JPH09248080A - 芝生の管理方法および管理装置 - Google Patents

芝生の管理方法および管理装置

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JPH09248080A
JPH09248080A JP5775996A JP5775996A JPH09248080A JP H09248080 A JPH09248080 A JP H09248080A JP 5775996 A JP5775996 A JP 5775996A JP 5775996 A JP5775996 A JP 5775996A JP H09248080 A JPH09248080 A JP H09248080A
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耕三 塩田
Masumi Oku
眞純 奥
Tetsumi Takahashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自然な状態でムラなく給水することができる
とともに、排水も自然に良好に行え、さらには良好な通
気も確保できて、芝生の根圏の雰囲気環境を、芝生の状
態に応じて良好に維持管理できる芝生の管理方法および
管理装置を提供する。 【解決手段】 この発明の芝生の管理装置は、芝生1面
下の土中に遮水層としての遮水シート15を介して区画
形成された土槽7と、この土槽7の底部に、土槽7から
外方へ延出されて埋設され、土槽7内を重力の作用で流
下する重力水を回収する排水系としての排水管4と、土
槽7に透水壁3を介して併設され透水壁3より土槽7内
への給水を行う給水貯槽としての側溝2とを備えたもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芝生の成育を維持
促進するための管理方法および管理装置に関し、特に運
動競技場などに敷設した芝生の管理方法および管理装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】芝生を敷設した施設には、野球やサッカ
ー、ラグビー等のスポーツを行う運動競技場やゴルフ場
などがある。近時、そうした施設では維持・管理が容易
であるため人工芝生を敷設することが多いが、競技上の
必要性や安全性、また使用時の感触などを考慮するとや
はり天然の芝生が優れている。
【0003】この天然の芝生は痛みやすく、また育成の
ための給水および排水などの管理が難しい。このため、
例えば図6に示すような管理装置が提案されている。こ
の管理装置は、給水の拡散孔を多数設けた給水管aを芝
生面b下方の土中に適宜に枝別れさせて水平に埋設し、
それら給水管aの上流には給水弁cを設け、制御装置d
により給水弁cを開閉制御することで、水タンクeから
圧送ポンプfで水を圧送して給水を行うようにしてい
る。
【0004】芝生面bは、図7に示すように、砂質層g
の土壌の上に形成し、さらに下に砕石層hを設けてこの
砕石層hへ給水管aを埋設するものであり、砕石層hの
下には遮水のため不透水シートjを敷くようにしてい
る。そして、湿度センサkを砂質層gに埋設して芝生の
成育状態に関わる土壌の湿度を検知し、これを制御装置
dに取込み、これにより圧送ポンプfと給水弁cによる
給水の圧送を制御するようにしている。
【0005】排水については、給水管aを排水にも利用
するようにしていて、給水弁cの上流で分岐させて排水
弁mを設けるとともに、場合によっては吸引ポンプnを
設け、排水弁mを開弁して自然な流下で排水したり、あ
るいは吸引ポンプnにより強制的に吸引して、排水を促
すようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そうし
た従来のものでは、圧送ポンプfで圧送されて給水管a
から加圧状態で土中へ送り込まれる加圧された水は、土
中の抵抗の少ない通水性の良い層へ流れ込みやすく、他
方通水性の悪い抵抗の大きな層へは流れ込み難いため、
給水にムラを生じている。また、新しい給水が供給され
難いこのような抵抗の大きな層では水の更新が行われな
いため、芝生の根圏に古い嫌気性の水が殆ど動かない状
態で滞留し続けることとなり、このような嫌気性の水の
根圏での滞留は芝生の生育障害や病気発生を招く惧れが
あった。
【0007】また他方、土中の養分の多くは土の細粒分
に担持されているが加圧水はこの細粒分を押し流して流
亡させてしまうため、芝生の生育に必要な養分の保持も
困難となっていた。このように、給水を加圧して芝生面
に送り込むことは芝生にとって不都合な問題が多々あっ
た。
【0008】また、排水に関しても、従来は芝生面bへ
のムラのない給水を考慮して水平に埋設した給水用の給
水管aを排水にも利用しているため、自然流下による排
水では古い嫌気性の水が土中に滞留しがちで通気が悪く
芝生の根圏の環境を良好に維持できないという問題があ
った。さらに、吸引ポンプnで強制排水することも行わ
れているが、このような排水では通水性の良い層からは
排水できる一方で通水性の悪い層からの排水は難しく、
また余剰水のみならず土中に毛管現象で浸潤している水
分までも引き込むおそれがあり、上述した給水の圧送で
述べたことと同様な、排水のムラによる芝生への悪影響
や、土中養分の流亡などの問題が生じることになる。
【0009】本発明は前記の事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、自然な状態でムラなく給水するこ
とができるとともに、排水も自然に良好に行え、さらに
は良好な通気も確保できて、芝生の根圏の雰囲気環境を
芝生の状態に応じて良好に維持管理できる芝生の管理方
法および管理装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明の芝生の管理方法は、芝生面下の土中に遮水層を
介して土槽を区画形成し、該土槽の底部には、上記土槽
から外方へ延出されて該土槽内を重力の作用で流下する
重力水を回収する排水系を埋設し、前記土槽に臨ませて
且つ透水壁を介して給水貯槽を併設し、この給水貯槽内
の水を該透水壁を介して前記土槽内に拡散させるととも
に、該給水貯槽の水位で上記土槽への給水を調節するよ
うにしたものである(請求項1)。
【0011】このような芝生の管理方法によれば、芝生
への給水は、給水貯槽から透水壁を介して芝生面下の土
槽内へ水を拡散させることにより行う。そして、この給
水は土槽と給水貯槽との間の水頭圧の差及び重力の作用
の下、連通管作用(サイホン作用)を利用して行うこと
ができる。すなわち、土槽と給水貯槽との間では両者の
水頭圧が等しくなるように水が移動するため、例えば、
土槽の水頭圧が給水貯槽よりも下回ったときには、その
差圧程度の低水圧で徐々に自然に給水が行われることに
なる。従って、給水貯槽の水位を管理することで土槽内
の水位が所望の水位となるように調整することができ
る。
【0012】また、土槽内に供給されて相当の水位にあ
る水は、土中の毛管現象によってさらに土中へ浸潤して
いくこととなり、この段階の給水作用も自然に行われ
る。従って、強制的に給水するための給水管や設備が不
要となり、これらを土中に埋設する作業を必要とせず芝
生の造成が極めて容易である。
【0013】他方、土槽の排水は、余剰水が重力の作用
で自然に流下してくることを利用し、土槽の底部に外方
へ延出させて埋設した排水系でこの重力水を回収するこ
とにより行う。
【0014】さらに、前記芝生の管理方法では、前記土
槽内への給水の調節は、土壌温度および土壌湿度や気象
状態など芝生の生育状態に関わるデータに応じて前記給
水貯槽の水位を調節することで行うことが好ましい(請
求項2)。
【0015】このように土槽内への給水の調節を土壌温
度および土壌湿度や気象状態など芝生の生育状態に関わ
るデータに応じて給水貯槽の水位を調節して行うように
すれば、芝生の根圏の雰囲気環境を芝生の状態に応じて
良好に維持管理することができる。気象状態のデータと
しては、大気温度、大気湿度、日射量、雨量、季節ごと
の気候データなどを採用することができる。
【0016】また、前記芝生の管理方法では、前記土槽
への給水の水質を、土槽中の水の溶存酸素やPH、電気
伝導度等の水質に関わるデータに応じて調節することが
好ましい(請求項3)。
【0017】このように土槽内への給水の水質を土槽中
の水質に関わるデータに応じて調節すれば、芝生の根圏
の雰囲気環境を給水の水質の面から良好に維持管理する
ことができる。
【0018】一方、本発明の芝生の管理装置は、芝生面
下の土中に遮水層を介して区画形成された土槽と、この
土槽の底部に土槽から外方へ延出させて埋設され、前記
土槽内を重力の作用で流下する重力水を回収する排水系
と、前記土槽に臨ませて且つ透水壁を介して併設され、
前記透水壁より前記土槽内への給水を行う給水貯槽とを
備えたものである(請求項4)。
【0019】このような構成の本発明の芝生の管理装置
によれば、上記管理方法における作用と同様に、重力の
作用の下、連通管作用(サイホン作用)により給水貯槽
からその水頭圧の差によって土槽へと自然に給水するこ
とができるとともに、排水系を介して土槽中の重力水を
回収することができる。
【0020】上記芝生の管理装置では、前記土槽の底面
に、前記透水壁を介して前記給水貯槽に連通する透水層
を敷設することが好ましい(請求項5)。
【0021】このような芝生の管理装置では、給水貯槽
内の水を土槽の底面に敷設された透水層を介して、芝生
面全面に亘って均一に給水することができる。
【0022】また、上記芝生の管理装置では、前記排水
系には、前記土槽外方へ向かうにつれて下り勾配が設定
されることが好ましい(請求項6)。
【0023】このような芝生の管理装置では、現地状況
に合わせて所望の下り勾配で排水系を埋設することによ
り、土中環境に悪影響を与える強制的な排出圧力を作用
させることなく重力を利用して自然に高い排水効率で排
水させることができる。
【0024】さらに、上記芝生の管理装置では、前記給
水貯槽にはその水位を検出する水位センサが設けられ、
該水位センサの検出信号で制御手段により該給水貯槽の
水位を調節することが好ましい(請求項7)。
【0025】このように給水貯槽に水位センサを設け、
この水位センサの検出信号により制御手段で給水貯槽の
水位調節を行うようにすれば、給水制御を自動化できて
芝生管理の自動制御化を達成することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の芝生の管理方法及
び管理装置の実施形態につき、添付図面を参照して説明
する。図1は本実施形態に係る芝生1の管理装置を示す
斜視図であり、図2は図1を模式的に示した断面図であ
る。
【0027】本実施形態に係る芝生1の管理装置は、例
えば運動競技場に設置されるもので、図1及び図2に示
すように、芝生1面下の土中に遮水層としての遮水シー
ト15を介して区画形成された土槽7と、この土槽7の
底部に埋設される排水系としての配水管4と、土槽7に
臨ませて且つ透水壁3を介して併設される給水貯槽とし
ての側溝2とから概略構成されている。
【0028】かかる土槽7は、図3に拡大して示すよう
に、運動競技場の造成予定地を開削してその底面に遮水
シート15を敷設することにより区画形成され、ここに
芝生1の土壌として床土10等を多層に亘って充填して
成るものである。この芝生1を敷設する土壌は、本実施
形態では、床土10、第二層12と下方へ順に二層構造
とされている。
【0029】床土10は、本実施形態では、天然繊維マ
ットに砂を充填して構成されている。これによれば、床
土の固結を防止できるとともに、剪断抵抗力が増強さ
れ、デポットの発生を抑えることができるとともに、造
成の際には、芝生1面へのエアレーション作業や芝生の
張り替え作業が軽減でき、芝の根にとって良好な土壌環
境を提供できることになる。
【0030】一方、第二層12は、火山砂利と砂と土壌
改良材とを混合したもので、この第二層12に透水壁3
が接するように側溝2が水平に埋設されている。なお、
当該第二層12の土壌構成については一般的に上方から
下方へ順次、中砂・粗砂を積層した形態とすることが好
ましい。この場合において遮水シート15は、後述する
ように単粒砕石が充填される排水用の溝部14を覆う形
で敷設され、土槽7から土中の細粒分の流亡を防ぐ一
方、排水性を確保する働きをする。
【0031】また、本実施形態では、この第二層12の
下方には、略U字状の溝部14が排水管4に対応させた
位置に複数形成されている。そして、この溝部14内に
は、排水管4が所定の排水勾配で配設され、単粒砕石に
よって埋められた状態となっている。なお、この溝部1
4の下に敷設された遮水シート15により土槽7の底部
に排水用の溝が形成され、高効率に排水が行えるように
なっている。
【0032】なお、図5に示すように、かかる土槽7の
底部、すなわち遮水シート15の上面には、前記透水壁
3を介して側溝2に連通する透水層16を土槽7全域に
亘って敷設してもよい。この透水層16は、例えば透水
性のよい礫材等を用いることができ、本実施形態ではこ
の透水層16の厚さは100mm程度に設定されている。
これにより、側溝2内の水を透水層16を介して芝生1
面全面に亘って均一に給水することができる。この場合
において、透水層16の下面を、透水壁3の下端部すな
わち透水壁3と側溝2のコンクリート部分との境界部分
に一致させればより給水効率を向上させることができ
る。
【0033】前記排水管4は、土槽7から外方へ延出さ
せて配管され、図2に示すように、土槽7内を重力の作
用で流下する余剰の重力水rを回収するものであり、土
槽7外方で集合管40に集合される。この排水管4に
は、その長手方向に沿って、かつ全周に亘って多数の孔
が形成されており、この孔を介して重力水rを回収する
ようになっている。なお、本実施形態では、前記集合管
40は、図1に示すように、一次タンク61に連結され
ているとともに、これの途中には制御装置5で制御され
る開閉弁41が設けられ、これにより土槽7からの排水
量を調節できるように構成されている。
【0034】また、この排水管4は以下のような態様で
配管される。すなわち、排水管4は、図4(a)または
(b)に示すように、芝生1面の一側に併設された側溝
2に対して平行となるように所定間隔をあけて複数本並
設されているとともに、芝生1面の左右に1組づつ分け
て埋設され、芝生1面の半分ずつの領域で排水するよう
に構成されている。
【0035】そして特にこの排水管4は、同図(b)に
示すように、土槽7外方へ向かうにつれて下り勾配αを
もって配設されているとともに、この排水管4が配設さ
れる溝部14もこの排水管4の勾配αに対応させて排水
管4とほぼ同じ勾配で配設される。このように、排水管
4を土槽7外方へ向かって順次下り勾配αで埋設するこ
とにより、土中環境に悪影響を与える強制的な排出圧力
を作用させることなく重力を利用して自然に高い排水効
率で排水させることができる。
【0036】一方、前記側溝2は、図3に示すように、
本実施形態では、土槽7の外周部に造成されたモルタル
20、コンクリート21、砕石22が積層された基礎部
上に配設されるものであり、U字形のブロックを連設し
て構築される。そして、本実施形態では、遮水シート1
5の端縁部が、側溝2の底部からその外側に亘って当該
側溝2の外周面全体を覆うように敷設されており、側溝
2から土槽7への給水がこれらの間隙より外部へ浸出し
てしまうのを防止するようになっている。
【0037】この側溝2における貯水は、図1に示すよ
うに、後述する給水施設から給水されることにより行わ
れる。なお、この側溝2には、同図に示すように本実施
形態では、集合管40を介して排水を土槽7に戻すよう
に構成し、この排水をも利用して水位を与えるようにし
ている。すなわち、排水を給水施設へ戻して、この給水
施設から側溝2へ排水を戻すようにしている。
【0038】また、この側溝2には、本実施形態では図
2に示すように、これの上端にオーバーフローパイプ2
1が設置され、芝生1面に降った雨などによる増水が集
合管40を介して戻されたときに側溝2から排出できる
ように構成されている。なお、本実施形態では給水貯槽
として側溝2が例示されているが、本発明はこれに限定
されるものではなく、水位を保って貯水できるものであ
れば、その形態が問われることはない。
【0039】他方、このような側溝2の土槽7側の側壁
部は透水性を有する部材で構築された透水壁3となって
いる。この透水壁3は、土中の細粒分の流亡を防ぐ一
方、砂礫層の排水性を確保する目的で配設されるもの
で、例えば、透水性舗装道路の集水用の側溝等に通常利
用される透水性コンクリート等を用いることができる。
この透水性コンクリートは、粗骨材の配合を多くすると
ともに細粒分の配合を少なくして成形されるもので、そ
の内部に連続的な間隙が形成されるようにしたものであ
る。
【0040】そして、上記構成を有する本実施形態の芝
生1の管理装置及び管理方法にあっては、図2に模式的
に示すように、給水は、側溝2内の水が芝生1面下の土
槽7へと透水壁3を介して拡散されることにより行われ
る。すなわち、側溝2内の水が重力の作用の下、連通管
作用(サイホン作用)によって側溝2からその水頭圧で
土槽7へと給水される。
【0041】この際、土槽7には、その水位L7が側溝
2の水位L2とほぼ同水位となるように自然に水が移動
することとなり、従って、側溝2の水位L2を管理する
ことで、土槽7の水位L7が所望の水位となるように給
水することができる。
【0042】そして、土槽7内に供給されて相当の水位
L7にある給水sは、土中の毛管現象によってさらに土
中へ浸潤していくこととなり、この段階の給水作用も自
然に行われる。また、排水(重力水r)については、余
剰の水が重力の作用で自然に流下してくることを利用
し、土槽7の底部に土槽7から外方へ延出させて埋設し
た排水管4でこの重力水rを回収して排水するようにな
っている。
【0043】このとき、芝生1への水の供給は、連通管
作用や重力の作用を利用した低水圧の自然な給水sと排
水rによるため、強制的な給水の場合と異なり、土槽7
への給水sの浸潤が極めて自然であって土中の層の通水
性の如何に関わらず良好に給水できるとともに、排水r
に際しての余剰水の発生とその流下作用も自然であっ
て、給・排水のムラが生じることは殆どなく、従って芝
生の根圏への給水sを良好に維持・管理できるととも
に、給・排水s,rに伴う土中養分の流亡等も防止する
ことができる。
【0044】また、側溝2の水位L2を変化させると連
通管作用により土槽7の水位L7も変化することから、
この土槽7の水位L7を下降させるように側溝2の水位
L2を調節すると(図中、LCで示す)、フイゴ効果が
働いて芝生1面等の地表面から土槽7への空気の引き込
みasを生じさせることができ、調整可能な通気作用を
得ることができて芝生の根圏に対し強制給・排作用によ
らない自然で良好な通気性を確保することができる。
【0045】次に、本実施形態における芝生1の管理装
置を管理・運転するための設備について説明する。図1
に示すように、この管理装置には、給排水等を行うため
の一次タンク61や二次タンク63等の給水施設、また
これらを制御する制御装置5が備えられている。
【0046】本実施形態では、側溝2への給水は、上述
したように蓄えた雨水と排水管4からの戻し水とを循環
利用する構成とされている。詳しくは、図1に示すよう
に、一次タンク61には直接雨水が溜められるととも
に、また排水管4からの排水が一次タンク61へと戻さ
れるようになっている。
【0047】この一次タンク61には、オーバーフロー
パイプ62が設けられており、このオーバーフローパイ
プ62は、一次タンク61が満水になると溢水させるよ
うになっている。従って、このオーバーフローパイプ6
2からの溢水により一次タンク61内の水は逐次希釈さ
れ、障害の発生しにくい水質へと自動的に改質調整され
るようになっている。このように、一次タンク61に集
めた雨水の利用と排水のリサイクルとで給水するので、
甚大な節水効果を発揮する。
【0048】かかる一次タンク61の水は、その汚れを
浄化するためポンプ69によってフィルタ64へ送ら
れ、清浄化された水が二次タンク63に蓄えられる。こ
の二次タンク63には、当該二次タンク63内の水を加
温するための加温システム68が接続されている。
【0049】この加温システム68は、熱源68aと、
この熱源68aで温められた水などの熱媒を送り出すポ
ンプ68bとから主に構成されている。そして熱源68
aからポンプ68bで熱媒を二次タンク63へと供給し
て、給水直前の二次タンク63内の水を適宜に暖めるこ
とができるようになっている。このように給水を暖める
ことで水温を調節でき、芝生の生育状態を制御すること
ができる。このように、必要に応じて、土中の温度セン
サ51の検出データに従って加温システム68を制御す
るように構成すれば、芝生に対して、冬季には比較的温
度の高い給水を行い、他方、夏季には比較的温度の低い
給水を行わせることもでき、芝生に対し外気温変化に対
応した給水を施すことができる。
【0050】なお、熱源68aとしては、自然エネルギ
によるものや余剰熱を採用することができ、例えば、産
業の廃熱や地熱、温泉熱、太陽熱、化石燃料やごみ焼却
熱など、好ましくは廃棄されたり、未回収の熱エネルギ
を利用することが好ましい。
【0051】一方、二次タンク63の水は、薬剤調合機
構65に送られて防虫剤,改良剤,液肥などの薬剤が添
加され、この後、流量調整弁などの流量制御機構66を
介して側溝2へと送られる。本実施形態にあっては、二
次タンク63と薬剤調合機構65との間は、3つの配管
で接続されている。2つの配管にはそれぞれポンプ70
が備えられているとともに、残りの1つの配管は二次タ
ンク63と薬剤調合機構65とを単に連結している。二
次タンク63内の水頭圧で以降の系に給水できる場合に
はポンプは不要である一方で、それ以外の場合の給水を
円滑に行うために2つの配管に2基のポンプ70が設備
されている。
【0052】そして、本実施形態では、これら一次タン
ク61、二次タンク63等は制御装置5により制御さ
れ、芝生の成育状態に関わるデータに応じてその側溝2
への給水水位、すなわち側溝2内の水位を調節するよう
になっている。
【0053】この制御装置5には、薬剤調合機構65、
流量制御機構66、ポンプ69,70、加温システム6
8が接続され、これらは制御装置5により適宜制御され
るようになっている。この制御装置5には、上記側溝2
内に設けられてその水位を検出する水位センサ2aや、
土中環境因子としての湿度や温度を検出する湿度センサ
50および温度センサ51が接続されている。両センサ
50,51は芝生1面下の土中に埋設され、これにより
芝生の成育状態に関わるデータが得られるようになって
いる。
【0054】このとき必要に応じて、水質管理のための
DO(溶存酸素)センサや、PH(酸・アルカリ)セン
サ、及びEC(電気伝導度)センサ等の水質検出手段7
1を設置し、この水質検出手段71で給水の水質を検出
してこれら検出データを制御装置5に入力し、この制御
装置5によって薬剤調合機構65を制御するようにして
もよい。
【0055】さらには、制御装置5には、気象状態のデ
ータとしては、大気温度、大気湿度、日射量、雨量、季
節ごとの気候データなどの気象データを検出し蓄積さ
せ、短期的・長期的な気候状態を解析させて、これを制
御に取り込めるように構成してもよい。なお、この制御
装置5は、いわゆるコンピュータであって、水位センサ
2aや湿度センサ50および温度センサ51、さらには
水質検出手段71等から送られる検出データを基にして
各部を制御するようになっている。このように側溝2に
水位センサ2aを設け、この水位センサ2aの検出信号
により制御手段5で側溝2の水位調節を行うようにすれ
ば、給水制御を自動化できて芝生管理の自動制御化を達
成することができる。
【0056】以上説明した芝生1の管理装置を管理・運
転するための設備によれば、各設備により土槽7内への
給水の調節を、水量に関しては土壌温度および土壌湿度
や気象状態など芝生の生育状態に関わるデータに応じて
側溝2の水位を調節して行い、水質に関してはDOセン
サやPHセンサ、ECセンサ等の水質検出手段71によ
って検出された水質に関わるデータに応じて水質を調節
することで、芝生の根圏の雰囲気環境を芝生の状態に応
じて良好に維持管理することができる。
【0057】なお、上記一次タンク61の設置個数につ
いては、一個であっても、複数個であっても良い。一個
の場合には、これと二次タンク63とを接続する配管が
単一で簡便である一方で、当該一次タンク61が大型化
する点があり、他方多数個の場合には、分散配置できて
設置スペースが一箇所に大きくとられてしまうことがな
く、かつ雨水等の収率も向上するが、配管が煩雑とな
る。後者の場合の配管例としては、分散配置した複数個
の一次タンク61からいずれかの一次タンク61へとサ
イホン効果を利用して給水を送給すればよい。さらに、
本装置に対しては、芝生の葉面洗浄や非常時用として地
上散水システムを組み合わせてもよい。
【0058】また、上記実施形態にあっては、制御装置
5のみによる制御の場合を説明したが、任意に切り替え
て、手動による給水制御を行えるように構成してもよ
い。
【0059】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る芝生の管理方法および管理装置によれば、連通管作用
や重力の作用を利用した、低水圧の自然な給水と排水に
よるため、強制的な給・排水の場合と異なり、土槽への
給水の浸潤が極めて自然であって土中の層の通水性の如
何に関わらず良好に給水できるとともに、排水に際して
の余剰水の発生とその流下作用も自然であって、給・排
水のムラが生じることは殆どなく、従って芝生の根圏へ
の給水を良好に維持・管理できるとともに、給・排水に
伴う土中養分の流亡等も防止することができる。しか
も、かかる給水は透水壁を介して行われるため、強制的
に給水を行うための設備や、土中に給水管を埋設する必
要がなく、かかる管理装置の造成が極めて容易である。
【0060】さらに、土槽の水位を下降させるように給
水貯槽の水位を調節すると自然にフイゴ効果が働いて芝
生面等の地表面から土槽への空気の引き込みを生じさせ
ることができ、強制給・排作用によらない自然で良好な
通気性を確保することができる。
【0061】一方、土槽内への給水の調節を、土壌温度
および土壌湿度や気象状態など芝生の生育状態に関わる
データに応じて給水貯槽の水位を調節して行うようにす
れば、芝生の根圏の雰囲気環境を、芝生の状態に応じて
良好に維持管理することができる。
【0062】また、土槽内への給水の水質を土槽中の水
質に関わるデータに応じて調節すれば、芝生の根圏の雰
囲気環境を給水の水質の面から良好に維持管理すること
ができる。
【0063】併せて、このような、芝生の管理装置で
は、給水貯槽内の水を土槽の底面に敷設された透水層を
介して、芝生面全面に亘って均一に給水することができ
る。
【0064】さらに、前記排水系に、前記土槽外方へ向
かうにつれて下り勾配を設定するか、或いは現地状況に
合わせて所望の下り勾配で排水系を埋設することによ
り、土中環境に悪影響を与える強制的な排出圧力を作用
させることなく、重力を利用して自然に高い排水効率で
排水させることができる。
【0065】また、給水貯槽に水位センサを設け、この
水位センサの検出信号により制御手段で給水貯槽の水位
調節を行うようにすれば、給水制御を自動化できて芝生
管理の自動制御化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る芝生の管理方法および管理装置の
一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明に係る芝生の管理方法および管理装置の
実施形態における土壌構造の構成を示す側断面図であ
る。
【図4】本発明に係る芝生の管理方法および管理装置の
実施形態における配管レイアウトを示す説明図であり、
(a)は概略平面図であり、(b)は(a)のA−A矢
視断面図である。
【図5】本発明に係る芝生の管理方法および管理装置の
変形実施形態における土壌構造の構成を示す側断面図で
ある。
【図6】芝生の管理装置の従来例を示す構成図である。
【図7】図6の芝生部分の土壌構造を説明する断面図で
ある。
【符号の説明】
1 芝生 2 側溝(給水貯槽) 3 透水壁 4 排水管(排水系) 5 制御手段(制御装置) 7 土槽 15 遮水シート(遮水層) 71 水質検出手段
フロントページの続き (72)発明者 高橋 哲躬 東京都港区南青山1丁目24番1号 大林道 路株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芝生面下の土中に遮水層を介して土槽を
    区画形成し、該土槽の底部に上記土槽から外方へ延出さ
    れて該土槽内を重力の作用で流下する重力水を回収する
    排水系を埋設し、前記土槽に臨ませて且つ透水壁を介し
    て給水貯槽を併設し、この給水貯槽内の水を該透水壁を
    介して前記土槽内に拡散させるとともに、該給水貯槽の
    水位で上記土槽への給水を調節するようにしたことを特
    徴とする芝生の管理方法。
  2. 【請求項2】 前記土槽内への給水の調節は、土壌温度
    および土壌湿度や気象状態など芝生の生育状態に関わる
    データに応じて前記給水貯槽の水位を調節することで行
    うことを特徴とする請求項1に記載の芝生の管理方法。
  3. 【請求項3】 前記土槽への給水の水質を、該土槽中の
    水の溶存酸素やPH、電気伝導度等の水質に関わるデー
    タに応じて調節することを特徴とする請求項1または2
    に記載の芝生の管理方法。
  4. 【請求項4】 芝生面下の土中に遮水層を介して区画形
    成された土槽と、この土槽の底部に該土槽から外方へ延
    出されて埋設され、該土槽内を重力の作用で流下する重
    力水を回収する排水系と、前記土槽に臨ませて且つ透水
    壁を介して併設され、該透水壁より前記土槽内への給水
    を行う給水貯槽とを備えたことを特徴とする芝生の管理
    装置。
  5. 【請求項5】 前記土槽の底面に、前記透水壁を介して
    前記給水貯槽に連通する透水層を敷設したことを特徴と
    する請求項4に記載の芝生の管理装置。
  6. 【請求項6】 前記排水系には、前記土槽外方へ向かう
    につれて下り勾配が設定されることを特徴とする請求項
    4または5に記載の芝生の管理装置。
  7. 【請求項7】 前記給水貯槽にはその水位を検出する水
    位センサが設けられ、該水位センサの検出信号で制御手
    段により該給水貯槽の水位を調節することを特徴とする
    請求項4〜6いずれかに記載の芝生の管理装置。
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WO2011025192A2 (ko) * 2009-08-25 2011-03-03 Jo Ki Teag 지중배관으로 식물성장에 필요한 물품을 공급하고 방해물을 배출하는 식물재배 방법과 그 장치
CN103947507A (zh) * 2014-04-28 2014-07-30 苏州创维晟自动化科技有限公司 一种新型节水式水肥气灌溉设备

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WO2011025192A3 (ko) * 2009-08-25 2011-07-07 Jo Ki Teag 지중배관으로 식물성장에 필요한 물품을 공급하고 방해물을 배출하는 식물재배 방법과 그 장치
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