JPH09251552A - マルチメディアデータ表示装置 - Google Patents

マルチメディアデータ表示装置

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JPH09251552A
JPH09251552A JP8061533A JP6153396A JPH09251552A JP H09251552 A JPH09251552 A JP H09251552A JP 8061533 A JP8061533 A JP 8061533A JP 6153396 A JP6153396 A JP 6153396A JP H09251552 A JPH09251552 A JP H09251552A
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    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T15/003D [Three Dimensional] image rendering

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マルチメディアデータ表示装置100におい
て、複数の立体的なオブジェクトを表示画面上に表示す
る際、個々のオブジェクトの表示形態を、各オブジェク
ト毎に独立してなめらかにかつ柔軟に変化させることが
できるようにする。 【解決手段】 オブジェクトの基本構成データととも
に、表示画面上でのオブジェクトの表示形態を設定する
ための表示制御用データを、種々のオブジェクトに対応
させて格納したデータベース130と、表示対象となる
ビュー領域を、本装置内部で発生したデータアクセス位
置情報に基づいて設定するビュー領域設定手段115と
を備え、該データアクセス位置情報に応じて、所定のビ
ュー領域内に存在する各オブジェクトの表示画面上での
表示形態を、該各オブジェクト毎に独立して制御するよ
うにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマルチメディアデー
タ表示装置に関し、特に、被表示対象である個々のオブ
ジェクトの表示形態を、各オブジェクトに関するマルチ
メディアデータが存在する1次元または多次元のデータ
空間における関数により定義し、各オブジェクトを、該
データ空間における位置座標に応じてその表示形態を独
立して変化させて表示できるようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】まず、マルチメディアデータ表示処理に
用いられる一般的な3次元ビューイングについて簡単に
説明をする。3次元ビューイングとは、被表示対象であ
る立体的な個々のオブジェクトを、3次元空間における
位置座標により与えられた、それぞれのオブジェクトを
特定する幾何学的データに基づいて、表示デバイスの2
次元の表示画面上に表示するものである。
【0003】図15は、上記3次元ビューイングにおけ
る処理の流れを概念的に示す図である。3次元ビューイ
ング処理は、大きく分けて、図15に示すように、ビュ
ーボリュームに対するクリップ処理(ステップS1
1)、投象面への投象(projection)処理(ステップS
12)、正規化座標におけるビューポートへの変換処理
(ステップS13)、物理デバイス(ディスプレイ)の
座標への変換処理(ステップS14)とからなり、以
下、上記各ステップS11〜S14での処理について説
明する。
【0004】上記ステップS11におけるビューボリュ
ームに対するクリップ処理は、視点の位置と見る方向と
が設定された時に、予め設定されている条件に基づい
て、3次元的な見える範囲を指定する処理であり、この
3次元的な見える範囲がビューボリューム(以下、ビュ
ー領域ともいう。)である。
【0005】また、上記ステップS12における投象処
理は、該ビュー領域内に存在するオブジェクトを構成す
る点を、2次元のビュー座標空間(投象面)Hv上の点
に変換する処理である。
【0006】以下これらの処理について詳述する。図1
6は、上記ビューボリュームに対するクリップ処理、及
び該ビューボリューム内のオブジェクトの投象処理を説
明するための図であり、複数のオブジェクトが存在する
3次元空間(以下、オブジェクト空間ともいう。)を示
している。ここで、投象とはいわゆる投射であり、3次
元空間における立体的なオブジェクトを構成する点を、
2次元のビュー座標空間(投象面)上の点に変換する処
理である。
【0007】図において、3Dは、物理デバイス(ディ
スプレイ)の2次元の表示画面(スクリーン)に対応し
た3次元のビューイング座標系(xyz座標系)であ
り、そのx軸方向は該スクリーンの右方向、y軸方向は
スクリーンの上方向、z軸方向はスクリーンの奥へ向か
う方向に対応している。また、ここでは、上記ビューイ
ング座標系における視点Psの座標(後述のデータアク
セス座標)を上記座標系3Dの原点(x0,y0,z
0)とし、この視点Psにて上記ビューイング座標系内
を眺める方向(以下、ビュー方向という。)を、方向ベ
クトル(後述のデータアクセスベクトル)wで示すよう
に上記座標系3Dのz軸方向としている。
【0008】また、ここでは、上記視点Psにて方向ベ
クトルwで示す方向を眺めた時の視野領域Rsには、5
つのオブジェクトOB1〜OB5が入っており、オブジ
ェクトOB6及びOB7は、該視野領域Rs外に位置し
ている。ここで、上記視野領域Rsは、図16の一点鎖
線により囲まれた四角錐状の空間領域である。また、言
うまでもないが、各オブジェクトOB1〜OB7は、ビ
ューイング座標系3D内に存在しているものであり、各
オブジェクトを特定する幾何学的データは、それぞれを
構成する点の(xyz)座標により与えられている。
【0009】そして、上記3次元ビューイング処理で
は、このような視野領域Rs内に含まれるオブジェクト
をすべて表示対象とするのではなく、表示対象とするオ
ブジェクトの範囲を設定する処理を行う。この処理が上
記ステップS12におけるビューボリュームに対するク
リップ処理である。
【0010】具体的には、視点Psを基準として、方向
ベクトルwで示すビュー方向と垂直な手前側境界面(前
方クリッピング平面)Hf及び奥側境界面(後方クリッ
ピング平面)Hbを設定し、上記視野領域Rsにおける
該両クリッピング平面Hf及びHbに挟まれた空間(ビ
ューボリューム)Rv内に含まれるオブジェクトOB2
〜OB4を表示対象とする。なお、図16では、オブジ
ェクトOB1,OB5は視野領域Rs内には入るが、上
記ビューボリュームRv内には入らずその外側に位置し
ており、この場合、表示対象とはならはない。
【0011】上記3次元ビューイング処理における投象
処理としては、写真システムや人間の視覚システムと類
似の視覚効果を作り出す中心投象が適しており、さらに
この中心投象について説明する。
【0012】図16に示す視野領域Rsにおいて上記視
点Psを投象中心とし、上記ビューボリュームRv内の
オブジェクトOB2〜OB4を投象中心Psから所定の
距離に離れて位置する、z軸と垂直な投象面(ビュー平
面)Hv上に投象する。つまり、ビューボリュームRv
内における3次元オブジェクトOB2〜OB4を構成す
る点を、2次元のビュー座標空間(投象面)Hv上の点
に変換する処理である。この処理は、投象中心Psと各
オブジェクトを構成する点との間の距離、及び投象中心
Psとビュー平面Hvとの間の距離を用いた比例計算に
基づいて行うことができる。
【0013】続いて、上記ステップS13及びS14の
処理について説明する。図17は、上記3次元ビューイ
ングにおける、投象面(ビュー座標平面)Hv上の点
(画素)Phvを正規化座標平面HsのビューポートV
p内の点Phsを介して、物理デバイスの表示画面上の
画素へ変換する処理を説明するための図である。
【0014】図17に示すように、ステップS13で
は、上記投象面(ビュー座標平面)Hv上の点Phv
を、正規化座標平面HsのビューポートVp内の点Ph
sへ変換する。ここで該ビューポートVpは、正規化座
標平面Hsにおける、上記投象面Hvの縦サイズと横サ
イズの比率と同一の縦横サイズの比率を有する領域であ
る。
【0015】そしてステップS14では、さらに正規化
座標平面Hs上の点Phsを、物理デバイス座標平面H
d上の点Phdへ変換する。この物理デバイス座標平面
は、表示装置の画面に対応するものである。
【0016】このようなステップS13及びS14での
座標変換により、立体的なオブジェクト(3Dオブジェ
クト)を形成する、ビュー座標平面(投象面)上に投象
された各点,つまり画素Phvが、表示装置の画面を構
成する点,つまり画素Phdに対応付けられることとな
り、表示装置(2Dディスプレイ)の画面上に、3Dオ
ブジェクト(その幾何学的データが3次元空間の座標に
より与えられたもの)が表示されることとなる。
【0017】ところで、このようなマルチメディアデー
タを表示するための従来からの技術では、3次元グラフ
ィックスの表示処理に関して効果的な手法が提案されて
いる(J.D.Foley,A.van Dam,”Computer Gr
aphics principles and practice ”2nd edition, Ad
dison-Wesley Publishing Co., pp727-728, 1987
)。
【0018】この手法は、デプスキューイングと言わ
れ、グラフィック表示を制御するものであり、一般的に
物体の遠近感を効果的にするために使われている。これ
はビューのパラメタ、つまり上述した3次元ビューイン
グにおける視点の位置Psからビュー領域までの距離か
ら、オブジェクトの表示色の強度をきめて、遠くのもの
ほど薄い色で表示することにより遠近感を出すというも
のである。
【0019】このデプスキューイングという手法は、ビ
ューのパラメタによりオブジェクトの表示形態を制御す
るものであり、表示される物体(オブジェクト)自身の
持つ幾何学的データや属性データ等のデータと、デプス
キューイングによる表示制御とは直接関係ないものであ
る。
【0020】このように従来のマルチメディアデータの
表示制御は、その多くがビュー制御,つまり、ビュー領
域毎にオブジェクトの見え方(表示形態)を設定して表
示制御するものである。なお、ここで3次元空間におけ
るビューというのは、ちょうどカメラのファインダに相
当するもので、ビューごとに制御するということは、力
メラのレンズにフィルタをつけて、被写体からの到来光
による結像状態を制御することに相当する。
【0021】従って、従来の表示制御では、ビュー内に
見えるすべてのオブジェクトの見え方は、ビューのパラ
メタ(変数)と、オブジェクトを特定する幾何学的デー
タ及び属性データによって決定されることとなる。例え
ば、視点が移動した時には、ビュー内の重要なオブジェ
クトもそうでないオブジェクトも同じように小さく(薄
く)なっていったリ、大きく(濃く)なっていったりす
る。
【0022】次に、従来のデプスキューイングを用いた
表示制御の具体的な適用例として、ナビゲーションシス
テムについて説明する。
【0023】図18は従来のナビゲーションシステムを
説明するためのブロック図であり、図において、500
は、表示ディスプレイ540を有する従来のカーナビゲ
ータ装置であり、これは、本装置のシステムにおける表
示対象となるすべてのオブジェクト(1)OB1〜
(n)OBnのデータが格納されているオブジェクトデ
ータべース530と、ビューのパラメタ変化を検出する
ビュー変化検出部520と、該ビュー変化検出部520
の検出出力を受け、該データベース530に格納された
各オブジェクトのデータに基づいて、上記表示ディスプ
レイ540でのオブジェクトの表示制御を行う表示制御
部510とを備えている。
【0024】上記オブジェクトデータベース530に
は、表示対象となるすべてのオブジェクトOB1〜OB
nについて、これと対比させてその基本データD1〜D
n,つまりオブジェクトの形状及び位置を特定する幾何
学的データ、及びその色彩等の属性を特定する属性デー
タを書き込んだ全オブジェクトIDテーブル(以下、単
にIDテーブルともいう。)530aが格納されてい
る。
【0025】上記ビュー変化検出部520は、視点の移
動,つまりここでは自動車の位置変化を検出する視点移
動検出部521と、ビュー方向,つまりここでは自動車
の進行方向の変化を検出するビュー方向検出部522と
を有している。
【0026】上記表示制御部510は、自動車が所定の
位置で所定の方向に進行している時、その時点で表示す
べきオブジェクトの基本データを一時的に保持するデー
タストレージ部511を有しており、該ストレージ部5
11には、オブジェクトの基本データをオブジェクトに
対比させて書き込むための表示中オブジェクトテーブル
(以下、Sテーブルともいう。)511aが形成されて
いる。また、上記表示制御部510は、視点移動検出部
521からの視点の位置,及びビュー方向検出部522
からのビュー方向に基づいて、ビュー領域Rv(図16
参照)に含まれるオブジェクト,つまり検出された現在
の自動車の位置及びその進行方向に対応して表示すべき
オブジェクトの基本データを、上記データベース530
のIDテーブル530aから読み出して上記ストレージ
部のSテーブル511aに書き込むデータ取出手段51
2を有している。
【0027】さらに上記表示制御部510は、該Sテー
ブル511a内の基本データから表示データI’を算出
する演算を、上記ビュー変化検出部520からの自動車
の位置及び進行方向に基づいて行う表示データ演算手段
513と、該表示データ演算手段513で演算された表
示データI’に基づいて、表示ディスプレイ540での
オブジェクトの画像表示を制御する表示制御手段514
とを有している。
【0028】次に動作について説明する。ここでは、表
示対象となるオブジェクトとして、100kmの速度規
制を示す道路標識(以下、速度制限標識ともいう。)O
B2、駐車禁止を示す道路標識(以下、駐禁標識ともい
う。)OB5を挙げ、これらの道路標識OB2及びOB
5をナビゲータ装置の表示ディスプレイ上に表示する場
合の表示制御について説明する。図19は、自動車の位
置の変化に応じて、表示ディスプレイ上で道路標識OB
2,OB5の大きさが変化する様子と併せて、これらの
道路標識の正規化した大きさと自動車の位置との関係を
示す関数のグラフα0を示している。
【0029】図19のグラフでは、縦軸に道路標識の表
示画面上での大きさρをとり、横軸には基準位置(座標
上の原点)から自動車の走行地点までの距離xをとって
いる。
【0030】この図から分かるように、自動車が各道路
標識OB2及びOB5の設置位置から遠く離れた地点を
走行している時には、該両道路標識の表示は、見えない
程度に小さい表示OB21,OB51となっている。ま
た、自動車が該両道路標識の設置位置(x=2.0)に
近づくにつれて、該両道路標識の表示画面上での大きさ
が、表示OB22,OB52、及び表示OB2S,OB5S
のように徐々に大きくなり、その設置位置を通り過ぎる
と、表示画面上には道路標識が表示されなくなる。つま
り、道路標識の表示は、無表示OB20,OB50とな
る。
【0031】続いて、このような自動車の位置変化に応
じて表示画面上での道路標識の表示状態を変化させる表
示処理について説明する。図20は、この処理の流れを
示すフローチャート図である。ステップS1では、デー
タ取出手段512は、ビュー変化検出部520で視点位
置の変化あるいはビュー方向の変化が検出されるのを待
機している。これらの位置変化あるいは方向変化が検出
されると、該データ取出手段512は、表示制御部51
0のSテーブル511aを更新する。つまり、上記オブ
ジェクトデータベース530のIDテーブル530aか
ら、その時点でビュー領域内に入るオブジェクトの基本
データOB2,OB5を取り出して、これを表示制御部
510のSテーブル511aに書き込むとともに、その
時点でビュー領域内に入らないオブジェクトの基本デー
タを該Sテーブル511aから抹消する(ステップS
2)。
【0032】図19で説明した道路標識の表示制御の場
合は、走行地点の位置xが1になった時、ビュー領域内
に入るオブジェクトとして、速度制限標識OB2,駐禁
標識OB5の基本データD2,D5を、Sテーブル51
1a内に書き込み、その他のオブジェクトの基本データ
を該Sテーブル511aから抹消する。
【0033】続いて、表示データ演算手段513は、上
記ビュー変化検出部520からの検出出力に基づいて、
上記ストレージ部511のSテーブル511a内の各オ
ブジェクトOB2,OB5について、その基本データD
2,D5から表示データI’2,I’5の計算を行う
(ステップS3)。つまり、演算制御手段513は、ス
トレージ部511のSテーブル511a内に表示データ
の計算処理を行っていないオブジェクトの基本データが
残っているか否かを判定し、これが残っている場合は、
上記Sテーブル511aからそのオブジェクトの基本デ
ータを一旦取り込み(ステップS3a)、その基本デー
タDについて所定の演算処理を施して表示データI’を
作成し(ステップS3b)、これを上記Sテーブル51
1aに書き込む。そして、上記テーブル511a内に、
基本データDに対する表示データI’の作成処理がなさ
れていないオブジェクトがなくなれば、表示制御手段5
14は、該Sテーブル511a内の各オブジェクトの表
示データI’2,I’5を表示ディスプレイ540に送
り出す(ステップS4)。
【0034】これにより上記表示ディスプレイ540で
は、各オブジェクトOB2,OB5がその時点でのビュ
ー変化検出部の出力,つまり自動車の位置及び進行方向
に応じた状態で表示されることとなる。
【0035】例えば、図19に示す速度制限標識OB2
及び駐禁標識OB5の表示制御では、オブジェクトであ
る道路標識OB2,OB5の表示は、表示OB21,O
B51、OB22,OB52、表示OB2S,OB5S、表
示OB20,OB50のように該ビュー変化検出部の出
力、つまり走行位置に応じた大きさで表示ディスプレイ
540上に表示されることとなる。
【0036】その後、上記表示処理を続行するか否かを
判定し(ステップS5)、続行するのあれば、表示制御
部510による処理はステップS1に戻り、続行しない
のであれば、表示制御部510による処理を終了する。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したナ
ビゲーション装置における表示制御のように、従来のデ
プスキューイングを用いた表示制御では、オブジェクト
の表示画面上での表示状態は、ビューの変数,つまり視
点の位置等によって決定されることとなる。
【0038】言い換えると、従来の技術では、表示制御
は、視点の位置等により規定される個々のビュー領域毎
に行われることとなり、表示画面上での個々のオブジェ
クトに対して別々にその表示形態を制御することができ
ない。
【0039】このように従来の技術では、デプスキュー
イングはビュー領域毎に制御できるに過ぎず、個々のオ
ブジェクト毎のデプスキューイングを行うことは不可能
であり、このため、例えば、上記図19に示す例では、
速度制限標識OB2と駐禁標識OB5に対して別々にそ
の表示形態(表示の大きさ)を制御することができな
い。これは、大量のマルチメディアデータ(オブジェク
ト)を一度に扱うような場合、効果的な表示を行うのが
非常に困難であるということに他ならない。
【0040】そこで、表示画面に表示される複数のオブ
ジェクトの表示状態を、各オブジェクト毎に制御する方
法として、各オブジェクトに対して基本データの他にフ
ラッグを設定し、そのオブジェクトがビュー領域の中に
ある場合でも、該フラッグの値に応じて表示したり、表
示しなかったりするという制御を行う手法も開発されて
いる。
【0041】以下、この手法について、オブジェクトが
道路標識である場合を例に挙げて具体的に説明する。表
示すべき各オブジェクトについて、気温に関するフラッ
グを設定する場合、例えば、該各オブジェクトが、速度
制限,駐車禁止,及びスリップ注意の道路標識であると
すると、スリップ注意の道路標識についてのフラッグ
は、気温が0℃以下である時には「1」を、気温が0℃
より高い時には「0」を示し、その他の道路標識につい
てのフラッグは気温に関係なく「1」を示すとする。
【0042】そして、自動車の走行位置からその時点で
ビュー領域内には、速度表示,駐車禁止,及びスリップ
注意の道路標識が入っているとすると、上記フラッグの
設定がなければ、すべての道路標識が無条件に表示され
ることになるのであるが、上記のように気温に対するフ
ラッグが設定されている場合は、気温が0℃より高い時
には、スリップ注意の道路標識についてのフラッグは
「0」であるため、表示画面には速度表示及び駐車禁止
の道路標識のみ表示されることとなる。
【0043】但し、この手法は、オブジェクトについて
設定されているフラッグが、気温との間で連続的な関数
として定義されているものではない。一般的に言えば、
このようなフラッグを用いた表示手法では、ビュー領域
内にあるオブジェクトが見える見えないということが、
3次元空間の座標やその他の変数との間で連続的に定義
されていない。例えば、あるオブジェクトが見えるとい
うフラッグが設定されていて、このオブジェクトがビュ
ー領域の中にあれば見えるだけである。従って、そのフ
ラッグに基づく表示制御は、フラッグの値が「0」であ
るか「1」であるかによる不連続なものにすぎず、直接
そのビュー領域のパラメタ(3次元空間上での位置座
標)やその他の変数に応じて連続的にオブジェクトの表
示形態を変化させることができるものではない。
【0044】以上まとめると、上述したような従来のマ
ルチメディアデータ表示装置では、ディスプレイ装置の
表示画面上でのオブジェクトの表示形態(見え方)を、
オブジェクトの基本データ(オブジェクトを特定する幾
何学的データ及びその属性データ)とビュー領域のパラ
メタとの関係に基づいて表示制御しているので、ビュー
領域毎の単純な表示制御しかできないという問題があっ
た。
【0045】また、上記基本データとビュー領域のパラ
メタとの関係の他に、オブジェクトについて設定したフ
ラッグなどの論理演算に基づいて表示制御する手法にお
いても、上述したように、オブジェクト毎の独立した表
示制御は、個々のオブジェクトについて設定したフラッ
グの「0」,「1」の値に対応した見える,見えないと
いった不連続で単純なものであり、表示画面上に表示さ
れている複数のオブジェクトの表示形態を、個々のオブ
ジェクト毎になめらかにしかも柔軟に制御することは不
可能であった。
【0046】本発明は上記のような問題点を解決するた
めになされたものであり、複数の立体的なあるいは平面
的なオブジェクトを、これを特定する基本データに基づ
いて2次元の表示画面上に表示する際、その基本データ
とビュー領域のパラメタとからビュー領域に入るとされ
る個々のオブジェクトの表示形態を、各オブジェクト毎
に独立してなめらかにかつ柔軟に変化させることができ
るマルチメディアデータ表示装置を得ることを目的とす
る。
【0047】
【課題を解決するための手段】本件発明者は、3次元空
間における立体的なオブジェクトが、これを特定するた
めの基本構成データである、オブジェクトの幾何学的デ
ータ及びその属性データの他に、様々な表示制御用デー
タを持つことにより、よりフレキシブルで効果的な表示
制御が可能になることに着目し、ビュー領域に入る個々
のオブジェクトの見え方,つまり表示画面上での各オブ
ジェクトの表示形態と、これを与える表示形態データが
存在する1次元あるいは多次元の表示形態データ空間の
位置座標との対応関係を所望の関数により連続的に、し
かもオブジェクト毎に別々に定義することによって、個
々のオブジェクトに対しての有効な表示制御が可能とな
ることを見出した。
【0048】例えば、上記のようにオブジェクトの表示
形態を定義することにより、ビュー領域を規定する視点
位置の移動による個々のオブジェクトの表示形態の変化
は以下のようになる。つまり、ビュー領域を規定する視
点位置が、ビュー方向に対して後方に移動した時、該ビ
ュー領域に入るオブジェクトのうち重要でないものは、
その視点位置からの距離の増大に応じて表示画面上では
だんだん薄く小さく表示される。また、該ビュー空間に
入るオブジェクトのうち重要なものについては、その視
点位置からの距離の増大に応じて表示画面上での大きさ
が小さくなるが、その小さくなる割合は、重要でないも
のに比べて小さい。
【0049】本願の各請求項に係る発明は、本件発明者
が上記目的を達成すべく、上記オブジェクトに関する表
示制御用データに着目し鋭意研究した結果、得られたも
のである。この発明(請求項1)に係るマルチメディア
データ表示装置は、n次元空間の位置情報によりその幾
何学的データ及び属性データが定義されたマルチメディ
アデータを、表示画面上に表示するものである。このマ
ルチメディアデータ表示装置は、種々のマルチメディア
データが存在するマルチメディアデータ空間における、
表示対象となるビュー領域を、本装置内部で発生した、
あるいは本装置外部から提供される所定次元のアクセス
位置情報に基づいて設定するビュー領域設定手段を有し
ている。また、このマルチメディアデータ表示装置は、
該設定されたビュー領域内に存在する各マルチメディア
データを該表示画面上に表示する際、該マルチメディア
データの表示形態を、該アクセス位置情報に基づいて各
マルチメディアデータ毎に制御する表示制御手段を有し
ている。そのことにより上記目的が達成される。
【0050】この発明(請求項2)に係るマルチメディ
アデータ表示装置は、立体的なオブジェクトを、これを
特定する基本構成データに基づいて表示画面上に表示す
るものである。このマルチメディアデータ表示装置は、
該オブジェクトの基本構成データとともに、該表示画面
上でのオブジェクトの表示形態を設定するための表示制
御用データを、種々のオブジェクトに対応させて格納し
たデータベースと、該種々のオブジェクトが存在するオ
ブジェクト空間における、表示対象となるビュー領域
を、本装置内部で発生した、あるいは本装置外部から提
供される所定次元のデータアクセス位置情報に基づいて
設定するビュー領域設定手段とを有している。また、こ
のマルチメディアデータ表示装置は、該設定されたビュ
ー領域内に存在する各オブジェクトに対して、その表示
形態を与える表示形態データを、該表示形態データが存
在する1次元または多次元の表示形態データ空間におけ
る、該データアクセス位置情報により決定される表示形
態データ位置から、該表示形態データ位置と表示形態デ
ータとの対応関係を規定する、該表示制御用データとし
ての関数データに基づいて求めるデータ演算手段を有し
ている。そして、このマルチメディアデータ表示装置
は、該データアクセス位置情報に応じて、該ビュー領域
内に存在する各オブジェクトの表示画面上での表示形態
を、該各オブジェクト毎に独立して制御するよう構成さ
れている。そのことにより上記目的が達成される。
【0051】この発明(請求項3)は、請求項2記載の
マルチメディアデータ表示装置において、前記オブジェ
クトの表示形態が、該表示画面上での表示サイズ及び表
示濃度を含む複数の要素により設定されるものである。
また、この表示装置では、前記表示形態データを、該各
要素毎に各要素に対応した表示形態データ空間において
定義し、該各表示形態データ空間を、前記オブジェクト
が存在するオブジェクト空間の各次元、該オブジェクト
空間における方向ベクトルに対応する次元、並びに時
間,温度,及び湿度のそれぞれに対応する次元を含むも
のとしている。さらに、この表示装置では、前記表示制
御用データを、該オブジェクトの表示形態を設定する各
要素に対応する表示形態データと、該表示形態データ空
間における表示形態データ位置との関係を規定する、該
要素の数に対応した個数の関数データから構成してい
る。
【0052】この発明(請求項4)は、請求項3記載の
マルチメディアデータ表示装置において、前記データア
クセス位置情報が、前記オブジェクト空間における方位
情報を与えるデータアクセスベクトルを含み、前記デー
タ演算手段が、前記表示形態データに基づいて、各オブ
ジェクトを表示するための表示データを算出する構成と
なっているものである。また、この表示装置では、前記
表示データを、前記各オブジェクトに対する定数値であ
る表示パラメタを第1の変数とし、前記各要素に対応す
る表示形態データと、該表示形態データの表示画面上で
の影響の程度を示す濃度定数との積であるスケールファ
クタを第2の変数とする表示変換関数により定義してい
る。さらに、この表示装置では、該濃度定数を、前記表
示形態データ空間における表示形態データ位置を変数と
する濃度法線ベクトル変換関数により各オブジェクト毎
に定義された、該表示形態データの依存する方向を示す
濃度法線ベクトルと、前記オブジェクト空間におけるデ
ータアクセスベクトルとの内積を変数とする濃度係数関
数により定義している。
【0053】以下、本発明の作用について説明する。
【0054】この発明(請求項1)においては、マルチ
メディアデータ空間における表示対象となるビュー領域
内に存在する各マルチメディアデータを該表示画面上に
表示する際、表示装置本体で発生した、あるいは外部か
ら提供されたデータアクセス位置情報に基づいて、該マ
ルチメディアデータ毎にその表示形態を制御するように
したから、2次元の表示画面上に表示された複数のマル
チメディアデータの表示形態を、各マルチメディアデー
タ毎に独立してなめらかにかつ柔軟に変化させることが
できる。
【0055】この発明(請求項2)においては、オブジ
ェクト空間における表示対象となるビュー領域内に存在
する各オブジェクトに対して、その表示形態を与える表
示形態データを、該表示形態データが存在する1次元ま
たは多次元の表示形態データ空間における、該データア
クセス位置情報により決定される表示形態データ位置か
ら、該表示形態データ位置と表示形態データとの対応関
係を規定する、該表示制御用データとしての関数データ
に基づいて求めるようにしたので、該表示形態データ空
間における表示形態データ位置に応じて、該ビュー領域
内の各オブジェクト毎に独立して、該表示画面上での表
示形態を変化させることが可能となり、オブジェクトと
してのマルチメディアデータをリアルタイムに効果的に
表示することができる。
【0056】本発明(請求項3)においては、前記表示
制御用データを、該オブジェクトの表示形態を設定する
各要素に対応する表示形態データと、該表示形態データ
が存在する表示形態データ空間における表示形態データ
位置との対応関係を規定する、該要素の数に対応した個
数の関数データから構成したので、オブジェクトの表示
形態を、該表示形態データ空間の座標を変数とする関数
により適宜設定することができる。
【0057】この発明(請求項4)においては、前記デ
ータアクセス位置情報を、前記オブジェクト空間におけ
る方位情報を与えるデータアクセスベクトルを含むもの
とし、前記各要素に対応する表示形態データの表示画面
上での影響の程度を示す濃度定数を、該表示形態データ
の依存する方向を示す濃度法線ベクトルと、該データア
クセスベクトルとの内積を変数とする濃度係数関数によ
り定義したので、ビュー方向,つまり視線の方向に応じ
て、表示画面上でのオブジェクトの表示形態を変化させ
ることができる。
【0058】
【発明の実施の形態】まず、本発明の概要及び基本原理
について説明する。本発明のマルチメディアデータ表示
装置では、オブジェクトの表示形態を定義する表示形態
データが存在する1次元または多次元の表示形態データ
空間を設定し、各オブジェクトの表示形態データと、該
表示形態データ空間の位置座標との関係を規定する関数
データを、表示制御用データとして、マルチメディアデ
ータであるオブジェクトに持たせたものである。
【0059】そして、該表示装置では、データアクセス
位置座標が指定された時、この位置座標に基づいて、オ
ブジェクト空間における表示対象となるオブジェクトが
存在するビュー領域を設定し、該ビュー領域内のオブジ
ェクトをその基本構成データに基づいて表示画面上に表
示し、しかもこの際、オブジェクトの表示形態を、その
表示制御用データである関数データに基づいて、上記表
示形態データ空間の、データアクセス位置情報に対応す
る表示形態データ位置から決定する。
【0060】これにより、この表示装置では、ユーザの
見たいオブジェクトが、ユーザの置かれた環境に応じ
た、つまり該環境を特定する場所,温度,湿度,時刻な
どの要素に対応する次元を有するデータアクセス位置情
報に基づく表示形態でもってリアルタイムで表示画面上
に表示されることとなる。
【0061】本発明のマルチメディアデータ表示装置の
具体的な適用例としては、例えば以下のようなものが挙
げられる。
【0062】(1)第1の適用例として、n次元空間の
位置座標によりその幾何学的データ及び属性データが定
義されたマルチメディアデータとしての立体的あるいは
平面的なオブジェクトを、各オブジェクト毎にその表示
形態を制御して表示するグラフィック表示装置が考えら
れる。
【0063】(2)第2の適用例として、車載のカーナ
ビゲーションシステムにおいて、自動車の走行位置及び
進行方向に応じて、表示画面上に道路標識、道路状況、
ナビゲーション指示などの交通情報(オブジェクト)を
適時に、しかも自動車の走行状態や天候さらには1日の
時間帯等に応じた表示形態でもって表示し、ドライバー
に、運転を行う上で必要な情報をリアルタイムに、かつ
効果的に提示するようにしたものが考えられる。
【0064】(3)第3の適用例として、事務機器や各
種の工業用や家庭用機械のインストラクションを行う装
置において、本装置の位置センサ等を、上記事務機器等
の所要部分に近づけることにより、その動作状態に応じ
た操作方法の説明や、さらにその部分が故障している場
合の修理方法等を、事務機器などのオブジェクトととも
にリアルタイムに適切にディスプレイに表示するように
したものが考えられる。
【0065】また、第3の適用例としては、その他に、
展示物や商品についての情報を表示する装置において、
装置本体を、展示物や商品に近づけるだけで、その展示
物や商品の説明を、商品(オブジェクト)などの画像と
ともに表示画面上にリアルタイムに、かつその時々に応
じた内容に変更して表示するようにしたものが考えられ
る。
【0066】次に、本発明の特徴的な構成について説明
する。
【0067】本発明のマルチメディアデータ表示装置で
は、表示対象となるマルチメディアデータとしてのオブ
ジェクトについてのデータを、オブジェクト毎に、該オ
ブジェクトを特定する基本構成データと、該オブジェク
トの表示形態を決める見え方データ(表示制御用デー
タ)とに分けて定義している。ここで、基本構成データ
とは、オブジェクトの幾何学的データとその属性データ
であり、例えば、オブジェクトが速度制限を示す道路標
識である場合、その基本構成データは、100km等の
文字部分を含む速度制限の道路標識のマークそれ自体で
ある。また、見え方データとは、その基本構成データに
基づいてオブジェクトの表示がどのような範囲でどのよ
うに有効で、オブジェクトをどのように表示するかを決
めるものである。
【0068】そして、上記表示制御用データは、多次元
空間の座標と、その座標での表示形態を示す表示形態デ
ータとの対応関係を規定する関数であり、上記多次元空
間の座標である変数としては、表示対象となるビュー空
間、例えば3次元のユークリッド空間におけるオブジェ
クトの位置を示す座標値(x,y,z)、該オブジェク
トの位置での方向ベクトル、さらには時間、温度、湿度
などを用いることができる。これによって、ビュー空間
に入るオブジェクト毎に、その表示形態を制御して表示
することが可能になる。
【0069】ここで、表示データは、上記表示制御用デ
ータ(関数データ)により、上記変数に対して連続的に
定義されているので、上記変数の変化をトリガーとし
て、変化後の変数値に対応する表示データが再計算さ
れ、該表示データが表示画面上に画像表示される。
【0070】例えば、ナビゲーションシステムでは、自
動車の移動や時間の経過等に応じて、上記オブジェクト
の表示データが上記表示制御用データ(関数データ)に
基づいて再計算され、自動車の走行位置や時刻に対応し
た表示形態でもって、道路標識等のオブジェクトが表示
されることとなる。
【0071】(実施形態1)図1は本発明の実施形態1
によるマルチメディアデータ表示装置の構成を示す図で
あり、図1(a)は該表示装置のハード構成を示す外観
図、図1(b)は該表示装置における各部の機能をブロ
ックに分けて示す図である。
【0072】図において、100は、文字,画像,グラ
フィックス,動画などのマルチメディアデータであるオ
ブジェクトを、これを特定する基本構成データに基づい
て表示画面上に表示する本実施形態1のマルチメディア
データ表示装置である。この表示装置は、各種の演算処
理を行う処理装置本体101と、画像表示画面102a
を有し、マルチメディアデータの画像表示を行うディス
プレイ装置(表示装置)102と、該処理装置本体への
データの入力を行うための入力装置103であるキーボ
ード103a及びマウス103bと、マルチメディアデ
ータの記憶装置であるハードディスク装置104とを有
している。
【0073】上記ハードディスク装置104内には、オ
ブジェクトOB1〜OBnの基本構成データD1〜Dn
とともに、該表示画面上でのオブジェクトOB1〜OB
nの表示形態を設定するための表示制御用データCD1
〜CDnを、種々のオブジェクトに対応させて格納した
データベース130が構築されている。ここでは、上記
表示制御用データCD1〜CDnとして、各オブジェク
トOB1〜OBnに対応する、濃度分布関数f1〜fn
濃度係数関数g1〜gn、表示変換関数h11〜hnm、表示
パラメタI1〜Inが定義されている。また、指向性のあ
るオブジェクトには、この他に濃度法線ベクトル変換関
数T1〜Tnが定義されており、指向性のないオブジェク
トに対しては濃度係数Cρの値が与えられている。ここ
でm,nは自然数である。これらの関数については後述
する。
【0074】上記処理装置本体101は、上記n次元空
間におけるデータアクセス位置情報,つまりデータアク
セス座標Xとデータアクセスベクトルwを発生する位置
情報発生部120と、該位置情報に基づいて所定のオブ
ジェクトの表示制御を行う表示制御部110とを有して
いる。
【0075】この表示制御部110は、種々のオブジェ
クトが存在する3次元空間における、表示対象となるビ
ュー領域を、上記データアクセス位置情報に基づいて設
定するビュー領域設定手段115と、該設定されたビュ
ー領域内に存在する各オブジェクトの基本構成データD
及び表示制御用データCDを上記データベース130か
ら取り出すデータ取出手段112と、該取り出したデー
タを格納するためのデータストレージ部111とを有し
ている。このデータストレージ部111には、各オブジ
ェクトに対応する基本構成データ,表示制御用データ,
及び表示データを書き込むためのデータテーブル(以
下、Sテーブルともいう。)111aが形成されてい
る。
【0076】また上記表示制御部110は、上記位置情
報から、上記表示制御用データに基づいて、各オブジェ
クトについて表示データを算出する表示データ演算手段
113と、算出された表示データに基づいて各オブジェ
クトのデータ表示部140での表示を制御する表示制御
手段114とを有している。
【0077】これにより上記マルチメディアデータ表示
装置100は、該n次元空間におけるデータアクセス位
置情報に応じて、該ビュー領域内の各オブジェクト毎に
独立して、該表示画面上での表示形態を設定するよう構
成されている。
【0078】次に、マルチメディアデータベース130
における各オブジェクトの持つ表示制御用データとして
の関数データについて説明する。
【0079】(1)まず、該関数データとしての濃度分
布関数について説明する。
【0080】表示対象となるそれぞれのオブジェクトに
対して、n次元空間(表示形態データ空間)の位置座標
(表示形態データ位置)を変数とする濃度分布関数(関
数データ)を定義し、この関数によりビュー領域の基点
(視点)の座標、温度や湿度の値などを含むn次元空間
での個々の位置に対して、表示画面上でのオブジェクト
の表示レベルを示す濃度値(表示形態データ)を対応付
けている。つまり、ここでいう濃度分布関数fとは、n
次元空間Rnにおいて任意の位置ベクトルX=[x1,x
2,・・・xn-1,xn]が与えられたとき、この位置べ
クトルXに対応する、オブジェクトの表示レベル(濃度
値)ρを導出する関数である。下記の数式(1)は、上
記濃度分布関数を示している。
【0081】 ρ=f(x1,x2,・・・xn-1,xn) ・・・(1) ここでは説明を簡単にするため、上記濃度分布関数f
は、数式(2)に示すように1次元空間における座標値
(x)を変数とするものとして、具体的な説明を行う。
【0082】 ρ=f(x) ・・・(2) 図2は上記1次濃度分布関数f(x)の具体的な例を示
しており、図2(a)は、数式(3)で示す関数ρa
a(x)のグラフ、図2(b)は、数式(4)で示す
関数ρb=fb(x)のグラフを示している。
【0083】
【数1】
【0084】
【数2】
【0085】ここで、関数ρa=fa(x),関数ρb
b(x)は、例えばオブジェクトOBa,OBbに対
応する濃度分布関数であり、ρa,ρbは1次元空間の位
置座標xでの各オブジェクトOBa,OBbの表示レベ
ル(濃度値)を示している。
【0086】上記濃度値ρaは、位置座標xが1.0以
上かつ3.0以下の範囲内の値である時は1.0であ
り、位置座標xが該範囲外の値をとる時は0.0であ
る。また、上記濃度値ρbは、位置座標xが1.0から
2.0まで変化する時、0.0から1.0まで一定の割
合で増大し、位置座標xが2.0から3.0に変化する
時には、1.0から0.0まで一定の割合で減少する。
そしてこの濃度値ρbは、位置座標xが1.0より小さ
い値、あるいは3.0より大きい値である時は、0.0
である。
【0087】このような濃度分布関数に対して以下に示
す所定の処理を施して、オブジェクトの画像表示を行う
ための表示データI’a,I’bを作成する。
【0088】なお、ここでは、各々のオブジェクトに対
しては、1つの濃度分布関数を定義した場合について説
明したが、濃度分布関数は、各オブジェクトに対して、
n次元空間Rnの部分集合ごとに独立に複数定義するこ
とも可能である。この場合は、各々の濃度分布関数につ
いて以下に示す処理を施し、その後それぞれに所定の重
み付けを行って所要のものを組み合わせて表示データを
作成する。
【0089】(2)次に濃度係数について説明する。
【0090】また、オブジェクトには指向性を有するも
のもあり、このようなオブジェクトについては、上記ビ
ューの視点を示す位置座標(データアクセス座標)が与
えられた時に濃度分布関数fにより導出された濃度値ρ
を、ビュー方向(視線の方向)を考慮した濃度係数Cρ
により調整する必要がある。
【0091】上記指向性を有するオブジェクトについて
は、濃度分布関数fの影響する方向が最大になる方向を
示す単位ベクトル(以下、濃度法線ベクトルという。)
vが定義されている。
【0092】例えば、オブジェクトには、道路標識のよ
うに進行方向からしか見えないもの、一般的に言うと、
ビュー空間内に入っているオブジェクトであっても、ビ
ュー方向(視線の方向)が一定の方向に向いていないと
きには、そのオブジェクトを表示する必要のないような
ものもあり、上記濃度法線ベクトルvは、このような指
向性のあるオブジェクトに対して用いられる。従って、
指向性を有しないオブジェクトには、定数値である濃度
係数の値が直接与えられている。
【0093】この濃度法線ベクトルvは、数式(5)で
示すように、n次元空間Rnの位置座標Xをこのn次元
空間Rnの位置ベクトルvに変換する関数(以下、濃度
法線ベクトル変換関数という。)T(X)で定義されて
いる。
【0094】 v=T(X) v,X∈Rn ・・・(5) 上記のようにこの濃度法線ベクトル変換関数T(X)
は、n次元空間Rnにおけるデータアクセス座標X(=
[x1,x2,・・・xn-1,xn])を濃度法線ベクトル
vに変換するものである。この関数T(X)により、オ
ブジェクトの濃度値をビュー方向により制御可能とな
る。
【0095】上記データアクセスベクトルwは、データ
アクセス座標Xとともに上記のような指向性を有するオ
ブジェクトの見え方を決めるものであり、このベクトル
wにより、データアクセス座標Xにおけるオブジェクト
の濃度値ρを調整する濃度係数Cρが求められる。
【0096】つまり、濃度係数Cρは、スカラー量を変
数とする関数g(以下、濃度係数関数gという。)によ
り定義されており(数式(6)参照)、該スカラー量
は、該データアクセスベクトルwと濃度法線ベクトルv
との内積|u|(数式(7)及び図2(c)参照)とな
っている。
【0097】 Cρ=g(|u|) ・・・(6) |u|=v・w v,w∈Rn ・・・(7) そしてさらに、数式(8)に示すように、オブジェクト
の表示データI’を定義する表示変換関数hの変数であ
る表示スケールファクタsが該濃度係数Cρと濃度値ρ
の積により定義されている。
【0098】 s=Cρρ ・・・(8) (3)次に濃度値ρと濃度係数Cρを用いた効果的なオ
ブジェクトの表示手法について述べる。
【0099】表示パラメタIは、数式(9)に示すよう
に、表示システムにおける表示に関係する個々のパラメ
タ(i1,i2,i3,・・・in-1,in)の集合を表し
ており、この表示パラメタIを実際の表示用データI’
に変換する関数が上記表示変換関数hである。なお、上
記実際の表示用データI’も、表示パラメタIを構成す
る個々のパラメタi1〜itに対応する個別表示データ
i’1〜i’tの集合を表している。
【0100】 I=(i1,i2,i3,・・・it-1,it) ・・・(9) I’=(i’1,i’2,i’3,・・・i’t-1,i’t)・・・(10) この表示変換関数hは、表示パラメタIと上記オブジェ
クトの表示スケールファクタsとを変数とするものであ
り、各オブジェクト毎に複数定義することが可能であ
る。例えば、複数のオブジェクトがある場合、そのm番
目のオブジェクトOBmの表示データI’mは、数式
(11)で示すものとなる。ここで、mは任意の自然数
である。
【0101】 I’m=hm(sm,I) ・・・(11) 例えば、オブジェクトOBaに対応する実際の表示デー
タI’a(=(i’a1,i’a2,・・・,i’
t))は、それらの表示パラメタIa(=(ia1,i
2,・・・,iat))から数式(11)を用いて求め
らる。
【0102】また、上記表示変換関数hは、数式(1
2)に示すように、表示システムの所定のパラメタit
毎に定義することもできる。
【0103】 i’mt=hmt(sm,it) ・・・(12) ここで、マルチメディアデータの表示制御の具体的な代
表例として、表示の濃淡を制御する例と、表示の大きさ
を制御する例について説明する。
【0104】ここでは、オブジェクトOBaを文字デー
タ「A」とし、その濃度分布関数を、数式(3)で示す
ρa=fa(x)(図2(a)のグラフ)とする。また、
オブジェクトOBbを文字データ「B」とし、その濃度
分布関数を、数式(4)で示すρb=fb(x)(図2
(b)のグラフ)とする。
【0105】まず、位置情報発生部120からのビュー
情報(データアクセス座標x)に基づいてビュー領域が
設定されると、該ビュー領域に入るオブジェクトOBa
及びOBbの基本構成データDa及びDbがデータベー
ス130から取り出され、マルチメディアストレージ部
111のSテーブル111aに書き込まれる。なお、こ
こでは、データアクセスベクトルwは、常に位置ベクト
ル(1.0)で一定となるようにしている。
【0106】そして、表示データ演算手段113は、各
オブジェクトOBa及びOBbに対して、それぞれの表
示制御用データCDa及びCDbに基づいて、表示デー
タI’a及びI’bを求めて、上記Sテーブル111a
に書き込む。そして、表示制御手段114は、このSテ
ーブル111aに書き込まれた表示データI’a及び
I’bをデータ表示部140に供給する。
【0107】ここでは、文字データ「A」及び「B」の
濃度法線ベクトルva及びvbは、位置ベクトル(1.
0)となっており、それぞれのデータの濃度係数関数g
a及びgbは、 Cρa=ga(|u|)=|u| Cρb=gb(|u|)=|u| となっている。
【0108】つまり、表示データ演算手段113による
演算処理について詳述すると、上記表示データ演算手段
113は、上記データアクセス座標Xから上記濃度分布
関数fa(x),fb(x)に基づいて、文字データ
「A」の濃度値ρaと文字データ「B」濃度値ρbを求め
る。
【0109】続いて、上記表示データ演算手段113
は、各オブジェクトに対する濃度係数Cρa及びCρb
求める。上記のようにこの場合、文字データ「A」及び
「B」の濃度法線ベクトルva及びvbは位置ベクトル
(1.0)であり、濃度係数関数はga(|u|)=gb
(|u|)=|u|であるので、データアクセスベクト
ルwとしての位置ベクトル(1.0)から、文字データ
「A」及び「B」の濃度係数Cρa及びCρbは、数式
(6)よりそれぞれ1.0となる。
【0110】従って、各オブジェクトOBa及OBbに
対する表示スケールファクタsa及びsbは、数式(8)
より、以下に示すようにそれぞれρ及びρとなる。
【0111】sa=Cρa×ρa=ga(|u|)×ρa
1×ρa=ρa=fa(x) sb=Cρb×ρb=gb(|u|)×ρb=1×ρb=ρb
=fb(x) さらに、上記表示データ演算手段113は、各オブジェ
クトOBa及びOBbの表示スケールファクタsa及び
bとしての濃度分布関数fa及びfbを用い、これを表
示変換関数ha及びhbにより変換して、表示データI’
a及びI’bを求める。
【0112】ここでは、表示変換関数ha及びhbは、数
式(13),数式(14)に示すように、データの色属
性Iと画面のバックグランドの色Idとが、上記表示ス
ケールファクタsa,sbにより決まる一定の割合でブレ
ンディンクされて、表示しようとするオブジェクトの濃
淡に対応した表示データI’a,I’bが導出されるも
のとなっている。
【0113】 I’a(i’a1,i’a2,i’a3)=h1(sa) =saI+(1.0−sa)Id ・・・(13) I’b(i’b1,i’b2,i’b3)=h1(sb) =sbI+(1.0−sb)Id ・・・(14) 色属性Iについては、光の3原色の赤成分をLr、緑成
分をLg、青成分をLbとし、各々の最大値を1.0、
最小値を0.0とすると、色属性Iは3個の実数のタプ
ル(Lr,Lg,Lb)で表わすことができる。
【0114】ここで、文字データのテキスト文字の色を
黒、バックグランドの色を白とすると、データの色属性
I及び画面のバックグランドの色Idについては、上記
実数のタプル(Lr,Lg,Lb)の値は次のようにな
る。
【0115】 I=(0.0,0.0,0.0) ・・・(14) Id=(1.0,1.0,1.0) ・・・(15) 従って、上記数式(13)より、ディスプレイに表示さ
れる文字データ「A」の表示色I’aと文字データ
「B」の表示色I’bは、それぞれ次のようになる。
【0116】 (i’a1,i’a2,i’a3)=ρa(0.0,0.0,0.0) +(1.0−ρa)(1.0,1.0,1.0) ・・・(16) (i’b1,i’b2,i’b3)=ρb(0.0,0.0,0.0) +(1.0−ρb)(1.0,1.0,1.0) ・・・(17) このように、データアクセス座標xが与えられると、表
示制御部110は、各オブジェクトの表示制御データと
しての濃度分布関数fa(x),及びfb(x)から、そ
の時のデータアクセス座標xに対応する濃度値ρa,ρb
を求め、さらに表示データI’a及びI’bを求める。
【0117】そして、表示制御部110は、図3(a)
に示すように、データアクセス座標xが変化する毎に、
濃度値ρa,ρb及び表示データI’a,I’bを再計算
して、データアクセス座標xの変化に応じて、文字デー
タ「A」,「B」の表示形態を変化させる。
【0118】次にオブジェクトの表示画像の大きさを制
御する場合について説明する。
【0119】ここでは、オブジェクトの表示制御用デー
タとしての濃度分布関数を使って、このデータの持つ本
来の大きさと、設定された最小の大きさとの間の大きさ
を補間することによって、表示しようとするオブジェク
トの表示画像の大きさを制御する例を示す。
【0120】表示しようとするオブジェクトの大きさの
定数をIとし、その大きさの最小値をIdとし、表示ス
ケールファクタをsとする。ディスプレイに表示される
オブジェクトの表示データI’は、濃淡を制御する例と
同じように数式(13)で表わすことができる。
【0121】この例では、文字の大きさの属性は文字の
ポイント数で表わすものとする。文字データのポイント
数を36、最小値のポイント数を0とすると、それらの
文字のポイント数の値は次のようになる。
【0122】 I=36.0 ・・・(18) Id=0.0 ・・・(19) 上記数式(13)より、ディスプレイに表示される文字
データ「A」と文字データ「B」のポイント数(表示デ
ータ)I’a(i’a4),I’b(i’b4)はそれぞ
れ次のようになる。
【0123】 i’a4=h2(sa)=saI+(1.0−sa)Id=36.0sa =36.0Cρa×ρa=(36.0)ρa ・・・(20) i’b4=h2(sb)=sbI+(1.0−sb)Id=36.0sb =36.0Cρb×ρb=(36.0)ρb ・・・(21) この場合も、データアクセス座標xが与えられると、表
示制御部140は、各オブジェクトの表示制御データと
しての濃度分布関数fa(x),及びfb(x)から、そ
の時のデータアクセス座標に対応する濃度値ρa,ρb
求め、さらに表示データI’a及びI’bを求める。
【0124】そして、表示制御部110は、図3(b)
に示すように、データアクセス座標xが変化する毎に、
濃度値ρa,ρb及び表示データI’a,I’bを再計算
して、データアクセス座標の変化に応じて、文字データ
「A」,「B」の表示形態,つまり大きさを変化させ
る。
【0125】次に、表示の濃淡と表示の大きさを同時に
制御する場合について説明する。
【0126】つまり、上述した、濃淡を制御する例と大
きさを制御する例を組み合わせると、データ表示の濃淡
と大きさを同時に制御することが可能である。
【0127】従って、この場合、上記数式(13)よ
り、ディスプレイに表示される文字データ「A」の表示
色及びポイント数についての表示データI’a(i’a
1,i’a2,i’a3,i’a4)と、文字データ「B」
の表示色及びポイント数についての表示データI’b
(i’b1,i’b2,i’b3,i’b4)とは、具体的
にはそれぞれ次のようになる。
【0128】 (i’a1,i’a2,i’a3)=ρa(0.0,0.0,0.0) +(1.0−ρa)(1.0,1.0,1.0) ・・・(22) (i’b1,i’b2,i’b3)=ρb(0.0,0.0,0.0) +(1.0−ρb)(1.0,1.0,1.0) ・・・(23) i’a4=sa・I+(1.0−sa)Id=36.0sa =36.0Cρa×ρa=(36.0)ρa ・・・(24) i’b4=sb・I+(1.0−sb)Id=36.0sb =36.0Cρb×ρb=(36.0)ρb ・・・(25) 文字データ「A」と文字データ「B」の濃度関数、濃度
係数などを前述のものと同じものとすると、濃度分布関
数f(x)の変数xが0.0から3.0に変化した場合
の文字データ「A」と文字データ「B」の表示は、図3
(c)のように変化する。この場合、各オブジェクトに
は2つの表示変換関数h1及びh2が定義されている。
【0129】続いて、図4を用いて上記マルチメディア
データ表示装置の全体的な動作について説明する。
【0130】上記ビュー情報発生部120で発生される
データアクセス座標及びデータアクセスベクトルが変化
すると、ビュー領域設定手段115がビュー領域を設定
し、その出力に基づいてデータ取出手段112がデータ
ベース130から、上記ビュー領域内に入るオブジェク
トの基本構成データ及び表示制御用データを取り込む
(ステップS11)。
【0131】そして、データ取出手段112は、マルチ
メディアデータストレージ部111にそのオブジェクト
の基本構成データとともに、表示制御用データである濃
度分布関数f、濃度係数関数g、濃度法線ベクトル変換
関数t、表示変換関数h、表示パラメタIをロードする
(ステップS12)。
【0132】上記表示データ演算手段113は、データ
アクセス座標およびデータアクセスベクトルを受け(ス
テップS13)、これらのデータを基にストレージ部1
11内にある各オブジェクトの表示制御用データに対し
て、次の処理を繰り返し行う(ステップS14)。
【0133】つまり、このステップS14では、上記表
示データ演算手段113は、各オブジェクトの持ってい
る濃度分布関数とデータアクセス座標とからそのデータ
の濃度値ρを計算する(ステップS14a)。次に、演
算手段113は、オブジェクトが指向性を有するもので
あるか否かの判定を行い(ステップS14b)、指向性
のあるデータに対しては、そのデータの濃度法線ベクト
ル変換関数と濃度係数関数とデータアクセスベクトルか
ら濃度係数Cρを計算する(ステップS14d)。一
方、指向性のないデータに対しては、そのデータが持っ
ている濃度係数Cρをそのまま使う(ステップS14
c)。
【0134】続いて、上記演算手段113は、ステップ
S14aにおいて求めた濃度値ρから表示スケールファ
クタsを計算する(ステップS14e)。
【0135】その後ステップS14fにおいて、上記演
算手段113が、オブジェクトに対する表示変換関数h
に基づいて、表示スケールファクタs及び表示パラメタ
Iから表示データI’を計算して、ストレージ部111
のSテーブル111aに書き込む。そして、上記演算手
段113がストレージ部111にあるオブジェクトの表
示制御用データに基づく表示データIの作成処理をすべ
て処理すると、表示制御手段114はこの書き込まれた
表示データI’に基づいて表示部140でのオブジェク
トの表示を制御する。
【0136】(実施形態2)図5は本発明の実施形態2
によるマルチメディアデータ表示装置を用いたナビゲー
ションシステムを説明するためのブロック図であり、図
において、200は、本実施形態2の表示装置としてプ
ロジェクタ装置240を有するカーナビゲータ装置であ
り、これは、本カーナビゲータシステムにおける表示対
象となるすべてのオブジェクト(1)OB1〜(n)O
Bnのデータが格納されているオブジェクトデータべー
ス230と、走行状態及び環境変化を検出する変化検出
部220と、該変化検出部220の検出出力を受け、該
データベース230に格納された各オブジェクトのデー
タに基づいて、上記プロジェクタ装置240によるオブ
ジェクトの表示を制御する表示制御部210とを備えて
いる。
【0137】上記変化検出部220は、従来のカーナビ
ゲーション装置と同様、視点の変位,つまりここでは自
動車の位置の変化を検出する視点移動検出部221と、
ビュー方向,つまりここでは自動車の進行方向の変化を
検出するビュー方向検出部222とを有している。また
本実施形態2では、上記変化検出部220は、計時手段
としてのタイマーと、車外の湿度を検出する湿度センサ
ー224と、車外の温度を検出する温度センサー225
とを有している。
【0138】上記オブジェクトデータベース230に
は、表示対象となるすべてのオブジェクト(1)OB1
〜オブジェクト(n)OBnに関するデータを書き込ん
だ全オブジェクトIDテーブル(以下、IDテーブルと
略記する。)230aが格納されている。このIDテー
ブル230aは、各オブジェクトOB1〜OBnに対応
して、それぞれを特定する基本構成データD1〜Dn,
つまりオブジェクトの形状及び位置を特定する幾何学的
データ及びその色彩等を示す属性データを書き込んだ基
本構成データ部231aと、表示画面上でのオブジェク
トの表示形態を設定するための表示制御用データCD1
〜CDnを書き込んだ表示制御用データ部231bとを
有している。
【0139】また、上記基本構成データ部231aに
は、それぞれのオブジェクトに対する基本構成データの
格納領域231a1〜231anが設けられ、該表示制御
用データ部231bには、それぞれのオブジェクトに対
する表示制御用データの格納領域231b1〜231bn
が設けられている。また、各表示制御用データの格納領
域231b1〜231bnは、オブジェクトの表示形態を
規定する、表示サイズや表示濃度等の各要素毎に区分さ
れている。例えば、上記オブジェクト(1)OB1の制
御表示用データCD1の格納領域は、その表示形態を規
定する複数の要素に対応する要素対応領域231b11
231b1kに区分され、各要素対応領域には、オブジェ
クト(1)の見え方データ(関数データ)(1)〜
(k)が格納されている。
【0140】そして、各見え方データ(1)〜(k)に
対しては、上記変化検出部220からの検出出力の種類
に対応して、視点フラッグ,視線方向フラッグ,時間フ
ラッグ,温度フラッグ,湿度フラッグが設定されてお
り、これらのフラッグにより、各見え方データ(1)〜
(k)が、視点変化,視線方向変化,時間変化,温度変
化,湿度変化の影響を受けるものか否かが示されてい
る。
【0141】上記表示制御部210は、自動車が所定の
位置で所定の方向に進行している時、その時点で表示す
べき個々のオブジェクトについてその基本構成データD
及び表示制御用データCD、並びに算出された表示デー
タI’を一時的に保持するデータストレージ部211を
有しており、該ストレージ部211には、オブジェクト
の基本構成データD,表示制御用データCD,及び表示
データI’をオブジェクトに対比させて書き込むための
表示中オブジェクトテーブル(以下、Sテーブルと略記
する。)211aが形成されている。
【0142】また、上記表示制御部210は、視点変化
検出部221からの視点の位置,及びビュー方向検出部
222からのビュー方向に基づいてビュー領域を設定す
るビュー領域設定手段215と、該設定されたビュー領
域に含まれるオブジェクト,つまり検出された現在の自
動車の位置及びその進行方向に対応して表示すべきオブ
ジェクトの基本構成データを、上記データベース230
のIDテーブル230aから読み出して上記ストレージ
部221のSテーブル211aに書き込むデータ取出手
段212を有している。
【0143】さらに上記表示制御部210は、ストレー
ジ部211内にデータが読み出された各オブジェクトに
対してその表示データI’を算出する表示データ演算手
段213と、該算出された表示データI’に基づいて、
プロジェクタ装置240でのオブジェクトの画像表示を
制御する表示制御手段214とを有している。ここで、
上記表示データ演算手段213は、該ストレージ部21
1に保持された基本構成データD及び表示制御用データ
CDを用い、上記変化検出部220における、視点移動
検出部221からの視点の位置,及びビュー方向検出部
222からのビュー方向、さらにタイマー223の計時
出力,及び各センサー224,225からの検出出力に
基づいて、各オブジェクトの表示データI’を求めるも
のである。また、表示データ演算手段213では、従来
の技術にて説明した3次元ビューイング処理も上記表示
データI’を求める際に、これと併せて行っている。
【0144】上記ナビゲーション装置200は、図6
(a)に示すように自動車の車体1に搭載されており、
ナビゲータ本体200aは、車体1前部のインパネ部分
に取り付けられており、上記湿度センサー224及び温
度センサー225は、外気にさらされるよう、例えばフ
ロントフェンダーの内側等に取り付けられている。
【0145】上記ナビゲータ本体200aには、上記オ
ブジェクトデータベース230が構築されたROMある
いはRAMなどの記憶装置、表示制御部210が構築さ
れたCPU(中央演算処理装置)、及び通信衛星からの
電波等により走行位置を検出する視点移動検出部22
1、該方位磁石や走行速度などにより走行方向を検出す
るビュー方向検出部222、さらに計時手段としてのタ
イマー223が組み込まれている。
【0146】また、上記プロジェクタ装置240は、上
記車体1の天井部分に取り付けられており、このプロジ
ェクタ装置240から車体1のフロントガラス2への投
影により、該フロントガラス2の、運転を行う上で視界
の妨げとならないような部分に、図6(b)に示すよう
に、道路標識などのナビゲーションのための情報が表示
されるようになっている。
【0147】ここでは、上記フロントガラス2には、ナ
ビゲーション情報として、速度制限,駐車禁止,及びス
リップ注意の道路標示OB1,OB5,OB11、また
前方の交差点で左折せよの左折マークOB15、さらに
は、走行地点から目的地(天理)までの距離データOB
18が表示されている。
【0148】次に動作について説明する。
【0149】ここではナビゲーション情報として、図7
に示すように、速度制限の道路標識(オブジェクト)O
B2、駐車禁止の道路標識(オブジェクト)OB5、及
び距離データ(オブジェクト)OB18がフロントガラ
ス2に表示されている状況を例に挙げて、視点の位置,
つまり自動車の位置の変化に伴う上記道路標識OB2,
OB5の表示形態の変化を示す。なお、距離データ(オ
ブジェクト)OB18に対しては、表示形態の制御は行
わないものとする。
【0150】また、ナビゲーション装置に設定されてい
る表示形態データ空間を1次元空間としており、図8
(a)には、上記オブジェクトOB2の表示形態を決め
る表示形態データである表示サイズ(濃度値)ρ2と、
該表示形態データ空間上の位置座標(これは視点の位置
に対応している。)xとの関係を規定する関数(関数デ
ータ)f2のグラフα2を示している。なお、上記位置座
標xが1から3までの範囲に対応する地図上の範囲で
は、制限速度が100kmとなっている。また、ここ
で、上記表示形態データ空間上の位置座標(x=0.
5)、位置座標(x=1.0)、位置座標(1.5)、
位置座標(x=2.0)、位置座標(x=2.5)、位
置座標(x=3.0)はそれぞれ、天理までの距離が2
4km,22km,20km,18km,16km,1
4kmである地図上の位置に対応している。
【0151】また、図8(b)には、上記オブジェクト
OB5の表示形態を決める表示形態データである表示サ
イズ(濃度値)ρ5と、該表示形態データ空間上の位置
座標(これは視点の位置に対応している。)xとの関係
を規定する関数(関数データ)f5のグラフα5を示して
いる。
【0152】この関数では、データ空間上での位置座標
xの範囲が0.0から2.0までの範囲では、表示サイ
ズ(濃度値)ρ5の変化は上記図8(a)に示すものと
全く同一であるが、データ空間上での位置座標xの範囲
が2.0から3.0までの範囲では、表示サイズ(濃度
値)ρ5の変化は上記図8(a)に示すものとは異な
り、位置座標xが2.0から3.0まで変化するにした
がって、表示サイズ(濃度値)ρ5が徐々に小さくなる
ように定義されている。
【0153】本実施形態2のナビゲーション装置では、
データ空間上の位置座標xが0.5となった時、つまり
自動車が天理までの距離が24kmである走行地点に到
達した時、図7(a)に示すように、フロントガラス2
の左上の隅部に制限速度100kmを示す道路標示の小
さな表示OB21及び駐車禁止を示す道路標示の小さな
表示OB51が現る。これによって、ドライバーには、
その時点で前方に速度制限が100kmであり、かつ駐
車禁止である区間があることがわかる。
【0154】その後、自動車の目的地(天理)に向かっ
ての移動に伴って、上記両道路標識の表示サイズは徐々
に大きくなり、自動車が天理までの距離が22kmであ
る地点、つまり制限速度が100kmで、かつ駐車禁止
である区間の始点に到達した時には、図7(b)に示す
ように、制限速度標識及び駐車禁止標識はより大きな表
示OB22,OB52となって、フロントガラス2上に表
示される。この時、データ空間上の位置座標xは1.0
となっている。
【0155】そして、さらに自動車が移動することによ
り、上記両道路標識の表示は、天理までの距離が20k
mである地点(データ空間上の位置座標(x=1.
5))での表示OB23,OB53(図7(c)参照)を
経て、自動車が天理までの距離が18kmである地点に
到達した時には、図7(d)に示すように、該両道路標
識は、表示サイズが最大(標準サイズ)の表示OB
S,OB5Sとなる。この時、データ空間上の位置座標
xは2.0となっている。
【0156】このデータ空間上の位置座標(x=2.
0)から位置座標(x=3.0)までは、上記速度制限
の道路標識の表示サイズは一定の大きさとなるよう関数
によって定義されているので、自動車が目的地までの距
離が14kmである地点,つまり制限速度が100km
の区間の終点に達するまでは、上記速度制限の道路標識
としては、標準サイズのものが表示される(図7
(e),(f))。
【0157】一方、上記駐車禁止の道路標識の表示サイ
ズは、データ空間上の位置座標(x=2.0)から位置
座標(x=3.0)までの間で徐々に小さくなるように
関数によって定義されているので、自動車が目的地まで
の距離が16kmである地点(位置座標x=2.5)で
は、その表示サイズが表示OB53に示すように小さく
なる(図7(e))。そしてさらに自動車が目的地まで
の距離が14kmである地点,つまり制限速度が100
kmの区間の終点に達すると、駐車禁止の道路標識の表
示サイズは無表示OB50となる(図7(f))。
【0158】そして、自動車が目的地までの距離が14
kmである地点(データ空間上の位置(x=3.0))
を過ぎると、上記速度制限の道路標識の大きさの変数ρ
が0.0になるので、フロントガラス2上の速度制限の
道路標識の表示も無表示OB20となる。
【0159】なお、上記説明では、上記オブジェクトO
B2,OB5の表示形態である表示サイズ(濃度値)ρ
と、該データ空間上の位置座標(視点の位置)xとの関
係を規定する関数として、図8(a),(b)にそのグ
ラブα2,α5を示すものを用いたが、表示サイズ(濃度
値)ρと、該データ空間上の位置座標(視点の位置)x
との関係を規定する関数はこれに限るものではない。
【0160】例えば、図8(b)に示す関数で、オブジ
ェクトOB2の表示サイズ(濃度値)ρを定義してもよ
く、この場合、データ空間上の位置座標(x=2.5)
では、速度制限100kmの道路標識の表示は、上記図
8(a)で表示サイズ(濃度値)ρを定義した場合に比
べて、表示サイズの小さな表示OB23となる。
【0161】また、表示形態を規定する要素(表示形態
データ)として、表示サイズに加えて表示濃度を定義し
てもよく、図9(a)は、表示サイズ(濃度値)ρ
Aと、該データ空間上の位置座標(視点の位置)xとの
関係を規定する関数fA(x)のグラフαA、及び表示濃
さ(濃度値)ρBと、該データ空間上の位置座標(視点
の位置)xとの関係を規定する関数fB(x)のグラフ
αBを示している。また、図9(b)は、上記両関数を
示す関係式とともに、データ空間上の位置座標x1
2、該各座標での表示の大きさA1,A2及び表示の濃
さB1,B2を示している。
【0162】図9に示すように、表示形態を規定する要
素として、表示の大きさと表示の濃度を定義した場合、
道路標識の表示サイズは、データ空間上での位置座標x
が0.5から3.0までの範囲内にあるときには、上記
図9(a)に示す表示OB2s1,・・・OB2s4,OB
ssのように標準サイズとなる。また、データ空間上で
の位置座標xが0.5から3.0までの範囲外にあると
きには、道路標識の表示は、無表示OB20となる。
【0163】また、道路標識の表示濃さは、表示OB2
s1及びOB2ssに示すように、データ空間上の位置座標
xが0から1に近づくにつれて加速的に濃くなる。そし
て、該位置座標xが1から3に近づくにしたがって、道
路標識の表示濃さは、表示OB2ss,OB2s4,OB2
s3,OB2s2に示すように一定の割合でだんだん薄くな
る。
【0164】このように表示形態を関数fA及びfBによ
り定義した場合、道路標識の表示は、データ空間の位置
座標(x=0.5)ではごく薄いものOB2s1となり、
該位置座標(x=1)では、いちばん濃いものOB2ss
となり、該位置座標xが3に近づくつれて、道路標識の
表示はだんだん薄くなり、該位置座標(x=3)では、
無表示OB20となる。
【0165】また、上記実施形態2では、表示形態を規
定する要素の値(濃度値)、例えば表示サイズや表示濃
さは、1次元の表示形態データ空間の位置座標を変数と
する関数により定義されている場合について説明した
が、上記表示形態を規定する要素の値である表示形態デ
ータ(濃度値)は、多次元の位置座標を変数とする関数
により定義してもよい。
【0166】例えば、車載のナビゲーションシステムで
は、表示形態を規定する各要素の値(濃度値)は、経緯
及び緯度に対応する2次元空間の位置座標を変数とする
関数により定義し、また、航空機などの航行システムで
は、経緯,緯度,及び高度に対応する3次元空間の位置
座標を変数とする関数により定義するのがよい。
【0167】また、上記実施形態2では、見え方の制御
(表示形態の制御)は、表示サイズ、あるいは表示サイ
ズ及び表示濃さを、目的値までの距離に対応した、1次
元空間上の位置座標に基づいて制御する場合について示
したが、見え方の制御の仕方は、通常認識される3次元
空間の位置座標に基づくものに限らず、時間の経過にも
基づくものとしてもよい。
【0168】例えば、通学路に対する交通規制には、通
学日だけ速度制限が課される区域が広がるようにするも
のがある。この場合は、上記データ空間を、例えば図8
(a)で示す位置座標xに対応する次元(x軸)に加え
て、年月日及び一日の時刻を含む時間の次元(紙面垂直
方向の軸)を有するものとし、例えば、図10に示すよ
うに、月曜日から土曜日までは、位置座標(x=1)か
ら位置座標(x=4)までの範囲で、速度制限の表示が
なされ、日曜日は、位置座標(x=1)から位置座標
(x=3)までの範囲で、速度制限の表示がなされるよ
うにしてもよい。図10に示す関数ρC=fC(x,y)
は、この場合の表示サイズ(濃度値)ρCと、位置座標
x及び時間座標yとの関係を示すものである。
【0169】これにより、制限標識の表示をさらにきめ
細かく制御することができる。
【0170】その他、通常は表示されないが、上記デー
タ空間に、温度、湿度等の次元をされに追加して、温度
及び湿度に応じてスリップ注意の道路標識を表示する区
間を変更したり、温度が低いほどこの道路標識の表示濃
度を濃くしたりするようにしてもよい。
【0171】次にデータの処理について説明する。
【0172】図11は、上記表示データの処理における
主な処理の流れを示す図、図12(a)及び図12
(b)は、個々のデータに対して繰り返し行われる処理
を示している。
【0173】ステップS101では、ビュー領域設定手
段215は、ビュー変化検出部220で視点位置,ビュ
ー方向,時間,温度,湿度の変化が検出されるのを待機
している。そして、上記視点移動検出部221,ビュー
方向検出部222,タイマー223,湿度センサー22
4,及び温度センサー225の出力のいずれかに変化が
発生すると、ビュー領域設定手段215はビュー領域を
設定し、該設定手段215からの出力に基づいて、該デ
ータ取出手段212は、表示制御部210のストレージ
部テーブル211aを更新する。つまり、上記オブジェ
クトデータベース230のテーブル230aから、その
時点でビュー内に入るオブジェクトの基本データD及び
表示制御用データCDを取り出して、これを表示制御部
210のストレージ部のSテーブル211aに書き込む
とともに、その時点でビュー内に入らないオブジェクト
の基本データを該テーブル211aから抹消する(ステ
ップS102)。ここで、オブジェクトテーブルの更新
は、ビューの変数,つまり視点の位置と、各オブジェク
トの基本構成データに含まれる幾何学的データとにより
決定される。
【0174】続いて、表示データ演算手段213は、S
テーブル211a内に処理すべきオブジェクトのデータ
があるか否かを判定し(ステップS103)、さらに、
処理すべき最初のオブジェクトについての未処理の制御
表示用データがあるか否かの判定を行い(ステップS1
04)、未処理の表示制御用データがある場合は、上記
ビュー変化検出部220からの検出出力に基づいて、上
記Sテーブル211a内の各オブジェクトについて、そ
の基本構成データとともに表示制御用データに基づいて
表示データI’を算出する処理を開始する。
【0175】つまり、演算手段213は、Sテーブル2
11a内の各オブジェクトの表示制御用データに設定さ
れている視点,ビュー方向,時間,温度,湿度フラッグ
を参照して、上記検出部の各出力の変化に対応した表示
データの演算を行う。ここで、例えば視点フラッグは、
表示制御用データが視点の変化の影響を受けるものか否
かを、「1」,「0」の値で示すものであり、ビュー方
向,時間,温度,湿度フラッグも、上記視点フラッグと
同様、表示制御用データが、ビュー方向,時間,温度,
湿度に対する検出出力の変動の影響を受けるか否かを示
すものである。
【0176】具体的な処理としては、演算手段213
は、視点の変化があるか否かをステップS111で判定
し、視点変化がなければ、該演算手段213の処理はス
テップS112に進む。一方、視点の変化があれば、該
演算手段213は、その見え方データの視点フラッグが
設定されているか否かを判定し、フラッグが設定されて
いない場合はその処理はステップS112に進み、フラ
ッグが設定されている場合、見え方データに基づいて該
視点変化に対応した変数決定処理(ステップS120
a)を行う。このステップS120aでの処理は、以下
のように3つのステップS121〜ステップS123の
処理からなる。
【0177】すなわち、上記演算手段213は、Sテー
ブル211a内の最初のオブジェクトに対応する見え方
データ(表示制御用データ)CDから、例えば表示サイ
ズと視点位置との関係を規定する濃度表示関数f1を取
得する(ステップS121)。次に、該演算手段213
は、該関数f1に基づいて表示変数の計算を行い(ステ
ップS122)、表示変数(表示形態データ)を設定す
る(ステップS123)。
【0178】その後、該演算手段213の処理は、ステ
ップS112に進む。ステップS112では、演算手段
213は、ビュー方向の変化があるか否かを判定し、ビ
ュー方向の変化がなければ、その処理はステップS11
3に進む。一方、ビュー方向の変化がある場合は、さら
にビュー方向フラッグの設定状況を判定する。このフラ
ッグが設定されていない場合は、該演算手段213の処
理はステップS113に進み、フラッグが設定されてい
る場合は、見え方データに基づいて該ビュー方向変化に
対応した変数決定処理(ステップS120b)を行う。
このステップS120bでの処理は、上記ステップ12
0aの処理と同様、ステップS121〜ステップS12
3の処理からなる。
【0179】さらに上記のようにして、順次、上記時間
変化,温度変化,湿度変化の有無の判定(ステップS1
13,S114,S115)とともに、時間フラッグ,
温度フラッグ,湿度フラッグの設定状況の判定(ステッ
プS113a,S114a,S115a)を行い、それ
ぞれの判定結果に応じて、時間変化,温度変化,湿度変
化に対応した変数決定処理(ステップS120c,S1
20d,S120e)を行う。
【0180】ここで、上記ステップS115にて、湿度
変化がないと判定された時、ステップS115aにて、
湿度フラッグが設定されていないと判定された時、ある
いはステップ120eでの変数決定処理が終了した時に
は、演算手段213の処理はにステップS104に進
む。
【0181】そして、演算手段213は、そのオブジェ
クトに対する未処理の表示制御用データ(関数データ)
が残っているか否かを判定し、残っている場合は、その
表示制御用データに対して、図12に示すP1からP2
までの所要のステップでの処理を行う。
【0182】そのオブジェクトに対する未処理の表示制
御用データが残っていない場合は、演算手段213は、
上記テーブル211aからそのオブジェクトの基本構成
データを取り込み(ステップS105)、さらに上記テ
ーブル211aからそのオブジェクトの、上記設定され
た表示変数を取り込み(ステップS106)、オブジェ
クトの表示データの再計算を行い(ステップS7)、表
示データI’を上記Sテーブル211aに書き込む。
【0183】そして、上記Sテーブル211a内に未処
理のオブジェクトがなくなれば、表示制御手段214
は、該テーブル211a内の各オブジェクトの表示用デ
ータを表示ディスプレイ240に送り出す(ステップS
108)。
【0184】これにより上記表示ディスプレイ240で
は、各オブジェクトがその時点でのビュー変化検出部の
出力,つまり自動車の位置及び進行方向に応じて表示さ
れることとなる。ここでは、道路標識が該ビュー変化検
出部の出力に応じた大きさで表示ディスプレイ240上
に表示されることとなる。
【0185】その後、上記表示処理を続行するか否かを
判定し(ステップS109)、続行するのあれば、表示
制御部210による処理はステップS101に戻り、続
行しないのであれば、表示制御部210による処理を終
了する。
【0186】(実施形態3)図13は本発明の実施形態
3によるマルチメディアデータ表示装置を搭載した商品
説明用の小型電子機器を示す外観図であり、図13
(a)は該小型電子機器の本体に取り付けられた保護カ
バーを開いた状態、図13(b)は該保護カバーを閉じ
た状態、図13(c)は該保護カバーを機器本体の裏側
へ折り返した状態を示している。
【0187】図において、301は手帳タイプの商品説
明用の小型電子機器であり、装置本体を展示物や商品に
近づけるだけで、その展示物や商品の説明を表示画面上
にリアルタイムに、かつそのときどきの状況に応じた内
容でもって表示するものである。
【0188】該小型電子機器本体301aは、各表示デ
ータの処理を行うデータ処理部310と、該データ処理
部へのデータの入出力を行うためのデータ入出力装置3
02とを有している。該データ入出力装置302は、デ
ータの入力を行うためのタブレットと、データの表示を
行う液晶パネルとを有し、これらが互いに一体化して機
能するよう構成した平面入出力部302aと、上記平面
入出力部302a上でのデータ入力および操作に使用す
るタッチペン302bとから構成されている。また、上
記機器本体301aには、上記平面入出力部302aの
液晶面を保護する保護カバー301bが、該入出力部3
02aの表面を覆う状態と、機器本体301aの裏面側
に折り返した状態との間で折り曲げ可能に取り付けられ
ている。また、機器本体301aの一部には、この保護
カバー301bをこれが該入出力部302aの表面を覆
う状態で固定するロック機構303が組み込まれてい
る。なお、302a1は上記入出力部302aの液晶パ
ネル上に形成された画面のアイコン表示部である。
【0189】また、上記小型電子機器本体301aは、
該機器本体の位置、その向き、その周辺環境の温度及び
湿度を検出するとともに、さらに現在の時刻データを発
生する検出部320を有している。
【0190】また、図14は、小型電子機器に搭載され
た表示データ処理機能を実現するためのハード構成を示
すブロック図である。ここで上記表示データ処理機能
は、装置本体の近傍に位置する展示物や商品を識別し、
その展示物や商品の説明を表示画面上にリアルタイム
に、かつそのときどきの状況に応じた内容でもって表示
するというものである。
【0191】図において、311は上記商品説明用の小
型電子機器301の表示データ処理部310に搭載され
た、上記表示データ処理を行うCPU(中央制御装置)
であり、該表示データ処理部310には、該処理を実施
するためのプログラムを格納したROM312、及び処
理データが格納されたRAM313が搭載されており、
上記CPU311,ROM312,及びRAM313
は、上記表示データ処理部310内のデータバス310
aにより相互に接続されている。
【0192】また、このデータバス310aは、故障モ
ードと操作モード等を切り換えるための信号等を入力す
るためのデータ入力装置321,及び表示データを表示
するディスプレイ装置330にも接続されている。ここ
で、上記データ入力装置321は、上記小型電子機器3
01のタブレット及びタッチペン302bの機能により
実現されており、上記ディスプレイ装置330は、上記
小型電子機器301の液晶パネルの機能により実現され
ている。
【0193】上記RAM313には、上記実施形態2の
ナビゲータ装置の全オブジェクトデータ部に対応するデ
ータベースが構築されている。また、上記CPU311
には、上記実施形態2のナビゲータ装置の全オブジェク
トデータ部210に対応する構成が構築されている。
【0194】ここでは、オブジェクトは、デパート等の
商品売場に陳列されている商品であり、オブジェクトの
基本データは、商品を特定する、商品の幾何学的データ
及び属性データである。また、上記オブジェクトの表示
制御用データとしては、商品に関する説明内容の詳しさ
と、視点位置及び一日の時間とを一定の関係に対応づけ
る関数データを用いている。
【0195】具体的には、商品説明の詳しさを濃度値ρ
で表し、視点位置,一日の時間を変数x,変数yに対応
させると、上記関数は以下の数式(20)により表され
る。
【0196】 ρ=f(x,y) ・・・(20) 従って、例えば、上記商品が生鮮食料品のようなもので
ある場合、上記商品説明用の小型電子機器を携帯した店
員や消費者が、食料品売場からかなり遠くに位置してい
る場合は、この電子機器の表示画面には、その食料品が
画像表示されるとともに、その商品の説明としてその名
称が表示されている。そして、消費者がその食料品売場
に近づくと、それにつれて商品説明の内容が詳しくな
る。たとえば、値段,ブランド,入荷日,産地等が、消
費者にとって関心に高いものから順に順次画面上に表示
されることとなる。
【0197】
【発明の効果】以上のように本発明に係るマルチメディ
アデータ表示装置によれば、オブジェクトが存在するオ
ブジェクト空間内の表示対象領域(ビュー領域)に入る
個々のオブジェクトの見え方を、オブジェクト毎に別々
に、かつビュー領域を決定する位置座標との間での連続
的な関数で定義することによって、個々のオブジェクト
に対して独立してしかも連続的にその表示制御を行うこ
とが可能になる。
【0198】例えば、上記ビュー領域における重要でな
いオブジェクトについては、視点からの距離が離れる
と、その表示形態をだんだん薄く小さくし、一方、上記
ビュー領域における重要なオブジェクトに対しては、視
点からの距離が離れる場合でも表示サイズが小さくなる
速度を、重要でないものに比べてゆっくリにし、表示濃
度は変えないようにすることが可能になる。
【0199】このようにマルチメディアデータとしての
オブジェクトが、表示形態を制御するための情報を持つ
ことにより、効果的な表示制御が可能となり、オブジェ
クトの表示形態を、3次元空間での位置や時間、さらに
は天候等に応じて、オブジェクト毎に独立して調整する
ことができ、この結果、複数のオブジェクトを重ねて表
示する等の表示手法、オブジェクトの表示色や透明度等
の表示属性、オブジェクトが表示される時間帯など表示
時期等を自在に変化させて、オブジェクトのよりフレキ
シブルで効果的な表示が可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施形態1によるマルチメディ
アデータ表示装置の構成を示すブロック図である。図1
(a)は該表示装置のハード構成を示す外観図、図1
(b)は該表示装置における各部の機能をブロックに分
けて示す図である。
【図2】図2は上記マルチメディアデータ表示装置によ
るオブジェクトの表示形態を定義する具体的な関数等を
説明するための図であり、図2(a)は、数式(3)で
示す関数ρa=fa(x)のグラフ、図2(b)は、数式
(4)で示す関数ρb=fb(x)のグラフ、図2(c)
は、データアクセスベクトルwと濃度放線ベクトルvと
の内積を示している。
【図3】図3(a)〜図3(c)は、データアクセス座
標の変化に応じて、文字データ「A」,「B」の表示形
態を変化させる処理を説明するための図である。
【図4】図4は、上記マルチメディアデータ表示装置の
全体的な動作を説明するためのフローチャート図であ
る。
【図5】図5は本発明の実施形態2によるマルチメディ
アデータ表示装置を用いたナビゲーションシステムを説
明するためのブロック図である。
【図6】図6は、上記実施形態2のナビゲーションシス
テムとして、自動車に搭載されたナビゲーション装置2
00を説明するための図でり、図6(a)はナビゲーシ
ョン装置の車体への取付状態を示し、図6(b)は該ナ
ビゲーション装置により、車体のフロントガラスに表示
されたナビゲーション情報の表示状態を示している。
【図7】図7(a)〜図7(f)は、上記ナビゲーショ
ン情報としてフロントガラス2に表示された、速度制限
の道路標識(オブジェクト)OB2,駐車禁止の道路標
識(オブジェクト)OB5,及び距離データ(オブジェ
クト)OB18が、自動車の移動に伴って変化する様子
を示す図である。
【図8】図8(a)は、速度制限の道路標識(オブジェ
クト)OB2に対して定義された濃度分布関数のグラフ
を示す図、図8(b)は、駐車禁止の道路標識(オブジ
ェクト)OB5に対して定義された濃度分布関数のグラ
フを示す図である。
【図9】図9(a)は、表示サイズ(濃度値)ρAと該
データ空間上の位置座標(視点の位置)xとの関係を規
定する関数fA(x)のグラフαA、及び表示濃さ(濃度
値)ρBと該データ空間上の位置座標(視点の位置)x
との関係を規定する関数fB(x)のグラフαBを示す
図、図9(b)は、上記関数fA,fBを示す関係式とと
もに、データ空間上の位置座標x1,x2、該各座標での
表示の大きさA1,A2及び表示の濃さB1,B2を示す図
である。
【図10】図10は、表示サイズ(濃度値)ρと、位置
座標x及び時間座標yとの関係を規定する関数ρC=fC
(x,y)を示す図である。
【図11】図11は、上記実施形態2のナビゲーション
装置における表示データの演算処理の流れを示す図であ
る。
【図12】図12(a)及び図12(b)は、上記表示
データの演算処理での個々のデータに対して繰り返し行
われる処理を示す図である。
【図13】図13は本発明の実施形態3によるマルチメ
ディアデータ表示装置を搭載した商品説明用の小型電子
機器を示す外観図であり、図13(a)は該小型電子機
器の本体に取り付けられた保護カバーを開いた状態、図
13(b)は該保護カバーを閉じた状態、図13(c)
は該保護カバーを機器本体の裏側へ折り返した状態を示
している。
【図14】図14は、小型電子機器に搭載された表示デ
ータ処理機能を実現するためのハード構成を示すブロッ
ク図である。
【図15】図15は、一般的な3次元ビューイングにお
ける処理の流れを概念的に示す図である。
【図16】図16は、上記3次元ビューイングにおける
ビューボリュームに対するクリップ処理、及び該ビュー
ボリューム内のオブジェクトの投象処理を説明するため
の図であり、複数のオブジェクトが存在する3次元空間
を示している。
【図17】図17は、上記3次元ビューイングにおけ
る、投象面(ビュー座標平面)Hv上の点Phvを正規
化座標平面HsのビューポートVp内の点Phsを介し
て、物理デバイスの表示画面上の点Phdへ変換する処
理を説明するための図である。
【図18】図18は、従来のナビゲーション装置を説明
するためのブロック図である。
【図19】図19は、上記従来のナビゲーション装置の
動作を説明するための図であり、自動車の位置の変化に
応じて、表示ディスプレイ上での道路標識の大きさが変
化する様子と併せて、道路標識の正規化した大きさと自
動車の位置との関係を示す関数のグラフを示している。
【図20】図20は、上記従来のナビゲーション装置に
おける道路標識の表示処理の流れを示すフローチャート
図である。
【符号の説明】
100 マルチメディアデータ表示装置 110,210,310 表示制御部 111,211 データストレージ部 111a,211a 表示用データテーブル 112,212 データ取出手段 113,213 表示データ演算手段 115,215 ビュー領域設定手段 114,214 表示制御手段 120 位置情報発生部 130,230 データベース 140 データ表示部 200 ナビゲータ装置 220,320 ビュー変化検出部 240 プロジェクタ装置 301 商品説明用の小型電子機器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G09G 5/36 510 G09G 5/36 510B 510M 520 520P 520E 530 530C // G01C 21/00 G01C 21/00 H

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n次元空間の位置情報によりその幾何学
    的データ及び属性データが定義されたマルチメディアデ
    ータを、表示画面上に表示するマルチメディアデータ表
    示装置であって、 種々のマルチメディアデータが存在するマルチメディア
    データ空間における、表示対象となるビュー領域を、本
    装置内部で発生した、あるいは本装置外部から提供され
    る所定次元のアクセス位置情報に基づいて設定するビュ
    ー領域設定手段と、 該設定されたビュー領域内に存在する各マルチメディア
    データを該表示画面上に表示する際、該マルチメディア
    データの表示形態を、該アクセス位置情報に基づいて各
    マルチメディアデータ毎に制御する表示制御手段とを備
    えたマルチメディアデータ表示装置。
  2. 【請求項2】 立体的なオブジェクトを、これを特定す
    る基本構成データに基づいて表示画面上に表示するマル
    チメディアデータ表示装置であって、 該オブジェクトの基本構成データとともに、該表示画面
    上でのオブジェクトの表示形態を設定するための表示制
    御用データを、種々のオブジェクトに対応させて格納し
    たデータベースと、 該種々のオブジェクトが存在するオブジェクト空間にお
    ける、表示対象となるビュー領域を、本装置内部で発生
    した、あるいは本装置外部から提供される所定次元のデ
    ータアクセス位置情報に基づいて設定するビュー領域設
    定手段と、 該設定されたビュー領域内に存在する各オブジェクトに
    対して、その表示形態を与える表示形態データを、該表
    示形態データが存在する1次元または多次元の表示形態
    データ空間における、該データアクセス位置情報により
    決定される表示形態データ位置から、該表示形態データ
    位置と表示形態データとの対応関係を規定する、該表示
    制御用データとしての関数データに基づいて求めるデー
    タ演算手段とを備え、 該データアクセス位置情報に応じて、該ビュー領域内に
    存在する各オブジェクトの表示画面上での表示形態を、
    該各オブジェクト毎に独立して制御するよう構成したマ
    ルチメディアデータ表示装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のマルチメディアデータ表
    示装置において、 前記オブジェクトの表示形態は、 該表示画面上での表示サイズ及び表示濃度を含む複数の
    要素により設定されるものであり、 前記表示形態データは、 該各要素毎に各要素に対応した表示形態データ空間にお
    いて定義されており、 該各表示形態データ空間は、 前記オブジェクトが存在するオブジェクト空間の各次
    元、該オブジェクト空間における方向ベクトルに対応す
    る次元、並びに時間,温度,及び湿度のそれぞれに対応
    する次元を含むものであり、 前記表示制御用データは、 該オブジェクトの表示形態を設定する各要素に対応する
    表示形態データと、該表示形態データ空間における表示
    形態データ位置との関係を規定する、該要素の数に対応
    した個数の関数データから構成されているマルチメディ
    アデータ表示装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のマルチメディアデータ表
    示装置において、 前記データアクセス位置情報は、前記オブジェクト空間
    における方位情報を与えるデータアクセスベクトルを含
    むものであり、 前記データ演算手段は、前記表示形態データに基づい
    て、各オブジェクトを表示するための表示データを算出
    する構成となっており、 前記表示データは、 前記各オブジェクトに対する定数値である表示パラメタ
    を第1の変数とし、前記各要素に対応する表示形態デー
    タと、該表示形態データの表示画面上での影響の程度を
    示す濃度定数との積であるスケールファクタを第2の変
    数とする表示変換関数により定義したものであり、 該濃度定数は、 前記表示形態データ空間における表示形態データ位置を
    変数とする濃度法線ベクトル変換関数により各オブジェ
    クト毎に定義された、該表示形態データの依存する方向
    を示す濃度法線ベクトルと、前記オブジェクト空間にお
    けるデータアクセスベクトルとの内積を変数とする濃度
    係数関数により定義したものであるマルチメディアデー
    タ表示装置。
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