燥さ
せ、繊維を得た。この繊維には、ゼオライト(銀を含
有)が5重量%含まれる。
【0017】実施例2 原液600gと別途調製したアルギン酸ナトリウム5重
量%含有ドープ600gをニーダーで混練し0.125
重量%ゼオライト入りドープを調製し、上記、実施例1
と同方法で紡糸を行う。得られた繊維には、ゼオライト
(銀を含有)2.5重量%が含まれる。
【0018】実施例3 原液300gと別途調製したアルギン酸ナトリウム5重
量%含有ドープ600gをニーダーで混練し0.125
重量%ゼオライト入りドープを調製し、上記、実施例1
と同方法で紡糸を行う。得られた繊維には、ゼオライト
(銀を含有)1.25重量%が含まれる。
【0019】 抗菌力試験 試験菌 スタフイロコッカス アウレウス (Staphylococus aure us) プセウドモナス エルジノサ (Pseudomonas aerugi nosa) エシュリシア コリ (Escherichia coli) 上記三種の試験菌を各々、養分入り普通寒天培地で37
℃において24時間培養し、集菌後、前述の普通寒天培
地に約1×10cells添加して平板培地を作成し
た。次に、実施例1〜3の各種ゼオライト含有水溶性ア
ルギン酸ナトリウム繊維を幅約3mm(短繊維1000
本)、長さ10mmの大きさに裁断して試験片とし、上
記三種の菌の平板培地に各々添付して、37℃において
24時間培養した。
【0020】その後、各試験片の周囲に菌の阻止帯が形
成されているか否かを確認し、阻止帯が形成されて菌の
発育が認められないものを抗菌力陽性と判定し、阻止帯
の短径の長さから +++:阻止帯短径6mm以上 ++:阻止帯短径4mm以上6mm未満 +:阻止帯短径4mm未満 とした。結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】なお、使用した菌は全て、財団法人醗酵研
究所より分譲を受けたものであり、同表中、各菌は以下
のように明記した。 菌1:スタフィロコッカス アウレウス (Staphylococus au reus) 菌2:プセウドモナス エルジノサ (Pseudomonas aeru ginosa) 菌3:エシュリシア コリ (Escherichia coli )
【0023】
【発明の効果】上記の如く抗菌作用を有するアルギン酸
繊維が得られた。このアルギン酸繊維より製せられた、
例えばガーゼ、包帯、当て布等は好適に医療用材料に用
いることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抗菌性物質を水溶性アルギン酸繊維に重量
    比率で0.1〜20重量%包含させたことを特徴とする
    抗菌性物質包含水溶性アルギン酸繊維。
  2. 【請求項2】請求項1において抗菌性物質として銀、銀
    酸化物、銀硫化物、銅、銅酸化物、銅硫化物、酸化亜
    鉛、酸化チタンのうち1種またはそれ以上を包含させた
    水溶性アルギン酸繊維。
  3. 【請求項3】抗菌性物質を含有する水性ドープを親水性
    有機溶剤中に吐出紡糸することを特徴とする請求項1あ
    るいは請求項2記載の抗菌性物質包含水溶性アルギン酸
    繊維の製造方法。
JP8106025A 1996-03-22 1996-03-22 抗菌性物質包含アルギン酸繊維およびその製造方法 Pending JPH09256226A (ja)

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