JPH09254307A - 塗装金属板表面保護用フィルムまたはシート、及び該表面保護用フィルムまたはシート付き塗装金属板 - Google Patents

塗装金属板表面保護用フィルムまたはシート、及び該表面保護用フィルムまたはシート付き塗装金属板

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JPH09254307A
JPH09254307A JP10798196A JP10798196A JPH09254307A JP H09254307 A JPH09254307 A JP H09254307A JP 10798196 A JP10798196 A JP 10798196A JP 10798196 A JP10798196 A JP 10798196A JP H09254307 A JPH09254307 A JP H09254307A
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隆司 斉藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来では、塗装金属板の塗膜の種類に応じた
好適な表面保護用フィルムを夫々に用いないと、フィル
ムの浮き或いはフィルムの剥離困難や糊跡残り等の問題
を生じる。特に表面粗度の大きな塗装金属板面に対して
は、貼り合わせるのが容易でなく、また密着性に劣る。
そこで上記問題を生じず、しかも表面粗度の大きな塗装
鋼板に対しても同様に良好に貼る付けることのできる塗
装金属板表面保護用フィルムを提供することを目的とす
る。 【解決手段】 熱可塑性樹脂からなる基材フィルムの片
面に粘着剤を有するものであり、該粘着剤は、厚み
(Y)が3〜30μmで、ガラス転移温度(Z)が−3
0〜30℃であり、且つ式(1) を満足する[X:塗装金
属板の塗膜に対する蒸留水水滴の接触角(度)]。 【数1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗装金属板の表面
を保護する目的で貼着する表面保護用フィルム(シート
を含む、以下同じ)に関するものであり、またこの表面
保護用フィルムを貼付してなる塗装金属板に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より家庭用電気機器、屋内器物等に
使用される金属板には、外観上の審美性の付与および防
食を目的として、塗装を施すことが一般的に行われてい
る。上記家庭用電気機器等は、近年、多様化,高級化の
傾向にあり、冷蔵庫,洗濯機,オーブンレンジ等では高
光沢の外観が好まれ、一方、オーディオ・ビジュアル機
器等では反対に光沢を低く調整したものが望まれてい
る。尚、これら審美性が要求される金属板の面は化粧面
と呼ばれ、その裏側の面は非化粧面と呼ばれる。
【0003】審美性を付与するには、金属板の化粧面に
塗装を施すのが一般的であり、この様な塗装金属板(以
下、プレコート金属板と称することもある)は、一般に
連続塗装ラインで製造され、ユーザーが行う切断加工の
際や施工の際等における疵付き防止のため、上記塗装金
属板の化粧面に表面保護用フィルムを貼り付けて提供さ
れることが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、塗装金
属板表面保護用フィルムは保護機能を備えておれば何で
も良いというものではなく、塗装金属板の塗膜の種類に
応じた好適なものを用いないと、フィルムの浮き或いは
逆にフィルムの粘着過剰による剥離困難や糊跡残り等の
問題を生じる。即ち、粘着力が過小の場合は、貼り付け
不足となり、この為貼り付け直後に表面保護用フィルム
の浮きが生じ、一方、粘着力が過大の場合には、表面保
護用フィルムの剥離が困難となり、また表面保護用フィ
ルムの粘着剤が塗装鋼板の化粧面に転着するという問題
がある。
【0005】一般に表面保護用フィルムの粘着力は、フ
ィルム貼り付け直後では通常30〜100g/25mm
程度が最良とされ、また長時間経過後の粘着力は300
g/25mm以下であることが必要で、300g/25
mm以上になると剥離困難となったり、場合によっては
剥離時にフィルムが切れたりする問題がある。
【0006】この様に粘着力を好適なものとする必要が
あるが、特に表面粗度の大きな塗装金属板面に対して
は、表面保護用フィルムの有する粘着剤が表面の凹凸に
追従し難いため、貼り合わせるのが容易でなく、塗装鋼
板面との密着性に劣る。また常温で貼り合わせる場合
は、ラミネート圧力を高くして貼り合わせても、フィル
ム基材のスプリングバック力のために塗装金属板面から
剥離し易く、表面保護用フィルムとしての役割を果たさ
ないという問題がある。
【0007】そこで、上記問題への対策として、接着性
をさらに向上させる目的で、粘着剤に粘着性付与剤等を
添加する方策、或いは粘着剤層の厚みを大きくするとい
った方策を講じることが考えられるが、この場合は、前
述の様に塗装金属板とフィルムが過密着となって剥離が
困難になり、剥離作業に手間を要し、また急いで剥離す
ると糊残りを生じたり、また基材フィルムが破断すると
いう問題が生じる。また長時間経過後に表面保護用フィ
ルムを塗装金属板より剥離する場合には糊跡が残り易い
という問題がある。上記の様な問題が生じた塗装金属板
は、家電製品用外板材としての適性を欠くものとなり、
商品価値を失うことから、上記問題の効果的な解決策が
切望されている。
【0008】本発明は上述の様な事情に鑑みてなされた
ものであって、フィルムの浮き上がり或いはフィルムの
剥離困難や糊跡残り等を生じない塗装金属板表面保護用
フィルムであり、しかも表面粗度の大きな塗装金属板に
対しても、粘着剤がその表面凹凸に対して容易に追随
し、長期間経過後も糊跡を残さずに容易に剥離できる様
な塗装金属板表面保護用フィルムを提供しようとするも
のであり、また該表面保護用フィルム付きの塗装金属板
を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本第一の発明に係る塗装
金属板表面保護用フィルムは、熱可塑性樹脂フィルムの
少なくとも片面に粘着剤層を有し、該粘着剤層は、厚み
が3〜30μmで、ガラス転移温度が−30〜30℃で
あり、該粘着剤層の厚み(Y)及びガラス転移温度
(Z)が、前記塗装金属板の塗膜に対する蒸留水水滴の
接触角(X)に対して、下式(1) の関係を満足すること
を要旨とする。
【0010】
【数3】
【0011】X:塗装金属板の塗膜に対する蒸留水水滴
の接触角(度) Y:粘着剤層の厚み(μm) Z:ガラス転移温度(℃)
【0012】更に、本第二の発明に係る塗装金属板表面
保護用フィルムは、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも
片面に粘着剤層を有し、該粘着剤層は、厚みが3〜30
μmで、ガラス転移温度が−30〜30℃であり、該粘
着剤層の厚み(Y)及びガラス転移温度(Z)が、前記
塗装金属板の塗膜の中心線平均粗さ(A)に対して、下
式(2) の関係を満足することを要旨とする。
【0013】
【数4】
【0014】A:塗装金属板の塗膜の中心線平均粗さ
[Ra](μm) Y:粘着剤層の厚み(μm) Z:ガラス転移温度(℃)
【0015】尚、上記粘着剤層は、フィルムの少なくと
も片面の全面に備えられているか、或いは線状,点状,
島状等の様に部分的に若しくはフィルムの耳部のみに部
分的に備えられているものであっても良い。加えて、本
発明に係る表面保護用フィルム付き塗装金属板は、前記
第一,二の発明の表面保護用フィルムを貼り付けた塗装
金属板であることを要旨とする。
【0016】前記各発明は、フィルムの片面に設けられ
た粘着剤層の厚みとガラス転移温度(以下、Tgと称す
ることがある)、及び塗装金属板の塗膜に対する接触角
若しくは塗膜の中心線平均粗さ(以下、Raと称するこ
とがある)に着眼し、それらを組み合わせた簡単な手法
で上記問題を解決したものである。
【0017】前記第一の発明においては、塗装金属板の
表面の状態を塗膜に対する蒸留水水滴の接触角によって
捉え、該蒸留水水滴の接触角と粘着剤層の厚み及びガラ
ス転移温度との関係をもって粘着剤層を規定することに
より、良好に貼着できる表面保護用フィルムを得た。
【0018】一方、前記第二の発明においては、塗装金
属板の表面の状態をRaによって捉え、該Raと粘着剤
層の厚み及びガラス転移温度の関係から粘着剤層を規定
し、ここから良好に貼着できる表面保護用フィルムを得
た。
【0019】前述の様に、粘着剤層の厚みは、3〜30
μmであり、その理由は、粘着剤層の厚みが30μmを
超えると被着体と過密着となることが多く剥離が困難と
なり、剥離した際に糊が残る場合があるからであり、逆
に、粘着剤層の厚みが3μm未満では粘着力が不足する
ことが多く、表面保護用フィルムを貼り付けた直後にフ
ィルムの浮きが発生し、自然に剥離してしまうからであ
る。
【0020】また前述の様に、粘着剤のガラス転移温度
としては、−30℃〜30℃である。Tgが−30℃未
満のものでは粘着剤が柔らかすぎるため、例えばプレコ
ート金属板の化粧面に付着して逆汚染を起こす恐れがあ
り、一方Tgが30℃超のものは、粘着剤層が硬質化し
て粘着力が低下し、十分な粘着力を発揮しなくなるから
である。
【0021】次に、上記式(1),(2) について説明する。
図1は、塗装金属板としてカラー鋼板を用いた場合の化
粧面の面粗さと接着力の関係を表すグラフであり、表面
保護用フィルムとしては、フィルム:ポリエチレン,粘
着剤層:アクリル系のものを用いている。尚、○(A-13
50)と●(L-2250)とは、粘着剤層の厚みが異なる表面
保護用フィルムである。
【0022】図1から分かる様に、塗装金属板の表面の
状態としては、滑らかである方が粘着性が良く、粗くな
る程粘着性が低下する傾向がある。尚、光沢が低いもの
は面粗さが大きいものであり、光沢度が低いと接着力が
低くなる(図2[光沢度と接着力の関係を表すグラフ]
参照)。
【0023】図3は、塗装金属板の塗膜の表面粗さ(R
a:中心線平均粗さ)と粘着力の関係を表すグラフであ
り、塗膜として高加工型塗料を用い、○はフィルム粘着
力を示し、●は塗膜の光沢を示す。図3から分かる様
に、塗膜面(化粧面)のRaが大きい程、フィルム粘着
力が低下し、逆にRaが小さい程フィルム粘着力が高く
なる。即ちフィルムを貼る際、被着体の面粗さ,光沢度
によって粘着性が異なってくる。
【0024】また、フィルム粘着力は塗装金属板に施さ
れている塗料の種類によっても左右され、高加工型塗料
や高硬度型塗料のときは粘着力が低く、バランス型塗料
のときは粘着力が高い(図4参照)。
【0025】この様な塗料の種類と接着力との関係は、
水滴の接触角で説明することもでき、塗料の種類が変わ
ると水滴の接触角が異なり、接触角が小さい程界面エネ
ルギーが大きく、粘着力が大きくなる(図5参照)。
【0026】以上の様に、フィルムの塗装金属板に対す
る粘着力は、塗膜の水滴接触角やRaに影響を受けるこ
とから、本発明者らはこれら接触角やRaに着目し、式
(1)或いは式(2) を満たす様に粘着剤層の厚み及びTg
を決定すれば、フィルムを良好に貼ることができること
を見い出した。尚、塗装金属板の塗膜の接触角は、塗膜
表面に蒸留水を滴下した際の、蒸留水水滴の接触角で表
す。
【0027】上記接触角と上記Raは、共に塗膜表面の
状態を表しているものであるが、これらは上記塗膜の表
面状態についての捉え方の観点を異にするものである。
上記Raは、表面の凹凸の高さや間隔等を表しており、
Raの値は塗膜の種類及び原板の種類に関係して変化す
る。これに対し、上記接触角は、塗膜表面の濡れ性や光
沢を表しており、接触角の値は塗膜の種類のみに関係し
ている。
【0028】接触角の値とRaの値の相関については、
塗装金属板の原板を一定種類とし、塗膜を種々変えた場
合には、上記両者に相関関係が存在するが、塗膜が一定
種類であって、原板に種々のものを用いた場合には、相
関関係があまりなくなるということを見出した。
【0029】そしてこれら接触角やRaは、両者とも表
面保護用フィルムの貼付性の良否に関係し、どちらの捉
え方によっても、夫々に粘着剤を規定することで、夫々
良好にフィルムを貼ることができることを見い出した。
【0030】塗装金属板の塗膜の接触角またはRaが大
きい場合や、粘着剤層の厚みが薄い場合は、前述の様に
粘着力が低くなり、フィルムの剥離の恐れがある。また
Tgが高い場合は粘着剤層が硬質化して粘着力が低下
し、十分な粘着力が発揮されなくなる。一方、Tgが低
い場合は、十分な粘着力が得られるのであるが、粘着剤
層が柔らかすぎる為、プレコート金属板の化粧面に付着
して逆汚染を起こす恐れが生じる。
【0031】また塗装金属板の塗膜の接触角またはRa
が小さい場合や、粘着剤層の厚みが厚い場合は、前述の
様に粘着力が高くなり、粘着剤の糊残りを生じる恐れが
ある。
【0032】
【発明の実施の形態】上記X,Y,Zの3つのパラメー
ターが、上記式(1) の関係を満足する場合は、塗装金属
板に対して表面保護用フィルムの良好な貼着状態が得ら
れる。また、上記A,Y,Zの3つのパラメーターが、
上記式(2) の関係を満足する場合についても、良好な貼
着状態が得られる。下式(3) は式(1) を変形したもので
ある。
【0033】
【数5】
【0034】塗装金属板の塗膜の接触角は、家庭用電気
機器等として所望する光沢によって決まってくる値であ
り、使用する粘着剤のガラス転移温度が決まれば、前記
式(3) を用いて粘着剤層の厚みを決定することができ
る。また、下式(4) は式(2) を変形したものである。
【0035】
【数6】
【0036】同様に、塗装金属板の塗膜のRaは、家庭
用電気機器等として所望する塗装金属板の原板及び塗膜
によって決まってくる値であり、使用する粘着剤のガラ
ス転移温度が決まれば、前記式(4) を用いて粘着剤層の
厚みを決定することができる。
【0037】前記粘着剤層としては、一般的に表面保護
用フィルムとして使用され得るものであれば良く、例え
ば、天然ゴム系、アクリル系、ポリイソブチレン、スチ
レン−イソブチレン−スチレン共重合体、スチレン−ブ
チレン−スチレン共重合体等が例示される。
【0038】前記粘着剤を設けるフィルムとしては、ポ
リエチレン、ポリ塩化ビニル、高密度ポリエチレン、ポ
リプロピレン等のホモポリマー、またはこれらを主成分
とする共重合体等が例示され、厚みは5〜60μmが好
ましく、より好ましくは10〜40μmである。また該
フィルムは単層であっても複層であっても良く、必要で
あれば印刷を施したものであっても良い。尚、前記表面
保護用フィルムには、粘着剤層を有する面に離型フィル
ムを設けて提供する様にしても良い。
【0039】塗装金属板の原板としては、冷延鋼板、溶
融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜
鉛めっき鋼板、アルミニウム板、ステンレス鋼板、銅
板、銅めっき鋼板、錫めっき鋼板等が挙げられ、これら
金属板に塗装する塗料としては、ポリエステル系塗料、
エポキシ系塗料等が挙げられ、特に種類については限定
されない。
【0040】尚、原板である金属板と塗膜の付着性を改
善するために、公知の金属表面処理を施すことが望まし
い。これら公知の表面処理方法としてはリン酸塩系表面
処理、クロム酸塩系表面処理等が挙げられる。また、粘
着剤には、軟化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを必
要に応じて添加しても良い。
【0041】前記フィルムの片面に前記粘着剤層を設け
る方法としては、任意の方法で良く、例えば、フィルム
と粘着剤を共押出して、フィルムと粘着剤の層を積層す
る方法が挙げられる。
【0042】
【実施例】
<本第一の発明に関する実験>フィルム基材として25
μmのポリエステルフィルム(融点235℃)を用い、
これに下記表1に示す様なTgを有する各種アクリル系
粘着剤を、表1に示す厚さ(Y)で塗布し、表面保護用
フィルムを作製した。
【0043】金属板としては厚さ0.6mmの鋼板を用
い、亜鉛付着量20g/m2 となる様に電気亜鉛めっき
を施し、アルカリ脱脂処理を行った後、クロメート処理
を行った。その後、ポリエステル系プライマーを乾燥膜
厚が5μmになる様に塗布・焼き付けし、更に、その上
にポリエステル系上塗り塗料に艶消し剤としてのシリカ
を添加した塗料を、乾燥膜厚が15μmになる様に塗布
・焼き付けし、塗装鋼板を作製した。尚、化粧面におけ
る種々異なった接触角は、上記シリカの添加量を種種変
化させることにより製造できる。それらの各種塗装鋼板
に、表面保護用フィルムをそれぞれ23℃で2kgの押
圧ロールで押圧し、化粧面に貼り付けた(実験例No.1〜
25)。
【0044】粘着剤のTgは、熱流束型示差走査熱量計
(セイコー電子工業社製:モデル SSC 5200 DSC 220 )
を用いて、下記の条件で測定した。 試料量:約10mg 加熱速度:10℃/min. 加熱範囲:−50〜200℃ 標準物質:アルミナ 試料容器:アルミニウム製、密閉型 雰囲気:窒素ガス、30ml/min. 冷媒:液体窒素
【0045】粘着剤層の厚みは重量法により測定した。
該方法は、まずキシレンを使用して粘着剤層を溶解さ
せ、除去前後の重量差と試験片サイズにより単位面積当
たりの粘着剤層の付着量を算出し、乾燥後の粘着剤の比
重から塗膜厚を換算するというものである。塗装鋼板の
化粧面の接触角は、接触角計を用い、液滴下法(蒸留水
使用)により接触角を求めた。
【0046】表面保護用フィルムの粘着力は、オリエン
テック万能試験機UCT−1Tを用い、以下の条件で測
定した。 剥離速度:0.2m/min 温度:25℃ フィルム幅:25mm フィルム剥離角:180゜
【0047】これらの実験例について、180゜角定速
剥離強度試験(引張速度100mm/分)によって、初
期粘着力(23℃)、無荷重下での常温経時粘着力(2
3℃×30日)、及び無荷重下での高温経時粘着力(5
0℃×10日)を測定した。また、保護フィルムの浮き
の有無、フィルム剥離後の塗膜外観変化、及び糊残りの
有無等を目視にて観察した。その結果を表1に併せて示
す。
【0048】
【表1】
【0049】表1から分かる様に、粘着剤の厚みが3〜
30μmで、Tgが−30〜30℃の範囲内であり、且
つ式(1) を満足するのものは、表面保護用フィルムの剥
がれや浮きがなく、且つ表面保護用フィルムを剥離した
後も化粧面に糊残り等がなかった(実験例No.1〜16)。
【0050】しかし、粘着剤の厚さやTg,式(1) を満
足しないもの(実験例No.17 〜23)、また粘着剤の厚さ
やTgは満足しているが式(1) を満足しないもの(実験
例No.24,25)は、表面保護用フィルムの剥がれや浮き、
若しくは剥離した際の糊残りを生じた。
【0051】<本第二の発明に関する実験>上記と同様
に、フィルム基材として25μmのポリエステルフィル
ム(融点235℃)を用い、これに表2に示す様なTg
を有する各種アクリル系粘着剤を、表2に示す厚さ
(Y)で塗布し、表面保護用フィルムを作製した。
【0052】金属板としては厚さ0.6mmの鋼板を用
い、亜鉛付着量20g/m2 となる様に上記鋼板の片面
に電気亜鉛めっきを施しためっき鋼板、及び亜鉛付着量
45g/m2 となる様に上記鋼板の片面に合金化溶融亜
鉛めっきを施しためっき鋼板の2種を原板として準備
し、これらにアルカリ脱脂処理を行った後、クロメート
処理を行った。尚、表2中、GAと示す原板は合金化溶
融亜鉛めっき鋼板、EGと示す原板は電気亜鉛めっき鋼
板である。
【0053】その後、ポリエステル系プライマーを乾燥
膜厚が5μmになる様に塗布・焼き付けし、更に、艶消
し剤としてのシリカ(SiO2,粒径3μm )及び/または
アクリル系の有機ビーズ(粒径2〜4μm )を添加した
ポリエステル系上塗り塗料を、上記ポリエステル系プラ
イマーの上に乾燥膜厚が15μmになる様に塗布・焼き
付けし、この様にして塗装鋼板を製造した。尚、上記シ
リカや上記アクリル系の有機ビーズ(表2中、アクリル
ビーズと称す)の添加量を種種変化させることによっ
て、化粧面の中心線平均粗さ(Ra)が種々異なった塗
装鋼板を製造した。それらの各種塗装鋼板に、表面保護
用フィルムをそれぞれ23℃で2kgの押圧ロールで押
圧し、化粧面に貼り付けた(実験例No.26 〜46)。
【0054】粘着剤のTg、粘着剤層の厚み、及び表面
保護用フィルムの粘着力は、前述と同様に測定した。塗
装鋼板の化粧面の中心線平均粗さ(Ra)は、表面粗さ
形状測定機(東京精密社製)を用いて、測定長さ25.
4mm,カットオフ0.8mmの測定条件で測定した。
【0055】これらの実験例について、180゜角定速
剥離強度試験(引張速度100mm/分)によって、初
期粘着力(23℃)、無荷重下での常温経時粘着力(2
3℃×30日)、及び無荷重下での高温経時粘着力(5
0℃×10日)を測定した。また、保護フィルムの浮き
の有無、フィルム剥離後の塗膜外観変化、及び糊残りの
有無等を目視にて観察した。その結果を表2、3に併せ
て示す。
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】表2、3から分かる様に、粘着剤の厚みが
3〜30μmで、Tgが−30〜30℃の範囲内であ
り、且つ式(2) を満足するのものは、表面保護用フィル
ムの剥がれや浮きがなく、且つ表面保護用フィルムを剥
離した後も化粧面に糊残り等がなかった(実験例No.26
〜38)。
【0059】しかし、粘着剤の厚さやTg,式(2) を満
足しないもの(実験例No.39 〜44)、また粘着剤の厚さ
やTgは満足しているが式(2) を満足しないもの(実験
例No.45,46)は、表面保護用フィルムの剥がれや浮き、
若しくは剥離した際の糊残りを生じた。
【0060】
【発明の効果】以上述べた如く本発明によれば、表面粗
度が小さいものは勿論、たとえ表面粗度の大きなプレコ
ート金属板であっても、容易に粘着剤が追随してフィル
ム浮きや剥がれが生じず、長期間経過後も糊跡を残さず
に、容易に剥離可能な表面保護用フィルム、及び表面保
護用フィルム付き塗装鋼板を得ることができる。従っ
て、建設、家電などの各種分野での高度の要求に応える
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラー鋼板についての表面保護用フィルムに対
する接着力と面粗さの関係を表すグラフ。
【図2】カラー鋼板についての表面保護用フィルムに対
する接着力と光沢度の関係を表すグラフ。
【図3】塗膜のRaとフィルム粘着力の関係を表すグラ
フ。
【図4】塗料の種類とフィルム粘着力の関係を表すグラ
フ。
【図5】塗料の種類と接触角の関係を表すグラフ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗装金属板の表面保護用フィルムまたは
    シートにおいて、該表面保護用フィルムまたはシート
    は、熱可塑性樹脂フィルムまたはシートの少なくとも片
    面に粘着剤層を有し、 該粘着剤層は、厚みが3〜30μmで、ガラス転移温度
    が−30〜30℃であり、該粘着剤層の厚み(Y:μ
    m)及びガラス転移温度(Z:℃)が、前記塗装金属板
    の塗膜に対する蒸留水水滴の接触角(X:度)に対し
    て、下式(1) の関係を満足することを特徴とする塗装金
    属板表面保護用フィルムまたはシート。 【数1】
  2. 【請求項2】 塗装金属板の表面保護用フィルムまたは
    シートにおいて、 該表面保護用フィルムまたはシートは、熱可塑性樹脂フ
    ィルムまたはシートの少なくとも片面に粘着剤層を有
    し、 該粘着剤層は、厚みが3〜30μmで、ガラス転移温度
    が−30〜30℃であり、該粘着剤層の厚み(Y:μ
    m)及びガラス転移温度(Z:℃)が、前記塗装金属板
    の塗膜の中心線平均粗さ(A:μm)に対して、下式
    (2) の関係を満足することを特徴とする塗装金属板表面
    保護用フィルムまたはシート。 【数2】
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の塗装金属板表
    面保護用フィルムまたはシートを貼り付けた塗装金属板
    である表面保護用フィルムまたはシート付き塗装金属
    板。
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