JPH09255550A - 皮膚保湿剤 - Google Patents

皮膚保湿剤

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JPH09255550A
JPH09255550A JP9362896A JP9362896A JPH09255550A JP H09255550 A JPH09255550 A JP H09255550A JP 9362896 A JP9362896 A JP 9362896A JP 9362896 A JP9362896 A JP 9362896A JP H09255550 A JPH09255550 A JP H09255550A
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美紀 中山
Norikazu Ikeda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 肌に潤い感と柔軟性とを付与する皮膚保湿剤
を提供する。 【解決手段】 次の式1 【式1】 で示されるセラミド類似物質(ただし、式1中、R1
はアシル基、R2基は飽和アルキル基、Xは、水素、エ
タノールアミンリン酸基、単糖類リン酸基のいずれか1
種である。)からなり、主としてスフィンゴバクテリウ
ム(Sphingobacterium)属によって産
生される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な皮膚保湿
剤、つまり、肌に潤い感と柔軟性とを与える皮膚保湿剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】人の肌に潤いを与え、肌を柔軟にするた
めには、角質層の水分が重要であることは周知の事実で
ある。この角質層の水分は、角質層に含まれている水溶
性成分、つまり、遊離アミノ酸、有機酸、尿素又は無機
イオンによって保持されるものであるとされ、従来、こ
れらの物質を、単独で、あるいは組み合わせて、薬用皮
膚用剤あるいは化粧料に配合して、肌荒れの改善又は予
防の目的で使用していた。
【0003】また、これらとは別に、水と親和性が高
い、例えば、アロエエキス等の植物抽出液に代表される
ように、多くの保湿性物質が開発され、同様の目的で使
用されている。
【0004】しかしながら、角質層内に存在する水溶性
成分の保湿性物質を皮膚に適用した場合、その作用は、
皮膚角質層にあって、水分を角質に供給するというもの
である。しかも、その効果は一時的であり、根本的に角
質層の水分保持能力を改善し、肌荒れを本質的に予防あ
るいは治癒させるというものではなかった。
【0005】また、近年では角質細胞間に存在する脂質
が、高い保湿能を有することが見出され、当該角質細胞
間脂質成分と類似する構造を有する物質で構成された人
工細胞間脂質によって、代用化が試みられているが、こ
れらの物質を化学的に合成したのでは、ラセミ体及び類
似体しか作り出せず、天然の脂質性保湿剤の発見が望ま
れていた。
【0006】さらに、これらの人工細胞間脂質を皮膚に
適用した場合には、角質層の水分保持能を根本的に改善
し、肌荒れの予防あるいは治癒させる効果を、一時的に
ある程度得ることはできるが、人工細胞間脂質と皮膚と
の相互関係については、充分な検討が行われておらず、
自然の皮膚に近いレベルまでには至っておらず、未だ満
足し得る皮膚保湿剤ものではなかった。
【0007】本発明は叙上の従来例の欠点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、角質層の水
分保持能を、健常な皮膚と同等のレベルまでに機能回復
させることができ、肌に潤い感と柔軟性とを付与する皮
膚保湿剤を開発することである。
【0008】かかる実状において、角質細胞との親和性
とが良好である、生体から分離されたセラミドが着目さ
れて来た。セラミドは、次の式2で示されるスフィンゴ
シンのアミノ基に脂肪酸が酸アミド結合した構造を有し
ており、このセラミドの末端の水酸基に、糖がグルコシ
ド結合したスフィンゴ糖脂質や、エタノールアミンリン
酸がエステル結合したスフィンゴリン脂質(狭義のスフ
ィンゴリン脂質)などとして、あるいは、遊離型として
動植物界に広く存在している。
【0009】
【式2】
【0010】これら天然に存在するセラミドについて
は、動物や植物、あるいは微生物が、その供給源として
考えられているが、これら動植物等から抽出されたセラ
ミドは、人体に存在するセラミドと大きく構造が異なっ
ており、また、動物体、特に哺乳類からセラミドを得る
ことは、動物愛護を考えた場合に好ましくない。
【0011】また、コリネバクテリウム属、ノカルジア
属またはミコバクテリウム属に属する細菌が、皮膚常在
菌として、その存在が認められている。これらの細菌と
角質細胞との親和性は、それらの産生する接着因子と深
く関わっており、これまで接着因子として、かかる細菌
が生産するミコール酸エステルやセラミドが何等かの役
割を演じていると言われている。
【0012】そこで本発明者らは、鋭意研究を行ったと
ころ、式1で示されるセラミド類似物質が、皮膚角質層
の水分保持能を根本的に改善する効果を奏することを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の皮膚保湿剤は、
次の式1
【0014】
【式1】
【0015】で示されるセラミド類似物質(ただし、式
1中、R1基はアシル基、R2基は飽和アルキル基、X
は、水素、エタノールアミンリン酸基、単糖類リン酸基
のいずれか1種である。)からなることを特徴としてい
る。
【0016】ここにおいて、R1基のアシル基は、自然
界に多く見られるような、炭素数偶数個の直鎖のアシル
基、例えば、C16、C18などのアシル基を用いることが
できる。
【0017】本発明の皮膚保湿剤である式1に示される
セラミド類似物質は、主としてスフィンゴバクテリウム
(Sphingobacterium)属によって産生
される物質であって、スフィンゴバクテリウム(Sph
ingobacterium)属の細菌を培養すること
により、主として菌体中に当該化合物を生成せしめ、か
かる菌体から抽出することによって得ることができる。
例えば、S.spiritivorum、S.mult
ivorum、S.versatilis、S.miz
utaeなどの菌種を培養することにより、本発明のセ
ラミド類似物質を得ることができる。また、これらの菌
種に限られず、その他の近縁菌、あるいはFlavob
acterium及びその他の近縁菌からも得ることが
できる。
【0018】これらの細菌から得られるセラミド類似物
質は、特に、R2基として飽和アルキル基が結合してい
る。これまで、自然界にセラミドにあっては、スフィン
ゴシンに代表されるように、不飽和のアルキル基がほと
んどであったが、本発明においては、例えばスフィンガ
ニン(ジヒドロスフィンゴシン)に代表されるように、
飽和のアルキル基を有している。
【0019】また、従来のセラミドにあっては、R
1基、R2基ともに、直鎖アルキル基が主たるものであっ
たが、本発明のセラミド類似物質にあっては、R1基、
2基の少なくとも一方は、分岐鎖を有しており、特
に、イソ体であることを特徴としている。もちろん、R
1基、R2基ともに分岐鎖を有していてもよい。
【0020】さらに、本発明にあっては、R1基に水酸
基を有するものが好ましく、具体的には、2位の炭素に
水酸基が結合した2−ヒドロキシアシル基が望ましい。
【0021】また、自然界においては、R1では偶数個
の炭素数を有するアシル基及びR2基では奇数個の炭素
数(末端の水酸基までは偶数個の炭素数)を有するもの
が一般的であるが、本発明のセラミド類似物質として
は、R1基の炭素数が奇数個であり、又は/及び、R2
の炭素数が偶数個であることを特徴としている。
【0022】具体的には、例えば、式1のX基が水素で
ある
【0023】
【式3】 (以下、「LCBFA−1」と称す。)
【0024】又は、式1のX基としてエタノールアミン
リン酸がエステル結合した
【0025】
【式4】 (以下、「CerPE−1」と称す。)
【0026】に示すように、R1基として、CH3CH
(CH3)(CH210CH2CO基(炭素数15)であ
り、R2基として、CH3CH(CH3)(CH211
(炭素数14)であるものを得ることができる。
【0027】また、式1のX基が水素である
【0028】
【式5】 (以下、「LCBFA−2」と称す。)
【0029】又は、式1のX基としてエタノールアミン
リン酸がエステル結合した
【0030】
【式6】 (以下、「CerPE−2」と称す。)
【0031】に示すように、R1基として、CH3CH
(CH3)(CH210CH(OH)CO基(炭素数1
5)であり、R2基として、CH3CH(CH3)(C
211基(炭素数14)であるものを得ることができ
る。
【0032】さらに、本発明のセラミド類似物質の単糖
類としては、グルコース、マンノース、フルクトース、
イノシトールなどが挙げられるが、スフィンゴバクテリ
ウム属からは、イノシトールのものが得られ、例えば、
【0033】
【式7】 (以下、「CerX−1」と称す。)
【0034】又は、
【0035】
【式8】 (以下、「CerX−2」と称す。)
【0036】に示すように、ホスホリルイノシトール誘
導体が、優れたアポトーシス誘導作用を発揮する。
【0037】これらのセラミド類似物質を産生するスフ
ィンゴバクテリウム属の培養法としては、従来から用い
られている公知の合成培地および天然培地を用いること
ができ、特にスフィンゴバクテリウム属に属する細菌の
培養に用いられる培地であれば、すべての培地が使用で
きる。
【0038】例えば、生育炭素源としては、グルコー
ス、フルクトース、マンノースなどの単糖類、スクロー
ス、トレハロース等の二糖類等を用いることができる。
また、窒素源としては、例えば、硝酸カリウム、硝酸ナ
トリウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の
無機窒素化合物、ペプトン、肉エキス、コーンスティー
ブリカー等の有機窒素化合物を利用できる。また、無機
塩として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、亜鉛、
マグネシウム、マンガン、リン酸等を、さらに、成長因
子として、各種ビタミン、アミノ酸類、または、それら
を豊富に含む酵母エキスを適宜加えることにしてもよ
い。
【0039】培地のpHは5〜9、特に7〜7.5が至
適範囲であり、培養温度は10〜40℃、好ましくは3
0〜37℃が適している。培養は、液体培養または固体
培養で好気的条件下に行うことが好ましい。また、培養
時間は、通常1〜7日程度とするのが適当である。
【0040】このようにして得られる菌体から、本発明
のセラミド類似物質を得るには、菌体成分を採取する通
常の方法を用いることができる。例えば、培養液を遠心
分離をして集菌したのち、有機溶媒を加えて溶媒抽出す
ればよい。具体的に言うと、有機溶媒として、クロロホ
ルムとメタノールの混液や、クロロホルムとメタノー
ル、アセトンの混液のように、クロロホルムなどの疎水
性溶媒やメタノールやアセトンなどの親水性溶媒とを単
独、あるいは混合したものを用いるとよい。
【0041】次に、抽出した菌体成分をシリカゲルやモ
レキュラシーブなどに吸着させ、その後、先に述べたよ
うな溶媒で溶出して、さらに精製を加える。そして、溶
媒に対する溶解度差やイオン結合力の差などを利用し、
それぞれ単独の方法で、または2以上の方法を適当に組
み合わせて、あるいは同様な操作を数回繰り返すことに
より、本発明のセラミド類似物質等をほぼ純粋な物質と
して分離精製することができる。
【0042】こうして精製されたセラミド類似物質は、
そのまま、あるいは適当な溶媒で希釈したり、さらに適
当な賦形剤と混合することにより用いることができ、慣
用の製剤化手段によって、各種軟膏剤、外用皮膚剤に用
いることができる。例えば、クリーム、乳液等に代表さ
れる各種の水/油、油/水型乳化化粧料、口紅、ファン
デーション、皮膚洗浄剤、育毛剤等として適用すること
ができる。
【0043】また、セラミド類似物質としては、菌体か
ら上述した方法により抽出し、純粋なものにまで精製す
る必要もなく、また、各種のセラミド類似物質の混合物
として用いることとしてもよい。また、セラミド類似物
質としては、炭素数の異なるものが混合した状態で得ら
れるが、炭素数の異なるものそれぞれにまで分離精製す
る必要もない。さらに、毒性が発揮されず、適度なアポ
トーシス誘導作用を発揮する程度に、粗精製した菌体抽
出物として用いてもよい。もちろん、合成によってもセ
ラミド誘導体を得ることとしてもよく、合成した場合に
は純度の高いセラミド誘導体を得ることができる。
【0044】
【実施例】以下に本発明の実施例について具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (実施例1) 〔菌体の培養〕スフィンゴバクテリウム属(S.spi
ritivorum)を1白金耳採り、ハートインフー
ジョンの平面寒天培地(日本製薬社製)に画線し、30
℃で2日間培養する。2日間培養したシャーレから1コ
ロニーを白金耳で採り、ハートインフージョンの斜面寒
天培地へ画線し、30℃で1日間培養する。この斜面培
地から培養菌体を1白金耳採り、pH7.0に調整し
た、以下に示す組成の培養用PYG(M、F)培地20
0mlに植菌し、30℃で1〜2日間、振とう培養法に
よって前培養した。この前培養菌液10〜50ml(前
培養菌液の菌体濃度により、液量を適宜調整する。)
を、同じ組成のPYG(M、F)培地1.5lに加え、
30℃で1〜7日間、本培養した。
【0045】 〔PYG(M、F)培地の組成〕 ・polypepton(日本製薬製) 0.5% ・yeastextract(DIFCO製) 0.5% ・糖 (D(+)−Glucose、 和光純薬製) 1%
【0046】〔セラミド類似物質の抽出精製〕こうして
得られた培養菌液を、7500rpmで30分間遠心分
離し、菌体を集菌する。次に集菌された菌体を、クロロ
ホルムとメタノールの混液(容積比で2:1)を加え、
超音波ホモジナイザーにて15分間、超音波処理を行
う。この処理した溶液を分液ロートに移し、水を加えて
2層に分離させ、溶媒相を分取する。そして、分取した
溶媒をエバポレーターにて濃縮し、脂質成分を得た。
【0047】ついて、この脂質成分を、水酸化カリウム
の濃度が0.5Nとなるように調整したクロロホルムと
メタノール混液(容積比1:2)に溶解させ、37℃で
2時間振盪して加水分解(弱アルカリ水解)を行い、そ
の後、水酸化ナトリウムでpHを中性にして、アルカリ
安定脂質とする。
【0048】さらに、得られたアルカリ安定脂質を薄層
クロマトグラフィーにより展開して、分離精製した。つ
まり、アルカリ安定脂質を少量のクロロホルムなど適当
な溶媒に溶かし、シリカゲルからなる分取用薄層板(U
NIPLATE SILICA GEL G MERC
K社製)上に、スポットした。そして、クロロホルムと
メタノール、酢酸の混液(容量比100:10:5)に
て展開した。次に、この薄層板上で分離された各脂質部
分を掻き取り、掻き取ったシリカゲルを、それぞれ、ガ
ラスカラムに充填して、クロロホルムとメタノールの混
液(容量比3:1)で溶出し、薄層クロマトグラム上で
単一スポットになるまで繰り返し行う。最後に溶媒を留
去して、CerFA−1及びCerFA−2で示すセラ
ミド類似物質を得た。
【0049】また、分離されたリン脂質部分(CerP
E−1、CerPE−2、CerX−1、CerX−2
を含む部分)は、さらにクロロホルムとメタノール、酢
酸、水の混液(容量比100:20:12:5)で、3
回展開し、薄層板上で分離された各成分を掻き取り、掻
き取ったシリカゲルをガラスカラムに充填し、クロロホ
ルムとメタノールの混液(容量比、2:1)で溶出し、
薄層クロマトグラム上で単一スポットになるまで繰り返
し行う。最後に溶媒を留去して、CerPE−1、Ce
rPE−2、CerX−1、CerX−2を、それぞれ
得た。
【0050】次に、こうして得られた各種のセラミド類
似物質について、本発明の効果を確認するため、以下の
試験を行なった。
【0051】(吸湿性試験)本発明の皮膚保湿剤である
セラミド類似物質としてLCBFA−2について、スフ
ィンゴ脂質を比較対照として、重量法による吸湿性試験
を行った。まず、LCBFA−2およびスフィンゴ脂質
を、それぞれ10mgずつ別個の試験管に秤量した。各
試験管に、それぞれ適量のクロロホルムとメタノールの
混液(容量比2:1)を加えて溶解した後、それぞれ、
試験管壁に均一な皮膜を形成するようにして、溶媒を窒
素ガスで除去した。その後、真空デシケーター内で十分
乾燥させた後、その重量を測定した。次に、これらを多
湿条件下(40℃、98%)で吸湿させ、再び重量を測
定した。これら各サンプルの、乾燥後の重量と吸湿後の
重量との変化率をもって吸湿能とした。
【0052】この結果によれば、スフィンゴ脂質にあっ
ては、12.5%の増加にとどまったのに対し、LCB
FA−2にあっては、30.0%も増加しており、優れ
た保湿能を有していることが分かる。
【0053】(皮膚コンダクタンスの測定)次に、本発
明のLCBFA−2を使ってクリームを作製し、当該ク
リームを塗付した後における皮膚コンダクタンスを測定
した。 〔クリームの作製〕以下の処方1に示す成分分量に従
い、まず、(1)〜(8)を混合、加熱して75℃とし
て、油相とする。これとは別に(9)(10)を混合
し、加熱溶解して75℃とした水相を、先の油相に加
え、ホモミキサーで均一に乳化し、油中水型の実施例の
クリームを得た。また、同様にして、LCBFA−2の
入っていない対照例のクリームを得た。
【0054】 〔処方1〕クリーム 成分(%) 実施例 対照例 (1)LCBFA−2 0.5 0.0 (2)ミリスチン酸オクチルドデシル 1.0 1.0 (3)トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン 8.0 8.0 (4)バチルアルコール 5.0 5.0 (5)ラノリン 2.0 2.0 (6)トリステアリン酸ポリオキシエチレン ソルビタン(9E.O.) 1.0 1.0 (7)自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 5.0 5.0 (8)防腐剤 適 量 適 量 (9)1、3−ブチレングリコール 7.5 7.5 (10)精製水 残 量 残 量
【0055】〔皮膚コンダクタンスの測定〕上記で得ら
れた実施例及び対照例のクリームを用いて、皮膚コンダ
クタンスを測定した。健常人10名を被験者とし、それ
ぞれ上腕屈側部に、実施例のクリームと対照例のクリー
ムをそれぞれ塗布し、角質層の水分含有量を皮膚コンダ
クタンスメーター(IBS社製)にて測定した。その結
果を図1に示す。図中、−○−は実施例のクリームを、
−△−は対照例のクリームについて示す。
【0056】図1から分かるように、本実施例のクリー
ム及び対照例のクリームともに皮膚塗付後、約10分後
に最大となり、その後急速に低下し、約20〜30分後
にはプラトーに戻る。しかし、このとき、本実施例のク
リームにあっては、対照例のクリームよりも皮膚コンダ
クタンスが大きく、プラトーな状態に戻った場合でも、
大きい状態であった。このことよりも、LCBFA−2
は良好な水分保持能を有することが分かる。また、これ
以外のセラミド類似物質についても同様に良好な水分保
持能を示した。
【0057】さらに、本発明のLCBFA−2を用い
て、各種の化粧品を作製した。以下の実施例において
も、単離精製されたLCBFA−2を用いた。
【0058】(実施例2)次に示す処方2にしたがっ
て、化粧水を作製した。 〔処方2〕化粧水 配合成分 配合量(重量%) (1)LCBFA−2 0.1 (2)エタノール 10.0 (3)ポリオキシエチレンノニル フェニルエーテル(9E.O.) 0.1 (4)グリセリン 2.0 (5)防腐剤 適 量 (6)精製水 残 量
【0059】上記成分(1)〜(3)を室温にて混合
し、(4)〜(6)を順次添加して混合し、化粧水を得
た。
【0060】(実施例3)次に示す処方3にしたがっ
て、乳液を作製した。 〔処方3〕乳液 配合成分 配合量(重量%) (1)LCBFA−2 0.1 (2)ステアリン酸 2.0 (3)セタノール 1.5 (4)スクワラン 5.0 (5)自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 2.0 (6)グリセリン 2.0 (7)1、3−ブチレングリコール 6.0 (8)水酸化ナトリウム 0.03 (9)防腐剤 適 量 (10)精製水 残 量
【0061】上記成分(1)〜(5)を混合し、70℃
で加熱溶解して油相とする。これとは別に(6)〜(1
0)を混合溶解して70℃に加熱した水相に、前記油相
を加え、ホモミキサーで均一に乳化した。その後、攪拌
しながら30℃まで冷却し、乳液を得た。
【0062】(実施例4)次に示す処方4にしたがっ
て、エッセンスを作製した。 〔処方4〕エッセンス 配合成分 配合量(重量%) (1)LCBFA−2 0.1 (2)エタノール 10.0 (3)グリセリン 10.0 (4)カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1 (5)防腐剤 適 量 (6)精製水 残 量
【0063】上記成分(1)(2)を室温にて混合した
のち、(3)〜(6)を添加攪拌して、エッセンスを得
た。
【0064】(実施例5)次に示す処方5にしたがっ
て、ファンデーションを作製した。 〔処方5〕ファンデーション 配合成分 配合量(重量%) (1)LCBFA−2 0.1 (2)1、3−ブチレングリコール 5.0 (3)カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1 (4)ケイ酸アルミニウムマグネシウム 0.05 (5)精製水 残 量 (6)黄酸化鉄 0.07 (7)黒酸化鉄 0.01 (8)べンガラ 0.02 (9)酸化チタン 5.0 (10)タルク 4.0 (11)ステアリン酸 2.0 (12)セタノール 1.0 (13)スクワラン 5.0 (14)自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 2.0 (15)防腐剤 適 量
【0065】上記成分(1)〜(5)を混合し、70℃
で加熱溶解させ、(6)〜(10)をあらかじめ混合し
たものを加え、充分に攪拌する。これを、(11)〜
(14)を混合溶解後、70℃に加熱した油相に加え、
ホモミキサーで均一に乳化した。その後、攪拌しながら
30℃まで冷却し、ファンデーションを得た。
【0066】(実施例6)次に示す処方6にしたがっ
て、パックを作製した。 〔処方6〕パック 配合成分 配合量(重量%) (1)LCBFA−2 0.1 (2)ポリビニルアルコール 10.0 (3)酢酸ビニル樹脂エマルジョン 10.0 (4)エタノール 5.0 (5)カオリン 15.0 (6)グリセリン 1.0 (7)防腐剤 適 量 (8)精製水 残 量
【0067】上記成分(8)に(6)を混合した後、
(3)及び(5)を添加し、更に(4)の一部に湿潤さ
せた(2)を添加し、70℃に加熱し溶解させた。次に
残りの成分(4)に(1)及び(7)を加えて溶解した
ものを添加した後冷却し、パックを得た。
【0068】
【発明の効果】本発明の皮膚保湿剤によれば、角質層の
水分保持能を高めることができ、肌荒れ等に対して、優
れた改善力及び予防効果を発揮することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるセラミド類似物質(L
CBFA−2)を使用したクリームと対照例のクリーム
を用いて、皮膚コンダクタンスの比較試験を行なった結
果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 7/00 A61K 7/00 U 31/16 ADA 31/16 ADA 31/66 31/66 31/71 31/71 C07F 9/09 C07F 9/09 U 9/117 9/117 // C07C 233/18 9547−4H C07C 233/18 235/08 9547−4H 235/08 C12P 13/00 C12P 13/00 (C12P 13/00 C12R 1:01) (72)発明者 池田 紀和 大阪府大阪市西区西本町2丁目6番11号 株式会社クラブコスメチックス内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の式1 【式1】 で示されるセラミド類似物質(ただし、式1中、R1
    はアシル基、R2基は飽和アルキル基、Xは、水素、エ
    タノールアミンリン酸基、単糖類リン酸基のいずれか1
    種である。)からなることを特徴とする皮膚保湿剤。
  2. 【請求項2】 前記R1基、前記R2基の少なくとも一方
    は、分岐鎖を有することを特徴とする請求項1に記載の
    皮膚保湿剤。
  3. 【請求項3】 前記R1基、前記R2基の少なくとも一方
    は、イソ体であることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の皮膚保湿剤。
  4. 【請求項4】 前記R1基は、水酸基を有することを特
    徴とする請求項1、2又は3に記載の皮膚保湿剤。
  5. 【請求項5】 前記R1基は、2−ヒドロキシアシル基
    であることを特徴とする請求項4に記載の皮膚保湿剤。
  6. 【請求項6】 前記R1基の炭素数が奇数個、又は/及
    び、前記R2基の炭素数が偶数個であることを特徴とす
    る請求項1、2、3、4又は5に記載の皮膚保湿剤。
  7. 【請求項7】 Xの単糖類は、イノシトールであること
    を特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6に記載の
    皮膚保湿剤。
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