JPH09253568A - ミニコート粉体塗装方法 - Google Patents
ミニコート粉体塗装方法Info
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- JPH09253568A JPH09253568A JP6793596A JP6793596A JPH09253568A JP H09253568 A JPH09253568 A JP H09253568A JP 6793596 A JP6793596 A JP 6793596A JP 6793596 A JP6793596 A JP 6793596A JP H09253568 A JPH09253568 A JP H09253568A
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- powder
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 小型金属部品に均一に塗装のできる、ミニコ
ート法に適した粉体塗装方法を提供する。 【解決手段】 振動している樹脂粉体中に予め熱した被
塗物を投入し、樹脂粉体を被塗物表面に溶融付着させ、
樹脂粉体中で冷却固化後取り出し、表面を再加熱して平
滑な塗膜を得る小型金属部品のミニコート法において、
反応性を有する真球状の樹脂粉体を用いることを特徴と
する粉体塗装方法。
ート法に適した粉体塗装方法を提供する。 【解決手段】 振動している樹脂粉体中に予め熱した被
塗物を投入し、樹脂粉体を被塗物表面に溶融付着させ、
樹脂粉体中で冷却固化後取り出し、表面を再加熱して平
滑な塗膜を得る小型金属部品のミニコート法において、
反応性を有する真球状の樹脂粉体を用いることを特徴と
する粉体塗装方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂から
なる粉体を用いて、小型金属部品の金属表面を塗装する
方法に関するものである。特に凹凸や鋭角の端部を有す
る小型金属部品のミニコート法に適した粉体塗装方法を
提供するものである。
なる粉体を用いて、小型金属部品の金属表面を塗装する
方法に関するものである。特に凹凸や鋭角の端部を有す
る小型金属部品のミニコート法に適した粉体塗装方法を
提供するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】樹脂
粉末を用いて直接金属表面を塗装する方法は、溶剤を使
用する塗装方法に比べて経済的であるだけでなく、人体
や環境に対する安全性が高く、また火気による爆発など
の事故を起こす危険性が少ない優位点を有している。し
かも、肉厚に関係なく、均一な塗膜が得られる技術的な
利点もあるため、その使用頻度は最近高まってきてい
る。
粉末を用いて直接金属表面を塗装する方法は、溶剤を使
用する塗装方法に比べて経済的であるだけでなく、人体
や環境に対する安全性が高く、また火気による爆発など
の事故を起こす危険性が少ない優位点を有している。し
かも、肉厚に関係なく、均一な塗膜が得られる技術的な
利点もあるため、その使用頻度は最近高まってきてい
る。
【0003】この樹脂粉末を使った塗装方法(以下粉体
塗装と言う)において、特に小型の金属部品への塗装に
最も広く使用されている方法は、機械的に振動させた樹
脂粉体中に、予め熱した金属部品を投入し樹脂粉体を金
属表面に溶融付着させ、樹脂粉体中で冷却固化して取り
出し、表面を再加熱して平滑な塗膜をうる方法である。
この方法はミニコート法とも呼ばれている。
塗装と言う)において、特に小型の金属部品への塗装に
最も広く使用されている方法は、機械的に振動させた樹
脂粉体中に、予め熱した金属部品を投入し樹脂粉体を金
属表面に溶融付着させ、樹脂粉体中で冷却固化して取り
出し、表面を再加熱して平滑な塗膜をうる方法である。
この方法はミニコート法とも呼ばれている。
【0004】この方法で使用される樹脂粉体としては、
ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリア
ミド11、およびポリアミド12、エポキシ樹脂等の樹
脂粉体が挙げられ、使用用途に応じて使い分けられてい
る。中でもポリアミドは、耐薬品性、耐候性に非常に優
れているため、長期間にわたって厳しい環境下で使用さ
れる自動車部品や、ドライクリーニングを繰り返される
衣料の部品の塗装などに適している。
ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリア
ミド11、およびポリアミド12、エポキシ樹脂等の樹
脂粉体が挙げられ、使用用途に応じて使い分けられてい
る。中でもポリアミドは、耐薬品性、耐候性に非常に優
れているため、長期間にわたって厳しい環境下で使用さ
れる自動車部品や、ドライクリーニングを繰り返される
衣料の部品の塗装などに適している。
【0005】これらの樹脂粉体の製造法には、樹脂を低
温下で機械的に脆性破壊する機械粉砕法、樹脂を溶媒に
溶解した後沈殿させる化学粉砕法、重合と同時に微粉を
形成するエマルジョン法等がある。これらの方法には、
それぞれ一長一短があるが、工業的には安価で大量生産
に適した機械粉砕法が最も多く使われている。
温下で機械的に脆性破壊する機械粉砕法、樹脂を溶媒に
溶解した後沈殿させる化学粉砕法、重合と同時に微粉を
形成するエマルジョン法等がある。これらの方法には、
それぞれ一長一短があるが、工業的には安価で大量生産
に適した機械粉砕法が最も多く使われている。
【0006】しかし機械粉砕法で製造された樹脂粉体
は、その形状が尖った角を持つ不定形のものしか得られ
ないため、その粉体の流動性が著しく悪い欠点があっ
た。しかも、樹脂粉体に着色剤や安定剤を溶融混練する
必要があるため、溶融混練時の加熱により化学変化を起
こさないことが前提となる。従って、機械粉砕法によっ
て製造される樹脂粉体は、塗装時に反応を起さないため
エッジ切れ等粉体塗装上の問題点があった。
は、その形状が尖った角を持つ不定形のものしか得られ
ないため、その粉体の流動性が著しく悪い欠点があっ
た。しかも、樹脂粉体に着色剤や安定剤を溶融混練する
必要があるため、溶融混練時の加熱により化学変化を起
こさないことが前提となる。従って、機械粉砕法によっ
て製造される樹脂粉体は、塗装時に反応を起さないため
エッジ切れ等粉体塗装上の問題点があった。
【0007】ミニコート法で粉体塗装する小型金属部品
は、複雑な形状をしていることが多く、特に尖った部位
や窪んだ凹状の部分を多く含んでいるので、従来より使
用されている樹脂粉体では均一な塗装が困難であった。
は、複雑な形状をしていることが多く、特に尖った部位
や窪んだ凹状の部分を多く含んでいるので、従来より使
用されている樹脂粉体では均一な塗装が困難であった。
【0008】すなわち、鋭角な部位を持つ小型金属部品
に粉体塗装する場合、鋭角な部位にはそもそも粉体が着
きにくい上に、樹脂が冷却固化する時の収縮によって塗
膜が薄くなり、極端な場合は鋭角部に塗装できない現
象、いわゆるエッジ切れが起きる。特に従来の機械粉砕
法で作られた樹脂粉体は、収縮に対する化学的な対策が
とれないため、エッジ切れが起きやすい欠点があった。
に粉体塗装する場合、鋭角な部位にはそもそも粉体が着
きにくい上に、樹脂が冷却固化する時の収縮によって塗
膜が薄くなり、極端な場合は鋭角部に塗装できない現
象、いわゆるエッジ切れが起きる。特に従来の機械粉砕
法で作られた樹脂粉体は、収縮に対する化学的な対策が
とれないため、エッジ切れが起きやすい欠点があった。
【0009】また、機械粉砕法で作られた樹脂粉体は流
動性が低いため、小型金属部品の凹状の部分に粉体が入
り込みにく、または凹部の入り口で粉体がブリッジを起
こして凹部に粉体が付着せず、いわゆる塗装不良が起き
る。その流動性を改善するために流動改質剤を添加する
と、金属との密着性を低下させるので好ましくない。こ
の場合、凹部に入り込みやすい粒径の小さい微粉を用い
ると、逆に凹部に樹脂粉体がたまり凹部の塗膜が厚くな
り、極端な場合には埋まってしまう欠点があった。
動性が低いため、小型金属部品の凹状の部分に粉体が入
り込みにく、または凹部の入り口で粉体がブリッジを起
こして凹部に粉体が付着せず、いわゆる塗装不良が起き
る。その流動性を改善するために流動改質剤を添加する
と、金属との密着性を低下させるので好ましくない。こ
の場合、凹部に入り込みやすい粒径の小さい微粉を用い
ると、逆に凹部に樹脂粉体がたまり凹部の塗膜が厚くな
り、極端な場合には埋まってしまう欠点があった。
【0010】一方、化学粉砕法は粉体製造時に高温での
処理が不要であるため、樹脂粉体中に反応性の官能基を
導入することが可能である。例えば、末端基を用いて塗
装時の熱を利用した重合反応などを起こすことが可能で
あり、この様な反応を用いることにより塗装後の収縮を
抑えることができる。しかし、化学粉砕法の場合には安
定剤や着色剤等を溶融混練できないため、これらを乾式
混合する方法が取られている。そのため添加剤が塗膜内
で均一に分散せず、その効果が発現しにくいという欠点
を持ち合わせていた。
処理が不要であるため、樹脂粉体中に反応性の官能基を
導入することが可能である。例えば、末端基を用いて塗
装時の熱を利用した重合反応などを起こすことが可能で
あり、この様な反応を用いることにより塗装後の収縮を
抑えることができる。しかし、化学粉砕法の場合には安
定剤や着色剤等を溶融混練できないため、これらを乾式
混合する方法が取られている。そのため添加剤が塗膜内
で均一に分散せず、その効果が発現しにくいという欠点
を持ち合わせていた。
【0011】そこで、ミニコート法において、鋭角な部
位や凹部を有する複雑な形状の被塗物の粉体塗装におい
ても、全体に均一な塗膜が得られ、しかも安定剤や着色
剤等の効果が十分に発現された塗膜となる塗装方法につ
いて鋭意検討し、本発明に至ったものである。
位や凹部を有する複雑な形状の被塗物の粉体塗装におい
ても、全体に均一な塗膜が得られ、しかも安定剤や着色
剤等の効果が十分に発現された塗膜となる塗装方法につ
いて鋭意検討し、本発明に至ったものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、振動
している樹脂粉体中に予め熱した被塗物を投入し、樹脂
粉体を被塗物表面に溶融付着させ、樹脂粉体中で冷却固
化後取り出し、表面を再加熱して平滑な塗膜を得る小型
金属部品のミニコート法において、反応性を有する真球
状の樹脂粉体を用いることを特徴とする粉体塗装方法で
ある。この樹脂粉体には、着色剤、安定剤が予め溶融混
練された、反応性を有する真球状の樹脂粉体を用いるこ
とができる。
している樹脂粉体中に予め熱した被塗物を投入し、樹脂
粉体を被塗物表面に溶融付着させ、樹脂粉体中で冷却固
化後取り出し、表面を再加熱して平滑な塗膜を得る小型
金属部品のミニコート法において、反応性を有する真球
状の樹脂粉体を用いることを特徴とする粉体塗装方法で
ある。この樹脂粉体には、着色剤、安定剤が予め溶融混
練された、反応性を有する真球状の樹脂粉体を用いるこ
とができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明で使用する反応性を有する
真球状の樹脂粉体は、反応性を有する樹脂を溶融し、噴
霧、冷却する方法で製造することができる。例えば特開
平2ー107665、特開平2ー191605により開
示されている方法では、その混合物が常温で固体であ
り、かつ、特定の溶融粘度を有する互いに反応する2種
以上のオリゴマー又はモノマーを別々に溶融し、これを
連続的に混合しながら噴霧し、冷却して粉体を得たの
ち、これを固相重合することを特徴とするものである。
この方法で製造した樹脂粉体は、溶融樹脂を噴霧、冷却
により粉体化するため、その形状は真球状となり、しか
もこれらの樹脂粉体に安定剤、着色剤を任意に溶融混練
することができる。得られた樹脂粉体はさらに固相重合
により、所定の重合度に調整して使用するが、なお反応
性を保有している。
真球状の樹脂粉体は、反応性を有する樹脂を溶融し、噴
霧、冷却する方法で製造することができる。例えば特開
平2ー107665、特開平2ー191605により開
示されている方法では、その混合物が常温で固体であ
り、かつ、特定の溶融粘度を有する互いに反応する2種
以上のオリゴマー又はモノマーを別々に溶融し、これを
連続的に混合しながら噴霧し、冷却して粉体を得たの
ち、これを固相重合することを特徴とするものである。
この方法で製造した樹脂粉体は、溶融樹脂を噴霧、冷却
により粉体化するため、その形状は真球状となり、しか
もこれらの樹脂粉体に安定剤、着色剤を任意に溶融混練
することができる。得られた樹脂粉体はさらに固相重合
により、所定の重合度に調整して使用するが、なお反応
性を保有している。
【0014】このようにして製造した樹脂粉体は形状が
真球状であるため、機械粉砕の粉体はもとより、化学粉
砕品と比べても各段にその流動性は高いものである。し
たがって、この真球状粉体を用いることにより、ミニコ
ート法の機械的な振動によって極めて安定した流動層を
作ることができる。このため流動改質剤を加えなくて
も、複雑な形状をした小型金属部品の凹んだ部位にも容
易に粉体が入り込み、均一な塗装が可能となる。
真球状であるため、機械粉砕の粉体はもとより、化学粉
砕品と比べても各段にその流動性は高いものである。し
たがって、この真球状粉体を用いることにより、ミニコ
ート法の機械的な振動によって極めて安定した流動層を
作ることができる。このため流動改質剤を加えなくて
も、複雑な形状をした小型金属部品の凹んだ部位にも容
易に粉体が入り込み、均一な塗装が可能となる。
【0015】また反応性を有する樹脂粉体を使用するこ
とにより、被塗物をあらかじめ加熱し、振動している樹
脂粉体中に投入して樹脂粉体を被塗物表面に溶融付着さ
せた場合、付着した樹脂粉体は熱により溶融すると同時
に、反応性の官能基が反応して増粘し、樹脂が流れるの
を防止すると共に、冷却時の収縮を抑えるので、凹部や
鋭角な部位のいずれにおいても均一な塗膜を形成するこ
とができる。
とにより、被塗物をあらかじめ加熱し、振動している樹
脂粉体中に投入して樹脂粉体を被塗物表面に溶融付着さ
せた場合、付着した樹脂粉体は熱により溶融すると同時
に、反応性の官能基が反応して増粘し、樹脂が流れるの
を防止すると共に、冷却時の収縮を抑えるので、凹部や
鋭角な部位のいずれにおいても均一な塗膜を形成するこ
とができる。
【0016】このような特性を有する樹脂粉体として
は、ポリアミドのほか、ポリエステルなど加熱により適
当な反応をすることが可能な熱可塑性樹脂であればいず
れでもよい。なかでもポリアミドはその優れた耐久性と
耐薬品性から望ましい樹脂であり、ポリアミドの中でも
ポリアミド11やポリアミド12が強度、柔軟性などの
塗膜特性から特に望ましい樹脂である。
は、ポリアミドのほか、ポリエステルなど加熱により適
当な反応をすることが可能な熱可塑性樹脂であればいず
れでもよい。なかでもポリアミドはその優れた耐久性と
耐薬品性から望ましい樹脂であり、ポリアミドの中でも
ポリアミド11やポリアミド12が強度、柔軟性などの
塗膜特性から特に望ましい樹脂である。
【0017】本発明に使用される樹脂粉体の大きさとし
ては、粉体の90%以上が粒径120μm以下であるこ
とが望ましい。粒径が120μm以上の粉体を多く含む
と、小さな凹部に粉体が入りにくくなり、また塗装時の
塗膜厚みにむらができやすいので好ましくない。逆にあ
まり細かい粉体が多く含まれると粉体の流動性が悪くな
る。樹脂粉体の好ましい粒径は中央平均径で30〜80
μmの範囲、さらに好ましくは40〜60μmの範囲で
ある。
ては、粉体の90%以上が粒径120μm以下であるこ
とが望ましい。粒径が120μm以上の粉体を多く含む
と、小さな凹部に粉体が入りにくくなり、また塗装時の
塗膜厚みにむらができやすいので好ましくない。逆にあ
まり細かい粉体が多く含まれると粉体の流動性が悪くな
る。樹脂粉体の好ましい粒径は中央平均径で30〜80
μmの範囲、さらに好ましくは40〜60μmの範囲で
ある。
【0018】前述したように、本発明において鋭角な部
位や凹部においても均一な塗装ができる理由は、粉体が
真球状であるため流動性が極めて高いだけでなく、溶融
時に樹脂間で反応が起き冷却後の収縮が小さくなるこ
と、反応により樹脂が増粘するため流れることなく付着
部にとどまること等の効果によるものである。従って樹
脂間の反応は溶融と同時にその熱によって開始すること
が重要であり、この樹脂間の反応を容易に開始あるいは
適度にコントロ−ルするため、樹脂粉体内に触媒を添加
することも可能である。
位や凹部においても均一な塗装ができる理由は、粉体が
真球状であるため流動性が極めて高いだけでなく、溶融
時に樹脂間で反応が起き冷却後の収縮が小さくなるこ
と、反応により樹脂が増粘するため流れることなく付着
部にとどまること等の効果によるものである。従って樹
脂間の反応は溶融と同時にその熱によって開始すること
が重要であり、この樹脂間の反応を容易に開始あるいは
適度にコントロ−ルするため、樹脂粉体内に触媒を添加
することも可能である。
【0019】
【実施例】本発明を実施例を使ってさらに詳細に説明す
る。
る。
【0020】実施例1 ラウリルラクタム5kgを圧力容器内に取り、ドデカン
二酸290g、水200gを加えて容器内を窒素置換し
た後、280℃で7時間ゆっくり撹拌しながら反応を続
けた。この時、容器の圧力は25kg/cm2 あり、こ
れを徐々に減圧して容器内を230℃にした。容器内か
ら反応混合物を溶融状態で残圧を使って取り出し、水中
で冷却後、得られた白色固形物を分析したところ、末端
がカルボン酸のポリアミド12が生成していた。mーク
レゾール中で測定した相対粘度は1.32であり、末端
基のカルボン酸当量は350meq/kg、アミン当量
9meq/kgであった。
二酸290g、水200gを加えて容器内を窒素置換し
た後、280℃で7時間ゆっくり撹拌しながら反応を続
けた。この時、容器の圧力は25kg/cm2 あり、こ
れを徐々に減圧して容器内を230℃にした。容器内か
ら反応混合物を溶融状態で残圧を使って取り出し、水中
で冷却後、得られた白色固形物を分析したところ、末端
がカルボン酸のポリアミド12が生成していた。mーク
レゾール中で測定した相対粘度は1.32であり、末端
基のカルボン酸当量は350meq/kg、アミン当量
9meq/kgであった。
【0021】次に、ドデカン二酸は加えず、代わりにヘ
キサメチレンジアミン147gを加えて、上記と同じ反
応を行った。得られた固体状の物質を分析したところ、
カルボン酸当量は7meq/kg、アミン当量380m
eq/kgであり、アミノ基末端の多いポリアミド12
であった。mークレゾール中で測定した相対粘度は1.
31であった。
キサメチレンジアミン147gを加えて、上記と同じ反
応を行った。得られた固体状の物質を分析したところ、
カルボン酸当量は7meq/kg、アミン当量380m
eq/kgであり、アミノ基末端の多いポリアミド12
であった。mークレゾール中で測定した相対粘度は1.
31であった。
【0022】上記の2つの反応で得られた2種類のオリ
ゴマーをそれぞれ別の容器に取り、220℃に加熱溶融
させ、同時にカーボンブラック、耐熱安定剤と耐候安定
剤を混合した。この2つの溶融樹脂をギヤポンプで同量
となるようにスタティックミキサーを通じてディスク噴
霧装置に供給した。ディスクは、15000rpm以上
で回転しており、このディスクの中心部に等量混合され
たポリアミド12オリゴマーをノズルより送り込んだ。
樹脂は回転されたディスクにより放射状に飛ばされ、噴
霧槽内の気中で冷却されて平均60μmの真球状の粉体
となった。この粉体を集めて加熱槽に入れ、振動により
流動させながら窒素中で130℃に熱した。このまま2
0時間加熱と振動を続け、固相重合すると、相対粘度
1.55の粉体になった。
ゴマーをそれぞれ別の容器に取り、220℃に加熱溶融
させ、同時にカーボンブラック、耐熱安定剤と耐候安定
剤を混合した。この2つの溶融樹脂をギヤポンプで同量
となるようにスタティックミキサーを通じてディスク噴
霧装置に供給した。ディスクは、15000rpm以上
で回転しており、このディスクの中心部に等量混合され
たポリアミド12オリゴマーをノズルより送り込んだ。
樹脂は回転されたディスクにより放射状に飛ばされ、噴
霧槽内の気中で冷却されて平均60μmの真球状の粉体
となった。この粉体を集めて加熱槽に入れ、振動により
流動させながら窒素中で130℃に熱した。このまま2
0時間加熱と振動を続け、固相重合すると、相対粘度
1.55の粉体になった。
【0023】この粉体をミニコート用の振動槽内に入
れ、機械的な振動を粉体にかけたところ非常に良く粉体
は流動した。厚さ0.5ミリ、幅7ミリ、長さ50ミリ
の鉄板を中央部で180度に折り曲げ、これを250℃
に熱して振動槽内に投入した。投入後鉄板に粉体が付着
したが、折れ曲がった部分でも均一な塗膜が得られてお
り、これを200℃の熱風槽に3分間入れ加熱した。槽
から取り出し、塗装状況を確認したところ、折れ曲がっ
た凹部や鋭角な端部においてもほぼ均一な塗膜ができて
いた。
れ、機械的な振動を粉体にかけたところ非常に良く粉体
は流動した。厚さ0.5ミリ、幅7ミリ、長さ50ミリ
の鉄板を中央部で180度に折り曲げ、これを250℃
に熱して振動槽内に投入した。投入後鉄板に粉体が付着
したが、折れ曲がった部分でも均一な塗膜が得られてお
り、これを200℃の熱風槽に3分間入れ加熱した。槽
から取り出し、塗装状況を確認したところ、折れ曲がっ
た凹部や鋭角な端部においてもほぼ均一な塗膜ができて
いた。
【0024】得られた塗膜をキセノン照射型の耐候促進
試験機で劣化状況を調べたが、2000時間後において
も色調および塗膜状況に変化は全く認められなかった。
試験機で劣化状況を調べたが、2000時間後において
も色調および塗膜状況に変化は全く認められなかった。
【0025】比較例 mークレゾール中での相対粘度が1.6である黒色の耐
熱剤入りナイロン12を液体窒素で冷却しながら機械粉
砕した。この粉体の平均粒径は60μmであった。これ
を使って、実施例で用いた鉄製の部品を同様に塗装した
ところ、凹部では粉体が付着しておらず、塗膜ができな
かった。また尖った部分では塗装直後には粉体が付着し
ていたが、後加熱した時に流れて塗膜が無くなってしま
った。
熱剤入りナイロン12を液体窒素で冷却しながら機械粉
砕した。この粉体の平均粒径は60μmであった。これ
を使って、実施例で用いた鉄製の部品を同様に塗装した
ところ、凹部では粉体が付着しておらず、塗膜ができな
かった。また尖った部分では塗装直後には粉体が付着し
ていたが、後加熱した時に流れて塗膜が無くなってしま
った。
【0026】実施例2 テレフタル酸ジメチル2.91kg、イソフタル酸ジメ
チル0.97kg、エチレングリコール1.24kg、
酢酸カルシウム6gをオートクレーブ内に取り窒素雰囲
気下で180℃に加熱した。反応と共にメタノールが溜
出した。2時間後に200℃に反応温度を上昇させ、メ
タノールの溜出が完全に停止するまで反応を続けた。次
に反応温度を270℃に上昇させ、エチレングリコール
を溜出させた。残留したオリゴマーを実施例1で用いた
ディスク噴霧装置に、300℃に加熱しながら供給し
た。ディスクを20000rpmで回転させ、ディスク
の中央部よりノズルを通じて送り込むと、オリゴマーは
ディスク上で広がりながら飛散し、噴霧槽内の気中で冷
却され固体真球状のポリエステルオリゴマーの粉体とな
った。この粉体を集め、振動しながら真空下で250℃
に熱した。35時間振動しながら加熱を続け、固相重合
により固有粘度0.55のポリエステル真球状粉体を得
た。
チル0.97kg、エチレングリコール1.24kg、
酢酸カルシウム6gをオートクレーブ内に取り窒素雰囲
気下で180℃に加熱した。反応と共にメタノールが溜
出した。2時間後に200℃に反応温度を上昇させ、メ
タノールの溜出が完全に停止するまで反応を続けた。次
に反応温度を270℃に上昇させ、エチレングリコール
を溜出させた。残留したオリゴマーを実施例1で用いた
ディスク噴霧装置に、300℃に加熱しながら供給し
た。ディスクを20000rpmで回転させ、ディスク
の中央部よりノズルを通じて送り込むと、オリゴマーは
ディスク上で広がりながら飛散し、噴霧槽内の気中で冷
却され固体真球状のポリエステルオリゴマーの粉体とな
った。この粉体を集め、振動しながら真空下で250℃
に熱した。35時間振動しながら加熱を続け、固相重合
により固有粘度0.55のポリエステル真球状粉体を得
た。
【0027】得られた粉体を用いて実施例1と同様のミ
ニコート試験を行ったところ、凹部や鋭角部にかかわら
ず、均一な塗膜を得ることができた。
ニコート試験を行ったところ、凹部や鋭角部にかかわら
ず、均一な塗膜を得ることができた。
【0028】
【発明の効果】本発明による小型金属部品のミニコート
法による粉体塗装方法は、従来にない高い流動性と反応
性を持つ真球状の樹脂粉体を使用することにより、均一
な塗膜が平らな部分だけでなく、複雑な形状を持つ小型
金属部品の折れ曲がった凹部や鋭角な端部においても均
一な塗膜が形成できる。また各種の安定剤や着色剤を予
め溶融混練した粉体を使用することもできるため、屋外
で使用される部品などの塗装においても本方法は非常に
有用である。
法による粉体塗装方法は、従来にない高い流動性と反応
性を持つ真球状の樹脂粉体を使用することにより、均一
な塗膜が平らな部分だけでなく、複雑な形状を持つ小型
金属部品の折れ曲がった凹部や鋭角な端部においても均
一な塗膜が形成できる。また各種の安定剤や着色剤を予
め溶融混練した粉体を使用することもできるため、屋外
で使用される部品などの塗装においても本方法は非常に
有用である。
Claims (5)
- 【請求項1】振動している樹脂粉体中に予め熱した被塗
物を投入し、樹脂粉体を被塗物表面に溶融付着させ、樹
脂粉体中で冷却固化後取り出し、表面を再加熱して平滑
な塗膜を得る小型金属部品のミニコート法において、反
応性を有する真球状の樹脂粉体を用いることを特徴とす
る粉体塗装方法。 - 【請求項2】着色剤及び/又は安定剤が予め溶融混練さ
れた、反応性を有する真球状の樹脂粉体を用いることを
特徴とする請求項1記載の粉体塗装方法。 - 【請求項3】反応性を有する真球状の樹脂粉体がポリア
ミドであることを特徴とする、請求項1又は2記載の粉
体塗装方法。 - 【請求項4】反応性を有する真球状の樹脂粉体の平均粒
度が30〜80μmである請求項1〜3記載のいずれか
の項記載の粉体塗装方法。 - 【請求項5】振動している樹脂粉体中に予め熱した被塗
物を投入し、樹脂粉体を被塗物表面に溶融付着させ、樹
脂粉体中で冷却固化後取り出し、表面を再加熱して平滑
な塗膜を得る小型金属部品のミニコート法において、反
応性を有する真球状の樹脂粉体を用いて粉体塗装した小
型金属部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6793596A JPH09253568A (ja) | 1996-03-25 | 1996-03-25 | ミニコート粉体塗装方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6793596A JPH09253568A (ja) | 1996-03-25 | 1996-03-25 | ミニコート粉体塗装方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09253568A true JPH09253568A (ja) | 1997-09-30 |
Family
ID=13359292
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6793596A Pending JPH09253568A (ja) | 1996-03-25 | 1996-03-25 | ミニコート粉体塗装方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09253568A (ja) |
-
1996
- 1996-03-25 JP JP6793596A patent/JPH09253568A/ja active Pending
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