JPH09252152A - 磁気素子 - Google Patents

磁気素子

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JPH09252152A
JPH09252152A JP8060610A JP6061096A JPH09252152A JP H09252152 A JPH09252152 A JP H09252152A JP 8060610 A JP8060610 A JP 8060610A JP 6061096 A JP6061096 A JP 6061096A JP H09252152 A JPH09252152 A JP H09252152A
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JP
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layer
magnetic
spin
magnetization
film
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JP8060610A
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Inventor
Shiho Okuno
志保 奥野
Koichiro Inomata
浩一郎 猪俣
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部磁場を用いずに磁性体の磁化状態を読み
だせる磁気素子を提供する。 【解決手段】 強磁性導電膜と直接遷移型半導体を磁気
的カップリングのない積層体とする。円偏光発生源から
直接遷移型半導体に円偏光を照射することで、直接遷移
型半導体中に円偏光の偏光方向に基づく極性を持つスピ
ン偏極電子を励起せしめ、このスピン偏極電子が積層体
を流れるとその抵抗変化により強磁性導電膜の磁化の向
きを検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超高密度磁気記録な
どに適した磁気素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録は磁気媒体と磁気ヘッド
の組み合わせで記録再生が行われてきた。これは磁性塗
膜や磁性薄膜を磁気記録媒体として、誘導型磁気ヘッド
のギャップ漏洩磁界の作用を利用してアナログ信号ある
いはデジタル信号を媒体に記録し、記録された信号パタ
ーンからの漏洩磁界を誘導型ヘッドあるいは磁気抵抗型
ヘッドにより検出して記録の再生を行っている。現在、
ハードディスクドライブの性能は、記録密度500Mb
(メガビット)/cm2 程度、データ転送速度20Mb
/s程度、アクセス時間10ms程度とされているが、
将来のデジタル情報通信ネットワーク社会へ向けて、超
高密度記録化、超高速データ転送、超高速アクセスが一
層進むことが求められている。
【0003】近年、複数の磁性膜と非磁性膜とを積み重
ねた積層膜における巨大磁気抵抗効果(GMR)が発見
された(Phys. Rev. Lett., Vo
l.61,p.2472(1988))。
【0004】外部磁界により複数の磁性層の磁化の向き
の相対配置関係が変わり、これにより電気抵抗が大きく
かわるもので、複数の磁性層の相対磁化状態をかえるた
めに、主に、ハード層とソフト層とよばれる保磁力の異
なる2種類の磁性層を用いる場合と、1つの層の裏に反
強磁性層を接してピン層とし、残りはフリー層(ソフト
層)とするスピンバルブ型の膜との2種類に分けられ
る。2種類の磁性層の磁化が平行の時、電気抵抗は最小
を示し、反平行の時に最大となる。
【0005】磁気抵抗変化が数%から十数%である上記
のGMR膜をハードディスクドライブの再生用ヘッドへ
用いることで、記録密度が通常の磁気抵抗効果型再生ヘ
ッドに比べ数倍に向上することが予測されている。しか
し、GMR膜の再生ヘッドへの適用では、2種類以上の
強磁性層の磁化を同時に制御しなくてはいけない点で微
弱な磁場にも対応させる(ソフト化)のが難しく、ま
た、将来的には、さらなる磁気抵抗変化率の増大が望ま
れる。
【0006】一方、最近、上記のGMR膜を使った磁気
記録素子が提案されている(Japanese Jou
rnal of Applied physics P
art 2, vol.34, no.4 A, p.
L415−1417, Aprl 1995, 199
5 Digests of INTERMAG ,
5, 講演番号AP−03, Apr. 1995,
同上,講演番号AP−01)。
【0007】非磁性層の上下をフリー層(ソフト層)と
ピン層(ハード層)の2つの強磁性層ではさんだGMR
膜を記録と読み出しに用い、これに接続された読みだし
用電極および、これにはつながらず、その上に存在する
書き込み電極から成る。書き込み用電極に流す電流によ
り磁場を発生させてフリー層あるいはピン層の磁化方向
を変えて書き込みを行う。
【0008】読みだしは、書き込み電極と読みだし電極
とに電流を流し、書き込み電極への電流のオン・オフあ
るいは電流の向きの変化によって発生する磁場により変
化するフリー層の磁化と、ピン層の磁化との相対関係に
よって決まる抵抗変化を、読み込み電極の電圧変化から
読み取る。ハードディスクに比べ、読みだし時間が短か
く、アクセス速度は約2nsと見積もられている。
【0009】しかし、基本的に読みだし時に磁場が必要
で、書き込み電極による発生磁場を用いて読み出しを行
うため、読み出しが破壊読みだしになったり、磁場発生
のための比較的大きな電流が必要になる。書き込み電極
配線の制約上、特にエレクトロマイグレーションの発生
を防ぐためには、余り大きな電流は流せず、このため小
さな磁場で大きな磁気抵抗変化が必要となるが、GMR
膜の抵抗変化自身も十分とは言えない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この様にGMR膜を用
いた磁気素子では、一方の磁性膜の磁化は固定し、多方
はフリーとすることが必要であり、制御性が悪い。例え
ばピン層の磁化固定を行なわなくてはならず、膜構成が
複雑になってしまうという問題があった。更に磁気記録
の読み出しには磁場印加が必要であり、装置全体として
の小型化、制御性にも問題があった。本発明は以上の点
を考慮してなされたもので、磁性層の磁化状態を外部磁
場を印加することなく読み出すことができる磁場素子の
提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、直接遷移型半
導体層と強磁性導電層とが実質的に磁気的結合のない状
態で積層された積層膜と;この積層膜に電流を流す一対
の電極と;を具備し、前記直接遷移型半導体層に円偏光
を照射することで励起されたスピン偏極電子のスピンの
向きと、前記強磁性導電層中の磁化の向きとのなす角度
により前記電極間の電気抵抗の変化を検出することを特
徴とする磁気素子である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の基本原理は、直接遷移型
半導体への円偏光の照射によってスピン偏極電子が励起
され、このスピン偏極電流が、半導体層と強磁性層との
間の電場勾配により強磁性層へと流れ、この時、強磁性
層の多数スピンの向きの成す角度により、電気抵抗が異
なることである。
【0013】図1に本発明の基本構成を示す。直接遷移
型半導体層1と強磁性導電層2とが積層(積層膜3)さ
れており、円偏光が半導体層1に照射される構成を採っ
ている。1対の電極(4−1),(4−2)は積層膜の
抵抗変化を検出するために形成されている。
【0014】図2に原理を示す。円偏光照射により励起
された電子のスピンが上向き(強磁性導電層の磁化と平
行とする)だとして、その電子が強磁性導電層に流れた
とき、強磁性導電層の磁化が同じ上向きの場合はスピン
と磁化のなす角度が0度であり、電気抵抗は小さい。ま
た逆に強磁性層の磁化が下向きの場合はなす角が180
°であり電気抵抗は大きくなる。
【0015】励起スピンの軸は円偏光の入射方向で決ま
り、スピン軸上でのスピンの向き(上向きか下向きか)
は円偏光の向き(右向きか左向きか)で決まる。励起ス
ピンの向きと、強磁性導電層の磁化の向きとの間の角度
によって、半導体と磁性体の間、あるいは磁性体の面内
を流れる電流の抵抗は変化し、磁化とスピンの向きが1
80度の角度をなすときには抵抗が最も大きく、0度の
角度のときに最も小さい。
【0016】ここで、磁化の向きは多数スピンの向きに
等しいと定義する。従って、記録素子への応用の場合に
は、強磁性導電層が垂直磁化膜である場合には円偏光の
照射向きは膜面垂直が好ましく、面内磁化膜の場合には
低角度入射が好ましいことになる。
【0017】直接遷移型半導体としては、GaAsなど
の3−5族化合物半導体、あるいはZnSeなどの2−
6族化合物半導体、CdSiAs2 などのカルコパイラ
イト型半導体などの他、サイズ効果などによって本来バ
ルクでは間接遷移型半導体であるものが直接遷移型に変
化したSiなども用いる事ができる。さらにこれらを含
む積層膜を用いることもできる。3−5族の化合物を積
層するあるいは3−6族の化合物を積層することによ
り、検出感度を2倍前後以上に向上できる。
【0018】ここで使用している半導体のバンドギャッ
プよりもわずかに大きいエネルギーをもつ波長の光を照
射することで、電子が価電子帯から伝導帯へ励起される
が、励起光を円偏光とすることで上向きスピンと下向き
スピンをもつ電子の割合を同じでなくすことができ、ス
ピン偏極電子が得られる。スピン偏極電子が励起できる
範囲は1ミクロン以上に及ぶが、深い領域から表面へ出
てくるまでにスピン情報のロスが生じるため、使用する
光の波長によってスピン偏極電子が励起される層の厚さ
は1ミクロン以下にした方が検出感度は向上する。具体
的な例としては、その波長では励起できないような半導
体層を下部に設け、その上にスピン偏極電子を励起でき
る半導体層が1ミクロン以下の厚さで存在するような構
造がより好ましい。
【0019】強磁性層は、Fe,Co,Ni等の遷移金
属あるいはこれらの合金、希土類金属あるいはこれらの
合金、Xx, L-x MnSb(XおよびX, はPt,N
i,Co,Fe,Ir,Rh,Os;x=0−1),P
tMnSn,Mn2 Sb,VPd3 等の半金属(ハーフ
メタリック)強磁性体、あるいは一般式X2 YZ(Xは
遷移金属、YはMn,Zは非磁性金属)のホイスラー合
金の内の1つあるいはこれらを含む積層膜からなる。最
も単純な場合は単層膜である。この場合の膜厚は厚さ数
オングストロームから1ミクロン前後までが適している
が、さらに100nm程度までが好ましい。強磁性層は
積層構造とすることも可能である。例えば、強磁性層と
絶縁層からなる積層膜、あるいは強磁性層と非磁性金属
層との積層膜でもよい。
【0020】磁性膜の磁気特性は、用途によって異な
る。例えば、磁気ヘッドなど弱磁場高感度の磁場センサ
として用いる場合には磁気的ソフト材料が好ましく、記
録素子として用いる場合には磁気的ハード材料が好まし
い。
【0021】一般に、半導体では、光の照射によって半
導体の価電子帯から伝導帯に電子が励起される。この
時、半導体として直接遷移型半導体を用い、また光とし
て右向きあるいは左向きに円偏向した光を使うと、半導
体中の上向スピンを持つ電子の励起確率と下向きスピン
を持つ電子の励起確率とを同じでなくすることができ、
結果として上向スピンの数と下向きスピンの数が異なっ
たスピン偏極電子が得られることが知られている(T.
Nakanishi ら、Japan Jounal
of Applied Physics vo.l2
5,p.766,(1986))。ここで、電子のスピ
ン偏極度は、上向きスピンの強度をI↑、下向きスピン
の強度をI↓とすると、(I↑−I↓)/(I↑+I
↓)で表すことができる。
【0022】このスピン偏極度は、用いる半導体の種類
および状態と励起源である円偏光のエネルギーとによっ
て異なるが、代表的な直接遷移半導体であるGaAsの
場合、理論的には50%のスピン偏極度を持つ伝導電子
を発生させることができる。このスピン偏極度はGaA
sに歪をかけたり、人工格子膜とすることによりさらに
向上する。磁性体の磁化方向制御のためにはスピン偏極
度は高ければ高いほど好ましい。
【0023】強磁性導電層と半導体層との間には、中間
層(5)をおいてポテンシャルバリアを形成してもよ
い。図3に概略を示す。図番は図1と同じである。中間
層には、半導体表面に形成された半導体元素を構成元素
に含む酸化物、窒化物あるいは酸窒化物からなる絶縁体
層、MgO,Al23 ,SiO2 ,AlNなどの絶縁
体層、Cu,Au,Ag,Alなどの金属等の非磁性導
電層を用いることができる。
【0024】しかし、絶縁体を用いなくても、半導体−
金属界面に形成されるショットキーバリアを用いること
でポテンシャルバリアを形成できる。ポテンシャルバリ
アにより、スピン偏極電子を蓄積したり、強磁性層へ流
れる電子をホットエレクトロンにでき、検出感度やS/
N比が向上する。また、半導体にp−n接合を用いるこ
とでも電子蓄積が行える。さらに、これらのポテンシャ
ルバリアやポテンシャルステップなどのポテンシャル差
が存在すると、電圧源がなくても光電流が流れ、これを
用いることもできる。
【0025】本発明の磁気素子において、特に注意すべ
き点は、励起スピン偏極電子と強磁性層とが磁気的結合
(磁気的カップリング)を起こさないようにする点であ
る。磁気的カップリングが起こった場合には励起スピン
偏極電子のスピンの向きと強磁性層の磁化の向きとは一
致してしまい、本発明の磁気素子としては使用できな
い。積層膜の界面状態、材料、膜厚などで結合状態を変
化させることができる。
【0026】本発明を記録素子として用いた場合、前述
のGMRメモリと比べて大きな違いは、従来のものが強
磁性層の相手としてさらに強磁性層をもちいるのに対し
て、本発明では、円偏光の直接遷移型半導体への照射に
よる励起スピン偏極電子源を用いる点である。
【0027】励起スピン偏極電子源を用いると、大きな
スピン偏極度がとれる。半導体を用いた場合のスピン偏
極度は、通常で30−50%程度、歪をかけたり人工格
子膜化した場合には100%近いスピン偏極度を得るこ
とができる。電気抵抗の変化は単純にはスピン偏極度に
比例するため、これまでの数倍以上の検出感度が得られ
る。
【0028】また、これまでの強磁性層を積み重ねた場
合には、複数の異なる特性をもつ強磁性層の磁場に対す
る特性制御が難しかった。記録素子への適応の際の再生
の場合、1つの層は外部磁場に応答しなくてはならない
が、もう1つの層は磁化反転をおこしては困る。すなわ
ち何らかの形で磁化を固定する必要がある。また、中間
層が非磁性金属の場合、感度をあげるためにこれを薄く
すると、両側の強磁性層が磁気的カップリングをおこす
などの問題がある。
【0029】しかし、本発明の場合には、励起スピンの
向きは円偏光の向きによって決まり、一方の磁性層は磁
場で磁化が変わるため、それらの向きの関係の制御はお
互いに独立に制御することができる。
【0030】なお、電極の配置は、強磁性導電層側に一
対を配置しても良い。この様子を図4に示す。図中番号
は図1と同様である。さらに半導体層側に一対を配置し
てもよい。ポテンシャル差などによりスピン偏極電子が
外部電圧印加することなく流れることも可能であるが、
抵抗値の測定に際し電源を用いても良い。
【0031】
【実施例】
(実施例1)直接遷移型半導体にGaAsを、金属強磁
性層にFeを、中間層として絶縁体であるAl23
用い、図5(ア)に示す構造を持つ素子を作製した。先
ず、GaAs基板の裏面にZnをイオンドープしたのち
アニールし、Cr−Au合金オーミックコンタクト層を
形成した。次に、GaAs基板の表面を表面洗浄化した
のち、Al23 を形成し、Feを成長させた。Al2
3 の厚さは約40オングストロームとし、Feは70
オングストロームとした。さらにその上にマスクを用い
てAu電極を形成した。Cr−Au電極とAu電極との
間には配線を施し、半導体−強磁性金属層間の抵抗を測
れるようにした。
【0032】この膜に対し、波長830nmでパワーが
10mWの光を入射角度10度で照射し、光の円偏光度
の変化に対応した半導体−強磁性金属層間の抵抗変化を
測定した。なお、金属強磁性層の磁化の向きは図示して
いないマグネットによって、膜面内でかつ、膜に投影さ
れた光の向きを軸として変化させたとした(図5
(イ))。
【0033】従って、円偏光の向きを右左に変える、あ
るいは磁化の向きを変えることによって、励起スピンの
向きと磁化とのなす角度は、10度と170度との間を
変化する。あらかじめ、円偏光照射によって磁性体の磁
化の向きが変らないことを確認した。
【0034】円偏光度を図5(ウ)のようにパルス状に
変化させた時の対応する抵抗変化を、強磁性の磁化方向
が(ア),(イ)の場合について、それぞれ図5
(エ),(オ)に示す。円偏光度のパルス状変化に対応
して抵抗も変化しており、その変化の向きは磁化の向き
によって反転することがわかる。これにより、検出パル
スの極性によって磁化の向きを認識できることがわか
る。円偏光度変化の極性を(カ)のようにかえることに
よって、得られる信号の極性は(キ),(ク)のように
逆転する。以上のことは、励起スピンの向きと磁化との
なす角度によって、半導体−強磁性金属層間の抵抗が決
まることを示している。
【0035】(実施例2)直接遷移型半導体として、G
aAs、GaAlAs、ZnSe、ZnTeおよび、2
1AのGaAsと33AのGaAlAsを18回積層し
た人工格子膜(GaAs(21A)/GaAlAs(3
3A))18を選び、強磁性層としてはFe,Co,Ni
を、中間層としては、MgO,Al23 ,SiO2
AlNを用い、これらを組み合わせて実施例1と同様の
基本構造をもつ素子を作製した。
【0036】励起光を幾つかにかえて、実施例1と同様
の測定を行い、得られた信号パルスの大きさを調べた。
結果を下表に示す。 試料番号 半導体 強磁性 励起光の波長 信号強度(a
u) 1 GaAs Fe 830nm 30−40 2 GaAs Co 830nm 25−35 3 GaAs Ni 830nm 10−20 4 GaAs Fe 633nm ほぼ0 5 GaAlAs Fe 633nm 35 6 ZnSe Fe 442nm 32 7 ZnSe Fe 830nm 0 8 ZnTe Co 521nm 28 9 (GaAsAs(21A)/GaAlAs(33A))18 Fe
780nm 70−90
【0037】(実施例3)GaAsを基板として厚さ5
nmのFe膜を形成し、その上にマスクを用いてAu電
極を設けてFe膜を面内で流れる電流の抵抗変化を調べ
られるようにした。実施例1と同様の方法に、波長83
0nmの光を照射し、光の円偏光度の変化に対応した膜
面内の抵抗変化を測定した。なお、このサンプルは、円
偏光照射によりFeの磁化が変化しないものを使用して
いる。円偏光度の変化に対応する電気抵抗変化を図6に
示す。(ア)〜(ク)の対応は図5と同様であり同様の
変化が得られる。波長を633nmにかえたところ、変
化が見られなかった。
【0038】次に、照射する円偏光の円偏光度の変化の
幅を半分にした。すなわち、左向き円偏光(円偏光度−
100%)と右向き円偏光(円偏光度+100%)の間
の変化から、直線偏光(円偏光度ゼロ)から右向き円偏
光(円偏光度+100%)の間を変化させた。得られた
信号強度は半減したが、しかし、変化が得られることを
確認した。さらに、円偏光度の最大値を+100%から
小さくすると、約その割合に比例して信号強度は減少し
た。
【0039】(実施例4)金属強磁性層の下地の半導体
として、p−n接合が形成されたGaAs膜を用いた。
この膜は半導体基板上にp型、n型の順に形成してあ
る。この上にオーミックコンタクトとなるようにFeを
成長させた。電極は、半導体膜と強磁性層間をつなげる
よう設けた。この試料に基板裏面から円偏光を入射し
た。このとき、光入射面の基板を、厚さが1ミクロン以
下になるようにエッチングした。この素子の構造および
エネルギーポテンシャル図を図7(ア),(イ)に示
す。
【0040】このサンプルは、円偏光照射によりFeの
磁化が変化しない条件下で使用する。円偏光を照射する
と、図7(イ)において、GaAs部にスピン偏極電子
とホールが発生するが、p−n接合のポテンシャル差で
電子はn型層へ蓄積される。半導体膜と強磁性層間を配
線によってつなげた場合には、蓄積電子はさらにFe層
へ移動するが、このときの光電流の大きさは磁性層の磁
化の方向によって変わる。この素子の利点は、p−n接
合部が電圧源を兼ねている点で、外部電圧源がいらない
点である。
【0041】(実施例5)金属強磁性層の下地の半導体
として、p型GaAsを用い、この上に、絶縁層を介し
てFeを成長させ、素子を作製し、素子のFe側に正の
電圧を印加した。この素子は、円偏光照射によりFeの
磁化が変化しない条件下で使用した。素子のエネルギー
関係の略図を図8に示す。絶縁層に接したGaAs部分
には反転層が形成され、反転層内の電子は円偏光励起に
よりスピン偏極している。この素子を用いて実施例1と
同様の実験を、Fe側への正電圧の印加電圧を幾つかに
変えて行ったところ、抵抗変化の大きさは、これに大き
く依存し、反転層の有無により大きくかわることが明か
になった。
【0042】(実施例6)GaAs膜を基板にFe膜
(12nm)をショットキバリアが形成される条件で成
長させたのち、リソグラフィとエッチング、さらにリフ
トオフにより、1ミクロンx6ミクロンのFeドットと
し、ドット間は絶縁体で埋めた。さらに個々のFe上部
にAu配線を設けた。配線のもう一方は、GaAs裏面
に設けたオーミックコンタクト電極へつなげた。0,1
の信号に対応させてFeドットの1つ1つの磁化の向き
を変化させ、記録層とした。
【0043】この素子の表面全面にあたるように、円偏
光を照射して円偏光度の変化に応じた基板−ドット間の
抵抗変化を調べたところ、磁化の向きによって異なる極
性をもつ信号が得られた。
【0044】(実施例7)図9のような、基板に対して
人工格子膜の面が垂直となるような、GaAsとFeと
からなる人工格子膜を作製した。基板には斜め研磨され
た絶縁性GaAs(001)面をもちい、MBE装置内
で清浄表面を得た後、2分の1原子層ずつのFeおよび
ノンードープGaAsを交互に蒸着することによって、
基板に対して積層面が垂直となった、各幅が3nmずつ
のGaAs/Fe人工格子を形成した。最後にGaAs
キャプ層を形成した。
【0045】人工格子膜の中を基板に平行かつ積層面に
垂直に流れる電流の抵抗測定を、Feの磁化を一方方向
にそろえた状態で測定したところ、円偏光の向きによっ
て電流が変化し、人工格子膜のGaAsがスピンフィル
ター効果をしていることが確認された。
【0046】(実施例8)AlGaAs膜を基板とし
て、絶縁体、Ni−Fe合金の順に膜を形成し、実施例
1のような配線を施し、一定方向の円偏光を照射した状
態で、磁気センサとしての性能をテストした。その結
果、lOeの外部磁場に対して30%の磁気抵抗変化率
を得た。これは本磁気素子が高感度磁気ヘッドとして使
用できることを示している。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、高
検出感度かつ制御性に優れた磁気素子を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の磁気素子の概略断面図。
【図2】 本発明の動作原理を示す概略図。
【図3】 本発明の磁気素子の概略断面図。
【図4】 本発明の磁気素子の概略断面図。
【図5】 本発明における円偏光度のパルス例を示す
図。
【図6】 本発明における円偏光度のパルス例を示す
図。
【図7】 本発明の磁気素子の概略図。
【図8】 本発明の磁気素子のエネルギーポテンシャル
図。
【図9】 本発明の磁気素子の概略図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直接遷移型半導体層と強磁性導電層とが実
    質的に磁気的結合のない状態で積層された積層膜と;こ
    の積層膜に電流を流す一対の電極と;を具備し、前記直
    接遷移型半導体層に円偏光を照射することで励起された
    スピン偏極電子のスピンの向きと、前記強磁性導電層中
    の磁化の向きとのなす角度により前記電極間の電気抵抗
    の変化を検出することを特徴とする磁気素子。
  2. 【請求項2】前記直接遷移型半導体層と強磁性導電層と
    の間にポテンシャルバリアを形成する中間層を具備した
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気素子。
  3. 【請求項3】前記直接遷移型半導体層と強磁性導電層と
    の間に非磁性導電層を具備したことを特徴とする請求項
    1記載の磁気素子。
JP8060610A 1996-03-18 1996-03-18 磁気素子 Pending JPH09252152A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009164447A (ja) * 2008-01-09 2009-07-23 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 不揮発性光メモリ素子及びその動作方法
CN106847907A (zh) * 2017-01-04 2017-06-13 南京大学 一种光调控的垂直自旋场效应晶体管及制备方法
CN110275077A (zh) * 2019-06-28 2019-09-24 南京大学 一种宽温区强磁场中热电效应的电学测量方法

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