JPH0925142A - 製鋼スラグの水蒸気エージング処理方法 - Google Patents

製鋼スラグの水蒸気エージング処理方法

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JPH0925142A
JPH0925142A JP20132695A JP20132695A JPH0925142A JP H0925142 A JPH0925142 A JP H0925142A JP 20132695 A JP20132695 A JP 20132695A JP 20132695 A JP20132695 A JP 20132695A JP H0925142 A JPH0925142 A JP H0925142A
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孝一 市川
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秀明 星
Tomoo Suzuki
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Makoto Kato
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    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/91Use of waste materials as fillers for mortars or concrete

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スラグのエージング処理時間を短縮し、且つ
水蒸気原単位を低減させる製鋼スラグの水蒸気エージン
グ処理方法を提供する。 【構成】 スラグを水蒸気で昇温し、1Hr以上保温し
た後、1℃/Hr以上の強制冷却で5℃以上温度を降下
させることからなる。スラグを水蒸気で昇温する昇温工
程と、1Hr以上保温する昇温後保温工程と、1℃/H
r以上の冷却速度で5℃以上温度を降下させる強制冷却
工程と、1Hr以上保温する強制冷却後保温工程とをこ
の順番で構成することからなる。上記昇温工程から強制
冷却後保温工程までの全工程を、2サイクル以上繰り返
すことからなる。上記強制冷却を、5℃/Hr以上の冷
却速度で行なうことからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、路盤材の原料と
なる製鋼スラグの効率的な水蒸気エージング処理方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】製鋼スラグは、結晶質で且つ硬い性質を
有するので、冷却後破砕して所定の粒度に調整したも
の、また、これに高炉で発生する徐冷スラグなどを混合
したものは、路盤材として好適である。しかしながら、
製鋼スラグには、鋼の精錬時に使用する石灰の一部が遊
離石灰(フリーライム)の形態で含まれており、遊離石
灰は水と接触すると消石灰となり、そして、その体積は
約2倍に膨張する。
【0003】従って、遊離石灰を多量に含むスラグを路
盤材に利用した場合、水との接触による膨張のため、ス
ラグが徐々に膨張崩壊し、この結果、路面に凹凸やクラ
ックを生じて車両の走行に支障をきたしたり、舗装の耐
久性低下を早めたりする。
【0004】上述したような、製鋼スラグの異常膨張の
原因となる遊離石灰を水和処理する方法として、一般的
には、エージング処理と称する方法、即ち、スラグを4
0mm程度以下に破砕し、3〜6ヶ月間大気中に山積み
することによって、遊離石灰と雨水などとの間に水和反
応を起こさせ、膨張性を安定化させる処理方法が知られ
ており、JIS A 5015−1992「道路用鉄鋼
スラグ」には、スラグのエージング処理方法が規定され
ている。しかしながら、この方法ではスラグのエージン
グ処理に非常に長い期間を要する上に、広大な土地を必
要とし、処理効率が悪く、しかも山積みされたスラグ内
での膨張性の安定化進行度のばらつきが大きいという問
題があった。
【0005】そこで、このような実状に鑑みて、エージ
ングを促進させ、エージング期間を短縮させてエージン
グ処理を効率化するとともに、スラグの安定化進行度の
ばらつきをなくそうとする種々の方法が開発されてき
た。スラグのエージングは遊離石灰の水和反応により行
われるので、開発の基本的技術は遊離石灰の水和反応を
促進させることにある。そのうち代表的な方法は、水蒸
気を用いてエージング処理を施すものであり、水蒸気の
もつ熱と水分とによりスラグ中の遊離石灰の水和反応を
促進させようとするものである。この方法に関して、種
々の水蒸気エージング装置および方法が提案されている
が、スラグを積み付けた山を擁壁で囲むか、もしくは、
ホッパーなどの容器に搬入して、スラグの下から水蒸気
を吹込む方法が一般的である。しかしながら、水蒸気を
吹き込む方法は、遊離石灰の水和反応促進効果は大きい
が、使用する水蒸気のコストが高いため、経済性を考慮
した場合、この処理方法を採用するためには水蒸気の使
用量を減らす必要がある。
【0006】上述した問題の解決方法の一つとして、特
開平4−202033号公報は、スラグを大気圧下で1
00℃まで昇温するために、エンタルピの大きい過熱水
蒸気を、スラグ山の空隙率に応じて噴出速度を調節しな
がら送り込むことによって、水蒸気使用量を低減する方
法(以下、「先行技術1」という)を開示している。し
かしながら、製鉄所内で供給される水蒸気は、通常は、
水分が飽和した飽和水蒸気であるから、スラグの水蒸気
エージング処理のために過熱水蒸気の供給設備を別途設
置するとなると、そのコストがかかり、先行技術1は、
必ずしも経済的な方法とはいえない。
【0007】他の解決方法として、特開平4−1752
50号公報は、製鋼スラグの中に温度計を挿入し、この
温度計による計測値に基づき、製鋼スラグに吹込む水蒸
気供給量を適正に制御する方法(以下、「先行技術2」
という)を開示している。先行技術2においては、製鋼
スラグを水蒸気で昇温し、スラグの上層部が100℃に
到達後、水蒸気供給を停止し、自然冷却により95℃に
低下したら再び水蒸気を供給している。このように、先
行技術2では、スラグ加熱後の冷却を自然放冷で行な
い、単に水蒸気使用量を減らすことのみを目的としてい
るにすぎない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】先行技術1は、スラグ
のエージング処理に使用される水蒸気原単位が低減する
という利点を有するが、一方、過熱水蒸気の供給設備を
別途必要とする点に問題がある。また、先行技術2は、
スラグのエージング処理に要する水蒸気を節約すること
ができるという利点を有するが、スラグ加熱後は、自然
放冷を行なうのみであり、冷却過程におけるエージング
効果の促進については、何ら考慮されていない。
【0009】路盤材に使用するために破砕された製鋼ス
ラグ、例えば40mm程度以下に破砕された製鋼スラグ
のスラグ粒表面には、通常、多量の遊離石灰が露出して
いるので、エージング処理において水蒸気を供給される
と、スラグは昇温すると共に、水分の豊富な雰囲気中で
速やかに水和反応を起こす。水和反応によりスラグ表面
の遊離石灰は膨張し、そのためスラグ粒の表面から内部
にクラックが入り、スラグ粒内部の未反応遊離石灰がこ
のクラックに通じる。また、破砕後のスラグ粒には、エ
ージング処理のスラグ冷却工程における、スラグ表層部
と内部との熱応力差、析出結晶の種類による熱膨張係数
の違い、および、ガス抜けにより形成されるキャピラリ
ーポア、並びに、スラグ破砕工程における物理的作用に
より、微細なクラックが形成され、スラグ粒内部の未反
応遊離石灰はこのクラックの破面および先端部にも通じ
る。
【0010】このようにしてスラグ粒表面に開口部を有
するクラックの内部に通じた未反応遊離石灰は、時間を
かけてクラックに侵入する水分と水和反応を起こすこと
によってクラックが拡大し、次いで、スラグ粒内部の他
の未反応遊離石灰がクラック内部に通じるという過程が
繰り返されることによって、破砕スラグの安定化が進行
する。
【0011】一方、スラグ粒の表面に開口して形成され
たクラックの内部への水分の侵入は、液相水分よりも気
相水分の場合の方が速やかに起こる。従って、大気圧下
で水蒸気によりスラグを安定化させるためには、水蒸気
の有する熱などで、スラグを100℃程度に昇温させ、
そして気相水分をスラグに供給するのが効率的である。
これに対して、遊離石灰の水和反応は、気相水分との反
応よりも液相水分との反応による方が速い。従って、1
00℃程度の水分が気相状態でクラック内の未反応遊離
石灰の表面に到達しても、液相状態で到達する場合に比
べて水和反応が遅延する。
【0012】一般に、路盤材用に破砕された製鋼スラグ
中の遊離石灰の存在状態は、スラグ粒の表面に露出して
いるものとスラグ粒内に取り囲まれているものとがあ
り、上述したように、スラグ粒の表面に露出している遊
離石灰は、スラグに水蒸気を吹き込むことによって、直
ちに水分と接触し水和反応を起こすが、スラグ粒内に取
り囲まれている未反応遊離石灰の水和反応は大幅に遅延
する。先行技術1および2の方法においても、スラグ粒
表面の遊離石灰は、エージング処理の初期において水蒸
気と速やかな水和反応を起こし、急速に安定化する。し
かしながら、スラグ粒内の遊離石灰の安定化には、水蒸
気との接触が必要となり、しかも、水蒸気と接触するま
でに長時間を要するので、水和反応を起こすのに一層長
時間を要する。その上、遊離石灰と水蒸気との反応速度
は、液相水分との反応速度よりも遅い。従って、先行技
術1および2の方法では、エージング処理の初期におい
てある程度急速にスラグの膨張が起き、安定化される
が、それ以降は水和反応が遅れて膨張が急速に遅くな
り、安定化が遅延する。その結果、スラグの安定化に長
時間を要するという問題があった。
【0013】従って、この発明の目的は、舗装された路
面に凹凸やクラックが発生するのを防止するために、上
述した問題を解決することにより、所定の粒度に破砕さ
れたスラグ粒内部に存在する遊離石灰に対して早期に水
和反応を起こさせ、エージング処理時間を短縮させ、ま
た、エージングのための水蒸気使用量を低減することが
できる、製鋼スラグの水蒸気エージング処理方法を提供
することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上述し
た目的を達成するために鋭意研究を行なった結果、次の
知見を得た。即ち、スラグ粒の表面に開口しスラグ粒内
に発生したクラックに通じる遊離石灰と、このクラック
内に侵入した水分との間の水和反応速度は、水分が気相
である場合よりも液相である場合の方が速く、従って、
上記水和反応を促進させるためには、クラック内に水蒸
気を長時間にわたり侵入させるのではなく、適正時間だ
けクラック内に水蒸気を侵入させた後は、これを強制的
に液化させることが効果的であること、また、クラック
内への水蒸気の侵入とその強制的液化とを繰り返せば一
層効果的であることを知見した。
【0015】この発明は、上述した知見に基づいてなさ
れたものであって、この発明の製鋼スラグの水蒸気エー
ジング処理方法は、製鋼スラグの膨張崩壊性を、水蒸気
を用いて大気圧下でエージング処理する方法において、
前記スラグに水蒸気を供給して前記スラグを前記水蒸気
で加熱し、次いで1Hr以上保温した後、1℃/Hr以
上の冷却速度で強制冷却することにより、5℃以上温度
を降下させることに特徴を有するもの(以下、第1発明
という)である。
【0016】この発明の望ましい製鋼スラグの水蒸気エ
ージング処理方法は、製鋼スラグの膨張崩壊性を、水蒸
気を用いて大気圧下でエージング処理する方法におい
て、前記スラグに水蒸気を供給して前記スラグを前記水
蒸気で加熱し昇温する昇温工程と、加熱昇温された前記
スラグを1Hr以上保温する昇温後保温工程と、保温さ
れた前記スラグを1℃/Hr以上の冷却速度で強制冷却
することにより、5℃以上温度を降下させる強制冷却工
程と、このようにして強制冷却された前記スラグを1H
r以上保温する強制冷却後保温工程とからなることに特
徴を有するもの(以下、第2発明という)である。
【0017】この発明の更に望ましい製鋼スラグの水蒸
気エージング処理方法は、第2発明において、前記昇温
工程から前記強制冷却後保温工程までの全工程を、2サ
イクル以上繰り返すことに特徴を有するものである。
【0018】この発明の別の望ましい製鋼スラグの水蒸
気エージング処理方法は、第1発明または第2発明にお
いて、前記強制冷却を、5℃/Hr以上の冷却速度で行
なうことに特徴を有するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、この発明において、エージ
ング処理方法を上述したように限定した理由について述
べる。
【0020】(1)昇温・保温後に1℃/Hr以上の冷
却速度で強制冷却する理由 先ず、スラグを水蒸気で加熱し昇温した後保温し、次い
で、強制冷却するときの冷却速度は速いほど、操業時間
の短縮に寄与すること、熱ひずみにより破砕されたスラ
グ粒に表面から内部にクラックが入り易く、従って、未
反応遊離石灰がこのクラックと通じる量的割合が増加す
るので水和反応が促進されること等の利点を有する。し
かしながら、1℃/Hr以下の冷却速度ではその効果が
十分発揮されず、5℃/Hr以上が望ましい。一方、冷
却速度を余り速くしようとすると、設備費、ランニング
コストが高くなり、また、スラグの山崩し作業が増加す
るなど操業性が低下する。従って、10℃/Hr程度以
下が望ましい。次に、強制冷却する理由は、上記熱ひず
みによるクラックの促進に加えて、前述の如く水分を気
相状態から液相状態に相変化させることによる水和反応
の促進にある。従って、100℃保温を間欠的に強制的
に冷却して、上記水分を液化させるべきである。
【0021】(2)昇温工程から強制冷却後保温工程ま
での全工程を2サイクル以上繰り返す理由 上記全工程を繰り返すことにより、上記(1)で述べた
理由により、スラグ粒内の遊離石灰の水和反応が促進さ
れること、および、操業時間の短縮化に寄与する。そし
て、サイクル数は多いほどその効果が増加するからであ
る。
【0022】(3)昇温後保温時間を、1Hr以上に限
定する理由 100℃の水蒸気がクラックに侵入してスラグ粒内の遊
離石灰に到達するのにはある程度の時間を要する。ま
た、気体水蒸気はクラックの他、スラグの結晶粒界を通
過して上記遊離石灰に到達することもできる。従って、
保温時間を長くする方が遊離石灰の水和反応が促進され
る。しかしながら、1Hr未満ではその効果が十分発揮
されない。一方、保温時間が長くなり過ぎ30Hrを超
えても、その効果は飽和し、また、操業効率が低下す
る。従って、昇温後保温時間を1Hr以上にすべきであ
り、望ましくは30Hr以下にすべきである。
【0023】(4)強制冷却による温度降下量を、5℃
以上に限定する理由 スラグ粒に形成されたクラックに侵入した100℃の水
蒸気が、確実に液化するため、および、温度降下による
熱ひずみを確保するために、スラグ温度の分布および測
定誤差を考慮して、スラグ温度が95℃以下になるまで
強制冷却すべきである。一方、スラグ温度が低くなり過
ぎると、遊離石灰の水和反応速度が遅くなり、強制冷却
後保温時間を長時間要することになり、操業効率が低下
するので、スラグ温度を75℃以上に保温するのが望ま
しい。
【0024】(5)強制冷却後保温時間を、1Hr以上
に限定する理由 液化した水分とスラグ粒内の遊離石灰とが量的に十分、
水和反応を起こすために保温時間は長い方が有利であ
る。しかしながら、1Hr未満ではその効果が十分発揮
されない。一方、保温時間が長くなり過ぎ10Hrを超
えても、その効果は飽和し、また、操業効率が低下す
る。従って、昇温後保温時間を1Hr以上にすべきであ
り、望ましくは10Hr以下にすべきである。
【0025】次に、この発明を、実施の態様により更に
説明する。この発明の第1の実施態様は、円筒状容器
に、所定の粒径に破砕した製鋼スラグを充填し、円筒下
部から、100℃の水蒸気を吹込むことによって上記ス
ラグを加熱して100℃に昇温し(昇温工程)、1Hr
以上保温した後、水蒸気吹き込みを停止し、円筒状容器
の下部から所定流量の空気をスラグ内に吹き込むことに
よって、スラグを1℃/Hr以上の冷却速度で100℃
から95℃以下75℃以上の温度になるまで強制的に冷
却する(強制冷却工程)ものである。このようにして、
所定の製鋼スラグに水蒸気でエージング処理を施す。
【0026】この発明の第2の実施態様は、円筒状容器
に、所定の粒径に破砕した製鋼スラグを充填し、円筒下
部から、100℃の水蒸気を吹込むことによって上記ス
ラグを加熱して100℃に昇温し(昇温工程)、次い
で、水蒸気の吹込み流量を減らしてスラグを1時間以上
100℃に保温し(昇温後保温工程)、次いで、水蒸気
吹き込みを停止する共に、円筒状容器の下部から所定流
量の空気をスラグ内に吹き込むことによって、スラグを
1℃/Hr以上の冷却速度で100℃から95℃以下7
5℃以上の温度になるまで強制的に冷却する(強制冷却
工程)。このようにして強制冷却されたスラグを、適正
流量の水蒸気吹き込みにより1時間以上その温度に保温
する(強制冷却後保温工程)ものである。このようにし
て、所定の製鋼スラグに水蒸気でエージング処理を施
す。
【0027】この発明の第3の実施態様は、上述した第
2実施態様における昇温工程、昇温後保温工程、強制冷
却工程および強制冷却後保温工程からなる全工程を2サ
イクル以上繰り返すものである。このようにして、所定
の製鋼スラグに水蒸気でエージング処理を施す。
【0028】この発明の第4の実施態様は、上述した第
1または第2実施態様において、強制冷却工程のスラグ
冷却速度を5℃/Hr以上で行なうものである。
【0029】
【実施例】次に、この発明の製鋼スラグの水蒸気エージ
ング処理方法を、実施例によって更に説明する。この発
明の実施例を、上述したこの発明の第1〜第4の実施態
様において、製鋼スラグの破砕粒径を40mm以下に
し、表1に示す種々のエージング処理条件で行なった。
エージング処理条件(水蒸気吹込みによるスラグの昇温
時間、昇温後保温時間、強制冷却速度、強制冷却温度降
下量、および、強制冷却後保温時間)は、表1中実施例
No.1〜22に示す通りであり、いずれも本発明の範囲
内にある。各エージング処理終了後、引き続き、各スラ
グから所定の試料を採取した。なお、以後、昇温工程、
昇温後保温工程、強制冷却工程および強制冷却後保温工
程の2回目および3回目の繰り返しを、第2サイクルお
よび第3サイクルと呼ぶ。また、同表中の各実施例の発
明には、対応する請求項の番号(1〜3)を付した。
【0030】
【表1】
【0031】この発明の比較例として、実施例で用いた
のと同じ試験装置、および、同じように調製された製鋼
スラグに水蒸気エージング処理を施した。処理方法は、
円筒状容器に充填されたスラグの下部から、100℃の
水蒸気を所定時間吹き込むことによってスラグを加熱
し、100℃に昇温し(昇温工程)、次いで、吹き込み
水蒸気流量を減らし、所定時間スラグを100℃に保温
した(昇温後保温工程)。その後はスラグを強制冷却す
ることなく、各スラグから所定の試料を採取した。表2
に比較例におけるエージング処理条件を示す。同表中比
較例No.1から10はいずれも、エージング処理条件の
内、少なくとも1つが本願発明の範囲外にある。
【0032】
【表2】
【0033】上述した実施例および比較例で得られたエ
ージング処理済みのスラグ試料(以下、それぞれ「本発
明供試体」および「比較用供試体」という)に、80℃
の水浸膨張試験を施し、水浸膨張率を測定した。その結
果を表1および表2に併記した。なお、水浸膨張率の測
定は、JIS A 5015−1992「道路用鉄鋼ス
ラグ」附属書2の「鉄鋼スラグの水浸膨張試験方法」に
よった。
【0034】上記水浸膨張率は、スラグの水和反応が進
行することによるエージングの進行度を表わす。スラグ
の水和反応の進行に対しては、エージング処理時間が大
きな影響を及ぼす。そこで、水浸膨張率とエージング時
間との関係を整理した。エージング時に遊離石灰と接触
する水分が液相か気相かにより水和反応速度が異なる
が、ここでは、エージング処理総時間から最初の昇温時
間を除いたものをエージング時間(Hr)と定義し、表
1および表2中に示した。
【0035】図1は、表1に基づき、エージング時間
(Hr)とエージング処理後スラグの水浸膨張率(%)
との関係を示したグラフである。同図中には、本発明供
試体と比較用供試体との区別をし、更に、本発明供試体
を請求項1、2および3(エージングサイクルが2回の
場合および3回の場合とを区別)に記載した発明との対
応供試体に区別して、プロットの符号を表記した。図1
から次のことがわかる。
【0036】(1)エージング時間が同一である場合の
エージング処理後の水浸膨張率を、本発明供試体と比較
用供試体とについて比較すると、本発明供試体の方が比
較用供試体よりもエージング処理後の水浸膨張率が小さ
い。従って、スラグのエージングは、比較法よりも本発
明法による場合の方が速やかに進行する。即ち、本発明
法のように、スラグを加熱・昇温後、所定の条件で強制
冷却することにより、エージングを速やかに進行させる
ことができる。
【0037】(2)エージング時間が同一である場合の
エージング処理後の水浸膨張率は、本発明供試体におい
ては、水蒸気による加熱・昇温後、強制冷却して処理を
完了した場合(請求項1対応)よりも、強制冷却後引き
続き適正時間保温した場合(請求項2対応)の方が小さ
く、上記加熱・昇温、強制冷却および保温工程からなる
サイクルを2回繰り返した場合(請求項3中、2サイク
ル対応)の方が更に小さく、そして、上記サイクルを3
回繰り返した場合の方が更に小さい。従って、この順番
に従ってエージングが速やかに進行していることがわか
る。
【0038】(3)本発明供試体No.1とNo.2とを比
較すると、エージング処理における強制冷却速度はいず
れも本発明の範囲内の1℃/Hr以上であるが、エージ
ング処理後の水浸膨張率は、強制冷却速度の速いNo.2
の方が小さく。従って、No.2の方がエージングは速や
かに進行していることがわかる。
【0039】(4)製鋼スラグの1回の処理に要する全
操業時間は、比較法では、50時間程度でも未だエージ
ングが不完全であるが、本発明法によれば、50時間程
度でエージングが完了した。また、これに伴い、エージ
ング処理において100℃保持に要する水蒸気原単位
は、本発明法では比較法の約1/2に低減した。
【0040】上述した実施例および比較例においては、
スラグを円筒状容器に充填してエージング処理を行なっ
たが、スラグをホッパー等の容器に充填するか、また
は、スラグ山となしこれを擁壁で囲んでエージング処理
を行ってもよい。
【0041】このように、製鋼スラグのように未反応遊
離石灰を粒内に含むスラグに水蒸気を供給してエージン
グ処理を施す場合には、水蒸気を連続的に供給して10
0℃に加熱保持する比較法よりも、本発明法のように、
100℃への昇温・加熱と、適正な冷却速度で適正な温
度まで強制冷却し保温するという方法の方が、そして、
上記工程のサイクルを複数回繰り返す方法の方が更に、
エージングを速やかに進行させることができることが明
らかとなった。
【0042】
【発明の効果】上述したように、この発明によれば、水
蒸気を使用するエージング処理に要する時間を短縮する
ことができ、しかも、これに使用する水蒸気原単位を低
減することができる製鋼スラグの水蒸気エージング処理
方法を提供することができ、工業上有用な効果がもたら
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法および比較法による、製鋼スラ
グの水蒸気エージング処理におけるエージング時間(H
r)とエージング処理後スラグの水浸膨張率(%)との
関係を示したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 誠 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製鋼スラグの膨張崩壊性を、水蒸気を用
    いて大気圧下でエージング処理する方法において、前記
    スラグに水蒸気を供給して前記スラグを前記水蒸気で加
    熱し、次いで1Hr以上保温した後、1℃/Hr以上の
    冷却速度で強制冷却することにより、5℃以上温度を降
    下させることを特徴とする、製鋼スラグの水蒸気エージ
    ング処理方法。
  2. 【請求項2】 製鋼スラグの膨張崩壊性を、水蒸気を用
    いて大気圧下でエージング処理する方法において、前記
    スラグに水蒸気を供給して前記スラグを前記水蒸気で加
    熱し昇温する昇温工程と、加熱昇温された前記スラグを
    1Hr以上保温する昇温後保温工程と、保温された前記
    スラグを1℃/Hr以上の冷却速度で強制冷却すること
    により、5℃以上温度を降下させる強制冷却工程と、こ
    のようにして強制冷却された前記スラグを1Hr以上保
    温する強制冷却後保温工程とからなることを特徴とす
    る、製鋼スラグの水蒸気エージング処理方法。
  3. 【請求項3】 前記昇温工程から前記強制冷却後保温工
    程までの全工程を、2サイクル以上繰り返すことを特徴
    とする、請求項2記載の製鋼スラグの水蒸気エージング
    処理方法。
  4. 【請求項4】 前記強制冷却を、5℃/Hr以上の冷却
    速度で行なうことを特徴とする、請求項1または請求項
    2記載の製鋼スラグの水蒸気エージング処理方法。
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