JPH09248904A - 捺染機の着尺用バッチアップロール - Google Patents

捺染機の着尺用バッチアップロール

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JPH09248904A
JPH09248904A JP8087624A JP8762496A JPH09248904A JP H09248904 A JPH09248904 A JP H09248904A JP 8087624 A JP8087624 A JP 8087624A JP 8762496 A JP8762496 A JP 8762496A JP H09248904 A JPH09248904 A JP H09248904A
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Kazuo Kusaki
一男 草木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット方式の無版プリントシステム
を採用した捺染機において、供給布帛として和装用着尺
を用いる場合に好適なバッチアップロールの提供を課題
とする。 【解決手段】 モータによって布帛走行方向の反対方向
への駆動力を付与されたバッチアップロール31上に、
これよりも内径の大きい着尺巻着用ロール32の複数個
を回転可能な状態で遊嵌させ、各着尺巻着用ロール32
の夫々とバッチアップロール31をスプリング33によ
り連結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット方
式を用いる捺染機の布帛供給機構に関するものであり、
更に詳しくは、インクジェット方式の無版プリントシス
テムを採用した捺染機において、布帛として和装用着尺
を用いた場合に使用するバッチアップロールに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット方式の無版プリントシス
テムを採用する捺染機は最近開発された新しい方式の捺
染機である。該機の概要を本出願人等が提出した特願平
3−88545号及び実願平3−109952号の明細
書及び図面により説明すると、図3及び図4に示す通
り、捺染対象の布帛1は下記の経路を経由する。即ち巻
着するロール2から巻き出された布帛1は、拡布状態で
Aごみ取りローラ3、Bごみ取りローラ4、Aガイドロ
ーラ5、ベンドバー6を順次経由してBガイドローラ7
に達する。次いでこの布帛1は閉ループ状の循環路を走
行するエンドレスベルト8に接着してこれの走行に伴っ
てプリントユニット9を主体とする捺染領域10を通
り、該領域10で捺染される。しかる後、捺染された布
帛1はエンドレスベルト8より離脱し、Cガイドローラ
11、Dガイドローラ12を経由して巻き取りロール1
3により巻き上げられる。
【0003】この捺染機で使用される前記エンドレスベ
ルト8は金属製の布搬送ベルトであって、ニッケルを主
成分としメッキ法により製造されており、その厚さは1
00μm程度で伸びがなく、位置決め精度が高い機能を
備えている。又表面にはアクリル系のパーマネントタイ
プの感圧接着樹脂[例えばリキタックK−6、(株)大
力製]が50μm程度塗布されており、その表面に前記
布帛1が着脱自在に接着する。しかして前記エンドレス
ベルト8は、駆動モータ14に連結する駆動ローラ15
と2本の被動ローラ16,17で形成される略々直角三
角形の走行路を矢印方向に循環しており、走行路の頂点
に位置する駆動ローラ15とその直下の被動ローラ17
間の走行路にはプリントユニット9が対向している。
【0004】前記捺染領域10のプリントユニット9の
下部には布帛1をエンドレスベルト8へ張り付ける張付
ローラ18とこれを作動するエアシリンダー19が装着
されており、該エアシリンダー19の駆動によりこれに
連結するレバー20が作動し、レバー20及び張付ロー
ラ18を支軸21のまわりに回動せしめ、これにより布
帛1をエンドレスベルト8に張り付ける。
【0005】しかして前記布帛1に対する捺染は、駆動
モータ14によるエンドレスベルト8の間欠駆動とプリ
ントユニット9からのインク噴射により実施される。即
ちこの捺染機において、駆動モータ14によってエンド
レスベルト8が間欠駆動されるとき張付ローラ18は前
述の如く布帛1を押し付け、布帛1をエンドレスベルト
8により間欠送りする。これと同時に、デジタル画像デ
ータがデータプロセッサ22から送られ、プリントユニ
ット9がそれを受けて処理する。そして、制御装置23
によって駆動モータ14が制御され、エンドレスベルト
8及び布帛1が停止したとき、その信号によってタイマ
24が駆動する。このタイマ24の設定時間経過後、制
御装置23によってエアシリンダ19が制御され、張付
ローラ18がエンドレスベルト8から後退し、布帛1か
ら離れる。
【0006】次いで、エンドレスベルト8の停止後、プ
リントユニット9が制御装置23の信号を受け、デジタ
ル画像の処理後、制御装置23の信号に基づき、キャリ
ジが走行軸25に沿って図4の紙面の表裏方向に移動
し、ノズルヘッド26が布帛1の幅方向に走行し、イン
クがノズルヘッド26から放出され、布帛1が捺染され
る。さらにノズルヘッド26の走行後、制御装置23が
プリントユニット9の信号を受け、その信号に基づき、
制御装置23によってエアシリンダー19が制御され、
張付ローラ18がエンドレスベルト8に向って前進し、
布帛1を押し付ける。その後、制御装置23によって駆
動モータ14が制御され、エンドレスベルト8が再駆動
され、エンドレスベルト8によって布帛1が間欠送りさ
れる。前記過程を順次交互に繰り返すことにより、布帛
1に捺染が施される。インクジェット方式を用いる捺染
機は図3及び図4に示す構成を備えており、上記過程に
より捺染を実施する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで和装用被服は
洋装用被服と異なり、仕立て上げたときに柄がぴったり
と合わなければならず、柄の部分部分によって送りを変
える必要があるが、これを実現させ、しかも機械的に連
続的に捺染を行うことは現有機では困難であった。例え
ば連続的に和装用着尺の捺染を行うためには、12〜1
3mを1つのレピートとして扱わなくてはならず、スク
リーン捺染機(オートプリント)でこれを実施すること
は不可能であった。このため、従来、和装用着尺の捺染
加工はハンドプリントが主流で、捺染台(平台、傾斜
台)上に一反(約12〜13m)を1〜2列貼り、順次
プリントを行っている。
【0008】一方、インクジェット方式を用いる前記捺
染機は実質的に無版システムであって、先に従来技術で
詳細に説明した通り、データを流すことにより1レピー
ト当たり12〜13mの長尺捺染も可能であり、このよ
うな和装用着尺の捺染に好適である。
【0009】ところが、前記捺染機で1本の着尺を連続
してプリントするのであれば技術上の難点はない。しか
し、かかる生産方式は高コストを招き、実生産の段階で
は当然複数本(2〜4本)着尺の同時プリントが要求さ
れる。しかして、複数本の着尺を決められた位置にセッ
トし、各着尺にかかるテンションを等しいものにするこ
とは容易なことではなく、特に布帛が比較的自由状態に
ある前記ロール2とBガイドローラ7間の布帛制御が課
題となる。
【0010】図3に示す捺染機においても、ロール2の
支軸となるバッチアップロールを、定速回転するインダ
クションモータ27と遠心クラッチの一種であるパウダ
ークラッチ28により回動せしめ、広幅又は並幅の布帛
1に均一な張力を与え、これを緊張した状態で保つよう
にしている。ところが、この様な搬送形態で着尺用の布
帛1を仕掛けると、ある着尺は横方向(布帛の幅方向)
に移動し、又時には強く引っ張られたり、或は弛んだり
して着尺の搬送が不安定となる問題点がある。
【0011】本発明は以上の実状に鑑みなされたもので
あって、着尺用布帛の捺染をインクジェット方式の捺染
で行うに際し、布帛搬送上の前記問題点の解消を目的と
するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に本発明は次の構成を備えている。即ち、インクジェッ
ト方式を用いる捺染機のバッチアップロールにおいて、
モータからの駆動力によって回動力の付与されたバッチ
アップロールに、該バッチアップロールよりも内径の大
きい着尺巻着用ロールの複数個を軸線に沿って配列し、
これらを前記バッチアップロールに回動可能に遊嵌する
と共に、前記着尺巻着用ロールの夫々とバッチアップロ
ール間を、弾発力調整可能なスプリングにより夫々単独
に連結したことを特徴とする構成である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施形態
を図1及び図2により説明する。図1は本発明に係る着
尺用バッチアップロールの全体を示す斜視図、図2は同
じくその要部の拡大斜視図である。
【0014】図1に示す通り、本発明の着尺用バッチア
ップロール29は、パウダークラッチ28(図3参照)
を介してインダクションモータ27(図3参照)により
回動力を受ける主軸30と、該主軸30に固着し、これ
と共に布帛1の走行方向の逆方向への回動力を受けるバ
ッチアップロール31と、これに回転可能に遊嵌し、同
様にこれとの摩擦によって同方向への力を受ける着尺巻
着用ロール32と、前記バッチアップロール31と着尺
巻着用ロール32とを連結するスプリング33からなっ
ている。
【0015】前記バッチアップロール31は、広幅及び
並幅用布帛の解舒に用いられる通常のバッチアップロー
ルであって、通常布帛の幅方向の全長に延在しており、
前述の如く、主軸30の回転力により押圧力を受ける。
又着尺巻着用ロール32は、着尺幅(約40〜45c
m)と対応してその幅が形成されている。本実施の形態
においては厚み1〜2mmの筒状体に形成しており、バ
ッチアップロール31上にその軸線に沿ってその複数個
(図1では4個)が適宜間隔で配列している。本着尺巻
着用ロール32は前記バッチアップロール31上に回動
可能に遊嵌し、バッチアップロール31の回転に伴って
これとの摩擦によって布帛1の走行方向の逆方向への回
動力を受ける。
【0016】前記スプリング33は、バッチアップロー
ル31と複数個の着尺巻着用ロール32を夫々連結する
ものであって、着尺巻着用ロール32の1個に対して1
本のスプリングを配置しており、各スプリング33内に
は自体の弾発力を加減する公知の調整具34を備えてい
る。しかして、着尺巻着用ロール32より解舒され、図
3に示すエンドレスベルト8により牽引されて走行する
着尺35の走行方向に対して、着尺巻着用ロール32側
のスプリングの係止点が先行し、バッチアップロール3
1側の係止点がこれよリ遅れる様にスプリング33を両
者間に張設している。
【0017】本発明の実施態様に係る着尺用バッチアッ
プロール29は上述の如き構成からなるもので、次いで
係る構成から生ずる作用を説明する。先に説明した通
り、パウダークラッチ28を介してインダクションモー
タ27により駆動する主軸30とバッチアップロール3
1は矢印方向への回動力を受ける。一方着尺35は図示
矢印方向に走行する。この回動力の差により、着尺35
の全体にテンションを与え、これの全体を緊張に維持す
る。
【0018】又バッチアップロール31は着尺巻着用ロ
ール32の個々を摩擦回転せしめており、前者と後者の
回転角度差(前者が早く、後者が遅い)は着尺巻着用ロ
ール32の個々を制御し、これにかかる着尺の張力を個
々に加減する。要するに、前記スプリング34の張力を
個々に調整することにより、個々の着尺巻着用ロール3
2の滑りを加減し、これにかかる着尺の張力を加減する
のである。
【0019】
【発明の効果】上記実施形態に示す通り、本発明の着尺
用バッチアップロールによれば、通常のバッチアップロ
ールにより全体としてのバックテンションを与え、又着
尺用バッチアップロールにより個々の着尺毎の張力をス
プリングの微調整により実施することが可能となる。こ
のように着尺の捺染を無版プリントにて連続的且複数同
時に安定して行うことが可能となるため、冒頭記載の問
題点を解消し、生産性及び品質の向上に大きな効果を奏
するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の着尺用バッチアップロールの全体を示
す斜視図である。
【図2】本発明の着尺用バッチアップロールの要部を示
す斜視図である。
【図3】従来装置の全体を示す斜視図である。
【図4】従来装置の全体を示す側面図である。
【符号の説明】
31 バッチアップロール 32 着尺巻着用ロール 33 スプリング

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェット方式を用いる捺染機のバ
    ッチアップロールにおいて、モータからの駆動力によっ
    て回動力の付与されたバッチアップロール31に、該バ
    ッチアップロール31よりも内径の大きい着尺巻着用ロ
    ール32の複数個を軸線に沿って配列し、これらを前記
    バッチアップロール31に回動可能に遊嵌すると共に、
    前記着尺巻着用ロール32の夫々とバッチアップロール
    32間を、弾発力調整可能なスプリング33により夫々
    単独に連結したことを特徴とする捺染機の着尺用バッチ
    アップロール。
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