JPH09246300A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
半導体装置の製造方法Info
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- JPH09246300A JPH09246300A JP5473396A JP5473396A JPH09246300A JP H09246300 A JPH09246300 A JP H09246300A JP 5473396 A JP5473396 A JP 5473396A JP 5473396 A JP5473396 A JP 5473396A JP H09246300 A JPH09246300 A JP H09246300A
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- resin
- epoxy resin
- flip chip
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- Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
- Encapsulation Of And Coatings For Semiconductor Or Solid State Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】封止樹脂の積層界面での接着力が強く、信頼性
の高い半導体装置の製造方法を提供する。 【解決手段】回路基板1の上に空隙をもってフリップチ
ップ4が配置されている。フリップチップ4と回路基板
1との隙間に、液状エポキシ樹脂を注入し、15分以下
の加熱によってエポキシ基が初期の30%以上残ってい
る半硬化状態にし、フリップチップ4全体を覆うように
液状エポキシ樹脂10を配置し、2時間の加熱によって
積層した両樹脂を完全硬化させる。その結果、フリップ
チップ4と回路基板1との隙間に下層側封止樹脂7が配
置されるとともに、フリップチップ4全体が上層側封止
樹脂8にて覆われる。
の高い半導体装置の製造方法を提供する。 【解決手段】回路基板1の上に空隙をもってフリップチ
ップ4が配置されている。フリップチップ4と回路基板
1との隙間に、液状エポキシ樹脂を注入し、15分以下
の加熱によってエポキシ基が初期の30%以上残ってい
る半硬化状態にし、フリップチップ4全体を覆うように
液状エポキシ樹脂10を配置し、2時間の加熱によって
積層した両樹脂を完全硬化させる。その結果、フリップ
チップ4と回路基板1との隙間に下層側封止樹脂7が配
置されるとともに、フリップチップ4全体が上層側封止
樹脂8にて覆われる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、樹脂封止型半導
体装置の製造方法に関するものである。
体装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、フリップチップICを実装した回
路基板は、例えば、図11に示すように、ハウジングケ
ース30に入れ、フリップチップ31の下の隙間に熱膨
張係数の小さな樹脂32を注入充填してバンプ部33,
34の応力を低減し、二次封止材としてシリコーンゲル
35によって全体を覆うように封止する構造をとる。
尚、図11において、36は回路基板であり、37はリ
ードフレームであり、38,39は回路基板36の上に
形成された導電パターンである。しかしこの構造ではシ
リコーンゲル35の気体透過性が大きくなるため腐食性
ガスの侵入による回路基板36の電極の腐食が発生し、
高信頼性を実現できない。
路基板は、例えば、図11に示すように、ハウジングケ
ース30に入れ、フリップチップ31の下の隙間に熱膨
張係数の小さな樹脂32を注入充填してバンプ部33,
34の応力を低減し、二次封止材としてシリコーンゲル
35によって全体を覆うように封止する構造をとる。
尚、図11において、36は回路基板であり、37はリ
ードフレームであり、38,39は回路基板36の上に
形成された導電パターンである。しかしこの構造ではシ
リコーンゲル35の気体透過性が大きくなるため腐食性
ガスの侵入による回路基板36の電極の腐食が発生し、
高信頼性を実現できない。
【0003】そこで、フリップチップ31の下の隙間に
熱膨張係数の小さな樹脂を注入し、さらに、気体透過性
の小さい、シリコーン以外の樹脂で二次封止を施す構造
も提案されている。
熱膨張係数の小さな樹脂を注入し、さらに、気体透過性
の小さい、シリコーン以外の樹脂で二次封止を施す構造
も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような構
造において封止樹脂の積層界面での接着力が小さく、初
期又は温度変化の大きい厳しい環境下(厳しい冷熱サイ
クル環境下)において剥離が生じるという問題点があっ
た。この積層樹脂の界面剥離が存在すると、剥離先端部
の応力が増大し、チップや基板への剥離進展やパッケー
ジクラック、水分浸入を招き信頼性が低下する。
造において封止樹脂の積層界面での接着力が小さく、初
期又は温度変化の大きい厳しい環境下(厳しい冷熱サイ
クル環境下)において剥離が生じるという問題点があっ
た。この積層樹脂の界面剥離が存在すると、剥離先端部
の応力が増大し、チップや基板への剥離進展やパッケー
ジクラック、水分浸入を招き信頼性が低下する。
【0005】そこで、封止樹脂の積層界面の接着力を増
大するのための一手法として、一次封止材を完全硬化
し、露出した樹脂表面の機械研磨を行い表面粗さの増加
による接着面積増加を行った後、二次封止を行うことが
考えられる。これにより、接着力は機械研磨を行わない
場合に比べ増加するが、信頼性は大きくは向上しない。
つまり、図9に示すように、第1層の樹脂の注入および
硬化、第2層の樹脂の配置および硬化を行うと、第1層
の樹脂と第2層の樹脂の界面の接着強度は弱い。さらに
その上、工程が煩雑化してしまったり、積層封止のため
に別々の樹脂硬化工程が行われるため、硬化工程が長時
間におよび生産効率が低下してしまう。
大するのための一手法として、一次封止材を完全硬化
し、露出した樹脂表面の機械研磨を行い表面粗さの増加
による接着面積増加を行った後、二次封止を行うことが
考えられる。これにより、接着力は機械研磨を行わない
場合に比べ増加するが、信頼性は大きくは向上しない。
つまり、図9に示すように、第1層の樹脂の注入および
硬化、第2層の樹脂の配置および硬化を行うと、第1層
の樹脂と第2層の樹脂の界面の接着強度は弱い。さらに
その上、工程が煩雑化してしまったり、積層封止のため
に別々の樹脂硬化工程が行われるため、硬化工程が長時
間におよび生産効率が低下してしまう。
【0006】そこで、この発明の目的は、封止樹脂の積
層界面での接着力が強く、信頼性の高い半導体装置の製
造方法を提供することにある。
層界面での接着力が強く、信頼性の高い半導体装置の製
造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、第1工程により、チップと基板との隙間に硬化
前の熱硬化性樹脂が注入され、第2工程により、当該樹
脂が半硬化状態にされる。そして、第3工程により、チ
ップ全体を覆うように硬化前の熱硬化性樹脂が配置さ
れ、第4工程により、積層した両樹脂が完全硬化され
る。
よれば、第1工程により、チップと基板との隙間に硬化
前の熱硬化性樹脂が注入され、第2工程により、当該樹
脂が半硬化状態にされる。そして、第3工程により、チ
ップ全体を覆うように硬化前の熱硬化性樹脂が配置さ
れ、第4工程により、積層した両樹脂が完全硬化され
る。
【0008】この第4工程において、半硬化状態の第1
層の樹脂と、硬化前の第2層の樹脂との界面において、
第1層の反応性官能基(例えば、エポキシ樹脂において
はエポキシ基)と第2層の樹脂の反応性官能基(例え
ば、エポキシ樹脂においてはエポキシ基)が結合して、
第1層の樹脂と第2層の樹脂との界面の接着強度は強く
なる。
層の樹脂と、硬化前の第2層の樹脂との界面において、
第1層の反応性官能基(例えば、エポキシ樹脂において
はエポキシ基)と第2層の樹脂の反応性官能基(例え
ば、エポキシ樹脂においてはエポキシ基)が結合して、
第1層の樹脂と第2層の樹脂との界面の接着強度は強く
なる。
【0009】つまり、封止樹脂としてエポキシ樹脂を用
いた場合において、図9に示すように、第1層の樹脂の
注入および硬化、第2層の樹脂の配置および硬化を行う
と、第1層の樹脂と第2層の樹脂の界面の接着強度は弱
い。さらにその上、工程が煩雑化してしまったり、積層
封止により別々の樹脂硬化工程が行われるため、硬化工
程が長時間にわたり生産効率が低下してしまう。
いた場合において、図9に示すように、第1層の樹脂の
注入および硬化、第2層の樹脂の配置および硬化を行う
と、第1層の樹脂と第2層の樹脂の界面の接着強度は弱
い。さらにその上、工程が煩雑化してしまったり、積層
封止により別々の樹脂硬化工程が行われるため、硬化工
程が長時間にわたり生産効率が低下してしまう。
【0010】これに対し、本発明においては、第1層の
樹脂を半硬化状態にすることにより、半硬化状態での第
1層の樹脂においては反応性官能基が残存しており、第
4工程での硬化時においては、第1層の樹脂の反応性官
能基と第2層の樹脂の反応性官能基により強力な結合が
形成される。これにより、第1層の樹脂と第2層の樹脂
との界面の接着強度は強くなる。即ち、封止樹脂として
エポキシ樹脂を用いた場合において、図10に示すよう
に、第1層の樹脂を半硬化状態することにより、半硬化
状態での第1層の樹脂においてはエポキシ基が残存して
おり、第4工程での硬化時においては、第1層の樹脂と
第2層の樹脂とのエポキシ基により強力な結合が形成さ
れる。これにより、第1層の樹脂と第2層の樹脂との界
面の接着強度は強くなる。
樹脂を半硬化状態にすることにより、半硬化状態での第
1層の樹脂においては反応性官能基が残存しており、第
4工程での硬化時においては、第1層の樹脂の反応性官
能基と第2層の樹脂の反応性官能基により強力な結合が
形成される。これにより、第1層の樹脂と第2層の樹脂
との界面の接着強度は強くなる。即ち、封止樹脂として
エポキシ樹脂を用いた場合において、図10に示すよう
に、第1層の樹脂を半硬化状態することにより、半硬化
状態での第1層の樹脂においてはエポキシ基が残存して
おり、第4工程での硬化時においては、第1層の樹脂と
第2層の樹脂とのエポキシ基により強力な結合が形成さ
れる。これにより、第1層の樹脂と第2層の樹脂との界
面の接着強度は強くなる。
【0011】又、硬化時間を短くし、半硬化状態とする
ことにより、製造時間の短縮を図ることができる。即
ち、従来方法では硬化に必要な加熱時間は第1層の樹脂
の完全硬化に必要な加熱時間と第2層の樹脂の完全硬化
に必要な加熱時間との和であったが、本発明において
は、第1層の樹脂の半硬化に必要な加熱時間と第2層の
樹脂の完全硬化に必要な加熱時間との和となり、硬化時
間の短縮が図られ生産効率が向上する。
ことにより、製造時間の短縮を図ることができる。即
ち、従来方法では硬化に必要な加熱時間は第1層の樹脂
の完全硬化に必要な加熱時間と第2層の樹脂の完全硬化
に必要な加熱時間との和であったが、本発明において
は、第1層の樹脂の半硬化に必要な加熱時間と第2層の
樹脂の完全硬化に必要な加熱時間との和となり、硬化時
間の短縮が図られ生産効率が向上する。
【0012】請求項4に記載のように、第1工程におい
てイミダゾール触媒を添加したエポキシ樹脂を用いると
潜在硬化性を付加でき、樹脂への熱履歴が多く(例え
ば、加熱時間が長く)なってもエポキシ基を残存させ易
くなる。
てイミダゾール触媒を添加したエポキシ樹脂を用いると
潜在硬化性を付加でき、樹脂への熱履歴が多く(例え
ば、加熱時間が長く)なってもエポキシ基を残存させ易
くなる。
【0013】請求項5に記載のように、第2工程におい
て、エポキシ基が初期の30%〜90%残っている半硬
化状態にすることにより、モールドの注入圧に耐え得る
状態にでき、第3工程でのトランスファモールドを行う
上で好ましいものとなる。
て、エポキシ基が初期の30%〜90%残っている半硬
化状態にすることにより、モールドの注入圧に耐え得る
状態にでき、第3工程でのトランスファモールドを行う
上で好ましいものとなる。
【0014】
(第1の実施の形態)以下、この発明の第1の実施の形
態を図面に従って説明する。
態を図面に従って説明する。
【0015】図1には、本実施の形態における半導体装
置の断面図を示す。図1において、セラミック等よりな
る回路基板1の上面には、導電パターン2,3が形成さ
れている。フリップチップ4においては半導体ペレット
の電極上にバンプ5,6が形成されており、半導体ペレ
ットの電極面を下にして回路基板1上の導電パターン
2,3と半田等により接合されている。このようにし
て、回路基板1の上に空隙をもってフリップチップ4が
対向配置されるとともに、回路基板1上の導電パターン
2,3とフリップチップ4とがバンプ5,6を介して電
気的に接続されている。
置の断面図を示す。図1において、セラミック等よりな
る回路基板1の上面には、導電パターン2,3が形成さ
れている。フリップチップ4においては半導体ペレット
の電極上にバンプ5,6が形成されており、半導体ペレ
ットの電極面を下にして回路基板1上の導電パターン
2,3と半田等により接合されている。このようにし
て、回路基板1の上に空隙をもってフリップチップ4が
対向配置されるとともに、回路基板1上の導電パターン
2,3とフリップチップ4とがバンプ5,6を介して電
気的に接続されている。
【0016】さらに、回路基板1の上面とフリップチッ
プ4の下面との間に形成された隙間には下層側封止樹脂
7が充填されている。下層側封止樹脂7は、エポキシ樹
脂よりなり、バンプ部の応力を低減する機能を有する。
さらに、回路基板1の上面においてフリップチップ4の
全体を覆うように上層側封止樹脂8が配置されている。
上層側封止樹脂8は、エポキシ樹脂よりなり、腐食性ガ
スの侵入を防ぎ、回路基板1の導電パターン2,3等が
腐食するのを防止している。
プ4の下面との間に形成された隙間には下層側封止樹脂
7が充填されている。下層側封止樹脂7は、エポキシ樹
脂よりなり、バンプ部の応力を低減する機能を有する。
さらに、回路基板1の上面においてフリップチップ4の
全体を覆うように上層側封止樹脂8が配置されている。
上層側封止樹脂8は、エポキシ樹脂よりなり、腐食性ガ
スの侵入を防ぎ、回路基板1の導電パターン2,3等が
腐食するのを防止している。
【0017】次に、このように構成した半導体装置の製
造方法を説明する。図2に示すように、バンプ5,6を
介して回路基板1の導電パターン2,3とフリップチッ
プ4とを半田等により接合する。
造方法を説明する。図2に示すように、バンプ5,6を
介して回路基板1の導電パターン2,3とフリップチッ
プ4とを半田等により接合する。
【0018】そして、図3に示すように、フリップチッ
プ4と回路基板1の隙間に一次封止材としての液状イミ
ダゾール硬化型エポキシ樹脂9(エポキシ樹脂にイミダ
ゾール触媒を添加したもの)を注入し、150℃、15
分間以下の熱履歴を与え半硬化状態にする。ここで、図
4のL1に示すように、半硬化の反応度合はエポキシ基
の残存量が初期の30%以上となる。尚、図4は、一次
封止樹脂としてイミダゾール硬化型液状エポキシを用い
た場合における、半硬化時間と反応度合との関係を示す
図であり、横軸に半硬化時間をとり、縦軸にエポキシ基
残存率をとっている。
プ4と回路基板1の隙間に一次封止材としての液状イミ
ダゾール硬化型エポキシ樹脂9(エポキシ樹脂にイミダ
ゾール触媒を添加したもの)を注入し、150℃、15
分間以下の熱履歴を与え半硬化状態にする。ここで、図
4のL1に示すように、半硬化の反応度合はエポキシ基
の残存量が初期の30%以上となる。尚、図4は、一次
封止樹脂としてイミダゾール硬化型液状エポキシを用い
た場合における、半硬化時間と反応度合との関係を示す
図であり、横軸に半硬化時間をとり、縦軸にエポキシ基
残存率をとっている。
【0019】尚、エポキシ基の残存量の測定方法として
は、FT−IRにてエポキシ基ピーク強度の比を求める
ことにより行った。さらに、図1に示すように、フリッ
プチップ4全体を覆うように二次封止材としての液状エ
ポキシ樹脂材10を配置して、150℃、2時間で完全
硬化する。この際、フリップチップ4と回路基板1の隙
間のエポキシ樹脂9はエポキシ基が初期の30%以上残
存しており、フリップチップ4上を覆ったエポキシ樹脂
10の触媒や硬化剤と容易に反応し積層樹脂の界面にお
いては架橋による強力な結合が形成される。このため、
図5に示すように、接着力が良好となる。
は、FT−IRにてエポキシ基ピーク強度の比を求める
ことにより行った。さらに、図1に示すように、フリッ
プチップ4全体を覆うように二次封止材としての液状エ
ポキシ樹脂材10を配置して、150℃、2時間で完全
硬化する。この際、フリップチップ4と回路基板1の隙
間のエポキシ樹脂9はエポキシ基が初期の30%以上残
存しており、フリップチップ4上を覆ったエポキシ樹脂
10の触媒や硬化剤と容易に反応し積層樹脂の界面にお
いては架橋による強力な結合が形成される。このため、
図5に示すように、接着力が良好となる。
【0020】特に、フリップチップ4と回路基板1の隙
間にイミダゾール硬化型エポキシ樹脂9を用いると、潜
在硬化性を付加でき、注入充填時又は充填後における樹
脂への熱履歴が多く(例えば時間が長く)なってもエポ
キシ基を残存させ易くなる。
間にイミダゾール硬化型エポキシ樹脂9を用いると、潜
在硬化性を付加でき、注入充填時又は充填後における樹
脂への熱履歴が多く(例えば時間が長く)なってもエポ
キシ基を残存させ易くなる。
【0021】尚、図5は、テストピースにおけるモデル
試験での反応度合と接着力との関係を示す図であり、横
軸にイミダゾール硬化型液状エポキシ樹脂のエポキシ基
残存量をとり、縦軸にエポキシ基残存量が100%の時
の接着力を「1」とした場合における接着力(比)をと
っている。
試験での反応度合と接着力との関係を示す図であり、横
軸にイミダゾール硬化型液状エポキシ樹脂のエポキシ基
残存量をとり、縦軸にエポキシ基残存量が100%の時
の接着力を「1」とした場合における接着力(比)をと
っている。
【0022】このようにして、フリップチップ4の下面
と、回路基板1の上面におけるフリップチップ4との対
向部に、下層側封止樹脂7が配置されるとともに、回路
基板1の上面においてフリップチップ4の全体を覆うよ
うに上層側封止樹脂8が配置される。
と、回路基板1の上面におけるフリップチップ4との対
向部に、下層側封止樹脂7が配置されるとともに、回路
基板1の上面においてフリップチップ4の全体を覆うよ
うに上層側封止樹脂8が配置される。
【0023】そして、下層側と上層側の積層樹脂7,8
の界面においては架橋による強力な結合が形成され接着
力が良好な樹脂界面となっているので、初期および厳し
い冷熱サイクル環境において剥離は発生しない。
の界面においては架橋による強力な結合が形成され接着
力が良好な樹脂界面となっているので、初期および厳し
い冷熱サイクル環境において剥離は発生しない。
【0024】次に、図10の分子構造の模式図を用いて
作用を説明する。第1層のエポキシ樹脂9の硬化前にお
いては各分子(モノマー)が結合することなく単独に存
在している。そして、第1層のエポキシ樹脂9が半硬化
状態になると、エポキシ樹脂9においてはエポキシ基に
おける酸素の結合手により各分子(モノマー)が相互に
結合する。ただし、相互結合するのは全分子のうちの一
部であり、未結合のものもエポキシ基として残ってい
る。
作用を説明する。第1層のエポキシ樹脂9の硬化前にお
いては各分子(モノマー)が結合することなく単独に存
在している。そして、第1層のエポキシ樹脂9が半硬化
状態になると、エポキシ樹脂9においてはエポキシ基に
おける酸素の結合手により各分子(モノマー)が相互に
結合する。ただし、相互結合するのは全分子のうちの一
部であり、未結合のものもエポキシ基として残ってい
る。
【0025】又、第2層のエポキシ樹脂10の硬化前に
おいては各分子が結合することなく単独に存在してい
る。そして、エポキシ樹脂9,10が完全硬化すると、
エポキシ樹脂10においてはエポキシ基における酸素の
結合手により各分子が相互に結合するとともに、エポキ
シ樹脂9に残存するエポキシ基における酸素の結合手に
よりエポキシ樹脂10の各分子と結合する。よって、エ
ポキシ樹脂9とエポキシ樹脂10との界面において架橋
による強力な結合ができ強固に両樹脂が接着する。
おいては各分子が結合することなく単独に存在してい
る。そして、エポキシ樹脂9,10が完全硬化すると、
エポキシ樹脂10においてはエポキシ基における酸素の
結合手により各分子が相互に結合するとともに、エポキ
シ樹脂9に残存するエポキシ基における酸素の結合手に
よりエポキシ樹脂10の各分子と結合する。よって、エ
ポキシ樹脂9とエポキシ樹脂10との界面において架橋
による強力な結合ができ強固に両樹脂が接着する。
【0026】このように本実施の形態は、下記の
(イ),(ロ)の特徴を有する。 (イ)フリップチップ4と回路基板1との隙間に、液状
エポキシ樹脂9を注入し、短時間(15分以下)の加熱
によってエポキシ基が初期の30%以上残っている半硬
化状態にし、フリップチップ4全体を覆うように液状エ
ポキシ樹脂10を配置し、長時間(2時間)の加熱によ
って積層した両樹脂9,10を完全硬化する。このと
き、半硬化状態の第1層のエポキシ樹脂9と、硬化前の
第2層のエポキシ樹脂10との界面において、第1層の
エポキシ樹脂9のエポキシ基と第2層のエポキシ樹脂1
0のエポキシ基が結合して、第1層のエポキシ樹脂9と
第2層のエポキシ樹脂10との界面の接着強度は強くな
る。又、硬化に必要な加熱時間は第1層の樹脂9の半硬
化に必要な加熱時間(15分以下)と第2層の樹脂10
の完全硬化に必要な加熱時間(2時間)との和の2時間
15分以下となり、第1層の樹脂9を完全硬化する場合
にはタートルの加熱時間が4時間(=2時間+2時間)
となるのに対し、硬化時間の短縮が図られ生産効率が向
上する。 (ロ)第1層のエポキシ樹脂9に、イミダゾール触媒を
添加しているので、潜在硬化性を付加でき、樹脂への熱
履歴が多く(長く)なってもエポキシ基を残存させ易く
なる。 (第2の実施の形態)次に、第2の実施の形態を、第1
の実施の形態との相違点を中心に説明する。
(イ),(ロ)の特徴を有する。 (イ)フリップチップ4と回路基板1との隙間に、液状
エポキシ樹脂9を注入し、短時間(15分以下)の加熱
によってエポキシ基が初期の30%以上残っている半硬
化状態にし、フリップチップ4全体を覆うように液状エ
ポキシ樹脂10を配置し、長時間(2時間)の加熱によ
って積層した両樹脂9,10を完全硬化する。このと
き、半硬化状態の第1層のエポキシ樹脂9と、硬化前の
第2層のエポキシ樹脂10との界面において、第1層の
エポキシ樹脂9のエポキシ基と第2層のエポキシ樹脂1
0のエポキシ基が結合して、第1層のエポキシ樹脂9と
第2層のエポキシ樹脂10との界面の接着強度は強くな
る。又、硬化に必要な加熱時間は第1層の樹脂9の半硬
化に必要な加熱時間(15分以下)と第2層の樹脂10
の完全硬化に必要な加熱時間(2時間)との和の2時間
15分以下となり、第1層の樹脂9を完全硬化する場合
にはタートルの加熱時間が4時間(=2時間+2時間)
となるのに対し、硬化時間の短縮が図られ生産効率が向
上する。 (ロ)第1層のエポキシ樹脂9に、イミダゾール触媒を
添加しているので、潜在硬化性を付加でき、樹脂への熱
履歴が多く(長く)なってもエポキシ基を残存させ易く
なる。 (第2の実施の形態)次に、第2の実施の形態を、第1
の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0027】図6には、本実施の形態における半導体装
置の断面図を示す。図6において、回路基板1の導電パ
ターン2,3とフリップチップ4とはバンプ5,6を介
して電気的に接続されている。回路基板1はリードフレ
ーム20上に搭載されている。
置の断面図を示す。図6において、回路基板1の導電パ
ターン2,3とフリップチップ4とはバンプ5,6を介
して電気的に接続されている。回路基板1はリードフレ
ーム20上に搭載されている。
【0028】さらに、回路基板1とフリップチップ4と
の間の隙間には下層側封止樹脂7が充填されている。下
層側封止樹脂7は、エポキシ樹脂よりなる。さらに、フ
リップチップ4および回路基板1の全体を覆うように上
層側封止樹脂21が配置されている。上層側封止樹脂2
1は、エポキシ樹脂よりなり、トランスファモールドに
より成形されたものである。
の間の隙間には下層側封止樹脂7が充填されている。下
層側封止樹脂7は、エポキシ樹脂よりなる。さらに、フ
リップチップ4および回路基板1の全体を覆うように上
層側封止樹脂21が配置されている。上層側封止樹脂2
1は、エポキシ樹脂よりなり、トランスファモールドに
より成形されたものである。
【0029】次に、このように構成した半導体装置の製
造方法を説明する。図7に示すように、回路基板1の上
にフリップチップ4をバンプ5,6を介して半田付けす
るとともに、リードフレーム20上に回路基板1を搭載
する。
造方法を説明する。図7に示すように、回路基板1の上
にフリップチップ4をバンプ5,6を介して半田付けす
るとともに、リードフレーム20上に回路基板1を搭載
する。
【0030】そして、図8に示すように、回路基板1と
フリップチップ4との間の隙間に液状イミダゾール硬化
型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂にイミダゾール触媒を添
加したもの)22を注入し、150℃、10〜15分の
熱履歴を与え半硬化状態にする。
フリップチップ4との間の隙間に液状イミダゾール硬化
型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂にイミダゾール触媒を添
加したもの)22を注入し、150℃、10〜15分の
熱履歴を与え半硬化状態にする。
【0031】ここで、150℃、8分以下の熱履歴では
硬化が十分でなく、モールドの注入圧に耐えられず、エ
ポキシ樹脂22はフリップチップ4と基板1の隙間から
流出してしまう。モールドの注入圧に耐え得る半硬化状
態とするための反応度合はエポキシ基の残存量が初期の
90%以下になった状態である。
硬化が十分でなく、モールドの注入圧に耐えられず、エ
ポキシ樹脂22はフリップチップ4と基板1の隙間から
流出してしまう。モールドの注入圧に耐え得る半硬化状
態とするための反応度合はエポキシ基の残存量が初期の
90%以下になった状態である。
【0032】このように、第1層のエポキシ樹脂22
は、モールド注入圧に耐えうるように、エポキシ基が初
期の30%〜90%残っている半硬化状態にする。さら
に、図6に示すように、フリップチップ4上をBステー
ジ状エポキシ樹脂23にてトランスファモールドする。
つまり、フリップチップ4全体を覆うようにエポキシ樹
脂23を配置し、2時間(長時間)の加熱処理により完
全硬化させる。その結果、接着力が良好な樹脂界面が得
られる。
は、モールド注入圧に耐えうるように、エポキシ基が初
期の30%〜90%残っている半硬化状態にする。さら
に、図6に示すように、フリップチップ4上をBステー
ジ状エポキシ樹脂23にてトランスファモールドする。
つまり、フリップチップ4全体を覆うようにエポキシ樹
脂23を配置し、2時間(長時間)の加熱処理により完
全硬化させる。その結果、接着力が良好な樹脂界面が得
られる。
【0033】これまで説明した実施の形態の他にも次の
ように実施してもよい。上記実施の形態では、エポキシ
樹脂を注入した後において短時間の加熱処理により(1
50℃、15分間以下の熱履歴を与えることにより)半
硬化状態にしたが、図4のL2に示すように、低温での
加熱処理により(例えば130℃、30分間以下の熱履
歴を与えることにより)半硬化状態にしてもよい。要
は、加熱時間あるは加熱温度の少なくともいずれか一方
を完全硬化のための条件に対し変更すればよい。
ように実施してもよい。上記実施の形態では、エポキシ
樹脂を注入した後において短時間の加熱処理により(1
50℃、15分間以下の熱履歴を与えることにより)半
硬化状態にしたが、図4のL2に示すように、低温での
加熱処理により(例えば130℃、30分間以下の熱履
歴を与えることにより)半硬化状態にしてもよい。要
は、加熱時間あるは加熱温度の少なくともいずれか一方
を完全硬化のための条件に対し変更すればよい。
【0034】又、一次および二次の封止樹脂はエポキシ
樹脂の他にも、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、フェ
ノール樹脂等の熱硬化性樹脂を用いてもよい。さらに、
一次および二次の封止樹脂の注入・成形方法も各種のも
のを用いてもよい。
樹脂の他にも、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、フェ
ノール樹脂等の熱硬化性樹脂を用いてもよい。さらに、
一次および二次の封止樹脂の注入・成形方法も各種のも
のを用いてもよい。
【図1】 第1の実施の形態における半導体装置の断面
図。
図。
【図2】 半導体装置の製造工程を説明するための断面
図。
図。
【図3】 半導体装置の製造工程を説明するための断面
図。
図。
【図4】 半硬化時間とエポキシ基残存率との関係を示
す関係図。
す関係図。
【図5】 エポキシ基残存量と接着力との関係を示す関
係図。
係図。
【図6】 第2の実施の形態における半導体装置の断面
図。
図。
【図7】 半導体装置の製造工程を説明するための断面
図。
図。
【図8】 半導体装置の製造工程を説明するための断面
図。
図。
【図9】 分子構造の模式図。
【図10】 分子構造の模式図。
【図11】 従来技術を説明するための半導体装置の断
面図。
面図。
1…回路基板、4…フリップチップ、7…下層側封止樹
脂、8…上層側封止樹脂、9…エポキシ樹脂、10…エ
ポキシ樹脂。
脂、8…上層側封止樹脂、9…エポキシ樹脂、10…エ
ポキシ樹脂。
Claims (5)
- 【請求項1】 基板の上に空隙をもってチップが対向配
置され、このチップと基板との隙間に下層側封止樹脂が
充填されるとともに、チップ全体が上層側封止樹脂にて
覆われた半導体装置の製造方法であって、 チップと基板との隙間に硬化前の熱硬化性樹脂を注入す
る第1工程と、 当該樹脂を半硬化状態にする第2工程と、 チップ全体を覆うように硬化前の熱硬化性樹脂を配置す
る第3工程と、 積層した両樹脂を完全硬化させる第4工程とを備えるこ
とを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 【請求項2】 前記樹脂は、エポキシ樹脂である請求項
1に記載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項3】 第2工程は、エポキシ基が初期の30%
以上残っている半硬化状態にするものである請求項2に
記載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項4】 第1工程で使用するエポキシ樹脂は、イ
ミダゾール触媒を添加したものである請求項2に記載の
半導体装置の製造方法。 - 【請求項5】 第2工程は、エポキシ基が初期の30%
〜90%残っている半硬化状態にするものであり、第3
工程は、Bステージ状エポキシ樹脂をトランスファモー
ルドするものである請求項2に記載の半導体装置の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5473396A JPH09246300A (ja) | 1996-03-12 | 1996-03-12 | 半導体装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5473396A JPH09246300A (ja) | 1996-03-12 | 1996-03-12 | 半導体装置の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09246300A true JPH09246300A (ja) | 1997-09-19 |
Family
ID=12979006
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5473396A Pending JPH09246300A (ja) | 1996-03-12 | 1996-03-12 | 半導体装置の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09246300A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6321734B1 (en) | 1999-04-06 | 2001-11-27 | Hitachi, Ltd. | Resin sealed electronic device and method of fabricating the same and ignition coil for internal combustion engine using the same |
JP2005026447A (ja) * | 2003-07-02 | 2005-01-27 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 半導体装置および半導体装置の製造方法 |
JP2008022016A (ja) * | 2007-07-27 | 2008-01-31 | Taiyo Yuden Co Ltd | 回路モジュール |
JP2014222695A (ja) * | 2013-05-13 | 2014-11-27 | アオイ電子株式会社 | 半導体装置およびその製造方法 |
-
1996
- 1996-03-12 JP JP5473396A patent/JPH09246300A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6321734B1 (en) | 1999-04-06 | 2001-11-27 | Hitachi, Ltd. | Resin sealed electronic device and method of fabricating the same and ignition coil for internal combustion engine using the same |
JP2005026447A (ja) * | 2003-07-02 | 2005-01-27 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 半導体装置および半導体装置の製造方法 |
JP2008022016A (ja) * | 2007-07-27 | 2008-01-31 | Taiyo Yuden Co Ltd | 回路モジュール |
JP2014222695A (ja) * | 2013-05-13 | 2014-11-27 | アオイ電子株式会社 | 半導体装置およびその製造方法 |
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