JPH09254038A - 合成砥石 - Google Patents

合成砥石

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JPH09254038A
JPH09254038A JP5892196A JP5892196A JPH09254038A JP H09254038 A JPH09254038 A JP H09254038A JP 5892196 A JP5892196 A JP 5892196A JP 5892196 A JP5892196 A JP 5892196A JP H09254038 A JPH09254038 A JP H09254038A
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JP
Japan
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synthetic
grindstone
fibers
volume
abrasive grains
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JP5892196A
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English (en)
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Nobuhiro Kuroda
悦弘 黒田
Atsushi Niinuma
淳 新沼
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KURODA CO Ltd
KURODA KK
NIPPON TECHNO ENG KK
Original Assignee
KURODA CO Ltd
KURODA KK
NIPPON TECHNO ENG KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 すべての面において良好な研削等を行うこと
ができるとともに、加わる力の方向にかかわらず大きな
機械的強度を有し、又、繊維と砥粒双方の特性を効果的
に発揮することができ、さらには高い密度を有する合成
砥石を提供する。 【解決手段】 砥材及び結合材を含有する混合物を0.
5〜1.5t/cm2の圧力で処理することにより形成
し、砥材を全体の60〜95体積%、結合剤から成るマ
トリックスを全体の5〜40体積%含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属、石材、セラ
ミックス等の非金属等の切断、搾孔、研削、研磨等に用
いられる合成砥石及びそれを用いた加工具に関する。
【0002】
【従来の技術】砥石は、機械工具、石材及び宝飾品の製
造等の広範な分野において、金属、石材、非金属等の加
工に用いられているが、粒状の砥材のみから製造した旧
来の焼結砥石に比べ、折損しにくい等の利点を有するこ
とから、近年は、ガラス質長繊維、アルミナ繊維等の無
機質長繊維を用いた合成砥石が広く普及している。
【0003】かかる無機質長繊維を用いた合成砥石とし
ては、一定方向に配置した無機質長繊維及び砥粒を熱硬
化性樹脂にて結合させ、耐折損性の向上を図ったものが
一般的に使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
合成砥石においては、砥粒の大きさを厳密に規定してい
なかったため、無機質繊維を一定方向に配列させた場合
に、粒径の大きな砥粒が繊維間に挿入されることによ
り、繊維どうしがその周面を接触させた状態で密に配列
することができず、砥石自体を適宜な形状に加工する
際、あるいは研削等に用いる際に、繊維質配列面に沿っ
て繊維が層状に剥離しやすいという問題があった。
【0005】又、砥石に高い研削機能を付与するために
は砥石が高密度であることが要求されるが、従来の合成
砥石は、成形時の圧力が低いこと、繊維が密に配列
していないこと、砥粒の径を制御していないこと等の
理由から高密度のものは存在せず、十分な研削能力を有
さないという問題があった。
【0006】又、合成砥石には、繊維の強靱性と砥粒の
強力な研削性とが相まって、高い研削能力と耐折損性を
兼ね備えることが要求されるのに対し、従来の合成砥石
は、ばらけ易いとともに折れ易く、又、研削能も不十分
であった。
【0007】さらに、砥石には、加工の際の便宜等の理
由から、どの面を砥面として用いても良好な研削等がで
きるとともに、どのような向きの力が加わっても砥石が
破損しないことが要求されるが、従来の合成砥石は繊維
が一方向のみに配列していたため、繊維の断面に相当す
る部分を砥面とした場合には良好な研削等ができるもの
の、繊維の周面に相当する部分を砥面とした場合には被
研削体との界面が滑って良好な研削等を行うことができ
ないとともに、繊維の断面に相当する部分を砥面とした
場合においても、繊維の配列方向に対して垂直方向から
の力に対しては機械的強度が弱いことから砥石が折れ易
いという問題があった。
【0008】従って、本発明は、上記の不都合を解消
し、すべての面において良好な研削等を行うことができ
るとともに、加わる力の方向にかかわらず大きな機械的
強度を有し、又、繊維と砥粒双方の特性を効果的に発揮
することができ、さらには高い密度を有する合成砥石を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明によれば、
砥材を結合剤にて結合して形成した合成砥石であって、
砥材及び結合材を含有する混合物を0.5〜1.5t/
cm2の圧力で処理することにより形成され、砥材が全
体の60〜95体積%、結合剤から成るマトリックスが
全体の5〜40体積%を占める合成砥石が提供される。
本発明において、結合剤は熱硬化性樹脂であることが好
ましい。又、砥材は無機質から成る繊維であることが好
ましいが、砥石全体の10体積%以下の所定の粒径を有
する砥粒を含有してもよい。
【0010】又、本発明の合成砥石は、略同一の半径R
fを有する上記繊維を同一方向に最密充填配置させたも
のであってもよく、この場合において、上記繊維は50
〜500mmの長さ及び2〜30μmの半径Rfを有す
ることが好ましい。この場合において、砥材は砥石全体
の10体積%以下の砥粒を含有してもよく、砥粒の粒径
は0.155Rf〜0.310Rfであることが好まし
い。
【0011】又、本発明の合成砥石は、上記の合成砥石
から成る層を、隣接する層間で繊維の向きが異なるよう
に積層したものであってもよい。この場合において、繊
維は隣接する層間で略直角に配向することが好ましい。
【0012】又、本発明の合成砥石において、繊維は三
次元方向に絡み合っていてもよく、この場合において、
繊維は1〜25mmの長さ及び2〜30μmの半径Rf
を有することが好ましい。この場合において、砥材は砥
石全体の10体積%以下の砥粒を含有してもよく、その
粒径はRf〜2Rfであることが好ましい。
【0013】又、本発明によれば、積層構造を有し、5
0〜500mmの長さを有する繊維を用いた上記の合成
砥石から成る層の間に、1〜25mmの長さを有する繊
維を用いた上記の合成砥石を配置した合成砥石が提供さ
れる。
【0014】又、本発明によれば、上記に記載の合成砥
石のいずれかを用いた加工具が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の合成砥石は、繊維及び結
合剤又はさらに所定の粒径を有する砥粒を含有する混合
物を0.5〜1.5t/cm2という高い圧力で処理す
ることにより形成されたものである。結合剤は繊維間、
さらに砥粒を含有させた場合には、砥粒間、及び繊維と
砥粒との間を高圧力下で強固に結合させるとともに、砥
石内でマトリックスを形成し、従来の焼結砥石の欠点で
あった脆さを改善し、砥石の機械的強度を高める働きを
する。即ち、繊維を強固に結合剤で結合することによ
り、研削等により砥面にかかる外力が各繊維に集中せず
に分散するため、樹脂の粘弾性と相まって、砥石の耐折
強さが向上する。この傾向は、特に、50〜500mm
の長さを有する長繊維を一定方向に配列した場合におい
て、繊維の配列方向に沿って研削等を行う際に顕著であ
る。又、繊維を三次元方向に絡み合わせると、耐折強さ
はさらに向上する。
【0016】又、結合剤により形成されたマトリックス
は、非研削体等から生じた粉片を樹脂の破片の中に取り
込んで、研削面等から除去するという作用も有するた
め、研削等の効率の改善に寄与する。
【0017】本発明の合成砥石において、結合剤として
は熱硬化性樹脂を用いることが好ましく、エポキシ樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ビ
スマレイミド樹脂、フェノール樹脂等を用いることが好
ましいが、エポキシ樹脂を用いることが特に好ましい。
【0018】繊維は延展性が無く、かつ非研削体より硬
いと同時に脆いものであることが好ましい。繊維が延展
性を有したり、その硬度が非研削体より小さい場合は、
研削等が効率的に行われないからである。又、繊維が非
研削体より脆いことが要求されるのは、砥石の繰り返し
の使用により繊維の端面が摩耗した場合には研削効率が
低下するが、その場合、脆いことにより、繊維の先端が
くずれて端面が新たな研削刃となるからである。
【0019】上記の条件を満たす繊維としては、具体的
には、ガラス質繊維、アルミナ質繊維、ボロン質繊維、
炭化珪素質繊維、窒化珪素質繊維等の無機質繊維が挙げ
られるが、アルミナ質繊維を用いることが特に好まし
い。
【0020】本発明の合成砥石において、砥粒として
は、ダイヤモンド粒、炭化ホウ素粒、立方晶窒化ホウ素
粒等を用いることができるが、硬度の高いダイヤモンド
粒を用いることが好ましい。
【0021】砥粒の粒径は所定の値であることが必要で
あるが、具体的な値は、後述するように用いる繊維の長
さ及び径、さらには繊維の配列の仕方により異なる。
【0022】本発明の合成砥石は、上記の繊維及び結合
剤、さらには砥粒を含有する混合物を0.5〜1.5t
/cm2の圧力で処理することにより製造される。高圧
で処理するのは合成砥石を高密度とするためである。即
ち、0.5t/cm2未満の圧力では合成砥石を十分な
高密度とすることができず、砥石に十分な研削能力を付
与することができないという不都合があり、1.5t/
cm2を越える圧力では、硬化前に樹脂液が混合物から
絞り出されてしまい、マトリックスによる結合力が低下
するという不都合がある。なお、結合剤として熱硬化性
樹脂を用いた場合には、樹脂を硬化させるために、加圧
と同時に混合物を130〜180℃の温度で処理するこ
とが必要である。加圧、又は加圧加熱時間は50〜10
0分であることが好ましい。又、上記の混合物には、硬
化剤の他に反応調製剤、着色剤等を適宜添加してもよ
い。
【0023】本発明の合成砥石においては、砥材が全体
の60〜95体積%、結合剤から成るマトリックスが全
体の5〜40体積%を占めることが必要であり、さら
に、砥粒を含有させる場合には、砥粒の含有量が合成砥
石全体の10体積%以下であることが好ましい。
【0024】砥材が60体積%未満の場合には、砥石の
強靱性及び研削能が十分でなく、95体積%を越える場
合にはマトリックスによる結合力が低下するからであ
る。
【0025】又、結合剤から成るマトリックスが5体積
%未満の場合には、砥石の機械的強度の向上を図ること
ができず、40体積%を越える場合には、マトリックス
部分の粒弾性が砥石の物性を支配するようになり、砥石
が軟化するからである。
【0026】さらに、砥粒が10体積%を越える場合に
は、マトリックスによる結合力が低下するからである。
【0027】本発明の合成砥石においては、略同一の半
径を有する繊維を、向きを同一方向に揃えて最密充填配
置させてもよい。なお、最密充填配置とは、繊維を空間
内に充填率が最も高くなるように配置することをいう。
繊維を最密充填配置させるのは合成砥石の高密度化を図
るためである。又、繊維の向きを同一方向に揃えること
により、最密充填配置が可能となるとともに、繊維の断
面に相当する部分を砥面として用いる場合に、強靱性が
向上し砥石が折損しにくくなるという利点がある。さら
に、本発明の合成砥石は、結合剤で繊維どうしを緻密か
つ強固に結合させているため、研削等の際に、繊維の配
列方向に沿って繊維が層状に剥離しやすいという従来の
無機質繊維を用いた合成砥石の欠点を克服することがで
きる。
【0028】この場合、繊維の半径Rfは2〜30μm
であることが好ましく、各繊維の長さは50〜500m
mであることが好ましい。半径Rfが2μm未満の場合
には、繊維の前処理が困難となり、その結果マトリック
スによる結合力が低下し、30μmを越える場合には、
砥石が高密度となりにくいからである。又、長さが50
0mmを越える場合には、均質な混合物を得ることが困
難だからである。
【0029】さらに、上記の合成砥石に砥粒を含有させ
ることにより、繊維の周面に相当する部分に砥面として
の機能を付与することができ、砥石のすべての面を砥面
として用いることができるようになる。この場合、砥粒
は、0.155Rf〜0.310Rfの粒径を有するもの
を用いることが好ましい。砥粒の大きさを上記の値に限
定するのは、粒径が0.155Rf未満の場合には、研
削能等の向上に寄与しないばかりでなく、砥粒の微粉末
が結合剤中に混入することにより、結合剤が繊維どうし
を結合する力が弱まり、砥石全体が脆くなるからであ
る。一方、粒径が0.310Rfを越える場合には、繊
維が最密充填配置をとることができず、砥石の高密度化
が困難になるからである。
【0030】上記の事項を以下に、より具体的に説明す
る。図1は、同一の半径を有する繊維を、向きを同一方
向に揃えて最密充填配置した場合の断面図である。砥粒
1は3本の繊維2、3及び4の間に生じる隙間5に充填
されるが、繊維2、3及び4が最密充填配置を維持する
には、砥粒1は、3本の繊維2、3及び4の断面の中心
点6を結んで形成される正三角形7の中点8と頂点9を
結ぶ線分10の長さから、繊維の半径Rfを差し引いた
大きさより小さい値の半径を持たなければならない。
【0031】従って、砥粒1の粒径がとりえる最大値は
以下のように算出することができる。まず、繊維2と3
の断面の中心点6どうしを結ぶ線分11を斜辺とする直
角三角形と、正三角形7の中点8と頂点9を結ぶ線分1
0を斜辺とする直角三角形とは相似である。又、線分1
4は双方の直角三角形に共通であり、その大きさはRf
である。従って、砥粒1の中心点15(正三角形7の中
点8)と繊維3と4の接点とを結ぶ線分16の大きさr
fと、線分14の大きさRfとの間には、Rf=√3rf
示される関係があり、√3≒1.732とすると、rf
=Rf/1.732となる。砥粒1の半径の大きさは線
分10の大きさ2rfからRfを差し引いた値であるた
め、2rf−Rf=2Rf/1.732−Rf=0.155
fとなり、砥粒1のとりえる最大粒径は0.310Rf
となる。
【0032】砥粒の粒径がすべて0.310Rfである
場合、上記の正三角形7の面積中、砥粒と繊維により占
められる面積の割合は、約93%となる。一方、砥粒の
粒径を0.155Rf〜0.310Rfとした場合は、上
記の割合は、繊維の配置の仕方にもよるが、93%〜9
5%以上となり合成砥石をより高密度とすることができ
る。
【0033】上記の合成砥石は、例えば、以下のように
して製造される。まず、樹脂液を調製し、砥石に砥粒を
含有させる場合は、この段階で砥粒を樹脂液に混合す
る。次に、30cmの長さに切断した無機質から成る繊
維を一定方向に揃えた状態で上記の樹脂液に含浸させ、
所定の厚さを有する未熟成のプリプレグ板を得る。次い
で、上記のプリプレグ板を室温より10〜20℃高めの
雰囲気で約1時間放置した後、予熱された金型内に装填
する。0.5〜1.5t/cm2の圧力、130〜18
0℃の温度で50〜100分間処理し、合成砥石を得
る。
【0034】本発明において、合成砥石は、積層構造を
有してもよく、その場合には、各層が、略同一の半径を
有する繊維を向きを同一方向に揃えて最密充填配置して
成るとともに、各層を、互いに隣接する層の繊維の向き
が異なるように配置したものであることが好ましい。さ
らに、この場合において、繊維は隣接する層間で略直角
に配向することが好ましい。上記のような積層構造を採
用することにより、砥石の積層面を用いて研削等を行う
場合の耐折性が向上する。又、繊維を隣接する層間で略
直角に配向した場合には、さらに、砥石の積層面を任意
の方向に動かして研削等を行う場合の耐折性が向上する
という利点がある。
【0035】上記の積層構造において、各層を構成する
合成砥石は1〜5mmの厚さを有することが好ましい。
1mm未満の場合は、砥石の製造工程が煩雑になるとい
う不都合があり、5mmを越える場合は、砥石が層間に
おいて剥離しやすくなるからである。
【0036】なお、上記の積層構造を採用した場合にお
いても、砥粒を含有させることにより、繊維の周面に相
当する部分に砥面としての機能を付与することができ
る。この場合、砥粒は0.155Rf〜0.310Rf
粒径を有するものを用いることが好ましい。即ち、図2
に示すように、上層の下端に位置する繊維17と下層の
上端に位置する繊維18の接触を維持しつつ、各層間に
充填され得る砥粒1の最大粒径、即ち、最密充填配置を
維持するための最大粒径は0.310Rfであることが
図1より明らかである。従って、0.310Rfを越え
る粒径を有する砥粒を用いた場合には、各層内の繊維が
最密充填配置をとることができないため好ましくない。
【0037】上記の積層構造を有する合成砥石の製造
は、調製したプリプレグ板を、各層の繊維の向きが所定
の方向となるように重ね合わせた後、室温より10〜2
0℃高めの雰囲気で約1時間放置し、さらに高温・高圧
処理を行うことにより製造される。
【0038】本発明の合成砥石は、1〜25mmの長さ
及び2〜30μmの半径Rfを有する短繊維が三次元方
向に絡み合った構造を有していてもよい。繊維は合成砥
石の全体に均等に分散していることが好ましい。この場
合において、砥粒を含有させれば、砥石の研削能をさら
に向上させることができる。砥粒はRf〜2Rfの粒径を
有することが好ましい。
【0039】このような構造を採用することにより、合
成砥石の耐折性及び強靱性が向上する。
【0040】この場合において、繊維の長さは1〜25
mmであることがより好ましいが、1mm未満の場合
は、繊維どうしの絡み合いが悪くなるため耐折性及び強
靱性が低下する。一方、25mmを越える場合は、繊維
の均等な分散が困難となり、合成砥石に耐折性及び強靱
性の小さい部分が生じる。
【0041】又、繊維の半径Rfが2μm未満の場合に
は繊維自体の製造が困難であり、30μmを越える場合
には、無機質から成る繊維は剛性が大きいこと、及び繊
維間の間隔が大きくなることから砥石を高密度とするこ
とができず、繊維どうしの柔軟かつ自在な絡み合いが困
難となり、合成砥石の研削能力等が低下する。
【0042】砥粒の粒径はRf〜2Rfであることが好ま
しい。無機質から成る繊維は剛性が大きいため、繊維の
半径より大きい粒径を有する砥粒を用いても、合成砥石
を高密度とすることが可能である。しかし、粒径がRf
未満の場合には、マトリックスの結合力が低下する。
【0043】上記の短繊維を用いた合成砥石は、前記の
長繊維を用いた砥石に準じた方法にて製造される。
【0044】本発明の合成砥石は、長繊維を用いた前記
の合成砥石から成る層の間に、短繊維を用いた上記の合
成砥石を配置した構成としてもよい。長繊維を用いた合
成砥石は、繊維の向きを同一方向に揃えて最密充填配置
させたものであってもよく、又は、そのような合成砥石
を、隣接する層間で繊維の向きが異なるように積層した
ものであってもよい。
【0045】長繊維を含む層の間に短繊維を含む層を配
置することにより、短繊維を含む層と長繊維を含む層の
境界において短繊維が長繊維と絡み合い、かつ、その大
部分の短繊維は長繊維から成る層内に、ほぼ垂直に進入
して長繊維とからみあうため、砥石の耐折性及び強靱性
が向上する。
【0046】このような短繊維を含む層と長繊維を含む
層から成る合成砥石において、短繊維を含む層の厚さは
1〜25mmであることが好ましい。1mm未満の場合
は砥石の製造工程が煩雑となり、25mmを越える場合
は層間剥離が起きやすくなるからである。
【0047】又、長繊維を含む層の厚さも1〜25mm
であることが好ましい。1mm未満の場合は、積層工程
が煩雑となり、25mmを越える場合は層間剥離が起き
やすくなるからである。
【0048】本発明の合成砥石は、適宜な寸法に加工し
た上で、鉄、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅
合金等の金属;石材;セラミックス、単結晶シリコン、
非結晶シリコン等の非金属等の切断、搾孔、研削、研磨
等に用いられる加工具として、これらの素材を平板棒
状、丸棒状等の形状に加工する際等に使用することがで
き、又、錆落とし、バリ取り等として使用することもで
きる。
【0049】
【実施例】以下、本発明を実施を用いてさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例によって限定される
ものではない。
【0050】(実施例1) 砥粒として住友石炭鉱業株
式会社製 SCMファインダイヤ(粒径2〜4μm)を
用い、無機質から成る繊維として直径約20μmの株式
会社ニチビ製の繊維を長さ約200mmに切断したもの
を用い、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いて合成
砥石を製造し、NAK55型材を乾式研削した。
【0051】合成砥石の製造は以下のように行った。ま
ず、砥粒10体積%、繊維80体積%及びエポキシ樹脂
10体積%から成る混合物を調製した。エポキシ樹脂
は、エポキシ(AER331、旭化成工業社製)、10
0重量部に対して、硬化剤としてテトラヒドロメチル無
水フタール酸(HN2200、日立化成株式会社製)を
75重量部及びイミダゾール(2E4MZ−CN、四国
化成株式会社製)1重量部を加えて調製した。この混合
物を金型内に流し込み、金型内の圧力を400kgf/
cm2、温度を130℃として30分間、混合物を加熱
・加圧した後、圧力を800kgf/cm2、温度を1
70℃としてさらに40分間処理することにより、繊維
が同一方向に細密充填配置された合成砥石を製造した。
【0052】研削は、研削液を用いずに乾式の条件下で
行った。
【0053】(比較例1) 混合物の加圧の際に、金型
内の圧力を100kgf/cm2とした以外は実施例1
と同様の材料及び条件で合成砥石を製造し、実施例1と
同様の条件下で乾式研削を行った。
【0054】(比較例2) 砥粒として平均粒径が70
μmのものを使用した以外は実施例1と同様の材料及び
条件で合成砥石を製造し、実施例1と同様の条件下で乾
式研削を行った。
【0055】(比較例3) 砥粒を含有させずに、繊維
と樹脂の割合を、それぞれ55体積%及び45体積%と
した以外は、実施例1と同様の材料及び条件で合成砥石
を製造し、実施例1と同様の条件下で乾式研削を行っ
た。
【0056】比較例1の合成砥石は密度が小さいため、
研削を行った場合に研削能が低いとともに、機械的強度
が弱く、繊維がばらけるという不都合があった。比較例
2の合成砥石は、砥粒の粒径が大きすぎたため、繊維が
最密充填構造をとることができないことから、合成砥石
が高密度とならず、又、結合力の不足のため、研削を行
うことができなかった。又、比較例3の合成砥石は、砥
材の含有量が少ないことから研削力が十分ではなかっ
た。
【0057】一方、実施例1の合成砥石は、高密度であ
るとともに、大きな機械的強度を有し、又、研削の際
に、砥石を運動させる方向のいかんにかかわらず良好な
研削を行うことができた。
【0058】
【発明の効果】本発明の合成砥石は、結合剤にて繊維
間、砥粒間及び繊維と砥粒の間を強固に結合させている
ため、機械的強度が大きく、研削等の際に繊維が層状に
剥離することがない。又、結合剤で固める際に所定の圧
力をかけるため、合成砥石を高密度とすることができ、
十分な研削能力を得ることができる。
【0059】本発明の合成砥石において、所定の径及び
長さを有する長繊維を同一方向に最密充填配置させた場
合には、研削面における繊維の刃先が揃うという利点が
ある。又、このような砥石に砥粒を含有させることによ
り、繊維の周面に相当する砥石の部分にも研削能力を付
与することができる。
【0060】又、このような合成砥石から成る層を、隣
接する層間において、繊維の方向が異なるように積層し
た構造とすることにより、さらに、砥面として機能を有
する砥石表面の割合を増大させることができるととも
に、砥石の耐折性を向上させることができる。
【0061】又、本発明の合成砥石において、所定の径
及び長さを有する短繊維を三次元方向に絡み合わせる構
成とすれば、砥石に三次元方向における強靱性を付与す
ることができる。さらに、前記の積層構造を有する合成
砥石から成る層の間に、上記の短繊維を用いた合成砥石
を配置した場合には、さらに砥石の研削能を向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の合成砥石の一例における繊維間への
砥粒の充填状態を示す断面図である。
【図2】 本発明の合成砥石の他の例における繊維間へ
の砥粒の充填状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・最大粒径を有する砥粒、2・・・繊維、3・・・繊維、
4・・・繊維、5・・・繊維間の隙間、6・・・繊維の断面の中
心点、7・・・繊維の断面の中心点を結んで形成される正
三角形、8・・・正三角形7の中点、9・・・正三角形7の頂
点、10・・・中点8と頂点9を結ぶ線分、11・・・繊維2
と3の断面の中心点6どうしを結ぶ線分、14・・・線
分、15・・・砥粒の中心点、16・・・砥粒の中心点15と
繊維3と4の接点とを結ぶ線分、17・・・上層の下端に
位置する繊維、18・・・下層の上端に位置する繊維、1
9・・・他の砥粒。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砥材を結合剤にて結合して形成した合成
    砥石であって、 該砥材及び結合材を含有する混合物を0.5〜1.5t
    /cm2の圧力で処理することにより形成され、 該砥材が全体の60〜95体積%、該結合剤から成るマ
    トリックスが全体の5〜40体積%を占めることを特徴
    とする合成砥石。
  2. 【請求項2】 該結合剤が熱硬化性樹脂である請求項1
    に記載の合成砥石。
  3. 【請求項3】 該砥材が無機質から成る繊維である請求
    項1又は2に記載の合成砥石。
  4. 【請求項4】 該砥材が、さらに、所定の粒径を有する
    砥粒を含有し、該砥粒の含有量が合成砥石全体の10体
    積%以下である請求項3に記載の合成砥石。
  5. 【請求項5】 該繊維が50〜500mmの長さ及び2
    〜30μmの半径Rfを有し、略同一の半径Rfを有する
    該繊維を同一方向に最密充填配置させた請求項3に記載
    の合成砥石。
  6. 【請求項6】 該砥材がさらに砥粒を含有し、該砥粒の
    含有量が合成砥石全体の10体積%以下であり、該砥粒
    が0.155Rf〜0.310Rfの粒径を有する請求項
    5に記載の合成砥石。
  7. 【請求項7】 積層構造を有し、 各層において、該繊維は50〜500mmの長さ及び2
    〜30μmの範囲内にある略同一の半径Rfを有し、か
    つ、同一方向に最密充填配置され、 隣接する層間で該繊維が最密充填配置される方向が異な
    る請求項3に記載の合成砥石。
  8. 【請求項8】 該砥材がさらに砥粒を含有し、該砥粒の
    含有量が合成砥石全体の10体積%以下であり、 各層において、該砥粒は0.155Rf〜0.310Rf
    の粒径を有する請求項7に記載の合成砥石。
  9. 【請求項9】 隣接する層間で該繊維が略直角に配向す
    る請求項7又は8に記載の合成砥石。
  10. 【請求項10】 1〜25mmの長さ及び2〜30μm
    の半径Rfを有する該繊維が三次元方向に絡み合った請
    求項3に記載の合成砥石。
  11. 【請求項11】 該砥材がさらに砥粒を含有し、該砥粒
    の含有量が合成砥石全体の10体積%以下であり、 該砥粒はRf〜2Rfの粒径を有する請求項10に記載の
    合成砥石。
  12. 【請求項12】 積層構造を有し、 請求項5〜9のいずれかに記載の合成砥石から成る層の
    間に請求項10又は11に記載の合成砥石から成る層を
    配置したことを特徴とする合成砥石。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかに記載の合
    成砥石を用いたことを特徴とする加工具。
JP5892196A 1996-03-15 1996-03-15 合成砥石 Withdrawn JPH09254038A (ja)

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