JPH09249175A - 自転車用サスペンション - Google Patents

自転車用サスペンション

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Publication number
JPH09249175A
JPH09249175A JP5707596A JP5707596A JPH09249175A JP H09249175 A JPH09249175 A JP H09249175A JP 5707596 A JP5707596 A JP 5707596A JP 5707596 A JP5707596 A JP 5707596A JP H09249175 A JPH09249175 A JP H09249175A
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JP
Japan
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suspension
fork
bicycle
fork stem
stem
Prior art date
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Application number
JP5707596A
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English (en)
Inventor
Naoki Tomiyama
直樹 富山
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Exedy Corp
Original Assignee
Exedy Corp
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Publication date
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  • Axle Suspensions And Sidecars For Cycles (AREA)
  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 縮み側でのサスペンション性能を向上させる
とともに伸び側での急激な伸びを減少させる。 【解決手段】 自転車用サスペンションフォーク10
は、自転車の前輪12に加わる衝撃を吸収するためのサ
スペンションであって、第1フォークステム41と、第
2フォークステム42と、緩衝部材43とを備えてい
る。第2フォークステム42は、第1フォークステム4
1の内部において軸方向に相対移動可能な部材である。
緩衝部材43は、第1フォークステム41の内部におい
て第2フォークステム42に当接可能に配置され、コイ
ルスプリング43aと第1フォークステム41の内径よ
り小さい外径を有する円環状の1又は複数の弾性部材4
3bとを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サスペンション、
特に、自転車の車輪に加わる衝撃を吸収するための自転
車用サスペンションに関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、オフロードを走行可能なマウ
ンテンバイクや市街地を走行するシティサイクル等の自
転車には、走行時の車輪に加わる衝撃を吸収するための
サスペンションを前輪や後輪に装着したものが知られて
いる。この種のサスペンションには、通常、衝撃を吸収
するためのクッション機能と、衝撃吸収時の揺れを減衰
するためのダンパー機能とが求められる。高価な自転車
用サスペンションでは、クッション機能をエアーシリン
ダーやコイルバネで実現し、ダンパー機能を油圧シリン
ダーにオリィフィスを設けることで実現している。ま
た、比較的安価な自転車用サスペンションでは2つの機
能をウレタンゴム等の弾性体を用いることで実現してい
る。ウレタンゴム等の弾性体は衝撃が加わると加わった
方向には圧縮するがそれと直交する方向には膨張する。
この性質を利用することでクッション機能とダンパー機
能とを1つの部材で実現できる。
【0003】この種のウレタンゴムを利用した従来のサ
スペンションは、たとえば、自転車の前輪の両側に配置
されたシリンダーと、自転車のフレーム(たとえばフォ
ーク肩)に連結されシリンダーの内部において軸方向に
相対移動可能なピストンと、シリンダーの内部において
ピストンに当接可能に軸方向に並べて配置された円柱状
のウレタンゴム製の複数のクッション部材とを備えてい
る。このクッション部材はシリンダーの内径よりやや小
さい外径を有しており、異なる硬さのクッション部材を
組み合わせることでサスペンションのクッション特性を
任意に変更できるようになっている。
【0004】このウレタンゴムを利用したサスペンショ
ンでは、前輪に加わった衝撃によりクッション部材が軸
方向に圧縮することでクッション機能が実現され、クッ
ション部材が径方向に膨張しシリンダー内壁と接触し摩
擦することでピストンの動きが制限されダンパー機能が
実現される。すなわち、ストロークの前半では圧縮によ
りほぼ変位に比例して負荷が上昇してシリンダーが上方
に移動する(クッション機能)が、ストロークの後半で
はクッション部材がシリンダー内壁に接触して摩擦が生
じ、変位に対して負荷が大幅に上昇する(ダンパー機
能)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の構成では、
クッション部材の硬さを変えることでクッション特性を
変更できる。また、クッション部材を変形させることで
シリンダー内壁との間で摩擦を生じさせてダンパー機能
を実現している。しかし、円柱状のクッション部材の場
合変形しにくいため、急激に摩擦力を増加させることが
できにくい。このため、従来のサスペンションでは、自
転車用サスペンションに必要なストローク端近傍で変位
に対して負荷が急激に上昇するダンパー特性が得られに
くい。このようなダンパー特性が得られないとサスペン
ションの有効ストロークが短くなり、縮み側でのサスペ
ンションの性能が低くなる。
【0006】また、衝撃吸収時にクッション部材が圧縮
するときと、解放時に膨張するときとでシリンダーの移
動速度が調整できず、サスペンションを柔らかくすると
伸び側での急激な伸びが生じやすくなる。本発明の課題
は、縮み側でのサスペンション性能を向上させるととも
に伸び側での急激な伸びを減少させることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る自転車用
サスペンションは、自転車の車輪に加わる衝撃を吸収^
るためのサスペンションであって、円筒部材と、移動部
材と、緩衝部材とを備えている。移動部材は、円筒部材
の内部において円筒部材に対して軸方向に相対移動可能
な部材である。緩衝部材は、円筒部材の内部において前
記移動部材に当接可能に配置され、コイルスプリングと
1又は複数の弾性部材とを有する。弾性部材はコイルス
プリングと直列に配置され円筒部材の内径より小さい外
径を有する円環状の部材である。
【0008】このサスペンションにおける緩衝部材は、
コイルスプリングによる圧縮特性と弾性部材による剛性
特性との2段特性を有する。衝撃により移動部材が円筒
部材に対して接近する方向に相対移動するとコイルスプ
リングと弾性部材とが徐々に圧縮してスムーズに衝撃を
吸収するとともに弾性部材が径方向に膨張する。そし
て、弾性部材の周面が円筒部材の内壁に接触すると、弾
性部材それ自体が摺動抵抗となってダンパー機能を発揮
し、移動部材の移動速度が遅くなる。また、移動部材が
元に戻るにしたがい、弾性部材の径方向への膨張が徐々
になくなるため、摺動抵抗が減少して移動部材の移動速
度が速くなる。このような2段特性を有する緩衝部材で
は、コイルスプリングと弾性部材とを適宜選択すること
によって、縮み側ではストローク端で急激に剛性が高く
なる特性を得ることができ、縮み側でのサスペンション
性能が向上する。また、伸び側では摺動抵抗がなくなる
までは伸び側での相対速度を低く維持できるので、サス
ペンションの急激な伸びが生じにくい。
【0009】請求項2に係る自転車用サスペンション
は、請求項1に記載のサスペンションにおいて、弾性部
材は予め所定量圧縮して配置されている。この場合に
は、弾性部材が予圧されているので、スムーズに衝撃を
吸収できる。請求項3に係る自転車用サスペンション
は、請求項1又は2に記載のサスペンションにおいて、
円筒部材と移動部材とを回転不能かつ軸方向移動自在に
係止する係止手段をさらに備え、前記円筒部材は自転車
のハンドル部と前フォークとのいずれか一方に連結さ
れ、移動部材はいずれか他方に連結される。この場合に
は、サスペンションがハンドル部と前フォークとの間に
配置されるので、1つのサスペンションで前輪に加わる
衝撃を吸収できる。このため、構造が簡素になりかつ価
格が安くなる。
【0010】請求項4に係る自転車用サスペンション
は、請求項1から3のいずれかに記載のサスペンション
において、前記弾性部材は、前記円筒部材の内径よりや
や小さい外径を有するOリングである。この場合には市
販のOリングを利用できるのでサスペンションを安価に
製造できる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態によ
るサスペンションを装着した自転車1を示している。自
転車1は、ヘッド装着型のサスペンションフォーク(サ
スペンションの一例)10を含むフレーム2と、サスペ
ンションフォーク10の上端に固定されたハンドル11
を含む操舵部3と、フレーム2の中央部から後部にかけ
て配置された駆動部4と、フレーム2の前後に配置され
た前後輪12,13を含む走行部5と、前後輪12,1
3を制動する前後のブレーキ14,15を含む制動部6
とを備えている。
【0012】フレーム2は、サスペンションフォーク1
0の他に、概ね水平に配置され内部に空洞を有する変形
卵型断面の主フレーム20と、ヘッド部21と、バック
フォーク22と、シート支持部23とを主に備えてい
る。主フレーム20の前部は折れ曲がって上方に延びて
おり、その先端にヘッド部21が形成されている。ヘッ
ド部21は、上部が後方にわずかに傾いた回転軸芯Xに
沿って斜めに配置されている。バックフォーク22は、
主フレーム20の後部から2股に分かれて斜め下方に延
びている。バックフォーク22の後端に後輪13が装着
されている。シート支持部23は、主フレーム20の後
部から斜め上方に延びている。シート支持部23の内部
には、上部を斜め後方に傾けたパイプ材からなるシート
スティ24が取り付けられている。シートスティ24に
は、サドル25が上端に固定されたシートポスト26が
上下移動可能に固定されている。
【0013】ヘッド部21はサスペンションフォーク1
0を回転軸芯X回りに回動自在に支持する。ヘッド部2
1は、図2に拡大して示すように、主フレーム20の前
部にたとえば溶接されたヘッドパイプ31と、ヘッドパ
イプ31を挟んで上下に配置されサスペンションフォー
ク10を回転軸芯X回りに回動自在に支持する上下の軸
受部32,33とを有している。上軸受部32は、ヘッ
ドパイプ31の上端部に圧入された上わん34と、上わ
ん34の上方に対向配置されサスペンションフォーク1
0にねじ込まれた上玉押し35と、上わん34と上玉押
し35との間に配置された鋼球36とを有している。下
軸受部33は、ヘッドパイプ31の下端部に圧入された
下わん37と、下わん37の下方に対向配置されサスペ
ンションフォーク10に圧入された下玉押し38と、下
わん37と下玉押し38との間に配置された鋼球39と
を有している。
【0014】サスペンションフォーク10は、図3に示
すように、倒立U字状のフォーク部40と、ヘッド部2
1に回動自在に支持される第1フォークステム41と、
第1フォークステム41の内部に軸方向に移動可能に配
置された第2フォークステム42と、第1フォークステ
ム41の内部において移動可能に配置された緩衝部材4
3と、緩衝部材43の予圧を調整してサスペンションの
固さを調整するための六角穴付ボルトからなる予圧調整
ボルト44と、第1及び第2フォークステム41,42
を軸方向に相対移動可能にかつ回転不能に連結する連結
部45と、サスペンションフォーク10の下端での衝撃
音を低減するための下端バンパー46(図2,図4参
照)とを有している。
【0015】フォーク部40は、下端で前輪12を支持
するとともに、途中でカンチレバー型の前ブレーキ14
を回動自在に支持する。第1フォークステム41は、図
4に拡大して示すように、ハンドル11が固定される通
常のハンドルポストが一体で形成された筒状の部材であ
る。第1フォークステム41は、上部が小径に絞られた
第1パイプ部55と、ヘッド部21の内部に配置される
ように第1パイプ55の外周に嵌め込まれた25.4m
m径の第2パイプ部56とを有している。第1パイプ部
55は、ハンドル11が装着される位置から下方に延
び、ヘッド部21の下端から突出する位置まで形成され
ており、その下端には外方に広がる鍔部57が形成され
ている。第1パイプ部55の上端内部には、予圧調整ボ
ルト44に螺合するナット部58が溶接されている。こ
のナット部58は、上端に開口するボルト収納穴58a
を有しており、このボルト収納穴58aはキャップ59
により塞がれている。第2パイプ部56の上端外周に
は、上玉押し35に螺合するB.C1山24の雄ネジ6
0がたとえば35mmの長さで形成されている。
【0016】第1フォークステム41の下部には、図2
に示すように連結部45のキー孔となる長円形のスリッ
ト溝52が、軸方向に沿ってたとえば35mmの長さで
形成されている。スリット溝52の幅は、連結部45を
構成する回り止めキー51の幅より少し大きい。また、
スリット溝52の上部には、下端バンパー46を構成す
るストップピン61が外周面を貫通して固定されてい
る。このストップピン61は、第1フォークステム41
の直径上に配置され、かつ伸長側の移動端の手前で後述
するストッパ62に接触する位置に配置されている。第
1フォークステム41の下端とフォーク部40との間に
は、内部に異物が入ってサスペンションフォーク10の
動きが悪くなるのを防止するために伸縮自在なジャバラ
ブーツ64が配置されている。
【0017】第2フォークステム42は、フォーク部4
0の上端に基端が固定され、そこから上方に第1フォー
クステム41の内部にまで延びている。第2フォークス
テム42は、下部が上部より厚肉の筒状のパイプ部42
aと、パイプ部42aの上端を塞ぐリング状のバネ受け
部42bとを有している。パイプ部42aの外径は、第
1フォークステム41の第1パイプ部55の内周面に摺
動可能な寸法である。このパイプ部42aの中間部に、
連結部45の板状の回り止めキー51が外周面を貫通し
て固定されている。回り止めキー51は、パイプ部42
aの直径上に配置されており、その両端は第1フォーク
ステム41の外周面と面一となるように外方に突出して
いる。パイプ部42aの上端内側には下端バンパー46
を構成するウレタンゴム製のストッパ62が装着されて
いる。また、パイプ部42aの上部周面には、図2に示
すように、ストップピン61を挿通するための長円形の
逃がし孔63が軸方向に沿って形成されている。このス
トップピン61、ストッパ62及び逃がし孔63により
下端バンパー46が構成される。なお、ストップピン6
1は、回り止めキー51がスリット溝52の下端に位置
する少し手前の位置でストッパ62に当接するように配
置されている。
【0018】緩衝部材43は、第1フォークステム41
と第2フォークステム42とを離反する方向に付勢する
ための部材であり、図4に示すように、第2フォークス
テム42の上端のバネ受け部42bと予圧調整ボルト4
4の下端に配置されたバネ受け部65との間に圧縮状態
で配置されている。バネ受け部65は、第1フォークス
テム41の内部を上下に移動自在である。緩衝部材43
の予圧は、予圧調整ボルト44のねじ込み量を変えてバ
ネ受け部42b,65間の間隔を変えることで所定の範
囲で自由に調整できる。緩衝部材43は、図2に示すよ
うに、コイルスプリング43aと、コイルスプリング4
3aと軸方向に直列に並べて配置された複数の弾性部材
43bとを有する。弾性部材43bは、断面が円形の円
環状のウレタンゴム製の部材であり、その外径は第1フ
ォークステム41の内径よりやや小さい。
【0019】このように構成されたサスペンションフォ
ーク10は、連結部45が回り止めキー51及びスリッ
ト溝52という簡単な部材で構成されているので、連結
部45の価格が安くなり、サスペンションフォーク10
全体の価格も安くなる。このため、価格が安い普及品の
自転車にもサスペンションフォーク10を装着できる。
また、第1フォークステム41と第2フォークステム4
2との間に第2フォークステム42が第1フォークステ
ム41の内部を移動できるだけのわずかな隙間を確保す
るだけでよく、このため、第1フォークステム41の外
径を通常のリジットフォークの外径と同一寸法(25.
4mm)にすることができる。したがって、通常の2
5.4mm径のフォークステムを有するリジットフォー
クとの互換性を維持できる。
【0020】また、サスペンションフォーク10がハン
ドルポストを含めて一体で構成されているので、ヘッド
部21への装着が上玉押し35をねじ込むだけで簡単に
行え、メンテナンスや着脱が容易である。さらに、伸長
時に、ストップピン61が下降端手前でストッパ62に
接触して衝撃が吸収されるので、回り止めキー51がス
リット溝52の下端に接触しにくくなり、伸長時の衝撃
音を低減できる。
【0021】操舵部3は、図1に示すように、サスペン
ションフォーク10の上端に固定されたハンドル11を
有している。ハンドル11の両端部には、制動部6を構
成する前後用の1対のブレーキレバー66が取り付けら
れている。各ブレーキレバー66は、ブレーキワイヤ6
7により前後のブレーキ14,15に連結されている。
【0022】駆動部4は、ペダル71が先端に回転自在
に装着された左右1対のクランク70と、クランク70
の回転を増速する増速部72と、増速部72で増速され
た駆動力を後輪13に伝達するチェーン73とを有して
いる。増速部72は、上部を後方に傾けて主フレーム2
0の下面後部に取り付けられている。増速部72は、図
5に詳しく説明するように、主フレーム20に中央部が
取り付けられたギアケース80を有している。ギアケー
ス80は左右に分割可能な2つ割り構造の筐体であり、
その上端面には上方に突出する取付突起81が形成され
ている。この突起81は、シートスティ24の下端から
内部に嵌め込まれている。
【0023】ギアケース80の下部には、左右に延びる
クランク軸82が左右1対の玉軸受83により回転自在
に支持されている。また、ギアケース80の中央部に
は、上下に延びる中空の中間軸84が上下1対の玉軸受
85により回転自在に支持されている。また、ギアケー
ス80の図5左側面上部には、筒状の出力ベベルギア8
6が玉軸受87により回転自在に支持されている。クラ
ンク軸82の図5左側の軸受83の内側には、入力ベベ
ルギア88が取り付けられている。中間軸84の下端に
は、入力ベベルギア88に噛み合う第1中間ベベルギア
89が取り付けられている。入力ベベルギア88と第1
中間ベベルギア89との歯数比は、たとえば2:1であ
る。中間軸84の上端には出力ベベルギア86に噛み合
う第2中間ベベルギア90が取り付けられている。第2
中間ベベルギア90と出力ベベルギア86との歯数比
は、たとえば2:1である。この結果、増速部72は、
クランク70の回転を4倍に増速する。出力ベベルギア
86にはチェーン73に噛み合うスプロケット91が取
り付けられている。
【0024】このような構成の駆動部4は、駆動部分が
すべてフレーム2内に収納されるので、見栄えがよくか
つチェーンカバー等を設けなくても衣服が汚れたり噛み
込むことがない。また、ベベルギアを用いて増速してい
るのでコンパクトな構成で増速できる。次に、上記実施
形態のサスペンションフォーク10の衝撃吸収動作につ
いて説明する。
【0025】自転車が路面を走行中に歩道の縁石や段差
に乗り上げ、前輪12に上向きの衝撃荷重が作用する
と、フォーク部40を介して衝撃力が第2フォークステ
ム42に伝達される。すると第2フォークステム42
は、回り止めキー51がスリット溝52に案内され、緩
衝部材43の付勢力に抗して第1フォークステム41内
を上方に移動する。第2フォークステム42が上方に移
動すると緩衝部材43のコイルスプリング43aと弾性
部材43bとがともに圧縮し衝撃が吸収される。このと
き、弾性部材43bの外径が第1フォークステム41の
内径よりやや小さいことにより、荷重がかかっている初
期の間は、コイルスプリング43aの圧縮特性および弾
性部材43bの剛性によって第1フォークステム41内
を滑らかに摺動する。しかしながら、弾性部材43bが
ある位置まで圧縮されると弾性部材43bが径方向に膨
張し、フォークステム41の内壁に押し付けられる。こ
の結果、ストローク端付近で弾性部材43b自体が摺動
抵抗となって急激にダンパー機能を発揮する。このた
め、有効ストローク全域で柔らかに衝撃を吸収しかつス
トローク端での剛性が高くなり、サスペンション性能が
向上する。
【0026】また、衝撃吸収後に伸び側では、弾性部材
43bがもとの形状に戻るまでの間で摺動抵抗(摩擦)
がなくなるまでは、図7に示すように、第2フォークス
テム42は、摩擦により徐々に下方に移動する。そし
て、摩擦がなくなるとコイルスプリング43bによりそ
れより速く移動する。このため、伸び側でのサスペンシ
ョンの急激な急激な伸びが少なくなる。
【0027】また、緩衝部材43の衝撃吸収特性は、コ
イルスプリング43aの圧縮特性と弾性部材43bの剛
性特性とによって決まる。したがって、コイルスプリン
グ43aと弾性部材43bとを適宜選択することによ
り、用途に応じた多段階のサスペンション性能を得るこ
とができる。さらに、弾性部材43bは、荷重に応じて
変形するので、その受圧面積は荷重に応じて増大し、圧
縮応力の増大の割合は比較的小さくなる。この結果、弾
性部材43bのへたりが生じにくくなり、弾性部材43
bの寿命が円柱状のものにくらべて長くなる。
【0028】衝撃が吸収され第2フォークステム42が
下方に移動すると、回り止めキー51がスリット溝52
の下端に到達するより前にストップピン61の周面がス
トッパ62に接触してストッパ62がへこみ、衝撃が吸
収される。この結果、第2フォークステム42のそれよ
り下方への移動が規制される。このため、回り止めキー
51がスリット溝52の下端に当接しにくくなり、サス
ペンションの伸長時に生じやすい金属同士の打音や衝撃
音がほとんどしなくなる。
【0029】また、乗り手の体重や路面の状況等に応じ
てサスペンションフォーク10の固さを調整する際に
は、キャップ59を外して、アーレンキー等の工具によ
り予圧調整ボルト44を回わせばよい。たとえば、体重
に応じて固さを調整する場合には、体重が軽いときには
反時計回りに回し、重いときには時計回りに回し、乗車
したときにサスペンションフォーク10が僅かに縮むぐ
らいに調整すればよい。
【0030】〔他の実施形態〕 (a) 弾性部材の断面の形状は円形に限るものではな
く、受圧面積が荷重に応じて増大し、それ自体が摺動抵
抗となり得ればどのような形状でもよい。 (b) サスペンションの形式はヘッド装着型に限定さ
れるものではなく、前輪を挟むフォーク足部分にサスペ
ンションを配置したフォーク型のものや後輪に装着され
るリヤ装着型のものにも本発明を適用できる。 (c) 弾性部材として市販のウレタンゴム製のOリン
グを使用してもよい。この場合には、サスペンションを
より安価に製造できる。 (d) 複数の弾性部材の硬さを統一する必要はなく、
路面や体重に合わせて異なる硬さの弾性部材を組み合わ
せて使用してもよい。この場合には、摺動抵抗の調整が
可能であり、所望のサスペンション性能を得ることがで
きる。
【0031】
【発明の効果】本発明に係る自転車用サスペンションで
は、コイルスプリングと弾性部材とを適宜選択すること
によって、縮み側ではストローク端で急激に剛性が高く
なる特性を得ることができ、縮み側でのサスペンション
性能が向上する。また、伸び側では摺動抵抗がなくなる
までは伸び側での相対速度が低くなるので、サスペンシ
ョンの急激な伸びが生じにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を採用した自転車の側面一
部断面図
【図2】ヘッド部の断面拡大図。
【図3】サスペンションフォークの縦断面図。
【図4】その断面部分図。
【図5】増速部の断面図。
【図6】サスペンション圧縮時の図2に相当する図。
【図7】第2フォークステムの移動距離と圧縮時間との
関係図。
【符号の説明】
1 自転車 10 サスペンションフォーク 12 前輪 41 第1フォークステム 42 第2フォークステム 43 緩衝部材 43a コイルスプリング 43b 弾性部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自転車の車輪に加わる衝撃を吸収するため
    の自転車用サスペンションであって、 円筒部材と、 前記円筒部材の内部において前記円筒部材に対して軸方
    向に相対移動可能な移動部材と、 前記円筒部材の内部において前記移動部材に当接可能に
    配置され、コイルスプリングと前記コイルスプリングと
    直列に配置され前記円筒部材の内径より小さい外径を有
    する円環状の1又は複数の弾性部材とを有する緩衝部材
    と、を備えた自転車用サスペンション。
  2. 【請求項2】前記弾性部材は、予め所定量圧縮して配置
    されている、請求項1に記載の自転車用サスペンショ
    ン。
  3. 【請求項3】前記円筒部材と移動部材とを回転不能かつ
    軸方向移動自在に係止する係止手段をさらに備え、 前記円筒部材は自転車のハンドル部と前フォークとのい
    ずれか一方に連結され、前記移動部材はいずれか他方に
    連結される、請求項1または2に記載の自転車用サスペ
    ンション。
  4. 【請求項4】前記弾性部材は、前記円筒部材の内径より
    やや小さい外径を有するOリングである、請求項1から
    3のいずれかに記載の自転車用サスペンション。
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