JP3666865B2 - 道路付帯構造物及びその周囲部との舗装一体化工法 - Google Patents

道路付帯構造物及びその周囲部との舗装一体化工法 Download PDF

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道路工業株式会社
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は道路付帯構造物及びその周囲部との舗装一体化工法に関する。更に詳しくは、道路面に設置された道路地下埋設管路等のマンホール又は道路高架橋の伸縮装置といった道路付帯構造物の上部と、これら道路付帯構造物の周囲部の上部とを高耐久性の薄層舗装用補修材で被覆して、道路付帯構造物周囲部の段差解消を図るための道路付帯構造物及びその周囲部との舗装一体化工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の道路事情は車両の大型化、交通量の増大へと変化してきている。一方、最近では規制緩和による設計自動車荷重の見直しが行なわれているにも係わらず、地下構造物、舗装、橋梁等の分野で環境に適した性能・機能を有する製品、技術的改良が充分図られているとは言い難い面がある。
【0003】
ところで、道路面には、図2,図3,図5および図6にそれぞれ示すように、地下埋設管路のマンホール1や道路高架橋の伸縮装置2などといった道路付帯構造物が露出しているが、これら道路付帯構造物1,2は主に鉄製であることから、一般に舗装材料として使用されているアスファルトとはその材料特性上などの相違により、これら道路付帯構造物1,2とその周囲部(周囲部舗装面)Aとの間に著しい段差や亀裂また車両走行に伴う破損等が発生しているのが現状である。
【0004】
例えば、道路地下埋設管路のマンホール1は管路施設を管理するために必要な施設であり、管路の一部としての機能を持つと同時に道路の一部としての役割を併せもつ重要な施設である。しかし、マンホール1は道路面上にあることから、マンホール鉄蓋1A,鉄受枠1B及びその周囲部舗装面Aの欠陥に起因する車両事故や人身事故が多発している。その原因についてはおおまかな分類として、マンホール鉄蓋1の摩耗、がたつき、飛散による車両のスリップ、マンホール鉄蓋1Aと鉄受枠1B間の段差、マンホール1とその周囲部舗装面Aとの段差、周囲部舗装面Aの損傷等が挙げられる。
【0005】
これらの原因を解消させるためには、マンホール鉄蓋1A及び鉄受枠1Bを全体的に取り替える必要があるが、莫大な費用と時間を要するため、一般的には、図2(イ)に示すように、マンホール周囲部の加熱混合物の転圧不良や舗装材料不良等によりマンホール1の周囲部舗装面Aが沈下した場合に、マンホール1とその周囲部舗装面Aとの段差が15mmを超えたら補修を行なう時期として、従来は図2(ロ)に示すように、段差解消のため路面擦り付けを加熱式の混合物3で前記沈下した周囲部舗装面Aに補修を行なっているのが通例である。しかし、前記加熱式の混合物3は耐久性等に問題があり、補修後短期間で段差が再発し、再び同様の補修を繰り返しているのが現状である。
【0006】
また、積雪寒冷地においては、図3(イ)に示すように、除雪対策として或いはオーバーレイの繰り返しなどによりマンホール1の周辺部舗装面Bがマンホール1より高い場合があり、このような場合には、図3(ロ)に示すように、マンホール1の周囲部(周囲部舗装面)Aをマンホール1の設置レベルが周辺部舗装面Bより3〜5cm下げた下降傾斜面に施工する場合が多い。このような周囲部舗装面Aの路面形状は積雪時における除雪には有効であるが、それ以外の時期(年間8ヶ月以上)には自動車走行の円滑化を損ない、さらに鉄受枠1B周囲の舗装部分の破損が著しく促進され、道路交通安全上問題があり、且つ沿道住民への車両走行時に発生する振動・騒音などによる環境上の問題がある。
【0007】
また、上記周囲部舗装面Aの破損部の補修には加熱式のアスファルト混合物3を用いるのが一般的であるが、補修時に転圧が充分行なえないため耐久性に乏しく、早期に再度補修を繰り返さざるをえないといった問題があると同時に、補修部分と周辺部舗装面Bとの間に超薄層ゼロ擦り付けを行なって凹凸のない滑らかな舗装面に仕上げることが困難であり、この補修法では沿道住民に対する車両走行時に発生する騒音・振動といった環境上の問題の解決法とはならない。
【0008】
一方、高速高架橋における橋面舗装の路面性状に関する段差の発生、即ち、図5(イ)に示すように、混合物の転圧不良や舗装部沈下などにより、伸縮装置2がその周囲部舗装面Aより高くなったり、図6(イ)に示すように、新設時の施工不良や或いはオーバーレイの繰り返しなどにより、周辺部舗装面Bが前記伸縮装置2より高くなり、周囲部舗装面Aの部分で伸縮装置2と周辺部舗装面Bとの間に段差が発生する場合がある。
【0009】
また、伸縮装置2の破損の原因としては、交通量、重車両の増加、衝撃の増大により設計・施工上のわずかな欠陥、橋梁の老朽化、保守不十分、構造、材料の選定、施工上の配慮不足、据付の不良による衝撃等が考えられるが、最近の破損の事例では、特に強度不足と施工不良によるものが多いと言われている。破損事例のうち伸縮装置2は橋梁構造の中でも最も破損し易い部分である。その原因としては、伸縮装置2と舗装との剛性の違い、構造物継目の不良、混合物の安定性不足による変形、摩耗等があげられる。
【0010】
而して、橋面舗装の上記のような段差を解消するため、現状ではその修繕工法として、図5(ロ),図6(ロ)に示すように、パッチング、打換えの二工法により混合物3を使用して伸縮装置2の周囲部(周囲部舗装面)Aの補修を行なっているが、両者とも大規模な工事となり、かつ伸縮装置2前後の転圧の困難さによる混合物3の締固め不足、舗装部のわだち掘れ等が早期に発生するなど問題が多い。
【0011】
上記のような諸問題に対応する従来技術としては、マンホール周辺部の舗装補修方法として、マンホール周囲の舗装体を破壊せずマンホール周囲と周囲舗装体の間などの間隙やクラックに急硬性の注入材を注入する方法(特許第3048211号)、マンホール周囲に強度および耐久性の高いアスファルト乳剤混合物を常温施工する方法(特許第2620817号)、マンホール等の道路占有物上に高さ調整を兼ねた内側遮蔽部材および外側遮蔽部材を設置して摺り付け部がいたずらに突出しないようにするもの(特公平2−16802号)などがある。
【0012】
更に、マンホールなどの地表面構成物の上部外周にスペーサを配置し、これを周辺部舗装材の転圧後に外し、その外した部分の凹部に舗装材の骨材よりも粒径の小さい骨材を混合した充填材乃至アスファルトと同等の擦り減り量を有した骨材を含む樹脂を充填し硬化させる発明(特開2001−317004号、特開2001−317010号)などがある。また、橋面の伸縮継手部補修方法としては、フェイスプレートの対向辺の反対側に長めの櫛歯状の突条を突設しこれを傾斜させ湾曲させ、隣接舗装部の段差を抑える方法(特開平7ー54305号)などが提案されている。
【0013】
しかしこれらの提案では、マンホールや伸縮継手部フェイスプレートが露出しており、弾性係数その他の材料特性が根本的に異なる周囲舗装材との長期的な摩耗格差による段差の発生を防止できない畏れがある。
【0014】
一方、特公平3−55615号では、マンホール蓋上面周縁にゴム製等のリング状緩衝材を、あるいは全面に円盤状緩衝材を密着させて車両通過による振動を軽減させ、緩衝材と舗装材を同程度に摩耗させる提案が、また橋面の伸縮継手部でも、補修部分に弾性樹脂を含浸させたジオテキスタイルを積層するなどの方法(特許第3118736号)、予め張力が与えられたシート状部材を用いる方法(特開2002−129510号)などがみられる。
【0015】
しかし、これらの提案では、マンホールや伸縮継手部フェイスプレートが露出しないため、将来にわたってスムーズな車両走行が期待できるものの特殊な素材を用いる必要があり、施工コストが嵩む懸念がある。また、従来の舗装面オーバーレイ工法(特許第2623490号および特開平6−57774号)のように、あらかじめマンホール蓋等の道路付帯物周囲を円形に切り取るなどの作業を要件とするものも、施工工程が複雑で使用する機材も多いなどの問題点がある。
【0016】
次に、従来から用いられている橋面舗装の薄層補修材として、(1)加熱式アスファルトモルタル、(2)アスファルト乳剤、(3)樹脂モルタル、などがあるが、(1)は鉄部との付着が小さく、短期に剥離する。(2)は鉄部とその周辺部材に比べ強度が低く耐摩耗性にも欠けている。(3)は耐侯性に乏しく、短期劣化による部分欠損または剥離を生じることが多い。以上から、現状で補修材として用いられている材料による施工は問題解決に適さない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明に係る道路付帯構造物及びその周囲部との舗装一体化工法は前記のような従来の諸問題を解決するためになされたもので、マンホールや高架橋の伸縮装置等のいわゆる道路付帯構造物とその周囲の舗装部分とを補修材を用いて同一平面で一体化舗装し、段差のない舗装を短時間で施工して早期交通可能とし、なおかつ長期間に渡ってその耐久性を保証することにより、車両の円滑な走行ならびに各装置の延命化と、車両走行時の振動・騒音の著しい低減効果により沿道住民への良好な住環境を提供することを目的としたものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本願発明の要旨は、道路面に設置された道路付帯構造物の周囲部の段差解消及び道路付帯構造物とその周囲部との舗装一体化補修工法において、一端側が前記道路付帯構造物と接触する周囲部舗装面の破損部等をハツリ除去した後、常温補修材を用いて段差や破損箇所をパッチングするか埋め戻す前記周囲部舗装面の補修工程と、前記道路付帯構造物の開閉部や伸縮部といった間隙にスペーサを介在せしめるスペーサ設置工程と、該スペーサを電気的に溶断してその上端が補修を必要としない前記周囲部舗装面の他端側と連続する周辺部舗装面と同一レベルとなるように形成するスペーサ溶断工程と、前記道路付帯構造物及び補修部を薄層常温補修材を用い前記レベルとほゞ同一平面でオーバーレイするオーバーレイ工程とからなることを特徴とする道路付帯構造物及びその周囲部との舗装一体化工法などにある。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施の形態により詳細に説明すると、上記の目的を達成するためには、マンホールとその周囲部又は橋梁伸縮装置とその周囲部の段差又は破損部をあらかじめ補修した後、舗装一体化工法を進めるにあたり、マンホール鉄蓋の開閉とガス抜孔の問題、又橋梁伸縮装置のジョイント部遊間の補償の問題を解決するため必要なスペーサの材料選定、周辺部舗装レベルに合致させた位置での短時間でかつ平滑にスペーサを切断しうる方法と器材の開発、更に既設構造物を構築している材料として鉄,コンクリート,アスファルトへの付着強さが規定値を上廻り、薄層舗装一体化工法に対応でき且つ短時間での施工と早期交通開放及び高耐久性を発揮し得る補修材の選定と施工法が問題を解決するための必須条件となる。
【0020】
そこで、本願の第1発明にあっては、地下埋設管路のマンホール鉄蓋及び鉄受枠、又は道路高架橋の伸縮装置におけるジョイント部といった道路付帯構造物とその周囲部との段差又は破損部をあらかじめ補修した後、平滑な路面とする工事において、まず道路付帯構造物と接触する周囲部舗装面の破損部等をハツリ撤去した後、又は下記のスペーサ溶断工程終了後、常温補修材を用いて段差又は破損箇所をパッチングするか埋め戻すなど在来工法によって予め前記周囲部舗装面に補修を施し(補修工程)ておき、道路付帯構造物の開閉部や伸縮部といった間隙にスペーサを介在せしめるスペーサ設置工程、前記スペーサを電気的に溶断してその上端が補修を必要としない前記周囲部舗装面の外側に連続する周辺部舗装面と同一レベルとなるように形成するスペーサ溶断工程、道路付帯構造物及び補修部を薄層常温補修材を用い、前記レベルとほゞ同一平面でオーバーレイするオーバーレイ工程とからなることを特徴とするものである。
【0021】
そして、道路付帯構造物及びその周囲部とのオーバーレイ工程による舗装一体化工法に関し、本発明では、マンホール鉄蓋の開閉とガス抜孔の問題または橋梁伸縮装置のジョイント部遊間の補償の問題を解決するため必要なスペーサ材料を提供し、周辺部舗装レベルに合致させた位置での短時間でかつ平滑に切断しうる方法と器材を提供し、さらに既設構造物を構築している材料として鉄,コンクリート,アスファルトへの付着強さが規定値を上廻り、薄層舗装一体化工法に対応でき、かつ短時間での施工と早期交通開放及び高耐久性を発揮し得る補修材の選定と施工法を提供するものである。
【0022】
具体的には、本願の第2発明にあっては、マンホール周囲部の補修におけるスペーサ設置工程において、マンホール鉄蓋の開閉を可能とするため鉄蓋と鉄受枠の境界に沿って硬質ウレタン製又は硬質ポリエチレン製の板を仕切用スペーサとして設置せしめ、またマンホール鉄蓋にあるガス抜孔には発泡ポリエチレン製のブロックを挿入せしめ、その後に前記第1発明のペーサ溶断工程とオーバーレイ工程を順次施すことで、マンホールとその周囲部との舗装を一体化する。
【0023】
また、本願の第3発明にあたっては、高架橋の伸縮装置部等の補修におけるスペーサ設置工程において、伸縮装置のジョイント部遊間を充分補償するため、高膨縮性の軟質発泡ゴム又は硬質発泡ゴム又は発泡ポリエチレン製の板及び又はブロックをスペーサとして前記ジョイント部遊間に挿入し、その後に前記第1発明のペーサ溶断工程とオーバーレイ工程を順次施すことで、道路高架橋の伸縮装置部とその周囲部との舗装を一体化する構成とした。
【0024】
そして、本願発明におけるスペーサ設置工程では、マンホールとその周囲部の場合には鉄蓋開閉及びガス抜きのため、また橋梁伸縮装置とその周囲部ではジョイント部遊間の膨縮補償のためスペーサを設置することを特徴とするが、スペーサの材質選定をゴム系,石油製品系等を用いて各種試験を実施した結果、スペーサ板には中〜硬質の発泡ポリエチレンが、マンホール鉄蓋にはめ込まれるスペーサブロックには軟質発泡ポリエチレンが最も適することが判った。また、前記スペーサを挿入することにより、マンホール又は伸縮装置とその周辺部の舗装面との間に生じた段差を計測し、段差修正と破損部補修及び舗装一体化工法に必要な面積を検出することが可能となる。
【0025】
なお、本願発明において、常温補修材を用い、段差又は破損箇所をパッチングするか埋め戻すなど在来工法によってあらかじめ補修する(補修工程)作業は、スペーサ設置工程前である道路付帯構造物周囲の破損部等をハツリ撤去し清掃した後に行われるが、これが小規模である場合は後述するスペーサ溶断工程終了後に行ってもよい。
【0026】
そして、本願の第4発明では、スペーサ溶断工程において、前記スペーサをあらかじめ必要高さだけ切断するに際し、その切断部を平滑かつ迅速に作製するために、溶断装置がニクロム線からなり、通電すると電気抵抗により高熱を発生する特殊溶断器を用いて電気的に溶断することを特徴とする。有機質で可尭性のスペーサ(板またはブロック)を短時間に平滑に切断するにはカッタ、ノコギリ,サンダ等を用いた切断作業は不適である。そこで、本発明では、スペーサを簡単にしかも短時間に切り口が平滑に切断できる方法として、ニクロム線に通電し加熱溶断する方法を採用した。
【0027】
また、本願の第5発明は、オーバーレイ工程において、薄層オーバーレイを施工する際に用いる補修材に関するもので、補修規模に応じた量を施工現場に於いて常温で短時間に製造でき、かつ施工は補修部分と周辺部舗装面との間に超薄層ゼロ擦り付けを行なって凹凸のない滑らかな舗装面に仕上げることができるとゝもに、施工後短時間で交通開放が可能であること、施工完了後車両走行による補修面からの剥がれや欠けなどの発生は皆無であること、更に重交通に十分対応し得る高強度、高耐摩耗性、高耐流動性及び鉄部との高付着力を具備した超薄層舗装用常温補修材とプライマーを提供することにある。
【0028】
本願発明の施工に用いた薄層舗装用常温補修材は、前田製管(株)製の薄層舗装用常温補修材(商品名:道路舗装用高耐久性常温補修材MS5−9 及びMS5−9 スーパー)であり、また鉄製部への付着を高めるため用いたプライマーは、ニチレキ(株)製タックコート(商品名:MSサーフ)である。上記薄層舗装用常温補修材は、補修施工現場の規模に応じた混練量で対応出来るため使用量のロスが少なく低コストで製造できる。また、敷均し、転圧は一般舗装用重機を使用せずコテ仕上げで行うため、施工時の振動及び騒音の発生が極力低減される。更に、使用時における補修材からの悪臭の発生が無いため、沿道住民に対する施工上の環境問題に配慮できる。
【0029】
本発明の施工に用いた薄層舗装用常温補修材(商品名:MS5−9 スーパー)の性状及び規格値に対する目標値の倍率(b/a)を表1に示す。
【0030】
【表 1】
Figure 0003666865
【0031】
また、本願発明で使用される薄層舗装用常温補修材の強度性状は、現場施工時に鉄或いはセメントコンクリートとアスファルト混合物との中間的強度レベルに調整可能であり、施工が一般の舗装工事に必要な重機を要せず、かつ短時間で高強度を発現するため施工完了後30分程度で早期交通開放ができ、施工に伴う車線減少の影響による交通渋滞等の懸念がない。また、耐磨耗性、耐流動性にも優れているとゝもに、コンクリート、アスファルトなど舗装材、および本願発明で使用されるプライマーを用いた場合の鉄板との接着強度は、規格値に対する目標値の倍率(b/a)として1.5倍以上であり、長期間の供用においても剥離する懸念がない。
【0032】
つぎに、本発明に係る舗装一体化工法の施工手順を、マンホールとその周囲部については図1乃至図3に基づいて、又橋梁伸縮装置とその周囲部については図4乃至図6に基づいてそれぞれ説明する。なお、図面中、Kは路盤、Pはアスファルト舗装である。
【0033】
マンホールとその周囲部においては、図1乃至図3に示すように、補修区画であるマンホール1の周囲部舗装面Aが決定された後、この周囲部舗装面Aに生じた破損箇所や凹凸部などを機械的にハツリ、これによって生じた切削屑などをよく清掃する。その後に、図2(ハ)及び図3(ハ)に示すように、周囲部舗装面Aの上に常温硬化型の補修材4を用い、従来工法によって原舗装レベルLまで充填する。これら補修箇所が極めて小規模の場合はこの作業を後工程に延期できる。
【0034】
つぎに、マンホール1の鉄蓋1Aと鉄受枠1Bとの間のスペースに板状のスペーサ5を立設した状態で挿入し、鉄蓋1Aの周囲に巻き回して平面視リング状に設置する。そして、前記スペーサ5の始端側と終端側の間のスペースに図示しない電気溶断器のニクロム線Nを水平状態で挿入し、該ニクロム線Nの設置レベルを調節する。その後、前記ニクロム線Nに通電してニクロム線に高熱を発生させるとゝもに、前記スペーサ5に沿ってニクロム線Nを移動させることでスペーサを溶断し、溶断したスペーサ5の上端部と補修が不要な周辺部舗装面Bの上面とのレベルを一致させる。なお、図示しないが、マンホール鉄蓋1Aにあるガス抜孔には発泡ポリエチレンブロックを挿入せしめておく。
【0035】
そして、補修の不要な補修区画の外周辺にマスキング(図示せず)を施し、マンホール1の上部と周囲部舗装面Aに充填した前記常温補修材4の上部にプライマーをそれぞれ塗布する。その後、図2(ニ)及び図3(ニ)に示すように、薄層舗装用常温補修材6を用いてマンホール1とその周囲の補修材4にオーバーレイ施工する。その後直ちに、マスキングに用いた材料を撤去し、約40分程度の養生を行って交通を開放する。
【0036】
また、高架橋における伸縮装置とその周囲部においては、図4乃至図6に示すように、補修区画である伸縮装置2の周囲部舗装面Aが決定された後、この周囲部舗装面Aに生じた破損箇所や凹凸部などを機械的にハツリ、これによって生じた切削屑などをよく清掃する。その後に、図5(ハ)及び図6(ハ)に示すように、周囲部舗装面Aの上に常温硬化型の補修材4を用い、従来工法によって原舗装レベルLまで充填する。これら補修箇所が極めて小規模の場合はこの作業を後工程に延期できる。
【0037】
つぎに、伸縮装置2の対峙するジョイント部2A,2Aの遊間に前記スペーサ7及びブロック(図示せず)を設置し、上記と同様の方法で、電気溶断器の設置レベルを調節したニクロム線Nを発熱させながら前記スペーサ7及びブロックに沿って水平に移動させることでスペーサ7及びブロックを溶断し、溶断したスペーサ7及びブロックの上端部と周辺部舗装面Bの上面とのレベルを一致させる。
【0038】
しかして、被覆の不要な補修区画の外周辺をマスキングし、周囲部舗装面Aに充填した前記補修材4及び伸縮装置2の上部に前記プライマーを塗布する。その後、図5(ニ)及び図6(ニ)に示すように、薄層舗装用常温補修材6を用いて補修材4及び伸縮装置2にオーバーレイを行う。そして、直ちに、マスキングに用いた材料を撤去し、約40分程度の養生を行って交通を開放する。
【0039】
【実施例】
本発明による舗装一体化工法で施工した実施例から、その施工箇所別にその効果をまとめて表2に記載する。
【0040】
【表 2】
Figure 0003666865
【0041】
【発明の効果】
本発明に係る舗装一体化工法は上記のような構成であるから、(1)表層路面一体化舗装のため車両走行が円滑である。(2)薄層舗装用常温補修材は道路付帯構造物や周囲舗装材との接着性に優れているため、長期間の供用においても高耐久性を保証し得る。(3)短時間で施工が完了し、かつコストの低減が図られる。(4)早期交通開放により交通渋滞を起こさせない。(5)道路付帯構造物の延命化が図られる。(6)振動・騒音が著しく低減し交通安全と車両走行に伴う沿道住民の快適な環境を提供し得る。といった諸効果を奏する。
【0042】
また、本発明舗装一体化工法による施工では、新しい施工法のみならず、新しい施工器具及び超薄層舗装用高耐久性常温補修材の提供により、上記実施例で明らかなように、高機能舗装の範疇にある道路のバリヤーフリー舗装を長期に提供できるといった波及効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 マンホールとその周囲部の施工手順などを示すブロック図である。
【図2】 マンホールの周囲部舗装面が沈下した場合(イ)の従来補修工法(ロ)と本発明補修工法(ハ)(ニ)の工程説明図である。
【図3】 マンホールの周囲部舗装面がマンホールより高くなった場合(イ)の従来補修工法(ロ)と本発明補修工法(ハ)(ニ)の工程説明図である。
【図4】 高架橋における伸縮装置周囲部の施工手順などを示すブロック図である。
【図5】 伸縮装置の周囲部舗装面が沈下した場合(イ)の従来補修工法(ロ)と本発明補修工法(ハ)(ニ)の工程説明図である。
【図6】 ジョイント部の周囲部舗装面がマンホールより高くなった場合(イ)の従来補修工法(ロ)と本発明補修工法(ハ)(ニ)の工程説明図である。
【符号の説明】
1 マンホール
1A 鉄蓋
1B 鉄受枠
2 高架橋桁の伸縮装置
3 加熱式の混合物
4 常温硬化形の補修材
5,7 スペーサ
6 薄層舗装用常温補修材
A 周囲部舗装面
B 周辺部舗装面
L 原舗装レベル
N ニクロム線
K 路盤
P アスファルト層

Claims (5)

  1. 道路面に設置された道路付帯構造物の周囲部の段差解消及び道路付帯構造物とその周囲部との舗装一体化補修工法において、一端側が前記道路付帯構造物と接触する周囲部舗装面の破損部等をハツリ除去した後、常温補修材を用いて段差や破損箇所をパッチングするか埋め戻す前記周囲部舗装面の補修工程と、前記道路付帯構造物の開閉部や伸縮部といった間隙にスペーサを介在せしめるスペーサ設置工程と、該スペーサを電気的に溶断してその上端が補修を必要としない前記周囲部舗装面の他端側と連続する周辺部舗装面と同一レベルとなるように形成するスペーサ溶断工程と、前記道路付帯構造物及び補修部を薄層常温補修材を用い前記レベルとほゞ同一平面でオーバーレイするオーバーレイ工程とからなることを特徴とする道路付帯構造物及びその周囲部との舗装一体化工法。
  2. 道路地下埋設管路等のマンホールとその周囲部との舗装一体化するに際しては、周辺部舗装面と補修部との平坦性を確保するために、前記スペーサ設置工程において、マンホール鉄蓋と鉄受枠との境界部に硬質ウレタン製又は硬質ポリエチレン製の板からなるスペーサを介在せしめ、またマンホール鉄蓋にあるガス抜孔には発泡ポリエチレン製のブロックからなるスペーサを挿入せしめることを特徴とする請求項1記載の道路付帯構造物及びその周囲部との舗装一体化工法。
  3. 道路高架橋の伸縮装置とその周囲部との舗装一体化するに際しては、周辺部舗装面と補修部との平坦性を確保するために、前記スペーサ設置工程において、前記伸縮装置のジョイント部遊間に軟質発泡ゴム,硬質発泡ゴムまたは発泡ポリエチレン製の板及び/又はブロックからなるスペーサを挿入せしめることを特徴とする請求項1記載の道路付帯構造物及びその周囲部との舗装一体化工法。
  4. 前記スペーサ溶断工程において、前記スペーサをあらかじめ必要高さだけ切断するに際し、その切断部を平滑かつ迅速に作製するために、通電すると電気抵抗により高熱を発生するニクロム線からなる溶断器を用いて電気的に溶断することを特徴とする請求項1,2又は3記載の道路付帯構造物及びその周囲部との舗装一体化工法。
  5. 前記オーバーレイ工程において使用される薄層常温補修材は、最大粒径2.5mmからなる骨材と施工現場で調整可能な常温セメントーアスファルト乳剤系又は常温ゴム・樹脂系アスファルトであり、更に鉄部との付着を大きくし剥離を防止するためプライマーを使用することを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一つに記載の道路付帯構造物及びその周囲部との舗装一体化工法。
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