JPH09256181A - 酸素発生用電極 - Google Patents
酸素発生用電極Info
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Abstract
素の発生を避けて酸素を発生させることのできる電極を
提供する。 【解決手段】 耐食性電極基材としてTiを使用し、そ
の上にMnの塩に加えてWの塩およびMoの塩の一方ま
たは両方を配合した組成物を適用し、加熱して塩を酸化
物に変え、Wの酸化物およびMoの酸化物の一方または
両方(両方の場合は合計量で)0.2〜20モル%を占
める酸化物被覆を形成する。
Description
ードとして使用し、塩素の発生を抑えて酸素を発生する
ための電極に関する。
素と水酸化ナトリウムとが発生し、アノードで塩素が発
生して、この水酸化ナトリウムと塩素とから次亜塩素酸
ナトリウムが生成する。 この場合のアノードは、耐食
金属であるチタンの表面を白金族金属の酸化物で被覆し
た電極が高性能の電極として使用されている。
に付着して生育することを防ぐ効果があるので、このよ
うな海水電解を意図的に行なうこともあったが、近年は
塩素による海水汚染は避けるべきものとして、あまり行
なわれない。
素と酸素とを分離して得る電解が、…を目的として試み
られている。 この場合は、カソードで水素を発生し、
アノードでは酸素のみを発生させなければならないか
ら、それを可能にする電極が必要になる。
生の平衡電位より約0.6V低く、熱力学的には、酸素
が容易に発生するはずである。 ところが、塩素の発生
が単純な電極反応2Cl~→Cl2+2eであって電解電
位も平衡電位に近いのに対し、酸素の発生は何段階もの
素反応からなる複雑な反応を経て起るため、電解電位は
容易に塩素発生の平衡電位を超えてしまう。 従って、
酸素の発生をみるときには多量の塩素も発生してしま
い、所望の結果が得られない。
生には不活性であるが酸素発生には高度に活性であるよ
うなアノードを提供することを意図して研究し、耐食金
属であるTiを導電性基材として使用し、その表面にM
nの酸化物を被覆したものが、酸素発生効率約70%を
実現することを知った。
の知見を基礎にしてこれを改良し、酸素発生効率をさら
に高めた、海水電解のための酸素発生用電極と、その製
造方法を提供することにある。
流に対する酸素発生に利用された電流の割合として定義
される。
の酸素発生用電極は、Wの酸化物およびMoの酸化物の
一方または両方を(両方の場合は合計量で)0.2〜2
0モル%含有し、残部を実質上Mnの酸化物が占める導
電性被覆を、導電性材料の基体表面に形成してなる。
化物の一方または両方を配合した導電性被覆は、Feの
酸化物、Coの酸化物およびNiの酸化物の1種または
2種以上を(2種以上の場合は合計量で)3モル%以
下、含有することができる。それにより、酸素発生効率
をさらに高めることができる。
はアノード材料として高い酸素発生活性を示すものでは
ないが、Mnの酸化物に適量配合することにより、高い
酸素発生効率が得られる。 この効果は、Mnの酸化物
中へのWの酸化物またはMoの酸化物の固溶によるもの
か、または酸化物間の化合物を形成するためと考えられ
る。
れ、10〜15モル%で最も高いレベルに達し、15%
を超える領域ではむしろ低下する。 経済性も考え合わ
せると、20モル%を超える配合を不利となる。
はその合金が適切である。 Ti合金の具体例として
は、TiとZr,Nb,Taなどの合金、またTi−P
d合金が挙げられる。
の製造方法は、基本的には、Mnの塩に加えて、Wの塩
およびMoの塩の一方または両方を溶解または分散させ
た液を導電性材料の基体上に塗布し、乾燥の後、加熱し
て塩を分解することにより、導電性基体上にWの酸化物
およびMoの酸化物の一方または両方を0.2〜20モ
ル%含有し残部を実質上Mnの酸化物が占める導電性被
覆を形成することからなる。
解のための酸素発生用電極の製造方法は、Mnの塩に加
えて、Wの塩およびMoの塩の一方または両方、ならび
に、その酸化物がアルカリ水溶液に可溶な金属塩を溶解
または分散させた液を電導性材料の基体上に塗布し、乾
燥の後、加熱して塩を分解して酸化物とし、さらにアル
カリ水溶液で処理してアルカリ水溶液に可溶な金属酸化
物を溶出することによって、導電性基体上にWの酸化物
およびMoの酸化物の一方または両方を0.2〜20モ
ル%含有し残部を実質上Mnの酸化物が占め、増大した
有効表面積を有する導電性被覆を形成することからな
る。
ルカリ水溶液に可溶な金属の塩としては、Znの塩が好
適である。 Zrの塩を使用する場合、その配合割合
は、酸化物組成物中で1〜30モル%を占めるようにす
ることが適当である。 1モル%に満たない使用では、
有効表面積増大の効果が乏しい。 一方、Zrの割合を
高めるとZrとMnの比が1:1の複酸化物ZnMnO
3 が生成し、これはアルカリに溶解しにくい物質である
から、やはりZn塩の溶出による電極表面積の増大がは
かれず、酸素発生への活性としては、かえって低下す
る。 そこで、30モル%の上限を設けた。
てはTiまたはその合金が適切であるが、これを使用す
るときは、電極形成作業に伴うTi表面の不働態化で絶
縁性皮膜の形成を避けるため、あらかじめTi基体の表
面を酸化イリジウムで被覆する処理を施しておくことが
好ましい。 この処理は、塩化イリジウム酸の有機溶媒
溶液を塗布し、乾燥後、焼成する熱分解法により、容易
に実施できる。
金属に密着させるための処理であって、大気中で400
〜500℃の温度に数分間〜数時間加熱することによっ
て実施すればよい。
法により酸化イリジウム被覆を施して、導電性下地材と
した。
酸アンモニウム(NH4)2MoO4とを、Mn:Moの
比が9:1となるように配合し、合計で0.2モル/l
の濃度の水溶液を用意した。
し、大気中80℃で10分間乾燥したのち450℃に加
熱してMnおよびMoの塩を分解し、酸化物に変えた。
この操作を30回繰り返して、厚さ約12μmの酸化
物被覆を形成した。 続いて450℃で1時間加熱処理
し、酸化物被覆を電極基体上に密着させた。
Cl溶液のpHを8に調整し、この溶液1l中で、電流
密度200A/m2 、通電量1000クーロンの電気分
解を行なった。
定により定量し、塩素発生に消費された電気量を算出す
ることにより酸素発生効率を求めた。 酸素発生効率は
90%であり、この電極が酸素発生に対して高い活性を
示すことが判明した。
Moの酸化物が0.2〜20モル%の範囲内で種々の値
をとるように、硝酸マンガンとモリブデン酸アンモニウ
ムとを配合し、合計の濃度が0.2モル/lである水溶
液を用意した。
上に上記の塩水溶液をハケ塗りし、実施例1と同様に乾
燥−加熱を行なって塩を酸化物に変え、続いて加熱処理
を行なって酸素発生用電極とした。
件で電解を行なった。 各電極が示した酸素発生効率を
下に示す: Mo酸化物含有量 酸素発生効率 0.2モル% 77% 1 80 5 86 10 90 15 87 20 75 0* 70 *比較のため示した、Mnの酸化物だけで被覆した電極。
デン酸アンモニウムに代えてタングステン酸アンモニウ
ム(NH4)2WO4 を使用したほかは同じ条件で、実施
例2と同じ操作を繰り返した。 各電極のW酸化物含有
量と酸素発生効率との関係は、つぎのとおりであった。
アンモニウムおよびタングステン酸アンモニウムを種々
の割合で配合してなり、合計の濃度が0.2モル/lで
ある混合塩水溶液を用意した。
aCl水溶液の電解を行なって、下記の結果を得た。
酸アンモニウムおよびタングステン酸アンモニウムの一
方または両方、ならびに硝酸亜鉛を種々の割合で配合
し、合計の濃度が0.2モル/lである混合塩水溶液を
用意した。
Ti基体上に酸化物被覆を形成し、熱処理をした後、8
0℃の6M−KOH水溶液に6時間浸漬して、酸化物被
覆中のZnOだけを選択的に溶出させた。 このように
して得た、表面積の増大した酸素発生用電極の、Mo酸
化物含有量、W酸化物含有量およびアルカリ水溶液処理
前のZn酸化物含有量と、酸素発生効率との関係をしら
べて、つぎの結果を得た。
塩素の発生を実質上防いで酸素を発生させることが可能
である。
覆するMn酸化物中にWの酸化物およびMoの酸化物お
よびMoの酸化物の一方または両方を適量存在させた電
極は、海水を電解して塩素の発生を避けつつ酸素を発生
させるための電極として、高活性ないし高効率のもので
ある。 とくに、表面積を増大する処理を施した電極
は、酸素発生効率を100%に、すなわち塩素の発生を
実質上みることなく酸素が発生する海水の電解を実現す
ることができる。
Claims (7)
- 【請求項1】 Wの酸化物およびMoの酸化物の一方ま
たは両方を(両方の場合は合計量で)0.2〜20モル
%含有し、残部を実質上Mnの酸化物が占める導電性被
覆を、導電性材料の基体表面に形成してなる海水電解の
ための酸素発生用電極。 - 【請求項2】 導電性被覆が、Feの酸化物、Coの酸
化物およびNiの酸化物の1種または2種以上(2種以
上の場合は合計量で)を3モル%以下含有する請求項1
の酸素発生用電極。 - 【請求項3】 導電性基体がTiまたはその合金からな
るものである請求項1の酸素発生用電極。 - 【請求項4】 Mnの塩に加えて、Wの塩およびMoの
塩の一方または両方を溶解または分散させた液を導電性
材料の基体上に塗布し、乾燥の後、加熱して塩を分解す
ることにより、導電性基体上にWの酸化物およびMoの
酸化物の一方または両方を0.2〜20モル%含有し残
部を実質上Mnの酸化物が占める導電性被覆を形成する
ことからなる、海水電解のための酸素発生用電極の製造
方法。 - 【請求項5】 Mnの塩に加えて、Wの塩およびMoの
塩の一方または両方、ならびに、その酸化物がアルカリ
水溶液に可溶な金属塩を溶解または分散させた液を電導
性材料の基体上に塗布し、乾燥の後、加熱して塩を分解
して酸化物とし、さらにアルカリ水溶液で処理してアル
カリ水溶液に可溶な金属酸化物を溶出することによっ
て、導電性基体上にWの酸化物およびMoの酸化物の一
方または両方を0.2〜20モル%含有し残部を実質上
Mnの酸化物が占め、増大した有効表面積を有する導電
性被覆を形成することからなる、海水電解のための酸素
発生用電極の製造方法。 - 【請求項6】 酸化物がアルカリ水溶液に可溶な金属の
塩としてZnの塩を使用し、これを、Mnの塩、Wの塩
およびMoの塩の一方または両方の塩との混合物中で1
〜30モル%を占めるように配合して実施する請求項5
の製造方法。 - 【請求項7】 導電性基体としてTiまたはその合金を
使用し、導電性酸化物被膜の形成に先立って酸化イリジ
ウム被覆を施してTiの不働態化による絶縁性被膜の生
成を防止する工程を含む請求項4または5の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06453996A JP3677856B2 (ja) | 1996-03-21 | 1996-03-21 | 酸素発生用電極 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06453996A JP3677856B2 (ja) | 1996-03-21 | 1996-03-21 | 酸素発生用電極 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09256181A true JPH09256181A (ja) | 1997-09-30 |
JP3677856B2 JP3677856B2 (ja) | 2005-08-03 |
Family
ID=13261140
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06453996A Expired - Lifetime JP3677856B2 (ja) | 1996-03-21 | 1996-03-21 | 酸素発生用電極 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3677856B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007302927A (ja) * | 2006-05-09 | 2007-11-22 | Daiki Ataka Engineering Co Ltd | 酸素発生用電極 |
-
1996
- 1996-03-21 JP JP06453996A patent/JP3677856B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007302927A (ja) * | 2006-05-09 | 2007-11-22 | Daiki Ataka Engineering Co Ltd | 酸素発生用電極 |
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