JPH0925607A - コンクリート目地用ガスケット及び該ガスケットの取り付け構造、及びガスケットの取り付け装置 - Google Patents

コンクリート目地用ガスケット及び該ガスケットの取り付け構造、及びガスケットの取り付け装置

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JPH0925607A
JPH0925607A JP17370195A JP17370195A JPH0925607A JP H0925607 A JPH0925607 A JP H0925607A JP 17370195 A JP17370195 A JP 17370195A JP 17370195 A JP17370195 A JP 17370195A JP H0925607 A JPH0925607 A JP H0925607A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工性や耐久性に優れたコンクリート舗装用
の目地材として使用することのできるコンクリート目地
用ガスケットやこのガスケットの取り付け構造、あるい
はガスケットの取り付け装置が存在しなかった。 【解決手段】 コンクリート舗装の目地部16に挿入設
置されるEPDM製のガスケット10であって、その断
面形状が、設置状態において頂部に位置する蓋状表層部
11と、この蓋状表層部11から下方に延長する隔壁部
12と、この隔壁部12から両側に各々複数段突出延長
するリブ部12とからなり、かつ隔壁部12には、その
下端部においてグラスファイバー15がガスケット10
の延長方向に挿通配置されている。そして、ガスケット
10は、目地部16に沿って舗装面から下方に形成され
る細溝20と、この細溝20の上端部分を拡幅すること
により細溝とともに2段の溝を形成する挿入溝21とか
らなる当該目地部16内に、幅方向に圧縮された状態で
挿入設置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コンクリート目
地用ガスケット及びこのガスケットの取り付け構造、及
びガスケットの取り付け装置に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の車両が通過する、道路、工場の敷
地や工場内の土間、空港のエプロン、滑走路等の路面
は、コンクリートを用いて形成される場合があるが、こ
のようなコンクリート舗装は、コンクリートの硬化時に
おける収縮や、周囲の温度変化に伴う膨張収縮を吸収す
るために、一般に、所定の間隔毎に目地部が設けられて
いる。すなわち、この目地部は、形成されたコンクリー
ト舗装を分割するようにして所定の間隔で配置され、分
割されたコンクリート版の間に所定幅の隙間を保持する
とともに、この隙間に弾性を有する目地材を充填設置
し、分割された各コンクリート版の膨張収縮に伴って生
じる目地部の伸縮を目地材の弾性によって吸収し、これ
によりクラックの発生や変形等のコンクリート舗装に生
じる損傷を防止するものである。
【0003】そして、このような目地部に挿入される目
地材としては、従来より、例えばコンクリートの打設作
業時に型枠内に配設して設置されるアスファルト目地
板、ゴムスポンジ系やコルク系の目地板などの目地板の
他、打設して硬化した後のコンクリートに目地溝を設
け、この目地溝に注入充填される目地材として、例えば
コンクリートアスファルト系、ゴム化アスファルト系、
ゴム樹脂系などの注入目地材が使用されている。
【0004】そして、後者の切断した目地溝に注入目地
材を注入充填する方法によれば、かかる注入目地材はコ
ンクリートに良く付着し、防水性や耐水性に優れるとと
もに、これを充填する目地溝は、コンクリートの硬化後
に例えばコンクリートカッター等を使用して切り込まれ
るものであるため、目地部に段差を生じることがなく、
路面の平たん性および供用性を容易に確保することがで
きるなどの利点を備えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記目
地溝に注入目地材を注入充填して、コンクリート舗装に
目地部を設ける方法は、注入目地材を目地溝に注入する
際に目地の内部が乾燥している必要があるため、雨天時
には施工することができず、また降雨後も内部の水を抜
いてバーナー等により強制的に乾燥させた後でなければ
作業にとりかかることができないことに加えて、アスフ
ァルト等の注入目地材は、これを加熱溶融して目地溝に
注入して行くものであるため、その熱や悪臭などにより
取り扱いが容易でなく、作業性に劣るという課題があ
る。
【0006】また、アスファルト等の注入目地材は、気
温が高いと軟化し、コンクリート版の膨張によって表面
に膨れ出し、それが低温になっても溝の中に引き込まず
突出したままの状態となって、路面を通過する車両にシ
ョックを与えたり、騒音の発生の原因となるとともに、
美観上も好ましくないという課題がある。
【0007】さらに、アスファルト等の注入目地材は、
劣化が大きく、路面にこぼれる可能性のある油脂類等に
対して弱いものであるため、材質的に耐久性が低いもの
であるとともに、補修や交換が容易でなく、傷んだ目地
に小石やコンクリート片が入り込んで目地部の伸縮を阻
害し、目地としての機能を損なうおそれがあるという課
題がある。
【0008】一方、これらの注入目地材に換わる材料と
して、例えば水やガス漏れを防止するために、壁の継ぎ
目部分や接合部に取り付けるパッキングとして知られる
ガスケットを応用して、これをコンクリート舗装の目地
部に装着する方法も考えられているが、かかるガスケッ
トをそのままコンクリート舗装の目地部に用いても、施
工延長が長くまた所定の強度を必要とするコンクリート
舗装の目地材として使用するには施工性や耐久性に種々
の課題があり、このため、コンクリート舗装用の目地材
と用いるのに適したガスケットの開発が望まれている。
【0009】そこで、この発明は、これらの従来の課題
を鑑みてなされたもので、施工性や耐久性に優れたコン
クリート舗装用の目地材として使用することのできるコ
ンクリート目地用ガスケットを提供することを目的とす
るものである。
【0010】また、この発明は、コンクリート目地用ガ
スケットをコンクリート舗装用の目地材として有効にそ
の機能を発揮させることのできるガスケットの取り付け
構造を提供することを目的とするものである。
【0011】さらに、この発明は、コンクリート目地用
ガスケットの目地部への取り付け作業を迅速かつ容易に
行なうことのできるガスケットの取り付け装置を提供す
ることを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するためになされたもので、コンクリート舗装の目
地部に挿入設置されるガスケットであって、その断面形
状が、設置状態において頂部に位置する蓋状表層部と、
該蓋状表層部から下方に延長する隔壁部と、該隔壁部か
ら両側に各々複数段突出延長するリブ部とからなり、か
つ前記隔壁部には、引張荷重を支持する芯材をガスケッ
トの延長方向に挿通配置したことを特徴とするコンクリ
ート目地用ガスケットにある。
【0013】ここで、上記記載においてコンクリート舗
装の目地部とは、路面の略全域がコンクリートにより構
成される舗装面に設けられる目地部の他、例えばアスフ
ァルト舗装のジョイント部分の如く、舗装面の一部とし
て設けられるコンクリート製の路面に設けられる目地部
をも含むものである。
【0014】また、この発明のコンクリート目地用ガス
ケットは、前記芯材として、グラファイバーを使用する
ことが好ましい。
【0015】さらに、この発明のコンクリート目地用ガ
スケットは、複数段突出延長する前記リブ部の各先端部
分及び前記隔壁部の下端部分を外壁部により互いに連結
して、該外壁部と前記隔壁部との間に多段の室を設けた
構成とすることが好ましい。
【0016】さらにまた、この発明のコンクリート目地
用ガスケットは、前記蓋状表層部の外表面中央部分に、
ガスケットの延長方向に延長する切り欠き溝を形成する
ことが好ましい。
【0017】そして、この発明のコンクリート目地用ガ
スケットは、エチレンプロピレンジエンモノマー(Ethy
lene Propylene Diene Monomer;EPDM)の成形品と
して形成することが好ましい。
【0018】また、この発明の他の要旨は、上記コンク
リート目地用ガスケットをコンクリート舗装の目地部に
挿入設置するためのガスケットの取り付け構造であっ
て、前記目地部に沿って舗装面から下方に形成される細
溝と、この細溝の上端部分を拡幅することにより細溝と
ともに2段の溝を形成する挿入溝と、該挿入溝に挿入設
置される前記ガスケットとからなることを特徴とするコ
ンクリート目地用ガスケットの取り付け構造にある。
【0019】ここで、この発明のガスケットの取り付け
構造は、前記挿入溝の舗装面における開口両縁部分に
は、Vカットされた面取り部を設けるとともに、前記ガ
スケットの蓋状表層部の両側端部分を前記面取り部に各
々当接させた状態で、前記ガスケットを前記挿入溝に挿
入設置することが好ましい。
【0020】さらに、この発明の他の要旨は、上記コン
クリート目地用ガスケットを、交差して延長する2方向
の目地部の当該交差部に設置するためのガスケットの取
り付け構造であって、当該交差部において、一方のガス
ケットを、前記芯材を配置した位置より上方部分を切り
欠いた状態で前記目地部に挿入配置し、他方のガスケッ
トを、前記交差部において前記切り欠き部分に押し込ん
で重ね合わせつつ前記目地部に挿入配置することによ
り、各ガスケットに埋設した芯材によって各ガスケット
の連続性を各々保持しつつ、各ガスケットの弾性により
これらの上端面が面一になるように配置することを特徴
とするコンクリート目地用ガスケットの取り付け構造に
ある。
【0021】さらにまた、この発明の他の要旨は、コン
クリート目地用ガスケットを、コンクリート舗装の目地
部に挿入設置するためのガスケットの取り付け装置であ
って、下方に向かって間隔を狭める一対の傾斜面に沿っ
て各々回転するとともに、下端部分において前記目地部
の幅と略同様の間隔を保持して、当該間隔内に前記ガス
ケットを圧縮挟持するように案内する一対のガイドディ
スクと、該ガイドディスクが回転する前記傾斜面に挟ま
れる中央の面に沿って配設されるとともに、下端部分が
前記ガイドディスクの下端部分の間隔の延長上に位置
し、前記一対のガイドディスクの直後において、ガイド
ディスクの下端部分の間隔内に圧縮挟持されたガスケッ
トを下方に押し出す挿入ディスクとを備え、前記一対の
ガイドディスクの下端部分を目地部に沿って走行させつ
つ、前記挿入ディスクにより目地部内にガスケットを押
し出し挿入してゆくことを特徴とするコンクリート目地
用ガスケットの取り付け装置にある。
【0022】そして、この発明のコンクリート目地用ガ
スケットによれば、これを幅方向に圧縮した状態でコン
クリート舗装の目地部に挿入することにより、挿入され
たガスケットは、その弾性により形状を回復しようとし
てリブ部を目地部の内壁面に押しつけ、これによって目
地部における止水機能や伸縮変形に対する追随機能を発
揮するとともに、蓋状表層部により目地部の開口部分を
塞いで異物の侵入を防止する。すなわち、この発明のコ
ンクリート目地用ガスケットは、これを目地部に挿入設
置するだけの作業により容易に目地材として取り付ける
ことができるとともに、隔壁部には、引張荷重を支持す
る芯材が設けられていることにより、機械施工等による
作業時のガスケットの延びを防止して、施工延長が長い
場合でも、迅速かつ効率よく設置作業を行うことがで
き、また、設置後の各種の荷重に対する耐久性も向上す
る。さらに、目地部に挿入設置するだけの簡単な構成に
より目地部に取り付けられているので、ガスケットが損
傷したとしても新しいガスケットとの交換作業も容易に
行なうことができる。
【0023】また、この発明のコンクリート目地用ガス
ケットの取り付け構造によれば、細溝とともに2段の溝
を構成する挿入溝にガスケットを挿入設置するので、上
方からの荷重によりガスケットが溝内に過度に挿入され
ようとしても、挿入溝の底面の段部で支持することによ
り、かかるガスケットの没入を防止することができる。
そして、挿入溝の開口両縁部分にVカットされた面取り
部を設け、ガスケットの蓋状表層部の両側端部分を前記
面取り部に各々当接密着させた状態でスケットを前記挿
入溝に挿入設置すれば、開口両縁部分が欠け落ちて破損
するのを防止することができるとともに、設置したガス
ケットが舗装面より上方に突出するのを防止することが
できる。
【0024】さらに、この発明のコンクリート目地用ガ
スケットの、交差して延長する2方向の目地部の当該交
差部における取り付け構造によれば、一方のガスケット
を切り欠いても、このガスケットには芯材が切断される
ことなく残置されているので、各ガスケットの芯材によ
ってガスケットの強度を各々保持しつつ、当該交差部に
おいてガスケットの上端面が面一になるように配置する
ことができる。
【0025】さらにまた、この発明のコンクリート目地
用ガスケットの取り付け装置によれば、一対のガイドデ
ィスクの間にガスケットを挿通すれば、ガイドディスク
の回転に伴って下方に案内されたガスケットは、ガイド
ディスクの下端部分の間隔内に圧縮挟持されるととも
に、これに後続して前進する挿入ディスクによって、下
方に押圧されて目地部の内部に挿入設置される。すなわ
ち、この取り付け装置を、ガイドディスクを目地部に沿
わせながら前進させることにより、ガスケットを連続し
て容易に目地部内に挿入設置して行くことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】次に、この発明の一実施例を添付
図面を参照しつつ詳細に説明する。この実施例のコンク
リリート目地用ガスケット10は、例えばトンネル内に
形成される高速道路の路面を構成するコンクリート舗装
に、縦横に設けられた目地部に挿入設置される特殊成型
目地材として使用されるもので、図1(a)及び(b)
に示すように、その断面形状が、設置状態において頂部
に位置する蓋状表層部11と、この蓋状表層部11の中
央部からから下方に延長する隔壁部12と、この隔壁部
12からこれの両側に僅かに上方に傾斜して各々突出延
長する2段のリブ部13とからなり、また、隔壁部12
の下端部分14は矩形状に拡幅してその中央部分に芯材
としてのグラスファイバー15がガスケット10の延長
方向に挿通配置されている。
【0027】ここで、このガスケット10は、ゴム質や
アスベスト質等の弾性を備えた各種の材料により製作す
ることができるが、この実施例では、エチレンプロピレ
ンジエンモノマー(EPDM)の成形品として製作す
る。すなわち、かかる材料を使用してガスケット10を
形成すれば、EPDMは、その高弾性及び高い復元力に
加えて、気温変化に抵抗性が高く応力緩和も小さい上
に、ガソリン、オイル、灯油や凍結融解剤等に対する高
い耐久性を備えるとともに、目地の拡大、縮少に対する
追随性が高いことにより目地の動きに容易に順応するの
で、ガスケット10としての機能を長期間安定して保持
することができる。
【0028】そして、ガスケット10の頂部に位置する
蓋状表層部11は、ガスケット10を目地部16に挿入
設置した場合に(図2参照)、目地部16の舗装面にお
ける開口両縁部分と密着して当該開口部分を閉塞し、こ
れによって、主として、コンクリート版の膨張や収縮を
妨げる硬い小石、コンクリート片等が目地部16の内部
に入り込むのを防止する。なお、蓋状表層部11には、
その外表面中央部分に、ガスケット10の延長方向に延
長する切り欠き溝17を備えることにより、円弧状にし
なりやすく、かかる2等分された円弧により、挿入作業
をさらに容易するとともに、車両の通行時における変形
に容易に追随して目地部16の開口部分への密着性をよ
り高めることができる。
【0029】また、蓋状表層部11の中央部からから下
方に延長する隔壁部12は、リブ部13を支持するとと
もに、ガスケット10の目地部16への取り付け施工時
における引張り荷重や、目地部16へ取り付けた後、路
面を車両が通過することにより生じる各種の荷重を支持
する際の主要部として機能するものである。そして、こ
の隔壁部12には、下端部分にグラスファイバー15が
挿通配置されていることにより、上記施工時における引
張り荷重やその他の荷重を効果的かつ安定して支持する
ことができる。なお、かかる芯材としては、グラスファ
イバー15の他、炭素繊維等の温度変化による線膨張係
数がEPDMと略同様の種々の材料からなる芯材を用い
ることもできる。また隔壁部12は、図3(a)及び
(g)に示すように、目地部16の幅の大きさ等に対応
して、リブ部13を支持しかつ施工時や車両走行時の各
種の荷重を支持しうる、種々の形態のものを採用するこ
とができる。
【0030】さらに、隔壁部12から両側に突出配置さ
れる2段のリブ部13は、ガスケット10を取り付ける
際に、幅方向に圧縮された状態で目地部16内に挿入配
置され、その弾性によって目地部16の内壁面を押圧
し、その応力により長期間に亘って継目を塞いで目地部
16からの水の侵入を防止する。なお、この実施例で
は、2段のリブ部13により、蓋状表層部11ととも
に、3層の止水ラインを構成することになるが、リブ部
13の段数を適宜増加すれば、止水機能をより強化する
こともできる。またこの実施例では、リブ部13の各先
端部分及び隔壁部12を外壁部18により互いに連結し
て、この外壁部18と隔壁部12との間に3段の室19
が形成されるように構成され、これによって、リブ部1
3を一体化して安定した状態で突出延長させて弾性変形
させることができるとともに、目地部16の内壁面を安
定して押圧しかつ押圧面積を増大することによって、目
地部16の幅が大きい場合でも、ガスケット10の機能
を安定して保持することができるが、目地部16の幅が
小さい場合には、外壁部18及び多段の室19を必ずし
も備える必要はない(図3参照)。
【0031】なお、この発明のコンクリート目地用ガス
ケットは、上記形態のものに限定されるものではなく、
図3(a)及び(g)に示すように、目地部16の幅や
路面の設計強度等に応じて種々の形態のものを使用する
ことができる。
【0032】そして、上述の構成を有するガスケット1
0を、コンクリート舗装に取り付けるには、かかる挿入
設置作業に先立って、図2に示すように、コンクリート
舗装面に、所定の間隔、例えば約5m程度の間隔をおい
て碁盤の目状に縦横に延長する目地部16を切断形成す
る。すなわち、現場打ちコンクリートとして打設形成し
たコンクリート舗装24が硬化したら、例えばコンクリ
ートカッターを使用して、図2に示すように、目地部1
6に沿って例えば幅3mm程度、深さ70mm程度の細
溝20を切断形成する。なお、この細溝20は、コンク
リート舗装24に誘発目地として通常形成される切断溝
を兼ねるものであるが、コンクリートの打継目等により
コンクリート舗装24を構成するコンクリート版の間に
隙間が既に生じている場合には、当該隙間を細溝20と
することもできる。そして、細溝20の上端部分には、
この部分を拡幅して、舗装面から、例えばカッターブレ
ードを2枚重ねたダブルカッティンダー方式により、例
えば幅10mm程度、深さ30mm程度の挿入溝21を
切断形成する。これにより、目地部16は、挿入溝21
の底面を肩部とした、2段の溝により構成されることに
なる。また、この実施例によれば、挿入溝21の開口両
縁部分を、例えば各種の研磨装置を用いてVカットする
ことにより、この両縁部分に面取り部22が設けられて
いる。
【0033】そして、このようにして形成された目地部
16には、上述の構成を有する例えば幅16mm程度の
ガスケット10を、例えば後述するガスケットの取り付
け装置を用いて、リブ部13を幅方向に圧縮された状態
で挿入溝21の内部に押し込んで行くことにより、ガス
ケット10が目地部16に容易に挿入設置されることに
なる。なお、ガスケット10の目地部16の延長方向に
おける接続は、例えば直角かつ平坦に切断されたガスケ
ット10の端面を接着剤により接着することにより、容
易に延伸設置することができる。
【0034】ここで、取り付けられたガスケット10
は、2段の溝20,21によって構成される目地部16
に挿入設置されることにより、上方からの車両荷重等に
よりガスケット10が目地部16の内部に過度に挿入さ
れようとしても、ガスケット10の下端部を挿入溝21
の底面で支持して、ガスケット10が目地部16内に没
入するのを容易に防止することができる。また、ガスケ
ット10の蓋状表層部11が、その両側端部分を面取り
部22に当接密着させて目地部16に配置されることに
より、ガスケット10の上端部分が舗装面から突出し
て、車両のスムースな走行を妨げるのを容易に防止する
ことができる。なお、Vカットされた面取り部22を設
けることにより、目地部16の開口の両縁部分が欠け落
ちて破損するのを防止することもできる。
【0035】一方、この実施例では、ガスケット10
は、コンクリート舗装24に縦横に切断形成された目地
部16に挿入設置されて行くことになるが、交差して延
長する縦横方向の目地部16の当該交差部においても、
図4に示すように構成することにより、各々のガスケッ
ト10の連続性を容易に保持しつつ、これらの上端が略
面一となるように配置することができる。
【0036】すなわち、まず、一方のガスケット10の
グラスファイバー15を配置した位置より上方部分を、
ガスケット10の断面形状に相当する形状で、例えば全
高さの2/3程度の切り欠いた状態とし、かかる切り欠
き部分25が交差部に位置するようにして、このガスケ
ット10を目地部16に挿入配置する。そして、他方の
ガスケット10を、交差部において、上記切り欠き部分
25に押し込んで重ね合わせつつ目地部16に挿入配置
することにより、各ガスケット16に埋設したグラスフ
ァイバー15によって各ガスケット16の連続性が各々
保持され、また、各ガスケットの弾性によってこれらの
上端面が略面一になるように配置されることになる。
【0037】なお、切り欠き部分25に配置される他方
のガスケット10の下端部分を、グラスファイバー15
が配置される位置より下方部分において適宜切り欠いて
おくことにより、交差部分における上端面の面一性をよ
り容易に確保することができる。またこの交差部分に
は、適宜充填材を注入する。
【0038】そして、この実施例のガスケット10は、
図5(a)及び(b)に示すようなガスケットの取り付
け装置30を使用することにより、長い区間延長する目
地部16に対しても、容易に挿入設置して行くことがで
きる。
【0039】すなわち、この実施例に用いる取り付け装
置30は、下方に向かって間隔を狭める一対の傾斜面に
沿って各々回転するとともに、下端部分において前記目
地部の幅と略同様の大きさの間隔を保持する一対のガイ
ドディスク31と、かかる一対のガイドディスク31に
より挟まれる中央の面に沿って配設されるとともに、そ
の中心位置が、ガイドディスク31の中心位置より僅か
に後続して配置される挿入ディスク32とを備えてい
る。
【0040】ここで、ガイドディスク31は、装置30
の走行方向と直交する方向に進退可能な支持台26によ
って回転可能に支持され、これの進退量を調整すること
により、下端部分の間隔を目地部16の幅と略同様ある
いはこれより僅かに狭い間隔となるようにし、これによ
って、ガイドディスク31の回転により案内されてきた
ガスケット10を、下端部分の間隔内において、目地部
16内に挿入可能な幅で圧縮挟持する。
【0041】一方、挿入ディスク32は、ガイドディス
ク31と略同様の大きさを有し、ガイドディスク31の
中心位置より僅かに後続して位置する中心軸により、回
転可能に支持されることにより、その下端部分が、ガイ
ドディスク31の下端部分の間隔の後方延長上に位置
し、これによって、ガイドディスク31の間隔内に圧持
されたガスケット10を、これの直後において順次下方
に押し出してゆくことにより、目地部16内にガスケッ
ト10を連続して挿入設置して行く。
【0042】なお、図5(a)及び(b)において、図
中符号33は、取り付け装置30を前進、後退移動させ
るための駆動輪、符号34は前輪、符号35は取り付け
装置30を目地部16に沿ってガイドするためのステア
リングホイール、符号36はハンドル、符号37はデイ
ーゼルエンジン38からの駆動力をプーリ39を介して
ガイドディスク31に伝達し、ガイドディスク31を回
転させるためのベルトである。
【0043】そして、上記構成を有するガスケットの取
り付け装置30によれば、例えばガスケット10の一端
部を、取り付け開始部分として作業員の手作業により目
地部16内に予め挿入設置し、ガスケット10の上記一
端部からの延長部分をガイドディスク31の間に挿通配
設した状態として、取り付け装置30を目地部16に沿
って配置する。しかる後に、ガイドディスク31を回転
させつつ、ステアリングホイール35の案内により、ガ
イドディスク31の下端部を目地部16の上端開口に沿
わせながら、取り付け装置30を前進させてゆけば、ガ
イドディスク31の間に挿通されたガスケット10は、
ガイドディスク31の回転に伴って下方に案内され、ガ
イドディスク31の下端部分の間隔内に圧縮挟持される
とともに、これに後続して前進する挿入ディスク32に
よって、下方に押圧されて目地部の内部に順次挿入設置
されてゆくので、ガスケット10を連続して目地部内1
6に容易かつ略自動的に挿入設置して行くことができ
る。
【0044】なお、この発明のコンクリート目地用ガス
ケットの取り付け装置は、上記コンクリート舗装面に形
成される目地部に、この発明のコンクリート目地用ガス
ケット取り付けるてゆく際に用いるものとして限定され
るものではなく、その他の種々のコンクリート構造物に
設けられる目地に対して、様々な種類のガスケットを挿
入設置して行く際にも用いることができる。
【0045】また、上記のガスケットは、黒色のみなら
ず種々のカラーに着色して用いることができ、例えばコ
ンクリート色等、路面の色彩と同様の着色を施すことに
より、景観を損なうことを防止することもできる。
【0046】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、この発明に
係るコンクリート目地用ガスケットによれば、これを目
地部に挿入設置するだけの作業により容易に目地材とし
て取り付けることができるとともに、隔壁部には、引張
荷重を支持する芯材が設けられていることにより、機械
施工等による作業時のガスケットの延びを防止して、施
工延長が長い場合でも、迅速かつ効率よく設置作業を行
うことができ、また、設置後の各種の荷重に対する耐久
性も向上する。したがって、施工性や耐久性に優れたコ
ンクリート舗装用の目地材として容易かつ効率良く使用
することができる。
【0047】また、この発明のコンクリート目地用ガス
ケットの取り付け構造によれば、ガスケットが目地部に
過度に挿入されようとするのを容易に防止することがで
きるとともに、挿入溝の開口両縁部分にVカットされた
面取り部を設け、この面取り部にガスケットの蓋状表層
部が位置するようにすれば、開口両縁部分が欠け落ちて
破損するのを容易に防止することができるとともに、設
置したガスケットが舗装面より上方に突出するのを防止
することができる。したがって、コンクリート舗装用の
目地材としてのガスケットの機能を有効に発揮させるこ
とができる。。
【0048】さらに、この発明のコンクリート目地用ガ
スケットの、交差して延長する2方向の目地部の当該交
差部における取り付け構造によれば、切断されることな
く残置された芯材によって、各ガスケットの強度を各々
容易に保持しつつ、交差部においてガスケットの上端面
が面一になるように配置することができる。
【0049】さらにまた、この発明のコンクリート目地
用ガスケットの取り付け装置によれば、この取り付け装
置を、ガイドディスクを目地部に沿わせながら前進させ
るだけの簡単な作業により、ガスケットを連続して容易
かつ迅速に目地部内に挿入設置して行くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、この発明の一実施例に係るコンクリ
ート目地用ガスケットの構成を示す破断斜視図、(b)
は横断面図である。
【図2】この発明の一実施例に係るコンクリート目地用
ガスケットの取り付け構造の構成を示す横断面図であ
る。
【図3】(a)〜(g)は、この発明のコンクリート目
地用ガスケットの他の断面形状を例示する横断面図であ
る。
【図4】この発明の一実施例に係る、交差して延長する
2方向の目地部の当該交差部におけるガスケットの取り
付け構造を示す破断斜視図である。
【図5】この発明の一実施例に係るガスケットの取り付
け装置の構成を示す説明図で、(a)は正面図、(b)
は側面図である。
【符号の説明】
10 コンクリリート目地用ガスケット 11 蓋状表層部 12 隔壁部 13 リブ部 14 下端部分 15 グラスファイバー(芯材) 16 目地部 17 切り欠き溝 18 外壁部 19 室 20 細溝 21 挿入溝 22 面取り部 24 コンクリート舗装 25 切り欠き部分 30 取り付け装置 31 ガイドディスク 32 挿入ディスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小笠 幸雄 東京都港区南青山1−24−1 大林道路株 式会社内 (72)発明者 鈴木 信夫 東京都千代田区神田司町2丁目3番地 株 式会社大林組東京本社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート舗装の目地部に挿入設置さ
    れるガスケットであって、その断面形状が、設置状態に
    おいて頂部に位置する蓋状表層部と、該蓋状表層部から
    下方に延長する隔壁部と、該隔壁部から両側に各々複数
    段突出延長するリブ部とからなり、かつ前記隔壁部に
    は、引張荷重を支持する芯材をガスケットの延長方向に
    挿通配置したことを特徴とするコンクリート目地用ガス
    ケット。
  2. 【請求項2】 前記芯材が、グラファイバーからなるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のコンクリート目地用ガ
    スケット。
  3. 【請求項3】 前記複数段突出延長するリブ部の各先端
    部分及び前記隔壁部の下端部分を外壁部により互いに連
    結して、該外壁部と前記隔壁部との間に多段の室を備え
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコン
    クリート目地用ガスケット。
  4. 【請求項4】 前記蓋状表層部がその外表面中央部分
    に、ガスケットの延長方向に延長する切り欠き溝を備え
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに
    記載のコンクリート目地用ガスケット。
  5. 【請求項5】 エチレンプロピレンジエンモノマー(E
    PDM)の成形品として形成されることを特徴とする請
    求項1乃至請求項4のいずれかに記載のコンクリート目
    地用ガスケット。
  6. 【請求項6】 前記請求項1乃至請求項5のいずれかに
    記載のコンクリート目地用ガスケットを、コンクリート
    舗装の目地部に挿入設置するためのガスケットの取り付
    け構造であって、前記目地部に沿って舗装面から下方に
    形成される細溝と、この細溝の上端部分を拡幅すること
    により細溝とともに2段の溝を形成する挿入溝と、該挿
    入溝に挿入設置される前記ガスケットとからなることを
    特徴とするコンクリート目地用ガスケットの取り付け構
    造。
  7. 【請求項7】 前記挿入溝の舗装面における開口両縁部
    分には、Vカットされた面取り部を設けるとともに、前
    記ガスケットの蓋状表層部の両側端部分を前記面取り部
    に各々当接させた状態で、前記ガスケットを前記挿入溝
    に挿入設置することを特徴とする請求項6に記載のコン
    クリート目地用ガスケットの取り付け構造。
  8. 【請求項8】 前記請求項1乃至請求項5のいずれかに
    記載のコンクリート目地用ガスケットを、交差して延長
    する2方向の目地部の当該交差部に設置するためのガス
    ケットの取り付け構造であって、当該交差部において、
    一方のガスケットを、前記芯材を配置した位置より上方
    部分を切り欠いた状態で前記目地部に挿入配置し、他方
    のガスケットを、前記交差部において前記切り欠き部分
    に押し込んで重ね合わせつつ前記目地部に挿入配置する
    ことにより、各ガスケットに埋設した芯材によって各ガ
    スケットの連続性を各々保持しつつ、各ガスケットの弾
    性によりこれらの上端面が面一になるように配置するこ
    とを特徴とするコンクリート目地用ガスケットの取り付
    け構造。
  9. 【請求項9】 コンクリート目地用ガスケットを、コン
    クリート舗装の目地部に挿入設置するためのガスケット
    の取り付け装置であって、下方に向かって間隔を狭める
    一対の傾斜面に沿って各々回転するとともに、下端部分
    において前記目地部の幅と略同様の間隔を保持して、当
    該間隔内に前記ガスケットを圧縮挟持するように案内す
    る一対のガイドディスクと、該ガイドディスクが回転す
    る前記傾斜面に挟まれる中央の面に沿って配設されると
    ともに、下端部分が前記ガイドディスクの下端部分の間
    隔の延長上に位置し、前記一対のガイドディスクの直後
    において、前記ガイドディスクの下端部分の間隔内に圧
    縮挟持されたガスケットを下方に押し出す挿入ディスク
    とを備え、前記一対のガイドディスクの下端部分を目地
    部に沿って走行させつつ、前記挿入ディスクにより目地
    部内にガスケットを押し出し挿入してゆくことを特徴と
    するコンクリート目地用ガスケットの取り付け装置。
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