JPH09253801A - 連続鋳造用鋳型 - Google Patents

連続鋳造用鋳型

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JPH09253801A
JPH09253801A JP7047596A JP7047596A JPH09253801A JP H09253801 A JPH09253801 A JP H09253801A JP 7047596 A JP7047596 A JP 7047596A JP 7047596 A JP7047596 A JP 7047596A JP H09253801 A JPH09253801 A JP H09253801A
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JP
Japan
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mold
film
slab
wall
cast slab
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Pending
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JP7047596A
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English (en)
Inventor
Hideo Mizukami
英夫 水上
Masayuki Kawamoto
正幸 川本
Fumio Kawahigashi
文雄 川東
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】連続鋳造用鋳型を提供する。 【解決手段】鋳型の内面壁に複数の孔部を設けた皮膜を
有する連続鋳造用鋳型であって、皮膜材質はNi又はNi−
Cr、その厚みは50〜300 μm 、孔部形状は直径20〜100
μm 及び深さ50〜200 μm の円筒形、孔部の最近接中心
間距離は孔部直径の 1.1〜2.5 倍であるもの。 【効果】鋳型の冷却条件を適切に決定し、包晶鋼などの
割れやすい鋳片の表面性状を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼鋳片の表面欠陥
発生を抑制するための連続鋳造用鋳型に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造においては、鋳片表面の品
質を向上させるため、鋳片表面の縦割れまたは横割れな
どの表面欠陥の発生を防止することが必要である。これ
には鋳片表面の形成を支配する初期凝固制御技術の確立
が必要であり、従来、鋳型の内面壁の構造の観点からも
数多くの制御技術が提案されてきた。しかし、包晶鋼ま
たはステンレス鋼に代表されるように、凝固過程でδ/
γ変態が介在する鋼種においては、δ相とγ相との凝固
収縮率および機械的性質が異なるため初期凝固制御は困
難であり、従来の連続鋳造用鋳型を用いる方法では鋳片
表面欠陥の発生を抑制することは困難である。
【0003】鋳型内で形成される初期凝固シェルの成長
を抑制するために、鋳型の材質を変えて熱伝導率を小さ
くすることにより冷却速度を低下させ、鋳片表面性状の
向上を図る方法がある。また、連続鋳造用フラックスの
組成を変えてフラックスの凝固点や界面張力を変化させ
ることにより、鋳型と鋳片との間の熱伝達挙動を変えて
鋳片表面の性状を制御する方法も試みられている。
【0004】しかしながら、鋳型の熱伝導率を小さくす
ると鋳型の温度が上昇し、鋳型で発生する熱応力が鋳型
の弾性応力限界を超えてしまう。このため鋳型が塑性変
形して寸法精度が低下し、連続鋳造が不可能となる。ま
た、連続鋳造用フラックスの組成を変える方法では、鋳
型の幅方向において鋳型と鋳片との間に溶融フラックス
を均一に流入させることが困難であるため、鋳片から鋳
型へ流れる熱量が不均一となり、鋳型内の初期凝固を制
御することが困難である。
【0005】特開平6−297103号公報には、鋳型内面で
メニスカスから20〜150mmの範囲に複数の凹凸を設
けた連続鋳造用鋳型が提案されている。この凹凸によっ
て、鋳型と凝固シェルとの間に形成されるフラックスの
固着層に細かな厚みのむらを積極的に形成させること
で、凝固シェルの形成時に悪影響を及ぼすフラックスの
固着層厚みのむらが解消される。この結果、凝固シェル
の厚みを均一にすることができるため、鋳片の割れを防
止することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平6−29
7103号公報に示される鋳型では、凹凸の直径が0. 1〜
3mmと大きいために溶融フラックスが凹凸部に流入し、
凹凸内部で固着する。鋳型と鋳片との間の潤滑材として
使用されるフラックスが凹凸部で固着し、これが鋳片と
鋳型壁との間の摩擦力の増大をもたらし、逆に潤滑が妨
げられる。このため、鋳型内のメニスカス近傍で形成さ
れる高温強度の極めて小さい凝固シェルに摩擦力が働
き、凝固シェルが鋳型に拘束されて鋳型下方への引き抜
き力に反発することとなり、凝固シェルが破断する。
【0007】本発明は上記の課題を解決するためになさ
れたものである。本発明の目的は、連続鋳造用鋳型の内
面壁に形成させる孔部の直径および深さを適切に選択
し、鋳型抜熱量を低下させ、鋳片を緩冷却化すること
で、鋳片の表面割れなどの欠陥発生の抑制を可能とする
鋳型を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は次の連続
鋳造用鋳型にある。
【0009】鋳型の内面壁に複数の孔部を設けた皮膜を
有する連続鋳造用鋳型であって、皮膜の材質はNiまた
はNi−Cr、皮膜の厚みは50〜300μm 、孔部の
形状は直径20〜100μm および深さ50〜200μ
m の円筒形、孔部の最近接中心間距離は孔部の直径の
1.1〜2.5倍であることを特徴とする連続鋳造用鋳
型。
【0010】この鋳型は、縦型または水平型を問わず全
ての方式の連続鋳造に適用することができる。このと
き、鋼種や鋳片の形状も問わないが、割れが発生しやす
い包晶鋼やステンレス鋼のスラブ状鋳片を鋳造する場合
に用いるのが望ましい。その際の鋳造速度の望ましい範
囲は0.5〜5.0m/min 、鋳型振動幅の望ましい範囲
は2〜15mm、望ましい周期の範囲は50〜300cpm
である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の連続鋳造用鋳型は、鋳型
の内面壁にNi皮膜またはNi−Cr皮膜を厚み50〜
300μm で形成させ、この皮膜に直径20〜100μ
m 、深さ50〜200μm の円筒形の複数の孔部を、孔
部の最近接中心間距離が孔部の直径の1.1〜2.5倍
となるように規則的に配列したものである。
【0012】図1および図2により、本発明の連続鋳造
用鋳型の鋳型壁の構成を説明する。
【0013】図1は鋳型壁の水平断面の一部を模式的に
示す図である。図2は鋳型内面壁の例を示す正面図であ
る。図1に示すように、鋳型壁の母材である板1の内面
壁には、耐摩耗性を付与するためにNi皮膜またはNi
−Cr皮膜2を形成する。板1の材質は通常用いられる
銅または銅合金などであり、水などの冷却材により冷却
が施される。皮膜2の厚みtの範囲は50〜300μm
とする。皮膜の形成は、めっきまたは溶射などの方法を
用いて行う。鋳造方向における皮膜2形成の望ましい範
囲は、鋳型の上流側端部から400mm程度までである。
【0014】さらに皮膜2には、直径Rが20〜100
μm 、深さdが50〜200μm の円筒形の孔部3を複
数で設ける。
【0015】孔部3の配列は、孔部3の最近接中心間距
離Lが孔部3の直径Rの1.1〜2.5倍となるように
規則的に行う。図2の場合はL=2.0Rの例である。
ただし、孔部3が鋳型のコーナー部にはかからないよう
な配列を選択するのが望ましい。上記の条件を満たせ
ば、孔部3の配列は図2に示すような直行配列に限定さ
れない。
【0016】孔部3の直径Rが20μm 未満では、直径
Rを寸法精度よく加工することが困難である。一方、直
径Rが100μm を超えると溶融フラックスが孔部3中
に流入して固まり、フラックス固着層の形成を助長する
ことになる。
【0017】孔部3の深さdの下限は皮膜の厚みtの下
限50μm で定まる。一方、深さdが200μm を超え
ると加工時の寸法精度が低下し、所定の冷却条件が得ら
れなくなる。
【0018】孔部3の最近接中心間距離Lが孔部3の直
径Rの1.1倍未満では、鋳型の冷却能が小さくなりす
ぎ、凝固シェルの成長が不十分となる。一方、2.5倍
を超えると鋳型の緩冷却効果が低下し、凝固シェルの発
達が不均一となり、鋳片に表面欠陥が発生する。最も望
ましいのは2.0倍、すなわちL=2.0Rである。
【0019】孔部3の形成のための凹凸加工は、皮膜2
を形成させた後、エキシマ・レーザ法(出力80W程
度、波長248nm程度)または電気孔食法(電流密度
0.01mA/cm2程度、0.1N-NaCl 溶液)を用いて
行う。レーザ加工の場合にエキシマ・レーザ法に特定す
るのは、この方法が炭酸ガスレーザなどの他のレーザと
異なり、加工後の孔部の寸法精度が極めてよく、所定の
形状の加工が可能であるからである。
【0020】鋳型の内面壁にNi皮膜またはNi−Cr
皮膜を形成させるのは、鋳型壁の板の耐磨耗性の向上と
ともに、エキシマ・レーザ加工または電気孔食加工を可
能にするためである。
【0021】Ni皮膜またはNi−Cr皮膜の厚みtの
範囲を50〜300μm とすることで、鋳型から鋳片に
対する冷却条件が最適化される。すなわち、鋳型内で形
成される鋳片の凝固に伴うδ/γ変態に要するC、Pお
よびMnなどの溶質元素の拡散が十分となり、δ/γ変
態が容易に完了する。このため、鋳片に作用する熱応力
が均一となって鋳片表面割れが抑制され、表面品質が向
上する。皮膜の厚みtが50μm 未満となって鋳型から
の冷却が強くなると、δ/γ変態が未完了である場合が
生じ、鋳片に作用する熱応力に分布が生じる。この結
果、鋳片の幅方向位置により引張応力または圧縮応力が
作用し、鋳片に表面割れが発生する。一方、300μm
を超えると緩冷却の程度が大きくなりすぎ、所期の冷却
条件が得られなくなる。
【0022】鋳型内面壁と接触した溶融フラックスは急
速に冷却されて固化するとともに、溶融フラックスの表
面張力が作用するため、溶融フラックスは直径Rが20
〜100μm の孔部3には流入しない。このため鋳型内
面壁にフラックスの固着層が形成されず、フラックスの
厚みが均一となり、冷却も均一となる。
【0023】このとき、孔部3の内部には空気層が存在
するため熱伝導率が小さくなり、鋳片の緩冷却化が可能
となる。また、鋳型と鋳片との拘束がなくなることで鋳
片に応力が作用せず、表面性状の良好な鋳片の製造が可
能となる。
【0024】本発明の鋳型は、縦型または水平型を問わ
ず全ての方式の連続鋳造に適用することができる。この
とき、鋼種や鋳片の形状も問わないが、割れが発生しや
すい包晶鋼やステンレス鋼のスラブ状鋳片を鋳造する場
合に用いるのが望ましい。その際の鋳造速度の望ましい
範囲は0.5〜5.0m/min 、鋳型振動幅の望ましい範
囲は2〜15mm、望ましい周期の範囲は50〜300cp
m である。
【0025】
【実施例】表1に示す組成の溶鋼(包晶鋼)を対象にし
て、縦型連続鋳造機を用い、表2および表3に示す鋳造
条件および鋳型内壁面の皮膜条件で鋳造を行い、鋳型内
面壁の孔部へのフラックスの流入状況および鋳片の表面
性状を調査した。
【0026】NiまたはNi−Cr 膜および孔部の形
成は、鋳型内面壁の全長にわたって行い、鋳型の冷却条
件は、皮膜の厚み、孔部の形状および最近接中心間距離
を変えることにより変化させた。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】表3に示すように、Ni皮膜またはNi−
Cr皮膜の厚みtは45〜310μm 、孔部の直径Rは
10〜110μm 、孔部の深さdは45〜210μm 、
孔部の最近接中心間距離Lは孔部の直径Rの1.0〜
3.0倍で変化させた。
【0031】孔部へのフラックス流入の評価は目視判定
による有無で行い、内部に充填がない場合を○印、ある
場合を×印で表示した。鋳片表面欠陥の発生の評価は、
通常の連続鋳造で使用されているNi皮膜を鋳型の内壁
面に形成させたときの鋳片表面割れ(鋳片の単位長さ当
たりの割れ長さ)を1.0とした基準に対する指数で行
った。表3に調査結果を併せて示す。
【0032】表3に示すように、本発明で定める条件を
全て満たす場合、鋳片表面欠陥の発生指数が低くなっ
た。発生指数は、特に最近接中心間距離L=2.0×孔
部の直径Rとした本発明例の試験番号7の場合に最低と
なり、最も鋳片の表面品質が向上した。
【0033】
【発明の効果】内面壁に適切な形状の孔部を設けた皮膜
を有する本発明の鋳型によれば、包晶鋼などの割れやす
い鋼種に対しても鋳型冷却条件を適切に決定することが
できるため、鋳片の表面性状を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明鋳型の壁の水平断面の一部を模式的に示
す図である。
【図2】本発明鋳型の内面壁の構成例を示す正面図であ
る。
【符号の説明】
1:鋳型壁の母材板、 2:NiまたはNi−Cr皮膜、 3:孔部、 t:皮膜2の厚み、 d:孔部3の深さ、 R:孔部3の直径、 L:孔部3の最近接中心間距離

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋳型の内面壁に複数の孔部を設けた皮膜を
    有する連続鋳造用鋳型であって、皮膜の材質はNiまた
    はNi−Cr、皮膜の厚みは50〜300μm 、孔部の
    形状は直径20〜100μm および深さ50〜200μ
    m の円筒形、孔部の最近接中心間距離は孔部の直径の
    1.1〜2.5倍であることを特徴とする連続鋳造用鋳
    型。
JP7047596A 1996-03-26 1996-03-26 連続鋳造用鋳型 Pending JPH09253801A (ja)

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JP7047596A JPH09253801A (ja) 1996-03-26 1996-03-26 連続鋳造用鋳型

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JP7047596A JPH09253801A (ja) 1996-03-26 1996-03-26 連続鋳造用鋳型

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JP (1) JPH09253801A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016168610A (ja) * 2015-03-13 2016-09-23 Jfeスチール株式会社 鋼の連続鋳造方法
JP2018149602A (ja) * 2018-05-24 2018-09-27 Jfeスチール株式会社 鋼の連続鋳造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016168610A (ja) * 2015-03-13 2016-09-23 Jfeスチール株式会社 鋼の連続鋳造方法
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