JPH09253705A - 棒鋼・線材圧延機とその制御方法 - Google Patents

棒鋼・線材圧延機とその制御方法

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JPH09253705A
JPH09253705A JP7052296A JP7052296A JPH09253705A JP H09253705 A JPH09253705 A JP H09253705A JP 7052296 A JP7052296 A JP 7052296A JP 7052296 A JP7052296 A JP 7052296A JP H09253705 A JPH09253705 A JP H09253705A
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JP
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stand
motor
stands
wire rod
roll
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JP7052296A
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Naoyuki Kuroda
直行 黒田
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 4スタンド構成とされた棒鋼・線材圧延機に
おいて、各スタンドでは、1台のモータから分配歯車装
置を介して取り出した所定回転数の駆動により、各々ロ
ール駆動が行われるようになっている。そのため、各ス
タンドでの減面率を変更しようとするには、分配歯車装
置に歯車切換装置を設ける必要があった。しかし、この
ようにしても、切り換えが段階的となり、所望の減面率
を得ることができない場合があった。 【解決手段】 第1スタンド18には、他のスタンド2
0,22,24へロール駆動を伝えるモータ9とは別個
独立したモータ8によってロール駆動を伝えるようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、棒鋼・線材圧延機
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6は、棒鋼・線材用のサイジングブロ
ックミル70の一例を模式的に示したもので、Lは圧延
ラインであり、このミル70は、2ロールタイプの4つ
のスタンド71〜74が互いにロール軸線を直交させて
並べられ、各スタンド71〜74には分配歯車装置75
を介して1台のモータ76から駆動が伝えられる構成と
なっている。各スタンド71〜74による圧延で材料
(以下、「圧延材」と言う)の断面積が減少する割合
(以下、「減面率」と言う)は、各スタンド71〜74
間のロール回転数比率と一致している(マスフロー一定
則)が、上記のように各スタンド71〜74が分配歯車
装置75によって連動関係にあるため、各スタンド71
〜74の減面率も相対的に固定されていることになる。
【0003】この種、4スタンド構成のサイジングブロ
ックミル70では、入側の2スタンド71,72におい
て比較的大きな減面率の圧延(15%にすることもあ
る)を行って圧延材の寸法変動を除去し、また出側の2
スタンド73,74では減面率の小さな圧延(10%を
超えない範囲)を行って精密寸法へ仕上げるという方法
が一般に採られる。なお、3スタンド構成の場合(図示
略)には、第2スタンドで減面と仕上げとの双方に考慮
した圧延を行うことがある。
【0004】ところで、製品の寸法精度を高めるために
は、サイジングブロックミル70に対する入側の圧延材
(以下、「入側圧延材」と言う)の断面サイズを、得よ
うとする製品サイズごとに異ならせるのが理想である
が、このようにすると、サイジングブロックミル70よ
り上流側の圧延機(図示略)でもサイズ替え段取作業を
行わなければならず、またロールガイド(図示略)の種
類や保有数を豊富に揃えておく必要がある等、不都合な
面が多い。
【0005】そこで同一断面サイズを有する入側圧延材
から、異なるサイズの製品を圧延すること(即ち、入側
圧延材の共通化を図ること)の必要性が生じ、そのため
に従来では分配歯車装置75による制約を受けない第1
スタンド71と、これより上流側の圧延機(図示略)と
の間で減面率を増減調節させることが行われている。し
かし、第1スタンド71での減面率は、第2スタンド7
2以下での減面率と密接な関係を有しており、従って単
独で増減できる範囲は自ずと制限されていた(基準設定
減面率に対し、せいぜい0.85〜1.15倍であっ
た)。
【0006】このような事情から、上記した分配歯車装
置75に歯車切換機構(図示略)を設けることにより、
各スタンド71〜74のロール回転数比率を可変にする
ことが考えられている(1994年1月に大同特殊鋼株
式会社 技術開発研究所内電気製鋼研究会から頒布され
た「電気製鋼第65巻第1号」の第82頁乃至第83頁
参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記歯車切換
機構では、構造上、切換可能なロール回転数比率を段階
的にしか調節できなかった(実際には2段階程度)。そ
のため、入側圧延材の断面サイズと製品サイズとの関係
によっては、歯車切換機構による切換だけでは対処不能
となる場合があり、結局、サイジングブロックミル70
よりも上流側の圧延機でサイズ替え段取作業を行う必要
が生じていた。
【0008】上記した対処不能となる場合の一例を挙げ
る。表1は、各スタンド71〜74のロール回転数Nn
n はスタンド番号)の比率につき、N1 /N2 を0.
87と0.92、N2 /N3 =N3 /N4 を0.96と
0.92の各2段階切換とした場合における、各パスの
減面率を示している。
【0009】
【表1】
【0010】なお、第2パス及び第4パスの出側で圧延
材の断面が円形となるようにするため、第1パスと第2
パス、及び第3パスと第4パスの基準減面率はそれぞれ
同じ組み合わせにしてある。また、第2パスの出側で仕
上げを完了させ、第3及び第4スタンド73,74をダ
ミーパスとする場合と、第1及び第2スタンド71,7
2をダミーパスとして第3及び第4スタンド73,74
だけで圧延を行う場合とについても併記した。
【0011】この表1から明らかなように、第1パス及
び第2パスの減面率E1 ,E2 は13%と18%、第3
パス及び第4パスの減面率E3 ,E4 は4%と8%であ
り、サイジングブロックミル70の全体としての合計減
面率は最大のときで45%になるものであった。この合
計減面率は、4スタンド全部で圧延する場合には式1を
用いて算出することができる。
【0012】
【数1】
【0013】また、第1及び第2スタンド71,72だ
けで圧延する場合には式2を、第3及び第4スタンド7
3,74だけで圧延する場合には式3を用いて、それぞ
れ算出することができる。
【0014】
【数2】
【0015】
【数3】
【0016】従って例えば、合計減面率の最大のときを
利用して直径9mmの製品を得ようとする場合であれ
ば、入側圧延材の直径dは、式4より、
【0017】
【数4】
【0018】すなわち、直径12.1mmの入側圧延材
を用いればよいことになる。ところが、この入側圧延材
を用いて仮に直径11mmの製品を得ようとする場合の
合計減面率は、式5より、
【0019】
【数5】
【0020】すなわち、17.4%の合計減面率が必要
になるが、合計減面率が17.4%となるような減面率
の組み合わせ態様は上記表1には無い。このことからも
明らかなように、このような入側圧延材の断面サイズと
製品サイズとの関係では、サイジングブロックミル70
よりも上流側の圧延機(図示略)でサイズ替え段取作業
が必要になるわけである。
【0021】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、サイジングブロックミル等として用いること
ができる棒鋼・線材圧延機において、各スタンドによる
合計減面率の調節が必要に応じて所定範囲で設定変更で
きるようにして、それよりも上流側圧延機でのサイズ替
え段取作業等を抑制できる等の利点が得られるようにす
ると共に、この合計減面率の調節が容易且つ迅速に行え
るようにした棒鋼・線材圧延機を提供することを目的と
する。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、複数
のスタンドを有する棒鋼・線材圧延機において、第1ス
タンドに、該第1スタンド以外のスタンドへロール駆動
を伝えるモータとは別個独立したモータを設けたのであ
る。
【0023】このように第1スタンドでのロール駆動を
行うモータと、第1スタンド以外(4スタンド構成であ
るときの第2、第3、第4スタンド)でのロール駆動を
行うモータとが別個であるので、第1スタンドに設けた
ロール駆動モータを、それ以外のスタンドに設けたロー
ル駆動モータとは切り離し制御して、独自に減面率調整
することができるものである。また、これを換言すれ
ば、第1スタンド以外のスタンドに設けたロール駆動モ
ータを、第1スタンドに設けたロール駆動モータとは切
り離し制御して、特に、第2スタンドにポイントをおい
た減面率調整を行うことが可能になるということにな
る。
【0024】これにより、同一サイズの入側圧延材から
異なるサイズの製品を得るに際して、上流側圧延機での
サイズ段取作業等を殆ど必要ないものとできる。また、
第2スタンドで減面率が固定されるという制約が無くな
るので、第2スタンド出側で要求される圧延材の断面形
状を、第1及び第2スタンドの2パスで仕上げることが
できるということになる。このことはまた、第2スタン
ドをリーダ材造形パスとして機能させる場合に、リーダ
断面を容易且つ所望通り調整できるという利点につなが
る。
【0025】また、本発明は、複数のスタンドと、モー
タ入力軸及び各スタンドへ接続用の出力軸が設けられた
分配歯車装置と、該分配歯車装置のモータ入力軸に接続
されるモータとを有し且つロール交換をスタンド組替に
よって行うように成された棒鋼・線材圧延機において、
組替用スタンドとして、分配歯車装置へ接続用の軸とロ
ール軸との間に設けられる伝動手段の増減速比が異なる
複数種のものを準備しておき、これらを組替可能に構成
した。
【0026】このような構成であれば、ロール交換のみ
ならず、ロール回転数の変更についてもスタンドの組替
作業によって容易且つ迅速に行えることは言うまでもな
い。しかも、組替用スタンドがそれぞれ伝動手段の増減
速比を異ならせているため、わざわざ分配歯車装置側で
の複雑な歯車交換等をしなくても、伝動手段の増減速比
と分配歯車装置によるロール回転数比率との掛け合わせ
態様を幅広くできることになる。そのため、結果とし
て、合計減面率を無段階で調節するといったことも可能
になる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の棒鋼・線材圧延機は、複
数のスタンドと、モータ入力軸及び各スタンドへ接続用
の出力軸が設けられた分配歯車装置と、該分配歯車装置
のモータ入力軸に接続されるモータとを備えることがで
きる。この場合にあっては、分配歯車装置は、第1スタ
ンドへ接続用の出力軸に対して歯車列を介して設けられ
る第1のモータ入力軸と、第1スタンド以外のスタンド
へ接続用の出力軸に対して歯車列を介して設けられた第
2のモータ入力軸とを有するものとする。そして、第
1、第2のモータ入力軸に各々別個のモータを接続す
る。
【0028】このように第1スタンドでロール駆動を行
うモータと、第1スタンド以外でロール駆動を行うモー
タとを別個にする構成にしたうえで、分配歯車装置へ接
続用の軸とロール軸との間に設けられる伝動手段の増減
速比が異なる複数種の組替スタンドを組替可能に構成す
れば、なお好適である。さらに、組替用スタンドとし
て、伝動手段が高速・低トルクに設定された細径圧延材
用のものと、伝動手段が低速・高トルクに設定された太
径圧延材用のものとを準備しておくのが好適である。こ
のようにすると、圧延材の太さに拘わらず、モータの動
力−回転数仕様をある程度均一的に得られることになる
ので、設備的な大型化や複雑化を抑制できる利点があ
る。
【0029】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図1は本発明に係る棒鋼・線材圧延機1の第1実
施例を示したもので、図中Lは圧延ラインであり、この
圧延機1は、複数のスタンドを具備したロールスタンド
2と、このロールスタンド2へ向けてスタンド数に応じ
た複数本の出力軸3〜6を突出させるようになった分配
歯車装置7と、この分配歯車装置7に対して設けられる
複数台(図例では2台)のモータ8,9とを有してい
る。
【0030】ロールスタンド2は、ソールプレート13
に対して取り付け又は取り外しが可能な2台のケーシン
グ14,15を有している。そして、一方のケーシング
14にはロール対17を有する第1スタンド18と、ロ
ール対19を有する第2スタンド20とが設けられ、他
方のケーシング15にはロール対21を有する第3スタ
ンド22と、ロール対23を有する第4スタンド24と
が設けられている。
【0031】これら第1〜第4スタンド18,20,2
2,24は、それぞれのロール対17,19,21,2
3のロール軸が水平に対して45°の傾きを有し、且つ
隣接するスタンド間ではロール軸相互が直交するような
X型配置となっている。このロールスタンド2における
ロール交換は、ソールプレート13に対してケーシング
14,15ごとを交換することによる、いわゆるスタン
ド組替方式となっている。26はソールプレート13側
に設けられたケーシング14,15用のクランプ装置で
ある。
【0032】分配歯車装置7において、複数本の出力軸
3〜6は第1〜第4スタンド18,20,22,24に
各対応して設けられたものであるが、このうち第1スタ
ンド18用とされる出力軸3は、増減速用の歯車列26
を介して第1モータ入力軸27へ接続されている。ま
た、第1スタンド18以外の各スタンド20,22,2
4用とされる出力軸4,5,6は、互いを所定回転数比
率で増減速しつつ連動させる歯車列29を介して第2モ
ータ入力軸30へ接続されている。
【0033】各歯車列26,29は互いに噛合するもの
ではないため、第1、第2のモータ入力軸27,30は
各独立して回転可能となっている。そして、第1モータ
入力軸27にはカップリング32を介して一方のモータ
8が接続され、第2モータ入力軸30にはカップリング
33を介して他方のモータ9が接続されている。一方、
第1〜第4スタンド18,20,22,24には、分配
歯車装置7の出力軸3〜6にカップリング35を介して
接続可能とされる軸36と、この軸36に対して接続さ
れた伝動手段37とを有している。
【0034】この伝動手段37は、図2及び図3に示す
ように上記軸36に対し、その軸方向に対して45°又
は135°の交差角を持たせるためのベベルギヤ対38
と、これに対して互いに噛合関係とされる平歯車対39
及びカムワルツ(ピニオンスタンド)40とを有し、こ
のカムワルツ40がロール軸43(図面では第1スタン
ド18におけるロール対17のものを示している)の駆
動歯車部44へ噛合されるようになったものである。こ
のなかで平歯車対39の歯数比組み合わせは、スタンド
側においてロール回転数を支配する主な要素となってい
る。
【0035】このような構成であるから、モータ8の回
転数を変更すべく制御を行った場合、第2〜第4スタン
ド20,22,24でのロール回転数N2 〜N4 とは無
関係に、第1スタンド18のロール回転数N1 を変更調
節することができる。そのため、第1スタンド18と第
2スタンド20とのロール回転数比率は、機械的に0<
〔N1 /N2 〕<1とおくことができる。
【0036】いま、分配歯車装置7の歯車列26によっ
て設定された第2〜第4スタンド20,22,24での
ロール回転数比率N2 /N3 =N3 /N4 を約0.96
とし、これに対して第1スタンド18と第2スタンド2
0とのロール回転数比率N1/N2 を0.80〜0.9
6の範囲で変更できるものとしたとする。これによって
各スタンド18,20,22,24で得られる各パスの
減面率は、表2に示すようになる。
【0037】
【表2】
【0038】この表2から明らかなように本発明に係る
棒鋼・線材圧延機1では、合計減面率を8%〜41%の
間で無段階で調節することができる。なお、第3スタン
ド22及び第4スタンド24をダミーパスとする場合で
は、第2スタンド20での第2パスにおいて精密圧延が
必要になるので、この第2パスでの減面率N2 を10%
に抑えている。
【0039】図4は本発明に係る棒鋼・線材圧延機1の
第2実施例を示したもので、この第2実施例では、分配
歯車装置7に対してモータ9が1台だけ設けられてい
る。すなわち、分配歯車装置7は、第1〜第4スタンド
18,20,22,24に各別に対応する複数本の出力
軸3〜6と、これら出力軸3〜6を互いに所定回転数比
率で増減速しつつ連動させる歯車列46と、この歯車列
46に対して設けられた1本のモータ入力軸47とを有
している。
【0040】出力軸3〜6を介して第1〜第4スタンド
18,20,22,24の各ロール対17,19,2
1,23へ伝えられるロール回転数比率は、歯車列46
の歯数比組み合わせにより、N1 /N2 が0.79、N
2 /N3 =N3 /N4 が0.95となるように設定され
ている。この第2実施例におけるその他の構成は第1実
施例と略同様であるので、同一作用を奏するものに同一
符号を付することでその詳説は省略する。
【0041】この第2実施例では、図示は省略するが、
組替用として準備されるスタンド(実際にはケーシング
14や15として準備するか、又はロールスタンド2全
体として準備するが、場合によっては1台ごとのスタン
ド18,20,22,24として準備する場合を含む)
として、平歯車対39の歯数比組み合わせが異なる複数
種のものがある。
【0042】例えば、平歯車対39における〔大歯車の
歯数〕/〔小歯車の歯数〕の値を134/36、135
/35、136/34の3種類にしたとする。表3は、
第2スタンド20の平歯車対39を134/36に固定
した場合における他スタンドでの歯数組み合わせ例であ
る。なお、第3スタンド22及び第4スタンド24に関
し、表中に(134/36、136/34)として示し
てあるのは、第1スタンド18及び第2スタンド20を
ダミーパスとし、第3スタンド22及び第4スタンド2
4のみで圧延を行う場合を例示したものである。
【0043】
【表3】
【0044】そして、この組み合わせ例につき、上記し
た分配歯車装置7のロール回転数比率と掛け合わせるこ
とにより各スタンド18,20,22,24で得られる
各パスの減面率を表4に示している。
【0045】
【表4】
【0046】この表4から明らかなように第2実施例の
棒鋼・線材圧延機1でも、合計減面率を26.0%〜4
5.3%の間で無段階で調節可能であることが判る。と
ころで、この棒鋼・線材圧延機1をサイジングブロック
ミルとして用いる場合であれば、圧延ラインの最終段に
設置するというのが一般的である。そのため、太径の圧
延材から細径の圧延材まで全てのサイズに適用可能にし
ておく必要がある。
【0047】いま、直径が5.5mm〜15.0mmま
での圧延材に対し、最高圧延速度100m/s、最高理
論圧延能力100t/hの1ストランド線材圧延を行う
とする。図5は、横軸をモータ回転数とし縦軸をモータ
消費動力として、本発明と従来とで、必要となるモータ
9の動力−回転数仕様を比較したグラフである(なお、
分配歯車装置7における各出力軸3〜6の動力−回転数
仕様を比較したグラフとして置き換えて見ることもでき
る)。
【0048】細径圧延材の例として直径7.0mmの場
合(高回転数、高動力となるもの)を点Xとしてプロッ
トし、太径圧延材の例として直径15.0mmの場合
(低回転数、高トルクとなるもの)を点Yとしてプロッ
トした。なお、本発明及び従来のいずれも、「0」から
「ベース回転数」の範囲は定格トルク一定で最高トルク
が発生することになり、「ベース回転数」から「トップ
回転数」の範囲は定格動力一定で最高動力が発生するこ
とになる。
【0049】従来においてモータ設計を行う場合、〔ト
ップ回転数/ベース回転数〕値が3〜4という大きな値
になり、このようなモータ設計は困難であるため、分配
歯車装置に歯車切換機構等を設けるなどの解決策が必要
になっていたわけである。また、モータにおいてはトッ
プ回転数を制限すると共にベース回転数を抑制したかた
ちにする必要があるため、分配歯車装置だけでなく、各
スタンドの入力軸トルク仕様も過大になる傾向にあっ
た。
【0050】これに対して本発明では、組替用スタンド
として、細径圧延材のときには内部増速比が高く高速・
低トルクとなる伝動手段37(図2参照)を有したスタ
ンドを選べばよいし、また太径圧延材のときには内部増
速比が低く低速・高トルクの伝動手段37を有したスタ
ンドを選べばよいものである。しかも、これら組替用ス
タンドの交換は容易且つ迅速に行える。従って圧延材の
太さに拘わらず、〔トップ回転数/ベース回転数〕値は
小さくでき、モータ設計の容易化が図れる。また、ベー
ス回転数を高速回転域で設定できるので、分配歯車装置
7や各スタンド18,20,22,24における入力軸
トルク仕様を小さく抑えることもできる。
【0051】例えば直径15.0mmの太径圧延材の場
合、最高理論圧延能力100t/hを満足させるのに必
要な圧延速度は25m/s程度で十分となり、この値
は、最高圧延速度100m/sの僅か1/4に過ぎな
い。ここで各スタンド18,20,22,24における
平歯車対39の基準増速歯数比率につき、高速圧延用を
134/36とし、低速圧延用を111/59としたと
すると、モータ又は分配機出力軸回転数比率は、次の式
6、即ち、
【0052】
【数6】
【0053】によって明らかなように、低速圧延時には
高速圧延時の更に半分に抑えることができるので、モー
タ9、分配歯車装置7、ロールスタンド2として大型
化、複雑化を防止できることになる。ところで、本発明
は上記各実施例以外にも各種の変更等が可能である。例
えば、第1実施例で示したような複数台のモータ8,9
を用いる場合にも、組替用スタンドとして、伝動手段3
7の増減速比が異なる複数種のものを準備しておくよう
にすることができる。
【0054】スタンド数や各スタンドにおける圧延機構
成(ロール形状やロール本数、ロール配置、及び伝動手
段37の細部構成等)、更にこの棒鋼・線材圧延機1と
して圧延ライン中へ設置する位置等については、適宜変
更可能である。第1スタンド18以外のスタンド20,
2,24に対して、これらに複数台のモータでロール駆
動を伝えるように構成することも可能である。
【0055】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
では、複数のスタンドを有する棒鋼・線材圧延機におい
て、第1スタンドでのロール駆動を行うモータと、これ
以外のスタンドでのロール駆動を行うモータとが別個で
あるので、第1スタンドのロール回転数やそれ以外のス
タンドのロール回転数を互いに切り離した状態で、独自
に制御可能となる。すなわち、これによって第1スタン
ドでの減面率調整や第2スタンドでの減面率調整をそれ
ぞれ独自に行えるので、合計減面率を必要に応じて無段
階で調節できる等の数々の利点が得られる。
【0056】また、本発明は、組替用スタンドとして、
分配歯車装置へ接続用の軸とロール軸との間に設けられ
る伝動手段の増減速比が異なる複数種のものが準備され
た構成であるので、わざわざ分配歯車装置側での複雑な
歯車交換等をしなくても、伝動手段の増減速比と分配歯
車装置によるロール回転数比率との掛け合わせ態様を幅
広くできることになる。そのため、結果として、合計減
面率を無段階で調節するといったことも可能になる。勿
論、ロール交換のみならず、ロール回転数の変更につい
てもスタンドの組替作業によって容易且つ迅速に行える
という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る棒鋼・線材圧延機の第1実施例を
示す平面図である。
【図2】図1における一部(伝動手段)拡大図である。
【図3】図2のA−A線矢視図である。
【図4】本発明に係る棒鋼・線材圧延機の第2実施例を
示す平面図である。
【図5】本発明と従来とでモータの動力−回転数仕様を
比較したグラフである。
【図6】棒鋼・線材圧延機の一般例を説明するための模
式図である。
【符号の説明】
1 棒鋼・線材圧延機 3〜6 出力軸 7 分配歯車装置 8 モータ 9 モータ 18 第1スタンド 20 第2スタンド 22 第3スタンド 24 第4スタンド 26 歯車列 27 第1のモータ入力軸 29 歯車列 30 第2のモータ入力軸 36 接続用軸 37 伝動手段 43 ロール軸 47 モータ入力軸

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のスタンド(18,20,22,2
    4)を有する棒鋼・線材圧延機において、第1スタンド
    (18)には、該第1スタンド(18)以外のスタンド
    (20,22,24)へロール駆動を伝えるモータ
    (9)とは別個独立したモータ(8)が設けられている
    ことを特徴とする棒鋼・線材圧延機。
  2. 【請求項2】 複数のスタンド(18,20,22,2
    4)と、モータ入力軸(27)(30)及び各スタンド
    (18,20,22,24)へ接続用の出力軸(3〜
    6)が設けられた分配歯車装置(7)と、該分配歯車装
    置(7)のモータ入力軸(27)(30)に接続される
    モータ(8)(9)とを有する棒鋼・線材圧延機におい
    て、上記分配歯車装置(7)は、第1スタンド(18)
    へ接続用の出力軸(3)に対して歯車列(26)を介し
    て設けられる第1のモータ入力軸(27)と、第1スタ
    ンド(18)以外のスタンド(20,22,24)へ接
    続用の出力軸(4〜6)に対して歯車列(29)を介し
    て設けられた第2のモータ入力軸(30)とを有してお
    り、第1、第2のモータ入力軸(27,30)には各々
    別個のモータ(8,9)が接続されていることを特徴と
    する棒鋼・線材圧延機。
  3. 【請求項3】 複数のスタンド(18,20,22,2
    4)を有する棒鋼・線材圧延機の第1スタンド(18)
    に設けたロール駆動モータ(8)を、第1スタンド(1
    8)以外のスタンド(20,22,24)に設けたロー
    ル駆動モータ(9)とは別に制御して第1スタンド(1
    8)及び第2スタンド(20)で独自の減面率調整を行
    うことを特徴とする棒鋼・線材圧延機の制御方法。
  4. 【請求項4】 複数のスタンド(18,20,22,2
    4)と、モータ入力軸(47)及び各スタンド(18,
    20,22,24)へ接続用の出力軸(3〜6)が設け
    られた分配歯車装置(7)と、該分配歯車装置(7)の
    モータ入力軸(47)に接続されるモータ(9)とを有
    し且つロール交換をスタンド組替によって行うように成
    された棒鋼・線材圧延機において、組替用スタンドとし
    て、分配歯車装置(7)へ接続用の軸(36)とロール
    軸(43)との間に設けられる伝動手段(37)の増減
    速比が異なる複数種のものが準備されていることを特徴
    とする棒鋼・線材圧延機。
  5. 【請求項5】 前記組替用スタンドには、伝動手段(3
    7)が高速・低トルクに設定された細径圧延材用のもの
    と、伝動手段(37)が低速・高トルクに設定された太
    径圧延材用のものとが準備されていることを特徴とする
    請求項4記載の棒鋼・線材圧延機。
  6. 【請求項6】 請求項4又は請求項5記載の組替スタン
    ドを具備していることを特徴とする請求項2記載の棒鋼
    ・線材圧延機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000271619A (ja) * 1999-03-24 2000-10-03 Kawasaki Steel Corp 4ロールミル用のロール駆動装置
KR100850117B1 (ko) * 2006-04-13 2008-08-04 모건 컨스트럭션 캄파니 모듈식 압연기

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