JPH09255442A - 非酸化物系セラミック繊維強化セラミックス複合材料の製造方法 - Google Patents

非酸化物系セラミック繊維強化セラミックス複合材料の製造方法

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JPH09255442A
JPH09255442A JP8097738A JP9773896A JPH09255442A JP H09255442 A JPH09255442 A JP H09255442A JP 8097738 A JP8097738 A JP 8097738A JP 9773896 A JP9773896 A JP 9773896A JP H09255442 A JPH09255442 A JP H09255442A
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光司 西尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強化繊維の外部からの酸素の接触を防止する
とともに、繊維からの分解ガスの発生を抑制して、高い
耐久性を有する非酸化物系セラミック繊維強化セラミッ
クス複合材料を製造する。 【解決手段】 非酸化物系セラミック繊維16の表面に
SiC、Si3 4 、BN等からなる緩衝層18をCV
D法、CVI法、ポリマー含浸・焼成法等により形成
し、ついで、この緩衝層18の表面にNi、Pt、P
d、Nb、Ta、W等からなる高融点金属層をメッキ
法、PVD法等により形成した後、ポリマー含浸・焼成
法、CVI法、粉末焼結法等によりセラミックマトリッ
クスの形成・緻密化を行って繊維近傍に高融点金属層を
位置させる。また、高融点金属層の代りに、BaO−A
2 3 −SiO2 系ガラス、SiO2 系ガラス、B2
3 −SiO2 系ガラス等からなるガラス層を粉末含浸
法、スラリー含浸法、スラリーの昇華乾燥法による予備
成形体への粉末含浸法、アルコキシド含浸法、溶融ガラ
ス浸漬法等で形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い耐久性を有す
る非酸化物系セラミック繊維強化セラミックス複合材料
の製造方法、詳しくは、繊維強化セラミックス複合材料
のクラックシールを目的として、強化繊維近傍に高融点
金属コーティング又はガラスコーティングを施す非酸化
物系セラミック繊維強化セラミックス複合材料の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、炭素繊維強化複合材料の耐酸
性向上を目的として、表面へのガラスコーティングを施
す技術は、すでに知られている。また、セラミック繊維
で強化したガラスマトリックス(母材)の材料(GM
C)は、すでに多数存在している。しかしながら、この
GMCの耐用温度は概ね1000℃以下と低い温度であ
る。さらに、セラミック繊維で強化した金属マトリック
スの材料(MMC)も、すでに多数存在しているが、こ
のMMCの耐用温度は概ね800℃以下と低い温度であ
る。特開昭60−60992号公報には、炭素繊維強化
複合材料の表面をガラス質材料でコーティングして、耐
酸化性を向上させる方法が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の公報記載の方法
を含めて、従来の方法では、炭素繊維強化複合材料(以
下、C/Cと略記する)、繊維強化セラミックス複合材
料(以下、FRCと略記する)のクラックシールを、ガ
ラスを表面部から溶融浸透させて行う方法がとられてい
るが、この方法では低融点ガラスしか適用することがで
きず、また、表面近傍にのみガラスが存在するため、ガ
ラスが揮散しやすく、クラックシールとして長時間効果
を発揮しない。
【0004】FRCの破壊挙動は非常に複雑である。図
7〜図9はその理想的な破壊過程を示し、図10はこれ
らを変位と負荷との関係のグラフに示したものである。
図7は母材(マトリックス)10にクラック(ひび割
れ、亀裂)が生じた状態を示し、図8は繊維12と母材
との境界面が剥離した状態を示し、図9は繊維12が破
壊した状態を示している。母材10による繊維の拘束が
強固な場合、図8及び図9の過程が生じにくくなり、亀
裂は一直線に進展する。このため、靭性の向上には繊維
の拘束を、いかに緩くするかが重要である。図7〜図1
0に示す複雑な破壊挙動により、セラミック材料の脆さ
が克服されている。このような理想的な破壊挙動を発現
させるためには、製造法を工夫し、繊維と母材(マトリ
ックス)との界面強度が適当に弱くなるように製造する
必要がある。
【0005】非酸化物系長繊維強化型のFRC(SiC
F /SiC、SiCF /Si3 4、Si3 4 F /S
iC、Si3 4 F /Si3 4 、SiCF /Al2
3 等)は概して多孔質であるために、高温酸化雰囲気に
さらされると、気孔やクラック部より酸素が侵入し、繊
維表面にシリケート層を形成し、界面強度が上昇し脆化
する。また、高温では繊維は熱分解し、ガスの発生を伴
って強度が低化する。これら酸化によるシリケート層の
形成と、熱分解を抑制するには、外部からの酸素の侵入
と、熱分解により発生したガスの流出とを防止するよう
なシーリングが必要となる。上記のような理由で、非酸
化物系長繊維強化型のFRCにはクラックシールが必要
であることは、広く認識されているが、高温酸化雰囲気
で効果的に強度劣化を防止する具体的なシール材の材質
及びその形成方法は、確立されていない。たとえば、C
/C複合材料の耐酸化性向上を目的とした、材料表面へ
のガラスコーティングに関する技術を模倣した、FRC
表面へのガラスコーティングが提案されている。これ
は、材料の表面にペースト状のガラスを塗布し、これを
溶融させて密着させるために、使用されるガラスは融点
の比較的低いものに限定されてしまう。そのため、C/
C複合材料よりも長時間の耐久性を期待されるFRCに
たいしては、ガラスが揮散しやすくクラックシールとし
て長時間効果を発揮しない。
【0006】非酸化物系長繊維強化型のFRCの強化繊
維として、使用されるセラミック繊維の多くは、高温で
安定な物質でないため、高温に曝されると、分解ガスの
発生とともに機械的特性が劣化する。これを防止するに
は、分解ガスの発生を抑制することが効果的である。ま
た、強化繊維が非酸化物であるために、高温酸化雰囲気
では繊維表面に酸化層を形成し、機械的もしくは化学的
に繊維/マトリックス界面強度が強くなり、材料が脆化
する。非酸化物系長繊維強化型のFRCは、基本的に多
孔質な材料が多いため、これらの両者を防止するために
は、繊維への外部からの酸素の接触を防止するととも
に、繊維から放出される分解ガスを外部に流出させない
ようなクラックシールが必要である。また、このクラッ
クシールは、高温、かつ長時間、上記の働きを持続する
必要があるため、比較的融点や軟化点の高い物質を、最
表面ではなく、材料内部の強化繊維近傍に形成する必要
がある。
【0007】本発明は上記の諸点に鑑みなされたもの
で、その目的は、強化繊維近傍に高融点金属コーティン
グ又はガラスコーティングを施すことにより、繊維への
外部からの酸素の接触を防止するとともに、繊維からの
分解ガスの発生を抑制するようにして、高い耐久性を有
する非酸化物系のFRCを製造する方法を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の非酸化物系FRCの製造方法は、非酸化
物系セラミック繊維の表面に緩衝層を形成し、ついで、
この緩衝層の表面に高融点金属層を形成した後、セラミ
ックマトリックスの形成・緻密化を行って繊維近傍に高
融点金属層を位置させるように構成されている。非酸化
物系のFRCとしては、SiCF /SiC、SiCF
Si3 4 、Si3 4 F /SiC、Si3 4 F /S
3 4 、SiCF /Al2 3 等が用いられる。非酸
化物系セラミック繊維の形態は、単繊維(フィラメン
ト)、繊維束(ヤーン)、織物(プリフォーム)等のい
ずれでもよく、この強化繊維表面に、繊維と金属との直
接的な反応を防止するための緩衝層を薄く形成する。こ
の緩衝層には、SiC、Si3 4 、BN等高温で安定
な物質が用いられる。また、緩衝層の形成方法として
は、化学蒸着法(CVD法)、気相化学含浸法(CVI
法)、ポリマー含浸・焼成法(PIP法)等が用いられ
る。
【0009】この緩衝層の上に高融点金属層を形成す
る。高融点金属層は、Ni、Pt、Pd、Nb、Ta、
W等の少なくともいずれかの金属からなっており、メッ
キ法(電解メッキ法、無電解メッキ法等)、物理蒸着法
(PVD法)等により形成される。このように、コーテ
ィングする金属としては、融点がFRCの実使用温度よ
り高いものを用いる。例えば、使用温度が1200〜1
400℃の場合は、Ni、Pt、Pd等が有効で、使用
温度が1400〜1600℃の場合は、Ta、W等が有
効である。つぎに、セラミックマトリックスの形成・緻
密化を行う。すなわち、セラミックマトリックスを、ポ
リマー含浸・焼成法(PIP法)、気相化学含浸法(C
VI法)、粉末焼結法等により形成し緻密化する。
【0010】また、本発明の非酸化物系FRCの製造方
法は、非酸化物系セラミック繊維の表面に緩衝層を形成
し、ついで、この緩衝層の表面にガラス層を形成した
後、セラミックマトリックスの形成・緻密化を行って繊
維近傍にガラス層を位置させることを特徴としている。
非酸化物系のFRCの種類、繊維の形態、緩衝層に用い
られる物質、緩衝層の形成方法、セラミックマトリック
スの形成方法等は、高融点金属層を形成する方法の場合
と同様である。ガラス層は、BaO−Al2 3 −Si
2 系ガラス、SiO2 系ガラス、B2 3 −SiO2
系ガラス、Al2 3 ,MgO,CaO,SiO2 系ガ
ラス、Li2 O,Al2 3 ,MgO,SiO2 系ガラ
ス、Li2 O,Al2 3 ,MgO,SiO2 ,Nb2
5 系ガラス、Li2 O,Al2 3 ,MgO,SiO
2 ,Nb2 5 系ガラス、MgO,Al2 3 ,SiO
2 系ガラス、BaO,MgO,Al2 3 ,SiO2
ガラス、BaO,Al2 3 ,SiO2 系ガラス、Ba
O,Al2 3 ,SiO2 系ガラス等、又はこれらを主
成分とするものの少なくともいずれかからなっており、
セラミック繊維にダメージを与える成分(Na、K等の
アルカリ成分)が含まれないものを用いる。このガラス
層は、粉末含浸法、スラリー含浸法、スラリーの昇華乾
燥法による予備成形体(プリフォーム)への粉末含浸
法、アルコキシド含浸法、溶融ガラス浸漬法等のいずれ
かにより形成される。
【0011】上記のスラリーの昇華乾燥法による予備成
形体への粉末含浸法でガラス層を形成する場合は、つぎ
の(a)〜(g)の工程によってなされる。 (a) 融点が10〜60℃、沸点が100〜300℃
の有機溶剤と、ガラス粉末とをこの有機溶剤の融点以上
の温度で混練して均一なスラリーを調製する工程、
(b) 均一なスラリーを混練しながらこの有機溶剤の
融点以下の温度に冷却してスラリーを固化させる工程、
(c) 固化したスラリーを粉砕する工程、(d) 粉
砕された固化スラリーを多孔質の予備成形体とともに袋
に収納して包装体とする工程、(e) この包装体を加
熱可能な圧力容器に装入し、加圧しながら加熱して、固
化スラリーを再び液状化させ予備成形体中にスラリーを
含浸させる工程、(f) 含浸終了後、包装体をこの有
機溶剤の融点以下の温度に急冷し、予備成形体中に含浸
されたスラリーを再び固化させる工程、(g) 予備成
形体を袋から取り出して乾燥器に装入し、この有機溶剤
の融点以下の温度に保持し有機溶剤を昇華除去してガラ
ス粉末含浸成形体とする工程、また、ガラス層を、原料
ガラスの軟化温度が製品繊維強化セラミックス複合材料
の実使用温度よりも100〜300℃低い原料ガラス
(ガラス又は結晶化ガラス)を用いて形成することによ
り、良好なクラックシール性を付与することができる。
例えば、使用温度が1200℃の場合は、軟化温度が1
000℃付近にあるBaO−Al2 3 −SiO2 系ガ
ラス、使用温度が1400℃の場合は、軟化温度が12
00℃付近にあるハイシリカガラス(SiO2 系ガラ
ス)が有効である。
【0012】
【発明の実施の形態】図1はNiメッキによるクラック
シールを施したSiCF /SiC複合材料の製造工程を
示している。まず、SiC繊維で製織された三次元繊維
配向プリフォーム14を反応炉15に入れ、気相化学含
浸法(CVI法)を適用し、SiC繊維16の表面に非
常に薄い(1μm 程度)SiC層(緩衝層)18を形成
する。ついで、これを無電解Niメッキ液20に浸漬
し、SiC層18の表面にきわめて薄い(50〜100
nm)Ni層を形成する。ついで、セラミック微粒子、例
えば、SiC微粒子とポリマー、例えば、ポリカルボシ
ランの有機溶媒(例えば、キシレン)溶液からなるSi
Cスラリーを用いたPIP法により、セラミックマトリ
ックスを形成する。すなわち、前記のNi層を形成させ
たプリフォームを加熱炉22に入れ、これにSiC微粒
子(SiC粉末)を添加したポリカルボシランのキシレ
ン溶液を注ぎ、加圧するとともに加熱して含浸させた
後、プリフォームを取り出して乾燥させ、ついで、この
プリフォームを焼成炉24で焼成する。焼成されたプリ
フォームを再度、加熱炉22に戻し、SiC粉末含有キ
シレン溶液(SiCスラリー)に浸漬して同様の工程を
4〜6回繰り返す。このようにして、SiCF /SiC
複合材料が製造される。なお、ポリカルボシランの代り
に、ポリシラスチレン、ポリシラザン等を使用すること
もできる。
【0013】図2はガラス又は結晶化ガラスによるクラ
ックシールを施したSiCF /SiC複合材料の製造工
程を示している。まず、SiC繊維で製織された三次元
繊維配向プリフォーム14を反応炉15に入れ、気相化
学含浸法(CVI法)を適用し、SiC繊維16の表面
に非常に薄い(1μm 程度)SiC層18を形成する。
ついで、これに、例えば、図3に示すようなスラリーの
昇華乾燥法による予備成形体(プリフォーム)への粉末
含浸法により、ガラス粉末を含浸させる。すなわち、図
3に示すように、ガラス粉末を有機溶剤、例えば、融点
以上である50〜60℃前後のα−テルピネオールに投
入し、ポットミル30などの混練機を用い、50〜60
℃前後の温度を保持したまま混練して、均一なスラリー
を作製する。混練しながらα−テルピネオールの融点以
下に、望ましくは30℃以下に冷却してスラリーを固化
させる。ついで固化したスラリーを粉砕した後、粉砕し
た固化スラリー26を多孔質プリフォーム(予備成形
体)28とともにラバーシート31などのプラスチック
シートで包み、ビニール製の袋32などのプラスチック
製の袋に真空封入して真空包装体34とする。この真空
包装体34を加熱可能な圧力容器36に装入し、N2
ス等を供給して2〜20kg/cm2 G程度、望ましくは5
〜15kg/cm2 G程度に加圧しながらα−テルピネオー
ルの融点と沸点との間の温度、例えば50〜100℃程
度に加熱し、固化スラリーを再び液状化させ、多孔質プ
リフォーム28中にスラリーを含浸させる。38は加熱
器、40は静水圧圧縮用の液体(例えば水)である。含
浸終了後、包装体34aを圧力容器36、静水圧圧縮用
液体40より取り出し、30℃以下、望ましくは20℃
程度まで急冷し、多孔質プリフォーム28中に含浸され
たスラリーを再び固化させる。ついで、多孔質プリフォ
ーム28をビニール製の袋及びラバーシートから取り出
し、真空乾燥器12に装入し、減圧下で30℃程度に加
熱器14で加熱し数時間放置してα−テルピネオールを
昇華させて除去し、粉末含浸成形体28aを取出す。こ
の粉末含浸成形体28aの表面にはガラス粉末42が付
着しているので、このガラス粉末42を払い落とせば、
ガラス粉末含浸成形体(プリフォーム)28aとなる。
【0014】スラリー媒液である有機溶剤としては、α
−テルピネオール(C1018O、融点38〜40℃、沸
点219〜221℃)以外に、4−メトキシベンゾイッ
クアシッドメチルエステル(C9 103 )、2,6−
ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(C15
24O)、2,4−ジイソプロピルフェノール(C12 18
O)、1,1−ジアセトキシエタン(C6 104 )、
オクタノイック酸(C8 162 )、ドデシルアルコー
ル(C1226O)、2−エチル−2−ブチルプロパン−
1,3−ジオール(C9 202 )、オレイックアシッ
ドエチルエステル(C20382 )、エタノール(C2
6 O)、2,6−ジメチルフェノール(C8
10O)、4−プロピルフェノール(C9 12O)、2−
イソプロピルフェノール(C9 12O)、4−エチルフ
ェノール(C8 10O)、4−メチルフェノール(C7
8 O)、3,4−ジメチルフェノール(C8
10O)、フェノール(C6 6 O)、シクロヘキサノー
ル(C6 12O)、2,4−ジメチルフェノール(C8
10O)、プロパン−1,2,3−トリオール(C3
8 3 )、1−フェニル−プロパン−1−オン(C9
10O)、2−メトキシフェノール(C7 8 2 )、2
−メチルフェノール(C7 8 O)、3−メチルフェノ
ール(C7 8 O)等を挙げることができる。
【0015】図2に示すように、上記のガラス粉末含浸
プリフォーム28aを焼成炉44で焼成した後、加熱炉
22に入れ、これに図1の場合と同様のSiC微粒子
(SiC粉末)を添加したポリカルボシランのSiC粉
末含有キシレン溶液(SiCスラリー)を注ぎ、加圧す
るとともに加熱して含浸させた後、プリフォームを取り
出して乾燥させ、ついで、このプリフォームを焼成炉2
4で焼成する。焼成されたプリフォームを再度、加熱炉
22に戻し、SiC粉末含有キシレン溶液(SiCスラ
リー)に浸漬して同様の工程を4〜6回繰り返す。この
ようにして、SiCF /SiC複合材料が製造される。
【0016】
【実施例】
実施例1 図1に示す製造工程に従って、Niをクラックシール層
とするSiCF /SiC複合材料を製造した。まず、S
iC繊維で製織された三次元繊維配向プリフォームを反
応炉に入れ、SiCl4 系ガス及びCH4 系ガスを供給
しCVI法により、SiC繊維の表面に約1μm 程度の
SiC層を形成した。ついで、これを無電界Niメッキ
液に浸漬し、25℃で2時間保持して、CVIによるS
iC層の表面に約50nmのNi層を形成した。一方、S
iC粒子200g をポリカルボシランのキシレン溶液1
000mlに添加しSiCスラリーを調整した。前記のボ
ロシリケートガラス層を形成させたプリフォームを、こ
のSiCスラリー中に浸漬した。ついで、圧力容器内
で、N2 ガス雰囲気、9kg/cm2 Gで150℃に加熱・
加圧し、プリフォームにSiCスラリーを含浸させた
後、プリフォームを取り出し、200℃で24時間放置
してキシレンを蒸発させ、プリフォームを乾燥させた。
ついで、プリフォームを焼成炉に入れ、N2 ガス雰囲気
で、5kg/cm2 Gで、1時間焼成した。焼成されたプリ
フォームを取り出して再び、圧力容器に戻し、SiCス
ラリーを含浸して同様の工程を6回繰り返し、Niをク
ラックシール層とするSiCF /SiC複合材料を製造
した。
【0017】実施例2 図2及び図3に示す製造工程に従って、ボロシリケート
ガラス(B2 3 −SiO2 系ガラス)をクラックシー
ル層とするSiCF /SiC複合材料を製造した。ま
ず、SiC繊維で製織された三次元繊維配向プリフォー
ムを反応炉に入れ、SiCl4 系ガス及びCH4 系ガス
を供給しCVI法により、SiC繊維の表面に約1μm
程度のSiC層を形成した。一方60℃のα−テルピネ
オール500mlに対し、とボロシリケートガラス粉末1
00g を懸濁し、十分に撹拌しながら10℃以下まで冷
却し、このスラリーを固化させる。この固化したボロシ
リケートガラス粉末とα−テルピネオールの混合体を粉
砕する。そしてこの混合粉体と、先ほどのSiC繊維プ
リフォームとをビニール袋で真空封入する。次に、この
真空封入体を60℃の温浴中に浸漬し、ボロシリケート
ガラス粉末とα−テルピネオールの混合体がスラリー状
になった時点で、冷間静水圧加圧装置(CIP)に挿入
し、500kg/cm2 Gの圧力で含浸する。このまま、ボ
ロシリケートガラス粉末とα−テルピネオールの混合体
が再び固化するまで、CIP中で放置冷却する。そし
て、真空封入体をCIPより取り出し、開封する。この
SiC繊維プリフォームの周囲に固化したボロシリケー
トガラス粉末とα−テルピネオールの混合体が付着した
ものを、40℃の真空中に1日放置し、α−テルピネオ
ールを完全に昇華除去する。その後、1000℃、5kg
/cm2GのN2 中でボロシリケートガラスを焼成しクラ
ックシール層を形成した。また一方、SiC粒子200
g をポリカルボシランのキシレン溶液1000mlに添加
しSiCスラリーを調整した。前記のボロシリケートガ
ラス層を形成させたプリフォームを、このSiCスラリ
ー中に浸漬した。ついで、圧力容器内で、N2 ガス雰囲
気、9kg/cm2 Gで150℃に加熱・加圧し、プリフォ
ームにSiCスラリーを含浸させた後、プリフォームを
取り出し、200℃で24時間放置してキシレンを蒸発
させ、プリフォームを乾燥させた。ついで、プリフォー
ムを焼成炉に入れ、N2 ガス雰囲気で、5kg/cm2
で、1時間焼成した。焼成されたプリフォームを取り出
して再び、圧力容器に戻し、SiCスラリーを含浸して
同様の工程を6回繰り返し、ボロシリケートガラスをク
ラックシール層とするSiCF /SiC複合材料を製造
した。
【0018】実施例3 図2及び図3に示す製造工程に従って、BaO−Al2
3 −SiO2 系ガラスをクラックシール層とするSi
F /SiC複合材料を製造した。まず、SiC繊維で
製織された三次元繊維配向プリフォームを反応炉に入
れ、SiCl4 系ガスおよびCH4 系ガスを供給しCV
I法により、SiC繊維の表面に約1μm程度のSiC
層を形成した。一方、60℃のα−テルピネオール50
0mlに対し、とBaO−Al2 3 −SiO2 系ガラス
粉末100g を懸濁し、十分に撹拌しながら10℃以下
まで冷却し、このスラリーを固化させる。この固化した
BaO−Al2 3 −SiO2系ガラス粉末とα−テル
ピネオールの混合体を粉砕する。そして、この混合粉体
と、先ほどのSiC繊維プリフォームとをビニール袋で
真空封入する。次に、この真空封入体を60℃の温浴中
に浸漬し、BaO−Al2 3 −SiO2 系ガラス粉末
とα−テルピネオールの混合体がスラリー状になった時
点で、冷間静水圧加圧装置(CIP)に挿入し、500
kg/cm2 Gの圧力で含浸する。このまま、BaO−Al
2 3 −SiO2 系ガラス粉末とα−テルピネオールの
混合体が再び固化するまで、CIP中で放置冷却する。
そして、真空封入体をCIPより取り出し、開封する。
このSiC繊維プリフォームの周囲に固化したBaO−
Al2 3 −SiO2 系ガラス粉末とα−テルピネオー
ルの混合体が付着したものを、40℃の真空中に1日放
置し、α−テルピネオールを完全に昇華除去する。その
後、1000℃、5kg/cm2 GのN2 中でBaO−Al
2 3 −SiO2 系ガラスを焼成しクラックシール層を
形成した。また一方、SiC粒子200g をポリカルボ
シランのキシレン溶液1000mlに添加しSiCスラリ
ーを調整した。前記のBaO−Al2 3 −SiO2
ガラス層を形成させたプリフォームを、このSiCスラ
リー中に浸漬した。ついで、圧力容器内で、N2 ガス雰
囲気、9kg/cm2 Gで150℃に加熱・加圧し、プリフ
ォームにSiCスラリーを含浸させた後、プリフォーム
を取り出し、200℃で24時間放置してキシレンを蒸
発させ、プリフォームを乾燥させた。ついで、プリフォ
ームを焼成炉に入れ、N2 ガス雰囲気で、5kg/cm2
で、1時間焼成した。焼成されたプリフォームを取り出
して再び、圧力容器に戻し、SiCスラリーを含浸して
同様の工程を6回繰り返し、BaO−Al2 3 −Si
2 系ガラスをクラックシール層とするSiCF /Si
C複合材料を製造した。
【0019】実施例4 図2及び図3に示す製造工程に従って、ハイシリカガラ
ス(SiO2 系ガラス)をクラックシール層とするSi
F /SiC複合材料を製造した。まず、SiC繊維で
製織された三次元繊維配向プリフォームを反応炉に入
れ、SiCl4 系ガス及びCH4 系ガスを供給しCVI
法により、SiC繊維の表面に約1μm 程度のSiC層
を形成した。一方、60℃のα−テルピネオール500
mlに対し、とハイシリカガラス粉末100g を懸濁し、
十分に撹拌しながら10℃以下まで冷却し、このスラリ
ーを固化させる。この固化したハイシリカガラス粉末と
α−テルピネオールの混合体を粉砕する。そして、この
混合粉体と、先ほどのSiC繊維プリフォームとをビニ
ール袋で真空封入する。次に、この真空封入体を60℃
の温浴中に浸漬し、ハイシリカガラス粉末とα−テルピ
ネオールの混合体がスラリー状になった時点で、冷間静
水圧加圧装置(CIP)に挿入し、500kg/cm2 Gの
圧力で含浸する。このままハイシリカガラス粉末とα−
テルピネオールの混合体が再び固化するまで、CIP中
で放置冷却する。そして、真空封入体をCIPより取り
出し、開封する。このSiC繊維プリフォームの周囲に
固化したハイシリカガラス粉末とα−テルピネオールの
混合体が付着したものを、40℃の真空中に1日放置
し、α−テルピネオールを完全に昇華除去する。その
後、1000℃、5kg/cm2 GのN2 中でハイシリカガ
ラスを焼成しクラックシール層を形成した。また一方、
SiC粒子200g をポリカルボシランのキシレン溶液
1000mlに添加しSiCスラリーを調整した。前記の
ハイシリカガラス層を形成させたプリフォームを、この
SiCスラリー中に浸漬した。ついで、圧力容器内で、
2 ガス雰囲気、9kg/cm2 Gで150℃に加熱・加圧
し、プリフォームにSiCスラリーを含浸させた後、プ
リフォームを取り出し、200℃で24時間放置してキ
シレンを蒸発させ、プリフォームを乾燥させた。つい
で、プリフォームを焼成炉に入れ、N2 ガス雰囲気で、
5kg/cm2 Gで、1時間焼成した。焼成されたプリフォ
ームを取り出して再び、圧力容器に戻し、SiCスラリ
ーを含浸して同様の工程を6回繰り返し、ハイシリカガ
ラスをクラックシール層とするSiCF /SiC複合材
料を製造した。
【0020】比較例1 まず、SiC繊維で製織された三次元繊維配向プリフォ
ームを反応炉に入れ、SiCl4 系ガス及びCH4 系ガ
スを供給しCVI法により、SiC繊維の表面に約1μ
m 程度のSiC層を形成した。一方、SiC粒子200
g をポリカルボシランのキシレン溶液1000mlに添加
しSiCスラリーを調整した。前記のプリフォームをこ
のSiCスラリー中に浸漬した。ついで、圧力容器内
で、N2 ガス雰囲気、9kg/cm2 Gで150℃に加熱・
加圧し、プリフォームにSiCスラリーを含浸させた
後、プリフォームを取り出し、200℃で24時間放置
してキシレンを蒸発させ、プリフォームを乾燥させた。
ついで、プリフォームを焼成炉に入れ、N2 ガス雰囲気
で、5kg/cm2 Gで、1時間焼成した。焼成されたプリ
フォームを取り出して再び、圧力容器に戻し、SiCス
ラリーを含浸して同様の工程を6回繰り返し、クラック
シール層を有さないSiCF /SiC複合材料を製造し
た。
【0021】実施例1において製造したNiメッキによ
るクラックシールを施したSiCF/SiC複合材料、
及び実施例2〜4において製造したガラス又は結晶化ガ
ラスによるクラックシールを施したSiCF /SiC複
合材料の耐久性について考察した。図4は、Ni、ポロ
シリケートガラス、BaO−Al2 3 −SiO2 系ガ
ラス及びハイシリカガラスをそれぞれクラックシール層
とするSiCF /SiC複合材料と、クラックシール層
のないSiCF /SiC複合材料の製造直後の室温での
特性を示している。いずれも、ほぼ同程度の破断強度を
しめしており、クラックシール層を形成することによる
特性の劣化は見られなかった。
【0022】図5は、Ni、ボロシリケートガラス、B
aO−Al2 3 −SiO2 系ガラス及びハイシリカガ
ラスをそれぞれクラックシール層とするSiCF /Si
C複合材料と、クラックシール層のないSiCF /Si
C複合材料を1200℃の酸化雰囲気に500時間暴露
した後の、室温曲げ特性を示している。1200℃、5
00時間の酸化後、クラックシールを施さない材料は、
曲げ強度及び破断歪みが著しく低下するのに対して、N
i、BaO−Al2 3 −SiO2 系ガラスをそれぞれ
クラックシールとした材料はいずれも強度の低下は少な
く、破断歪みはほぼ酸化前と変わらない。これは、Ni
又はBaO−Al2 3 −SiO2 系ガラスがクラック
シールとしての機能を発揮し、繊維の熱分解と繊維/マ
トリックス界面のシリケート層形成を抑制したために、
強度の低下と脆化を防止したからである。それに対し
て、ハイシリカガラスをクラックシールとした材料は、
クラックシールを施さない材料と比べ、強度面では同等
であるが、破断歪みが著しく低下している。これは、ハ
イシリカガラスの融点又は軟化点が他のシール材に比べ
高いために、1200℃では十分にクラックを封止でき
なかったからである。また、ボロシリケートガラスをク
ラックシールとした材料は、強度の低下が著しいが、こ
れはボロシリケートガラスの融点又は軟化点が他のシー
ル材に比べ低いために、1200℃ではその大部分が揮
発してしまったからである。
【0023】図6は、Ni、BaO−Al2 3 −Si
2 系ガラス及びハイシリカガラスをそれぞれクラック
シール層とするSiCF /SiC複合材料と、クラック
シール層のないSiCF /SiC複合材料の1200
℃、500時間酸化後及び1400℃、10時間酸化後
の残存曲げ強度を比較したものである。1200℃、5
00時間の酸化後は、BaO−Al2 3 −SiO2
ガラスをクラックシール層とする材料が最も高い強度を
有していたが、1400℃、10時間の酸化後は、ハイ
シリカガラスをクラックシール層とする材料が、最も高
い強度を有していた。このことから、クラックシール材
は、その材料が長時間曝される温度により、選択する必
要があることが示唆された。そしてクラックシール材の
選定の指標として、そのクラックシール材の軟化点温度
が、複合材料の曝される温度より100℃から300℃
低いことが挙げられる。
【0024】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、つぎのような効果を奏する。 (1) 強化繊維近傍に高融点金属コーティング又はガ
ラスコーティングを施すことにより、繊維の外部からの
酸素の接触を防止するとともに、繊維からの分解ガスの
発生を抑制することができ、従来にない高い耐久性を有
する非酸化物系のFRCを製造することができる。 (2) 本発明の方法では、高融点金属層又は高融点ガ
ラス層を強化繊維近傍に施工できるので、シール効果を
長く維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非酸化物系FRCの製造方法の一例を
示し、Niメッキ層によりクラックシールされたSiC
F /SiC複合材料の製造工程図である。
【図2】本発明の非酸化物系FRCの製造方法の他の例
を示し、ガラス層によりクラックシールされたSiCF
/SiC複合材料の製造工程図である。
【図3】図2に示すガラス層によりクラックシールされ
たSiCF /SiC複合材料の製造に適用されるガラス
粉末含浸法の一例を示す工程図である。
【図4】実施例1〜4で製造されたクラックシール層を
有するSiCF /SiC複合材料、及びクラックシール
層を有さないSiCF /SiC複合材料の製造直後の曲
げ強度特性を示すグラフである。
【図5】実施例1〜4で製造されたクラックシール層を
有するSiCF /SiC複合材料、及びクラックシール
層を有さないSiCF /SiC複合材料の1200℃、
500時間酸化後の曲げ強度特性を示すグラフである。
【図6】実施例1、3、4で製造されたクラックシール
層を有するSiCF /SiC複合材料、及びクラックシ
ール層を有さないSiCF /SiC複合材料におけるシ
ール材料と酸化条件による残存強度の変化を示すグラフ
である。
【図7】図7〜図9は長繊維強化FRCの理想的な破壊
過程を示し、図7は母材(マトリックス)にクラックが
生じた状態を示す断面図である。
【図8】繊維と母材との境界面が剥離した状態を示す断
面図である。
【図9】繊維が破壊した状態を示す断面図である。
【図10】図7〜図9の状態を、変位と負荷との関係に
描いたグラフである。
【符号の説明】
10 母材(マトリックス) 12 繊維 14 三次元繊維配向プリフォーム 15 反応炉 16 SiC繊維 18 SiC層(緩衝層) 20 Niメッキ液 22 加熱炉 24 焼成炉 26 固化スラリー 28 プリフォーム 28a ガラス粉末含浸プリフォーム 30 ポットミル 31 ラバーシート 32 ビニール製の袋 34 真空包装体 36 圧力容器 38 加熱器 40 液体 42 ガラス粉末 44 焼成炉

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非酸化物系セラミック繊維の表面に緩衝
    層を形成し、ついで、この緩衝層の表面に高融点金属層
    を形成した後、セラミックマトリックスの形成・緻密化
    を行って繊維近傍に高融点金属層を位置させることを特
    徴とする非酸化物系セラミック繊維強化セラミックス複
    合材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 高融点金属層が、Ni、Pt、Pd、N
    b、Ta、Wの少なくともいずれかの金属からなる請求
    項1記載の非酸化物系セラミック繊維強化セラミックス
    複合材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 高融点金属層が、メッキ法、物理蒸着法
    のいずれかにより形成される請求項1又は2記載の非酸
    化物系セラミック繊維強化セラミックス複合材料の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 非酸化物系セラミック繊維の表面に緩衝
    層を形成し、ついで、この緩衝層の表面にガラス層を形
    成した後、セラミックマトリックスの形成・緻密化を行
    って繊維近傍にガラス層を位置させることを特徴とする
    非酸化物系セラミック繊維強化セラミックス複合材料の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 ガラス層が、BaO−Al2 3 −Si
    2 系ガラス、SiO2 系ガラス、B2 3 −SiO2
    系ガラスの少なくともいずれかからなる請求項4記載の
    非酸化物系セラミック繊維強化セラミックス複合材料の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 ガラス層が、粉末含浸法、スラリー含浸
    法、スラリーの昇華乾燥法による予備成形体への粉末含
    浸法、アルコキシド含浸法、溶融ガラス浸漬法のいずれ
    かにより形成される請求項4又は5記載の非酸化物系セ
    ラミック繊維強化セラミックス複合材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 ガラス層が、つぎの(a)〜(g)の工
    程からなるスラリーの昇華乾燥法による予備成形体への
    粉末含浸法、すなわち、(a) 融点が10〜60℃、
    沸点が100〜300℃の有機溶剤と、ガラス粉末とを
    この有機溶剤の融点以上の温度で混練して均一なスラリ
    ーを調製する工程、(b) 均一なスラリーを混練しな
    がらこの有機溶剤の融点以下の温度に冷却してスラリー
    を固化させる工程、(c) 固化したスラリーを粉砕す
    る工程、(d) 粉砕された固化スラリーを多孔質の予
    備成形体とともに袋に収納して包装体とする工程、
    (e) この包装体を加熱可能な圧力容器に装入し、加
    圧しながら加熱して、固化スラリーを再び液状化させ予
    備成形体中にスラリーを含浸させる工程、(f) 含浸
    終了後、包装体をこの有機溶剤の融点以下の温度に急冷
    し、予備成形体中に含浸されたスラリーを再び固化させ
    る工程、(g) 予備成形体を袋から取り出して乾燥器
    に装入し、この有機溶剤の融点以下の温度に保持し有機
    溶剤を昇華除去してガラス粉末含浸成形体とする工程、
    により形成される請求項4又は5記載の非酸化物系セラ
    ミック繊維強化セラミックス複合材料の製造方法。
  8. 【請求項8】 ガラス層が、原料ガラスの軟化温度が製
    品繊維強化セラミックス複合材料の実使用温度よりも1
    00〜300℃低い原料ガラスを用いて形成される請求
    項4〜7のいずれかに記載の非酸化物系セラミック繊維
    強化セラミックス複合材料の製造方法。
  9. 【請求項9】 非酸化物系セラミック繊維が、単繊維、
    繊維束、織物のいずれかである請求項1〜8のいずれか
    に記載の非酸化物系セラミック繊維強化セラミックス複
    合材料の製造方法。
  10. 【請求項10】 緩衝層が、SiC、Si3 4 、BN
    のいずれかからなる請求項1〜9のいずれかに記載の非
    酸化物系セラミック繊維強化セラミックス複合材料の製
    造方法。
  11. 【請求項11】 緩衝層が、化学蒸着法、気相化学含浸
    法、ポリマー含浸・焼成法のいずれかにより形成される
    請求項1〜10記載の非酸化物系セラミック繊維強化セ
    ラミックス複合材料の製造方法。
  12. 【請求項12】 セラミックマトリックスが、ポリマー
    含浸・焼成法、気相化学含浸法、粉末焼結法のいずれか
    により形成される請求項1〜11記載の非酸化物系セラ
    ミック繊維強化セラミックス複合材料の製造方法。
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